JP2019131910A - シート製造装置、および、シート製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】繊維を含む材料によりシートを製造する際に、シートの厚さ方向における密度等を調整可能とする。【解決手段】繊維を含む第1混合物MX1を堆積させて第1ウェブW2を形成する第1堆積部60Aと、繊維を含む第2混合物MX2を第1ウェブW2に重ねて堆積させて第2ウェブW3を形成する第2堆積部60Bと、を有し、加工用ウェブを形成するウェブ形成部70と、ウェブ形成部70で形成された加工用ウェブに加熱を含む処理を行ってシートを製造する処理部80と、を備える、シート製造装置100。【選択図】図1

Description

本発明は、シート製造装置、及びシート製造方法に関する。
従来、繊維をシート状に加工する装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、繊維と機能材とを含む材料を混合してシートを製造する装置が開示されている。この装置は、繊維と機能材との割合が異なる2つの混合物を堆積させたウェブを加熱することにより、一方の面と、その裏面とで機能材の含まれる割合が異なるシートを製造する。
特開2015−183321号公報
特許文献1に記載された装置は、ウェブを加熱するローラーがウェブを加圧し、高密度化するので、製造されたシートの厚さ方向においては密度等が均質である。このため、シートの厚さ方向における密度等を調整する方法の開示はなかった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、繊維を含む材料によりシートを製造する際に、シートの厚さ方向における密度等を調整可能とすることを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明のシート製造装置は、繊維を含む第1材料を堆積させて第1ウェブを形成する第1堆積部と、繊維を含む第2材料を前記第1ウェブに重ねて堆積させて第2ウェブを形成する第2堆積部と、を有し、加工用ウェブを形成するウェブ形成部と、前記ウェブ形成部で形成された前記加工用ウェブに加熱を含む処理を行ってシートを製造する処理部と、を備える。
本発明によれば、第1堆積部、及び第2堆積部によって積層して堆積された加工用ウェブを処理してシートを製造するので、製造されるシートの厚さ方向における密度に、第1堆積部と第2堆積部の堆積状態が反映される。このため、シートの厚さ方向における密度等を調整可能である。
また、本発明は、第1成分を含む前記第1材料を供給する第1材料供給部と、前記第1成分とは異なる第2成分を含む前記第2材料を供給する第2材料供給部とを備える構成であってもよい。
また、本発明は、前記ウェブ形成部は、繊維を含む第3材料を前記第2ウェブに重ねて堆積させる第3堆積部を備え、前記第3堆積部で前記第3材料が堆積した前記加工用ウェブを形成する構成であってもよい。
また、本発明は、前記第1堆積部は、前記第1材料を分散させる分散部を備え、前記ウェブ形成部は、開口を有し、前記分散部により分散された前記第1材料が堆積する堆積面と、前記堆積面の開口を前記分散部側から反対側に通過する気流を発生させる気流発生部と、を備える構成であってもよい。
また、本発明は、前記処理部は、前記加工用ウェブを非加圧状態で加熱する加熱部を備える構成であってもよい。
また、本発明は、前記処理部は、前記加工用ウェブを加圧する加圧部を備え、前記加熱部は前記加圧部により加圧された前記加工用ウェブを加熱する構成であってもよい。
また、本発明は、前記加圧部は、前記加工用ウェブを部分的に押圧して前記加工用ウェブに凹凸形状を付与する押圧加工部を備える構成であってもよい。
本発明のシート製造方法は、繊維を含む第1材料を第1堆積部により堆積させて第1ウェブを形成する第1堆積工程と、繊維を含む第2材料を第2堆積部により前記第1ウェブに重ねて堆積させて第2ウェブを形成する第2堆積工程と、を含み、加工用ウェブを形成するウェブ形成工程と、前記ウェブ形成工程で形成された前記加工用ウェブに加熱を含む処理を行ってシートを製造する処理工程と、を含む。
本発明によれば、第1堆積部、及び第2堆積部によって積層して堆積された加工用ウェブを処理してシートを製造するので、製造されるシートの厚さ方向における密度に、第1堆積部と第2堆積部の堆積状態が反映される。このため、シートの厚さ方向における密度等を調整可能である。
第1実施形態のシート製造装置の概略構成図。 混合部の詳細な構成を示す図。 第1実施形態のシート製造装置で製造されたシートの断面図。 第2実施形態のシート製造装置の概略構成図。 第2実施形態の混合部の詳細な構成を示す図。 第2実施形態のシート製造装置で製造されたシートの断面図。 第3実施形態の加工ローラーの構成を示す説明図。 第4実施形態の加工ローラーの構成を示す説明図。 第5実施形態のシート製造装置の概略構成図。 第6実施形態のシート製造装置の概略構成図。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を限定するものではない。また、以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
[1.第1実施形態]
[1−1.シート製造装置の全体構成]
図1は、シート製造装置100の構成を示す模式図である。
シート製造装置100は、繊維を含む原料MAを繊維化して、新しいシートSに再生する再生処理を実行する。シート製造装置100は、複数の種別のシートSを製造可能であり、例えば、繊維化した原料MAに添加物を混合することにより、用途に合わせて、シートSの結合強度や白色度の調製や、色、香り、難燃等の機能を付加することもできる。また、シート製造装置100は、シートSの密度や厚さ、サイズ、形状を調整可能である。シートSの代表的な例として、A4やA3の定型サイズの印刷用紙、床掃除用シート等の掃除用シート、油汚れ用シート、トイレ掃除用シート等のシート状の製品の他に、紙皿形状等が挙げられる。
シート製造装置100は、大別して、原料MAを微細化してシートSの材料を得る解繊処理部101と、解繊処理部101で得られる材料を処理してシートSを製造する製造部102とを備える。
解繊処理部101は、供給部10、粗砕部12、解繊部20、選別部40、材料成形部45、及び、回転体49を備える。製造部102は、第1混合部50A及び第2混合部50B、ウェブ形成部70、処理部80、及び、切断部90を備える。ウェブ形成部70は、第1堆積部60A及び第2堆積部60Bを備える。回転体49は、解繊処理部101に分類してもよい。
シート製造装置100は、シート製造装置100の各部を制御する制御装置110を備える。
供給部10は、原料MAを収容し、粗砕部12に原料MAを連続的に投入する自動投入装置である。例えば、供給部10は、原料MAを積載するストッカー(図示略)と、ストッカーから原料MAを送り出すフィーダー(図示略)とを備える。原料MAは、繊維を含むものであればよく、例えば、古紙、廃棄紙、パルプシートである。
粗砕部12は、供給部10により供給された原料MAを刃によって裁断するシュレッダーである。粗砕部12で裁断された原料MAは、管2を介して解繊部20に搬送される。
解繊部20は、原料MAの粗砕片を解繊する。解繊とは、複数の繊維が結着された状態の原料MAを、1本または少数の繊維に解きほぐす加工である。原料MAは、被解繊物と呼ぶこともできる。解繊部20が原料MAを解繊することにより、原料MAに含まれる繊維が解きほぐされる効果のほか、原料MAに付着した樹脂粒やインク、トナー、にじみ防止剤等の物質を、繊維から分離させる効果が期待できる。解繊部20を通過したものを解繊物MBとする。
解繊物MBは、解きほぐされた繊維の他に、解繊部20が繊維を解きほぐす際に繊維から分離された介在物を含む。介在物は、粒子あるいは粉体であり、介在物の成分は、例えば、原料MAに含まれていた樹脂粒、インクやトナーなどの色剤、にじみ防止材や紙力増強剤等の添加剤である。樹脂粒は、原料MAの製造時に複数の繊維同士を結着させるために混合された樹脂である。解繊物MBに含まれる繊維の形状は、例えば、ひも(string)状や平ひも(ribbon)状である。解繊物MBに含まれる繊維は、他の繊維と絡み合っていない、独立した状態で存在してもよいし、他の繊維と絡み合って塊状となり、いわゆる「ダマ」を形成している状態で存在してもよい。
解繊部20は、乾式で解繊を行う。乾式とは、液体中ではなく、大気中(空気中)等の気中において処理を行うことを指す。解繊部20は、例えば、インペラーミルなどの解繊機を用いて構成できる。具体的には、解繊部20は、回転するローター(図示略)、及び、ローター(図示略)の外周に位置するライナー(図示略)を備え、粗砕片をローターとライナーとの間に挟んで解繊する。
粗砕部12から解繊部20には、気流により粗砕片が搬送される。この気流を解繊部20が発生する構成であってもよいし、粗砕片や解繊物MBの搬送方向における解繊部20の上流または下流側にブロアー(図示略)を設けて、気流を発生させてもよい。また、解繊物MBは、気流により、解繊部20から管3を通って選別部40に送られる。解繊物MBを選別部40に搬送する気流は、解繊部20が発生させてもよいし、上述したブロアーの気流を利用してもよい。
選別部40は、解繊物MBに含まれる成分を繊維のサイズによって選別する。繊維のサイズとは、主に繊維の長さを指す。
選別部40は、ドラム部41と、ドラム部41を収容するハウジング部43とを有する。ドラム部41は、篩として機能する部材であり、例えば、開口を有して篩として機能する網、フィルター、スクリーン等を備える。ドラム部41は、モーターによって回転駆動される円筒形状であり、周面の少なくとも一部が網となっている。ドラム部41の網は、金網、切れ目が入った金属板を引き延ばしたエキスパンドメタル、パンチングメタル等で構成される。導入口42からドラム部41の内部に導入された解繊物MBは、ドラム部41の回転により、ドラム部41の開口を通過する通過物と、開口を通過しない残留物とに分けられる。開口を通過した通過物は、開口より小さい繊維または粒子を含み、これを第1選別物とする。残留物は、開口より大きい繊維や未解繊片やダマを含み、これを第2選別物と呼ぶ。第1選別物は、ハウジング部43内の内部を、材料成形部45に向けて下降する。第2選別物は管8を通じて解繊部20に送られる。
シート製造装置100は、選別部40に代えて、第1選別物と第2選別物とを分離する分級機を備えてもよい。分級機は、例えば、サイクロン分級機、エルボージェット分級機、エディクラシファイヤーである。この分級機は、第1選別物に含まれる成分のうち、より小さいものや密度の低いものを分離する構成であってもよい。例えば、第1選別物から、解繊部20で繊維から引きはがされた樹脂粒や色剤や添加剤を、分級機で分離し、除去する構成を採用できる。
材料成形部45は、メッシュベルト46と、張架ローラー47と、吸引部48と、を備える。メッシュベルト46は、無端形状の金属製ベルトであり、複数の張架ローラー47に架け渡される。メッシュベルト46は、張架ローラー47により構成される軌道を周回する。メッシュベルト46の軌道の一部は、ドラム部41の下方で平坦であり、メッシュベルト46は平坦面を構成する。
メッシュベルト46に多数の開口を有し、ドラム部41からメッシュベルト46に降下する第1選別物のうち、メッシュベルト46の開口より大きい成分がメッシュベルト46に堆積する。第1選別物のうちメッシュベルト46の開口より小さい成分は、開口を通過する。メッシュベルト46の開口を通過する成分を、第3選別物とする。
吸引部48は、管23を介して第1集塵部27に連結される。第1集塵部27は、第3選別物を気流から分離するフィルター(図示略)を備え、第1集塵部27の下流には、第1捕集ブロアー28が設置される。第1捕集ブロアー28は、第1集塵部27から空気を吸引する。第1捕集ブロアー28の吸引力により、メッシュベルト46の開口を通過した第3選別物は、吸引部48から第1集塵部27に送られ、第1集塵部27のフィルターで捕集される。吸引部48が吸引する気流により、ドラム部41から降下する第1選別物がメッシュベルト46に引き寄せられるので、堆積を促進する効果がある。
メッシュベルト46に堆積した成分はウェブ形状に成形される。これをウェブ状材料W1とする。このように、材料成形部45は、選別部40で選別された第1選別物からウェブ状材料W1を形成する。ウェブ状材料W1は、第1選別物に含まれる成分のうち、メッシュベルト46の開口より大きい繊維を主たる成分としており、空気を多く含み柔らかくふくらんだ状態に形成される。ウェブ状材料W1は、メッシュベルト46の移動に伴い回転体49に搬送される。
回転体49は、モーター等の駆動部(図示略)に連結された基部49aと、基部49aから突出する突部49bを備え、基部49aが方向Rに回転することにより、突部49bが基部49aを中心として回転する。突部49bは、例えば、板状の形状を有している。図1の例では、基部49aに、4つの突部49bが等間隔に設けられている。
回転体49は、メッシュベルト46の軌道のうち平坦部分の端部に位置する。この端部ではメッシュベルト46の軌道が下方に屈曲しているため、メッシュベルト46が下方に屈曲して移動する。このため、メッシュベルト46が搬送するウェブ状材料W1は、メッシュベルト46から突出して、回転体49に接触する。ウェブ状材料W1は、突部49bがウェブ状材料W1に衝突することによって解きほぐされ、小さい繊維の塊となる。この塊は、回転体49の下方に位置する管7を通って搬送される。ウェブ状材料W1は、上述のように、繊維がメッシュベルト46に堆積して形成された柔らかい構造であるため、回転体49に衝突した際に容易に分断される。
ウェブ状材料W1が回転体49で分断された材料を、材料MCとする。材料MCは上述した第1選別物から、第3選別物を除去したものであり、主な成分は繊維である。
回転体49の位置は、突部49bがウェブ状材料W1と接触可能な位置であり、突部49bがメッシュベルト46と接触しない位置に設けられている。突部49bとメッシュベルト46とが最も接近する位置における相互間の距離は、例えば、0.05mm以上0.5mm以下とすることが好ましい。
管7の下流には、第1混合部50Aに繋がる管54Aと、第2混合部50Bに繋がる管54Bとが分岐して接続される。管54A、54Bには管7から材料MCが気流とともに搬送される。
第1混合部50A(第1材料供給部)は、管54Aに配置される第1添加物供給部52A及び第1混合ブロアー56Aを備える。第1添加物供給部52Aは、材料MCと混合される添加物を管54Aに供給する。第1混合ブロアー56Aは、管54Aの空気を吸引するブロアーであり、例えば、モーター(図示略)と、モーターにより駆動されて回転する羽根(図示略)と、羽根を収容するケース(図示略)を備える。第1混合ブロアー56Aは、羽根とケースとが連結された構成であってもよい。第1添加物供給部52Aが供給する添加物と材料MCとは、第1混合ブロアー56Aを通過する際に混合されて第1混合物MX1(第1材料)となる。また、第1混合ブロアー56Aが、気流を発生させる羽根に加え、材料MCと添加物とを混合させるミキサーを備えてもよい。
管54Aの下流側は第1堆積部60Aに接続される。第1混合部50Aで混合された第1混合物MX1は、第1混合ブロアー56Aが発生する気流により第1堆積部60Aに搬送される。
第2混合部50B(第2材料供給部)は、管54Bに配置される第2添加物供給部52B及び第2混合ブロアー56Bを備える。第2添加物供給部52Bは、材料MCと混合される添加物を管54Bに供給する。第2混合ブロアー56Bは、管54Bの空気を吸引するブロアーであり、第1混合ブロアー56Aと同様に構成される。第2添加物供給部52Bが供給する添加物と材料MCとは、第2混合ブロアー56Bを通過する際に混合されて第2混合物MX2(第2材料)となる。
管54Bの下流側は第2堆積部60Bに接続される。第2混合部50Bで混合された第2混合物MX2は、第2混合ブロアー56Bが発生する気流により第2堆積部60Bに搬送される。
図2は、第1混合部50A及び第2混合部50Bの構成を詳細に示す図である。
第1混合部50Aが備える第1添加物供給部52Aには、添加物を蓄積する添加物カートリッジ521Aがセットされる。添加物カートリッジ521Aは、第1添加物供給部52Aに着脱可能であってもよい。第1添加物供給部52Aは、添加物カートリッジ521Aから添加物を取り出す添加物取出部522Aと、添加物取出部522Aにより取り出された添加物を管54に排出する添加物投入部523Aとを備える。添加物取出部522Aは、添加物カートリッジ521Aから微粉または微粒子からなる添加物を繰り出すフィーダー(図示略)を備え、一部または全部の添加物カートリッジ521Aから添加物を取り出す。添加物取出部522Aにより取り出された添加物は、添加物投入部523Aに送られる。添加物投入部523Aは、添加物取出部522Aが取り出した添加物を収容する。添加物投入部523Aは、管54との連結部に開閉可能なシャッター(図示略)を備え、シャッターを開くことで、添加物取出部522Aが取り出した添加物が管54に送り出される。
第2混合部50Bの第2添加物供給部52Bは、第1添加物供給部52Aと同様に構成され、添加物取出部522B、及び、添加物投入部523Bを備える。第2添加物供給部52Bには、添加物カートリッジ521Bがセットされる。添加物カートリッジ521B、添加物取出部522B、及び添加物投入部523Bの構成及び機能は、それぞれ、添加物カートリッジ521A、添加物取出部522A、添加物投入部523Aと同様であるため説明を省略する。
第1添加物供給部52A及び第2添加物供給部52Bから供給される添加物は、複数の繊維を結着させるための樹脂(結着剤)を含む。添加物に含まれる樹脂は、製造部102において、ガラス転移点以上の温度まで加熱されることで溶融し、材料MCの繊維を結着させる。この樹脂は、例えば、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂である。具体的には、AS樹脂、ABS樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート、ナイロン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、などが挙げられる。添加物として、複数種類の樹脂を混合して用いてもよい。
第1添加物供給部52A及び第2添加物供給部52Bから供給される添加物は、繊維を結着させる樹脂以外の成分を含んでもよい。例えば、製造されるシートSの種類に応じて、繊維を着色するための着色剤や、繊維の凝集や樹脂の凝集を抑制するための凝集抑制剤、繊維等を燃えにくくするための難燃剤等が含まれていてもよい。また、添加物は繊維状であってもよく、粉末状であってもよい。
第1添加物供給部52Aと、第2添加物供給部52Bとは、制御装置110により個別に、独立して制御可能である。このため、第1添加物供給部52Aにより添加される添加物の量および成分と、第2添加物供給部52Bにより添加される添加物の量および成分とは、個別に設定可能である。また、添加物カートリッジ521Aに収容される添加物と、添加物カートリッジ521Bに収容される添加物とを異なる成分とすることも可能である。
また、第1添加物供給部52A、及び、第2添加物供給部52Bが供給する添加物は、上述した樹脂、着色剤、難燃剤のほか、特定の用途に適した機能を有する機能性材料であってもよい。機能性材料としては、脱臭剤、害虫忌避剤、吸水剤等が挙げられるが、詳細は後述する。
第1添加物供給部52Aによって混合された第1混合物MX1と、第2添加物供給部52Bによって混合された第2混合物MX2とは、いずれも材料MCを含むが、その他の成分が異なっていてもよいし、共通する成分を含んでもよい。
ウェブ形成部70は、第1堆積部60A、第2堆積部60B、メッシュベルト72、及び張架ローラー74を有する。また、管66、第2集塵部67、第2捕集ブロアー68、及び、サクション機構76を有する。
第1堆積部60Aは、第1ドラム部61Aと、第1ハウジング部63Aとを有する。また、第1堆積部60Aは、第1混合物MX1を第1ドラム部61Aに導入する第1導入口62Aを有する。第1ドラム部61Aは、例えばドラム部41と同様に構成される円筒形状の構造体であり、ドラム部41と同様にモーター(図示略)の動力によって回転し、篩として機能する。第1ドラム部61A(分散部)は、開口を有し、第1ドラム部61Aの回転によって解きほぐされた第1混合物MX1を、気中に分散させ、開口から下降させる。
また、第2堆積部60Bは、第2ドラム部61Bと、第2ハウジング部63Bとを有する。第2堆積部60Bは、第2混合物MX2を第2ドラム部61Bに導入する第2導入口62Bを有する。第2ドラム部61Bは、第1ドラム部61Aと同様に構成され、モーター(図示略)の動力によって回転し、篩として機能する。第2ドラム部61Bは、開口を有し、第2ドラム部61Bの回転によって解きほぐされた第2混合物MX2を、気中に分散させ、開口から下降させる。
第1堆積部60A及び第2堆積部60Bの下方には、メッシュベルト72(堆積面)が配置される。メッシュベルト72は、メッシュベルト46と同様の無端形状の金属製ベルトで構成され、複数の張架ローラー74に架け渡される。メッシュベルト72は、張架ローラー74により構成される軌道を周回する。メッシュベルト72の軌道の一部は、第1ドラム部61Aの下方および第2ドラム部61Bの下方に平坦部を有し、この平坦部でメッシュベルト72は平坦面を構成する。
メッシュベルト72は多数の開口を有する。第1ドラム部61Aから降下する混合物MX1のうち、メッシュベルト72の開口より大きい成分がメッシュベルト72に堆積する。また、混合物MX1のうちメッシュベルト72の開口より小さい成分は、第1ドラム部61Aの下方で開口を通過する。
第1ドラム部61Aの下方には、サクション機構76が配置される。サクション機構76は、メッシュベルト72に対して第1ドラム部61Aとは反対側から、空気を吸引し、この吸引力により、メッシュベルト72の開口を第1ドラム部61A側から反対側に流れる気流が発生する。
サクション機構76は、管66に接続される。管66は、第2集塵部67を介して第2捕集ブロアー68に接続される。第2集塵部67は、メッシュベルト72を通過した粒子や繊維を捕集するフィルター(図示略)を備える。第2捕集ブロアー68は、管66を通じて空気を吸引するブロアーである。サクション機構76は、第2捕集ブロアー68の吸引力により、メッシュベルト72の下方から空気を吸引し、吸引した空気に含まれる粒子や繊維を第2集塵部67により捕集する。第2捕集ブロアー68が吸引する気流は、第1ドラム部61Aから降下する混合物MX1をメッシュベルト72に引き寄せて、堆積を促進する効果がある。また、第2捕集ブロアー68の吸引気流は、第1ドラム部61Aから混合物MX1が落下する経路にダウンフローを形成し、落下中に繊維が絡み合うことを防ぐ効果も期待できる。メッシュベルト72に堆積した混合物MX1は、メッシュベルト72の平坦部でウェブ形状となり、第1ウェブW2を構成する。サクション機構76及び第2捕集ブロアー68は、気流発生部を構成する。
また、第2捕集ブロアー68の吸引力により、第1ウェブW2の密度を調整することができる。具体的には、第2捕集ブロアー68の吸引力は、第2捕集ブロアー68が吸引しない場合に比べて第1ウェブW2の密度を高める効果がある。
メッシュベルト72は、第1ドラム部61Aの下方から図中符号Fで示す搬送方向に第1ウェブW2を搬送し、第2ドラム部61Bの下方に達する。第2ドラム部61Bの下方では、第2ドラム部61Bの動作により降下する第2混合物MX2が、第1ウェブW2に重なって堆積する。これにより、メッシュベルト72の上には、第2ウェブW3が形成される。
本実施形態で、第2ドラム部61Bの下方にはサクション機構76が配置されない。つまり、第2堆積部60Bでは、第2ドラム部61Bから重力により降下した混合物MX2が、第1ウェブW2の上に堆積する。
メッシュベルト72の搬送経路において、第2堆積部60Bの下流側には、調湿部78が設けられる。調湿部78は、水をミスト状にしてメッシュベルト72に向けて供給するミスト式加湿器である。調湿部78は、例えば、水を貯留するタンクや、水をミスト状にする超音波振動子を備える。調湿部78が供給するミストにより、第2ウェブW3の含有水分量が調整されるので、静電気によるメッシュベルト72への繊維の吸着等を抑制する効果が期待できる。
調湿部78を経由した第2ウェブW3は、処理部80に搬送される。処理部80は、第2ウェブW3に対し、加熱を含む処理を施す。本実施形態の処理部80は、第2ウェブW3を加圧する加圧部82、及び、加圧部82により加圧された第2ウェブW3を加熱する加熱部89を備える。
加圧部82は、一対のカレンダーローラー85、85で構成される。加圧部82は、油圧によりカレンダーローラー85、85にニップ圧を与えるプレス機構(図示略)と、カレンダーローラー85、85を加熱部89に向けて回転させるモーター等の駆動部(図示略)とに連結される。加圧部82は、カレンダーローラー85、85によって第2ウェブW3を所定のニップ圧で加圧して、加熱部89に向けて搬送する。
加圧部82は、第2ウェブW3を強く加圧して高密度化するものであってもよいが、第2ウェブW3を高密度化せず、第2ウェブW3に弱い圧力を加えるものであってもよい。この場合、加圧部82は、第2ウェブW3の厚さの調整、または、第2ウェブW3の密度調整を行うことができる。つまり、加圧部82を経由する前後において、第2ウェブW3の硬さ及び/または弾性が極端に変化せずに、第2ウェブW3の密度や厚さを変化させることができる。
加熱部89は、第2ウェブW3の搬送路の上部、及び、好ましくは下部を収容する炉891と、炉891に収容された熱源892とを有する。第2ウェブW3は、加圧部82と切断部90との間で炉891の内部を通過する。
熱源892は、加熱用の赤外線を発する赤外線ヒーター、或いは、発熱体を有するヒーターである。発熱体としては抵抗発熱体を用いることができ、例えば、ニクロム線ヒーターやセラミックヒーターを採用できる。加熱部89は、熱源892が発する赤外線による輻射加熱、または、熱源892により炉891の内部空間を高温にすることによる伝達加熱により、炉891内の第2ウェブW3を加熱する。
また、炉891は、誘導加熱、誘電加熱、またはヒートポンプ式の加熱器により第2ウェブW3を加熱する構成であってもよい。また、炉891を有さず、第2ウェブW3の搬送経路に近接して配置される熱源892で第2ウェブW3を加熱してもよい。
また、炉891には、第2ウェブW3の下方、すなわち第2ウェブW3を挟んで熱源892の反対側に、別の熱源を設けてもよい。この構成は、熱源として赤外線ヒーター、或いは、発熱体ヒーターを用いる場合に効果的であり、第2ウェブW3を両面から加熱できるという利点がある。
加熱部89は、第2ウェブW3を加圧することなく加熱する、非加圧式の加熱部である。別の表現では、第2ウェブW3に接触しない熱源892を備え、非接触で第2ウェブW3を加熱する。
第2ウェブW3は、加熱部89によって、添加剤に含まれる樹脂のガラス転移点を超える温度まで加熱される。これにより、樹脂が溶融して、第2ウェブW3に含まれる材料MC由来の繊維どうしを結着させるとともに、繊維と、添加剤に含まれる各種成分とを結着させる。加熱部89の加熱を経て、第2ウェブW3は、繊維が容易にほぐれない状態に結着されたシートSとなる。
切断部90は、処理部80で処理されたシートSを切断する。切断部90は、搬送方向Fと交差する方向にシートSを切断する第1切断部92と、搬送方向Fに平行な方向にシートSを切断する第2切断部94と、を有する。切断部90は、シートSの長さおよび幅を所定のサイズにカットして、単票のシートSを形成する。切断部90でカットされたシートSは、排出部96に収容される。排出部96は、製造されたシートを収容するトレイやスタッカーを備え、トレイに排出されたシートSは、ユーザーが取り出して使用できる。
制御装置110は、シート製造装置100の各部を制御して、シートSの製造を実行させる。例えば、制御装置110は、シートSの製造を開始する際に、起動シーケンスを実行する。起動シーケンスではシート製造装置100の各部を順次起動させる。制御装置110は、加圧部82の油圧の制御や、切断部90における切断のタイミングの制御等を実行する。また、制御装置110は、第1捕集ブロアー28、第1混合ブロアー56A、第2混合ブロアー56B、第2捕集ブロアー68を含む各ブロアーの起動及び停止を制御する。また、制御装置110は、調湿部78による加湿を制御する。また、制御装置110は、上述したように、第1添加物供給部52A及び第2添加物供給部52Bをそれぞれ駆動させて、添加物の種類及び添加量を調整する。
シート製造装置100は、解繊処理部101と製造部102とを一体として構成してもよいし、別体として構成してもよい。
例えば、解繊処理部101によりウェブ状材料W1を製造した後、ウェブ状材料W1を回転体49に移送せずに、シート製造装置100から取り出して貯留することも可能である。また、この製造物を所定のパッケージに封入し、搬送および取引可能な形態としてもよい。製造部102は、解繊処理部101と分離された構成とすることができ、この場合、ウェブ状材料W1が第1混合部50A、第2混合部50Bの各々に供給される構成であってもよい。
[1−2.シートの製造例]
図3は、シート製造装置100により製造されるシートSの断面図である。
図3には、第1添加物供給部52A及び第2添加物供給部52Bにより、それぞれ1種類の添加物を添加した例を示す。図3の断面図において、シートSの厚さ方向を符号THで示し、シートSの幅方向を符号WIで示す。シートSを構成する主たる成分は、ベースBSである。ベースBSは、原料MAに含まれる繊維が結着して構成される。
シートSは、第1混合物MX1で構成される第1層L1と、第2混合物MX2で構成される第2層L2とを有する多層構造である。第1層L1は、ベースBSのほか、第1添加物供給部52Aにより添加される成分として、添加剤粒子AD1を含む。第2層L2は、ベースBSのほか、第2添加物供給部52Bにより添加された成分からなる添加剤粒子AD2を含む。添加剤粒子AD1、AD2は、第1添加物供給部52A及び第2添加物供給部52Bが添加した添加剤が、加熱部89で加熱されることにより溶融または変性したものであってもよい。また、第1層L1は、添加剤粒子AD1のほかにも添加剤を含んでもよく、第2層L2も同様である。すなわち、第1層L1、及び第2層L2は、それぞれ、複数の添加剤を含む構成であってもよく、添加剤粒子として共通する成分を含んでもよい。
シート製造装置100は、第1層L1の密度と第2層L2の密度とを異なる密度にすることが可能である。第1層L1の密度は、第1ウェブW2の密度、及び、第2ウェブW3を加圧する加圧部82の圧力を反映する。第1ウェブW2の密度は、第1ドラム部61Aの下方でサクション機構76が吸引する吸引気流の影響を受け、サクション機構76の気流が強いほど第1ウェブW2の密度が増す。サクション機構76の気流の強さは風速、風量のいずれを指標としてもよい。
一方、第2層L2の密度は、第2ウェブW3を加圧する加圧部82の圧力を反映する。
従って、シートSにおいて、第1層L1と第2層L2の密度を異ならせることが可能であり、シート製造装置100は、厚さ方向THにおいて密度が異なるシートSを製造できる。
また、シート製造装置100は、シートSの第1層L1と第2層L2の厚さを、個別に制御できる。具体的には、第1層L1の厚さは、第1堆積部60Aでメッシュベルト72に堆積する第1混合物MX1の厚さと、加圧部82が第2ウェブW3を加圧する圧力により決定される。第1混合物MX1がメッシュベルト72に堆積する厚さは、第1ドラム部61Aが単位時間あたりに降下させる第1混合物MX1の量により決定され、制御装置110が、第1ドラム部61Aの回転速度を調整することにより、制御できる。第1ドラム部61Aの回転速度が高いほど、メッシュベルト72に堆積する第1混合物MX1の厚さが厚くなる。また、第2堆積部60Bで堆積する第2混合物MX2の厚さは、第2ドラム部61Bが単位時間あたりに降下させる第2混合物MX2の量により決定され、制御装置110が、第2ドラム部61Bの回転速度を調整することにより、制御できる。第2ドラム部61Bの回転速度が高いほど、メッシュベルト72に堆積する第2混合物MX2の厚さが厚くなる。
また、第1ウェブW2及び第2ウェブW3の厚さを調整することにより、シートSの坪量を調整することも可能である。
このように、シート製造装置100は、厚さ方向THに複数の層を有し、層毎に、密度、厚さ、坪量が異なるシートSを製造できる。
[1−3.シートの応用例]
シート製造装置100が製造するシートSは、添加物の成分を適宜に選択することで、特定の用途に特化した機能性を有するシートSを製造できる。ここで、シートSの用途と、添加物供給部52が添加する添加物との組合せの具体例を挙げる。
以下に示す各種の具体例では、第1添加物供給部52A及び第2添加物供給部52Bにより添加する添加剤として、繊維を結合させる結合材と、機能を発現する機能性材料とを用いる。結合材および機能性材料は、小片、粒子、或いは粉末等の形状である。結合材は、加熱部89で加熱されることによって原料MAに由来する繊維を結合させる上記の樹脂である。以下の各例では、第1添加物供給部52Aにより結合材を添加し、第2添加物供給部52Bにより機能性材料を添加する。
第1添加物供給部52Aにより、結合材とともに着色剤を材料MCに添加して、第1ウェブW2を着色することも可能である。すなわち、第1添加物供給部52Aが、結合材が収容された添加物カートリッジ521Aと、着色剤が収容された添加物カートリッジ521Aとから添加物を供給してもよい。この場合、例えば、機能性材料の種類やシートSの用途毎にシートSの色を変えることで、シートSを利用する利用者が色によりシートSの種類を識別できる。また、第1添加物供給部52Aが添加する結合材の粒子が着色剤を含んでもよい。この場合、必要な添加物カートリッジ521Aを減らすことができる。
また、第2添加物供給部52Bにより、機能性材料と、着色剤とを添加してもよく、具体的には、機能性材料が収容された添加物カートリッジ521Bと、着色剤が収容された添加物カートリッジ521Bとから添加物を供給してもよい。この場合、シートSを利用する利用者が色によりシートSの種類を識別できる。また、第1層L1と第2層L2の色の組合せにより、シートSを使用する場合の面の向き、すなわち表裏を指示できる。また、第2添加物供給部52Bが添加する機能性材料の粒子が着色剤を含んでもよい。この場合、必要な添加物カートリッジ521Bを減らすことができる。
また、機能性材料は、木粉、タルク等の鉱物粉末、その他の有機または無機粉末を成分とする基剤に混合し、或いは吸着させて、小片、粒子或いは粉末状に成形したものであってもよい。この場合、微量の機能性材料を正確な含有量でシートSに含有させることができ、機能性材料が液体であっても第2添加物供給部52Bにより添加できる。また、複数種類の機能性材料を混合した混合物を第2添加物供給部52Bにより添加してもよい。
以下の各例において、第1添加物供給部52Aが結合材を添加することで、第1層L1が繊維と結合材とを含み、第2層L2が機能性材料を含む。図3の例では、添加剤粒子AD1が結合材であり、添加剤粒子AD2が機能性材料の粒子である。第1層L1は第2層L2に比べて高密度とすることが可能である。この第1層L1が繊維と結合材とを含むため、シートSの強度を確保できる。また、第1層L1に比べて密度が低い第2層L2に機能性材料を含むため、機能性材料と、外部の空気や水分と接触しやすい。このため、機能性材料が機能を発現しやすい状態を実現できる。
(1)植物栽培用シート
シート製造装置100は、植物の種子を蒔く培地として利用可能なシートSを製造できる。この例では、機能性材料として、植物の栽培に利用する材料を添加する。具体的には、機能性材料として、肥料および土質改良材を用いることができる。肥料としては、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硝酸アンモニウム等の窒素肥料が挙げられる。また、過リン酸石灰、重過リン酸石灰、熔成リン肥等のリン酸肥料の粒子を用いてもよい。また、塩化カリウム、硝酸カリウム等のカリ肥料の粒子を用いてもよい。また、これらの肥料のうち複数種類を混合した混合肥料を、機能性材料として添加してもよい。土質改良材は、例えばPH調整剤であり、具体的には、例えば、有機石灰、草木灰、生石灰、消石灰等を採用できる。
また、機能性材料として、水分を保持する保水材料を用いることもでき、例えば、SAP(Super Absorbent Polymer:高吸水性高分子)の粒子を添加物として用いることができる。また、保水材料として多孔質セラミックスの粒子を用いてもよい。これらの保水材料は、添加物として第1添加物供給部52Aまたは第2添加物供給部52Bにより添加すればよい。
これらの機能性材料を、小片、粒子或いは粉末状に成形して、第2添加物供給部52Bにより添加することにより、図3の添加剤粒子AD2のようにシートSの内部に分散して配置できる。また、複数種類の機能性材料を混合した混合物を、小片、粒子或いは粉末状に成形して、第2添加物供給部52Bにより添加してもよい。また、第2添加物供給部52Bにより、複数種類の機能性材料をそれぞれ添加してもよい。
植物栽培用のシートSは、例えば、土に埋設することで、土壌に肥料やPH調整剤等を与えることができる。また、シートSを土壌の代わりに植物を育成可能な培地として利用できる。このシートSを利用すれば、土壌改良や土壌管理の手間を省き、容易に植物を栽培できる。また、切断部90によってシートSを長尺形状にカットすることで、より大規模な植物栽培に利用できる。
この場合、第1添加物供給部52Aによって結合材を添加してもよいし、植物栽培用のシートであることを示す色にシートSを着色する着色剤と、結合材とを添加してもよい。このように製造されるシートSは、第1層L1が繊維と結合材とを含み、第2層L2が肥料、または、肥料とSAPとを含む。つまり、図3の添加剤粒子AD1が結合材であり、添加剤粒子AD2が肥料である。また、第2層L2に添加剤粒子AD2とは別にSAPの粒子を含んでもよい。この構成によれば、上述のようにシートSの強度を確保することができ、第2層L2から肥料が溶出しやすいという効果が期待できる。また、第2層L2にSAPを含む場合、SAPが水分を含んで膨張してもシートSが崩れにくいという利点がある。
(2)防虫シート
機能性材料として、害虫忌避剤や殺虫剤を用いることにより、シートSを防虫シートとすることができる。忌避剤や殺虫剤としては、化学的に合成された公知の薬剤のほか、クスノキの木粉やヒノキの木粉等の天然材料を用いることができる。これらの忌避剤や殺虫剤は、混合して用いることも可能である。
図3の例に当てはめると、添加剤粒子AD1が結合材樹脂、添加剤粒子AD2が忌避剤殺虫剤を含む粒子である。この構成によれば、上述のようにシートSの強度を確保することができ、第2層L2から忌避剤や殺虫剤の成分が揮発または溶出しやすいという効果が期待できる。この場合、第1添加物供給部52Aによって、防虫シートであることを示す色にシートSを着色する着色剤と、結合材とを添加してもよい。
(3)消臭用シート
機能性材料として、消臭剤、臭気吸着材、臭気分解材等の消臭機能材料を用いることにより、シートSを消臭用シートとすることができる。臭気吸着材は、例えば、活性炭や多孔質セラミックスの粒子を用いることができる。臭気分解材は、例えば、酸化チタンを用いることができる。これらの消臭剤や臭気吸着材は、混合して用いることも可能である。
図3の例に当てはめると、添加剤粒子AD1が結合材樹脂、添加剤粒子AD2が消臭機能材料を含む粒子である。この構成によれば、上述のようにシートSの強度を確保することができ、第2層L2の消臭機能材料が外気に触れやすいため、消臭機能を発揮しやすいという効果が期待できる。この場合、第1添加物供給部52Aによって、消臭シートであることを示す色にシートSを着色する着色剤と、結合材とを添加してもよい。
(4)除湿シート
機能性材料として、吸湿材料を含む粒子を用いることにより、シートSを除湿シートとすることができる。吸湿材料は、例えば、シリカゲル等の乾燥剤の粒子を用いることができる。複数種類の吸湿材料を混合して用いることも可能である。この構成によれば、上述のようにシートSの強度を確保することができ、第2層L2の吸湿材料が外気に触れやすいため、吸湿機能を発揮しやすいという効果が期待できる。この場合、第1添加物供給部52Aによって、吸湿シートであることを示す色にシートSを着色する着色剤と、結合材とを添加してもよい。
(5)保温発熱シート
機能性材料として、保温性や発熱性を発揮する材料を含む粒子を用いることにより、シートSを保温発熱シートとすることができる。この種の機能性材料は、例えば、カプサイシンを含む粉末や粒子(例えば、唐辛子の粉末)を用いることができる。この粒子には、副材料として、ブラックシリカの粒子を混合してもよい。また、複数種類の機能性材料を混合して用いることも可能である。この構成によれば、上述のようにシートSの強度を確保することができ、第2層L2の機能性材料が外気に触れやすく、成分が揮発しやすいので、保温性や発熱性を発揮しやすいという効果が期待できる。この場合、第1添加物供給部52Aによって、保温発熱シートであることを示す色にシートSを着色する着色剤と、結合材とを添加してもよい。
(6)保湿シート
機能性材料として、含水性の機能材料を含む粒子を用いることにより、シートSを除湿シートとすることができる。上記機能性材料は、例えば、SAPの粒子を用いることができる。複数種類の機能性材料を混合して用いることも可能である。この構成によれば、上述のようにシートSの強度を確保することができ、第2層L2の機能性材料が外気に触れやすいので、保湿性を発揮しやすいという効果が期待できる。この場合、第1添加物供給部52Aによって、保湿シートであることを示す色にシートSを着色する着色剤と、結合材とを添加してもよい。
(7)芳香シート
機能性材料として、芳香性の材料を用いることにより、シートSを芳香シートとすることができる。芳香性の材料は、公知の香料のほか、ヒノキ粉末などの天然材料を用いることができる。複数種類の芳香性材料を混合して用いることも可能である。この構成によれば、上述のようにシートSの強度を確保することができ、第2層L2の機能性材料が外気に触れやすく、成分が揮発しやすいので、芳香を発しやすいという効果が期待できる。この場合、第1添加物供給部52Aによって、芳香シートであることを示す色にシートSを着色する着色剤と、結合材とを添加してもよい。また、芳香の種類を示す色にシートSを着色してもよい。
以上説明したように、本発明を適用した第1実施形態のシート製造装置100は、加工用ウェブとしての第2ウェブW3を形成するウェブ形成部70を備える。ウェブ形成部70は、繊維を含む第1混合物MX1を堆積させて第1ウェブW2を形成する第1堆積部60Aと、繊維を含む第2混合物MX2を第1ウェブW2に重ねて堆積させて第2ウェブW3を形成する第2堆積部60Bと、を有する。シート製造装置100は、ウェブ形成部70で形成された第2ウェブW3に加熱を含む処理を行ってシートを製造する処理部80を備える。
シート製造装置100は、本発明のシート製造方法を実現する装置に相当する。ウェブ形成部70の処理はウェブ形成工程に相当し、第1堆積部60Aの処理は第1堆積工程に相当し、第2堆積部60Bの処理は、加工用ウェブとしての第2ウェブW3を形成する第2堆積工程に相当する。処理部80の処理は、処理工程に相当する。
本発明のシート製造装置、及び、シート製造方法を適用したシート製造装置100によれば、製造されるシートSの厚さ方向における密度に、第1堆積部60Aと第2堆積部60Bの堆積状態が反映される。このため、シートSの厚さ方向における密度等を調整可能である。
また、第1堆積部60Aは、第1混合物MX1を分散させる第1ドラム部61Aを有する。ウェブ形成部70は、開口を有し、第1ドラム部61Aにより分散された第1混合物MX1が堆積するメッシュベルト72を備える。また、メッシュベルト72の開口を第1ドラム部61A側から反対側に通過する気流を発生させる気流発生部としてのサクション機構76及び第2捕集ブロアー68を備える。
これにより、第1混合物MX1を堆積させる第1堆積部60Aにおいて、メッシュベルト72を通過する気流により、第1混合物MX1を、より高密度に堆積させることができる。この密度は、第2堆積部60Bが第2混合物MX2を堆積させる密度より高い密度にすることができる。このため、第1混合物MX1の層と第2混合物MX2の層とを含む複層構造のシートSにおいて、厚さ方向THにおける密度を変化させることができる。
また、シート製造装置100は、第1成分を含む第1混合物MX1を供給する第1混合部50Aと、第1成分とは異なる第2成分を含む第2混合物MX2を供給する第2混合部50Bとを備える。この構成により、シートSを構成する複数の層のそれぞれを、異なる成分で構成することができる。
また、処理部80は、第2ウェブW3を非加圧状態で加熱する加熱部89を備える。このため、メッシュベルト72の第1ウェブW2、及び、第2ウェブW3の密度を大きく変化させずに、結合材を溶解させてシートSを製造できる。このため、第2ウェブW3における各層の密度の差を残存させることができ、厚さ方向THにおいて密度が異なるシートSを製造できる。
また、処理部80は、第2ウェブW3を加圧する加圧部82を備え、加熱部89は加圧部82により加圧された第2ウェブW3を加熱する。加圧部82により、第2ウェブW3の密度を調整することができる。このため、シートSの密度を、第1ウェブW2や第2ウェブW3の密度とは異なる状態に調整可能である。
[2.第2実施形態]
[2−1.シート製造装置の全体構成]
以下、本発明を適用した第2実施形態について説明する。
図4は、第2実施形態のシート製造装置100Aの概略構成図である。シート製造装置100Aは、シート製造装置100(図1)において、解繊処理部101に代えて解繊処理部101Aを有し、製造部102に代えて、製造部102Aを有する。
第2実施形態の説明において、第1実施形態と共通する構成には同符号を付して説明を省略する。
製造部102Aは、図4に示すように、第1堆積部60A、第2堆積部60B、及び、第3堆積部60Cを有するウェブ形成部70Aを備える。ウェブ形成部70Aは、第3堆積部60Cを備える点を除き、ウェブ形成部70(図1)と同様に構成される。
また、解繊処理部101Aは、管7に、管54A、54B、54Cの3つの管が分岐して接続される。管54A、54Bには、シート製造装置100と同様に、それぞれ第1混合部50A、及び第2混合部50Bが配置される。管54A、54Bは、それぞれ、第1堆積部60A、及び第2堆積部60Bに接続される。
また、管54Cは、管54A、54Bと同様に材料MCを搬送する管であり、管54Cには第3混合部50Cが設けられる。
図5は、第1混合部50A、第2混合部50B及び第3混合部50Cの構成を詳細に示す図である。
第3混合部50Cが備える第3添加物供給部52Cには、添加物を蓄積する添加物カートリッジ521Cがセットされる。添加物カートリッジ521Cは、第3添加物供給部52Cに着脱可能であってもよい。第3添加物供給部52Cは、添加物カートリッジ521Cから添加物を取り出す添加物取出部522Cと、添加物取出部522Cにより取り出された添加物を管54に排出する添加物投入部523Cとを備える。添加物取出部522Cは、添加物カートリッジ521Cから微粉または微粒子からなる添加物を繰り出すフィーダー(図示略)を備え、一部または全部の添加物カートリッジ521Cから添加物を取り出す。添加物取出部522Cにより取り出された添加物は、添加物投入部523Cに送られる。添加物投入部523Cは、添加物取出部522Cが取り出した添加物を収容する。添加物投入部523Cは、管54との連結部に開閉可能なシャッター(図示略)を備え、シャッターを開くことで、添加物取出部522Cが取り出した添加物が管54に送り出される。
第3添加物供給部52Cが供給する添加物は、第1添加物供給部52A及び第2添加物供給部52Bと同様である。すなわち、繊維、樹脂、着色剤、難燃剤、その他の機能性材料であってもよい。
第3添加物供給部52Cは、第1添加物供給部52A及び第2添加物供給部52Bと同様、制御装置110により独立して制御可能である。このため、第3添加物供給部52Cにより添加される添加物の量および成分は、第1添加物供給部52A、及び第2添加物供給部52Bとは別に、制御装置110により制御可能である。また、添加物カートリッジ521Cに収容される添加物と、添加物カートリッジ521A、521Bに収容される添加物とを異なる成分とすることも可能である。
第3添加物供給部52Cによって添加される添加物は、第3混合ブロアー56Cで材料MCと混合されて第3混合物MX3(第3材料)となる。第3混合物MX3は、第1混合物MX1および第2混合物MX2と異なっていてもよいし、共通する成分を含んでもよい。第3混合ブロアー56Cは、第1混合ブロアー56A、及び第2混合ブロアー56Bと同様に構成される。第3混合物MX3は、第3混合ブロアー56Cが発生する気流によって第3堆積部60Cに送られる。
図4に戻り、第3堆積部60Cは、メッシュベルト72の搬送経路において第2堆積部60Bの下流側に配置される。また、調湿部78は、第3堆積部60Cの下流側に配置される。
第3堆積部60Cは、第1堆積部60A、及び第2堆積部60Bと同様に、メッシュベルト72の上方に位置する第3ドラム部61C、第3ドラム部61Cに第3混合物MX3を導入する第3導入口62Cを備える。第3ドラム部61Cは、篩として機能し、第3導入口62Cに導入される第3混合物MX3を気中に分散させて、メッシュベルト72に向けて降下させる。第3堆積部60Cは、サクション機構76を有しない。このため、第3ドラム部61Cによって分散された第3混合物MX3は、重力によりメッシュベルト72に向けて落下する。
メッシュベルト72の搬送経路では、第1堆積部60Aがメッシュベルト72に第1混合物MX1を堆積させて、第1ウェブW2を形成する。第2堆積部60Bは、第1ウェブW2の上に重ねて第2混合物MX2を堆積させて、第2ウェブW3を形成する。そして、第3堆積部60Cが、第2ウェブW3の上に重ねて第3混合物MX3を堆積させて、第3ウェブW4を形成する。
第3ウェブW4は、調湿部78で調湿された後で処理部80に搬送される。処理部80は、加圧部82によって第3ウェブW4の密度を調整し、加熱部89によって第3ウェブW4を加熱する。第3ウェブW4は、加熱部89で加熱されることにより、シートS1となる。
[2−2.シートの製造例]
図6は、シート製造装置100Aにより製造されるシートS1の断面図である。
図6には、第1添加物供給部52A、第2添加物供給部52B、及び第3添加物供給部52Cにより、それぞれ1種類の添加物を添加した例を示す。図6の断面図において、シートS1の厚さ方向を符号THで示し、シートS1の幅方向を符号WIで示す。シートS1を構成する主たる成分は、ベースBSである。ベースBSは、原料MAに含まれる繊維が結着して構成される。
シートS1は、第1混合物MX1で構成される第1層L1と、第2混合物MX2で構成される第2層L2と、第3混合物MX3で構成される第3層L3と、を有する多層構造である。第1層L1は、ベースBSと添加剤粒子AD11を含み、第2層L2はベースBSと添加剤粒子AD12を含む。添加剤粒子AD11、AD12は、第1添加物供給部52A及び第2添加物供給部52Bがそれぞれ添加した添加剤である。
第3層L3は、ベースBSと、第3添加物供給部52Cが添加した添加剤である添加剤粒子AD13とを含む。
なお、第1層L1、第2層L2、及び第3層L3は、複数の添加剤を含む構成であってもよく、添加剤粒子として共通する成分を含んでもよい。
シート製造装置100Aは、第1層L1の密度と、第2層L2及び第3層L3の密度とを異なる密度にすることが可能である。第1層L1の密度は、上述のように、第1ウェブW2の密度、及び、加圧部82が第3ウェブW4を加圧する圧力を反映する。第1ウェブW2の密度は、第1ドラム部61Aの下方でサクション機構76が吸引する吸引気流の影響を受け、サクション機構76の気流が強いほど第1ウェブW2の密度が増す。サクション機構76の気流の強さは風速、風量のいずれを指標としてもよい。一方、第2層L2および第3層L3の密度は、第3ウェブW4を加圧する加圧部82の圧力を反映する。
従って、シートS1において、第1層L1の密度を、第2層L2及び第3層L3の密度を異ならせることが可能であり、シート製造装置100Aは、厚さ方向THにおいて密度が異なるシートS1を製造できる。
また、シート製造装置100Aは、第1層L1、第2層L2及び第3層L3の厚さを、個別に制御できる。第1層L1及び第2層L2と同様に、第3層L3の厚さは、第3ドラム部61Cが単位時間あたりに降下させる第3混合物MX3の量により決定されるので、制御装置110が、第3ドラム部61Cの回転速度を調整することにより、制御できる。第3ドラム部61Cの回転速度が高いほど、メッシュベルト72に堆積する第2混合物MX2の厚さが厚くなる。
また、シート製造装置100Aでは、シートS1の坪量を調整することも可能である。
このように、シート製造装置100Aは、厚さ方向THに複数の層を有し、層毎に、密度、厚さ、坪量が異なるシートS1を製造できる。
シート製造装置100Aによれば、第3ウェブW4が加工用ウェブに相当するほかは、上記第1実施形態のシート製造装置100と同様の効果を得ることができる。
また、ウェブ形成部70Aは、繊維を含む第3混合物MX3を第2ウェブW3に重ねて堆積させる第3堆積部60Cを備え、第3堆積部60Cで第3混合物MX3が堆積した第3ウェブW4を形成する。この第3ウェブW4を処理してシートS1を製造することにより、3層構成を有し、少なくともいずれかの層の密度が、他の層とは異なるシートS1を製造できる。
シート製造装置100Aにより製造されるシートS1は3層構造であり、シートSに比べ多層であるため、機能性材料を添加したシートS1の製造に、より好適である。例えば、第1層L1に添加剤粒子AD11として結合材を添加し、第2層L2、第3層L3に、添加剤粒子AD12、AD13として機能性材料を添加してもよい。また、添加剤粒子AD11、AD12として着色料と結合材とを添加し、添加剤粒子AD13として機能性材料を添加してもよい。この場合、添加剤粒子AD11の着色料と、添加剤粒子AD12の着色料とを異なる色とすれば、混合効果によって、第1添加物供給部52A及び第2添加物供給部52Bが添加可能な着色料とは異なる色にシートS1を着色できる。また、ベースBSの透明度が低い場合、シートS1は、第1層L1と第2層L2とが異なる色に着色されることで、使用時のシートS1の表裏を確認できる等の効果が期待できる。
植物栽培用シートでは、第3層L3に添加剤粒子AD13として肥料を添加する例が挙げられる。第2層L2に添加剤粒子AD12としてSAPを添加してもよい。
防虫シートでは、第3層L3に、防虫効果を奏する機能性材料として、例えばクスノキの木粉を添加し、添加剤粒子AD11、AD12として無色の結合材を添加してもよい。
消臭シートでは、第3層L3の添加剤粒子AD13として活性炭等の機能性材料を添加し、添加剤粒子AD12としてシアン色の結合材を添加し、添加剤粒子AD11としてマゼンタ色の結合材を添加する例が挙げられる。また、第3層L3の添加剤粒子AD13として酸化チタンを添加してもよい。
除湿シートでは、添加剤粒子AD13としてシリカ等の機能性材料を添加し、添加剤粒子AD12としてイエロー色の結合材を添加し、添加剤粒子AD11としてマゼンタ色の結合材を添加する例が挙げられる。
保温発熱シートでは、添加剤粒子AD13としてブラックシリカ等の機能性材料を添加し、添加剤粒子AD12として唐辛子パウダーなどの機能性材料を添加し、添加剤粒子AD11としてマゼンタ色の結合材を添加する例が挙げられる。
保湿シートでは、添加剤粒子AD13としてSAP等の機能性材料を添加し、添加剤粒子AD11、AD12としてマゼンタ色の結合材を添加する例が挙げられる。
芳香シートでは、添加剤粒子AD13としてヒノキ木粉等の機能性材料を添加し、添加剤粒子AD12としてシアン色の結合材を添加し、添加剤粒子AD11としてイエロー色の結合材を添加する例が挙げられる。
[3.第3実施形態]
以下、本発明を適用した第3実施形態について説明する。
図7は、第3実施形態の加工ローラー310の構成を示す説明図である。図7の符号Aは、加工ローラー310の構成を示す側面視図であり、符号Bは、加工ローラー310を有する構成で製造されるシートS3の平面図である。
加工ローラー310(押圧加工部)は、上記第1実施形態のシート製造装置100、または、第2実施形態のシート製造装置100Aが備える加圧部82に代えて設置される。加工ローラー310は、加工用ウェブの搬送経路に設置されて、加工用ウェブを加圧する。以下の説明では、加工ローラー310をシート製造装置100(図1)に適用した構成を説明する。加熱部89、及び、その後の各工程における処理は、第1実施形態と同様である。
加工ローラー310は、対をなすローラー311及びローラー315を備える。加工ローラー310は、ローラー311とローラー315との間に、所定のニップ圧で第2ウェブW3を挟んで搬送し、第2ウェブW3に対し押圧力を与える。加工ローラー310は、ローラー311とローラー315にニップ圧を与える与圧機構(図示略)及びローラー311またはローラー315を駆動する駆動モーター(図示略)を備える。
加工ローラー310が第2ウェブW3を押圧する押圧力は、上述した加圧部82と同様に、第2ウェブW3の密度を調整する程度であってもよい。また、加工ローラー310は、第2ウェブW3を高密度化する圧力で加圧してもよい。
ローラー311の表面には、突起312が形成されている。これに対し、ローラー315は平坦な周面を有する円筒形のローラーである。
加工ローラー310が第2ウェブW3を挟んで搬送する際に、第2ウェブW3は突起312からニップ圧を受ける。このため、第2ウェブW3は部分的に押圧力を受けることになり、第2ウェブW3の一部が陥没する。従って、第2ウェブW3には、突起312の形状に対応する凹凸が形成される。
図7のBには、加工ローラー310を用いて製造されたシートの例として、シートS2の平面図を示す。図7の長さLは搬送方向FにおけるシートS2のサイズを指し、幅WIは図3と同様である。
シートS2には、長さL方向および幅WI方向に延びる格子状の凹部SEが形成されている。凹部SEは、第2ウェブW3が突起312により押圧されて形成され、凹部SE以外の部分が相対的に凸であるため、シートS2は全体に凹凸を有している。
凹部SEは、第2ウェブW3に対し、凹部SE以外の部分よりも高い圧力を受ける。このため、加工ローラー310が第2ウェブW3に対し、高密度化が可能な程度の圧力を加えた場合、第1層L1と第2層L2とが凹部SEで高密度に接合される。凹部SEは、加熱部89で加熱されることで、第2ウェブW3が含む結合材により確実に結合される。
これに対し、凹部SE以外の部分(例えば、凹部SEによって区画された部分SP)は、突起312により押圧されず、加熱部89において非加圧で加熱される。このため、凹部SE以外の部分は、第1ウェブW2及び第2ウェブW3の密度を概ね維持でき、柔軟性に富む状態とすることができる。
このように、加工ローラー310は、加工用ウェブとしての第2ウェブW3を部分的に押圧して、第2ウェブW3に凹凸形状を付与する。加工ローラー310は、突起312により第2ウェブW3を部分的に押圧することによって、シートS2に、凹部SEによって区画された部分SPを形成できる。また、突起312は、装飾としての凹部SEをシートS2に形成することもできる。
加工ローラー310を適用したシート製造装置100、100Aは、凹凸形状を有し、面内において密度差を有するシートS2を製造できる。このため、層毎に密度等が異なり、面内に密度差による凹凸形状が付与されたシートS2を、製造できる。
加工ローラー310は、シート製造装置100、100Aにおいて、加圧部82の代わりに設置する態様に限らず、加圧部82と加熱部89との間に追加して設置してもよい。
[4.第4実施形態]
以下、本発明を適用した第4実施形態について説明する。
図8は、第4実施形態の加工ローラー320の構成を示す説明図である。図8の符号Aは、加工ローラー320の構成を示す側面視図であり、符号Bは、加工ローラー320を有する構成で製造されるシートS3の平面図である。
加工ローラー320(押圧加工部)は、上記第1実施形態のシート製造装置100、または、第2実施形態のシート製造装置100Aが備える加圧部82に代えて設置される。加工ローラー320は、加工用ウェブの搬送経路に設置されて、加工用ウェブを加圧して、加工用ウェブに凹凸形状を付与し、いわゆるエンボス加工を施す。以下の説明では、加工ローラー320をシート製造装置100(図1)に適用した構成を説明する。加工ローラー320でエンボス加工が施された第2ウェブW3は、加熱部89により加熱される。加熱部89、及び、その後の各工程における処理は、第1実施形態と同様である。
加工ローラー320は、対をなすローラー321及びローラー325を備える。加工ローラー320は、ローラー321とローラー325との間に、所定のニップ圧で第2ウェブW3を挟んで搬送し、第2ウェブW3に対し押圧力を与える。加工ローラー320は、ローラー321とローラー325にニップ圧を与える与圧機構(図示略)及びローラー321またはローラー325を駆動する駆動モーター(図示略)を備える。
加工ローラー320が第2ウェブW3を押圧する押圧力は、上述した加圧部82と同様に、第2ウェブW3の密度を調整する程度であってもよい。また、加工ローラー320は、第2ウェブW3を高密度化する圧力で加圧してもよい。
ローラー321の表面には、突起322が形成されている。これに対し、ローラー325は平坦な周面を有する円筒形のローラーである。
加工ローラー320が第2ウェブW3を挟んで搬送する際に、第2ウェブW3は突起322からニップ圧を受ける。このため、第2ウェブW3は部分的に押圧力を受けることになり、第2ウェブW3の一部が陥没する。従って、第2ウェブW3には、突起322の形状に対応する凹凸が形成される。
図8のBには、加工ローラー320を用いて製造されたシートの例として、シートS3の平面図を示す。図8の長さL、幅WIは図7と同様である。
シートS3には、長さL方向および幅WI方向に並ぶ凹部EMが形成されている。凹部EMは、いわゆるエンボス加工により形成される凹部であり、第2ウェブW3が突起322により押圧されて形成され、凹部EM以外の部分が相対的に凸であるため、シートS3は全体に凹凸を有している。
凹部EMは、第2ウェブW3に対し、凹部EM以外の部分よりも高い圧力を受ける。このため、加工ローラー320が第2ウェブW3に対し、高密度化が可能な程度の圧力を加えた場合、第1層L1と第2層L2とが凹部EMで高密度に接合される。凹部EMは、加熱部89で加熱されることで、第2ウェブW3が含む結合材により確実に結合される。これに対し、凹部EM以外の部分は、突起322により押圧されず、加熱部89において非加圧で加熱される。このため、凹部EM以外の部分は、第2ウェブW3及び第2ウェブW3の密度を概ね維持でき、柔軟性に富む状態とすることができる。
このように、加工ローラー320は、第2ウェブW3を部分的に押圧して第2ウェブW3に凹凸形状を付与する押圧加工部として機能する。加工ローラー320は、突起322により第2ウェブW3を部分的に押圧することによって、シートSにエンボス加工を施すことができる。このため、シートS3の手触りに変化を持たせることができ、凹凸の装飾を有するシートSを製造できる。
加工ローラー320を適用したシート製造装置100、100Aは、凹凸形状を有し、面内において密度差を有するシートS3を製造できる。このため、層毎に密度等が異なり、面内に密度差による凹凸形状が付与されたシートS3を、製造できる。
本第4実施形態では、ローラー321、325を用いて、第2ウェブW3に片面エンボス加工を施す構成を例示したが、両面エンボス加工を行う構成であってもよい。すなわち、ローラー325にも突起322を設けてもよい。また、突起322の形状は図8の例に限定されず、幾何学模様、格子状、その他の任意の形状とすることができる。
また、加工ローラー320は、シート製造装置100、100Aにおいて、加圧部82の代わりに設置する態様に限らず、加圧部82と加熱部89との間に追加して設置してもよい。
[5.第5実施形態]
図9は、第5実施形態のシート製造装置100Bの概略構成図である。シート製造装置100Bは、シート製造装置100(図1)において、製造部102に代えて、製造部102Bを有する。製造部102Bは、印刷部500を、処理部80と切断部90との間に配置した構成を有する。第5実施形態において、第1実施形態のシート製造装置100と共通する構成については、同符号を付して説明を省略する。
印刷部500は、シートSに向けてインクを吐出する印刷ヘッド501と、印刷ヘッド501により吐出されるインクを収容するインクカートリッジ510とを備える。印刷ヘッド501は、複数色のインクを吐出することが可能であり、インクカートリッジ510は、印刷ヘッド501が吐出するインクの色数に対応して設けられる。また、印刷部500は、インクカートリッジ510から印刷ヘッド501にインクを供給するインク供給機構(図示略)、印刷ヘッド501からインクを吐出するノズル(図示略)等を備える。
印刷部500は、印刷ヘッド501により、処理部80でシート状に加工された第2ウェブW3、すなわちシートSに対し、インクを吐出することで、画像を形成する。印刷部500は、例えば、搬送方向Fに交差する方向に印刷ヘッド501を走査させることで、シートSの幅方向(例えば、図の幅WI方向)に画像を形成できる。また、印刷ヘッド501は、シートSの幅方向に延設されるラインインクジェットヘッドであってもよい。
第2ウェブW3は、処理部80において加圧および加熱されてシートSとなり、印刷部500により画像が形成される。その後、シートSは切断部90でカットされ、排出部96に排出される。
印刷部500は制御装置110の制御に従って印刷を実行する。制御装置110は、印刷用の画像データに従って、印刷部500を駆動し、画像を形成させる。また、制御装置110は、シートSにおける印刷位置を、第1切断部92がシートSを切断する位置を基準として制御することにより、所定サイズにカットされるシートSにおいて、設定された位置に画像を形成できる。
このように、シート製造装置100Bは、処理部80により処理されたシートSに印刷する印刷部500を備え、シートSに画像を形成できる。
また、第1実施形態で、シートSの用途として挙げた例(1)〜(7)において、シートSの用途や使用方法の説明を、印刷部500により印刷してもよい。この場合、特定の用途に適した添加物を含むシートSについて、シートSに形成される画像により、用途や使用方法を知らせることができる。
[6.第6実施形態]
図10は、第6実施形態のシート製造装置100Cの概略構成図である。第6実施形態において、第1実施形態のシート製造装置100と共通する構成については、同符号を付して説明を省略する。
シート製造装置100Cは、シート製造装置100(図1)において、製造部102に代えて、製造部400を有する。すなわち、製造部400は、シート製造装置100の第1堆積部60A、第2堆積部60B、ウェブ形成部70、処理部80の代わりに設けられる。
また、製造部400は、切断部90に相当する構成を有しないが、これらの構成を製造部400に設けてもよい。
製造部400は、第1製造部400A、及び、第2製造部400Bを有する。
第1製造部400Aは、混合物MX1を、静電方式によりウェブ状に成形し、第1ウェブW5とする。すなわち、第1製造部400Aは、繊維含有材料である混合物MX1を、被転写体である搬送ベルト401Aに静電転写して第1ウェブW5を形成する。第1製造部400Aは、第1ウェブW5の表面性状を整える後処理を行うことによって、中間シートSS1を製造する。
また、第2製造部400Bは、第1製造部400Aにより製造された中間シートSS1の上に、制電方式によって混合物MX2をウェブ状に堆積させて、第2ウェブW6とする。第2製造部400Bは、第2ウェブW6の表面性状を整える後処理を行うことによって、シートSS2を製造する。第2ウェブW6は、加工用ウェブに相当する。
シートSS2は、長尺形状を有しているため、第2製造部400Bの後段に切断部90を設けて、シートSS2をカットし、第1実施形態のシートSS2と同様に、定型サイズにカットされたシートとしてもよい。
第1製造部400Aは、混合物MX1を供給する供給部410A、供給された混合物MX1を担持する担持体420A、担持された混合物MX1が静電転写される搬送ベルト401A、及び後処理を行う加工部430を有する。
混合物MX1は、第1実施形態と共通であり、原料MAに由来する繊維と、添加物供給部52で添加される添加物との混合物である。また、混合物MX1は、混合物MX1の帯電特性を得るための帯電制御剤や電荷制御剤を含んでもよい。
供給部410Aは、ハウジング部411A内に、貯留部412A、攪拌機413A、ローラー414A、第1担持体415A、及びブレード416Aを収納する。
貯留部412Aは、混合物MX1を貯留する。攪拌機413Aは、貯留部412A内で混合物MX1を攪拌し、攪拌時の摩擦によって混合物MX1を帯電させる。
混合物MX1は、ローラー414Aの回転により第1担持体415Aに供給される。第1担持体415Aは、ローラー414Aとの間に電位差を有し、この電位差により混合物MX1が静電付着する。ブレード416Aは、第1担持体415Aに付着した混合物MX1の厚さ、または付着量を調整して、混合物MX1をシート状に調整するとともに、摩擦によって混合物MX1を帯電させる。
担持体420Aは、第1担持体415Aとの間に電位差を有しており、混合物MX1が担持体420Aに静電付着する。担持体420Aは、回転するローラー部材であり、担持体420Aに担持した混合物MX1を、搬送ベルト401Aに転写させる。
担持体420Aの周囲には、担持体420Aの外周面421Aを帯電させる帯電部422A、及び外周面421Aの電位を調整する露光部423Aが設けられる。さらに、担持体420Aの周囲には、担持体420Aとの間の電位差で生じる静電気力によって、混合物MX1を搬送ベルト401Aに転写させる転写部424Aが設けられる。
転写部424Aは、搬送ベルト401Aに転写された混合物MX1を担持体420Aとの間で加圧し、混合物MX1の厚さを均一にする。これにより、搬送ベルト401Aに、均一な厚さの第1ウェブW5が形成される。
搬送ベルト401Aは、無端形状のベルトで構成され、複数のローラー402Aによって搬送される。搬送ベルト401Aは、混合物MX1が転写される面が中・高抵抗(体積抵抗率107〜1011Ω・cm)を有する樹脂で構成されていることが好ましい。この種の樹脂としては、例えば、フッ素系樹脂にカーボンブラックが混練されたものを用いることができるが、その他の材料を用いることも勿論可能である。
第1処理部430Aは、第1ウェブW5の表面を平滑化する均し処理部431A、及び、第1ウェブW5を加圧する加圧処理部432Aを備える。均し処理部431Aは、少なくとも外周面が金属で構成された均しローラー435Aを有し、均しローラー435Aによって第1ウェブW5の表面を平滑化するとともに、アース線436Aを介して第1ウェブW5の除電を行う。
加圧処理部432Aは、加圧ローラー437Aによる加圧によって、第1ウェブW5に含まれる繊維同士、及び、繊維と樹脂とを結合させ、密度を均一化させる。加圧処理部432Aが第1ウェブW5を加圧する加圧力は、第1ウェブW5の密度を整える程度であって、例えば、加圧部82と同様に、第1ウェブW5を高密度化する圧力に満たない。加圧処理部432Aの処理を経て、中間シートSS1が形成される。加圧処理部432Aの下流には、中間シートSS1の搬送ベルト401Aからの剥離を促進する送風ファン(図示略)等が設けられてもよい。
第2製造部400Bは、混合物MX2を供給する供給部410B、供給された混合物MX2を担持する担持体420B、担持された混合物MX2が静電転写される搬送ベルト401B、及び後処理を行う加工部430を有する。
混合物MX2は、第1実施形態と共通であり、原料MAに由来する繊維と、添加物供給部52で添加される添加物との混合物である。また、混合物MX2は、混合物MX2の帯電特性を得るための帯電制御剤や電荷制御剤を含んでもよい。また、混合物MX2は、第1実施形態と同様に、混合物MX1と同一成分を含んでもよいし、異なる成分を含んでもよい。
搬送ベルト401Bは、搬送ベルト401Aと同様に無端形状のベルトで構成され、複数のローラー402Bによって搬送される。搬送ベルト401Bは、後述するように中間シートSS1を載置する面が中・高抵抗(体積抵抗率107〜1011Ω・cm)を有する樹脂で構成されていることが好ましい。この種の樹脂としては、例えば、フッ素系樹脂にカーボンブラックが混練されたものを用いることができるが、その他の材料を用いることも勿論可能である。
搬送ベルト401Bは、第1製造部400Aの搬送ベルト401Aに隣接して配置され、搬送ベルト401Aが搬送する中間シートSS1が、搬送ベルト401Aから搬送ベルト401Bに移動される。搬送ベルト401Bは、供給部410Bの上流側から、中間シートSS1を搬送する。
供給部410Bは、ハウジング部411B内に、貯留部412B、攪拌機413B、ローラー414B、第1担持体415B、及びブレード416Bを収納する。
貯留部412Bは、混合物MX2を貯留する。攪拌機413Bは、貯留部412B内で混合物MX2を攪拌し、攪拌時の摩擦によって混合物MX2を帯電させる。
混合物MX2は、ローラー414Bの回転により第1担持体415Bに供給される。第1担持体415Bは、ローラー414Bとの間に電位差を有し、この電位差により混合物MX2が静電付着する。ブレード416Bは、第1担持体415Bに付着した混合物MX2の厚さ、または付着量を調整して、混合物MX2をシート状に調整するとともに、摩擦によって混合物MX2を帯電させる。
担持体420Bは、第1担持体415Bとの間に電位差を有しており、混合物MX2が担持体420Bに静電付着する。担持体420Bは、回転するローラー部材であり、担持体420Bに担持した混合物MX2を、搬送ベルト401Bに転写させる。
ここで、搬送ベルト401Bには、第1製造部400Aで製造された中間シートSS1が載せられている。このため、担持体420Bに担持されたウェブ状の混合物MX2は、搬送ベルト401B上の中間シートSS1に重ねて転写される。ここで、中間シートSS1と、混合物MX2とが積層した第2ウェブW6が形成される。
担持体420Bの周囲には、担持体420Bの外周面421Bを帯電させる帯電部422B、及び外周面421Bの電位を調整する露光部423Bが設けられる。さらに、担持体420Bの周囲には、担持体420Bとの間の電位差で生じる静電気力によって、混合物MX2を、搬送ベルト401B上の中間シートSS1に転写させる転写部424Bが設けられる。
転写部424Bは、搬送ベルト401Bに転写された混合物MX2を含む第2ウェブW6を、担持体420Bとの間で加圧し、厚さを均一にする。これにより、搬送ベルト401Bに、均一な厚さの第2ウェブW6が形成される。担持体420B及び転写部424Bは、第1製造部400Aとともにウェブ形成部を構成する。
第2処理部430Bは、第2ウェブW6の表面を平滑化する均し処理部431B、及び、第2ウェブW6を加圧する加圧処理部432Bを備える。また、第2ウェブW6の表面を半固化させる半固化処理部433B、及び、第2ウェブW6を固化する固化部434Bを備える。均し処理部431Bは、少なくとも外周面が金属で構成された均しローラー435Bを有し、均しローラー435Bによって第2ウェブW6の表面を平滑化するとともに、アース線436Bを介して第2ウェブW6の除電を行う。
加圧処理部432B(加圧部)は、加圧ローラー437Bによる加圧によって、第2ウェブW6に含まれる繊維同士、及び、繊維と樹脂とを結合させ、密度を均一化させる。
半固化処理部433B(加熱部)は、断熱材で構成されたチャンバー438Bと、チャンバー438B内に設けられるヒーター439Bとを有し、ヒーター439Bによる加熱によって第2ウェブW6の表面を半固化させる。
加圧処理部432Bが第2ウェブW6を加圧する加圧力は、第2ウェブW6の密度を整える程度であって、例えば、加圧部82と同様に、第2ウェブW6を高密度化する圧力に満たない。
固化部434Bは、固化ローラー440Bと、固化ローラー440B内に設けられるヒーター441Bとを有する。固化部434Bは、ヒーター441Bへの通電によって固化ローラー440Bを加熱し、固化ローラー440Bによって第2ウェブW6を加熱しながら、第2ウェブW6を加圧する。これにより、第2ウェブW6に含まれる樹脂が溶融し、第2ウェブW6の繊維と樹脂とが結着して、シートSS2が形成される。シートSS2は、固化ローラー440Bを通過した後に、例えば自然に冷却されて、結着し、固化する。
第2処理部430Bの下流には、シートSS2の搬送ベルト401Bからの剥離を促進する送風ファン(図示略)等が設けられてもよい。
製造部400は、第1実施形態の製造部102と比較して、解繊、選別、吸引、及びウェブ形成等を必要としないので、シート製造装置100Cの構成をシンプルにすることができる。このため、シートSS2の製造時間を短縮できる等の利点がある。
また、固化部434Bは、非加圧で第2ウェブW6を加熱するので、シートSS2は、第1ウェブW5、及び、第2ウェブW6の密度の差を維持している。加圧処理部432Aが第1ウェブW5を加圧する圧力と、加圧処理部432Bが第2ウェブW6を加圧する圧力とが異なる場合、第2ウェブW6において、第1混合物MX1の層と、第2混合物MX2の層とは密度が異なる。固化部434Bが非加圧で加熱を行うことにより、シートSS2において、第1混合物MX1の層と、第2混合物MX2の層との密度の差を持たせることができる。
このように、第6実施形態のシート製造装置100Cは、加工用ウェブとしての第2ウェブW6を形成するウェブ形成部として、製造部400を備える。担持体420B、転写部424B及び第1製造部400Aを備える。ウェブ形成部は、繊維を含む第1混合物MX1を堆積させて第1ウェブW5を形成する第1堆積部としての供給部410A及び担持体420Aを備える。また、繊維を含む第2混合物MX2を第1ウェブW5に重ねて堆積させて第2ウェブW6を形成する第2堆積部としての供給部410B及び担持体420Bと、を有する。シート製造装置100は、ウェブ形成部で形成された第2ウェブW6に加熱を含む処理を行ってシートを製造する固化部434B(処理部)を備える。この構成によれば、製造されるシートSS2の厚さ方向における密度に、第1堆積部と第2堆積部の堆積状態が反映される。このため、シートSS2の厚さ方向における密度等を調整可能である。
また、第2ウェブW6を非加圧状態で加熱する固化部434Bを備えるので、第1ウェブW5、及び、第2ウェブW6の密度を大きく変化させずに、結合材を溶解させてシートSS2を製造できる。このため、第2ウェブW6における各層の密度の差を残存させることができ、厚さ方向において密度が異なるシートSS2を製造できる。
また、処理部80は、第2ウェブW6を加圧する加圧処理部432Bを備え、固化部434Bは加圧処理部432Bにより加圧された第2ウェブW6を加熱する。加圧処理部432Bにより、第2ウェブW6の密度を調整することができる。このため、シートSS2の密度を、第1ウェブW5や第2ウェブW6の密度とは異なる状態に調整可能である。
[7.他の実施形態]
上述した各実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明を実施する具体的態様に過ぎず、本発明を限定するものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、例えば以下に示すように、種々の態様において実施することが可能である。
例えば、第3実施形態では、加工ローラー310を、シート製造装置100、100Aに適用する例を説明した。本発明はこれに限定されず、加工ローラー310は、シート製造装置100B、100Cにも適用可能である。加工ローラー320も同様である。また、第5実施形態で説明した印刷部500は、シート製造装置100Bに限定されず、シート製造装置100、100A、100Cに適用することも可能である。さらに、加工ローラー310、320、及び印刷部500のうち2以上を組み合わせて、1つのシート製造装置100、100A〜100Cに適用することも可能である。
また、シート製造装置100、100A〜Cは、シートSに限らず、硬質のシート或いは積層したシートで構成されるボード状、或いは、ウェブ状の製造物を製造する構成であってもよい。また、製造物は紙に限らず不織布であってもよい。シートSの性状は特に限定されず、筆記や印刷を目的とした記録紙(例えば、いわゆるPPC用紙)として使用可能な紙であってもよいし、壁紙、包装紙、色紙、画用紙、ケント紙等であってもよい。また、シートSが不織布である場合、一般的な不織布のほか、繊維ボード、ティッシュペーパー、キッチンペーパー、クリーナー、フィルター、液体吸収材、吸音体、緩衝材、マット等としてもよい。
また、上記実施形態では、本発明のシート製造装置、及び、繊維原料再生装置として、原料を気中で解繊することにより材料を得て、この材料と樹脂とを用いてシートSを製造する乾式のシート製造装置100を説明した。本発明の適用対象はこれに限定されず、水等の溶媒中に繊維を含む原料を溶解または浮遊させ、この原料をシートに加工する、いわゆる湿式のシート製造装置にも適用できる。また、気中で解繊された繊維を含む材料をドラムの表面に静電気等により吸着させ、ドラムに吸着された原料をシートに加工する静電方式のシート製造装置にも適用できる。
2、3、7、23、54A、54B、54C、66…管、10…供給部、12…粗砕部、20…解繊部、27…第1集塵部、28…第1捕集ブロアー、40…選別部、41…ドラム部、42…導入口、43…ハウジング部、45…材料成形部、46…メッシュベルト、47…張架ローラー、48…吸引部、49…回転体、49a…基部、49b…突部、50A…第1混合部(第1材料供給部)、50B…第2混合部(第2材料供給部)、50C…第3混合部、52…添加物供給部、52A…第1添加物供給部、52B…第2添加物供給部、52C…第3添加物供給部、56A…第1混合ブロアー、56B…第2混合ブロアー、56C…第3混合ブロアー、60A…第1堆積部、60B…第2堆積部、60C…第3堆積部、61A…第1ドラム部(分散部)、61B…第2ドラム部、61C…第3ドラム部、62A…第1導入口、62B…第2導入口、62C…第3導入口、63A…第1ハウジング部、63B…第2ハウジング部、67…第2集塵部、68…第2捕集ブロアー(気流発生部)、70、70A…ウェブ形成部、72…メッシュベルト(堆積面)、74…張架ローラー、76…サクション機構(気流発生部)、78…調湿部、80…処理部、82…加圧部、85…カレンダーローラー、89…加熱部、90…切断部、92…第1切断部、94…第2切断部、96…排出部、100、100A、100B、100C…シート製造装置、101、101A…解繊処理部、102、102A、102B…製造部、110…制御装置、310、320…加工ローラー(押圧加工部)、400…製造部、400A…第1製造部、400B…第2製造部、500…印刷部、501…印刷ヘッド、510…インクカートリッジ、521A、521B、521C…添加物カートリッジ、522A、522B、522C…添加物取出部、523A、523B、523C…添加物投入部、891…炉、892…熱源、AD1、AD2、AD3、AD11、AD12、AD13…添加剤粒子、BS…ベース、MA…原料、MB…解繊物、MC…材料、MX1…第1混合物(第1材料)、MX2…第2混合物(第2材料)、MX3…第3混合物(第3材料)、S、S1、S2、S3…シート、W1…ウェブ状材料、W2…第1ウェブ、W3…第2ウェブ、W4…第3ウェブ、W5…第1ウェブ、W6…第2ウェブ。

Claims (8)

  1. 繊維を含む第1材料を堆積させて第1ウェブを形成する第1堆積部と、繊維を含む第2材料を前記第1ウェブに重ねて堆積させて第2ウェブを形成する第2堆積部と、を有し、加工用ウェブを形成するウェブ形成部と、
    前記ウェブ形成部で形成された前記加工用ウェブに加熱を含む処理を行ってシートを製造する処理部と、を備える、シート製造装置。
  2. 第1成分を含む前記第1材料を供給する第1材料供給部と、前記第1成分とは異なる第2成分を含む前記第2材料を供給する第2材料供給部とを備える、請求項1記載のシート製造装置。
  3. 前記ウェブ形成部は、繊維を含む第3材料を前記第2ウェブに重ねて堆積させる第3堆積部を備え、前記第3堆積部で前記第3材料が堆積した前記加工用ウェブを形成する、請求項1または2に記載のシート製造装置。
  4. 前記第1堆積部は、前記第1材料を分散させる分散部を備え、
    前記ウェブ形成部は、
    開口を有し、前記分散部により分散された前記第1材料が堆積する堆積面と、
    前記堆積面の開口を前記分散部側から反対側に通過する気流を発生させる気流発生部と、を備える、請求項1から3のいずれか1項に記載のシート製造装置。
  5. 前記処理部は、前記加工用ウェブを非加圧状態で加熱する加熱部を備える、請求項1から4のいずれか1項に記載のシート製造装置。
  6. 前記処理部は、前記加工用ウェブを加圧する加圧部を備え、前記加熱部は前記加圧部により加圧された前記加工用ウェブを加熱する、請求項5記載のシート製造装置。
  7. 前記加圧部は、前記加工用ウェブを部分的に押圧して前記加工用ウェブに凹凸形状を付与する押圧加工部を備える、請求項6記載のシート製造装置。
  8. 繊維を含む第1材料を第1堆積部により堆積させて第1ウェブを形成する第1堆積工程と、
    繊維を含む第2材料を第2堆積部により前記第1ウェブに重ねて堆積させて第2ウェブを形成する第2堆積工程と、を含み、加工用ウェブを形成するウェブ形成工程と、
    前記ウェブ形成工程で形成された前記加工用ウェブに加熱を含む処理を行ってシートを製造する処理工程と、を含む、シート製造方法。
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