JP6261889B2 - 回転センサレス制御装置、回転センサレス制御装置の制御方法及び制御プログラム - Google Patents

回転センサレス制御装置、回転センサレス制御装置の制御方法及び制御プログラム Download PDF

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本発明の実施形態は、回転センサレス制御装置、回転センサレス制御装置の制御方法及び制御プログラムに関する。
従来、永久磁石同期電動機(PMSM:Permanent Magnet Synchronous Motor)を回転センサを用いずに制御するPMSM回転センサレス制御においては、発生する誘起電圧の小さい低速域において、電動機鉄心突極性を利用して回転角度を推定するために、高周波電圧を重畳し、電流応答を検出する方式が広く用いられている。
しかしながら、重畳される高周波電圧により電磁騒音が発生することがわかっており、この発生する電磁騒音を低減するために、重畳する高周波電圧の周波数を時間的に切り替える(変更する)技術が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
特開2004−343833号公報
ところで、重畳高周波周波数を切り替える(変更する)際には、切替(変更)前後の周波数の平均値の成分が発生することが、発明者らの試験から明らかになった。
したがって、例えば、PWM電力変換に用いるPWM信号に重畳される重畳高周波周波数の影響を低減するために、複数の重畳高周波周波数を切り替えて用いた場合には、切替回数が多くなるほど平均周波数の成分が大きくなり、平坦な周波数スペクトル分布の実現が困難となる虞れがある。特に、一般的には重畳高周波周波数を選択できる範囲には制約があり、狭い範囲しか選択できないことに起因して平均周波数の成分が大きくなりやすい。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、選択した重畳高周波周波数選択範囲で平坦な周波数スペクトル分布が実現でき、電磁騒音を低減可能な回転センサレス制御装置、回転センサレス制御装置の制御方法及び制御プログラムを提供することを目的とする。
実施形態の回転センサレス制御装置の設定部は、PWM制御における基本波周波数よりも高い周波数である互いに異なる複数の重畳高周波周波数のうちいずれか一の重畳高周波周波数を設定するとともに、設定した重畳高周波周波数を有する電圧あるいは設定した重畳高周波周波数を有する電流の継続時間をランダムに設定する。
このとき、設定部の乱数発生部は、乱数を発生し、変移判定部は、発生された乱数及び所定の設定変移確率値に基づいて、現在の設定重畳高周波周波数を他の重畳高周波周波数に変移させるか否かを判定し、設定部は、変移判定部の判定結果が変移させるものであった場合に、設定重畳高周波周波数を他の重畳高周波周波数に設定するとともに、互いに異なる複数の変移確率値のうちいずれか一の変移確率値を設定変移確率値として設定する。
これにより、発生部は、重畳高周波周波数の電圧あるいは電流を継続時間の間発生し、推定部は、発生された重畳高周波周波数を有する電圧を永久磁石同期電動機に印加し、あるいは、発生された重畳高周波周波数を有する電流を永久磁石同期電動機に供給して、永久磁石同期電動機の回転子磁極位置及び回転速度を推定する。
図1は、第1実施形態のPMSM回転センサレス制御システムの概要構成ブロック図である。 図2は、継続判定部の概要構成ブロック図である。 図3は、第1実施形態のタイミングチャートである。 図4は、重畳高周波周波数の切替状態の説明図である。 図5は、重畳高周波周波数と高調波成分との関係説明図である。 図6は、高周波電圧指令生成部の概要構成ブロック図である。 図7は、変形例の動作説明タイミングチャートである。 図8は、他の高周波電圧指令生成部の概要構成ブロック図である。 図9は、第2実施形態のPMSM回転センサレス制御システムの概要構成ブロック図である。 図10は、第2実施形態の動作説明図である。 図11は、第2実施形態の効果の説明図である。 図12は、第3実施形態のPMSM回転センサレス制御システムの概要構成ブロック図である。 図13は、第3実施形態のタイミングチャートである。 図14は、第3実施形態の変形例の説明図である。
次に図面を参照して、実施形態について詳細に説明する。
[1]第1実施形態
図1は、第1実施形態のPMSM回転センサレス制御システムの概要構成ブロック図である。
PMSM回転センサレス制御システム10は、大別すると、電力変換を行うインバータ11と、インバータ11により回転駆動されるPMSM12と、電動機鉄心突極性を利用してPMSM12の回転角度を推定するために重畳する高周波電圧の周波数を演算し、設定するための重畳高周波周波数演算部13と、重畳高周波周波数演算部13により設定された周波数を有する高周波信号を制御信号に重畳しつつ、インバータ11を制御するインバータ制御部14と、を備えている。このとき、重畳高周波周波数演算部13はインバータ制御部14内部または外部に設けることが可能である。
重畳高周波周波数演算部13は、乱数を発生する乱数発生部21と、入力された乱数の値に基づいて継続期間を決定し、継続期間データを出力する継続期間決定部22と、入力された継続期間データに基づいて後述する継続判定を行い、周波数選択信号を出力する継続判定部23と、周波数選択信号に基づいて、重畳高周波周波数として設定可能な周波数のうち最も周波数の高い最大重畳高周波周波数fmaxあるいは重畳高周波周波数として設定可能な周波数のうち最も周波数の低い最小重畳高周波周波数fminのいずれか一方を重畳高周波周波数信号として出力する周波数選択部24と、を備えている。
図2は、継続判定部の概要構成ブロック図である。
継続判定部23は、比較器61、カウンタ62、反転処理器63を備えている。
比較器61は、継続期間データ及びカウントデータが入力され、継続期間データの値及びカウントデータの値が一致したか否かを判別して、比較結果信号を出力する。
カウンタ62は、内部にメモリを有しており、メモリにはカウント値が保存されている。カウント値の初期値は例えば0とする。そのカウント値に対して制御周期毎に一定値(例えば1)を加算してメモリ内のカウント値を更新する。
カウンタ62には、比較結果信号が入力され、比較結果信号が一致に相当する場合にカウント値は初期値にリセットされる。また、カウンタ62は、比較結果信号が不一致に相当する場合は、継続して制御周期毎に一定値を加算してカウント値として出力する。
反転処理器63は、比較結果信号及び周波数選択信号が入力され、比較結果信号と周波数選択信号とが不一致となった場合に、周波数選択信号を反転する。
以上の一連の処理が継続判定となる。
インバータ制御部14は、周波数選択部24より出力される重畳高周波周波数信号に基づいて、重畳すべき高周波電圧の周波数の指示を行うための重畳電圧指令信号vdchを出力する高周波電圧指令生成部31を備えている。また、インバータ制御部14は、入力された重畳電圧指令信号vdch及びq軸電流検出信号iqcに基づいてPMSM12の回転位相角を推定して推定位相角θestを出力する回転位相角推定部32を備えている。
また、インバータ制御部14は、運転室等の外部から入力されるd軸電流指令信号idc、q軸電流指令信号iqc、電流検出部37の検出値から算出されるd軸電流検出信号idc及びq軸電流検出信号iqcに基づいて電流制御を行うために基本波電圧指令信号vdcf、vqcfを生成し出力する電流制御部33と、基本波電圧指令信号vdcf、vqcfおよび重畳電圧指令信号vdchに基づいてd軸電圧指令信号vdc、q軸電圧指令信号vqcを出力する高周波電圧重畳部34と、を備えている。
また、インバータ制御部14は、入力されたd軸電圧指令信号vdc及びq軸電圧指令信号vqcの座標変換を行ってU相電圧指令信号vu、V相電圧指令信号vv、W相電圧指令信号vwを出力する第1座標変換部35と、入力された電圧指令信号vu、vv、vwと、搬送波である三角波あるいは鋸波と、を比較してPWM変調を行い、インバータ11の各相スイッチング素子のオン/オフ指令であるゲート信号を出力するPWM変調部36と、を備えている。
また、インバータ制御部14は、PMSM12に流れる3相交流電流のうち複数相(図1の例では、U相及びW相の2相)の電流応答値を検出し、電流検出信号(図1の例では、U相電流検出信号iu及びW相電流検出信号iw)を出力する電流検出部37と、電流検出部37により出力された電流検出信号(図1の例では、U相電流検出信号iu及びW相電流検出信号iw)の座標変換(UVW/dcqc変換)を行ってd軸電流検出信号idc及びq軸電流検出信号iqcを出力する第2座標変換部38と、を備えている。
次に第1実施形態の動作を説明する。
まず、重畳高周波周波数演算部13の乱数発生部21は、乱数値を発生して継続期間決定部22に出力する。ここで、乱数発生部21は、疑似乱数を演算して乱数値として出力したり、乱数テーブルを参照したりして乱数値を出力する。
この結果、継続期間決定部22は、入力された乱数値に基づいて重畳高周波周波数の継続期間を決定し、継続期間データとして出力する。より具体的には、重畳高周波周波数の1周期分を基準として(1)式で計算する。
継続期間=重畳高周波周波数の1周期×乱数値 ……(1)
継続判定部23は、入力された継続期間データに基づいて、継続判定を行い、周波数選択信号を出力する。本第1実施形態においては、重畳高周波電圧の周波数は、最大重畳高周波周波数fmaxあるいは、最小重畳高周波周波数fminの2種類であるので、周波数選択信号は、“0”又は“1”のいずれかの値を有する2値データである。したがって、継続期間データの値に応じて、最大重畳高周波周波数fmaxあるいは、最小重畳高周波周波数fminのいずれかに対応する周波数選択信号が周波数選択部24に出力される。
周波数選択部24は、周波数選択信号に基づいて、最大重畳高周波周波数fmaxあるいは最小重畳高周波周波数fminのいずれか一方を重畳高周波周波数信号として高周波電圧指令生成部31に出力する。
インバータ制御部14の高周波電圧指令生成部31は、入力された重畳高周波周波数信号に基づいて重畳すべき高周波電圧の周波数の指示を行うための重畳電圧指令信号vdchを回転位相角推定部32及び高周波電圧重畳部34に出力する。
一方、電流制御部33は、入力されたd軸電流指令信号idc、q軸電流指令信号iqc、d軸電流検出信号idc及びq軸電流検出信号iqcに基づいて電流制御を行うために基本波電圧指令信号vdcf、vqcfを生成し高周波電圧重畳部34に出力する。
これらの結果、高周波電圧重畳部34は、基本波電圧指令信号vdcfおよび重畳電圧指令信号vdchに基づいてd軸電圧指令信号vdc、を生成し、基本波電圧指令信号vqcfおよび重畳電圧指令信号vdchに基づいてq軸電圧指令信号vqcを生成し、生成したd軸電圧指令信号vdc及びq軸電圧指令信号vqcを第1座標変換部35に出力する。
第1座標変換部35は、入力されたd軸電圧指令信号vdc及びq軸電圧指令信号vqcの座標変換を行ってU相電圧指令信号vu、V相電圧指令信号vv及びW相電圧指令信号vwをPWM変調部36に出力する。
PWM変調部36は、入力された電圧指令信号vu、vv、vwと、搬送波である三角波あるいは鋸波と、を比較してPWM変調を行い、インバータ11の各相スイッチング素子のオン/オフ指令であるゲート信号をインバータ11に出力する。
この結果、インバータ11よりPMSM12には、同期した状態でU相電流、V相電流及びW相電流が流れて、PMSM12の図示しない回転子が回転することとなる。
これと並行して、電流検出部37は、PMSM12に流れる3相交流電流のうち複数相(図1の例では、U相及びW相の2相)の電流応答値を検出し、電流検出信号(図1の例では、U相電流検出信号iu及びW相電流検出信号iw)を第2座標変換部38に出力する。
第2座標変換部38は、電流検出部37により出力された電流検出信号(図1の例では、U相電流検出信号iu及びW相電流検出信号iw)の座標変換(UVW/dcqc変換)を行ってd軸電流検出信号idcを電流制御部33に出力し、q軸電流検出信号iqcを回転位相角推定部32及び電流制御部33に出力する。
この結果、回転位相角推定部32は、入力された重畳電圧指令信号vdch及びq軸電流検出信号iqcに基づいてPMSM12の回転位相角を推定して推定位相角θestを第1座標変換部35及び第2座標変換部38に出力する。
上記動作の結果、第1座標変換部35は、推定位相角θestに相当するPMSM12の回転状態に最適な電圧指令信号vu、vv、vwをPWM変調部36に対して出力することとなるので、インバータ11は、騒音を抑制しつつ、PMSM12の回転状態に応じて回転駆動を行う。
次により具体的な動作について説明する。
図3は、第1実施形態のタイミングチャートである。
図3に示すように、PWM変調部36の直流電源電圧をVdc[V]とした場合に、搬送波発生部が発生する搬送波信号SCは、0[V]と直流電源電圧Vdc[V]との2つの電圧レベルの間で遷移する三角波となる。
また、高周波電圧指令生成部31が出力する重畳電圧指令信号vdchは、図3に示すように、その周期が重畳高周波周波数(最大重畳高周波周波数fmaxあるいは最小重畳高周波周波数fmin)に応じた周波数を有する矩形波となる。
より詳細には、図3において、時刻t1から時刻t2に至る期間及び時刻t3から時刻t4に至る期間においては、重畳電圧指令信号vdchは、重畳高周波周波数=最小重畳高周波周波数fminであるので、比較的低い周波数の矩形波となっている。
一方、図3において、時刻t2から時刻t3に至る期間及び時刻t4以降の期間においては、重畳電圧指令信号vdchは、重畳高周波周波数=最大重畳高周波周波数fmaxであるので、比較的高い周波数の矩形波となっている。
図4は、重畳高周波周波数の切替状態の説明図である。
ここで図4は、図3(a)の長期的な時間軸で表現した図になっている。
図4に示すように、本第1実施形態によれば、乱数発生部21において発生された乱数値に基づいて、重畳高周波周波数は、最大重畳高周波周波数fmaxあるいは最小重畳高周波周波数fminのいずれかの継続期間がランダムに変化するようにされている。
したがって、本第1実施形態によれば、同一周波数の重畳高周波が印加される継続期間が毎回異なるため、重畳高周波周波数選択範囲における平均周波数の成分を低減できる。
また、本第1実施形態においては、乱数値に応じて継続期間を変更することで、同一周波数の重畳高周波の継続期間の変化に規則性が無くなるため、継続期間の変化に伴う聴覚上の違和感を生じることが無くなる。
本第1実施形態によれば、重畳高周波の継続期間が毎回異なるため、重畳高周波周波数選択範囲の平均周波数の成分を低減できる。
また、本第1実施形態によれば、乱数値に応じて継続期間を変更しているので、同一の重畳高周波周波数を維持し、継続する継続期間の変化に規則性が無くなり、継続期間の変化に伴う聴覚上の違和感が生じることが少なくなる。
また、通常、搬送波周波数の選択範囲は、上限周波数(fmax)は、マイコンの制御演算処理時間の制限を受け、下限周波数(fmin)は、制御遅れによる制御性の悪化による制限を受ける。したがって、上限周波数(fmax)から下限周波数(fmin)に至る周波数帯域としては、広く取ることができない。
図5は、重畳高周波周波数と高調波成分との関係説明図である。
すなわち、図5に示すように、下限の周波数である最小重畳高周波周波数fminによる高調波成分の山71、上限の周波数である最大重畳高周波周波数fmaxによる高調波成分の山72及び周波数の変移に伴う高調波成分の山73はそれぞれ重なることになる。したがって、重畳高周波周波数選択範囲の中で、分散の範囲を可能な限り広げるためには、重畳高周波周波数選択範囲の下限の周波数である最小重畳高周波周波数fminと上限の周波数である最大重畳高周波周波数fmaxの2つの周波数を重畳高周波周波数として選択して、継続期間を変化させることで分散するのがより好ましいことがわかる。
また、可能であれば、重畳高周波周波数の更新タイミングが搬送波の山または谷になるように、継続期間としては、搬送波が三角波の場合には搬送波周期の半周期の整数倍、搬送波が鋸波の場合には搬送波の1周期の整数倍にするのが好ましい。これによって、搬送波の山から谷の間の出力電圧の平均値が出力電圧指令の電圧値となるというPWMの前提が保たれ、搬送波周波数の変更によって、出力電圧に生じる誤差の発生を防ぐことができる。
[1.1]第1実施形態の変形例
[1.1.1]第1変形例
上記構成において、重畳高周波周波数を維持する継続期間期を、重畳高周波の周期の半周期の整数倍とし、高周波電流が零となるタイミングで重畳高周波の周波数を切り替えるように構成することも可能である。
これにより、より安定した切り替えが実現できる。
また、さらに、継続期間を、重畳高周波の1周期の整数倍とすることで、高周波1周期のフーリエ級数演算によって回転位相角の推定、すなわち、推定位相角θestを正確に算出することができる。
[1.1.2]第2変形例
上記第1実施形態では、高周波電圧を重畳する方法を示したが、高周波電流を重畳する方法でも同様の効果を得ることが可能である。
また、上記第1実施形態では、重畳高周波電圧をd軸に矩形波を重畳している例を示したが、d軸とq軸の両方あるいはq軸だけに電圧を重畳する、あるいは正弦波を重畳する場合でも同様の効果が得られる。
[1.1.3]第3変形例
図6は、高周波電圧指令生成部の概要構成ブロック図である。
高周波電圧指令生成部31は、重畳高周波周波数設定部13Xから入力された重畳高周波周波数(fmaxまたはfmin)を、(2)式あるいは(3)式で表される中心重畳高周波周波数fh_cで除し、第1の重畳高周波電圧振幅指令値Vdhを乗じた値を第2の重畳高周波電圧振幅指令値Vdh**として出力する重畳高周波電圧振幅指令生成部301と、入力された重畳高周波周波数(fmax又はfmin)の重畳高周波電圧振幅を第2の重畳高周波電圧振幅指令値Vdh**に相当する値として重畳電圧指令信号vdchとする矩形波生成部302と、を備えている。
Figure 0006261889
Figure 0006261889
図7は、変形例の動作説明タイミングチャートである。
上記構成の結果、図7に示すように、時刻t1から時刻t2に至る期間及び時刻t3から時刻t4に至る期間は、重畳高周波周波数=fmin(<fmax)となっている。この期間における重畳電圧指令信号vdchの値は、重畳高周波周波数が、中心重畳高周波周波数fh_cにおける重畳電圧指令信号vdchの振幅=vh[V]の場合に、重畳高周波周波数=fminにおける重畳電圧指令信号vdchの振幅vhfmin<vhとなっている。
また、図7に示すように、時刻t2から時刻t3に至る期間及び時刻t4以降の期間は、重畳高周波周波数=fmaxとなっており、この期間における重畳電圧指令信号vdchの値は、重畳高周波周波数が、中心重畳高周波周波数fh_cにおける重畳電圧指令信号vdchの振幅=vh[V]の場合に、重畳高周波周波数=fmaxにおける重畳電圧指令信号vdchの振幅vhfmax>vhとなっている。
高周波電流idchの振幅Ihは、重畳電圧指令信号vdchの振幅vhと重畳高周波周波数fh、インダクタンスLを用いて、次式のように近似できる。
Ih≒vh/(4fh×L)
したがって、上記構成の結果、vh/fhが一定となるので、図7に示すように、重畳した高周波電圧によって発生する高周波電流idchの振幅が重畳高周波周波数の値(fminまたはfmax)にかかわらず一定となり、SN比を一定に保つことができる。
このように構成することで、騒音を低減するために重畳高周波周波数を可変にすることで回転子磁極位置の推定精度が落ちるような場合があっても、重畳高周波周波数の電圧振幅に応じて制御することができるため、重畳高周波周波数が一定のときと同様の推定精度を維持することができる。
図8は、他の高周波電圧指令生成部の概要構成ブロック図である。
図8の構成においては、図1の継続判定部23から高周波電圧指令生成部31へ周波数選択信号が送られる。
高周波電圧指令生成部31は、継続判定部23から入力された周波数選択信号に基づいて、重畳高周波周波数fmaxに対応する重畳高周波電圧振幅vhfmaxあるいは重畳高周波周波数fminに対応する重畳高周波電圧振幅vhfminのいずれかを出力する電圧振幅選択部303と、入力された重畳高周波周波数(fmaxまたはfmin)及び入力された重畳高周波電圧振幅(vhfmaxまたはvhfmin)に基づいて、重畳電圧指令信号vdchとする矩形波生成部302と、を備えている。
本構成によっても、重畳した高周波電圧によって発生する高周波電流idchの振幅が重畳した高周波電圧周波数の値にかかわらず一定となり、SN比を一定に保つことができる。
図8の高周波電圧指令生成部31を第1実施形態の重畳高周波周波数演算部13と組み合わせることで、図8に示すように重畳高周波周波数演算部13で生成した周波数選択信号を用いて電圧振幅選択部303のようにスイッチによる切り替えだけで重畳高周波電圧振幅指令Vdhを選択でき、プログラムを単純にすることができる。
[2]第2実施形態
図9は、第2実施形態のPMSM回転センサレス制御システムの概要構成ブロック図である。
図9において、図1の第1実施形態と同様の部分には、同一の符号を付すものとする。
本第2実施形態が第1実施形態と異なるのは、第1実施形態が、単純に乱数値によって継続して用いる同一の重畳高周波周波数の継続期間を設定していたのに対し、本第2実施形態は、乱数値及び変移確率値を用い、乱数値が変移すべき条件を満たしているか否かを変移確率値に基づいて行う重畳高周波周波数演算部を備えた点である。この場合に、変移確率値を複数用いることにより、ある重畳高周波周波数から他の重畳高周波周波数に切り替えるか否かを判別しているため、発生する高周波成分を制御することでより一層均一に重畳高周波周波数を切り替えることができ、得られる高調波成分を均一に分散させることができる。
PMSM回転センサレス制御システム10Aの重畳高周波周波数演算部13Aは、大別すると、図9に示すように、乱数を発生する乱数発生部21と、周波数選択信号に基づいてあらかじめ設定された複数の変移確率値のいずれかを選択して出力する変移確率選択部41と、入力された乱数値及び入力された変移確率値に基づいて周波数変位を行うべきか否かの変移判定を行い変移指令信号を出力する変移判定部42と、入力された変移指令信号に基づいて、周波数選択信号を出力する周波数選択指示部43と、周波数選択信号に基づいて、重畳高周波周波数を最大重畳高周波周波数fmaxあるいは最小重畳高周波周波数fminのいずれかを排他的に重畳高周波周波数信号として出力する周波数選択部24と、を備えている。
本第2実施形態においても、用いる重畳高周波周波数を最大重畳高周波周波数fmax及び最小重畳高周波周波数fminの2種類としている。変移確率値は、重畳高周波周波数を最大重畳高周波周波数fmaxから最小重畳高周波周波数fminに変移させる確率値である変移確率値Phlと、重畳高周波周波数を最小重畳高周波周波数fminから最大重畳高周波周波数fmaxに変移させる確率値である変移確率値Plhと、の二つが用いられている。
次に第2実施形態の動作を説明する。
まず、重畳高周波周波数演算部13Aの乱数発生部21は、乱数値を発生して変移判定部42に出力する。ここで、乱数発生部21は、第1実施形態と同様に、疑似乱数を演算して乱数値として出力したり、乱数テーブルを参照したりして乱数値を変移判定部42に出力する。
これと並行して、変移確率選択部41は、周波数選択指示部43が出力している周波数選択信号に基づいてあらかじめ設定された複数の変移確率値Phl、Plhのいずれかを選択して変移判定部42に出力する。
具体的には、変移確率選択部41に周波数選択指示部43から最大重畳高周波周波数fmaxに対応する周波数選択信号が入力される場合には、重畳高周波周波数を最大重畳高周波周波数fmaxから最小重畳高周波周波数fminに変移させる確率値である変移確率値Phlが変移判定部42に出力される。
また、変移確率選択部41に周周波数選択指示部43から最小重畳高周波周波数fminに対応する周波数選択信号が入力される場合には、重畳高周波周波数を最小重畳高周波周波数fminから最大重畳高周波周波数fmaxに変移させる確率値である変移確率値Plhが変移判定部42に出力される。
これらの結果、変移判定部42は、入力された乱数値と変移確率値とに基づいて周波数変位を行うべきか否かの変移判定を行う。その後、行われた変移判定の結果に対応する変移指令信号を周波数選択指示部43に出力する。
より具体的には、例えば、乱数値を0〜1として、入力された乱数値が変移確率値(たとえば、変移確率値Phl=0.45)以下の場合には、現在の重畳高周波周波数とは異なる重畳高周波周波数に変移する変移指令信号を周波数選択指示部43に出力する。
周波数選択指示部43は、入力された変移指令信号に基づいて、周波数選択信号を周波数選択部24に出力する。
この結果、周波数選択部24は、入力された周波数選択信号に基づいて、重畳高周波周波数を最大重畳高周波周波数fmaxあるいは最小重畳高周波周波数fminのうちいずれか一方を重畳高周波周波数信号として高周波電圧指令生成部31に出力する。高周波電圧指令生成部31は、重畳高周波周波数信号に対応する周波数(本第2施形態では、最大重畳高周波周波数fmaxあるいは最小重畳高周波周波数fminのいずれか)に対応する重畳電圧指令信号vdchを生成する。また、生成した重畳電圧指令信号vdchを回転位相角推定部32及び高周波電圧重畳部34に出力する。
一方、電流制御部33は、入力されたd軸電流指令信号idc、q軸電流指令信号iqc、d軸電流検出信号idc及びq軸電流検出信号iqcに基づいて電流制御を行うために基本波電圧指令信号vdcf、vqcfを生成し高周波電圧重畳部34に出力する。
これらの結果、高周波電圧重畳部34は、基本波電圧指令信号vdcfおよび重畳電圧指令信号vdchに基づいてd軸電圧指令信号vdc、を生成し、基本波電圧指令信号vqcfおよび重畳電圧指令信号vqchに基づいてq軸電圧指令信号vqcを生成する。生成したd軸電圧指令信号vdc及びq軸電圧指令信号vqcを第1座標変換部35に出力する。
第1座標変換部35は、入力されたd軸電圧指令信号vdc及びq軸電圧指令信号vqcの座標変換を行ってU相電圧指令信号vu、V相電圧指令信号vv及びW相電圧指令信号vwを生成する。生成したU相電圧指令信号vu、V相電圧指令信号vv及びW相電圧指令信号vwをPWM変調部36に出力する。
PWM変調部36は、入力された電圧指令信号vu、vv、vwと、搬送波である三角波あるいは鋸波と、を比較してPWM変調を行い、インバータ11の各相スイッチング素子のオン/オフ指令であるゲート信号をPMSM12に出力する。
この結果、PMSM12には、同期した状態でU相電流、V相電流及びW相電流が流れて、PMSM12の図示しない回転子が回転することとなる。
これと並行して、電流検出部37は、PMSM12に流れる3相交流電流のうち複数相(図9の例では、U相及びW相の2相)の電流応答値を検出し、電流検出信号(図9の例では、U相電流検出信号iu及びW相電流検出信号iw)を第2座標変換部38に出力する。
第2座標変換部38は、電流検出部37により出力された電流検出信号(図9の例では、U相電流検出信号iu及びW相電流検出信号iw)の座標変換(UVW/dcqc変換)を行ってd軸電流検出信号idcを電流制御部33に出力し、q軸電流検出信号iqcを回転位相角推定部32及び電流制御部33に出力する。
この結果、回転位相角推定部32は、入力された重畳電圧指令信号vdch及びq軸電流検出信号iqcに基づいてPMSM12の回転位相角を推定して推定位相角θestを第1座標変換部35及び第2座標変換部38に出力する。
上記動作の結果、第1座標変換部35は、推定位相角θestに相当するPMSM12の回転状態に最適な電圧指令信号vu、vv、vwをPWM変調部36に対して出力することとなるので、インバータ11は、騒音を抑制しつつ、PMSM12の回転状態に応じて回転駆動を行う。
さらに、本第2実施形態においては、第1実施形態の効果に加えて、適切な変移確率値を用いることによって重畳高周波周波数の変移状態を調整することができるので、所望の高調波の周波数スペクトル分布の生成が容易になる。
ここで、変移確率値による高調波の周波数スペクトル分布の調整について説明する。
本第2実施形態において、動作モードとしては、以下の4つしか存在しない。
(1)最小重畳高周波周波数fminの継続
(2)最大重畳高周波周波数fmaxの継続
(3)最小重畳高周波周波数fminから最大重畳高周波周波数fmaxへの変移
(4)最大重畳高周波周波数fmaxから最小重畳高周波周波数fminへの変移
図10は、第2実施形態の動作説明図である。
この場合において、生じる高調波の周波数スペクトル分布としては、図10に示すように、3種類の周波数スペクトル分布となる。
すなわち、
(1)最小重畳高周波周波数fminの継続時が周波数スペクトル分布71、
(2)最大重畳高周波周波数fmaxの継続時が周波数スペクトル分布72、
(3)最小重畳高周波周波数fminから最大重畳高周波周波数fmaxへの変移時及び最大重畳高周波周波数fmaxから最小重畳高周波周波数fminへの変移時はいずれも周波数スペクトル分布73となるので、共通で扱う。
したがって、これら3種類の周波数スペクトル分布を用いて考察する。
各周波数スペクトル分布のピークにおける高調波成分の振幅は、(4)式〜(6)式で表せる。
Figure 0006261889
Figure 0006261889
Figure 0006261889
ここで、定数Cは、変調率や分散範囲などによって変化するが、3つの分散で共通の定数である。
以上に基づいて、本第2実施形態においては、高調波の周波数スペクトル分布を調整している。
例えば、最小重畳高周波周波数fminの高調波成分を多くしたい場合には、重畳高周波周波数を最大重畳高周波周波数fmaxから最小重畳高周波周波数fminに変移させる変移確率値Phlを大きくするか、あるいは、重畳高周波周波数を最小重畳高周波周波数fminから最大重畳高周波周波数fmaxに変移させる変移確率値Plhを小さくすれば良い。
また、最大重畳高周波周波数fmaxの高調波成分を多くしたい場合には重畳高周波周波数を最大重畳高周波周波数fmaxから最小重畳高周波周波数fminに変移させる変移確率値Phlを小さくするか、あるいは、重畳高周波周波数を最小重畳高周波周波数fminから最大重畳高周波周波数fmaxに変移させる変移確率値Plhを大きくすれば良い。
さらに、最小重畳高周波周波数fminから最大重畳高周波周波数fmaxへの変移、あるいは、最大重畳高周波周波数fmaxから最小重畳高周波周波数fminへの変移によって生じる高調波成分を多くしたい場合には、重畳高周波周波数を最大重畳高周波周波数fmaxから最小重畳高周波周波数fminに変移させる変移確率値Phl、あるいは、重畳高周波周波数を最小重畳高周波周波数fminから最大重畳高周波周波数fmaxに変移させる変移確率値Plhを大きくすれば良い。これによって、任意の周波数スペクトル分布の生成が可能になる。
ところで、第1実施形態でも述べたように、通常、重畳高周波周波数の選択範囲は広く取ることができない。
したがって、図5に示したように、下限の重畳高周波周波数fminによる高調波成分の周波数スペクトル分布71と最大重畳高周波周波数fmaxによる高調波成分の周波数スペクトル分布72、重畳高周波周波数の変移に起因する高調波成分の周波数スペクトル分布73はそれぞれ重なることになる。
図11は、第2実施形態の効果の説明図である。
図11では、重畳高周波周波数の変移に起因する高調波の周波数スペクトル分布73が、最小重畳高周波周波数fminによる高調波成分の周波数スペクトル分布71及び最大重畳高周波周波数fmaxによる高調波成分の周波数スペクトル分布72と重なり合った際にスペクトルの和が平坦となっている。スペクトルの和を平坦とするために、周波数スペクトル分布73が、周波数スペクトル分布71及び周波数スペクトル分布72に対して低くなるように変移確率PhlとPlhを設定することで、図11に示すように、重畳高周波周波数の選択範囲内で可能な限り平坦にすることが可能になる。
本第2実施形態においても、第1実施形態と同様に、乱数ではなく、例えば正弦波に応じて変移判定を実施しても、重畳高周波周波数選択範囲の平均周波数の成分を低減できる。
また、可能であれば、重畳高周波周波数の更新タイミングが搬送波の周波数スペクトル分布のピークまたは周波数スペクトル分布のボトムになるように、重畳高周波周波数の変更はピーク位置またはボトム位置のみで実施した方が良い。これによって、搬送波のピークからボトムの間の出力電圧の平均値が出力電圧指令となるというPWMの前提が保たれ、重畳高周波周波数の変更によって、出力電圧に生じる誤差の発生を防ぐことができる。
[3]第3実施形態
図12は、第3実施形態のPMSM回転センサレス制御システムの概要構成ブロック図である。
図12において、図1の第1実施形態と同様の部分には、同一の符号を付すものとする。
本第3実施形態が第1実施形態と異なるのは、重畳高周波周波数演算部13に代えて、PMSM回転センサレス制御システム10Bにおいて、PWM変調部36で用いる搬送波周波数(図12の場合、最大搬送波周波数fmax1または最小搬送波周波数fmin1のいずれか)を決定する搬送波周波数演算部51を用いた点と、搬送波周波数演算部51により決定された搬送波周波数を有する搬送波SCを生成してPWM変調部36に出力する搬送波発生部52を設けた点と、搬送波周波数信号に基づいて重畳すべき高周波電圧の周波数の指示を行うための重畳電圧指令信号vdchを出力する高周波電圧指令生成部31Aと、を備えた点である。
次に第3実施形態の動作を説明する。
まず、搬送波周波数演算部51の乱数発生部21は、乱数値を発生して継続期間決定部22に出力する。ここで、乱数発生部21は、疑似乱数を演算して乱数値として出力したり、乱数テーブルを参照したりして乱数値を出力する。
この結果、継続期間決定部22は、入力された乱数に基づいて重畳高周波周波数の継続期間を決定し、継続期間データとして出力する。より具体的には、重畳高周波周波数の1周期分を基準として第1実施形態において、上述した(1)式で計算する。
継続判定部23は、入力された継続期間データに基づいて、継続判定を行い、周波数選択信号を出力する。本第3実施形態においては、搬送波の周波数は、最大搬送波周波数fmax1あるいは最小搬送波周波数fmin1の2種類であるので、周波数選択信号は、“0”又は“1”のいずれかの値を有する2値データである。したがって、継続判定に応じて、最大搬送波周波数fmax1あるいは最小搬送波周波数fmin1のいずれかに対応する周波数選択信号が周波数選択部24に出力される。
周波数選択部24は、周波数選択信号に基づいて、最大搬送波周波数fmax1あるいは最小搬送波周波数fmin1のいずれか一方を搬送波周波数信号として高周波電圧指令生成部31Aおよび搬送波発生部52に出力する。
この結果、高周波電圧指令生成部31Aは、入力された搬送波周波数信号に基づいて、重畳すべき高周波電圧の周波数の指示を行うための重畳電圧指令信号vdchを回転位相角推定部32及び高周波電圧重畳部34に出力する。
一方、搬送波発生部52は、搬送波周波数信号に対応する周波数(本第3施形態では、最大搬送波周波数fmax1あるいは最小搬送波周波数fmin1のいずれか)の搬送波信号SCを生成し、PWM変調部36に出力する。
図13は、第3実施形態のタイミングチャートである。
以上の構成により、第3実施形態の搬送波周波数演算部51においては、最大搬送波周波数fmax1あるいは最小搬送波周波数fmin1の継続期間がランダムに変化する搬送波周波数が生成される。搬送波周波数は搬送波周波数演算部51より搬送波発生部52へ出力される。搬送波発生部52において、入力された搬送波周波数を用いて搬送波信号SCをPWM変調部36に出力する。
本第3実施形態によれば、重畳高周波を搬送波に同期させることで、重畳高周波周波数による電磁騒音と重畳高周波による電磁騒音の両方を同時に低減できる。
以上の説明においては、重畳高周波電圧の周波数を搬送波周波数と等しくしたが、同期していれば、例えば重畳高周波周波数の半分、3分の1などにしてもよい。
図14は、第3実施形態の変形例の説明図である。
また、本第3実施形態では、搬送波周波数演算部51として、第1実施形態の重畳高周波周波数演算部13と同様の演算方法を用いたが、本第3実施形態の変形例は、PMSM回転センサレス制御システム10Cにおいて、図14に示すように、第2実施形態の重畳高周波周波数演算部13Aと同様の演算方法を用いた搬送波周波数演算部51Aの構成を採ることも可能である。
本第3実施形態においても、第1実施形態及び第2実施形態と同様に、乱数値ではなく、例えば正弦波に応じて変移判定を実施しても、重畳高周波周波数選択範囲の平均周波数の成分を低減できる。
また、本第3実施形態においても、第1実施形態及び第2実施形態と同様に、高周波電流を重畳する方法でも同様の効果が得られる。また、d軸とq軸の両方あるいはq軸だけに電圧を重畳する、あるいは正弦波を重畳する場合でも同様の効果が得られる。
[4]実施形態の変形例
[4.1]第1変形例
本実施形態の回転センサレス制御装置は、CPUなどの制御装置と、ROM(Read Only Memory)やRAMなどの記憶装置と、HDD、CDドライブ装置などの外部記憶装置と、ディスプレイ装置などの表示装置と、キーボードやマウスなどの入力装置を備えており、通常のコンピュータを利用したハードウェア構成として構成することも可能である。
[4.2]第2変形例
また本実施形態の回転センサレス制御装置で実行される制御プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供されるようにしてもよい。
[4.3]第3変形例
また、本実施形態の回転センサレス制御装置で実行される制御プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態の回転センサレス制御装置の制御部で実行される制御プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
[4.4]第4変形例
また、本実施形態の回転センサレス制御装置の制御プログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10 PMSM回転センサレス制御システム
11 インバータ
12 PMSM
13、13A 重畳高周波周波数演算部
14 インバータ制御部
21 乱数発生部
22 継続期間決定部
23 継続判定部
24 周波数選択部
31、31A 高周波電圧指令生成部
32 回転位相角推定部
33 電流制御部
34 高周波電圧重畳部
35 第1座標変換部
36 PWM変調部
37 電流検出部
38 第2座標変換部
41 変移確率選択部
42 変移判定部
43 周波数選択指示部
51、51A 搬送波周波数演算部
52 搬送波発生部
301 重畳高周波電圧振幅指令生成部
302 矩形波生成部
303 電圧振幅選択部
Phl 変移確率値
Plh 変移確率値
SC 搬送波信号
Vdc 直流電源電圧
Vdh 第1の重畳高周波電圧振幅指令値
Vdh** 第2の重畳高周波電圧振幅指令値
fh_c 中心重畳高周波周波数
fmax 最大重畳高周波周波数
fmin 最小重畳高周波周波数
fmax1 最大搬送波周波数
fmin1 最小搬送波周波数
vdch 重畳電圧指令信号
θest 推定位相角

Claims (6)

  1. PWM制御における基本波周波数よりも高い周波数である互いに異なる複数の重畳高周波周波数のうちいずれか一の重畳高周波周波数を設定するとともに、設定した重畳高周波周波数を有する電圧あるいは設定した重畳高周波周波数を有する電流の継続時間をランダムに設定する設定部と、
    前記重畳高周波周波数の電圧あるいは電流を前記継続時間の間発生する発生部と、
    発生された前記重畳高周波周波数を有する電圧を永久磁石同期電動機に印加し、あるいは、発生された前記重畳高周波周波数を有する電流を前記永久磁石同期電動機に供給して、前記永久磁石同期電動機の回転子磁極位置及び回転速度を推定する推定部と、を備え、
    前記設定部は、乱数を発生する乱数発生部と、
    発生された前記乱数及び所定の設定変移確率値に基づいて、現在の設定重畳高周波周波数を他の重畳高周波周波数に変移させるか否かを判定する変移判定部と、を備え、
    前記設定部は、前記変移判定部の判定結果が変移させるものであった場合に、前記設定重畳高周波周波数を他の重畳高周波周波数に設定するとともに、互いに異なる複数の変移確率値のうちいずれか一の変移確率値を前記設定変移確率値として設定する、
    回転センサレス制御装置。
  2. 前記乱数発生部により発生された前記乱数に基づいて、前記継続時間を決定する継続時間決定部を備えた請求項1記載の回転センサレス制御装置。
  3. 前記設定部は、二つの重畳高周波周波数を交互に設定する、
    請求項1又は請求項2に記載の回転センサレス制御装置。
  4. 前記設定部は、前記PWM制御における搬送波周波数と、前記重畳高周波周波数を同期させる、
    請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の回転センサレス制御装置。
  5. 永久磁石同期電動機をPWM制御するに際し、回転センサレス制御を行う回転センサレス制御装置において実行される回転センサレス制御装置の制御方法であって、
    乱数を発生する過程と、
    発生された前記乱数及び所定の設定変移確率値に基づいて、現在の設定重畳高周波周波数を他の重畳高周波周波数に変移させるか否かを判定する過程と、
    PWM制御における基本波周波数よりも高い周波数である互いに異なる複数の重畳高周波周波数のうちいずれか一の重畳高周波周波数を設定するに際し、前記判定の結果が変移させるものであった場合に、前記設定重畳高周波周波数を他の重畳高周波周波数に設定するとともに、互いに異なる複数の変移確率値のうちいずれか一の変移確率値を前記設定変移確率値として設定する過程と、
    前記設定した重畳高周波周波数を有する電圧あるいは設定した重畳高周波周波数を有する電流の継続時間をランダムに設定する過程と、
    前記重畳高周波周波数の電圧あるいは電流を前記継続時間の間発生する過程と、
    発生された前記重畳高周波周波数を有する電圧を永久磁石同期電動機に印加し、あるいは、発生された前記重畳高周波周波数を有する電流を前記永久磁石同期電動機に供給して、前記永久磁石同期電動機の回転子磁極位置及び回転速度を推定する過程と、
    を備えた回転センサレス制御装置の制御方法。
  6. 永久磁石同期電動機をPWM制御するに際し、回転センサレス制御を行う回転センサレス制御装置をコンピュータにより制御するための制御プログラムであって、
    前記コンピュータを、
    乱数を発生する手段と、
    発生された前記乱数及び所定の設定変移確率値に基づいて、現在の設定重畳高周波周波数を他の重畳高周波周波数に変移させるか否かを判定する手段と、
    PWM制御における基本波周波数よりも高い周波数である互いに異なる複数の重畳高周波周波数のうちいずれか一の重畳高周波周波数を設定するに際し、前記判定の結果が変移させるものであった場合に、前記設定重畳高周波周波数を他の重畳高周波周波数に設定するとともに、互いに異なる複数の変移確率値のうちいずれか一の変移確率値を前記設定変移確率値として設定する設定手段と、
    前記設定した重畳高周波周波数を有する電圧あるいは設定した重畳高周波周波数を有する電流についてのランダムに設定された継続時間に基づいて、前記重畳高周波周波数の電圧あるいは電流を前記継続時間の間発生する発生手段と、
    発生された前記重畳高周波周波数を有する電圧を前記永久磁石同期電動機に印加し、あるいは、発生された前記重畳高周波周波数を有する電流を前記永久磁石同期電動機に供給して、前記永久磁石同期電動機の回転子磁極位置及び回転速度を推定する推定手段と、
    して機能させる制御プログラム。
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