JP2013034334A - 回転機の制御装置 - Google Patents

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圭祐 松川
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Abstract

【課題】デッドタイム付与後の実際のスイッチング状態の切替タイミングが複数のレッグ間で重なることで、サージ電圧が大きくなるおそれがあること。
【解決手段】ノルム設定部30では、要求トルクTrと電気角速度ωとに基づき、インバータINVの出力電圧ベクトルのノルムを設定する。位相設定部26では、推定トルクTeを要求トルクTrにフィードバック制御するための操作量として位相δを設定する。操作状態設定部34では、ノルム設定部30によって設定されたノルムVnと、位相設定部26によって設定された位相δとに基づき操作信号を生成してインバータINVに出力する。操作状態設定部34には、デッドタイム付与後における実際のスイッチング状態の切り替えが複数レッグで同時になされない波形が記憶されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、回転機の複数の端子のそれぞれに直流電圧源の正極および負極のそれぞれを電気的に接続するスイッチング素子を備える電力変換回路の操作によって、前記回転機の制御量を制御する回転機の制御装置に関する。
この種の制御装置としては、たとえば下記特許文献1に見られるように、スイッチング状態の切替に起因したサージ電圧を低減するものも提案されている。この技術は、インバータの1つのレッグで上側アームのスイッチング素子および下側アームのスイッチング素子の一方がオン且つ他方がオフの状態から一方がオフ且つ他方がオンの状態に切り替わるときに、他のレッグで一方がオフ且つ他方がオンの状態から一方がオン且つ他方がオフの状態に切り替わることを回避するものである。
特開2010−200537号公報
ところで、スイッチング状態の切り替えに際しては、通常、上側アームと下側アームとの双方が同時にオン状態となることのないようにデッドタイムが設けられる。ただし、このデッドタイム生成後のスイッチング状態の切替タイミングは、デッドタイム付与前のスイッチング状態の切り替えタイミングからずれを生じうる。このため、上記技術では、デッドタイム付与後の実際のスイッチング状態の切替タイミングが複数のレッグ間で重なりうるため、サージ電圧が大きくなるおそれがある。
本発明は、上記課題を解決する過程でなされたものであり、その目的は、回転機の複数の端子のそれぞれに直流電圧源の正極および負極のそれぞれを電気的に接続するスイッチング素子を備える電力変換回路の操作によって、前記回転機の制御量を制御する新たな回転機の制御装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段、およびその作用効果について記載する。
請求項1記載の発明は、回転機の複数の端子のそれぞれに直流電圧源の正極および負極のそれぞれを電気的に接続するスイッチング素子を備える電力変換回路の操作によって、前記回転機の制御量を制御する回転機の制御装置において、前記制御量を制御するための操作量としての前記電力変換回路の出力電圧のノルムを設定し、該設定される出力電圧のノルムとなるように前記電力変換回路を操作する操作手段を備え、前記操作手段は、前記電力変換回路の操作に際し、前記回転機の1つの端子と前記正極とを接続するスイッチング素子と、前記1つの端子と前記負極とを接続するスイッチング素子との双方が同時にオン状態とならないようにデッドタイムを付与するデッドタイム付与手段と、前記デッドタイムの付与後において前記回転機の2以上の規定数以上の端子でスイッチング状態の切替が同時になされることを回避する回避手段と、を備えることを特徴とする。
上記発明では、回避手段を備えることで、デッドタイムの付与後の実際のスイッチング状態について、規定数以上の端子で同時にスイッチング状態の切替がなされることを回避することができる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記回避手段は、前記スイッチング素子の温度が規定値以下の場合に前記回避する処理を行って且つ、前記規定値を超える場合には前記回避する処理を行わないことを特徴とする。
スイッチング素子の耐圧は、温度が低いほど低くなる傾向を有する。一方、同時スイッチングを禁止する場合、スイッチング状態の切替タイミングに対し他の要求要素による要求に適切に応じることができなくなるおそれがある。上記発明では、この点に鑑み、温度に応じて上記切替を行うことで、スイッチング素子に耐圧を超える電圧が印加されることを回避することと、サージ電圧以外の要求要素に応じることとの適切な両立を図ることができる。
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記回避手段は、前記電力変換回路の入力電圧が規定値以上の場合に前記回避する処理を行って且つ、前記規定値を下回る場合には前記回避する処理を行わないことを特徴とする。
スイッチング素子に印加される電圧は、電力変換回路の入力電圧にサージ電圧が重畳したものであるが故、この電圧は、電力変換回路の入力電圧が高いほど高くなる。一方、同時スイッチングを禁止する場合、スイッチング状態の切替タイミングに対し他の要求要素による要求に適切に応じることができなくなるおそれがある。上記発明では、この点に鑑み、入力電圧に応じて上記切替を行うことで、スイッチング素子に耐圧を超える電圧が印加されることを回避することと、サージ電圧以外の要求要素に応じることとの適切な両立を図ることができる。
請求項4記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記操作手段は、前記回転機の電気角と前記電力変換回路の操作状態との関係を定めた操作波形を参照しつつ、前記電力変換回路を操作するものであり、前記回避手段は、前記操作波形を記憶する手段であることを特徴とする。
上記発明では、操作波形を予め記憶しておくことで、制御装置の演算負荷を低減することができる。
請求項5記載の発明は、請求項2または3記載の発明において、前記操作手段は、前記回転機の電気角と前記電力変換回路の操作状態との関係を定めた操作波形を参照しつつ、前記電力変換回路を操作するものであり、前記操作波形は、前記デッドタイムの付与後において前記規定数以上の端子で前記スイッチング状態の切替が同時になされることがある同時スイッチング許容波形と、前記同時になされることを回避した同時スイッチング禁止波形とを有し、前記回避手段は、前記同時スイッチング許容波形と、前記同時スイッチング禁止波形とを記憶する手段を備えることを特徴とする。
上記発明では、操作波形を予め記憶しておくことで、制御装置の演算負荷を低減することができる。
請求項6記載の発明は、請求項4または5記載の発明において、前記操作波形は、前記回転機の電気角速度相当量毎に設定されることを特徴とする。
デッドタイムに対応する回転角度は、電気角速度に応じて変化する。このため、デッドタイムに対応する角度だけスイッチング状態の切替を互いに相違する端子間で離間させる場合において、この離間させるうえで必要な最小角度は、電気角速度に応じて変化する。この点、上記発明では、操作波形が電気角速度相当量毎に設定されるために、離間させるうえで必要な角度を極力小さくすることができる。
請求項7記載の発明は、請求項4〜6のいずれか1項に記載の発明において、前記操作手段は、前記回転機を流れるq軸電流およびd軸電流のいずれか一方と前記回転機のトルクとの少なくとも一方をフィードバック制御するための操作量として、前記電力変換回路の出力電圧ベクトルの位相を設定する位相設定手段と、前記回転機のトルクに関するパラメータおよび前記回転機の回転速度を入力とし、前記電力変換回路の出力電圧ベクトルのノルムを設定するノルム設定手段とを備え、前記位相設定手段によって設定される位相および前記ノルム設定手段によって設定されるノルムに基づき、前記操作波形を参照しつつ前記電力変換回路を操作するものであることを特徴とする。
請求項8記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記操作手段は、前記回転機の電気角と前記電力変換回路の操作状態との関係を定めた操作波形を、前記電力変換回路の出力電圧のノルムを満たすように仮設定する仮設定手段をさらに備え、前記回避手段は、前記回転機の電気角速度を入力として、前記仮設定された操作波形に前記デッドタイム付与手段によってデッドタイムが付与されることで前記規定数以上の端子で前記スイッチング状態の切替が同時になされるか否かを判断する判断手段と、同時になされると判断される場合、前記仮設定手段に仮設定のやり直しをさせて且つ、同時になされないと判断されることを条件に、前記仮設定された操作波形に基づき前記電力変換回路を操作するものであることを特徴とする。
デッドタイムに対応する回転角度は、電気角速度に応じて変化する。このため、デッドタイムに対応する角度だけスイッチング状態の切替を互いに相違する端子間で離間させる場合において、この離間させるうえで必要な最小角度は、電気角速度に応じて変化する。この点、上記発明では、電気角速度に応じてスイッチング状態の切り替えが規定数以上の端子で同時になされるか否かを判断するために、離間させるうえで必要な角度を極力小さくすることができる。
第1の実施形態にかかるシステム構成図。 同実施形態にかかる操作波形の展開手法を示すタイムチャート。 デッドタイム付与に伴う問題を示すタイムチャート。 同実施形態にかかる操作波形の生成処理を示す流れ図。 同実施形態にかかる操作波形の生成の初期値を示すタイムチャート。 同実施形態にかかる操作波形の選択処理を示す図。 第2の実施形態にかかるシステム構成図。 同実施形態にかかる操作波形の算出処理の手順を示す流れ図。
<第1の実施形態>
以下、本発明にかかる回転機の制御装置を車載主機としての回転機の制御装置に適用した第1の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1に、本実施形態にかかるモータジェネレータの制御システムの全体構成を示す。車載主機としてのモータジェネレータ10は、3相の永久磁石同期モータである。また、モータジェネレータ10は、突極性を有する回転機(突極機)である。詳しくは、モータジェネレータ10は、埋め込み磁石同期モータ(IPMSM)である。
モータジェネレータ10は、インバータINVを介して高電圧バッテリ12に接続されている。インバータINVは、スイッチング素子S*p,S*n(*=u,v,w)の直列接続体を3組備えており、これら各直列接続体の接続点がモータジェネレータ10のU,V,W相にそれぞれ接続されている。これらスイッチング素子S*#(*=u,v,w;#=n,p)として、本実施形態では、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)が用いられている。そして、これらにはそれぞれ、ダイオードD*#が逆並列に接続されている。
本実施形態では、モータジェネレータ10やインバータINVの状態を検出する検出手段として、以下のものを備えている。まずモータジェネレータ10の回転角度(電気角θ)を検出する回転角度センサ14を備えている。また、モータジェネレータ10のV相およびW相を流れる電流iv,iwを検出する電流センサ16を備えている。更に、インバータINVの入力電圧(電源電圧VDC)を検出する電圧センサ18を備えている。
上記各種センサの検出値は、図示しないインターフェースを介して低電圧システムを構成する制御装置20に取り込まれる。制御装置20では、これら各種センサの検出値に基づき、インバータINVを操作する操作信号を生成して出力する。ここで、インバータINVのスイッチング素子S*#を操作する信号が、操作信号g*#である。
上記制御装置20は、モータジェネレータ10のトルクを要求トルクTrに制御すべく、インバータINVを操作する。以下、これについて説明する。
振幅位相演算部22は、電流センサ16によって検出される電流iv,iwを回転座標系の電流であるd軸の実電流idとq軸の実電流iqとに変換し、電流ベクトルid,iqのベクトルノルム(振幅)と位相とを算出する。トルク推定器24は、振幅位相演算部22において算出される振幅と位相とに基づき、モータジェネレータ10の推定トルクTeを算出する。位相設定部26は、要求トルクTrと推定トルクTeとの差に基づき、推定トルクTeを要求トルクTrにフィードバック制御するための操作量として位相δを設定する。詳しくは、要求トルクTrと推定トルクTeとの差を入力とする比例要素および積分要素の出力同士の和として位相δを算出する。
一方、速度算出部28は、回転角度センサ14によって検出される電気角θに基づき電気角速度ωを算出する。ノルム設定部30は、要求トルクTrと電気角速度ωとを入力として、インバータINVの出力電圧ベクトルのノルムVnを設定する。詳しくは、ノルム設定部30に、要求トルクTrおよび電気角速度ωとノルムVnとの関係を定めたマップを備えることで、ノルムVnを設定する。SW回数指定部32では、電気角速度ωに応じて、操作信号g*#のパルス数を指定するパラメータ(スイッチング回数n)を設定する。
そして操作信号生成部34では、上記位相設定部26の設定する位相δと、ノルム設定部30によって設定されるノルムVnと、SW回数指定部32によって設定されるスイッチング回数nと、電源電圧VDCと、電気角θとに基づき、操作信号g*#を生成して出力する。詳しくは、操作信号生成部34は、スイッチング回数nおよび変調率毎に、電気角の1/4回転周期分の操作信号波形をマップデータとして記憶している。操作信号生成部34では、電源電圧VDCとノルムVnとに基づき、変調率を算出し、算出した変調率とスイッチング回数nとに応じて、該当する操作信号波形を選択する。こうして操作信号波形が選択されると、操作信号生成部34では、この波形の出力タイミングを上記位相設定部26の設定する位相δに基づき設定することで、操作信号g*#を生成する。
ここで、1/4回転周期分のマップデータは、図2に示す態様にて、各相の1電気角周期分の操作信号波形に展開される。この展開は、正弦波と三角波との大小比較に基づくPWM処理のなされた信号のように、「π/4」内の波形の論理反転等によって1電気角周期内の波形が構成されていることを前提としたものである。
上記操作信号波形に基づき、上側アームの操作信号g*pと下側アームの操作信号g*nとの双方が生成される。すなわち、操作信号波形の論理値を反転させることで下側アームの操作信号波形が生成される。ただし、実際の操作信号g*#は、操作信号波形に基づきデッドタイムを付与することで生成される。これは、オフ状態からオン状態への切替タイミングを、デッドタイムだけ遅延させることで実現することができる。この場合、操作信号波形自体は複数相で立ち上がりエッジや立ち下がりエッジが重ならない場合であっても、複数相でスイッチング状態の切替が同時になされることがないとは限らない。すなわち、図3に示すように、デッドタイムの付与後において、スイッチング状態の切替タイミングが複数レッグで重なることがある。そしてこの場合、サージ電圧が大きくなる。
そこで本実施形態では、操作信号波形として、デッドタイム付与後においてスイッチング状態の切替タイミングが複数レッグで重なることのないものを予め生成して記憶しておく。
図4に、本実施形態にかかる操作信号波形の生成処理の手順を示す。この処理は、制御装置20の製造完了に先立って、予め実行される。
この一連の処理では、まずステップS10において、電気角周波数(電気角速度ω)を設定するとともに、上記スイッチング回数nを仮に設定する。続くステップS12においては、変調率を指定し、これに応じた操作信号波形の各エッジを指定する位相α0,α1,…αn−1を仮設定する。これは、たとえば図5に示すように、スイッチング回数nに応じた同期数のキャリアと、変調率に応じた正弦波との大小比較に応じたPWM処理によって生成される操作信号波形の位相とすればよい。
続くステップS14においては、電気角周波数(電気角速度ω)とデッドタイムDTとに基づき、デッドタイムDTに対応するデッドタイム角度量αDTを算出する。これは、「αDT=(電気角周波数ω/2π)×(角度分解能NR)×DT」によって算出すればよい。ここで、角度分解能は、たとえば回転角度センサ14の検出結果が、1電気角周期辺りに等角度間隔で「NR」個のパルスとして表現される場合、「NR」とされる。
続くステップ16においては、ステップS12において仮設定された位相α0,α1,…αn−1を、デッドタイム角度量αDTによって補正する。ここでの補正は、操作信号波形(上側アームの操作信号gupに対応)と、その論理反転信号(下側アームの操作信号gunに対応)とのそれぞれについて、そのオン状態への切替タイミング(立ち上がりエッジ)に対して行われる。
続くステップS18においては、V相、W相のスイッチング状態の切替位相を算出する。ここでは、まずU相の操作信号波形に基づき、V相、W相の操作信号波形を算出し、次に、算出された操作信号波形およびその論理反転信号のそれぞれのスイッチング状態の切替位相を、デッドタイム角度量αDTによって補正する。
続くステップS20においては、ステップS16,S18においてデッドタイム角度量αDTの補正後の操作信号波形について、互いに相違する相(レッグ)間でスイッチング状態の切り替えが同時になされることがあるか否かを判断する。ここでの操作信号波形は、「0〜90°」の角度間隔における波形とする。これは、上述した設定によれば、この領域において互いに相違する相間でスイッチング状態の切り替えが同時になされないなら、全領域でスイッチング状態の切り替えが複数相で同時になされることがないためである。なお、ここで同時になされるとは、デッドタイム角度量αDTの付与後の操作信号波形のエッジ同士が複数相間で重複することとすればよい。もっとも、これに代えて、デッドタイム角度量αDTの付与後の操作信号波形のエッジについての互いに相違する相同士の間隔がデッドタイム角度量αDT以内となるものがあることとしてもよい。
ステップS20において否定判断される場合、ステップS22において、仮設定された位相α0,α1,…αn−1を変更し、ステップS16に戻る。ここでは、互いに相違する相間でスイッチング状態の切り替えが同時になされるものに対応する位相を変更する。
一方、ステップS20において肯定判断される場合、ステップS24において、U相、V相およびW相の上記デッドタイム付与後(デッドタイム角度量αDTの付与後)のスイッチング状態の切替タイミングのうち隣接する一対のタイミング間の間隔(パルス幅)が、デッドタイムDTよりも短いか否かを判断する。この処理は、操作信号波形によって規定される全てのパルスをインバータINVから実際に出力することができるか否かを判断するためのものである。すなわち、パルス幅がデッドタイムDTよりも短くなる場合、スイッチング素子S*#のスイッチング状態の切り替わりの間に再度スイッチング状態の切り替え指令が出されることとなるため、規定されたパルスが実際には出力されないおそれがある。
上記ステップS24において否定判断される場合、すなわち、規定されるパルスの中に実際には出力されないものが生じる場合、ステップS26において、スイッチング回数nを減少させ、ステップS22に移行する。
一方、ステップS24において肯定判断される場合、ステップS28において、デッドタイム角度量αDTによる補正のなされた操作信号波形によって実現される変調率を算出し、これがステップS12において指定された値となるか否かを判断する。そして、ステップS28において否定判断される場合にはステップS22に移行する一方、ステップS28において肯定判断される場合には、この一連の処理を一旦終了する。
先の図1に示すように、上記処理によって、変調率およびスイッチング回数n毎に設定される操作信号波形に加えて、本実施形態では、互いに相違する相間でスイッチング状態の切り替えが同時になされることを許容する操作信号波形をも記憶する。ここで、同時スイッチングの許容される操作信号波形は、高調波を極力抑制する波形となっている。これは、同時スイッチングを禁止する旨の要求を無視することで高調波の低減の要求に十分に応じることが可能となることに鑑みたものである。この波形については、たとえば特開2010−154735号公報に記載されている手法に基づき生成すればよい。なお、同時スイッチングを許容する操作信号波形については、2相同時のスイッチングを許容しつつも、3相の同時スイッチングについては許容しない操作信号波形としてもよい。
図6に、上記一対の操作信号波形のいずれを利用するかの切替条件を示す。図6(a)は、スイッチング素子S*#の温度と、インバータINVの入力電圧にサージ電圧が重畳した合計電圧の許容上限値との関係を示す。図示されるように、温度が低いほど許容上限値が低下する。このため、本実施形態では、閾値温度Tth以下である場合に、同時スイッチングを禁止する操作信号波形を選択して且つ、閾値温度Tthを超える場合、同時スイッチングを許容する操作信号波形を選択する。これにより、スイッチング素子S*#に耐圧を超える電圧が印加される事態を回避しつつも、インバータINVの出力電圧に含まれる高調波を極力低減することができる。
一方、図6(b)に、インバータINVの入力電圧(電源電圧VDC)と、入力電圧にサージ電圧が重畳した合計電圧との関係を示す。図示されるように、電源電圧VDCが高いほど合計電圧が大きくなる。このため、本実施形態では、電源電圧VDCが閾値電圧Vth以上となる場合に、同時スイッチングを禁止する操作信号波形を選択して且つ、閾値電圧Vthを下回る場合、同時スイッチングを許容する操作信号波形を選択する。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)スイッチング素子S*#の温度が閾値温度Tth以下の場合に同時スイッチングを禁止する操作信号波形を選択して且つ、閾値温度Tthを上回る場合に、同時スイッチングを許容する操作信号波形を選択した。これにより、スイッチング素子S*#に耐圧を超える電圧が印加されることを回避することと、高調波を抑制することとの適切な両立を図ることができる。
(2)インバータINVの入力電圧(電源電圧)が閾値電圧Vth以上の場合に同時スイッチングを禁止する操作信号波形を選択して且つ、閾値電圧Vthを下回る場合に、同時スイッチングを許容する操作信号波形を選択した。これにより、スイッチング素子S*#に耐圧を超える電圧が印加されることを回避することと、高調波を抑制することとの適切な両立を図ることができる。
(3)操作信号波形を、モータジェネレータ10の電気角速度ω毎に設定した。これにより、操作信号波形毎に、デッドタイムDTに対応するデッドタイム角度量αDTを正確に把握することができ、ひいては、同時スイッチングを禁止するために要求される角度間隔を極力小さくすることができる。
<第2の実施形態>
以下、第2の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
図7に、本実施形態にかかるシステム構成を示す。なお、図7において、先の図1に示した部材に対応するものについては、便宜上同一の符号を付している。
図示されるように、本実施形態では、操作信号生成部34において、操作信号波形を記憶する代わりに、都度、操作信号波形を算出する。
図8に、本実施形態にかかる操作信号波形の生成処理の手順を示す。この処理は、操作信号生成部34において、たとえば所定周期でくり返し実行される。
この一連の処理では、まずステップS30において、電気角速度ω、ノルムVn,スイッチング回数nを取得する。続くステップS32においては、スイッチング状態の切替タイミングを規定する「90°」分の位相α0,α1,…αn−1を仮設定する。ここでは、以下の式(c1)を満たすように仮設定を行う。
Figure 2013034334

上記の式(c1)は、次の理由で導出されたものである。すなわち、インバータINVの出力電圧の基本波振幅が指令振幅VPに一致する条件は、インバータINVの出力電圧f(θ)を用いると、以下の式(c2)にて表現できる。
Figure 2013034334

ここで、基本波がθ=πで点対象且つ、「0≦θ≦π」、「π≦θ≦2π」のそれぞれにおいて、θ=π/2、3π/2のそれぞれに対して線対称であることを利用すると、以下の式(c3)が成立する。
Figure 2013034334

この式(c3)を変形すると、以下の式(c4)を得る。
Figure 2013034334

ここで、本実施形態では、実装の容易さ等の観点から、上記の式(c4)のΣの内部の各項が互いに等しいとし、また、指令振幅VPをノルムVnに変換することで、上記の式(c1)を導出した。
続くステップS34においては、デッドタイム角度量αDTを算出する。続くステップS36においては、位相α0,α1,…αn−1を、デッドタイム角度量αDTで補正することで、デッドタイムを付与する。続くステップS38では、ステップS34において仮設定された操作信号波形を、V,W相に展開し、これらについてもデッドタイム角度量αDTを付与する。そしてステップS40においては、同時スイッチングがないか否かを判断する。そして、ステップS40において同時スイッチングが生じていると判断される場合、ステップS32に戻り、位相α0,α1、…,αn−1を変更する。これに対し、ステップS40において肯定判断される場合、ステップS32において仮設定された操作信号波形を採用する。
なお、ステップS32における位相α0,α1,…の最初の仮設定については、たとえば上記第1の実施形態における同時スイッチングを許容する操作信号波形を記憶しておき、これを用いることも可能である。
<その他の実施形態>
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
「回避手段について」
上記第1の実施形態では、スイッチング素子の温度および入力電圧(電源電圧VDC)の双方に基づき、同時スイッチングの禁止または許容を切り替えたがこれに限らず、たとえばこれらのうちのいずれか一方のみに基づき切り替えてもよい。
また、上記第1の実施形態において、スイッチング素子の温度や入力電圧に依存することなく、常時、同時スイッチングを禁止するようにしてもよい。
上記第2の実施形態においてはスイッチング素子の温度や入力電圧に依存することなく、常時、同時スイッチングを禁止したが、これに限らず、たとえばスイッチング素子の温度および入力電圧の少なくとも一方に基づき、同時スイッチングの禁止または許可を切り替えてもよい。
「位相設定手段について」
トルクフィードバック制御のための操作量として位相を設定するものに限らない。たとえば、q軸電流のフィードバック制御のための操作量として位相を設定するものや、d軸電流のフィードバック制御のための操作量として位相を設定するものであってもよい。
「操作手段について」
位相設定手段とノルム設定手段とを備えるものに限らない。たとえばd軸の電流とq軸の電流とのそれぞれを指令電流にフィードバック制御するための操作量として、指令電圧を設定するものであってもよい。この場合であっても、指令電圧によって、インバータの出力電圧のベクトルノルムおよび位相が指定される。
「電気角速度相当量について」
上記第1の実施形態では、操作波形を、スイッチング回数nと変調率とに応じて定めたが、これに限らず、たとえばスイッチング回数nに代えて、電気角速度を用いてもよい。
「操作波形の記憶について」
上記第1の実施形態では、スイッチング状態の切替タイミングが重なることを許容する操作波形(同時スイッチング許容波形)と、スイッチング状態の切替タイミングが重なることを許容しない操作波形(同時スイッチング禁止波形)との双方の操作波形を記憶したがこれに限らない。たとえば同時スイッチング禁止波形のみを記憶してもよい。またたとえば、同時スイッチング許容波形のみを記憶して且つ、スイッチング素子S*#の温度が低い場合や、入力電圧が高い場合には、上記第2の実施形態の要領で、デッドタイム付与後のスイッチング状態の切替タイミングが重なるか否かを判断し、重なると判断される場合には、操作波形を補正して利用してもよい。
「規定数について」
上記各実施形態では、スイッチング状態の切替が同時になされることを許容しない端子数の下限値(規定数)を「2」としたが、これに限らず、たとえば「3」としてもよい。もっとも、たとえば回転機として5相回転機等を用いる場合等にあっては、規定数を「4」以上とすることも可能である。
10…モータジェネレータ、26…位相設定部、30…ノルム設定部、34…操作信号生成部。

Claims (8)

  1. 回転機の複数の端子のそれぞれに直流電圧源の正極および負極のそれぞれを電気的に接続するスイッチング素子を備える電力変換回路の操作によって、前記回転機の制御量を制御する回転機の制御装置において、
    前記制御量を制御するための操作量としての前記電力変換回路の出力電圧のノルムを設定し、該設定される出力電圧のノルムとなるように前記電力変換回路を操作する操作手段を備え、
    前記操作手段は、
    前記電力変換回路の操作に際し、前記回転機の1つの端子と前記正極とを接続するスイッチング素子と、前記1つの端子と前記負極とを接続するスイッチング素子との双方が同時にオン状態とならないようにデッドタイムを付与するデッドタイム付与手段と、
    前記デッドタイムの付与後において前記回転機の2以上の規定数以上の端子でスイッチング状態の切替が同時になされることを回避する回避手段と、
    を備えることを特徴とする回転機の制御装置。
  2. 前記回避手段は、前記スイッチング素子の温度が規定値以下の場合に前記回避する処理を行って且つ、前記規定値を超える場合には前記回避する処理を行わないことを特徴とする請求項1記載の回転機の制御装置。
  3. 前記回避手段は、前記電力変換回路の入力電圧が規定値以上の場合に前記回避する処理を行って且つ、前記規定値を下回る場合には前記回避する処理を行わないことを特徴とする請求項1記載の回転機の制御装置。
  4. 前記操作手段は、前記回転機の電気角と前記電力変換回路の操作状態との関係を定めた操作波形を参照しつつ、前記電力変換回路を操作するものであり、
    前記回避手段は、前記操作波形を記憶する手段であることを特徴とする請求項1記載の回転機の制御装置。
  5. 前記操作手段は、前記回転機の電気角と前記電力変換回路の操作状態との関係を定めた操作波形を参照しつつ、前記電力変換回路を操作するものであり、
    前記操作波形は、前記デッドタイムの付与後において前記規定数以上の端子で前記スイッチング状態の切替が同時になされることがある同時スイッチング許容波形と、前記同時になされることを回避した同時スイッチング禁止波形とを有し、
    前記回避手段は、前記同時スイッチング許容波形と、前記同時スイッチング禁止波形とを記憶する手段を備えることを特徴とする請求項2または3記載の回転機の制御装置。
  6. 前記操作波形は、前記回転機の電気角速度相当量毎に設定されることを特徴とする請求項4または5記載の回転機の制御装置。
  7. 前記操作手段は、
    前記回転機を流れるq軸電流およびd軸電流のいずれか一方と前記回転機のトルクとの少なくとも一方をフィードバック制御するための操作量として、前記電力変換回路の出力電圧ベクトルの位相を設定する位相設定手段と、
    前記回転機のトルクに関するパラメータおよび前記回転機の回転速度を入力とし、前記電力変換回路の出力電圧ベクトルのノルムを設定するノルム設定手段とを備え、
    前記位相設定手段によって設定される位相および前記ノルム設定手段によって設定されるノルムに基づき、前記操作波形を参照しつつ前記電力変換回路を操作するものであることを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載の回転機の制御装置。
  8. 前記操作手段は、前記回転機の電気角と前記電力変換回路の操作状態との関係を定めた操作波形を、前記電力変換回路の出力電圧のノルムを満たすように仮設定する仮設定手段をさらに備え、
    前記回避手段は、前記回転機の電気角速度を入力として、前記仮設定された操作波形に前記デッドタイム付与手段によってデッドタイムが付与されることで前記規定数以上の端子で前記スイッチング状態の切替が同時になされるか否かを判断する判断手段と、同時になされると判断される場合、前記仮設定手段に仮設定のやり直しをさせて且つ、同時になされないと判断されることを条件に、前記仮設定された操作波形に基づき前記電力変換回路を操作するものであることを特徴とする請求項1記載の回転機の制御装置。
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