JP3229019B2 - Pwmインバータ装置 - Google Patents
Pwmインバータ装置Info
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Description
は交流電源装置などに使用される、直流電源より交流出
力を得るPWMインバータ装置に関し、特に本発明は、
耳障りな騒音の発生を等価的に減少させ、人間が聞いた
場合の不快感をなくすことができるPWMインバータ装
置に関するものである。
ンバータの構成を示す図である。本発明は、インバータ
の主回路構成に特に依存せず、フルブリッジ、電流形、
多相インバータなど種々のインバータに適用できるもの
であり、同図には簡単にするためその一例として、周知
な単相ハーフ・ブリッジ電圧形インバータが示されてい
る。
はインバータの主回路を構成するトランジスタ、5,6
はダイオード、7は負荷、8はトランジスタ3,4の駆
動信号を発生する変調回路であり、変調回路8はトラン
ジスタ3,4を交互に開閉して、直流電源1,2の直流
出力を交流信号に変換して負荷7に供給する。図7は図
6に示すPWMインバータの各部の波形を示す図であ
る。図6の変調回路8は、図7(イ)に示す信号波eo
と搬送波es とを比較するコンパレータを持ち、搬送波
es と信号波eo の大きさを比較して同図(ロ)に示す
ように、図6のPWMインバータのトランジスタ3,4
を駆動する信号Qおよび信号Qの反転信号を出力する。
PWMインバータのトランジスタ3,4に与えられ、ト
ランジスタ3,4が駆動されると、負荷7には図7
(ロ)に示す波形と同様な波形を持つ電圧vuvが印加さ
れ、その基本波は図7(イ)に示す信号波eo とほぼ同
形となる。
バータのトランジスタ3,4は上記のように駆動信号Q
および信号Qの反転信号により駆動されるが、信号Qの
周波数が可聴周波数領域になるとPWMインバータ装
置、負荷7あるいは電力伝送線路などから騒音を発生
し、非常に耳障りとなる。
波es の周波数は信号波eo の周波数の数倍から数十倍
に選ばれることが多く、例えば信号波eo の周波数を5
0Hzとすると、搬送波es の周波数は数百Hzから数
kHzの帯域となり、可聴周波数領域となるため騒音の
原因となる。最近では、搬送波es の周波数を20kH
z以上の可聴周波数領域外とする高周波スイッチングを
行い、無騒音とすることも行われているが、トランジス
タやこれに代わる各種サイリスタに高価な高速素子を使
用する必要があり、また、開閉時に発生するスイッチン
グ損失も膨大なものとなるので、大出力装置では必ずし
も実用的であるとはいい難い。
s の周波数は非同期式では信号波eo の周波数にかかわ
らず一定であり、同期式では信号波eo の周波数に応じ
て搬送波es と信号波eo の周波数比を数倍程度に切り
換え搬送波es の周波数が大幅に変動しないようにする
のが一般的であるが、いずれにしろ、長時間に渡り搬送
波es の周波数、すなわち、騒音源となる周波数がほぼ
一定となるため、非常に耳障りとなっている。
くランダムに変化させ、騒音のレベルそのものは変わら
ないものの、人間が聞いた感じではあまり気にならない
ようにすることも一部で試みられている。しかしなが
ら、この方式においても、一定周波数の雑音はなくなる
ものの、いわゆる騒音は白色雑音となり、多人数のモニ
タによるテストの結果でも、充分な効果があるとはいい
難い。
なされたものであって、音圧レベルで測定した騒音の大
きさは低減できなくとも、人間が聞いた場合の不快感を
少なくすることにより、等価的に低騒音化することがで
きるPWMインバータ装置を提供することを目的とす
る。
ある。上記課題を解決するため、本発明においては、図
1に示すように、変調回路を備え、該変調回路によりス
イッチングの基準となる搬送波のパルス幅を、インバー
タの出力波形の基準となる信号波で変調して、インバー
タを構成するスイッチング素子の駆動信号を得るPWM
インバータ装置において、上記PWMインバータ装置
に、上記変調回路に搬送波信号を与える搬送波信号発生
手段を設けたものである。
らぎを持つ乱数を発生する第1の乱数発生手段と、1/
fゆらぎを持ち所定の範囲の周波数信号を発生する第2
の乱数発生手段と、第1の乱数発生手段が出力する乱数
によりそのタイマ設定値が設定され、タイマに設定され
た時間が経過すると第2の乱数発生手段が発生する周波
数信号の値を切り換えるタイマと、上記第2の乱数発生
手段の出力と基準となる平均的な搬送周波数を加算する
加算手段から構成し、上記加算手段より段階的に周波数
が変化する搬送波信号を得て、前記変調器に与えるよう
にしたものであ。
動の一例を示した図である。ここで、同図の搬送波の周
波数fs の波形を時間tの関数としてfs(t)と表すと、
fs(t)のフーリェ展開したものは、次式(1)で表すこ
とができる。
(1)式において、次式(2)はfs(t)の角周波数nω
の大きさの成分を表すものと考えられるから、これをパ
ワーと呼ぶとすると、各nに対するパワーが定義され
る。
ットすると、例えば、図3のようなグラフを得ることが
できる。そして、上記fs(t)のパワーが図3に示すよう
に、その傾斜が−1になったとすると、そのパワーは
n、すなわち、fs(t)の周波数成分の逆数となる。これ
を1/f関数と呼ぶ。
の低い成分はパワー、すなわち、振幅が大きく、また、
周波数の高い成分は振幅が小さいことを表しており、こ
のような信号は「1/fゆらぎ」として知られている。
なお、パワーの傾斜が−1より急な場合、例えば1/f
2 の場合には、周波数の変化の度合いが緩やかで急激な
変動をしないと言え、また、逆にパワーの傾斜が−1よ
りなだらかな場合には1/fゆらぎに比べて唐突な変化
を起こすと言える。
せるものには「1/fゆらぎ」を持つものが多いことが
経験的に知られており、例えば、ベートーベンやブラー
ムスの作曲した音楽の音の高さの変動のパワー・スペク
トル密度を求めると、上記「1/fゆらぎ」を持ってお
り、気持ちの良いねむけを生じさせる。また、電車の揺
れのパワー・スペクトル密度も「1/fゆらぎ」をもっ
ている。(講談社発行、武者利光著「ゆらぎの世界」参
照)従って、PWMインバータが発生する騒音について
も、このような「1/fゆらぎ」を持たせることによ
り、不快感を和らげることができる。
インバータ装置において、搬送波es の周波数を、その
周波数もしくはその周波数の所定周波数からの変動のパ
ワー・スペクトル密度が搬送波周波数の逆関数となるよ
うに変動させることにより、PWMインバータが発生す
る騒音に「1/fゆらぎ」を持たせ、音圧レベルで測定
したPWMインバータの騒音の大きさは低減できなくと
も、人間が聞いた場合の不快感を少なくするようにした
ものである。
fs の時間的変化を示す一例として示したが、PWMイ
ンバータ装置における搬送波es の波形は、一般に図7
の従来例に示したように、三角波やのこぎり波であり、
例えば、三角波やのこぎり波のピーク点から次のピーク
点までの時間の逆数を搬送波es の周波数fs とする
と、fs を図2に示したように連続的に変化させること
は比較的難しく、現実には、段階的な変化とする方が実
現し易い。
に基づき、搬送波es の周波数fsを段階的に変化させ
ることにより、「1/fゆらぎ」を持つ搬送波es を得
るようにしたものであり、「1/fゆらぎ」を持つ搬送
波es を比較的容易に発生させることができる。
実施例は基準となる平均的な搬送波の周波数fo と実際
の搬送波es の周波数fs の差fo −fs に「1/fゆ
らぎ」を持たせた実施例を示している。すなわち、イン
バータのチョッピング周波数となる搬送波es の周波数
はあまり低くなると信号波eo に対する出力波形の忠実
度が悪くなり、また、あまり高くなるとスイッチング素
子の速度が追いつかなくなり動作不能となったり、スイ
ッチング損失の増加をもたらすことになり、上記周波数
は上下に限界がある。
に「1/fゆらぎ」を持たせることよりも、基準となる
平均的な搬送波es の周波数fo からの差fo −fs に
「1/fゆらぎ」を持たせるた方がより実用的である。
本実施例は上記観点に基づき、上記fo −fs に「1/
fゆらぎ」を持たせ実施例を示したものである。
乱数発生器21は乱数Tn を発生する。なお、乱数発生
器21は完全にランダムな数値を発生するものではな
く、前述したように「1/fゆらぎ」を持つ乱数を発生
する。22はタイマであり、乱数発生器21が出力する
乱数Tn によりそのタイマ設定値が設定され、タイマに
設定された時間が経過すると乱数発生器23の発生する
乱数の値は切り換えられる。
らぎ」を持つ乱数を発生する乱数発生器であり、上記し
たように、PWMインバータのスイッチング素子を駆動
するに適した所定の範囲の周波数信号±Δfn を出力す
る。24は加算器であり、搬送波の中心周波数fo と乱
数発生器23が出力する周波数信号±Δfn を加算して
搬送波の周波数信号fs を出力する。
25は加算器24が発生する周波数信号fs に応じた周
期を持つ三角波を発生する。8は従来例において示した
変調回路であり、コンパレータ8aから構成され、コン
パレータ8aは三角波発生器25が発生する周期1/f
s の搬送波es と信号波eo を比較してインバータのス
イッチング素子を駆動するPWM信号を出力する。
es の周波数fs を示した図であり、同図において、横
軸は時間、縦軸は搬送波es の周波数fs 、また、fo
は上記した搬送波の中心周波数、T1 ないしT5 は乱数
発生器21の出力、Δf1 ないしΔf5 は乱数発生器2
3の出力を示している。次に図4,図5により、本実施
例の動作を説明する。
ず、乱数T1 を発生して、タイマ22を時間T1 に設定
する。一方、乱数発生器23は図5に示す「1/fゆら
ぎ」を持つ周波数Δf1 に対応した信号を発生して加算
器24に与える。加算器24は周期信号Δf1 と基準と
なる平均的な搬送波es の周波数fo とを加算してfo
+Δf1 を求めて三角波発生器25に与える。
上記fo +Δf1 に対応した周期の搬送波es を発生
し、変調器8のコンパレータ8aに与える。コンパレー
タ8aは三角波発生器25が出力する搬送波es と信号
波eo を比較し、信号波eo を周波数fs の搬送波es
により変調しPWM信号を出力する。タイマ22に設定
された時間T1 が経過すると、タイマ22は乱数発生器
23に切り換え信号を出力する。乱数発生器23はタイ
マ22より切り換え信号が与えられると、乱数を切り換
え、図5に示す周波数Δf2 に対応した信号を発生して
加算器24に与える。その結果、三角波発生器25はf
o +Δf2 に対応した周期の搬送波es を発生し、変調
器8は上記と同様、信号波eo を周波数fs の搬送波e
s により変調しPWM信号を出力する。
する乱数T2 により、時間T2 に設定され、時間T2
後、再び上記と同様、乱数発生器23に切り換え信号を
出力する。以下、同様にして、図5に示すように、乱数
発生器21が出力するT1 ないしTn 時間ごとに乱数発
生器23が出力する周期信号±Δfn は切り換わり、三
角波発生器25は上記fo ±Δfn に対応した周波数f
s の搬送波es を発生する。
る騒音のもととなるチョッピング周波数を定める搬送波
es の周波数変動およびその継続時間に前記した「1/
fゆらぎ」を持たせることにより、PWMインバータが
発生する騒音の不快感を減少させることができる。
T1 ないしTn 時間はかなり自由に選定することがで
き、例えば、上記実施例に示したように搬送波es の周
期を毎サイクル変化させることもできるし、また、同一
周期の搬送波を数サイクル連続して出力することもでき
る。
本発明においては、PWMインバータの搬送波周波数を
操作し、発生する騒音に「1/fゆらぎ」を持たせるよ
うにしたので、音圧レベルで測定した騒音の大きさは低
減できなくとも、人間が聞いた場合の不快感を少なくす
ることができ、高価な防音装置や回路素子を用いること
なく、等価的に低騒音化することができ、その実用上の
効果は極めて大きい。
ル密度を示す図である。
す図である。
図である。
成するトランジスタ 5,6 ダイオード 7 負荷、 8 変調回路 8a コンパレータ 10 搬送波信号発生手段 11,12,21,23 乱数発生器 13 発振器 22 タイマ 24 加算器 25 三角波発生器
Claims (1)
- 【請求項1】 変調回路を備え、該変調回路によりスイ
ッチングの基準となる搬送波のパルス幅を、インバータ
の出力波形の基準となる信号波で変調して、インバータ
を構成するスイッチング素子の駆動信号を得るPWMイ
ンバータ装置であって、上記PWMインバータ装置は、上記変調回路に搬送波信
号を与える搬送波信号発生手段を備え、 上記搬送波信号発生手段は、 1/fゆらぎを持つ乱数を発生する第1の乱数発生手段
と、1/fゆらぎを持ち所定の範囲の周波数信号を発生
する第2の乱数発生手段と、 第1の乱数発生手段が出力する乱数によりそのタイマ設
定値が設定され、タイマに設定された時間が経過すると
第2の乱数発生手段が発生する周波数信号の値を切り換
えるタイマと、 上記第2の乱数発生手段の出力と基準となる平均的な搬
送周波数を加算する加算手段とを備え ており、上記加算手段より段階的に周波数が変化する搬送波信号
を得て、前記変調器に与える ことを特徴とするPWMイ
ンバータ装置。
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