JP2618086B2 - インバータ装置 - Google Patents

インバータ装置

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JP2618086B2
JP2618086B2 JP2281331A JP28133190A JP2618086B2 JP 2618086 B2 JP2618086 B2 JP 2618086B2 JP 2281331 A JP2281331 A JP 2281331A JP 28133190 A JP28133190 A JP 28133190A JP 2618086 B2 JP2618086 B2 JP 2618086B2
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勝則 谷口
泰治 友国
克也 平地
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【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はインバータ装置に関するもので、さらに詳し
く言えばその出力波形の改善に関するものである。
従来の技術 無停電電源装置(UPS)の普及により、蓄電池を直流
電源として運転し、種々の負荷に商用電源と同様の交流
電力を供給するインバータ装置が広く用いられるように
なってきている。このようなインバータ装置は、直流を
正弦波に変換するため、得られた正弦波に高調波が含有
され、この高調波が負荷に悪影響を及ぼすという問題が
あった。そのため、インバータ装置の出力波形を改善す
る種々の提案がなされ、特に近年パルス幅変調方式(以
下PWM方式という。)が注目されている。このPWM方式と
しては、三角波のキャリア信号と正弦波の変調信号とを
比較して得られる駆動信号でスイッチング素子を動作さ
せ、出力の基本波以外の不要調波成分をキャリア周波数
のサイドバンドとして高い周波数域に移動させるものが
広く知られている。この方法は、三角波のキャリア信号
の周波数を高くすると、低次の不要調波成分が発生せず
高次の不要調波成分を容易に除去することができ、騒音
の問題も解決できるので、大電力、高周波スイッチング
が可能なスイッチング素子の普及とマイクロコンピュー
タを利用した制御回路の普及とにより、多方面に利用さ
れるようになっている。
発明が解決しようとする課題 上記したPWM方式は、直流電源電圧に対して交流出力
電圧の実効値が小さくなるため、所望の交流出力電圧を
得るためには直流電源電圧を高くする必要があり、イン
バータ装置を構成するスイッチング素子の耐圧を高くし
なければならないという欠点があった。
また、スイッチング素子にバイポーラトランジスタを
用い、低騒音化を図るために三角波のキャリア信号の周
波数を可聴周波数以上に高くしようとすると、スイッチ
ング素子の動作の遅延や損失の増大によって十分にその
目的が達成できないという欠点があった。
課題を解決するための手段 本発明のインバータ装置は、直流電源と、この直流電
源から三相交流電力を得る逆変換部と、前記逆変換部を
構成する6個のスイッチング素子の駆動信号を作成する
駆動回路と、この駆動回路に入力される制御信号を発生
させる制御回路とからなり、前記制御回路が正負に振動
する三角波のキャリア信号を発生させるキャリア信号発
生器と、三相交流の1周期に対して3分の1周期の負の
最大電圧区間と6分の1周期の電圧上昇区間と3分の1
周期の正の最大電圧区間と6分の1周期の電圧下降区間
とからなる台形波の変調信号を発生させる変調信号発生
器とを有し、かつこの変調信号発生器に台形波の電圧上
昇区間と電圧降下区間とにおける傾斜を変化させる傾斜
可変手段を付加し、変調信号としての台形波を変形台形
波として出力させるとともに、この変形台形波と前記三
角波とを比較する比較器を介してパルス幅変調信号を出
力させることを特徴とするものである。
作用 上記の如き構成とすることにより、本発明のインバー
タ装置は、直流電源電圧値を交流出力基本波の振幅に一
致させることができ、交流出力に含まれる高調波をきわ
めて小さくすることができる。
また、傾斜可変手段によってスイッチング素子の動作
の遅延を補償することができ、しかもスイッチング素子
の動作を3分の2周期の間休止させることができるの
で、スイッチング素子としてバイポーラトランジスタの
ような低速素子を用いても低騒音化を図ることができ
る。
実施例 以下、実施例により説明する。第1図は本発明のイン
バータ装置のブロック図で、主回路は、直流電源1と、
この直流電源1から三相交流電力を得る逆変換部2と、
得られた三相交流電力が供給される負荷3とによって構
成されている。前記逆変換部2は6個のスイッチング素
子U1,U2,V1,V2,W1,W2からなり、スイッチング素子
U1とU2、スイッチング素子V1とV2、スイッチング素子W1
とW2はそれぞれ直列に接続されて前記直流電源1に接続
されるとともに、それぞれの直列接続点u,v,wから負荷
3に図示していないが、LCフィルタを介して三相交流電
力が供給されるように構成されている。前記スイッチン
グ素子U1,U2,V1,V2,W1,W2の駆動信号は駆動回路4
から与えられ、この駆動回路4に入力される制御回路5
から供給される。この制御回路5は、正負に振動する三
角波のキャリア信号を発生させるキャリア信号発生器5
−1と、三相交流の1周期に対して3分の1周期の負の
最大電圧区間と6分の1周期の電圧上昇区間と3分の1
周期の正の最大電圧区間と6分の1周期の電圧降下区間
とからなる台形波の変調信号を発生させる変調信号発生
器5−2とを有し、かつこの変調信号発生器5−2に、
得られる台形波の電圧上昇区間と電圧降下区間とにおけ
る傾斜を変化させる傾斜可変手段5−3が付加されてい
る。この傾斜可変手段5−3によって前記台形波は第3
図のeγのように方形波が重畳されたような変形台形波
となり、重畳比γを0≦γ≦1の間で変化させて重畳さ
せる方形波の割合γEを変化させている。この変形台
形波と前記キャリア信号発生器5−1からの三角波eb
は比較器5−41,5−42,5−43に入力されて各アームのパ
ルス幅変調信号を得るように構成されている。こうして
得られた各アームのパルス幅変調信号は論理回路6によ
って制御信号に変換されて前記駆動回路4に入力され
る。前記制御回路5内のキャリア信号発生器5−1から
発生させられる三角波の周波数は、低騒音化という面か
ら可聴周波数より大きな値に設定される。また、前記制
御回路5内の変調信号発生器5−2から発生させられる
台形波の振幅は、前記三角波の振幅に一致させるかそれ
より大きくし、各アームにおけるスイッチングの休止期
間が得られるようにしてスイッチング素子の無負荷転流
損失が少なくなるようにしている。さらに、前記制御回
路5内の傾斜可変手段5−3により、重畳比γを変化さ
せて台形波の最大電圧値をこの台形波に重畳されている
方形波の最大電圧値に対して変化させ、交流出力に含ま
れる高調波をできるだけ小さくするようにしている。
次に、第2図によって変形台形波eγと周期Tの三角
波ebとが比較されてパルス幅変調信号が作成される原理
を説明する。第2図(a)の変形台形波eγのうち、実
線は0<γ≦1なる重畳比を有するものを示し、破線は
γ=0のもの(台形波)を示している。第2図(b)は
γ=0の場合に得られるパルス幅変調信号を示し、第2
図(c)は0<γ≦1の場合に得られるパルス幅変調信
号を示している。第2図(c)からわかるように、0<
γ≦1として変形台形波eγを変調信号とすると、三角
波ebのピークの近傍で三角波ebと変形台形波eγとが交
差しなくなり、パルス幅がきわめて小さいパルス幅変調
信号の出力を防止することができる。従ってパルス幅変
調信号のパルス幅に対するスイッチング素子の動作の遅
延の影響を少なくすることができる。
次に、第3図の波形図によって動作を説明する。第3
図(a)はキャリア信号発生器5−1から得られる三角
波、第3図(b)はu相の出力に同期させた変形台形
波、第3図(c)はv相の出力に同期させた変形台形
波、第3図(d)はw相の出力に同期させた変形台形波
で、前記三角波とu相の変形台形波とは比較器5−41
に、前記三角波とv相の変形台形波とは比較器5−42
に、前記三角波とw相の変形台形波とは比較器5−43に
それぞれ入力され、各アームのパルス幅変調信号を得る
ように構成されている。すなわち、比較器5−41の出力
は論理回路6と駆動回路4とを介してスイッチング素子
U1,U2の駆動信号に、比較器5−42の出力は論理回路6
と駆動回路4とを介してスイッチング素子V1,V2の駆動
信号に、比較器5−43の出力は論理回路6と駆動回路4
とを介してスイッチング素子W1,W2の駆動信号にそれぞ
れ変換される。従って、スイッチング素子U1,U2の接続
点uの相電圧波形は第2図(e)、スイッチングチング
素子V1,V2の接続点vの相電圧波形は第2図(f)、ス
イッチング素子W1,W2の接続点wの相電圧波形は第2図
(g)のようになる。これらの波形はいずれも、変形台
形波信号の正負の最大電圧区間がスイッチングの休止期
間となり、各アームにおけるスイッチングの休止期間は
交流出力の3分の2周期になり、スイッチング素子の無
負荷転流損失を少なくすることができる。そして、接続
点u,v間の波形は第2図(h)のようになり、図示して
いないが、接続点v,w間と接続点w,u間の波形は、前記接
続点u,v間の波形から2π/3,4π/3遅れた波形となる。
こうして得られた交流出力には、基本波成分、高調波成
分およびキャリア信号のサイドバンドが含まれるが、変
調信号として変形台形波を用い、台形波に対する方形波
の重量比γを傾斜可変手段5−3によって変化させる
と、特定の高調波成分を消去することができる。たとえ
ば、γ=0.18とすると、第5調波を消去することができ
る。本発明のような三相出力を得るインバータ装置で
は、3の倍数調波は含まれず、しかも第7,第11,第13…
調波成分の振幅は小さいので、上記のようにγ=0.18と
して第5調波を消去することによって顕著な波形改善効
果が得られる。また、スイッチング素子には動作の遅延
時間tdがあるため、第2図(a),(c)のように、重
畳比γをγ≧td/Tとなるように設定すると、遅延時間td
によるスイッチング素子の動作の遅延を補償することが
できる。さらに、第3図(e),(f),(g)のよう
に、スイッチング素子の動作を3分の2周期の間休止さ
せることができるので、スイッチング素子の損失による
発熱の影響を少なくすることができる。
発明の効果 上記したとおりであるから、本発明によれば、出力基
本波の振幅を直流電源電圧値に一致させることができ、
交流出力に含まれる高調波もきわめて小さくすることが
でき、無負荷転流損失も少なくできるので、高性能なイ
ンバータ装置を構成することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のインバータ装置のブロック図、第2図
はパルス幅変調信号が作成される原理を示す図、第3図
は各部の動作波形図である。 4……駆動回路、5……制御回路 5−1……キャリア信号発生器 5−2……変調信号発生器 5−3……傾斜可変手段 5−41,5−42,5−43……比較器 6……論理回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き 審査官 松浦 功 (56)参考文献 特開 昭61−177175(JP,A) 実開 昭58−57294(JP,U)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】直流電源と、この直流電源から三相交流電
    力を得る逆変換部と、前記逆変換部を構成する6個のス
    イッチング素子の駆動信号を作成する駆動回路と、この
    駆動回路に入力される制御信号を発生させる制御回路と
    からなり、前記制御回路が正負に振動する三角波のキャ
    リア信号を発生させるキャリア信号発生器と、三相交流
    の1周期に対して、3分の1周期の負の最大電圧区間と
    6分の1周期の電圧上昇区間と3分の1周期の正の最大
    電圧区間と6分の1周期の電圧下降区間とからなる台形
    波の変調信号を発生させる変調信号発生器とを有し、か
    つこの変調信号発生器に台形波の電圧上昇区間と電圧下
    降区間とにおける傾斜を変化させる傾斜可変手段を付加
    し、変調信号としての台形波を変形台形波として出力さ
    せるとともに、この変形台形波と前記三角波とを比較す
    る比較器を介してパルス幅変調信号を出力させることを
    特徴とするインバータ装置。
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