JP5965766B2 - 交流電動機の駆動システム及び電動機車両 - Google Patents

交流電動機の駆動システム及び電動機車両 Download PDF

Info

Publication number
JP5965766B2
JP5965766B2 JP2012165538A JP2012165538A JP5965766B2 JP 5965766 B2 JP5965766 B2 JP 5965766B2 JP 2012165538 A JP2012165538 A JP 2012165538A JP 2012165538 A JP2012165538 A JP 2012165538A JP 5965766 B2 JP5965766 B2 JP 5965766B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
motor
phase
drive system
frequency
pulse width
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2012165538A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014027764A (ja
Inventor
岩路 善尚
善尚 岩路
山本 弘毅
弘毅 山本
俊文 坂井
俊文 坂井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP2012165538A priority Critical patent/JP5965766B2/ja
Priority to EP20130173854 priority patent/EP2690775A2/en
Publication of JP2014027764A publication Critical patent/JP2014027764A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5965766B2 publication Critical patent/JP5965766B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02MAPPARATUS FOR CONVERSION BETWEEN AC AND AC, BETWEEN AC AND DC, OR BETWEEN DC AND DC, AND FOR USE WITH MAINS OR SIMILAR POWER SUPPLY SYSTEMS; CONVERSION OF DC OR AC INPUT POWER INTO SURGE OUTPUT POWER; CONTROL OR REGULATION THEREOF
    • H02M7/00Conversion of ac power input into dc power output; Conversion of dc power input into ac power output

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Control Of Ac Motors In General (AREA)
  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)

Description

本発明は、交流電動機の駆動システム及び電動機車両に関し、例えば、電気鉄道車両、電気自動車、産業用インバータ、風力発電システム、ディーゼル発電機システム等における回転機の制御装置に関する。
近年の省エネ、地球環境保全の世界的な動向に連動して、インバータで駆動される電動機が様々な製品に適用されている。中でも電気鉄道車両や風力発電システムなど、電動機容量の大きな分野への応用が拡大している。電気鉄道用のモータ駆動システムは、高効率を達成するためにモータ本体の高効率化や、それを駆動する変換器の高効率化が進められている。また、非電化区間の鉄道車両用に、ディーゼル発電機システムが用いられており、そこにも交流発電機と電力変換機が用いられている。風力発電分野では、モータを高圧化、大容量化するのが効率を向上させる上では望ましく、数100kW〜数MWの発電機が開発されている。
システムの高効率化を目的に、電力変換器においても、変換器本体の損失を抑える検討がなされている。変換器の損失を最も効率的に下げるには、スイッチング周波数の平均値を下げることであり、例えば大容量の変換器では、数100Hz以下のキャリア周波数にて、変換器のスイッチング動作を行っている。
鉄道車両では、特許文献1に示すように、高速域においてスイッチング回数が増加しないように、PWM(パルス幅変調)時のパルス数を制御するような工夫をしている。一般的には、交流電動機の駆動周波数と、PWMを行う際のキャリア周波数を同期させてパルスを生成する「同期PWM」を採用し、余分な高調波の流出を防ぐと同時に、スイッチング回数が増加することを抑えている。
また、回転機の設計においても、より効率重視の設計がなされるようになっている。高効率な回転機を設計するには、電気定数の一つである巻線抵抗(銅損)を極限まで減らす設計が必要になる。また、電動機の容量を拡大するには、熱設計の点からも損失を下げる必要があり、必然的に抵抗値の小さい回転機になる。
しかし、抵抗値の小さい回転機は、トルク制御を行う際に不安定になり易い。特に回転数が高い領域において、交流電動機のトルク電流と励磁電流間の干渉現象が顕在化して、振動・発散を起こす場合がある。これを抑制するため、電動機の交流電流をトルク電流成分と励磁電流成分に分離して制御するベクトル制御が一般的に採用されている。また、回転機を駆動するインバータのスイッチング回数が少ないと、制御応答の遅延が問題となり、前述の振動・発散現象が生じやすくなる。これに関しては、特許文献2の方式を採用し、キャリア波形内を分割してベクトル制御を行うことにより対策がなされている。
特開2005−237194号公報 特開平8−251930号公報
一般的な手法である同期PWMは、駆動周波数とキャリア周波数の同期を取る必要があるため、制御の即応性はない。そのため、より高効率な電動機を駆動した場合に、不安定動作に陥る場合がある。特に高速駆動で、かつ、トルクを制御する必要がある鉄道車両用途では、制御性能の劣化は加減速特性に影響を与える恐れがあり問題である。特許文献1の手法では、電圧飽和領域に入った時点で、電圧を任意に制御できなくなり、制御性能は劣化してしまう。また、特許文献2の手法では、制御応答は改善可能であるが、同期PWMは考慮されてないため、このまま鉄道用途などの駆動周波数の高い用途への適用は不可能である。
本発明は、一般的なベクトル制御技術、ならびに特許文献2記載の発明に関係する部分があるため、図17、ならびに図18を用いてそれらの詳細を述べておく。
図17は、交流電動機5を駆動するモータ・ドライブシステムである。図17の構成要素は、交流電動機5のトルク指令Tmを発生する指令発生器1と、トルク指令Tmに一致したトルクを発生するための制御を行う制御器2と、交流電動機5を駆動するインバータ3、交流電動機5に流れる電流を検出する電流センサ4から成り立っている。
また、インバータ3は、インバータに電力を供給する直流電源31、6個のスイッチング素子Sup〜Swnで構成されるインバータ主回路部32、インバータ主回路部32を直接駆動するゲート・ドライバ33から構成されている。
指令発生器1は、交流電動機5へのトルク指令Tmを発生する、制御器2の上位に位置する制御器である。鉄道車両用の駆動システムであれば、トルク指令となるが、例えば、産業用のポンプやファン駆動システムであれば、回転数指令を与えることになる。
制御器2は、指令発生器1のトルク指令に基づき、交流電動機5の発生トルクを制御する。制御器2の内部は、ベクトル制御部21FとPWM処理部22Fから構成されている。さらに、ベクトル制御部21Fは、交流電動機5の交流電流検出値である三相交流Iu、Iv、Iwを、トルク電流成分(q軸電流成分)と励磁電流成分(d軸電流成分)に分離して、それぞれの電流制御を行う。
電流制御の結果、回転座標軸であるdq軸上の電圧指令VdならびにVqが演算され、それらを極座標変換器7にて、振幅V1と電圧指令位相δに変換している。また、ベクトル制御器6にて、交流電動機5の駆動周波数ω1も演算され、PWM処理部22Fへと出力される。PWMに用いるキャリア周波数ωfcは、ベクトル制御部21Fにおけるキャリア周波数設定器210において設定される。
PWM処理部22Fでは、極座標変換されたV1(電圧振幅指令)、ならびにδ(電圧位相指令)、駆動周波数ω1、キャリア周波数ωfcを入力し、PWMを実施する。駆動周波数ω1を積分器9aにて積分し、制御位相θdを計算する。三相座標変換器8では、極座標の電圧指令であるV1、δを三相交流電圧指令Vu、Vv、Vwに変換し、PWMパルス発生器10にてパルス幅変調が実施される。PWMパルス発生器10は、三角波のキャリア波と三相交流指令Vu、Vv、Vwの比較を行い、PWM波形を出力する。キャリア波は、一般的にはアップダウンのカウンタが用いられており、タイマー部211にて生成される。キャリア波の位相θfcは、物理的な意味ではキャリア周波数ωfcの積分によって得られるとみなせる。
制御器2の動作は、以下のようになる。ベクトル制御部21Fでは、トルク指令Tm通りのトルクを交流電動機5が発生するように、d軸、q軸の電流が制御される。この演算処理周期をTsとする。その結果、得られた電圧指令V1、δと、駆動周波数ω1に基づいて、PWM処理部22Fにてパルス幅変調が実施される。この演算処理周期はTfcとする。
これらの処理周期TsとTfcの関係を図18(a)〜(c)に示す。図18(a)は、Ts=Tfcの条件である。PWMの最小単位はキャリア波の半周期であることを考えれば、この関係が制御上は望ましい。しかし、ベクトル制御の処理周期Tsは、システムの応答時間や安定性確保の関係から決定される値であるのに対し、キャリア周波数は、変換器に用いるスイッチングデバイスで上限が決まってしまったり、あるいは、スイッチングに伴って発生する可聴ノイズを回避するために高周波化したりするので、両者は必ずしも一致しない。
図18(b)は、Ts>Tfcの条件であり、この場合は、キャリア半周期の数個毎にベクトル制御の演算結果が反映される。主に電磁音等が問題となり、キャリア周波数を非可聴域(16kHz以上)に設定したい場合に、この条件になる。
図18(c)は、Ts<Tfcであり、条件としては、スイッチングデバイスの能力により、キャリア周波数を上げられない場合にこのようになる。ただし、図18(c)を実現するには、一般的なマイコンでは難しく、専用のゲートロジックを用意する必要がある。特許文献2は、図18(c)の条件に関する発明である。
また、キャリア周波数ωfcを変更する場合、カウンタの設定を変えることで対応するため、一般的には図18(d)のようにアップカウントの開始時点にて設定を変更することになる。これは汎用マイコンの機能として設定できる。
鉄道車両用の交流電動機5のように、大容量電動機を扱う駆動システムでは、キャリア周波数を高周波化することはできないため、通常、図18(a)の方式を用いている。この場合、キャリア周波数の変更もキャリア周期毎に行うことができるため、同期PWMとの整合が取れる。しかし、キャリア周波数の低減と同時にベクトル演算周期も長くなってしまうため、システムの安定化が難しくなる。また、図18(c)とすることで、演算処理周期は短くできるが、同期PWMの実現はこのままではできない。
本発明の目的は、キャリア周波数が低く設定された効率のよい電力変換器において、交流電動機の制御性能を向上させることが可能な交流電動機の駆動システムを提供することにある。
本発明は、三相交流電動機と、該電動機を駆動するインバータ、ならびに、前記インバータをパルス幅変調によって駆動する制御器を備えた交流電動機の駆動システムに対して、前記制御器にて演算された前記電動機の周波数指令の瞬時の値に基づき、前記電動機への基本波位相の演算と同時に、前記パルス幅変調を行うためのキャリア波を演算して、前記基本波と前記キャリア波の比較によってパルス幅変調を行う手段を備えることで課題を解決することができる。
本発明によれば、キャリア周波数を上げることなく、かつ、不要な高調波成分を増大化することなく、交流電動機を高応答に制御することが可能になる。本発明のその他の目的と特徴は、以下に述べる実施例により明らかになるであろう。
本発明の実施例1に関わるモータ駆動システムの構成を表すブロック図である。 パルス幅変調を行う際の駆動周波数に対するキャリア周波数の比を示す図である。 本発明の実施例1に関わる電圧指令とキャリア波の関係を示す図である。 本発明の実施例1と、従来方式におけるパルス切替時の線間電圧波形を示す比較図である。 本発明の実施例2に関わるPWM処理部の構成を表すブロック図である。 本発明の実施例2に関わる効果の比較を示す図である。 本発明の実施例3に関わるベクトル制御部ならびにPWM処理部の構成を表すブロック図である。 本発明の実施例3に関わる波形の動作を示す図である。 本発明の実施例4に関わるベクトル制御部の構成を表すブロック図である。 同期PWMの同期条件とキャリア周波数を示す図である。 本発明の実施例4に関わる特定高調波抑制器の構成を表すブロック図である。 本発明の実施例5に関わるPWM処理部の構成を表すブロック図である。 本発明の実施例5に関わるPWM波形を示す図である。 本発明の第6の実施の形態に関わる交流電動機駆動システムの構成図である。 本発明の第6の実施の形態に関わる交流電動機駆動システムの構成図である。 本発明の第6の実施の形態に関わる鉄道車両に用いた交流電動機駆動システムの構成図である。 従来例における交流電動機駆動システムの構成を表すブロック図である。 従来例におけるキャリア波とベクトル制御演算周期の関係を示す図である。
本発明の実施の形態の交流電動機の駆動システムでは、三相交流電動機と、該電動機を駆動するインバータ、ならびに、前記インバータをパルス幅変調によって駆動する制御器を備えた交流電動機の駆動システムにおいて、前記パルス幅変調によって生成されるパルス電圧のパルス数は、整数倍で切り替えるものとし、該切り替えの前後は、前記交流電動機の駆動電圧の任意の位相で切り替える。
本発明の実施の形態の交流電動機の駆動システムでは、三相交流電動機と、該電動機を駆動するインバータ、ならびに、前記インバータをパルス幅変調によって駆動する制御器を備えた交流電動機の駆動システムにおいて、前記制御器にて演算された前記電動機の周波数指令の瞬時の値に基づき、前記電動機への基本波位相の演算と、前記パルス幅変調を行うためのキャリア波の両者を演算し、該キャリア波の周波数は、前記電動機の周波数指令の整数倍となるように演算して、前記パルス幅変調を行う手段を備えることが好ましい。
本発明の実施の形態の交流電動機の駆動システムでは、三相交流電動機と、該電動機を駆動するインバータ、ならびに、前記インバータをパルス幅変調によって駆動する制御器を備えた交流電動機の駆動システムにおいて、前記制御器では、前記電動機への印加電圧、周波数の少なくとも一方を第一の演算処理周期内で演算処理を行うものとし、該演算結果に基づき、第二の演算処理周期にて前記電動機の位相演算、ならびに前記パルス幅変調を行うためのキャリア波の演算を行うものとし、該第二の演算処理周期は、第一の演算処理周期よりも短く設定することが好ましい。
本発明の実施の形態の交流電動機の駆動システムでは、三相交流電動機と、該電動機を駆動するインバータ、ならびに、前記インバータをパルス幅変調によって駆動する制御器を備えた交流電動機の駆動システムにおいて、前記制御器では、前記電動機への印加電圧、周波数の少なくとも一方を第一の演算処理周期内で演算処理を行うものとし、該演算結果に基づき、第二の演算処理周期にて前記電動機の位相演算、ならびに前記パルス幅変調を行うためのキャリア波の演算を行うものとし、該第二の演算処理において、前記電動機の位相演算結果と、前記キャリア波の演算結果を比較し、両者の位相が同期する手段を備えることが好ましい。
本発明の実施の形態の交流電動機の駆動システムでは、三相交流電動機と、該電動機を駆動するインバータ、ならびに、前記インバータをパルス幅変調によって駆動する制御器を備えた交流電動機の駆動システムにおいて、前記制御器では、前記電動機への印加電圧、周波数の少なくとも一方を第一の演算処理周期内で演算処理を行うものとし、該演算結果に基づき、第二の演算処理周期にて前記電動機の位相演算、ならびに前記パルス幅変調を行うためのキャリア波の演算を行うものとし、該第二の演算処理において、前記キャリア波の周期を整数分割したタイミングにて割り込み信号を生成する手段を備えるものとし、該割り込み信号に基づき、前記第一の演算処理を実行するタイミングとすることが好ましい。
本発明の実施の形態の交流電動機の駆動システムでは、更に、前記電動機に流れる電流を検出する手段を備え、該検出値に含まれる特定の高調波を抑制する電流制御処理を備えることが好ましい。
本発明の実施の形態の交流電動機の駆動システムでは、更に、前記検出値に含まれる特定の高調波成分として、前記電動機の駆動周波数に対して第3次の成分を対象とすることが好ましい。
本発明の実施の形態の交流電動機の駆動システムでは、三相交流電動機と、該電動機を駆動するインバータ、ならびに、前記インバータをパルス幅変調によって駆動する制御器を備えた交流電動機の駆動システムにおいて、前記制御器にて前記電動機への印加電圧と、および周波数の少なくとも一方の値に基づき、前記電動機への基本波位相を演算し、該演算結果からインバータの出力パルス数、ならびに振幅を演算して、前記パルス幅変調を行う手段を備えることが好ましい。
本発明の実施の形態の交流電動機の駆動システムでは、更に、前記制御器の機能を1チップ化したプロセッサに納め、それを駆動システムに用いることが好ましい。
本発明の実施の形態の電動機車両では、前記交流電動機の駆動システムを備えることが好ましい。
以下、本発明の実施例1について、図1〜4を用いて説明する。図1は、交流電動機5を駆動するモータ・ドライブシステムである。図1の構成要素は、交流電動機5のトルク指令Tmを発生する指令発生器1と、トルク指令Tmに一致したトルクを発生するための制御を行う制御器2と、交流電動機5を駆動するインバータ3、交流電動機5に流れる電流を検出する電流センサ4から成り立っている。
また、インバータ3は、インバータに電力を供給する直流電源31、6個のスイッチング素子Sup〜Swnで構成されるインバータ主回路部32、インバータ主回路部32を直接駆動するゲート・ドライバ33から構成されている。
指令発生器1は、交流電動機5へのトルク指令Tmを発生する、制御器2の上位に位置する制御器である。制御器2は、指令発生器1のトルク指令に基づき、交流電動機5の発生トルクを制御する。制御器2の内部は、ベクトル制御部21とPWM処理部22から構成されている。
さらに、ベクトル制御部21では、ベクトル制御器6にて交流電動機5の交流電流検出値である三相交流Iu、Iv、Iwを、トルク電流成分(q軸電流成分)と励磁電流成分(d軸電流成分)に分離して、それぞれの電流制御を行う。電流制御の結果、回転座標軸であるdq軸上の電圧指令VdならびにVqが演算され、それらを極座標変換器7にて、電圧振幅指令V1と電圧位相指令δに変換している。また、ベクトル制御器6にて、交流電動機5の駆動周波数ω1も演算され、PWM処理部22へと出力される。
PWM処理部22では、極座標変換されたV1、ならびにδ、駆動周波数ω1を入力し、PWMを実施する。駆動周波数ω1を積分器9にて積分し、制御位相θdを計算する。さらに加算器13にて、電圧指令位相δをθdに加算して、電圧位相θvとして、三相座標変換器8にて三相交流電圧指令Vu、Vv、Vwを得る。
また、同期テーブル11において、ω1の大きさに基づいて、駆動波周波数に対するキャリア周波数の比率であるN(=ω1/ωfc)を決定する。同期テーブル11は、例えば図2のようにω1に対するNの値がマッピングされている。尚、切り替え付近のばたつきを防止するため、通常はヒステリシスを設けている。同期テーブル11にて参照されたNは、乗算器12においてθdと乗算され、キャリア波の位相θfcを得る。この結果、θdとθfcとは、常にN倍の関係(θfc=N・θd)になる。
PWMパルス発生器10では、キャリア波の位相θfcより三角波を生成し、その大きさと、三相電圧指令Vu、Vv、Vwそれぞれとの大小比較を行い、パルス幅変調が実施される。PWMパルス発生器10は、キャリア波と三相交流指令の比較を行い、PWM波形を出力する。
制御器2の動作は、以下のようになる。ベクトル制御部21では、トルク指令Tmに一致したトルクを交流電動機5が発生するように、d軸、q軸の電流が制御される。この演算処理周期をTsとする。その結果、得られた電圧指令の振幅指令V1、位相指令δと、駆動周波数ω1に基づいて、PWM処理部22にてパルス幅変調が実施される。ここの演算処理周期はTnとする。ここで、Tnは、数n〜数100nsの処理周期とする。この処理周期は、従来方式のカウンタの刻み幅と同程度であり、本発明の最も特徴的なところである。PWM処理部22は、汎用マイコンで実現するには、この機能そのものをハードウェアとして内蔵する必要があるが、マイコンを用いなくてもFPGA(Field Programmable Gate Array)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)を用いれば実現可能である。
このPWM処理部22では、周波数指令ω1に基づいて、基本波の位相θdと、キャリア波の位相θfcの両方を同時に演算している。すなわち、ω1がどのようなタイミングで変化したとしても、駆動周波数とキャリア周波数の関係は、常にN倍に維持されることになる。この動作を、図3を用いて説明する。
図3(a)は、U相の電圧指令Vuとキャリア波、ならびに、ベクトル演算処理周期Tsの関係を示している。Tsは、キャリア周期を8分割した長さで電圧指令V1とδを更新する。それを受けて、PWM処理部22では、Tnの周期で処理を行う。その結果、同図内に示したように、Tnの刻みで電圧指令Vu、ならびにキャリア波が更新されることになる。この時、例えば、同期PWMの条件が変化し、Nの値が変わったとすると、図3(b)のようなキャリアの変化が発生する。キャリア波は、駆動周波数の変化によって即座に更新されるため、遅延なく変更が反映されることになる。これによって、制御系の応答性が向上し、より安定な駆動システムが実現できる。
図4に、従来方式(同図(a))と本発明による方式(同図(b))の線間電圧波形を示す。従来、同期条件の切り替え行うには、基本波とキャリア波の位相条件が一致した条件で行う必要があったため、波形の対称性を考慮した切り替えとなっていたが、本発明方式では、波形がどのような位相条件であっても問題なく切り替えることが可能になる。よって、より高応答な交流電動機5の駆動システムを実現できる。
次に、本発明の実施例2について、図5、ならびに図6を用いて説明する。実施例1では、基本波の周波数とキャリア波の周波数とが瞬時にN倍になる交流電動機5の駆動システムについて説明した。これに対して、実施例2は、基本波の位相と、キャリア波の位相までを一致させることを目的にしている。
図5は、本発明の実施例2のPWM処理部22Bのブロック構成図である。図において、部品番号8、10、11は、実施例1における図1の同じ番号のものと同一のものであり、本PWM処理部22Bを、図1のPWM処理部22の代わりに用いることで、第2の実施例が実現できる。
図5において、積分器9aはω1を積分して制御位相θdを演算し、それに電圧位相指令δを加算して電圧位相θvとしている。このθvに同期テーブル11より出力されたNを乗算器12aにて乗算し、キャリア波位相の指令θfcとしている。キャリア波の生成は、ω1を乗算器12bにてN倍にしてキャリア周波数ωfcとし、そのωfcを積分器9bにて積分することで、キャリア位相θfcとしている。
さらに、キャリア位相θfcと、キャリア位相指令θfcの差を、減算器13bにて演算して偏差を求め、この偏差に対して比例ゲイン14にて比例制御が行われている。比例ゲイン14の出力はキャリア周波数の補正量として、加算器13cを用いて積分器9bの入力に加算されている。比例ゲイン14は、θfcとθfcの偏差がある限り、キャリア周波数ωfcに補償を加え続け、両者が一致したところで補償量が零になる。
次に、本実施例の動作について説明する。図1の第1の実施例では、一つの積分器9によって、キャリア波と基本波の位相演算を行っていた。しかし、基本波の位相は、電圧位相指令であるδの変化によって位相が変化することになる。図6(a)、(b)に示すように、δの影響によってパルス波形の対象性が崩れてしまうことになる(線間電圧波形であるVuvが変化している)。
図6(b)の波形でも、交流電動機5を駆動することは可能であるが、特定の高調波の含有率が大きくなってしまう可能性もあり、あまり望ましくない。波形を対象にするには、電圧位相θvに対して、キャリア波の同期を取る必要がある。これを実現するのが、本第2の実施例である。
実施例2では、図5に示すように、基本波とキャリア波にそれぞれの積分器9a、9bを備え、それぞれが位相演算を実施する。両者の比率はN倍であることは変わりなく、同期PWMの条件は満たされている。ただし、波形の位相関係まで対称にするために、θvに基づくキャリア波の位相指令θfcを演算し、その値との差分が零になるようにフィードバック制御をかけている。フィードバックは、比例ゲイン14によって実施されている。比例ゲイン14の出力であるΔωfcは、θfcとθfcが一致した瞬間に零になる。
この結果、図6(c)に示すように、キャリア波は電圧位相θvに常に一致するように制御されることになる。よって、本発明の実施例2によれば、電圧指令の瞬時変化に対して、即座に同期条件の変更が可能であると同時に、定常動作としては、最も高調波の少ない対称波形による同期PWMが実現できるようになる。
次に、本発明の実施例3について、図7、ならびに図8を用いて説明する。実施例1、実施例2では、基本波の周波数とキャリア波の周波数とが瞬時にN倍になる交流電動機5の駆動システムについて説明した。その際、ベクトル制御部21の演算処理周期と、PWM処理部22の演算処理周期に関して、特に同期を取ることは考慮していなかったが、実現の際には同期を取った方が、制御性が向上する。その実現方法について実施例3にて述べる。
図7は、本発明の実施例3のベクトル制御部21C、ならびにPWM処理部22Cのブロック構成図である。図において、部品番号8、9a、9b、10、11、12a〜c、13a〜c、14は、実施例1ならびに実施例2における図1、図5の同じ番号のものと同一のものである。本ベクトル制御部21C、ならびにPWM処理部22Cを、図1のベクトル制御部21、PWM処理部22の代わりに用いることで、実施例3が実現できる。
図7において、新たに加わった部品は、トリガー発生器15である。トリガー発生器15は、キャリア波のθfcに対して、その一周期分を整数分割したタイミングにおいて、トリガーとなる信号を発生させる。具体的には、θfcに対して比較器で大小比較を行うことで、トリガー信号を作成することができる。図8に、キャリア波とトリガー信号との関係を示す。
図8(a)は、キャリア波と電圧指令Vuを示しており、キャリア波を8分割したタイミングにて、トリガー信号Tgを発生している。このトリガー信号Tgを、ベクトル演算部21Cに割り込み信号として入力し、この信号によってベクトル演算処理を起動させる。このようにすることで、ベクトル演算処理は、キャリア波の周期に対して整数分の1の周期で演算処理されることになる。
仮に、キャリア波とベクトル演算処理の同期が取れてないと、キャリア波とベクトル演算処理周期の非同期なずれによって、ビート現象が発生する可能性が出てくる。交流電動機には、キャリア周波数の整数倍の高調波が含まれるため、その周期性を考慮した電流サンプリングが不可欠である。それを無視してしまうと、ビート現象やエイリアスの問題が生じる恐れがある。よって、本発明のように、キャリア波を基準にして、ベクトル制御部21Cの処理タイミングを生成することは極めて有効である。
また、ベクトル制御部21Cでは、電動機の相電流Iu、Iv、Iwをdq座標変換して制御を行う必要がある。そのためには、PWM処理部22Cにおける位相θdを用いる必要があり、本実施例では、θdの値をベクトル制御部21Cに戻す構成としている。
以上、本発明によれば、電圧指令の瞬時変化に対して、即座に同期条件の変更が可能であると同時に、定常動作としては、最も高調波の少ない対称波形による同期PWMが実現でき、さらには、サンプリングに伴うビート現象を回避できる交流電動機5の駆動システムが実現できる。
次に、本発明の実施例4について、図9〜11を用いて説明する。実施例4は、ベクトル制御部に特徴があり、さらにインバータ3が発生する高調波成分を低減できるものである。
図9は、本発明の実施例4のベクトル制御部21Dのブロック構成図である。図9において、ベクトル制御部21Dは、電流指令発生器24、電流制御器25、dq座標変換器26a、特定高調波抑制器27a、27b、座標変換器26b、加算器13f、13g、ω1演算器28から構成されている。
電流指令発生器24は、トルク指令Tmを受けて、交流電動機5(ここでは誘導電動機を例にする)の励磁電流指令Idとトルク電流指令Iqを計算し、減算器13d、13eは、IdならびにIqと、実際の電動機のd軸電流Idとq軸電流Iqとの偏差を演算し、電流制御器25は、これらの偏差をなくすように制御演算を行い、dq軸上の電圧指令Vd1、ならびにVq1を演算する。
dq座標変換器26aは、電動機の相電流検出値Iu、Iv、Iwを制御位相θdにて座標変換し、dq軸上の値であるId、Iqに変換する。また、特定高調波抑制器27a、27bは、相電流に含まれる特定の次数の高調波成分のみに感度を持ち、それを削減し、座標変換器26bは、これらの特定高調波削減器の出力Vu3、Vw3をdq軸上のVd3、Vq3にdq座標変換し、加算器13f、13gは、Vd3、Vq3とVd1、Vq1をそれぞれ加算し、dq軸上の電圧指令Vd、ならびにVqを計算し、ω1演算器28は、電動機の駆動周波数ωrと、電流指令Id、Iqから電動機(誘導電動機)のすべり演算を行い、電動機の駆動周波数ω1を演算する。
本ベクトル制御部21Dは、特定高調波抑制器27a、27b、ならびにその出力に備えたdq座標変換器26bを除けば、一般的な誘導電動機のベクトル制御器6の構成である。トルク指令Tmに対して、通常はIqを比例させるように作成する。IdはTmによらずに一定に与え、励磁磁束を一定に維持する。これによって、トルクはIqに比例することになる。
場合によっては、励磁電流を制御することもあるが、本発明内容には直接には関係ないので説明は省略する。電流制御器25では、dq各電流成分が各々の指令に一致するように制御される。また、誘導電動機の場合には、トルクに応じてすべり周波数を適切に設定する必要があるため、ω1演算器28において、回転数ωrにすべり周波数分を加算して駆動周波数ω1の演算を行っている。
次に、本発明の特徴部分の特定高調波抑制器27a、27bの動作について、図10、11を用いて説明する。鉄道車両用インバータのように、大容量の電力変換器ではキャリア周波数を高く設定できないため、前述のように同期PWMが採用されている。同期PWMは、例えば、図2に示したような同期テーブル11を用いて、駆動周波数ω1に応じて切り替える。図2のようなマップを縦軸をキャリア周波数に置き換えて書き直すと、図10(a)のようになる。
キャリア周波数と、駆動周波数の比率Nは、「3の倍数で、かつ、奇数」という制約条件から、「N=3、9、15・・・」などが設定値となる。N>15の場合、ほぼ、非同期PWMで問題ないと言われているが、Nが15以下になると、同期PWMとしないと、ビート現象が発生する。同期条件の「3の倍数で、かつ、奇数」というのは、
(1)三相波形を対称にするためには3の倍数とする必要がある、
(2)偶数倍とした場合、各相の対称性が崩れ、2次や4次などの偶数高調波が発生してしまう、という理由による。
(2)の偶数高調波の問題は、特に2次高調波はトルク脈動に大きく影響を及ぼすためできるだけ避けたい。また、(1)の3の倍数であることを無視すると、三相の波形が非対称となり、第3次高調波が各相毎に発生し、これも問題になる。よって、図2、あるいは、図10(a)に示したような切り替えパターンにならざるを得ない。しかし、N=15の次にN=9であり、この切り替え直後の高調波は1.7倍にも増加する。また、N=9からN=3への切り替え時には高調波含有率は3倍にも増加する。よって、この切り替え近傍にて、高調波損失によるモータの発熱や、電磁騒音の増大化、誘導障害などの問題が発生する可能性が高い。
そこで、上記の条件(1)を無視し、「奇数倍」の条件で同期テーブル11を作成すると、図10(b)のようになる。この場合、Nの切り替え付近で高調波は大きく低減されるが、しかし、第3次の高調波が発生することになる。
そこで、本発明による実施例では、同期テーブル11は図10(b)の「奇数倍」としておき、代わりに、3次高調波を特定高調波抑制器27a、27bを用いて削減する。図11にそのブロック構成図を示す。
図11において、零指令発生器271にて、高調波を零に制御するための指令値を発生し、この指令値と相電流(ここではU相電流Iu)の差分を減算器276aにて演算する。また、図における積分器272a、272b、正弦波ゲイン273、3倍ゲイン274、乗算器275a、275b、減算器276bは、駆動周波数ω1の第3次高調波を零にするためのブロック構成要素である。
図11において矢印にて示した「u」と出力「y」の間の伝達関数を計算すると、
G = y/u =(K・s)/( s + ω ) ・・・(数1)
となる。
この伝達関数は、s=jω0においてゲインが無限大となる伝達関数であることがわかる。よって、ω0の成分に対して感度を持った制御器として動作する。ここでは、ω0をω1の3倍に設定しており、また、その成分が零になるように零指令発生器271にて指令を与えている。
すなわち、図9に示すように、特定高調波抑制器27a、27bを設けることによって、相電流の3次成分を削減することが可能になる。本制御は、ベクトル制御部21の演算周期を、キャリア周期に対して短く設定することが可能であるため、このようなことが実現できるものである。例えば、従来例に示した「Ts=Tfc」の条件では、このようなことを行っても、第3次高調波の位相遅れが大きくなってしまい、抑制効果は期待できない。本発明による特徴的な制御方式である。
よって、図9に示したベクトル制御部21Dを用いることで、N=5、7、11、13など、3の倍数以外の同期条件に設定したとしても、3次高調波を抑制することが可能になる。同期条件を細かく設定できるため、高調波成分全体の大きさも大幅に低減できる。
次に、本発明の実施例5について、図12、図13を用いて説明する。実施例5は、PWM処理部22に特徴があり、さらにインバータ3が発生する高調波成分を低減できるものである。
図12は、本発明による実施例5のPWM処理部22Eのブロック構成図である。図において、周波数指令ω1を積分器9にて積分して制御位相θdを求め、さらに電圧位相指令δを加算してθvを演算する。このθvに基づいて、パルスマップ16a〜16dにてθvに対するパルスを演算する。本実施例では、電圧位相θvと、出力パルスの関係をパルスマップ16a〜16dに予めマップ化、あるいは関数化しておき、それを複数個用意しておく。どのパルスマップ16a〜16dを使用するかは、パルスマップ選択器11Eにて判別し、スイッチ17を切り替えるようにしている。また、ω1の大きさが所定値以下であれば、通常の非同期PWM発生器16eを選ぶようになっている。
この実施例で電動機を駆動した場合、図13に示すように、パルス数を駆動周波数に従って順次切り替えていくことが可能になる。これまでの実施例では、三角波比較によるPWMをベースに述べてきたが、本発明によれば、このようなPWM方式も実現可能である。PWM制御を行う場合、一般的には、パルス数が少なくなるとひずみ率が劣化するため、三角波比較によるPWMよりも、予め、どの高調波をどの程度抑制するかを計算により求めておき、マップ化した方がよい場合がある。特に、高調波による誘導障害が問題となるシステムでは、高調波の発生する周波数をコントロールする必要があり、その場合にはマップを用いる方が実用的である。
よって、本発明による実施例5によれば、制御応答を確保したまま、高調波成分の抑制が可能な交流電動機の駆動システムが提供できる。
次に、本発明の実施例6について説明する。本発明による交流電動機5の駆動システムの具体的な構成例を、図14〜16に示す。図14、図15は、それぞれ実施例6の部品を実際のシステムにて描いたものである。
図14において、ベクトル制御部21には、16〜32bitクラスのマイコンが用いられ、それとPWM処理部22とをデータバス(あるいは汎用ポート)を用いて、データのやり取りを行っている。PWM処理部22は、CPLDやFPGAを用いるものとし、量産製品ではASICとしてもよい。また、将来的には、PWM処理部22の機能を、マイコンの中にハードウェアとして組み込むことも可能であり、その例を図15に示す。あるいは、ベクトル制御部21をFPGAやASICに組み込んでも何ら問題はない。
図16は、これまでの実施例である交流電動機5の駆動システムを鉄道車両に適用したものである。鉄道車両では、電動機の容量が100kW以上と大きく、キャリア周波数を高く設定できない。その上で、高応答な電動機制御を行うには、従来の同期PWM方式では限界がある。本発明を適用することで、高調波成分を増加させることなく、かつ、変換器の損失も増加させずに、交流電動機の高応答が実現できるようになる。
以上、本発明による実施形態について説明した。説明上、交流電動機としては誘導機を例に説明した実施例があったが、交流電動機であれば、他の電動機であっても同様に適用することが可能である。例えば、永久磁石同期電動機、巻線型同期電動機、リラクタンストルクによる同期機も同様である。また、発電機の制御に対しても同様に適用可能である。
また、実施例では全速度領域を、同期PWMを行うような記載をしたが、低速域ではビート現象などの問題はないため、キャリア周波数を固定にする非同期PWMを採用しても何ら問題はない。
以上、本発明による実施の形態について説明した。説明上、交流電動機としては誘導機を例に説明した実施例があったが、交流電動機であれば、他の電動機であっても同様に適用することが可能である。例えば、永久磁石同期電動機、巻線型同期電動機、リラクタンストルクによる同期機も同様である。また、発電機の制御に対しても同様に適用可能である。
また、実施例では全速度領域を同期PWMを行うような記載をしたが、低速域ではビート現象などの問題はないため、キャリア周波数を固定にする非同期PWMを採用しても何ら問題はない。
既述の通り、本発明は大容量の交流電動機の駆動システムの技術である。このシステムの主な適用範囲は、鉄道車両駆動用、一般産業用、風力発電機、ディーゼル発電機等であり、高効率と高応答を両立させることが可能なシステムとして有効である。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分りやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手順等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記憶装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、必ずしも製品に備えられる全ての制御線や情報戦を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
1 指令発生器
2 制御器
3 インバータ
4 電流センサ
5 交流電動機
6 ベクトル制御器
7 極座標変換器
8 三相座標変換器
9 積分器
10 PWMパルス発生器
11 同期テーブル、パルスマップ選択器
12 乗算器
13 加算器、減算器
14 比例ゲイン
15 トリガー発生器
16 パルスマップ、非同期PWM発生器
17 スイッチ
21 ベクトル制御部
22 PWM処理部
24 電流指令発生器
25 電流制御器
26 座標変換器
27 特定高調波抑制器
28 ω1演算器
31 直流電源
32 インバータ主回路部
33 ゲート・ドライバ
210 キャリア周波数設定器
211 タイマー部
271 零指令発生器
272 積分器
273 正弦波ゲイン
274 3倍ゲイン
275 乗算器
276 減算器

Claims (11)

  1. 三相交流電動機と、該電動機を駆動するインバータ、ならびに、前記インバータをパルス幅変調によって駆動する制御器を備えた交流電動機の駆動システムにおいて、
    電圧指令とキャリアに基づいてパルス幅変調制御を行う前記制御器は、前記キャリアの周波数を前記三相交流電動機の駆動周波数の整数倍とし、電圧指令更新の制御周期毎に前記キャリアの周波数を更新することを特徴とした交流電動機の駆動システム。
  2. 請求項1に記載の交流電動機の駆動システムにおいて、
    前記制御器は、前記三相交流電動機の周波数指令の瞬時の値に基づき、前記三相交流電動機への基本波位相およびパルス幅変調を行うためのキャリア波の両者を演算して前記パルス幅変調制御を行うパルス幅変調処理部を備えることを特徴とした交流電動機の駆動システム。
  3. 請求項2に記載の交流電動機の駆動システムにおいて、
    前記パルス幅変調処理部は、前記キャリア波の周波数を前記三相交流電動機の周波数指令の整数倍となるように演算することを特徴とした交流電動機の駆動システム。
  4. 請求項1に記載の交流電動機の駆動システムにおいて、
    前記制御器は、前記三相交流電動機への印加電圧、周波数の少なくとも一方を第一の演算処理周期内で演算処理を行、該演算処理の結果に基づき、第二の演算処理周期にて前記三相交流電動機の位相演算ならびに前記パルス幅変調を行うためのキャリア波の演算を行前記第二の演算処理周期は前記第一の演算処理周期よりも短ことを特徴とした交流電動機の駆動システム。
  5. 請求項1に記載の交流電動機の駆動システムにおいて、
    前記制御器は、前記三相交流電動機への印加電圧、周波数の少なくとも一方を第一の演算処理周期内で演算処理を行、該演算処理の結果に基づき、第二の演算処理周期にて前記三相交流電動機の位相演算ならびに前記パルス幅変調を行うためのキャリア波の演算を行前記第二の演算処理において、前記三相交流電動機の位相演算結果と前記キャリア波の演算結果を比較し、両者の位相同期させる手段を備えることを特徴とした交流電動機の駆動システム。
  6. 請求項1に記載の交流電動機の駆動システムにおいて、
    前記制御器は、前記三相交流電動機への印加電圧、周波数の少なくとも一方を第一の演算処理周期内で演算処理を行、該演算処理の結果に基づき、第二の演算処理周期にて前記三相交流電動機の位相演算ならびに前記パルス幅変調を行うためのキャリア波の演算を行前記第二の演算処理において、前記キャリア波の周期を整数分割したタイミングにて割り込み信号を生成する手段を備え、該割り込み信号に基づき前記第一の演算処理を実行することを特徴とした交流電動機の駆動システム。
  7. 請求項2乃至請求項6のいずれか1項に記載の交流電動機の駆動システムにおいて、
    前記三相交流電動機に流れる電流を検出する手段を備え、該検出した電流値に含まれる特定の高調波を抑制する電流制御処理を備えることを特徴とした交流電動機の駆動システム。
  8. 請求項7に記載の交流電動機の駆動システムにおいて、
    前記検出した電流値に含まれる特定の高調波、前記三相交流電動機の駆動周波数に対して第3次の成分であることを特徴とした交流電動機の駆動システム。
  9. 請求項1に記載の交流電動機の駆動システムにおいて、
    前記制御器は、前記三相交流電動機への印加電圧および周波数の少なくとも一方の値に基づき、前記三相交流電動機への基本波位相を演算し、該演算結果から前記インバータの出力パルス数ならびに振幅を演算して前記パルス幅変調制御を行うパルス幅変調処理部を備えることを特徴とした交流電動機の駆動システム。
  10. 請求項2乃至請求項6のいずれか1項に記載の交流電動機の駆動システムにおいて、
    前記制御器の機能を1チップ化したプロセッサに納めことを特徴とした交流電動機の駆動システム。
  11. 請求項2乃至請求項6のいずれか1項に記載の交流電動機の駆動システムを搭載した電動機車両。
JP2012165538A 2012-07-26 2012-07-26 交流電動機の駆動システム及び電動機車両 Expired - Fee Related JP5965766B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012165538A JP5965766B2 (ja) 2012-07-26 2012-07-26 交流電動機の駆動システム及び電動機車両
EP20130173854 EP2690775A2 (en) 2012-07-26 2013-06-26 Drive system for alternating current motors and electric motorized vehicles

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012165538A JP5965766B2 (ja) 2012-07-26 2012-07-26 交流電動機の駆動システム及び電動機車両

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014027764A JP2014027764A (ja) 2014-02-06
JP5965766B2 true JP5965766B2 (ja) 2016-08-10

Family

ID=48703192

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012165538A Expired - Fee Related JP5965766B2 (ja) 2012-07-26 2012-07-26 交流電動機の駆動システム及び電動機車両

Country Status (2)

Country Link
EP (1) EP2690775A2 (ja)
JP (1) JP5965766B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6815762B2 (ja) * 2016-06-17 2021-01-20 東海旅客鉄道株式会社 電力変換システム
JP6753326B2 (ja) * 2017-02-03 2020-09-09 株式会社豊田自動織機 モータ制御装置
JP6714163B2 (ja) * 2017-07-19 2020-06-24 三菱電機株式会社 モータ駆動装置並びにモータ駆動装置を用いたヒートポンプ装置及び冷凍空調装置
DE112017008293T5 (de) 2017-12-22 2020-10-08 Mitsubishi Electric Corporation Steuerungseinrichtung und steuerungsverfahren für elektrischerotationsmaschine
JP7260275B2 (ja) * 2018-10-03 2023-04-18 日立Astemo株式会社 モータ制御装置および電動車両システム
JP7255292B2 (ja) * 2019-03-29 2023-04-11 株式会社富士通ゼネラル モータ制御装置
DE102020106758A1 (de) 2020-03-12 2021-10-14 Dr. Ing. H.C. F. Porsche Aktiengesellschaft Elektromaschine

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0720396B2 (ja) * 1989-05-24 1995-03-06 三菱電機株式会社 インバータ変調方法
JP3755089B2 (ja) 1993-12-17 2006-03-15 株式会社日立製作所 電気車の制御装置
JP3259571B2 (ja) 1995-03-14 2002-02-25 株式会社日立製作所 Pwm制御装置とそれを用いたシステム
JPH10201246A (ja) * 1997-01-13 1998-07-31 Mitsubishi Electric Corp Pwmインバータ装置
JP3336588B2 (ja) * 1997-05-28 2002-10-21 株式会社日立製作所 Pwmパルス発生装置
JP2000092851A (ja) * 1998-09-14 2000-03-31 Toyota Motor Corp Pwm方式回転機制御装置
JP5391541B2 (ja) * 2006-11-22 2014-01-15 日産自動車株式会社 電力変換装置及び方法並びに多相交流モータシステム
JP2010213485A (ja) * 2009-03-11 2010-09-24 Toyota Motor Corp 回転電機制御システム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014027764A (ja) 2014-02-06
EP2690775A2 (en) 2014-01-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5965766B2 (ja) 交流電動機の駆動システム及び電動機車両
JP5471255B2 (ja) 電動機駆動装置の制御装置
JP5888567B2 (ja) 交流電動機の制御装置
JP6555186B2 (ja) 交流電動機の制御装置
JP5549384B2 (ja) 電動機の制御装置および電動機制御システム
JP5968010B2 (ja) 電力変換器制御装置
JP5599538B1 (ja) 電力変換装置
CN105827176B (zh) 抑制双y移30度六相电机共模电压的空间矢量调制方法
JPWO2011135694A1 (ja) 電力変換装置
JP5075892B2 (ja) インバータ装置及び、それを用いた空調機,洗濯機,冷蔵庫
JP2017077061A (ja) 制御器および交流電動機駆動装置
JP2014121145A (ja) アクティブフィルタ制御装置
JP6300254B2 (ja) 電力変換装置用の制御装置、電力変換装置、およびそれらを用いた電動機駆動システム、圧縮機駆動システム、ガスタービン発電システム
JP2016189648A (ja) インバータの制御装置
JP6078282B2 (ja) 交流電動機駆動システム及び電動機車両
JP5845115B2 (ja) モータ制御装置
JP5752214B2 (ja) 同期機制御装置
WO2011135695A1 (ja) 電力変換装置
CN111969910A (zh) 控制电机的方法及装置、电子设备、计算机可读介质
JP2011200103A (ja) 電力変換装置
JP2019115194A (ja) 電力変換器制御装置
JP6351652B2 (ja) 電力変換器制御装置
JP5354036B2 (ja) 車両および車両の制御方法
JP5470296B2 (ja) 電力変換装置
JP2011217575A (ja) 電力変換装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150106

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20151030

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20151104

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151225

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160607

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160704

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5965766

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees