JP5851662B1 - 交流回転機の制御装置 - Google Patents

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Abstract

インダクタンスの突極性を利用して位置センサレス制御を行う交流回転機の制御装置において、磁気飽和などの要因により突極性が消失し、脱調に陥ることがない制御装置を得る。電流ベクトル検出手段(2)で検出された検出電流ベクトルから回転子の磁極位置を推定する磁極位置推定手段(6)からの推定磁極位置が入力され、検出電流ベクトルが電流指令ベクトルと一致するように電圧指令ベクトルを出力する制御手段(3)と、交流回転機(1)の突極比の値があらかじめ定められた値を下回らないように電流指令ベクトルを制御するリミッタ手段(5)の電流リミット値を決定する電流リミット値決定手段(8)を備えている。

Description

この発明は、誘導機や同期機などの交流回転機を制御する制御装置に関するものである。
同期機や誘導機などの交流回転機を制御する装置としては、適応観測器などを利用して誘起電圧に基づくセンサレス制御法を用いた制御装置が知られている。この誘起電圧に基づくセンサレス制御法は位置センサや速度センサを省略することができる特長を有するが、低速回転域では誘起電圧が小さくなるために誘起電圧の検出もしくは推定が難しくなり、低速回転域では駆動特性が低下するという問題がある。
一方、低速域では、交流回転機の基本周波数とは異なる周波数の電圧や電流を重畳してインダクタンスの突極性を利用した位置検出結果に基づいて制御をすれば、位置センサレスでも低速域の駆動が可能になる。しかし、近年の交流回転機は小型高出力化を図るために、固定子や回転子で磁気飽和が生じる領域で設計されるのが一般的なので、交流回転機に大電流が流れる高負荷運転時には磁気飽和の影響によりd軸インダクタンスおよびq軸インダクタンスが変動し、突極比が減少することが多い。インダクタンスの突極性が減少すると、インダクタンスの突極性を利用した位置検出が困難となるため、位置センサレスでの低速駆動が困難となる。
そこで、インダクタンスの突極比が減少するのを防ぐよう、電流指令を補正する手段が提案されている。
特許文献1に記載の制御装置は、位置センサレスベクトル制御系のd軸電流指令に対し、q軸電流指令に応じた補正量を加えている。特許文献2に記載の制御装置では、電流指令をトルク最大化曲線上から定まる電流ベクトルからd軸の負の方向にずらしている。
これらの制御装置により、位置センサを使用せずとも交流回転機を低速域で大トルク駆動することが可能になるとされている。
特開2013−126352号公報 特開2008−125260号公報
現行の産業プラント内にはさまざまな種類、さまざまな容量の交流回転機が混在して使用されている。そのため、産業プラントで用いられる交流回転機の制御装置には、さまざまな種類の交流回転機を駆動できる汎用性が求められている。そのため、交流回転機を駆動するために煩雑な事前調整が必要となる制御装置は好まれない傾向にある。
しかし、特許文献1には、d軸電流指令には補正量を実験的に決定するという旨の記述がある。また、同様に特許文献2においても、電流指令を設定するために事前に何らかの実験を行う必要があると類推される。もし、交流回転機のインダクタンスが想定値から変動した場合、特許文献1、2に記載の技術は有効に作用しない恐れがある。
磁気飽和以外にインダクタンスが想定値から変動する要因として、例えば、配線インダクタンスや製造ばらつきなどが考えられる。
第一に配線インダクタンスであるが、産業用の交流回転機などでは交流回転機と制御装置の間の配線長が100mに及ぶこともあり、交流回転機の設置環境によっては配線インダクタンスを無視できない場合がある。配線インダクタンスが大きい場合、制御装置側から見た交流回転機の突極比は配線インダクタンスが小さい場合に比べ減少する傾向にある。
第二に製造ばらつきであるが、例えば、固定子の真円度が低い場合や、回転子の偏芯が大きい場合、回転子のブリッジ部の厚さにばらつきがある場合などには、インダクタンスの磁極位置による変動が大きくなる。もともと、インダクタンスは磁極位置によって多少変動するものではあるが、製造誤差が原因でインダクタンスの変動が大きくなると、特定の磁極位置で局所的に突極比が減少する場合がある。
このように、交流回転機の使用環境、製造誤差による個体差などの要因で、交流回転機の突極比は想定値よりも容易に減少しうる。そのため、特許文献1、2に記載の制御装置では、1台1台個別にインダクタンスを測定すべきであるが、測定に掛かる労力と時間とコストを考えると、インダクタンス測定を個別に行うことは非常に難しいと言える。
さまざまな種類の交流回転機を駆動できる高い汎用性を持った制御装置を実現する上で、さらに問題になることは、交流回転機の中には高周波電流から磁極位置推定をするのには適さない磁気設計をされているものも存在しているということである。交流回転機の中には熱的に許容されている短時間最大電流の半分以下の電流で突極比が大幅に減少するものさえある。このような場合、特許文献1、2に記載の制御装置では、電流指令ベクトルを如何に調整したとしても、突極比の減少を防げるという保証はない。
このようなことから、特許文献1および特許文献2に記載の制御装置を実施すること自体が非常に難しい場合がある。仮に実施できたとしても突極比の減少を確実に防げるという保証はなく、無理に大電流を印加したことにより突極性が消失して、最悪、脱調に至る可能性がある。
この発明はこのような事情を鑑みて、事前の調整作業・測定作業を極力せずに突極性消失による脱調をより確実に防ぐことを目的としてなされたものである。
この発明に係る交流回転機の制御装置は、交流回転機の電流を検出し、検出電流ベクトルとして出力する電流ベクトル検出手段と、交流回転機のインダクタンスの突極性に基づいて検出電流ベクトルから交流回転機の回転子の磁極位置を推定する磁極位置推定手段と、磁極位置推定手段によって得られた推定磁極位置が入力され、検出電流ベクトルが電流指令ベクトルと一致するように電圧指令ベクトルを出力する制御手段と、電圧指令ベクトルに基づいて交流回転機に電圧を印加する電圧印加手段と、検出電流ベクトルを入力として交流回転機の突極比の値があらかじめ定められた値を下回らないように電流リミット値を決定する電流リミット値決定手段と、電流リミット値に基づいて電流指令ベクトルを制限するリミッタ手段を備えたものである。
この発明は、突極比の値があらかじめ定められた値を下回らないように電流リミット値を適切に決定し、電流指令ベクトルの増大を制限することにより、突極性消失による脱調を確実に防止できる。
この発明の実施の形態1に係る交流回転機の制御装置を駆動する駆動システムのハードウエア構成を示す図である。 この発明の実施の形態1に係る交流回転機の制御装置の構成を示す構成図である。 この発明の実施の形態1に係る交流回転機の制御装置における制御手段の構成を示す図である。 この発明の実施の形態1に係る交流回転機の制御装置における電圧印加手段の構成を示す図である。 この発明の実施の形態1に係る交流回転機の制御装置の動作を説明するための説明図である。 この発明の実施の形態1に係る交流回転機の制御装置の動作を説明するための説明図である。 この発明の実施の形態1に係る交流回転機の制御装置における突極比演算手段の構成を示す図である。 この発明の実施の形態1に係る交流回転機の制御装置における突極比制御手段の構成を示す図である。 この発明の実施の形態2に係る交流回転機の制御装置の構成を示す構成図である。 この発明の実施の形態2に係る交流回転機の制御装置における突極比制御手段の構成を示す図である。 この発明の実施の形態3に係る交流回転機の制御装置の構成を示す構成図である。 この発明の実施の形態4に係る交流回転機の制御装置の構成を示す構成図である。 この発明の実施の形態4に係る交流回転機の制御装置の動作を説明するための説明図である。 この発明の実施の形態5に係る交流回転機の制御装置の構成を示す構成図である。 この発明の実施の形態6に係る交流回転機の制御装置の構成を示す構成図である。 この発明の実施の形態6に係る交流回転機の制御装置における電流リミッタ値緩和手段の構成を示す図である。
実施の形態1.
図1は、本実施の形態1に係る交流回転機の制御装置を駆動する駆動システムのハードウエア構成を示す図である。
図1において、この駆動システムは、交流回転機1、交流回転機の制御装置100および上位コントローラ11を備える。
交流回転機の制御装置100は、ハードウエアとして、電流ベクトル検出手段2、電圧印加手段4、プロセッサ10およびメモリ12を備える。
メモリ12は、図示していないが、ランダムアクセスメモリ等の揮発性記憶装置と、フラッシュメモリ等の不揮発性の補助記憶装置とを具備する。また、メモリ12は、図示していないが、ランダムアクセスメモリ等の揮発性記憶装置と、不揮発性の補助記憶装置の代わりにハードディスク等の補助記憶装置とを具備してもよい。
プロセッサ10は、メモリ12から入力されたプログラムを実行する。メモリ12が補助記憶装置と揮発性記憶装置とを具備するため、プロセッサ10に、補助記憶装置から揮発性記憶装置を介してプログラムが入力される。また、プロセッサ10は、演算結果等のデータをメモリ12の揮発性記憶装置に出力しても良いし、揮発性記憶装置を介して補助記憶装置に前記データを保存しても良い。
電流ベクトル検出手段2では、電流センサ2a〜2cでモータに流れる電流を検出し、それを座標変換器201でデジタル値の3相電流に変換した後、前記3相電流をd−q軸のd軸方向に座標変換したd軸電流idとd−q軸のq軸方向に座標変換したq軸電流iqとに変換し検出電流ベクトルとしてプロセッサ10に出力する。
電圧印加手段4はプロセッサ10が決定した電圧指令を交流回転機1に印加する。この実施例では電圧印加手段4は三相インバータ回路で構成されている。直流電圧源4aの直流電圧を任意の交流電圧に変換するために、半導体スイッチ4b〜4gを高周波スイッチングする。電圧指令をPWM信号生成回路4iに入力し、半導体スイッチを動かすためのPWM信号を生成する。PWM信号を作るための方法としては、高周波の三角波キャリア信号と電圧指令を比較する方法が一般的であるが、もちろん他の方法を用いてPWM信号を作っても良い。生成されたPWMをゲートドライバ回路4hに入力し、半導体スイッチ4b〜4gを適切に切り替えることによって、所定の電圧を出力する。
図1においてハードウエアの構成要素間におけるデータ等の入出力については、後述する。
図2は、この発明の実施の形態1に係る交流回転機の制御装置の構成を示すものである。
図2において、交流回転機1は本実施の形態では三相巻線を有する突極型の永久磁石同期機を例に挙げて説明するが、他種類の回転機であっても同様の原理で構成することが可能である。
交流回転機の制御装置100は、電流ベクトル検出手段2、制御手段3、電圧印加手段4、リミッタ手段5、磁極位置推定手段6および電流リミット値決定手段8を備える。
図2の制御手段3、リミッタ手段5、磁極位置推定手段6および電流リミット値決定手段8は、図1に示すメモリ12に記憶されたプログラムを実行するプロセッサ10、または図示していないシステムLSI等の処理回路により実現される。また、複数のプロセッサ10および複数のメモリ12が連携して上記機能を実行しても良いし、複数の処理回路が連携して上記機能を実行してもよい。また、複数のプロセッサ10および複数のメモリ12と、複数の処理回路との組み合わせにより連携して上記機能を実行しても良い。
なお、電流ベクトル検出手段2の座標変換器201は、座標変換器201のハードウェア自身で処理されてもよいし、プロセッサ10で実現されても良い。
電流ベクトル検出手段2は、交流回転機1に流れる三相電流を検出し、座標変換器201において、後述する推定位置(推定磁極位置ともいう)θestを使って、交流回転機1の回転子に同期して回転する直交座標として公知であるd−q軸に前記三相電流をd軸方向に座標変換したd軸電流idとq軸方向に座標変換したq軸電流iqを検出電流ベクトルとして出力する。
電流指令ベクトル(id_ref、iq_ref)は装置の外部から与えられ、リミッタ手段5に入力される。電流指令ベクトルが電流リミット値よりも大きい場合は、電流指令ベクトルは制御手段3に入力される前に、リミッタ手段5によって制限される。ここで、電流リミット値は後述の電流リミット値決定手段8によって決定される。
制御手段3は、図3に示すように構成されており、加減算器301により、後述する電流指令ベクトル(id_ref、iq_ref)から検出電流ベクトル(ids、iqs)をそれぞれ減算する。電流制御器302では、加減算器301の出力である電流指令ベクトルと検出電流ベクトルの偏差が無くなるように、比例積分制御して基本波電圧ベクトル(vdf、vqf)を出力する。座標変換器303では推定位置θestを使って基本波電圧ベクトル(vdf、vqf)をd-q軸から静止座標の電圧指令ベクトル(Vuf、Vvf、Vwf)に変換し出力する。
電圧印加手段4では、図4に示すように構成されており、高周波電圧発生手段401では交流回転機を駆動する周波数、すなわち静止座標の電圧指令ベクトルの周波数とは異なる周波数成分の高周波電圧ベクトル(Vuh、Vvh、Vwh)を発生させる。ここで発生される高周波電圧ベクトルについては様々な方式が公知となっているが、ここでは例として、最も一般的な方式である三相交流電圧を発生させた場合について説明する。他の高周波電圧発生方式として、例えばd軸方向に高周波交番電圧を発生させたり、交流回転機の総磁束の方向に高周波交番電圧を発生させたりする方法などが公知であるが、後述の手順と類似した方法で磁極位置を推定できるのであれば、どのような方法を用いても構わない。次に加算器402により三相基本波電圧指令ベクトル(Vuf、Vvf、Vwf)に対し三相高周波電圧ベクトル(Vuh、Vvh、Vwh)を重畳し、三相電圧指令ベクトル(Vu、Vv、Vw)を計算する。交流電圧源403は三相電圧指令ベクトル(Vu、Vv、Vw)を交流回転機1に印加し、交流回転機1を駆動する。交流電圧源403は一般に三相インバータ装置が用いられることが多いが、任意の交流電圧が得られる電圧源として作用するものであれば、どのような装置であっても構わない。
磁極位置推定手段6は交流回転機1のインダクタンスの突極性に基づき、磁極の推定位置θestを計算する。推定位置θestを計算する処理手順について詳細に説明する。
交流回転機1の固定α−β座標上の電圧方程式は下記の式(1)〜(3)のように表すことができる。
Figure 0005851662
R:電機子抵抗、P:微分演算子、
Ld:d軸インダクタンス、Lq:q軸インダクタンス、
ω:回転角速度(電気角)、θ:α軸と磁極との実際の位相差である。
交流回転機1が停止している、あるいは低速域で運転していると仮定し、ω=0とし、また、微分演算子Pをラプラス演算子sに置き換えると、固定α−β座標上における電流iαs、iβsは下記の式(4)のようになる。
Figure 0005851662
高周波電圧発生手段401において、交流回転機1を駆動する角周波数ωよりも十分に高い角周波数ωhとなる高周波電圧Vuh、Vvh、Vwhを発生させるとすると、R<<ωh・Lα、R<<ωh・Lβ、R<<ωh・Lαβが成り立つ(s=jωhとした場合(ただしjは虚数単位))。よって電機子抵抗Rの影響はほぼ無視できるので、上記の式(4)は下記の式(5)のように表せる。
Figure 0005851662
ここで、高周波電圧Vuh、Vvh、Vwhが三相平衡な交流電圧で、各相の電圧振幅が等しい場合、固定α−β座標の電圧は下記の式(6)のように表せる。
Figure 0005851662
交流回転機1を駆動する基本波電圧に高周波電圧を重畳して交流回転機1に電圧を印加すると、交流回転機1に流れる電流にも下記の式(7)のように基本波成分と高周波成分が現れる。
Figure 0005851662
固定α−β座標上の高周波電流iαsh、iβshはバンドパスフィルタ(図示せず)により抽出することが可能である。
上記の式(5)〜(7)を整理することにより、固定α−β座標上の高周波電流iαsh、iβshは下記の(8)式のように表すことができる。
Figure 0005851662
ここで、上記の式(8)における固定α−β座標上の高周波電流iαsh、iβshの振幅Iαsh、Iβshは下記の式(9)のように表すことができる。
Figure 0005851662
上記の式(9)に示すように、高周波電流振幅Iαsh、Iβshには磁極位置θの情報が含まれる。したがって、フーリエ変換器(図示せず)で高周波電流振幅Iαsh、Iβshを抽出することができれば、下記の式(10)の演算に基づいて磁極位置の情報を得ることができる。
Figure 0005851662
最終的な演算結果である推定磁極位置θestはcos2θの逆余弦演算で求めても良いし、予めcos2θの値を記憶したテーブルを用意し、その記憶装置に記憶されたcos2θの値に基づいて求めても良い。
このような手順で磁極位置を推定し、推定した磁極位置に基づいて交流回転機1を制御すれば、位置センサを使用すること無しに交流回転機1を駆動できるわけであるが、この方法では上記の式(1)〜(10)に示されるように、推定磁極位置θestは交流回転機のインダクタンスに依存したパラメータとなっている。また、この方法を用いるには、d軸インダクタンスLdとq軸インダクタンスLqの間に差異があることが前提条件になっている。この方法では突極比(Lq/Ld)が1に近い場合、高周波電流から磁極位置を推定することは極めて難しくなる。
図5は、ある交流回転機の磁気飽和特性と電流制限の関係を示す。この交流回転機はインダクタンスに突極性があり、最大トルク/電流曲線上で動作させると、効率良く運転させることが可能であるとする。この交流回転機を位置センサを用いて駆動した場合、熱的要因もしくは機械的要因によって定まる電流制限円は外側の点線で示される。しかし、前記のようなインダクタンスの突極性に基づく高周波位置推定を行った場合、熱的要因もしくは機械的要因によって定まる電流制限円以下の動作点で位置推定ができなくなることがある。三相平衡な高周波電圧ベクトルを印加した場合、dq軸平面における高周波電流ベクトルの軌跡が楕円状になれば磁極位置推定が可能であるが、負荷を大きくしていくと磁気飽和の影響で高周波電流ベクトルの軌跡が徐々に真円に近づき、ある動作点で磁極位置推定ができなくなる。高周波電流ベクトルの軌跡が真円になるということは、すなわち高周波電圧に対するインダクタンスの突極性が消失しているということを意味する。ここで問題となるのは、熱的要因もしくは機械的要因によって定まる電流制限円の範囲内で、突極性の消失が起こる場合があるということである。このとき、インダクタンスの突極性に基づいて位置センサレス駆動をするならば、電流制限円は突極性の消失する動作点よりもやや内側に設定する必要がある。ただし、この突極性が消失する動作点は交流電動機の種類によって異なる上に、同種の交流回転機でも使用環境、製造誤差による個体差などの要因で変化する可能性がある。
実施の形態1に係る制御装置では、位置センサレス駆動時に突極性が消失する動作点で流回転機を動作させないことで交流回転機の脱調を防ぐことを目的として、電流リミット値決定手段8を備えている。電流リミット値決定手段8は、図2に示すように、突極比演算手段801と突極比制御手段802によって構成される。ここで、突極比演算手段801は、検出電流ベクトルから交流回転機のインダクタンスの突極比を演算し、また突極比制御手段802は、演算された突極比の値である突極比の瞬時値とあらかじめ定められた値(目標値、閾値等)を入力して電流リミット値を決定する。
突極比演算手段801において行われる演算の処理手順について詳細に説明する。
図6に突極比演算の概念図を示す。ここでは、三相平衡で相電圧の振幅の等しい高周波電圧を印加した場合、すなわち回転子磁極位置を基準として360°方向に満遍なく高周波電圧を印加した場合について説明する。
上記のような高周波電圧を交流回転機に印加した場合、固定α−β座標上での高周波電流振幅Iαsh、Iβshが前記の式(9)で示されるような磁極位置θの関数になることは既に述べた通りである。ここでIαsh、Iβshを三相座標上の高周波電流振幅Iush、Ivsh、Iwshに変換すると、図6に示すような2θで変化する波形が得られる。この波形は三相高周波電流に直流分が重畳したような波形となる。高周波電流振幅の磁極位置による変化はインダクタンスの磁極位置依存性によるものであるから、高周波電流振幅の最大点と最小点を調べ、その比を求めれば突極比を求めることができる。
この計算は図4における高周波電流軌跡の楕円の長軸と短軸の長さの比を求めることに相当する。
具体的な突極比の演算手順について詳しく説明する。まずは下記の式(11)により三相高周波電流振幅に重畳された直流分Ish_aveを演算する。
Figure 0005851662
次に下記の式(12)基づき、三相高周波電流振幅の交流分の振幅|Ish|を演算する。
Figure 0005851662
そして、下記の式(13)に基づき、高周波電流振幅の最大点と最小点の比を突極比として演算する。
Figure 0005851662
ここでは、回転子磁極位置を基準として360°方向に満遍なく高周波電圧を印加した場合の突極比演算方法について説明したが、これは説明のわかりやすさを優先しただけのことで、発明の範囲を限定する意図はない。回転子磁極位置を基準として何れかの方向に高周波電圧を印加し、高周波電流の変化を観測することができさえすれば、突極比を見積もることは十分可能である。
また、ここで印加する高周波電圧は位置検出のために印加する高周波電圧と同じものであってもよいし、 位置検出のために印加する高周波電圧と異なる周波数の第二の高周波電圧を与えてもよい。
上記の式(11)〜(13)の計算を行う突極比演算手段801の具体的な構成例を図7に示す。
突極比演算手段801では、まず座標変換手段811により固定α−β座標上での高周波電流振幅Iαsh、Iβshを三相座標上の高周波電流振幅Iush、Ivsh、Iwshに変換する。
加算器812により高周波電流振幅Iush、Ivsh、Iwshの総和を計算し、ゲイン813でその総和を1/3倍し、高周波電流振幅の平均値Ish_aveを得る。
その後、減算器814a、814b、814cにより、高周波電流振幅Iush、Ivsh、Iwshからその平均値Ish_aveを差し引く。
減算器814a、814b、814cの出力を乗算器815a、815b、815cによりそれぞれ二乗した後、加算器816によりこれらの総和を計算する。
加算器816の出力を平方根演算手段817に入力し、その平方根を計算した後、ゲイン818で√(2/3)倍して、三相高周波電流振幅の交流分の振幅|Ish|を得る。
加算器819a、減算器819bにより高周波電流振幅の平均値Ish_aveと三相高周波電流振幅の交流分の振幅|Ish|の和と差を計算し、除算器820において加算器819aによって得られた和の値を減算器819bによって得られた差の値で除することにより、突極比を得る。
突極比制御手段802では、突極比の情報をもとに電流リミット値を可変させる。突極比制御手段802の具体的な構成例を図8に示す。
運転開始時、電流リミット値は初期リミット値(例えば、熱的要因や機械的要因によって定まる短時間最大電流値)に設定される。リミット値保持手段832は運転開始時、初期リミット値を読み込み、出力信号であるリミット値を初期リミット値で保持する。
交流回転機1の運転中、比較手段831は突極比の値と予め設定された値である閾値を比較する。突極比がその閾値よりも大きい場合、比較手段831はリミット値保持手段832に保持信号を与え、リミット値が変化しないよう保持し続ける。
ここで、電流指令ベクトルが大きくなり、突極比が閾値を下回った場合、位置検出ができなくなる恐れがあるため、それ以上、電流指令ベクトルが大きくならないように、比較手段831はリミット値保持手段832に電流リミット値の更新信号を送る。
これによりリミット値保持手段832は電流リミット値を現在の検出電流ベクトルの値、もしくは現在の検出電流ベクトルよりも多少小さい値まで引き下げる。この電流リミット値に基づいてリミッタ手段5で電流指令ベクトルを制限することにより位置検出ができなくなる動作点で交流回転機1を動作させることを防ぐ。
このあと電流指令ベクトルが小さくなって突極比が閾値よりも大きくなった場合、比較手段831はリミット値保持手段832に保持信号を与える。これにより電流リミット値は引き下げられた状態で保持される。これにより、突極比が閾値を下回らないように運転をすることが可能となる。
このように、本実施の形態1によれば、事前の調整作業・測定作業なしに突極性消失による脱調を防ぐことができ、汎用性の高い制御装置を作ることができる。
実施の形態2.
実施の形態1では、突極比制御手段802を図8に示すように比較手段831とリミット値保持手段832により構成したが、この突極比制御手段802は別の手段で構成することもできる。
図9は、この発明の実施の形態2に係る交流回転機の制御装置の構成を示すものである。
実施の形態2に係る制御装置は、実施の形態1に係る制御装置の突極比制御手段802を突極比制御手段802bに変更したものである。
突極比制御手段802bは、図10に示すように、減算器833とリミッタ付積分器834、加算器835からなる積分制御器(I制御器)によって構成される。ここではI制御を行った場合について説明するが、もちろんこれを比例+積分制御(PI制御)で実現したり、比例+積分+微分制御(PID制御)としてもよく、その他の一般的な制御器を適用しても良い。
突極比制御手段802bの詳細な動作について説明する。運転開始時、リミッタ付積分器834の出力は零に設定されており、電流リミット値は初期リミット値が設定される。初期リミット値は例えば、熱的要因や機械的要因によって定まる短時間最大電流値に設定される。
電流指令ベクトルが大きくなり突極比が減少すると、減算器833は予め設定された閾値と突極比の差を計算し、その差をリミッタ付積分器834に入力する。リミッタ付積分器834は閾値と突極比が一致するよう、その差を積分する。突極比が閾値を下回ると、減算器833の出力は負となるから、リミッタ付積分器834の出力も基本的には負となる。これを加算器835に入力し、初期リミット値から電流リミット値を減らすようにすれば、リミッタ手段5により電流指令ベクトルが制限されて突極比が閾値付近の範囲で保たれる。これにより事前の調整作業・測定作業なしに突極性消失による脱調を防ぐことができる。
ここで積分器にリミッタ付のものを用いたのは、積分器の出力が無限大に発散しないようにするためであり、制御工学の慣例に従ったに過ぎない。積分演算の上限値は零、下限値は初期リミット値と同じに設定するのが適切かと思われるが、上限値と下限値はこの値以外に設定してもよい。また、積分器の出力が無限大に発散しないような別の工夫をするのであれば、必ずしもリミッタ付きの積分器を用いる必要は無い。
実施の形態3.
図11は、この発明の実施の形態3に係る交流回転機の制御装置の構成を示すものである。実施の形態3にかかる制御装置は、実施の形態1にかかる制御装置における電流リミット値決定手段8を電流リミット値参照手段803により構成したものである。
電流リミット値参照手段803には、予め検出電流ベクトルの位相に対応する電流リミット値が記録されている。電流リミット値参照手段803は、検出電流ベクトルが入力されるとそれに対応する電流リミット値を参照して出力する。
実施の形態3のように装置を構成できた場合、制御演算に要する演算量を大幅に減らすことができる。電流リミット値参照手段803に記録されるデータテーブルをどのように作成するかについては実施の形態4で説明する。データテーブルを作成する労力を考えるとデータテーブルは自動で作成されるべきであるが、もちろん装置の使用者が事前にモータ特性を測定してデータテーブルを作成してもまったく構わない。
実施の形態4.
図12は、この発明の実施の形態4に係る交流回転機の制御装置の構成を示すものである。実施の形態4に係る制御装置は、実施の形態2に係る制御装置にさらに参照テーブル作成手段804を備えたものである。参照テーブル作成手段804は運転中に検出電流ベクトルと推定磁極位置と突極比を記録し、電流リミット値の参照テーブルを自動で作成する。
図13(a)(b)に大電流印加時の高周波電流振幅波形と突極比波形の概形を示す。高周波電流振幅波形は理想的には図6に示すような正弦波波形となるはずであるが、図13(a)のように、大電流印加時には磁気飽和の影響での交流成分が小さくなるとともに、磁極位置による高調波歪みが大きくなる。実際の交流回転機では無負荷運転時にも多少の高調波歪みが発生するのだが、磁気飽和が起きるとそれが顕著に現れるようになる場合が多い。
実施の形態4に係る制御装置では突極比演算手段801と突極比制御手段802bとを用いて、脱調しないように運転をしながら、検出電流ベクトルと推定磁極位置と突極比のデータを参照テーブル作成手段804に記録する。図13(b)に示すように突極比の瞬時値は推定磁極位置によって変動するため、ある電流条件における突極比の最小値を記録する。そして、データが集まった後に、突極比の最小値がある閾値を下回らない限界の大きさの検出電流ベクトルを電流リミットとして規定する。このような処理手順で参照テーブルのデータを作成する。
検出電流ベクトルの位相が定常的に大きく変わったとき(例えば交流回転機の運転パターンが変わってd軸電流指令の生成方法が変わった時など)に、再度、上記の参照テーブル作成手順を行うことで、より良い参照テーブルを作ることができる。それは、検出電流ベクトルの位相ごとに何点かデータを持っておけば、データに無い位相の電流指令が与えられたときも、補完処理によって対応することが可能となるからである。データ量を増やすほど参照テーブルの正確度を高めることができる。
実施の形態4に係る制御装置は、このような手順で運転中に電流リミット値の参照テーブルを自動作成する。電流リミット値の参照テーブルを自動で作成するように制御装置を構成することにより、事前の調整作業・測定作業の手間がなくなり、汎用性の高い装置を実現できる。
実施の形態5.
図14は、この発明の実施の形態5に係る交流回転機の制御装置の構成を示すものである。実施の形態5に係る制御装置は、実施の形態3に係る制御装置と実施の形態4に係る制御装置を組み合わせたものである。
実施の形態5に係る制御装置では、突極比制御手段802bによって決定される第一の電流リミット値と、電流リミット値参照手段803によって決定される第二の電流リミット値を適宜、スイッチ805で切り替えながら交流回転機1を運転する。スイッチ805出力である第三の電流リミット値は第一のリミット値と第二のリミット値のいずれかから選択される。
運転開始時は第一の電流リミット値を用いて交流回転機1を運転するとともに、参照テーブル作成手段804に検出電流ベクトルと推定磁極位置と突極比のデータを参照テーブル作成手段804に記録する。上記データが十分に集まったら、実施の形態4にかかる制御装置と同様に、参照テーブルを自動作成する。参照テーブルを作成できた後は、第二の電流リミット値を用いて交流回転機1を運転する。第二の電流リミット値で運転を行っている際、第一の電流リミット値の計算は行わないようにすれば、制御演算量を減らすことができる。もちろん常時、第一の電流リミット値を計算していても良いが、第一の電流リミット値を計算しないようにすれば、余った計算機資源が他の演算に使えるようになる。
ただし、検出電流ベクトルの位相が定常的に大きく変わったとき(例えば交流回転機1の運転パターンが変わってd軸電流指令の生成方法が変わった時など)、参照テーブルに適切なデータがない場合には、第一の電流リミット値演算を再開させ、第一の電流リミット値で制御を行うとともに、上記の参照テーブル作成手順を再度行う。
上記のように制御装置を構成することで、本実施の形態5によれば、電流リミット値の参照テーブルを自動で作成した後は、少ない演算量で脱調しないように運転できる。この装置は電流リミット値の参照テーブルを自動で作成するので、事前の調整作業・測定作業の手間やコストをかけずにさまざまな種類の交流回転機を駆動できる。そのため、本実施の形態5にかかる制御装置は汎用性が高い制御装置であると言える。
実施の形態6.
図15は、この発明の実施の形態6に係る交流回転機の制御装置の構成を示すものである。実施の形態6に係る制御装置は、実施の形態1〜5に係る制御装置で説明した電流リミット値決定手段8のいずれかに加え、さらに電流リミット値決定手段8により決定された電流リミット値を高速回転時は緩和する電流リミット値緩和手段9を有した制御装置である。
インダクタンスの突極性を利用した位置検出法は低速域でもセンサを用いることなく、磁極位置を検出することが可能であるという特徴を有するが、高周波電流を流さなければ位置検出ができないため、交流回転機の回転速度が高い領域では高周波電圧の重畳を停止し、誘起電圧に基づくセンサレス制御法に切り替えて交流回転機を行う技術が一般に知られている。
図15の磁極位置推定手段6bは、低速運転時にはインダクタンスの突極性を基づいて位置検出を行い、高速運転時には誘起電圧に基づいて位置推定を行うものである。ここまでは、交流回転機1の低速運転時において、インダクタンスの突極比による影響で、交流回転機の電流リミット値を熱的要因や機械的要因によって決定される本来の電流リミット値よりも小さくしなければいけない状況について説明してきたが、磁極位置推定手段6bで磁極位置の推定を行っている場合、高速運転時には突極比が無くなる動作点で運転しても脱調することは無い。
そこで、高速回転時には電流リミット値決定手段8により決定された電流リミット値を緩和することで、熱的要因や機械的要因によって決定される本来の電流リミット値限界まで電流を流すことができるようになる。電流リミット値決定手段8は、交流回転機1の回転速度が所定以上になった場合、電流リミッタ値を回転速度の上昇に伴い滑らかに引き上げることで、高速域で大きなトルコを出すことが可能となる。
電流リミット値を緩和する電流リミット値緩和手段9の構成は例えば、図16のような構成となる。速度演算手段901は推定位置から推定速度を演算し、絶対値演算手段902は推定速度の絶対値を演算する。電流リミット値を緩和する速度の閾値を予め定めておき、比較手段903で速度閾値と推定速度の絶対値を比較することによりスイッチ制御信号を生成する。スイッチ904はスイッチ制御信号に応じて、電流リミット値決定手段8により決定された電流リミット値と初期リミット値(熱的要因や機械的要因によって定まる本来のリミット値)のどちらを修正後電流リミット値とするか切り替える。スイッチ904を切り替えた際に振動が生じないように、フィルタ手段905を挿入して、滑らかに電流リミット値が変化するようにする。
上記のように制御装置を構成することで、本実施の形態6によれば、低速時と高速時で2種類の電流リミット値を適切に使い分けながら交流回転機を運転することができる。これにより、低速時は突極比が消失しない範囲で最大限のトルクを出し、高速時は本来の最大トルクを出すことができる。電流リミット値緩和手段9の調整は簡単で、事前の調整作業・測定作業はほとんど不要なので、産業的に非常に有用な制御装置であると言える。
この発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
1 交流回転機、2 電流ベクトル検出手段、3 制御手段、4 電圧印加手段、5 リミッタ手段、6、6b 磁極位置推定手段、8 電流リミット値決定手段、10 プロセッサ、11 上位コントローラ、12 メモリ、801 突極比演算手段、802、802b 突極比制御手段、803 電流リミット値参照手段

Claims (5)

  1. 交流回転機の電流を検出し、検出電流ベクトルとして出力する電流ベクトル検出手段と、前記交流回転機のインダクタンスの突極性に基づいて前記検出電流ベクトルから前記交流回転機の回転子の磁極位置を推定する磁極位置推定手段と、前記磁極位置推定手段によって得られた推定磁極位置が入力され、前記検出電流ベクトルが電流指令ベクトルと一致するように電圧指令ベクトルを出力する制御手段と、前記電圧指令ベクトルに基づいて前記交流回転機に電圧を印加する電圧印加手段と、前記検出電流ベクトルを入力として前記交流回転機の突極比の値があらかじめ定められた値を下回らないように電流リミット値を決定する電流リミット値決定手段と、前記電流リミット値に基づいて前記電流指令ベクトルを制限するリミッタ手段とを備え、前記電流リミット値決定手段は、前記検出電流ベクトルから前記交流回転機のインダクタンスの突極比を前記交流回転機の運転中に演算する突極比演算手段と、前記突極比の値とあらかじめ定められた突極比の値を入力として、前記交流回転機の運転中に演算された突極比の値があらかじめ定められた突極比の値を下回らないように前記電流リミット値を決定する突極比制御手段とを有し、前記電圧印加手段は、前記交流回転機を駆動する周波数とは異なる周波数を有する高周波電圧ベクトルを前記交流回転機に印加し、前記突極比演算手段は、前記高周波電圧ベクトルの周波数と同じ周波数を有する前記検出電流ベクトルである高周波電流ベクトルの平均値と、前記高周波電流ベクトルの交流分の振幅とに基づいて前記突極比を演算することを特徴とする交流回転機の制御装置。
  2. 交流回転機の電流を検出し、検出電流ベクトルとして出力する電流ベクトル検出手段と、前記交流回転機のインダクタンスの突極性に基づいて前記検出電流ベクトルから前記交流回転機の回転子の磁極位置を推定する磁極位置推定手段と、前記磁極位置推定手段によって得られた推定磁極位置が入力され、前記検出電流ベクトルが電流指令ベクトルと一致するように電圧指令ベクトルを出力する制御手段と、前記電圧指令ベクトルに基づいて前記交流回転機に電圧を印加する電圧印加手段と、前記検出電流ベクトルを入力として前記交流回転機の突極比の値があらかじめ定められた値を下回らないように電流リミット値を決定する電流リミット値決定手段と、前記電流リミット値に基づいて前記電流指令ベクトルを制限するリミッタ手段とを備え、前記電流リミット値決定手段は、前記交流回転機の回転速度があらかじめ定められた値以上となった場合、前記電流リミット値を回転速度の上昇に伴い滑らかに引き上げ、前記磁極位置推定手段は、前記交流回転機の回転速度があらかじめ定められた値以上となった場合、前記交流回転機の誘起電圧に基づいて前記交流回転機の回転子の磁極位置を推定することを特徴とする交流回転機の制御装置。
  3. 交流回転機の電流を検出し、検出電流ベクトルとして出力する電流ベクトル検出手段と、前記交流回転機のインダクタンスの突極性に基づいて前記検出電流ベクトルから前記交流回転機の回転子の磁極位置を推定する磁極位置推定手段と、前記磁極位置推定手段によって得られた推定磁極位置が入力され、前記検出電流ベクトルが電流指令ベクトルと一致するように電圧指令ベクトルを出力する制御手段と、前記電圧指令ベクトルに基づいて前記交流回転機に電圧を印加する電圧印加手段と、前記検出電流ベクトルを入力として前記交流回転機の突極比の値があらかじめ定められた値を下回らないように電流リミット値を決定する電流リミット値決定手段と、前記電流リミット値に基づいて前記電流指令ベクトルを制限するリミッタ手段とを備え、前記電流リミット値決定手段は、前記検出電流ベクトルの位相および振幅の少なくともいずれか一方を入力として前記電流リミット値を決定する電流リミット値参照手段を有したことを特徴とする交流回転機の制御装置。
  4. 交流回転機の電流を検出し、検出電流ベクトルとして出力する電流ベクトル検出手段と、前記交流回転機のインダクタンスの突極性に基づいて前記検出電流ベクトルから前記交流回転機の回転子の磁極位置を推定する磁極位置推定手段と、前記磁極位置推定手段によって得られた推定磁極位置が入力され、前記検出電流ベクトルが電流指令ベクトルと一致するように電圧指令ベクトルを出力する制御手段と、前記電圧指令ベクトルに基づいて前記交流回転機に電圧を印加する電圧印加手段と、前記検出電流ベクトルを入力として前記交流回転機の突極比の値があらかじめ定められた値を下回らないように電流リミット値を決定する電流リミット値決定手段と、前記電流リミット値に基づいて前記電流指令ベクトルを制限するリミッタ手段とを備え、前記電流リミット値決定手段は、前記検出電流ベクトルから前記交流回転機のインダクタンスの突極比を前記交流回転機の運転中に演算する突極比演算手段と、前記突極比の値とあらかじめ定められた突極比の値を入力として、前記交流回転機の運転中に演算された突極比の値があらかじめ定められた突極比の値を下回らないように前記電流リミット値を決定する突極比制御手段と、前記検出電流ベクトルと前記推定磁極位置と前記突極比とに基づいて前記電流リミット値の参照テーブルを作成する参照テーブル作成手段とを有したことを特徴とする交流回転機の制御装置。
  5. 前記突極比制御手段は、前記電流リミット値として第一の電流リミット値を決定し、前記電流リミット値決定手段は、前記検出電流ベクトルと前記参照テーブルとに基づいて第二の電流リミット値を決定する電流リミット値参照手段をさらに有し、前記参照テーブルが作成されるまで前記第二の電流リミット値を用いずに前記第一の電流リミット値を用いることを特徴とする請求項4に記載の交流回転機の制御装置。
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