JP6253921B2 - ロール製品用プロテクター - Google Patents

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Description

本発明は、ロール製品用プロテクターに係り、更に詳しくは、構造が単純で、保護されたロール製品を段積みすることができ、さらに製造が容易で安価なロール製品用プロテクターに関する。
従来より、プラスチックフィルム、プラスチックシート、紙等の帯状製品R1を保護、輸送、保管する場合には、図8に示すように、これらの帯状製品R1を芯材R2に巻回してロール製品Rを形成し、輸送、保管中に帯状製品R1の端面及び周面が汚れたり傷付いたりするのを防止するため、ロール製品Rにロール製品用プロテクター(以下、単にプロテクターと称することがある)Pを組み付けて輸送、保管していた。
この従来のプロテクターPは、例えば方形の側板P1の中心付近に中空円筒状の芯受けP2を前記側板P1と一体的又は別体に設けてなるもので、図8に示した例では、ロール製品Rの両端面を一対の側板P1で挟持するとともに、芯受けP2を芯材R2の中空孔に挿入してロール製品Rを支持し、両側板P1の外側に梱包用バンドBを十字状に掛けて全体を緊締している。
しかしながら、上記のようなプロテクターにより保護したロール製品は段積みしても滑落し易いため、輸送や保管が困難である。このような欠点を解消するため、特許文献1に記載されているように、基板部の四隅から段積み用脚部を突設したロール製品用プロテクターが提案されている。
このようなプロテクターで保護されたロール製品は、当該ロール製品を保護するプロテクターの段積み用脚部の上に、別のロール製品を保護するプロテクターの段積み用脚部を重ねることで段積みすることができる。従って、輸送や保管のコストを削減できる利点があるが、プロテクター自体の形状が複雑で金型の作成コストや材料コストが嵩み、その分、プロテクターが高価になるという欠点がある。
実開平7−33891号公報
本発明は、上記の如き問題を解消し、構造が単純で、保護されたロール製品を段積みできる安価なロール製品用プロテクターを提供するものである。
上記目的を達成するための本発明の特徴は、ロール製品の端面を保護するために該端面に装着されるロール製品用プロテクターであって、左右非対称で、上辺と下辺の輪郭の形状が同じであって、それぞれの上辺と下辺の間の長さが互いに等しい板状部材2枚のうち、1枚を表面部とし他の1枚を裏返して裏面部としてなり、表面部及び裏面部が互いに重ね合わせて貼り合わされてなり、表面部の上辺には裏面部の上辺よりも上に突出している表側突出部が形成され、裏面部の上辺には表面部の上辺よりも上に突出している裏側突出部が形成されているロール製品用プロテクターである。
本発明の更に別の特徴は、表面部及び裏面部がプラスチックダンボール製である上記のロール製品用プロテクターである。
本発明のロール製品用プロテクターは、平板状の表面部及び裏面部が互いに重ね合わされてなり、表面部及び裏面部は、それぞれの上辺の形状が下辺と等しく、それぞれの上辺と下辺の間の長さが互いに等しいので、当該プロテクターをロール製品に装着した状態でロール製品を段積みする際には、上側に積まれたプロテクターの下辺が、下側に置かれたプロテクターの上辺と係合し、左右方向(表面部及び裏面部に対し平行方向)のずれが防止される。
また、表面部の上辺に裏面部の上辺よりも上に突出している表側突出部が形成され、裏面部の上辺に表面部の上辺よりも上に突出している裏側突出部が形成されているので、これらの突出部により表裏方向(表面部及び裏面部に対し垂直方向)のずれが防止される。
このため、どの方向から力が加わった場合でも、段積みされた上側のプロテクターが下側のプロテクターからずれ落ちることがない。
表面部の下端の高さと裏面部の下端の高さを等しくすれば、段積みの際に最下段となるロール製品を平らな地面の上に安置することができるので、安定性及び作業性が良い。また、表面部の上端の高さと裏面部の上端の高さを等しくすれば、当該プロテクターを上下逆にして使用しても、良好な安定性が維持されるので、作業性がさらに向上する。
表面部の形状が左右非対称であるとともに、裏面部の形状が表面部を裏返した形状と同じであれば、表面部と裏面部を同じ方法で作成することができ、同じ形状の2枚の板状部材のうち一方を裏返して重ね合わせるだけで、本発明のロール製品用プロテクターを得ることができるので、安価である。また、このようにすれば表面部の下端の高さと裏面部の下端の高さが等しく、表面部の上端の高さと裏面部の上端の高さが等しいプロテクターを容易に作製することができる。
図1は本発明のロール製品用プロテクターの一例を示す斜視図である。 図2は図1に示すロール製品用プロテクターの正面図である。 図3(a)は図1に示すロール製品用プロテクターを段積みした状態を示す説明図であり、(b)は(a)のA−A断面図であり、(c)は(a)のB−B断面図である。 図4は図1に示すロール製品用プロテクターにおける表面部を示す正面図である。 図5は本発明のロール製品用プロテクターの別例を示す正面図である。 図6は図5に示すロール製品用プロテクターを段積みした状態を示しており、(a)は段積みしたプロテクターを正面側から見た説明図であり、(b)は裏面側から見た説明図である。 図7は本発明のプロテクターを装着したロール製品を段積みした状態を示す説明断面図である。 図8は従来のプロテクターをロール製品に装着した状態を示す説明断面図である。
本発明のロール製品用プロテクター1はロール製品の端面を保護するために該端面に装着されるものであり、図1及び図2に示すように、平板状の表面部2及び裏面部3が互いに重ね合わされてなり、表面部2及び裏面部3は、それぞれの上辺2t、3tの形状が下辺2b、3bと等しいとともに、それぞれの上辺と下辺の間の長さ2L、3Lが互いに等しく、表面部2の上辺2tには裏面部3の上辺3tよりも上に突出している表側突出部2pが形成され、裏面部3の上辺3tには表面部2の上辺2tよりも上に突出している裏側突出部3pが形成されていることを特徴とする。
本発明におけるロール製品用プロテクター1は、図1に示すように、表面部2及び裏面部3を重ね合わせた形状である。本発明において表面部2及び裏面部3は平板状であるが、上辺2tと下辺2b、及び上辺3tと下辺3bの形状はそれぞれ同じなので、図3に示すように、段積みの際に上辺2tと下辺2b、及び上辺3tと下辺3bがそれぞれ係合し、左右方向のずれ(横ずれ)が防止される。
なお、上辺2tと下辺2b、及び上辺3tと下辺3bの形状は、それぞれ完全に同一である必要はなく、上下に段積みされるプロテクター1がこの上辺2t、3t及び下辺2b、3bにおいて係合して横ずれが防止される程度に近似していればよい。
また、図1〜図3に示した例において、上辺2t、3t及び下辺2b、3bは台形状の凸部と凹部がそれぞれ2箇所づつ設けられた形状であるが、具体的な形状については段積みの際に上辺2tと下辺2b、及び上辺3tと下辺3bがそれぞれ係合可能であるかぎり特に限定されず、例えば図5に示した例における表面部2のように、台形状の凸部と凹部がそれぞれ一箇所づつ設けられた形状でもよいし、図5に示した例における裏面部3のように、二つのなだらかな凸部(下辺3bでは凹部)と、この二つの凸部の間及び両脇に設けられた凹部(下辺3bでは凸部)とすることもできる。
本発明では、図2に示すように、表面部2における上辺と下辺の間の長さ2Lと裏面部3における上辺と下辺の間の長さ3Lは等しくする必要がある。これらの長さ2L、3Lが等しい場合に、上下に段積みされるプロテクター1の表面部2における上辺2tと下辺2b、及び裏面部3における上辺3tと下辺3bが同時に係合する。
なお、表面部2における上辺と下辺の間の長さ2Lと裏面部3における上辺と下辺の間の長さ3Lが等しければ、表面部2における上辺と下辺の間の総高低差2H(上辺の上端から下辺の下端までの高低差)と裏面部3における上辺と下辺の間の総高低差3Hが異なっていてもよい。図5に示した例では、表面部2における上辺と下辺の間の長さ2Lと裏面部3における上辺と下辺の間の長さ3Lが等しく、表面部2における上辺と下辺の間の総高低差2Hと裏面部3における上辺と下辺の間の総高低差3Hが異なる例が示されているが、図6に示すように、このような場合であっても好適に段積みが可能である。但し、図5に示したようなプロテクター1は、上下を逆にしてロール製品に装着するのが困難であるため、上辺と下辺の間の総高低差2H、3Hも等しいほうが好ましい。
図1及び図2に示されるように、本発明のロール製品用プロテクター1には、表面部2の上辺2tに、裏面部3の上辺3tよりも上に突出している表側突出部2pが形成され、さらに、表面部2の上辺2tに、裏面部3の上辺3tよりも上に突出している裏側突出部3pが形成されている。
このため、図3に示すように、上側に段積みされたプロテクター1は、表側突出部2pにより表面側にずれるのが防止されるとともに(図3(b)参照)、裏側突出部3pにより裏面側にずれるのが防止され、表裏方向のずれが防止される(図3(c)参照)。
表面突出部2p、裏面突出部3pは、いずれも少なくとも1個設けられ、2個以上設ける場合は、表面突出部2pと裏面突出部3pとが互い違いに配するのが好ましい。
本発明においては、図2に示すように、表面部2の下端の高さと裏面部3の下端の高さを等しくするのが好ましい。このようにすれば、本発明のプロテクター1を自立させやすくなるので、安定性が増す。また、表面部2の上端の高さと裏面部3の上端の高さも前記と同様に等しくすれば、上下を逆にしてもプロテクター1を安置することが可能になるので、利便性が向上する。
本発明のロール製品用プロテクター1は、上辺2tと下辺2bの形状が等しく、上辺と下辺の間の長さ2L、3Lが一定の2種類の板状部材を表面部2、裏面部3として用い、これらを接着、溶着等により貼り合せることにより容易かつ安価に製造することができる。また、左右非対称の形状の板状部材を2枚作成し、そのうち1枚を裏返して貼り合せることにより、更に容易かつ安価に製造することができる。図1に示した例では、図4に示したような、左右非対称で上辺と下辺の形状が同じ形状の板状部材を2枚作成し、そのうちの1枚を表面部2とし、他の1枚を裏返して裏面部3とし、これらを貼り合せることにより作成されている。
なお、本発明のプロテクター1の製造方法は、上記したような2種類の板状部材の貼り合せには限定されず、例えば、表面部2と裏面部3とを凹凸係合、嵌合等により物理的に一体化してもよく、また、はじめから表面部2と裏面部3が接合された状態で、射出成形等により製造することもできる。射出成形等により製造する場合、例えば裏面部3(ロール製品Rに装着した際にロール製品の端面に接する内側)にはロール製品の芯材R2に挿入される芯受け等を突設してもよいし、表面部2(ロール製品Rに装着した際に外側になる部分)には、ロール製品Rをプロテクター1ごと緊締するベルトを配置するための溝等を設けることもできる。
本発明において、ロール製品用プロテクター1の材質は、ロール製品の端部に装着した際に、ロール製品が地面に接触しないように吊り上げた状態で保持できる程度の強度及び剛性を備えている限り特に限定されず、例えば木材、金属、合成樹脂等を用いることができるが、軽量で加工性がよく、十分な強度を備えている点で、合成樹脂が好ましい。合成樹脂としては特に限定されないが、具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ABS樹脂、AAS樹脂、ポリアセタール樹脂、フッ素樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド(ナイロン)樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられる。また、ポリ乳酸樹脂、ポリブチレンサクシネート、ポリアミド11、ポリヒドロキシ酪酸等の生分解性プラスチックやバイオマスプラスチック等も使用可能である。また、これらの発泡性樹脂も使用でき、軽量性に富んだプロテクターが得られる。
特に、同じ形状の2枚の板状部材のうち一枚を裏返してから貼り合せる場合、いわゆるプラスチックダンボールから板状部材を切り出すようにすれば、製造が極めて容易で、軽量で強度に優れたプロテクターが提供される。
本発明のロール製品用プロテクター1は、従来のプロテクターと同様、ロール製品Rの端部に装着して使用され、図7に示すように、段積みして輸送や保管をすることができる。段積みされたプロテクター1は、下側のプロテクター1の上辺と上側のプロテクター1の下辺が係合しているので、少々の力が加わっても外れることがない。
なお、上記において、「等しい」とは本発明の目的を達成し得る許容範囲が含まれ、製造上の誤差範囲は勿論のこと、プラスマイナス5%程度までの許容範囲が含まれる。
叙上のとおり、本発明のロール製品用プロテクターは、構造が単純であるにもかかわらず保護されたロール製品を好適に段積みすることができ、さらに製造が容易で安価であり、極めて有用性が高いものである。
1 ロール製品用プロテクター
2 表面部
2t 上辺
2b 下辺
2p 表側突出部
2L 上辺と下辺の間の長さ
2H 総高低差
3 裏面部
3t 上辺
3b 下辺
3p 裏側突出部
3L 上辺と下辺の間の長さ
3H 総高低差
R ロール製品
R1 帯状製品
R2 芯材
P 従来のロール製品用プロテクター
P1 側板
P2 芯受け
B 梱包用バンド

Claims (2)

  1. ロール製品の端面を保護するために該端面に装着されるロール製品用プロテクターであって、
    左右非対称で、上辺と下辺の輪郭の形状が同じであって、それぞれの上辺と下辺の間の長さが互いに等しい板状部材2枚のうち、1枚を表面部とし他の1枚を裏返して裏面部としてなり、
    面部及び裏面部が互いに重ね合わせて貼り合わされてなり
    面部の上辺には裏面部の上辺よりも上に突出している表側突出部が形成され、裏面部の上辺には表面部の上辺よりも上に突出している裏側突出部が形成されていることを特徴とするロール製品用プロテクター
  2. 表面部及び裏面部がプラスチックダンボール製であることを特徴とする請求項1に記載のロール製品用プロテクター。
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