JP6252835B2 - ボックスカルバート、及びその施工方法 - Google Patents
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Description
また、ボックスカルバートにおいて、プレキャストコンクリート版からなるプレキャストブロック部と、場所打ちコンクリートにより築造される場所打ちコンクリート構造部とが分割されている場合がある(例えば、特許文献1参照)。この場合、ボックスカルバートの施工方法としては、側壁を構成するコンクリートブロックを対向させて配置し、双方の間の底版と頂版が形成される部分に鉄筋を挿入して組み立てた後、型枠を設置してコンクリートを打設して底版と頂版とを形成し、全体として略矩形断面のボックスカルバートを構築している。
すなわち、ボックス周方向の全周にわたってプレキャストコンクリート版によって形成されるボックスカルバートでは、大スパンとなる場合やボックスカルバートの土被りが大きい場合には、プレキャストコンクリート版の厚さ寸法が大きくなるため、現地搬入や架設に大掛かりな設備が必要となり、施工性が低下するという問題があった。
さらに、本発明では、頂版の構成として、コンクリート打設用の鋼板又はプレキャストコンクリート板が設けられているので、コンクリート打設時に頂版の底面に型枠を新たに組み立てたり、脱型するという施工が不要となり、その点でも施工効率の向上させることができる。
ここで、ボックスカルバート1において、その延長方向に直交する方向であって、断面視でボックスカルバート1の延在方向に沿う方向をボックス周方向という。
角壁2C〜2Fは、断面略L字形状をなし、そのL字状に沿って側壁2A、2Bの第1埋込み鋼材21に接続される第2埋込み鋼材22が埋設されている。そして、角壁2C〜2Fの場所打ちコンクリート構造部3側の端面2aには、場所打ちコンクリート構造部3に接続するための第1主鉄筋23がその端面2aよりも水平方向の外側に突出させた状態で設けられている。
第2主鉄筋32は、角壁2C〜2Fの端面2aから突出する第1主鉄筋23に継手(図示省略)を介して接続される。
なお、図1では、見やすくするために、頂版3A及び底版3Bの接続鋼材31の一部(紙面の手前側)のみを記載し、他の部分を省略している。
先ず、ボックスカルバート1の構築箇所の地盤に対して土留壁(図示省略)を造成する。このとき、図4(a)に示すように、プレキャストコンクリート版の下側の角壁2E、2F、及び場所打ちコンクリート構造部3の底版3Bが設置できる深さまで土留壁を設けるとともに、そのボックスカルバート1の床付け盤4を造成する。そして、ボックスカルバート1のプレキャストブロック部2のプレキャストコンクリート版(図2に示す側壁2A、2B、角壁2C〜2F)は、予め工場等で製作しておく。
次に、角壁2E、2Fの上端に側壁2A、2Bを接続し、さらに側壁2A、2Bの上端に上側の角壁2C、2Dを接続することで、プレキャストブロック部2を一体化させる。このとき、図2に示すように、角壁2C〜2Fの第2埋込み鋼材22と側壁2A、2Bの第1埋込み鋼材21とが接続される。
さらに、接続鋼材31には、頂版3Aの底面に相当する高さの位置となるように、複数の吊り具35(図2参照)を使用して鋼板33を設置する。
本実施の形態のボックスカルバート1では、図2に示すように、頂版3Aと底版3Bが場所打ちコンクリート構造であって、プレキャストコンクリート版ではないので、ボックスカルバート1が大スパンであったり土被りが大きく、頂版や底版の版厚を大きくする際であっても、場所打ちコンクリート構造を構成する接続鋼材31や鋼板33等の分割された部材を搬入し、組み立て、コンクリート34を打設することにより構築することができる。そのため、版厚が大きく、且つ重量の大きなプレキャストコンクリート版からなる頂版3Aや底版3Bを搬入したり架設するための大掛かりな設備が不要となり、施工にかかる設備を簡易にすることが可能となり、運搬コストや施工コストを低減することができる。
しかも、この場合、前記埋込み鋼材22に接続された接続鋼材31が頂版部分及び底版部分のコンクリート打設前の施工状態における支保工の機能を兼ねることから、新たに支保工を設ける必要がなく、施工効率を向上させることができる。
しかも、鋼板33がプレキャストコンクリート部2の埋込み鋼材22に接続された接続鋼材31に吊り具35を介して支持されているので、位置決めがし易く、且つ確実に固定することができる。
例えば、本実施の形態では、プレキャストコンクリート部2を側壁2A、2Bと角壁2C〜2Fとに分割した構成としているが、一体であっても良いし、分割位置を変えた構成とすることも可能である。
さらに、本実施の形態では、場所打ちコンクリート構造部3において鋼板33を採用しているが、この鋼板33に代えてプレキャストコンクリート板を用いることも可能である。
2 プレキャストブロック部
2a 端面
3 場所打ちコンクリート構造部
3A 頂版
3B 底版
4 床付け盤
21 第1埋込み鋼材
22 第2埋込み鋼材
23 第1主鉄筋
31 接続鋼材
32 第2主鉄筋
33 鋼板
34 コンクリート
35 吊り具
Claims (3)
- 互いに対向する左右一対の側壁を形成するプレキャストコンクリート版と、該プレキャストコンクリート版の上端同士を接続する頂版と、前記プレキャストコンクリート版の下端同士を接続する底版と、を矩形の四辺に配置されるボックスカルバートであって、
前記プレキャストコンクリート版は、内部にボックス周方向に沿って延在する埋込み鋼材が設けられ、
前記頂版及び前記底版は、場所打ちコンクリート構造からなり、その内部にボックス周方向に沿って延在するとともに、前記埋込み鋼材に接続される接続鋼材が設けられ、
前記頂版には、コンクリート打設用の型枠を兼ねた鋼板又はプレキャストコンクリート板が埋設され、
前記鋼板又はプレキャストコンクリート板は、前記接続鋼材によって吊り下げられて支持されていることを特徴とするボックスカルバート。 - 前記頂版及び前記底版には、それぞれ前記プレキャストコンクリート版に設けられる第1主鉄筋に接続される第2主鉄筋が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のボックスカルバート。
- 互いに対向する左右一対の側壁を形成するプレキャストコンクリート版と、該プレキャストコンクリート版の上端同士を接続する頂版と、前記プレキャストコンクリート版の下端同士を接続する底版と、を矩形の四辺に配置されるボックスカルバートの施工方法であって、
前記プレキャストコンクリート版を設置する工程と、
前記プレキャストコンクリート版の内部に設けられたボックス周方向に沿って延在する埋込み鋼材の端部に、前記頂版及び底版の内部に設けられたボックス周方向に沿って延在する接続鋼材を接続する工程と、
コンクリート打設用の型枠を兼ねた鋼板又はプレキャストコンクリート板を、前記接続鋼材によって吊り下げて支持させることにより前記頂版の底面に配置する工程と、
前記頂版及び底版のコンクリート充填箇所にコンクリートを打設する工程と、
を有することを特徴とするボックスカルバートの施工方法。
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