JP6251149B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、良好な転がり抵抗性能と耐久性能とを有する空気入りタイヤに関する。
例えば、下記特許文献1には、サイドウォール部に、断面略三日月状のサイド補強ゴム層が設けられた空気入りタイヤが提案されている。このような空気入りタイヤは、サイドウォール部の剛性が高められるため、優れた耐久性能を有し、例えば、継続したランフラット走行を可能にする。
しかしながら、上記の空気入りタイヤでは、サイドウォール部の厚さが大きくなり、走行時の空気抵抗が増加する他、タイヤ質量も増えるので、転がり抵抗性能が悪化するという問題があった。
特開2009−126410号公報
本発明は、以上のような実状に鑑み案出されたもので、耐久性能を維持しつつ良好な転がり抵抗性能を有する空気入りタイヤを提供することを主たる目的としている。
本発明は、トレッド部から両側のサイドウォール部をへて両側のビード部のビードコアに至るカーカスを具えた空気入りタイヤであって、前記サイドウォール部の少なくとも一方に、繊維強化プラスチックからなるサイドウォール補強層を具えていることを特徴とする。
本発明に係る空気入りタイヤは、前記サイドウォール補強層が、前記カーカスのタイヤ軸方向内側に設けられているのが望ましい。
本発明に係る空気入りタイヤは、前記繊維強化プラスチックが、引張強度が5.5GPa以上、引張弾性率が260〜320GPaであるのが望ましい。
本発明に係る空気入りタイヤは、前記トレッド部が、前記カーカスのタイヤ半径方向外側に配されたベルト層を具え、前記サイドウォール補強層のタイヤ半径方向の外端と、前記ベルト層のタイヤ軸方向の外端との間のタイヤ軸方向の距離が5mm以下であるのが望ましい。
本発明に係る空気入りタイヤは、前記サイドウォール補強層のタイヤ半径方向の内端と、前記ビードコアのタイヤ半径方向の外端との間のタイヤ半径方向の距離が、5mm以下であるのが望ましい。
本発明に係る空気入りタイヤは、前記トレッド部が、前記カーカスのタイヤ半径方向外側に配されたベルト層を具え、前記サイドウォール補強層のタイヤ半径方向の外端は、前記ベルト層のタイヤ軸方向の外端よりもタイヤ軸方向外側に位置し、前記サイドウォール補強層の前記内端は、前記ビードコアの前記外端よりもタイヤ半径方向外側に位置するのが望ましい。
本発明の空気入りタイヤは、トレッド部から両側のサイドウォール部をへて両側のビード部のビードコアに至るカーカスを具えている。そして、サイドウォール部の少なくとも一方に、繊維強化プラスチックからなるサイドウォール補強層を具える。このようなサイドウォール補強層を具える空気入りタイヤは、高いサイドウォール部剛性を有するため、耐久性能、とりわけランフラット耐久性能が向上する。また、このようなサイドウォール補強層は、ゴムに比して比重が小さいため、従来の断面三日月状の補強ゴム層を有したランフラットタイヤに比して、タイヤの質量を低減し、小さな転がり抵抗を提供する。
本発明の一実施形態を示す空気入りタイヤの断面図である。 図1の右側のサイドウォール部及びビード部の拡大図である。 サイドウォール補強層の側面図である。 他の実施形態を示すサイドウォール補強層の斜視図である。 比較例のタイヤの断面図である。
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
図1は、本実施形態の空気入りタイヤ1の正規状態におけるタイヤ子午線断面図である。図1に示されるように、本実施形態の空気入りタイヤ(以下、単に「タイヤ」ということがある。)1は、例えば乗用車用のタイヤ、特にはランフラットタイヤとして好適に利用される。
前記「正規状態」とは、タイヤが正規リム(図示省略)にリム組みされかつ正規内圧が充填された無負荷の状態である。本明細書では、特に断りがない場合、タイヤの各部の寸法等は、この正規状態において測定される値である。
「正規リム」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めているリムであり、例えばJATMAであれば"標準リム"、TRAであれば "Design Rim" 、ETRTOであれば "Measuring Rim"である。また、「正規内圧」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば"最高空気圧"、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "INFLATION PRESSURE" である。タイヤが乗用車用である場合は、正規内圧は、180kPaである。
タイヤ1は、路面と接地するトレッド面2aを有するトレッド部2と、そのタイヤ軸方向両端からタイヤ半径方向内方にのびる一対のサイドウォール部3と、各サイドウォール部3のタイヤ半径方向内方に設けられたビード部4とを具えている。サイドウォール部3には、その外面を形成するサイドウォールゴム3Gが設けられている。
本実施形態のタイヤ1は、カーカス6と、ベルト層7と、バンド層8と、インナーライナ層9と、サイドウォール補強層10とを含んでいる。
カーカス6は、トレッド部2からサイドウォール部3を経てビード部4のビードコア5に至るトロイド状のカーカスプライ6Aから構成されている。カーカスプライ6Aは、タイヤ赤道C方向に対して例えば75〜90°の角度で配列されたカーカスコードを有している。本実施形態のカーカスプライ6Aは、カーカスプライ6Aの両側の端部6eが、ビードコア5で折り返されることなくビードコア5に至って終端している。これにより、タイヤ質量が効果的に低減される。カーカスプライ6Aは、このような態様に限定されるものではなく、例えば、ビードコア5の回りをタイヤ軸方向内側から外側に折り返される折返し部(図示省略)を含む態様でも良い。
カーカスコードには、有機繊維が好適に用いられ、本実施形態ではアラミドが採用されている。このようなアラミドは、タイヤ質量を効果的に低減し得る。なお、カーカスコードには、ポリエステル、レーヨン、ナイロンも採用され得る。
カーカスコードがアラミドの場合、タイヤ質量を小さくしつつタイヤの耐久性能を大きく維持するため、エンズが40〜60本、コード繊度が600〜1400dtex/2、及び、撚り数が50〜70回であるのが望ましい。エンズは、プライ幅5cm当たりの各コードの打ち込み本数である。撚り数は、コード10cm当たりの撚り数である。
ベルト層7は、カーカスプライ6Aのタイヤ半径方向外側に配されている。ベルト層7は、少なくとも2枚以上、本実施形態ではタイヤ半径方向内、外2枚のベルトプライ7A、7Bからなる。各ベルトプライ7A、7Bは、タイヤ赤道Cに対して15〜40°の角度で傾けられた例えばスチールコード等の高弾性のベルトコードを有している。
本実施形態の内のベルトプライ7Aは、その外端7eが、トレッド端Teの近傍に設けられている。このような内のベルトプライ7Aは、大きなタガ効果を発揮することができる。内のベルトプライ7Aのタイヤ軸方向の幅Waは、好ましくはトレッド接地幅TWの90%〜110%である。
「トレッド端」Teは、正規状態のタイヤに、正規荷重を負荷してキャンバー角0度で平面に接地させたときの最もタイヤ軸方向外側の接地位置として定められる。正規状態において、各トレッド端Te、Te間のタイヤ軸方向の距離がトレッド接地幅TWとして定められる。
「正規荷重」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている荷重であり、JATMAであれば "最大負荷能力" 、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "LOAD CAPACITY" である。タイヤが乗用車用の場合、正規荷重は、前記荷重の88%に相当する荷重である。
バンド層8は、ベルト層7とトレッド面2aとの間に配されている。バンド層8は、例えば、バンドコードを周方向に対して5度以下の角度で螺旋状に巻回させた1枚以上、本実施形態では、1枚のバンドプライ8Aから形成される。本実施形態のバンド層8は、ベルト層7の幅よりも大きい幅を有したフルバンドプライとして形成されている。バンド層8は、例えば、ベルト層7のタイヤ軸方向外端部のみを被覆する左右一対のエッジバンドプライでも良い。
バンドコードには、有機繊維が好適に用いられ、本実施形態ではアラミドが採用されている。バンドコードには、例えば、ポリエステル、レーヨン、ナイロンも採用され得る。バンドコードがアラミドの場合、例えば、エンズが、40〜60本、コード繊度が600〜1400dtex/2、及び、撚り数50〜70回であるのが望ましい。
インナーライナ層9は、カーカス6の内側に配され、タイヤ内腔面2bを形成している。インナーライナ層9は、例えばブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム等の非空気透過性のゴムからなり、タイヤ内腔内に充填される充填空気を気密に保持する。
各ビード部4において、ビードコア5は、例えば、カーカス6のタイヤ軸方向内側の内側ビードコア片5Aと、カーカス6のタイヤ軸方向外側の外側ビードコア片5Bとから構成されている。内側ビードコア片5A、外側ビードコア片5Bは、本実施形態では、非伸張性のビードワイヤ(図示省略)をタイヤ周方向に複数回巻き付けたワイヤ巻重ね体12からなる。内側ビードコア片5A、外側ビードコア片5Bは、夫々、タイヤ軸方向の内外に重ねられた2つのワイヤ巻重ね体12a、12bで形成されている。内側ビードコア片5Aと外側ビードコア片5Bとの間で、カーカスプライ6Aの端部6eが保持されている。
ビード部4には、カーカスプライ6Aに沿ってタイヤ半径方向にのびるビードエーペックスゴム13と、ビード外面4aを形成するクリンチゴム14とがさらに設けられている。
図2は、図1の右側のサイドウォール部3及びビード部4の拡大図である。図2に示されるように、ビードエーペックスゴム13は、カーカスプライ6Aよりもタイヤ軸方向内側に配された内側エーペックス部15と、カーカスプライ6Aよりもタイヤ軸方向外側に配された外側エーペックス部16とを含んでいる。本実施形態では、ビードコア5よりもタイヤ半径方向の内側で、内側エーペックス部15と外側エーペックス部16が接続されている。
内側エーペックス部15は、外側エーペックス部16よりもタイヤ半径方向の高さが小さいのが望ましい。これにより、内圧によって大きな応力が作用するビード部4のタイヤ軸方向外側部分の剛性が高められるとともに、相対的に小さな応力が作用する内側エーペックス部15を小型化して、ゴム質量の増加を抑制することができる。このため、転がり抵抗性能と耐久性能とがバランス良く向上する。
上述の作用を効果的に発揮させるため、内側エーペックス部15のタイヤ半径方向の高さHaは、外側エーペックス部16のタイヤ半径方向の高さHbの0.40〜0.70倍であるのが望ましい。
タイヤ質量の低減化とビード部4の剛性を確保する観点より、内側エーペックス部15の高さHaは、タイヤ断面高H(図1に示す)の10%〜35%であるのが望ましい。
ビードエーペックスゴム13は、曲げ剛性を確保しつつ、柔軟に変形してカーカスプライ6Aとの剥離を抑制する観点より、その複素弾性率E*が、例えば、30〜100MPa程度が望ましい。ビードエーペックスゴム13の損失正接tanδは、転がり抵抗性能と耐久性能とをバランス良く向上するため、例えば、0.10〜0.25程度が望ましい。
本明細書において、複素弾性率E*及び損失正接tanδは、JIS−K6394の規定に準拠して、下記の条件で、株式会社岩本製作所製の粘弾性スペクトロメータを用いて測定された値である。
初期歪:10%
振幅:±2%
周波数:10Hz
変形モード:引張
測定温度:70°C
クリンチゴム14は、本実施形態では、ビードエーペックスゴム13をタイヤ軸方向内側から外側へ覆うように配された断面略U字状である。クリンチゴム14は、リム(図示しない)との接触による摩耗を防止するため、硬質のゴムで形成されている。
クリンチゴム14は、内側エーペックス部15のタイヤ軸方向内側に配された内側部分14Aと、外側エーペックス部16に沿ってのびる外側部分14Bとを有している。内側部分14Aは、ビードコア5のタイヤ半径方向の外端5eよりもタイヤ半径方向内側で終端している。これにより、タイヤ質量の増加が抑制される。
サイドウォール補強層10は、サイドウォール部3に設けられている。本実施形態のサイドウォール補強層10は、両側のサイドウォール部3に設けられている。
サイドウォール補強層10は、繊維強化プラスチックで形成されている。このようなサイドウォール補強層10は、サイドウォール部3の剛性を高めるため、耐久性能、とりわけランフラット耐久性能を向上し得る。また、このようなサイドウォール補強層10は、ゴムに比して比重が小さいため、従来の補強ゴム層を有したランフラットタイヤに比して、タイヤの質量を低減し得る。
サイドウォール補強層10は、カーカス6のタイヤ軸方向内側に設けられている。このようなサイドウォール補強層10には、ランフラット走行時、圧縮応力が作用するが、繊維強化プラスチックは、大きな圧縮強度を有している。従って、本実施形態のサイドウォール補強層10は、良好なランフラット耐久性能を発揮し得る。
サイドウォール補強層10は、本実施形態では、実質的に一定の厚さを有する薄いシート状で形成されている。即ち、繊維強化プラスチックは、従来の繊維強化ゴムに比して、引張強度や引張弾性率が大きいため、サイドウォール補強層10を、薄いシート状で形成することができる。これにより、サイドウォール部3の厚さを小さく確保できる。
図3は、サイドウォール補強層10の側面図である。図3に示されるように、サイドウォール補強層10の繊維強化プラスチックは、プラスチック材(マトリックス材)19と強化繊維20とを含む複合体である。プラスチック材19としては、例えばポリエステル、エポキシ、フェノールまたはポリイミド等の熱硬化性樹脂、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリブチレンテレフタレート等の熱可塑性樹脂などが採用しうる。なかでも、エポキシ、ポリエステル、ポリエチレン、およびビニルエステルの群からなる少なくとも1種類以上の樹脂を用いることが強度、生産性、コスト等の観点から好ましい。
また、強化繊維20としては、例えばガラス繊維、ボロン繊維、等の無機繊維、全芳香族ポリアミド繊維、全芳香族ポリエステル繊維、超高分子量ポリエチレン繊維、高強度ビニロン繊維または高強度アクリル繊維等の有機繊維、グラファイト等が用いられ得る。なかでも、炭素繊維を平行に引き揃えたシート状体を用いることが、強度、生産性、コスト等の観点から好ましい。特に好ましくは、JISR7601の「炭素繊維試験方法」に準じて測定された繊維の引張弾性率が50〜1000GPa、より好ましくは100〜800GPaのものが好ましい。
繊維強化プラスチックの強化繊維20の配合量は、小さくなると、剛性向上効果が低下するおそれがあり、大きくなると、カーカス6やインナーライナ層9と剥離し易くなる他、繊維強化プラスチックが割れやすくなり、ランフラット耐久性能が悪化するおそれがある。このような観点から、強化繊維20は、繊維強化プラスチックのプラスチック成分100質量%に対して、好ましくは25質量%以上、より好ましくは30質量%以上で含有されているのが望ましく、また好ましくは40質量%以下、より好ましくは35質量%以下で含有されているのが望ましい。
本実施形態の強化繊維20の配向は、好ましくはタイヤ放射方向に対する角度αが15°以下である。このように強化繊維20の配向の向きを特定することにより、サイドウォール部3の縦剛性が、より一層、効果的に高められ、サイドウォール部3の縦ひずみが抑制されて、ランフラット耐久性能が向上する。強化繊維20の角度αは、強化繊維20の長さの中間位置における角度である。なお、上記配向とは、加工技術を考慮して、強化繊維20の80%以上が上記角度の範囲内にあることを意味する。
このような繊維強化プラスチックは、その引張弾性率が、好ましくは260〜320GPaである。引張弾性率Tが260GPa未満の場合、サイドウォール部3の縦剛性を高めることができず、耐久性能、とりわけランフラット耐久性能を高めることができないおそれがある。引張弾性率が320GPaを超える場合、サイドウォール部3の縦剛性が過度に大きくなり、乗り心地性能が悪化するおそれがある。
上述の作用を効果的に発揮させる観点より、繊維強化プラスチックは、その引張強度が、好ましくは5.5〜6.5GPaである。なお前記「引張弾性率」、「引張強度」は、それぞれJIS K7113の「プラスチックの引張試験方法」に準拠して測定した値である。
特に、限定されるものではないが、サイドウォール部3の剛性を確保しつつ空気抵抗を小さくするため、サイドウォール補強層10の厚さtは、好ましくは1.0〜1.5mmである。
サイドウォール補強層10は、そのタイヤ半径方向の外端10eが、ベルト層7のタイヤ軸方向の外端7e(本実施形態では、内のベルトプライ7Aの外端)の近傍に設けられるのが望ましい。また、サイドウォール補強層10のタイヤ半径方向の内端10iは、ビードコア5のタイヤ半径方向の外端5eの近傍に設けられるのが望ましい。これにより、サイドウォール部3の縦剛性を効果的に高めることができる。
上述の作用を効果的に高めるため、サイドウォール補強層10の外端10eとベルト層7の外端7eとのタイヤ軸方向の距離W1は、より好ましくは、5mm以下である。同様に、サイドウォール補強層10の内端10iとビードコア5の外端5eとのタイヤ半径方向の距離H1は、より好ましくは5mm以下である。
サイドウォール補強層10の外端10eは、ベルト層7の外端7eよりもタイヤ軸方向外側に位置するのがさらに望ましい。これにより、サイドウォール補強層10とベルト層7とがタイヤ軸方向に重なることがなく、トレッド部2の剛性の過度の増加とタイヤ質量の増加とが抑制され、乗り心地性能と転がり抵抗性能とが高く確保される。
サイドウォール補強層10の内端10iは、ビードコア5の外端5eよりもタイヤ半径方向の外側に位置するのがさらに望ましい。これにより、ビード部4の剛性の過度の増加とタイヤ質量の増加とが抑制される。
サイドウォール補強層10は、内側エーペックス部15と接しているのが望ましい。本実施形態では、サイドウォール補強層10の内端10iのタイヤ軸方向内側に内側エーペックス部15が配されている。これにより、旋回走行時に大きな荷重が作用する内側エーペックス部15のタイヤ半径方向の外端近傍の剛性を高めることができ、さらにランフラット耐久性能が向上する。
サイドウォール補強層10と内側エーペックス部15とのタイヤ半径方向の重なり長さH2は、好ましくは内側エーペックス部15の高さHaの10%以上である。重なり長さH2が大きい場合、タイヤ質量が大きくなる。このため、重なり長さH2は、好ましくは内側エーペックス部15の高さHaの30%以下である。
このようなサイドウォール補強層10は、例えば、短尺かつテープ状の樹脂シート材(図示省略)を、剛性中子(図示省略)のサイドウォール部に配置して形成される。剛性中子は、タイヤ内腔面を成形する外表面を具えかつ金属材料で形成された周知構造のものが採用される。樹脂シートは、例えば、炭素繊維を含有し、幅は3〜9mm、厚さは0.09〜0.1mmである。樹脂シートの長さは、サイドウォール補強層10のタイヤ半径方向の長さによって決定される。本実施形態では、樹脂シートの長手方向が、繊維の配向であり、樹脂シートをタイヤ半径方向に沿うようにして、タイヤ周方向及びタイヤ軸方向に複数枚貼付けられる。そして、他のゴム部材とともに生タイヤが形成され、加硫成形されることで樹脂が熱硬化して、サイドウォール補強層10は、上述の強度を発揮する。
図4は、タイヤ内控面2b側から見た、他の実施形態のサイドウォール補強層10の部分斜視図である。図4に示されるように、この実施形態のサイドウォール補強層10は、タイヤ半径方向にのびるリブ24を有している。このようなサイドウォール補強層10は、サイドウォール部3の剛性を大きくできるため、ランフラット耐久性能が、一層、向上する。
図1に示されるように、本実施形態のタイヤ1は、例えば、タイヤ断面幅SWが115〜165mm、タイヤが用いられるリムのリム径が18〜20インチ、偏平率が0.6〜0.7であるのが望ましい。タイヤ断面幅SWが115mm未満の場合、耐久性が悪化するおそれがある。タイヤ断面幅SWが165mmを超える場合、空気抵抗の低減効果が小さくなるおそれがある。リム径が18インチ未満の場合、ベルト層7の歪が大きくなり、転がり抵抗性能が悪化するおそれがある。リム径が20インチを超える場合、リム質量が大きくなり、転がり抵抗性能が悪化するおそれがある。偏平率が0.6未満の場合、タイヤ質量が増加するおそれがある。偏平率が0.7を超える場合、サイドウォール部3の剛性が小さくなり、耐久性能が悪化するおそれがある。
なお、タイヤ断面幅SWは、正規状態でのタイヤ最大幅点M、M間のタイヤ軸方向距離である。タイヤ最大幅点Mは、サイドウォール部3に設けられた文字、模様及びリムプロテクタなどを除外したタイヤ断面輪郭形状から定められる。タイヤ最大幅点Mは、具体的にはカーカス6の最大幅をなす点mと実質的に同じ高さにある。
以上、本発明の実施形態について、詳述したが、本発明は例示の実施形態に限定されるものではなく、種々の態様に変形して実施しうるのは言うまでもない。
図1の基本構造を有するサイズ155/65R19の空気入りタイヤが、表1の仕様に基づき試作され、各試供タイヤの転がり抵抗性能、ランフラット耐久性能、乗り心地性能及びタイヤ質量がテストされた。各試供タイヤの主な共通仕様やテスト方法は、以下の通りである。
ビードエーペックスゴムの複素弾性率E*:55MPa
ビードエーペックスゴムの損失正接tanδ:0.2
また、表1のタイヤ軸方向の距離W1、タイヤ半径方向の距離H1の正負は、以下の通りである。
W1:サイドウォール補強層の外端が、ベルト層の外端のタイヤ軸方向外側に位置する場合を正、ベルト層の外端のタイヤ軸方向内側に位置する場合を負とする。
H1:サイドウォール補強層の内端が、ビードコアの外端のタイヤ半径方向外側に位置する場合を正、ビードコアの外端のタイヤ半径方向内側に位置する場合を負とする。
テスト方法は、次の通りである。
<転がり抵抗>
転がり抵抗試験機のドラム上を、下記の条件で各試供タイヤを走行させ、このときの転がり抵抗が測定された。結果は、転がり抵抗の逆数であり、比較例の値を100とする指数で表示された。数値が大きいほど良好である。
ドラムの直径:1.7m
内圧:230kPa
荷重:4.8kN
速度:80km/h
<ランフラット耐久性能>
上記ドラム試験機を用い、下記の条件で、試供タイヤをランフラット走行させ、タイヤから異音が発生するまでの走行距離が測定された。結果は、比較例の走行距離を100とする指数で表示されている。比較例の1.1倍の走行距離でテストが中止された。数値が大きい程、良好である。
リム:18×8.0J
内圧:0kPa(バルブコア除去)
荷重:4.53kN
速度:80km/h
<乗り心地性能>
試供用タイヤが、下記の条件で、排気量2000ccの国産乗用車の全輪に装着された。テストドライバーは、この車両を乾燥アスファルト路面のテストコースを走行させ、そのときのバネ上の動き、当たりの硬さ、剛性感等に関する乗り心地性能がテストドライバーの官能により評価された。結果は、比較例を100とする評点で表示されている。数値が大きい程、良好である。
リム :17×7JJ
内圧 :230kPa
<タイヤ質量>
タイヤ1本当たりの質量が測定された。結果は、比較例の逆数を100とする指数で表示されている。数値が大きいほど良好である。
テストの結果を表1に示す。
Figure 0006251149
Figure 0006251149
テストの結果、実施例のタイヤは、比較例に比べて各種性能がバランス良く向上していることが確認できた。また、タイヤサイズ195/65R15のタイヤテストを行ったが、転がり抵抗が良くなかった。
1 空気入りタイヤ
2 トレッド部
3 サイドウォール部
4 ビード部
5 ビードコア
6 カーカス
10 サイドウォール補強層

Claims (5)

  1. トレッド部から両側のサイドウォール部をへて両側のビード部のビードコアに至るカーカスを具えた空気入りタイヤであって、
    前記サイドウォール部の少なくとも一方に、繊維強化プラスチックからなるサイドウォール補強層を具え
    前記トレッド部は、前記カーカスのタイヤ半径方向外側に配されたベルト層を具え、
    前記サイドウォール補強層のタイヤ半径方向の外端と、前記ベルト層のタイヤ軸方向の外端との間のタイヤ軸方向の距離が5mm以下であることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記サイドウォール補強層は、前記カーカスのタイヤ軸方向内側に設けられている請求項1記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記繊維強化プラスチックは、引張強度が5.5GPa以上、引張弾性率が260〜320GPaである請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記サイドウォール補強層のタイヤ半径方向の内端と、前記ビードコアのタイヤ半径方向の外端との間のタイヤ半径方向の距離は、5mm以下である請求項1乃至3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記トレッド部は、前記カーカスのタイヤ半径方向外側に配されたベルト層を具え、
    前記サイドウォール補強層のタイヤ半径方向の外端は、前記ベルト層のタイヤ軸方向の外端よりもタイヤ軸方向外側に位置し、
    前記サイドウォール補強層の前記内端は、前記ビードコアの前記外端よりもタイヤ半径方向外側に位置する請求項4記載の空気入りタイヤ。
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