JP2009120023A - ランフラットタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】大幅な質量増加を伴うことなく乗り心地及び耐久性を向上する。
【解決手段】カーカス6とベルト層7と断面略三日月状のサイド補強ゴム層9とを具えるランフラットタイヤ1である。カーカス6のカーカスコードは、撚り係数Tが0.5〜0.7であるアラミド繊維からなる。カーカス6とベルト層7との間には、タイヤ軸方向にのびるインスレーションゴム11を有する。インスレーションゴム11は、トレッド中央部に配されたクラウンゴム部12と、その両外側に配されかつクラウンゴム部12とは配合が異なる一対のショルダーゴム部13とを少なくとも含む。前記クラウンゴム部12の硬さが70〜99度であり、かつ前記ショルダーゴム部13の硬さ及び損失正接tanδは、前記クラウンゴム部12の硬さ及び損失正接tanδよりも小さい。
【選択図】図1

Description

本発明は、パンク時でも一定の速度で継続した走行が可能なランフラットタイヤに関し、詳しくは大幅な質量増加を伴うことなく乗り心地及び耐久性を向上しうるランフラットタイヤに関する。
従来、図9に示されるように、パンク等によってタイヤの空気が抜けた場合でも、比較的高速度で一定の距離を継続走行(以下、このような走行を「ランフラット走行」と言う。)しうるランフラットタイヤbが知られている(下記特許文献1ないし2参照)。このようなランフラットタイヤbは、サイドウォール部に断面略三日月状の補強ゴム層cが設けられ、この補強ゴム層cによって剛性を高められたサイドウォール部が、空気圧に代わってタイヤに作用する荷重を実質的に支持する。これにより、タイヤの縦撓みが最小限に抑えられ、ひいてはランフラット走行が可能となる。
ところで、ランフラット走行中、トレッド部dは、両側のサイドウォール部の撓みに伴い幅方向の大きな圧縮力を受け、そのクラウン部d1がタイヤ半径方向内側へ大きく撓む。このようなクラウン部d1の大きな撓みが長時間繰り返されると、トレッド部においてゴムとコードの剥離が誘発されやすい。
また上記の撓み基づき、タイヤbは、クラウン部d1の両側であるショルダー部d2だけで接地することになる。このような走行は、ショルダー部d2の接地圧を高め、該ショルダー部d2での発熱や摩耗を促進する。そして、例えばベルト層eのエッジ等に亀裂が生じ、これが成長してタイヤの破壊等を招く場合がある。
このようなクラウン部d1の撓みを抑えるために、トレッドゴムの厚さTを大きくし耐圧縮剛性を高めることが考えられる。しかしながら、この方法では、通常走行時での接地面において、ベルト層eと路面との距離が大きくなり、ひいては旋回時の応答性を悪化させるなど操縦安定性が低下しやすい。
また、本件出願人は、前述のクラウン部d1の撓みを抑制するために、下記特許文献3を既に提案した。この提案は、トレッド部dにおいて、ベルト層とカーカスとの間に補強ゴム層を配することを教える。しかしながら、該補強ゴムは、全体が1種類のゴムで構成されているため、クラウン部d1とショルダー部d2とにそれぞれ異なった特性を与えることができず、耐久性の向上等に関してはさらなる改善の余地がある。
特開2002−301911号公報 特許第2994989号公報 特開2002−12004号公報
本発明は、以上のような問題点に鑑み案出なされたもので、高弾性であるアラミド繊維コードをカーカスコードに使用するとともに、カーカスとベルト層との間にインスレーションゴムを配置することを基本として、タイヤ質量の大幅な増加を伴うことなくランフラット走行時における操縦安定性と耐久性とを向上しうるランフラットタイヤを提供することを主たる目的としている。
本発明のうち請求項1記載の発明は、トレッド部からサイドウォール部をへてビード部のビードコアに至るカーカスと、トレッド部の内方かつ前記カーカスの半径方向外側に配されるベルト層と、前記サイドウォール部のカーカス内側に配された断面略三日月状のサイド補強ゴム層とを具えるランフラットタイヤであって、前記カーカスは、タイヤ赤道に対して45〜90°の角度で配列したカーカスコードをトッピングゴムで被覆したカーカスプライからなるとともに、前記カーカスコードは、下式(1)で示される撚り係数Tが0.5〜0.7であるアラミド繊維からなり、しかも前記カーカスと前記ベルト層との間には、タイヤ軸方向にのびるインスレーションゴムを有し、前記インスレーションゴムは、トレッド中央部に配されたクラウンゴム部と、そのタイヤ軸方向の両外側に配されかつ前記クラウンゴム部とは配合が異なる一対のショルダーゴム部とを少なくとも含み、前記クラウンゴム部の硬さが70〜99度であり、かつ前記ショルダーゴム部の硬さ及び損失正接tanδは、前記クラウンゴム部の硬さ及び損失正接tanδよりも小さいことを特徴とする。
T=N×√{(0.125×D/2)/ρ}×10-3 …(1)
ただし、Nは上撚り数(回/10cm)、Dはコードのトータル表示デシテックス(繊度)、ρはコード材料の比重である。
また請求項2記載の発明は、前記クラウンゴム部の損失正接tanは0.15〜0.25であり、かつ前記ショルダーゴム部の硬さは50度以上かつ70度未満しかも損失正接tanδは0.04〜0.12である請求項1記載のランフラットタイヤである。
また請求項3記載の発明は、前記ベルト層は、タイヤ半径方向に重ねられた複数のベルトプライから構成されるとともに、前記インスレーションゴムのタイヤ軸方向の幅は、タイヤ半径方向の最も外側に配されたベルトプライのタイヤ軸方向の幅の90〜110%である請求項1又は2記載のランフラットタイヤである。
また請求項4記載の発明は、前記ベルト層は、タイヤ半径方向に重ねられた複数のベルトプライから構成されるとともに、前記クラウンゴム部のタイヤ軸方向の幅は、タイヤ半径方向の最も外側に配されたベルトプライのタイヤ軸方向の幅の60〜85%である請求項1乃至3のいずれかに記載のランフラットタイヤである。
また請求項5記載の発明は、前記インスレーションゴムの厚さは2.0〜10.0mmである請求項1乃至4のいずれかに記載のランフラットタイヤである。
また請求項6記載の発明は、前記カーカスコードの前記撚り係数Tが0.6〜0.7である請求項1乃至5のいずれかに記載のランフラットタイヤである。
また請求項7記載の発明は、前記カーカスプライの前記トッピングゴムは、複素弾性率E*tが5〜13MPaである請求項1乃至6のいずれかに記載の空気入りタイヤである。
また請求項8記載の発明は、正規リムにリム組みされかつ正規内圧が充填された無負荷である正規無負荷状態のタイヤ回転軸を含むタイヤ子午線断面において、タイヤ外面のプロファイルは、前記タイヤ外面とタイヤ赤道(C)との交点(CP)からタイヤ最大幅(SW)の45%の距離(SP)を隔てるタイヤ外面上の点を(P)とするとき、前記交点(CP)から前記点(P)までの区間においてタイヤ外面の曲率半径(RC)は徐々に減少するとともに、次の関係を満足する請求項1乃至7のいずれかに記載のランフラットタイヤである。
0.05< Y60 /H ≦0.1
0.1< Y75 /H ≦0.2
0.2< Y90 /H ≦0.4
0.4< Y100 /H ≦0.7
ここで、Y60、Y75、Y90及びY100 は、前記交点(CP)からタイヤ軸方向にタイヤ最大幅の半幅(SW/2)の60%、75%、90%及び100%のタイヤ軸方向距離をそれぞれ隔てるタイヤ外面上の各点P60、P75、P90及びP100 と、前記交点(CP)とのタイヤ半径方向の各距離、Hはタイヤ断面高さである。
また、前記損失正接及び複素弾性率はJIS−K6394の規定に準じて、次に示される条件で粘弾性スペクトロメータを用いて測定した値である。
初期歪:10%
振幅:±1%
周波数:10Hz
変形モード:引張
測定温度:70°
本発明のランフラットタイヤは、耐熱性に特に優れるアラミド繊維コードがカーカスコードとして用いられる。従って、ランフラット走行時の温度上昇によるカーカスコード損傷を抑制できる。また、アラミド繊維コードは高弾性であり荷重支持能力を高めることができるため、カーカスプライ枚数の低減(軽量化)を図りながら、ランフラット走行時のタイヤの縦撓み量を軽減できる。しかも、このような高弾性のカーカスコードは、ランフラット走行時において、トレッド中央部の半径方向内方への撓みを抑制し、ひいてはトレッドショルダー部での発熱を軽減しうる。
また、本発明のランフラットタイヤは、カーカスとベルト層との間に、トレッド幅方向にのびるインスレーションゴムを有する。このインスレーションゴムにおいて、トレッド中央部に配されたクラウンゴム部は、圧縮応力に対して相対的に高い抵抗性を示す硬質のゴムから形成される一方、クラウンゴム部のタイヤ軸方向の両外側に配された一対のショルダーゴム部は、クラウンゴム部よりも相対的に低発熱性のゴムから形成される。このようなランフラットタイヤは、前記アラミド繊維のカーカスコードとの相乗作用により、ランフラット走行時において、トレッド中央部の半径方向内方への撓みをさらに抑制するとともに、トレッドショルダー部での発熱を軽減しうる。
従って、本発明のランフラットタイヤは、ランフラット耐久性をより一層高めうる。またランフラット走行時の操縦安定性も向上でき、ランフラット走行における高速化及び長距離化を達成しうる。
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
図1は、本実施形態のランフラットタイヤ1の正規無負荷状態における断面図、図2はそのトレッド部の要部拡大図、図3は正規無負荷状態から内圧を零としかつ正規荷重を負荷した前記タイヤ1のランフラット状態の断面図がそれぞれ示される。なお、特に言及が無い場合、タイヤの各部寸法等は、前記正規無負荷状態での値とする。
ここで、前記「正規無負荷状態」とは、ランフラットタイヤ1が、正規リムJにリム組みされかつ正規内圧が充填された無負荷の状態とする。
また、前記「正規リム」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えばJATMAであれば標準リム、TRAであれば "Design Rim" 、ETRTOであれば "Measuring Rim"とする。さらに、前記「正規内圧」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば最高空気圧、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "INFLATION PRESSURE" とするが、タイヤが乗用車用である場合には180kPaとする。さらに、前記「正規荷重」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている荷重であり、JATMAであれば最大負荷能力、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "LOAD CAPACITY"とする。
前記ランフラットタイヤ1は、トレッド部2からサイドウォール部3を経てビード部4のビードコア5に至るカーカス6と、このカーカス6のタイヤ半径方向外側かつトレッド部2の内部に配置されたベルト層7と、前記ビードコア5の外面からタイヤ半径方向外側にテーパ状でのびるビードエーペックスゴム8と、前記カーカス6の内側かつサイドウォール部3の領域の少なくとも一部に配された断面略三日月状をなすサイド補強ゴム層9と、本実施形態ではサイド補強ゴム層9のタイヤ軸方向内側に配されたガスバリア性を有するゴムからなるインナーライナーゴム10と、カーカス6とベルト層7との間に配されたインスレーションゴム11とを含んで構成される。
前記カーカス6は、タイヤ赤道Cに対して例えば70〜90°の角度で配列されたカーカスコードを有する少なくとも1枚、本実施形態では1枚のカーカスプライ6Aで形成される。また、カーカスプライ6Aは、前記ビードコア5、5間を跨ってのびるトロイド状の本体部6aと、その両側に設けられかつ前記ビードコア5の周りをタイヤ軸方向内側から外側に折り返された一対の折返し部6bと含む。
前記カーカスプライ6Aの本体部6aと折返し部6bとの間には、前記ビードエーペックスゴム8が配される。該ビードエーペックスゴム8は、例えば硬さが65〜95度以上、より好ましくは70〜90度の比較的硬質のゴムからなることにより、ビード部4の曲げ剛性を高め、ひいては操縦安定性を向上させるのに役立つ。なお、本明細書においては、ゴムの硬さは、温度23℃で測定したJIS−K6253に基づくデュロメータータイプAによる硬さを意味する。
ビードベースラインBLからビードエーペックスゴム8の外端8tまでのタイヤ半径方向の高さhaは、特に限定はされないが、小さすぎるとランフラット状態での操縦安定性が低下しやすい。このような観点より、前記高さhaは、タイヤ断面高さHの20%以上、より好ましくは25%以上が望ましい。他方、前記高さhaが大きすぎると乗り心地の悪化を招くおそれがあるので、好ましくはタイヤ断面高さHの50%以下、より好ましくは45%以下が望ましい。
本実施形態において、カーカスプライ6Aの折返し部6bは、ビードエーペックスゴム8の外端8tをタイヤ半径方向外側に超えてのびており、その外端部6beは、本体部6aとベルト層7との間に挟まれる位置にある。これにより、少ない枚数のカーカスプライ6Aにより、サイドウォール部3が効果的に補強される。
前記ベルト層7は、タイヤ赤道Cに対して例えば10〜35゜の角度で配列されたベルトコード(本実施形態ではスチールコード)を有するベルトプライの複数枚をタイヤ半径方向に重ねて形成される。この実施形態において、ベルト層7は、幅中心を揃えて重ねられた2枚のベルトプライ7A、7Bで構成される。
前記ベルト層7の幅(この例では幅の広い内のベルトプライ7Aの外端7e間の幅)BWiは、タイヤ最大幅SWの0.70〜0.95倍が好ましい。このようなベルト層7は、トレッド部2のほぼ全域に亘ってタガ効果を付与し、タイヤ外面のプロファイルを効果的に保持し得る。また、最もタイヤ半径方向外側に配されたベルトプライ7Bは、そのタイヤ軸方向の幅BWo(図2に示される)が前記ベルト層の幅BWiのほぼ90〜98%程度で形成されるのが望ましい。これにより、ベルトプライ7A及び7Bの外端が重なることによる大きな剛性段差の発生を防止しうる。
ここで、前記タイヤ最大幅SWは、タイヤ最大幅点M、M間のタイヤ軸方向距離である。また、タイヤ最大幅点Mは、サイドウォール部3に設けられた文字、模様及びリムプロテクタなどを除外したタイヤ断面輪郭形状から定められ、具体的にはカーカス6の最大幅をなす点mと実質的に同じ高さにある。
前記サイド補強ゴム層9は、その中央部9aからタイヤ半径方向の内端9i及び外端9oに向かってそれぞれ厚さが徐々に減じられかつサイドウォール部3に沿って滑らかに湾曲した断面略三日月状で形成され、タイヤ周方向に連続してのびている。勿論、該サイド補強ゴム層9は、各サイドウォール部3にそれぞれ設けられている。
本実施形態において、サイド補強ゴム層9の内端9iは、ビードエーペックスゴム8の外端8tよりもタイヤ半径方向内側かつビードコア5よりもタイヤ半径方向外側に設けられる。これにより、サイドウォール部3からビード部4にかけての曲げ剛性がバランス良く向上される。とりわけ、サイド補強ゴム層9とビードエーペックスゴム8との重なり部のタイヤ半径方向の長さWiは、好ましくは5〜50mmである。
また、サイド補強ゴム層9の外端9oは、例えばトレッド部2の内側に至ってのびており、本実施形態では、ベルト層7の外端7eよりもタイヤ軸方向内側に設けられる。これにより、バットレス部等の剛性が効果的に高められる。とりわけ、サイド補強ゴム層9とベルト層7との重なり部のタイヤ軸方向の長さWoは、好ましくは0mmよりも大きくかつ50mm以下である。
サイド補強ゴム層9の内端9i及び外端9o間のタイヤ半径方向の長さL(即ち、サイド補強ゴム層9のタイヤ半径方向長さ)は、特に限定はされないが、小さすぎるとサイドウォール部3への補強効果が低下しやすく、逆に大きすぎても通常走行時での乗り心地やリム組み性を悪化させる傾向がある。このような観点より、前記長さLは、好ましくはタイヤ断面高さHの35%以上、より好ましくは40%以上が望ましく、また、好ましくは70%以下、より好ましくは65%以下が望ましい。
サイド補強ゴム層9の最大厚さtcは、負荷される荷重やタイヤサイズに応じて適宜定めることができるが、小さすぎると、サイドウォール部3を補強する効果が得られ難い。このような観点より、前記最大厚さtcは、好ましくは5mm以上、より好ましくは8mm以上が望ましい。他方、前記厚さtcが大きすぎると、タイヤ質量の増加及び過度の発熱を招くおそれがあるので、該厚さtcは、好ましくは20mm以下、より好ましくは15mm以下が望ましい。
ランフラット走行時におけるタイヤの縦撓みを抑えるために、サイド補強ゴム層9の硬さは、好ましくは30度以上、より好ましくは40度以上、さらに好ましくは60度以上が望ましい。他方、サイド補強ゴム層9の硬さが大きすぎると、タイヤの縦バネが大きくなり、通常走行時の乗り心地を著しく悪化させる傾向があるので、好ましくは90度以下、より好ましくは85度以下が望ましい。
以上のようなランフラットタイヤ1において、本発明では、先ず、ランフラット走行時の操縦安定性及び耐久性を向上するべく、前記カーカスコードにアラミド繊維が採用される。
前記アラミド繊維は、高弾性繊維として知られ、ランフラットタイヤ1のカーカスコードに使用することにより、タイヤの荷重支持能力を高めることができる。従って、例えばカーカスプライ枚数の低減、カーカスコードの細径化、及び/またはコード配列密度(コードエンド数)の低下などによるタイヤの軽量化を図りながら、ランフラット走行時のタイヤ変形を低減できる。しかも、アラミド繊維は、100〜150℃の高温下においても弾性率の低下が、他の有機繊維コード材料に比べて小さく、耐熱性に優れるという特性を有する。従って、ランフラット走行時のタイヤ温度上昇によっても、カーカスコードが強度低下して損傷を招いたり、また弾性率の低下によるタイヤ変形量の増加や、それに伴うさらなるタイヤ温度上昇を招くことを防止できる。その結果、ランフラット耐久性を向上できる。さらにタイヤ温度上昇によっても、高弾性率を維持してタイヤ剛性を高め得るため、ランフラット時の操縦安定性を向上しうる。
他方、アラミド繊維は、弾性率が高いゆえに耐疲労性に劣る傾向がある。そのため本実施形態では、図4に略示されるように、カーカスコード20に、下撚りしたアラミド繊維のフィラメント束21(即ちストランド21)の2本を、さらに上撚りにて互いに撚り合わせた2本撚り構造が採用されるとともに、このときの撚り合わせを、従来よりも高い撚り係数Tで行っている。
ここで、前記「撚り係数T」は、コードの上撚り数をN(単位:回/10cm)、コード1本のトータル表示デシテックス(トータル繊度)をD(単位:dtex)、コード材料の比重をρとしたとき、次式(1)で示される。
T=N×√{(0.125×D/2)/ρ}×10-3 …(1)
そして、この撚り係数Tを0.5〜0.7の範囲まで高めることにより、アラミド繊維コードの欠点である耐疲労性を改善でき、従来のレーヨンコードの場合に比して、ランフラット耐久性を大幅に向上することが可能となる。なお前記カーカスコード20の撚り係数Tが0.5を下回ると、耐疲労性の向上効果が少なく、ランフラット耐久性を十分に高めることができない。逆に、撚り係数Tが0.7を上回ると、コードの撚り加工が難しくなり生産性に不利となる。特に撚り係数Tの下限は0.6以上が好ましく、これによりコードの耐疲労性がさらに改善され、ランフラット耐久性をより一層向上しうる。
なおカーカスコード20では、アラミド繊維の重要な特性である高弾性を活かして優れた補強効果を発揮させるために、2本撚り構造が望ましく採用される。そのとき、下撚り数と、上撚り数とが等しい所謂バランス撚りが好ましいが、撚り数の比(下撚り数/上撚り数)が0.2〜2.0の範囲内、好ましくは0.5〜1.5の範囲内で、下撚り数と上撚り数とを相違させても良い。
また前記トータル表示デシテックスD(繊度)は、特に限定されるものではないが、ランフラットタイヤの場合、1500〜5000dtexの範囲が好ましい。またカーカスプライ6Aにおけるコードエンド数n(本/5cm)と前記トータル表示デシテックスDとの積は、70000〜150000の範囲が好ましく、70000未満では、アラミド繊維コードとはいえ、ランフラット耐久性や操縦安定性が不十分となり、逆に150000を越えると、カーカス剛性が過大となって乗り心地性を損ねるとともに、質量やコストの不必要な増加を招く。このような観点から前記積D×nの下限は100000以上がさらに好ましく、上限は120000以下がさらに好ましい。
さらに、本実施形態では、前記カーカスプライ6Aのトッピングゴムには、従来のものに比して高弾性のゴム、具体的には、複素弾性率E*tが5〜13MPaのゴムが採用されている。このように高弾性のゴムをカーカスコードのトッピングゴムに採用することで、タイヤ変形時、カーカスコード20に掛かる歪みを低減でき、ランフラット耐久性のさらなる向上を達成しうる。なお、前記複素弾性率E*tが5MPaを下回ると前記効果が十分に期待できず、逆に13MPaを上回ると、ゴムが硬くなり過ぎ、乗り心地性が一気に悪化するおそれがある。このような観点から、複素弾性率E*tの下限値は、5.5MPa以上、さらには6MPa以上が好ましく、また上限値は11MPa以下、さらに9MPa以下が好ましい。
また、本発明のランフラットタイヤ1では、カーカス6とベルト層7との間の領域にインスレーションゴム11が配される。このようなインスレーションゴム11は、トレッド部2の耐圧縮剛性を高め、例えば図3に示されるように、トレッド部2のタイヤ半径方向内方への撓み量Lfを従来(図9)に比して小さく抑え得る。このような作用は、撚り係数Tが限定された前記アラミド繊維のカーカスコードとの組み合わせにおいてより一層効果的に発揮される。また、これに伴い、トレッドショルダー部の接地幅TCWを増加させそこでの接地圧の著しい上昇を抑えうる。なお、インスレーションゴム11をカーカス6とベルト層7との間の領域に配した理由は、この領域にゴム層を配しても操縦安定性への影響が比較的小さいためである。
また、前記インスレーションゴム11は、トレッド中央部に配されたクラウンゴム部12と、そのタイヤ軸方向の両外側に配されかつ前記クラウンゴム部12とは配合が異なる一対のショルダーゴム部13、13とから構成される。本実施形態のインスレーションゴム11は、クラウンゴム部12とショルダーゴム部13とが接続されることによりトレッド部2でタイヤ軸方向に連続して形成される。
前記クラウンゴム部12は、上述のトレッド中央部分の撓みを抑制するために、その硬さHdcが少なくとも70度以上、好ましくは75度以上、さらに好ましくは80度以上のゴムで構成されるのが望ましい。前記硬さHdcが70度未満であると、トレッド中央部の耐圧縮剛性を十分に高めることができず、ひいてはタイヤ半径方向内方への撓み量を抑制できない。他方、クラウンゴム部12の硬さHdcが大きすぎると、通常走行時の乗り心地の悪化や、カーカスプライ6A及び/又はベルトプライ7A、7Bのトッピングゴムとの著しい硬度差が生じ、それらの界面で応力集中や接着力低下を招く不具合がある。このような観点より、クラウンゴム部の前記硬さHdcは、99度以下、より好ましくは90度以下、さらに好ましくは85度以下が望ましい。
また、クラウンゴム部12の損失正接tanδは、特に限定されないが、大きすぎると発熱に伴う耐久性の悪化が生じやすくなる。このような観点より、前記損失正接tanδは、好ましくは0.25以下、より好ましくは0.20以下が望ましい。他方、この損失正接tanδの下限も特に限定されないが、小さくしすぎると、上記ゴム硬さを維持するのが困難な傾向がある。このような観点より、クラウンゴム部12の損失正接tanδは、好ましくは0.10以上、より好ましくは0.15以上が望ましい。
また、ランフラット走行時、路面との間で接地及び離間を繰り返すトレッドショルダー部は、トレッド中央部に比べると非常に大きな歪を受ける。このため、該トレッドショルダー部に配されるインスレーションゴム11のショルダーゴム部13には、クラウンゴム部12よりも低発熱性のゴム、即ち、クラウンゴム部12よりも損失正接tanδが小さいゴムが用いられる。
ショルダーゴム部13の損失正接tanδの具体的な値は特に限定されないが、好ましくは0.12以下、より好ましくは0.10以下、さらに好ましくは0.09以下が望ましい。このように、ショルダーゴム部13の損失正接tanδを具体的に限定した場合、ランフラット走行時におけるトレッドショルダー部の発熱をより確実に抑制し、耐久性をさらに向上できる。他方、ショルダーゴム部13の損失正接tanδを小さくしすぎると、十分なゴム硬さが得られない傾向があるので、好ましくは0.04以上、より好ましくは0.06以上が望ましい。
また、ショルダーゴム部13の硬さHdsも特に限定されない。しかしながら、前記硬さHdsが小さすぎると、ベルト層7とカーカス6との間の歪が大きくなって操縦安定性が悪化するおそれがある。このような観点より、ショルダーゴム部13の硬さHdsは、好ましくは50度以上、より好ましくは55度以上が望ましい。他方、ショルダーゴム部13の硬さHdsが大きすぎると、それに伴って損失正接tanδが増加し易くなる他、通常走行時の乗り心地の悪化が生じやすい。このような観点より、前記硬さHdsは、好ましくは70度未満、より好ましくは65度以下が望ましい。
また、ランフラット耐久性及び乗り心地をさらにバランス良く高めるために、クラウンゴム部12の硬さHdcと、ショルダーゴム部13の硬さHdsとの差(Hdc−Hds)は、好ましくは10度以上、より好ましくは15度以上が望ましく、また上限に関しては、好ましくは25度以下、より好ましくは20度以下が望ましい。
また、図2に示されるように、インスレーションゴム11のタイヤ軸方向の幅RWは、タイヤ半径方向の最も外側に配されたベルトプライ7Bのタイヤ軸方向の幅BWoの90〜110%が望ましい。前記インスレーションゴム11の幅RWが、ベルトプライ7Bの幅BWoの90%未満の場合、トレッドショルダー部に広い範囲でショルダーゴム部13を配することができず、ひいては発熱抑制効果が十分に得られないおそれがある。逆に、インスレーションゴム11の幅RWが、ベルトプライ7Bの幅BWoの110%を超える場合、成形工程が困難になる割には発熱抑制効果が期待できない。なお、ベルト層7の性能は、通常、ベルトプライ7A、7Bの重なっている部分の寄与が大きい。また、一般的なタイヤでは、タイヤ半径方向の最も外側に幅の小さいベルトプライが配置されるので、本実施形態では、インスレーションゴム11の幅RWは、前記外側のベルトプライ7Bの幅BWoと関連付けられている。
また、インスレーションゴム11において、クラウンゴム部12のタイヤ軸方向の幅CWは、前記ベルトプライ7Bの前記幅BWoの60%以上、より好ましくは65%以上が望ましい。クラウンゴム部12の幅CWがベルトプライ7Bの前記幅BWoの60%未満の場合、トレッド中央部の撓みを抑制する効果が低下する傾向がある。他方、クラウンゴム部12の幅CWが大きすぎても、ショルダーゴム部13の領域が小さくなり、トレッドショルダー部の発熱抑制効果が低下しやすくなる。このような観点より、クラウンゴム部12の幅CWは、ベルトプライ7Bの幅BWoの80%以下、より好ましくは75%以下が望ましい。なお、本実施形態において、クラウンゴム部12は、その幅中心をタイヤ赤道Cに実質的に揃えて配されている。また、ショルダーゴム部13もタイヤ赤道Cに関して左右対称に設けられている。
また、インスレーションゴム11の厚さtiは、好ましくは2.0mm以上、より好ましくは2.5mm以上、さらに好ましくは3.0mm以上が望ましい。ここで、インスレーションゴム11の厚さは、便宜上、タイヤ赤道Cの位置において、カーカスプライ6Aと最も内側に配されたベルトプライ7Aとのコード間距離として測定されるものとする。インスレーションゴム11の厚さtiが2.0mm未満の場合、特にトレッド中央部において十分な耐圧縮剛性を与えることができないおそれがある。他方、インスレーションゴム11の厚さtiが大きすぎると、発熱性や操縦安定性を悪化させるおそれがある。このような観点より、インスレーションゴム11の厚さtiは、好ましくは10.0mm以下、より好ましくは8.0mm以下、さらに好ましくは6.0mm以下が望ましい。
なお、インスレーションゴム11の厚さtiは一定でも良いし、またトレッドの幅方向で変化しても良い。本実施形態では、少なくともベルト層7とカーカス6との間で実質的に一定の厚さtiでのびる態様が示される。
また、インスレーションゴム11は、図5に示されるように、例えばクラウンゴム部12などに短繊維fを配合することができる。本実施形態において、短繊維fは、その長手方向がインスレーションゴム11の幅方向に沿って配向されている。このようなクラウンゴム部12は、実質的な質量増加を伴うことなく、幅方向Yの耐圧縮剛性がより一層高められる点で好ましい。なお、前記短繊維fとしては、例えばナイロン、ポリエステル、アラミド、レーヨン、ビニロン、芳香族ポリアミド、コットン、セルロース樹脂又は結晶性ポリブタジエンなど有機繊維が好適である。また短繊維fは、ゴムとの接着性を向上させるために、例えば平均繊維径が1〜100μ、平均繊維長が0.1〜5mm程度のものが望ましい。
図6には、インスレーションゴム11のさらに他の実施形態が示される。この実施形態では、インスレーションゴム11の厚さtiが、タイヤ赤道Cからタイヤ軸方向外側に向かって漸増する態様が示される。このようなインスレーションゴム11は、タイヤ断面におけるベルトプライ7Aとカーカスプライ6Aとの曲率差を好ましく吸収しうるともに、厚さが相対的に大きいショルダーゴム部13によって、トレッドショルダー部の発熱がより一層抑制される点で好ましい。
さらに、本実施形態のランフラットタイヤ1は、図7(正規無負荷状態)に示されるようなタイヤ外面のプロファイル(輪郭線)TLを有する。該プロファイルTLはトレッド部2の溝を埋めた状態で特定される。前記正規無負荷状態において、該プロファイルTLは、タイヤ外面とタイヤ赤道Cとの交点CPからタイヤ最大幅SWの45%の距離SPを隔てるタイヤ外面上の点をPとするとき、前記交点CPから前記点Pまでの区間においてタイヤ外面の曲率半径RCをタイヤ軸方向外側に向かって徐々に減少させるとともに、次の関係を満足する。
0.05< Y60 /H ≦0.1
0.1< Y75 /H ≦0.2
0.2< Y90 /H ≦0.4
0.4< Y100 /H ≦0.7
ここで、Y60、Y75、Y90及びY100 は、タイヤ赤道Cからタイヤ軸方向にタイヤ最大幅の半幅(SW/2)の60%、75%、90%及び100%のタイヤ軸方向距離をそれぞれ隔てるタイヤ外面上の各点P60、P75、P90及びP100 と、前記交点CPとのタイヤ半径方向の各距離である。また、前記”H”はタイヤ断面高さである。
また、RY60=Y60/H
RY75=Y75/H
RY90=Y90/H
RY100 =Y100 /H
とすると、上記関係を満足する範囲は図8にグラフとして示される。これらから明らかなように、前記関係を満足するタイヤ外面のプロファイルTLは非常に丸くなる。このため、本プロファイルTLを有するタイヤの接地形状は、接地幅が小さく、また接地長さが大きくなる。これは、走行中のタイヤノイズを減らし、かつ、ハイドロプレーニング性能を向上するのに役立つ。
また、本プロファイルTLは、トレッド部2において撓みやすい領域を増大させる反面、サイドウォール部3の領域を短くする。このため、該プロファイルを具えたランフラットタイヤ1は、タイヤを大幅に軽量化しうる。従って、慣例的なトレッドプロファイルを有するランフラットタイヤに比べ、インスレーションゴム11を設けた場合であってもとしても、実質的なタイヤ質量の増加が抑制される。なお、前記曲率半径RCは、好ましくは本実施形態のように連続的に減少するものが望ましいが、段階的に減少させることもできる。さらに、該プロファイルTLは、タイヤの縦バネを減少させるので、通常走行時の乗り心地に優れる。
本発明は、乗用車用のものとして特に好適であるが、図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施できるのは言うまでもない。
本発明の効果を確認するために、表2の仕様に基づきタイヤサイズ「245/40R18」の本発明に従うランフラットタイヤ(実施例)が複数種類試作され、下記の性能がテストされた。また、比較のために、インスレーションゴムを有しないランフラットタイヤ(比較例1乃至4)及び1種の配合からなるインスレーションゴムを有するタイヤ(比較例5,6)についても併せてテストが行われた。
さらに、タイヤ外面のプロファイルは、次のA、Bの2種類がテストされた。
A:RY60=0.06、RY75=0.08、RY90=0.19、RY100=0.57
B:RY60=0.09、RY75=0.14、RY90=0.37、RY100=0.57
サイド補強ゴム層の共通仕様は次の通りである。
<サイド補強ゴム層の共通仕様>
ベルト層と重なるタイヤ軸方向長さWo:15mm
ビードエーペックスゴムと重なるタイヤ半径方向長さWi:10mm
タイヤ半径方向の長さL:30mm
最大厚さtc:7mm
また、表1には、クラウンゴム部及びショルダーゴム部に用いられた代表的な2種の配合を示す。
さらに、テストの方法は、次の通りである。
<ランフラット耐久性>
各供試タイヤを下記リムにリム組み後、内圧230kPaを充填し、温度38±2℃で34時間放置した後、リムのバルブコアを抜き取ってタイヤ内腔と大気とを自由に連通させた。そして、この状態で、半径1.7mのドラムを有するドラム試験機上を下記条件で走行させ、タイヤが破壊するまでの走行距離が測定された。結果は、比較例1を100とする指数で表示した。数値が大きいほど良好である。
リム:18×8.5J
速度:80km/h
縦荷重:4.14kN
<タイヤ質量>
各供試タイヤの1本当たりの質量が測定された。結果は、比較例1を100とする指数で示す。数値が小さいほど軽量であることを示す。
<縦バネ係数>
リム(18×8.5J)に装着された供試タイヤを内圧230kPa及び荷重5kNの条件で平面に接地させ、タイヤの縦たわみ量が測定された。そして、前記荷重5kNを縦たわみ量で除すことにより、近似的に縦バネ定数を得た。結果は、比較例1を100とする指数で表示した。数値が小さいほど縦バネが小さく乗り心地に有利であることを示す。
<乗り心地・操縦安定性>
排気量4300ccの国産FR車に各供試タイヤを4輪装着するとともに、上記リム及び内圧230kPaの条件でドライアスファルト路面での旋回時の応答性及びグリップ感などに関する操縦安定性をドライバーの官能により評価した。同様に、アスファルト段差路、ベルジャン路(石畳の路面)及びビッツマン路(小石を敷き詰めた路面)等において、ゴツゴツ感、突き上げ及びダンピングといった乗り心地に関する官能評価を行なった。いずれも比較例1を100点とする評点で評価した。数値が大きいほど良好である。
テストの結果などを表2に示す。
テストの結果、実施例のタイヤは、比較例に比べて、タイヤ質量の増加なしにランフラット耐久性を向上していることが確認できた。また、比較例と比べても乗り心地及び操縦安定性において実質的な差異は見られなかった。
本発明の実施形態を示すランフラットタイヤの断面図である。 そのトレッド部を拡大した部分拡大図である。 図1のランフラット状態を示すタイヤの断面図である。 カーカスコードの撚りを説明するための線図である。 インスレーションゴムの他の実施形態を示す斜視図である。 インスレーションゴムのさらに他の実施形態を示すトレッド部の部分拡大断面図である。 タイヤ外面のプロファイルを示す線図である。 タイヤ外面の各位置におけるRYiの範囲を示す線図である。 従来のランフラットタイヤのランフラット状態の断面図である。
符号の説明
1 ランフラットタイヤ
2 トレッド部
3 サイドウォール部
4 ビード部
5 ビードコア
6 カーカス
7 ベルト層
7B 最も外側のベルトプライ
9 サイド補強ゴム層
11 インスレーションゴム
12 クラウンゴム部
13 ショルダーゴム部

Claims (8)

  1. トレッド部からサイドウォール部をへてビード部のビードコアに至るカーカスと、トレッド部の内方かつ前記カーカスの半径方向外側に配されるベルト層と、前記サイドウォール部のカーカス内側に配された断面略三日月状のサイド補強ゴム層とを具えるランフラットタイヤであって、
    前記カーカスは、タイヤ赤道に対して45〜90°の角度で配列したカーカスコードをトッピングゴムで被覆したカーカスプライからなるとともに、前記カーカスコードは、下式(1)で示される撚り係数Tが0.5〜0.7であるアラミド繊維からなり、しかも
    前記カーカスと前記ベルト層との間には、タイヤ軸方向にのびるインスレーションゴムを有し、
    前記インスレーションゴムは、トレッド中央部に配されたクラウンゴム部と、そのタイヤ軸方向の両外側に配されかつ前記クラウンゴム部とは配合が異なる一対のショルダーゴム部とを少なくとも含み、
    前記クラウンゴム部の硬さが70〜99度であり、かつ
    前記ショルダーゴム部の硬さ及び損失正接tanδは、前記クラウンゴム部の硬さ及び損失正接tanδよりも小さいことを特徴とするランフラットタイヤ。
    T=N×√{(0.125×D/2)/ρ}×10-3 …(1)
    ただし、Nは上撚り数(回/10cm)、Dはコードのトータル表示デシテックス(繊度)、ρはコード材料の比重である。
  2. 前記クラウンゴム部の損失正接tanは0.15〜0.25であり、かつ前記ショルダーゴム部の硬さは50度以上かつ70度未満しかも損失正接tanδは0.04〜0.12である請求項1記載のランフラットタイヤ。
  3. 前記ベルト層は、タイヤ半径方向に重ねられた複数のベルトプライから構成されるとともに、前記インスレーションゴムのタイヤ軸方向の幅は、タイヤ半径方向の最も外側に配されたベルトプライのタイヤ軸方向の幅の90〜110%である請求項1又は2記載のランフラットタイヤ。
  4. 前記ベルト層は、タイヤ半径方向に重ねられた複数のベルトプライから構成されるとともに、前記クラウンゴム部のタイヤ軸方向の幅は、タイヤ半径方向の最も外側に配されたベルトプライのタイヤ軸方向の幅の60〜85%である請求項1乃至3のいずれかに記載のランフラットタイヤ。
  5. 前記インスレーションゴムの厚さは2.0〜10.0mmである請求項1乃至4のいずれかに記載のランフラットタイヤ。
  6. 前記カーカスコードの前記撚り係数Tが0.6〜0.7である請求項1乃至5のいずれかに記載のランフラットタイヤ。
  7. 前記カーカスプライの前記トッピングゴムは、複素弾性率E*tが5〜13MPaである請求項1乃至6のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  8. 正規リムにリム組みされかつ正規内圧が充填された無負荷である正規無負荷状態のタイヤ回転軸を含むタイヤ子午線断面において、
    タイヤ外面のプロファイルは、前記タイヤ外面とタイヤ赤道(C)との交点(CP)からタイヤ最大幅(SW)の45%の距離(SP)を隔てるタイヤ外面上の点を(P)とするとき、前記交点(CP)から前記点(P)までの区間においてタイヤ外面の曲率半径(RC)は徐々に減少するとともに、次の関係を満足する請求項1乃至7のいずれかに記載のランフラットタイヤ。
    0.05< Y60 /H ≦0.1
    0.1< Y75 /H ≦0.2
    0.2< Y90 /H ≦0.4
    0.4< Y100 /H ≦0.7
    (ここで、Y60、Y75、Y90及びY100 は、前記交点(CP)からタイヤ軸方向にタイヤ最大幅の半幅(SW/2)の60%、75%、90%及び100%のタイヤ軸方向距離をそれぞれ隔てるタイヤ外面上の各点P60、P75、P90及びP100 と、前記交点(CP)とのタイヤ半径方向の各距離、Hはタイヤ断面高さである。)
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