JP5871250B2 - 乗用車用空気入りラジアルタイヤ - Google Patents

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本発明は、走行性能の改善に加えて軽量化が強く求められる乗用車用空気入りラジアルタイヤに関し、更に詳しくは、操縦安定性及び高速耐久性の改善と軽量化をより高いレベルで実現することを可能にした乗用車用空気入りラジアルタイヤに関する。
乗用車用空気入りラジアルタイヤは、一般に、一対のビード部間にタイヤ径方向に配向する複数本のカーカスコードを含むカーカス層を装架し、トレッド部におけるカーカス層の外周側にタイヤ周方向に対して傾斜する複数本のスチールコードを含むベルト層を配置した構造を有している。このような乗用車用空気入りラジアルタイヤにおいては、操縦安定性や高速耐久性等の走行性能を改善することに加えて、省資源や低燃費の観点から、軽量化を達成することが強く求められている。しかしながら、軽量化によりタイヤ剛性が低下すると、それに伴って操縦安定性や高速耐久性が低下する傾向がある。
これに対して、操縦安定性を犠牲にすることなくタイヤの軽量化を図るために、スチールコードからなる2層のベルト層を有機繊維コードからなる2層のベルト層に置き換え、更に、スチールコードをタイヤ周方向に対してハイアングルで配列させた他のベルト層を追加したタイヤ構造が提案されている(例えば、特許文献1参照)。このようなタイヤ構造はスチールコードの使用量を削減するという点では軽量化に寄与する。しかしながら、ベルト層の枚数が2層から3層に増え、ベルト層のコートコンパウンド量が増えるため、タイヤ全体としては必ずしも軽量化を達成することができないのが現状である。
特開平10−44712号公報
本発明の目的は、操縦安定性及び高速耐久性の改善と軽量化をより高いレベルで実現することを可能にした乗用車用空気入りラジアルタイヤを提供することにある。
上記目的を達成するための本発明の乗用車用空気入りラジアルタイヤは、タイヤ周方向に対して15度〜40度の角度で傾斜する複数本の有機繊維コードを含み該有機繊維コードが層間で互いに交差するように積層された2層の低角度ベルト層と、タイヤ周方向に対して80度〜90度の角度で配列された複数本のスチールコードを含む高角度ベルト層とをトレッド部に備えた乗用車用空気入りラジアルタイヤにおいて、
前記低角度ベルト層を構成する有機繊維コードが各低角度ベルト層の幅方向両端部で終端し、前記低角度ベルト層を構成する有機繊維コードがポリ−パラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維コードであって該有機繊維コードの強度が3000MPa〜6000MPaであると共に、
前記低角度ベルト層及び前記高角度ベルト層を構成するコートコンパウンドの20℃における貯蔵弾性率E’が3MPa〜15MPaであり、かつ60℃におけるtanδが0.03〜0.15であり、
前記低角度ベルト層の下方域にて不連続となるようにタイヤ幅方向に分割された少なくとも1層のカーカス層を一対のビード部間に配置し、前記カーカス層の分割部のタイヤ幅方向の長さが前記低角度ベルト層のうち狭い層の幅の60%以上80%以下であることを特徴とするものである。
本発明では、有機繊維コードからなる2層の低角度ベルト層と、スチールコードからなる高角度ベルト層とを積層しているので、圧縮剛性が高いスチールコードに基づいてベルト部の幅方向の圧縮剛性を確保しながら、高強度の有機繊維コードに基づいてベルト部の周剛性を増加させることができる。これにより、操縦安定性及び高速耐久性を改善することができる。更に、低角度ベルト層及び高角度ベルト層の積層構造に対して分割構造を有するカーカス層を組み合わせた場合、上述の如く改善した操縦安定性及び高速耐久性を損なうことなく、空気入りラジアルタイヤを軽量化することができる。
本発明において、カーカス層の分割部のタイヤ幅方向の長さは低角度ベルト層のうち狭い層の幅の60%以上80%以下とする。これにより、高速耐久性の改善効果を最大限に得ることができる。
低角度ベルト層を構成する有機繊維コードの強度は3000MPa〜6000MPaとする。この場合、有機繊維コードの細径化により低角度ベルト層を薄肉化してタイヤの軽量化を促進することができる。
高角度ベルト層を構成するスチールコードとしてはモノフィラメントを用いることが好ましい。この場合、スチールコードの細径化により高角度ベルト層を薄肉化してタイヤの軽量化を促進することができる。
低角度ベルト層及び高角度ベルト層を構成するコートコンパウンドは20℃における貯蔵弾性率E’を3MPa〜15MPaとし、かつ60℃におけるtanδを0.03〜0.15とする。トレッド部に3層のベルト層を配置した場合、ベルト部の剛性に対するコートコンパウンドの寄与が低下するため、低角度ベルト層及び高角度ベルト層には柔らかく発熱性が低いコートコンパウンドを使用することが可能である。このような柔らかく発熱性が低いコートコンパウンドを使用することにより、走行時における低角度ベルト層及び高角度ベルト層の発熱を抑え、高速耐久性を更に改善することができる。
本発明の実施形態からなる乗用車用空気入りラジアルタイヤを示す子午線断面図である。 図1の乗用車用空気入りラジアルタイヤのカーカス層及びベルト層を抽出して示す展開図である。
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。図1〜図2は本発明の実施形態からなる乗用車用空気入りラジアルタイヤを示すものである。図1において、1はトレッド部、2はサイドウォール部、3はビード部である。左右一対のビード部3,3間にはトレッド部1のセンター領域においてタイヤ幅方向に分割された1層のカーカス層4が配置されている。このカーカス層4はタイヤ径方向に延びる複数本のカーカスコードを含み、各ビード部3に配置されたビードコア5の廻りにタイヤ内側から外側に折り返されている。カーカスコードとしては、ポリエステル繊維コード等の有機繊維コードが使用されている。カーカスコードのタイヤ周方向に対する傾斜角度は80°〜90°の範囲に設定されている。また、ビードコア5の外周上にはビードフィラー6が配置され、このビードフィラー6がカーカス層4の本体部分と折り返し部分との間に挟み込まれている。分割構造を有するカーカス層4は少なくとも1層設けることが必要であるが、2層以上であっても良い。また、分割構造を有するカーカス層4に対して分割構造を持たないカーカス層を組み合わせるようにしても良い。
トレッド部1におけるカーカス層4の外周側には2層の低角度ベルト層7と1層の高角度ベルト層8とが積層されている。より具体的には、高角度ベルト層8は低角度ベルト層7とカーカス層4との間に配置されている。なお、高角度ベルト層8は発熱を抑えるという観点から低角度ベルト層7とカーカス層4との間に配置することが望ましいが、その配置位置が限定されるものではない。
図2に示すように、2層の低角度ベルト層7はタイヤ周方向に対して15度〜40度の角度θ1で傾斜する複数本の有機繊維コードを含み、かつ層間で有機繊維コードが互いに交差するように配置されている。低角度ベルト層7を構成する有機繊維コードの強度(コードの破断強力/コードの実断面積)は1800MPa以上である。一方、高角度ベルト層8はタイヤ周方向に対して80度〜90度の角度θ2で傾斜する複数本のスチールコードを含んでいる。そして、上述した分割構造を有するカーカス層4は低角度ベルト層7の下方域にて不連続となるようにタイヤ幅方向に分割されている。
低角度ベルト層7の外周側には、高速耐久性の向上を目的として、補強コードをタイヤ周方向に対して5°以下の角度で配列してなる少なくとも1層のベルトカバー層9が配置されている。このベルトカバー層9は少なくとも1本の補強コードを引き揃えてゴム被覆してなるストリップ材をタイヤ周方向に連続的に巻回したジョイントレス構造とすることが望ましい。
ベルトカバー層9は、タイヤの速度レンジに応じて、その配置領域を適宜選択することができる。図1において、ベルトカバー層9は、低角度ベルト層7の全域を覆うフルカバーと、低角度ベルト層7の両端部を局部的に覆うエッジカバーとから構成されている。他の構造として、トレッド部1に低角度ベルト層7の全域を覆うフルカバーのみを設けた構造、或いは、トレッド部1に低角度ベルト層7の両端部を局部的に覆うエッジカバーのみを設けた構造を採用することも可能である。但し、ベルトカバー層9は必ずしも設ける必要はない。
このように構成された乗用車用空気入りラジアルタイヤでは、有機繊維コードからなる2層の低角度ベルト層7と、スチールコードからなる高角度ベルト層8とを積層しているので、圧縮剛性が高いスチールコードに基づいてベルト部の幅方向の圧縮剛性を確保しながら、高強度の有機繊維コードに基づいてベルト部の周剛性を増加させることができる。これにより、操縦安定性及び高速耐久性を改善することができる。しかも、低角度ベルト層7及び高角度ベルト層8の積層構造に対して分割構造を有するカーカス層4を組み合わせているので、上述の如く改善した操縦安定性及び高速耐久性を損なうことなく、空気入りラジアルタイヤを軽量化することができる。
上記空気入りラジアルタイヤにおいて、低角度ベルト層7を構成する有機繊維コードのタイヤ周方向に対する角度θ1は15度〜40度の範囲にするが、この角度θ1が15度未満であるとベルト部の幅方向の剛性が不十分になるため操縦安定性が低下し、逆に40度を超えるとベルト部の周剛性が不十分になるため操縦安定性が低下する。一方、高角度ベルト層8を構成するスチールコードのタイヤ周方向に対する角度θ2は80度〜90度の範囲にするが、この角度θ2が80度未満であるとベルト部の幅方向の剛性が不十分になるため操縦安定性が低下する。
上記空気入りラジアルタイヤにおいて、カーカス層4の分割部のタイヤ幅方向の長さW1は低角度ベルト層7のうち狭い層(本実施形態では外層)の幅W0の60%以上80%以下であると良い。これにより、高速耐久性の改善効果を最大限に得ることができる。カーカス層4の分割部の長さW1が幅W0の60%未満であると軽量化の効果が小さくなると共に高速耐久性の改善効果が小さくなり、逆に80%を超えると低角度ベルト層7と高角度ベルト層8とからなるベルト部とカーカス層4との間の結合力が弱くなるため高速耐久性の改善効果が小さくなる。
また、高角度ベルト層8の幅W2は低角度ベルト層7のうち狭い層の幅W0の55%以上95%以下であると良い。これにより、高速耐久性と操縦安定性をバランス良く改善することができる。高角度ベルト層8の幅W2が幅W0の55%未満であるとベルト部の幅方向の剛性が不十分になるため操縦安定性の改善効果が小さくなり、逆に95%を超えると高角度ベルト層8のエッジにセパレーションを生じ易くなるため高速耐久性の改善効果が小さくなる。
低角度ベルト層7を構成する有機繊維コードの強度は1800MPa以上、より好ましくは3000MPa〜6000MPaの範囲にすると良い。低角度ベルト層7を構成する有機繊維コードの強度を1800MPa以上とすることにより、ベルト部の周剛性を大きくして操縦安定性を改善することができる。また、有機繊維コードの強度を3000MPa以上とした場合、有機繊維コードの細径化により低角度ベルト層7を薄肉化してタイヤの軽量化を促進することができる。強度が1800MPa以上である有機繊維コードとしては、例えば、アラミド繊維コードを挙げることができる。強度が3000MPa以上である有機繊維コードとしては、例えば、ポリ−パラフェニレンベンゾビスオキサゾール(PBO)繊維コードを挙げることができる。
高角度ベルト層8を構成するスチールコードとしては、複数本のフィラメントを撚り合わせた撚りコードを使用することも可能であるが、スチール製のモノフィラメントを用いると良い。このようなモノフィラメントを用いた場合、スチールコードの細径化により高角度ベルト層8を薄肉化してタイヤの軽量化を促進することができる。モノフィラメントの線径は、耐久性と加工コストの観点から、例えば、0.25mm〜0.40mmとすることが好ましい。モノフィラメントは直線状のものでも良いが、2次元の波状に癖付けしたものやスパイラル状に癖付けしたものでも良い。
低角度ベルト層7の有機繊維コードを被覆するコートコンパウンド及び高角度ベルト層8のスチールコードを被覆するコートコンパウンドは、20℃における貯蔵弾性率E’が15MPa以下、好ましくは、3MPa〜15MPaであり、かつ60℃におけるtanδが0.15以下、好ましくは、0.03〜0.15であると良い。ここで、貯蔵弾性率E’及びtanδは粘弾性スペクトロメーター(東洋精機製作所製)を用い、周波数20Hz、初期歪み10%、動歪み±2%の条件にて測定したものである。
トレッド部1にベルト層を3層構造とした場合、ベルト部の剛性に対するコートコンパウンドの寄与が低下する。そのため、低角度ベルト層7及び高角度ベルト層8には従来よりも柔らかく発熱性が低いコートコンパウンドを使用することが可能になる。つまり、コートコンパウンド中のカーボン量の低減が可能になり、その結果、発熱を少なくすることができる。そこで、低角度ベルト層7及び高角度ベルト層8に上述の貯蔵弾性率E’及びtanδにて規定される柔らかく発熱性が低いコートコンパウンドを使用することにより、走行時における低角度ベルト層7及び高角度ベルト層8の発熱を抑え、高速耐久性を更に改善することができる。
本発明は各種タイヤサイズを有する乗用車用空気入りラジアルタイヤに対して適用可能であるが、特にカーカス層の内圧分担率が低い偏平率55%以下の乗用車用空気入りラジアルタイヤに適用した場合に顕著な効果を期待することができる。
タイヤサイズ205/55R16で、一対のビード部間に1層のカーカス層を配置し、トレッド部におけるカーカス層の外周側に複数層のベルト層を埋設した乗用車用空気入りラジアルタイヤにおいて、カーカス層及びベルト層の構造を種々異ならせた従来例1、比較例1〜3及び参考例1のタイヤを製作した。
従来例1のタイヤは、カーカス層が分割構造を有し、トレッド部にタイヤ周方向に対して25度の角度で傾斜する複数本のスチールコードを含み該スチールコードが層間で互いに交差するように積層された2層の低角度ベルト層を設けたものである。
比較例1のタイヤは、カーカス層が分割構造を有し、トレッド部にタイヤ周方向に対して25度の角度で傾斜する複数本のスチールコードを含み該スチールコードが層間で互いに交差するように積層された2層の低角度ベルト層とタイヤ周方向に対して90度の角度で配列された複数本のスチールコードを含む高角度ベルト層を設けたものである。
比較例2のタイヤは、カーカス層が分割構造を有し、トレッド部にタイヤ周方向に対して25度の角度で傾斜する複数本のアラミド繊維コードを含み該アラミド繊維コードが層間で互いに交差するように積層された2層の低角度ベルト層を設けたものである。
比較例3のタイヤは、カーカス層が一対のビード部間で連続した構造を有し、トレッド部にタイヤ周方向に対して25度の角度で傾斜する複数本のアラミド繊維コードを含み該アラミド繊維コードが層間で互いに交差するように積層された2層の低角度ベルト層とタイヤ周方向に対して90度の角度で配列された複数本のスチールコードを含む高角度ベルト層を設けたものである。
参考例1のタイヤは、カーカス層が分割構造を有し、トレッド部にタイヤ周方向に対して25度の角度で傾斜する複数本のアラミド繊維コードを含み該アラミド繊維コードが層間で互いに交差するように積層された2層の低角度ベルト層とタイヤ周方向に対して90度の角度で配列された複数本のスチールコードを含む高角度ベルト層を設けたものである。
従来例1、比較例1〜3及び参考例1について、低角度ベルト層のコード材質、コード構造、ベルト幅、高角度ベルト層のコード材質、コード構造、ベルト幅、ベルト層のコートコンパウンドの20℃における貯蔵弾性率E’、60℃におけるtanδ、カーボン量、カーカス層の分割部の長さW1、W1/W0の比率は表1の通りである。なお、ここで使用したアラミド繊維コードの強度は2000MPaである。
これら試験タイヤについて、下記の評価方法により、質量変化、操縦安定性、高速耐久性を評価し、その結果を表1に併せて示した。
質量変化:
各試験タイヤの質量を測定した。評価結果は、従来例1を基準とし、基準に対する差にて示した。表1において、従来例1に比べて減量した場合をマイナス値とし、増量した場合をプラス値とした。
操縦安定性:
各試験タイヤをリムサイズ16×6.5JJのホイールに組付けて試験車両に装着し、空気圧230kPaとして、訓練された5名のドライバーにてテストコースを走行してフィーリングを評価した。評価結果は、従来例1を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほど操縦安定性が優れていることを意味する。
高速耐久性:
ドラム表面が平滑で直径1707mmの鋼製ドラムを備えたドラム試験機を用い、周辺温度を38±3℃に制御し、リムサイズ16×6.5JJ、試験内圧220kPaにてインフレートさせた試験タイヤについて、負荷荷重をJATMAで規定された最大負荷能力の88%とし、走行速度を120km/hとして20分間の走行を行い、次いで、同一荷重にて走行速度を150km/hとして20分間の走行を行い、以下20分毎に走行速度を10km/hずつステップアップさせ、タイヤが破壊するまでの走行距離を測定した。評価結果は、従来例1を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほど高速耐久性が優れていることを意味する。
Figure 0005871250
表1から明らかなように、参考例1のタイヤは、従来例1との対比において、タイヤの軽量化を実現しつつ、操縦安定性及び高速耐久性を改善することができた。
これに対して、比較例1のタイヤは、スチールコードからなる3層のベルト層を設けているため、ベルト部の周剛性の増加により操縦安定性が改善されているものの、タイヤ質量が大きく増加し、しかもベルト部の剛性増加による高速耐久性の改善効果が質量増加により相殺されていた。比較例2のタイヤは、アラミド繊維コードからなる2層の低角度ベルト層のみを備えているため、軽量ではあるものの、ベルト部の周剛性の減少により操縦安定性が大きく低下していた。比較例3のタイヤは、アラミド繊維コードからなる2層の低角度ベルト層とスチールコードからなる高角度ベルト層とを備えているため、ベルト部の周剛性の増加により操縦安定性が改善されているものの、カーカス層が連続しているため質量が増加し、ベルト部の剛性増加による高速耐久性の改善効果が質量増加により相殺されていた。
次に、カーカス層の分割部のタイヤ幅方向の長さを異ならせたこと以外は参考例1と同様の構造を有する参考例2〜5のタイヤを製作した。
これら試験タイヤについて、上述の評価方法により、質量変化、操縦安定性、高速耐久性を評価し、その結果を表2に併せて示した。
Figure 0005871250
表2から明らかなように、特にカーカス層4の分割部のタイヤ幅方向の長さW1を低角度ベルト層のうち狭い層の幅W0の60%〜80%としたとき、良好な高速耐久性を得ることができた。
次に、低角度ベルト層のコード材質、高角度ベルト層のコード構造、各ベルト層のコートコンパウンドの物性を異ならせたこと以外は参考例1と同様の構造を有する参考例6,7及び実施例1のタイヤを製作した。なお、ここで使用したPBO繊維コードの強度は3200MPaである。
これら試験タイヤについて、上述の評価方法により、質量変化、操縦安定性、高速耐久性を評価し、その結果を表3に併せて示した。
Figure 0005871250

表3から明らかなように、低角度ベルト層のコード材質、高角度ベルト層のコード構造、各ベルト層のコートコンパウンドの物性を適宜選択することにより、軽量化、操縦安定性及び高速耐久性の改善効果を高めることができた。
1 トレッド部
2 サイドウォール部
3 ビード部
4 カーカス層
5 ビードコア
6 ビードフィラー
7 低角度ベルト層
8 高角度ベルト層
9 ベルトカバー層

Claims (3)

  1. タイヤ周方向に対して15度〜40度の角度で傾斜する複数本の有機繊維コードを含み該有機繊維コードが層間で互いに交差するように積層された2層の低角度ベルト層と、タイヤ周方向に対して80度〜90度の角度で配列された複数本のスチールコードを含む高角度ベルト層とをトレッド部に備えた乗用車用空気入りラジアルタイヤにおいて、
    前記低角度ベルト層を構成する有機繊維コードが各低角度ベルト層の幅方向両端部で終端し、前記低角度ベルト層を構成する有機繊維コードがポリ−パラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維コードであって該有機繊維コードの強度が3000MPa〜6000MPaであると共に、
    前記低角度ベルト層及び前記高角度ベルト層を構成するコートコンパウンドの20℃における貯蔵弾性率E’が3MPa〜15MPaであり、かつ60℃におけるtanδが0.03〜0.15であり、
    前記低角度ベルト層の下方域にて不連続となるようにタイヤ幅方向に分割された少なくとも1層のカーカス層を一対のビード部間に配置し、前記カーカス層の分割部のタイヤ幅方向の長さが前記低角度ベルト層のうち狭い層の幅の60%以上80%以下であることを特徴とする乗用車用空気入りラジアルタイヤ。
  2. 偏平率が55%以下であることを特徴とする請求項に記載の乗用車用空気入りラジアルタイヤ。
  3. 前記高角度ベルト層を構成するスチールコードとしてモノフィラメントを用いたことを特徴とする請求項1又は2に記載の乗用車用空気入りラジアルタイヤ。
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