JP6242804B2 - ヒトcsf−1rに対する抗体及びその使用 - Google Patents

ヒトcsf−1rに対する抗体及びその使用 Download PDF

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Description

本発明は、ヒトCSF−1Rに対する抗体(CSF−1R抗体)、その作製方法、前記抗体を含有する薬学的組成物、及びその使用に関する。
CSF−1受容体(CSF−1R;別名:M−CSF受容体;マクロファージコロニー刺激因子1受容体、EC2.7.10.1、Fms癌原遺伝子、c−fms、Swiss Prot P07333、CD115、(配列番号23))は、1986年から知られている(Coussens,L.ら、Nature 320(1986)277〜280頁)。CSF−1Rは増殖因子であり、c−fms癌原遺伝子によりコードされる(例えばRoth,P.及びStanley,E.R.、Curr.Top.Microbiol.Immunol.181(1992)141〜67頁に概説されている)。
CSF−1Rは、M−CSF(マクロファージコロニー刺激因子、CSF−1とも呼ばれる)の受容体であり、このサイトカインの生物学的効果を媒介する(Sherr,C.J.ら、Cell 41(1985)665〜676頁)。コロニー刺激因子−1受容体(c−fmsとも呼ばれる)のクローニングは、Roussel,M.F.ら、Nature 325(1987)549〜552頁で最初に記載された。その刊行物において、CSF−1Rは、Cblを結合しこれにより受容体ダウンレギュレーションを制御する抑制性チロシン969リン酸化(Lee,P.S.ら、Embo J.18(1999)3616〜3628頁)の喪失を含む、該タンパク質のC末端尾部の変化に依存する形質転換能を有することが示された。
CSF−1Rは、一本鎖の膜貫通受容体チロシンキナーゼ(RTK)であり、受容体の細胞外部分における反復Igドメインを特徴とする、免疫グロブリン(Ig)モチーフ含有RTKファミリーのメンバーである。細胞内タンパク質チロシンキナーゼドメインは、血小板由来増殖因子受容体(PDGFR)、幹細胞増殖因子受容体(c−Kit)及びfins様サイトカイン受容体(FLT3)を含む、他の関連RTKクラスIIIファミリーメンバーにも存在する固有の挿入ドメインにより遮られる。この増殖因子受容体ファミリー間の構造的相同性にもかかわらず、これらは異なる組織特異的機能を有する。CSF−1Rは、単球系統の細胞ならびに女性生殖器官及び胎盤で主に発現される。さらに、CSF−1Rの発現は、皮膚のランゲルハンス細胞、平滑筋細胞のサブセット(Inaba,T.ら、J.Biol.Chem.267(1992)5693〜5699頁)、B細胞(Baker,A.H.ら、Oncogene 8(1993)371〜378頁)及びミクログリア(Sawada,M.ら、Brain Res.509(1990)119〜124頁)で報告されている。
CSF−1Rシグナル伝達の主な生物学的効果は、マクロファージ系統(破骨細胞を含む)の造血前駆細胞の分化、増殖、遊走、及び生存である。CSF−1Rの活性化は、そのリガンド、M−CSFにより媒介される。CSF−1RとのM−CSFの結合は、ホモ二量体の形成及びチロシンリン酸化による該キナーゼの活性化を誘導する(Stanley,E.R.ら、Mol.Reprod.Dev.46(1997)4〜10頁)。さらにシグナル伝達は、それぞれPI3K/AKT及びRas/MAPK経路に連結するPI3K及びGrb2のp85サブユニットにより媒介される。これらの2つの重要なシグナル伝達経路は、増殖、生存及びアポトーシスを制御することができる。CSF−1Rのリン酸化細胞内ドメインを結合する他のシグナル伝達分子には、STAT1、STAT3、PLCy、及びCblが含まれる(Bourette,R.P.及びRohrschneider,L.R.、Growth Factors 17(2000)155〜166頁)。
CSF−1Rシグナル伝達は、免疫応答、骨リモデリング及び生殖器系における生理学的役割を有する。M−CSF−1(Pollard,J.W.、Mol.Reprod.Dev.46(1997)54〜61頁)又はCSF−1R(Dai,X.M.ら、Blood 99(2002)111〜120頁)のどちらかのノックアウト動物は、それぞれの細胞タイプにおけるCSF−1Rの役割と一致した大理石骨病表現型、造血表現型、組織マクロファージ表現型、及び生殖表現型を有することが示されている。
Sherr,C.J.ら、Blood 73(1989)1786〜1793頁は、CSF−1活性を阻害するCSF−1Rに対する幾つかの抗体に関する(Sherr,C.J.ら、Blood 73(1989)1786〜1793頁参照)。Ashum,R.A.ら、Blood 73(1989)827〜837頁は、CSF−1R抗体に関する。Lenda,D.ら、Journal of immunology 170(2003)3254〜3262頁は、腎臓炎症中の尿細管アポトーシスの減少をもたらす、CSF−1欠損マウスにおけるマクロファージ動員、増殖、及び活性化の低下に関する。Kitaura,H.ら、Journal of dental research 87(2008)396〜400頁は、歯の矯正移動を阻害する抗CSF−1抗体に言及する。国際公開第2001/030381号パンフレットは、CSF−1アンチセンスヌクレオチドのみを開示しているものの、アンチセンスヌクレオチド及び抗体を含むCSF−1活性阻害剤に言及する。国際公開第2004/045532号パンフレットは、アンタゴニストとして抗CSF−1抗体のみを開示しながら、M−CSFアンタゴニストによる転移癌の転移予防及び骨量減少予防ならびに治療に関する。国際公開第2005/046657号パンフレットは、抗CSF−1抗体による炎症性腸疾患の治療に関する。米国特許出願第2002/0141994号明細書は、コロニー刺激因子の阻害剤に関する。国際公開第2006/096489号パンフレットは、抗CSF−1抗体による関節リウマチの治療に関する。
本発明は、CSF−1リガンド依存性及び/又はCSF−1リガンド非依存性CSF−1−R発現細胞における細胞増殖の阻害において使用するための、寄託抗体DSM ACC2920と同じエピトープに結合することを特徴とする、ヒトCSF−1Rに結合する抗体を1つの態様において含む。
1つの実施形態においてCSF−1R発現細胞は、癌細胞である。
1つの実施形態において抗体は、重鎖可変ドメインCDR3領域として配列番号1、又は配列番号9のCDR3領域を含むことを特徴とする。
1つの実施形態において抗体は、
a)重鎖可変ドメインが、配列番号1のCDR3領域、配列番号2のCDR2領域、及び配列番号3のCDR1領域を含み、ならびに軽鎖可変ドメインが、配列番号4のCDR3領域、配列番号5のCDR2領域、及び配列番号6のCDR1領域を含むこと、もしくは
b)重鎖可変ドメインが、配列番号9のCDR3領域、配列番号10のCDR2領域、及び配列番号11のCDR1領域を含み、ならびに軽鎖可変ドメインが、配列番号12のCDR3領域、配列番号13のCDR2領域、及び配列番号14のCDR1領域を含むこと、又は
c)a)もしくはb)の抗体のCDR移植、ヒト化もしくはT細胞エピトープ枯渇抗体バリアント
を特徴とする。
故に、同じエピトープに結合する本発明による抗体は、CSF−1リガンド依存性及びCSF−1リガンド非依存性細胞において細胞増殖を阻害することができた。
本発明は、寄託抗体DSM ACC2920と同じエピトープに結合することを特徴とする、ヒトCSF−1Rに結合する抗体を別の態様において含む。
本発明は、寄託抗体DSM ACC2920と同じエピトープに結合することを特徴とする、ヒトCSF−1Rに結合する抗体を別の態様において含み、
同じエピトープへの結合は、インビトロ競合的結合阻害アッセイにおいて表面プラズモン共鳴(SPR)により25℃で測定され、
抗体は、以下の特性:
a)NIH3T3−野生型CSF−1R組換え細胞の増殖の、10μg/mlの抗体濃度で90%以上の阻害、及び
b)NIH3T3−変異体CSF−1R L301S Y969F組換え細胞の増殖の、10μg/mlの抗体濃度で60%以上の阻害
を有する。
1つの実施形態において抗体は、重鎖可変ドメインCDR3領域として配列番号1、又は配列番号9のCDR3領域を含むことを特徴とする。
1つの実施形態において抗体は、
a)重鎖可変ドメインが、配列番号1のCDR3領域、配列番号2のCDR2領域、及び配列番号3のCDR1領域を含み、ならびに軽鎖可変ドメインが配列番号4のCDR3領域、配列番号5のCDR2領域、及び配列番号6のCDR1領域を含むこと、もしくは
b)重鎖可変ドメインが、配列番号9のCDR3領域、配列番号10のCDR2領域、及び配列番号11のCDR1領域を含み、ならびに軽鎖可変ドメインが、配列番号12のCDR3領域、配列番号13のCDR2領域、及び配列番号14のCDR1領域を含むこと、又は
c)a)もしくはb)の抗体のCDR移植、ヒト化又はT細胞エピトープ枯渇抗体バリアント
を特徴とする。
1つの実施形態において、ヒトCSF−1Rに結合し、上述のアミノ酸配列及びアミノ酸配列断片を特徴とする抗体は、ヒトIgG1サブクラスである、又はヒトIgG4サブクラスである。
本発明のさらなる実施形態は、本発明による抗体を含む薬学的組成物である。
本発明はさらに、上述のエピトープ結合特性あるいは上述のアミノ酸配列及びアミノ酸配列断片を特徴とする、ヒトCSF−1Rに結合する抗体を含むことを特徴とする薬学的組成物を含む。
本発明はさらに、薬学的組成物を製造するための、上述のエピトープ結合特性あるいは上述のアミノ酸配列及びアミノ酸配列断片を特徴とする、ヒトCSF−1Rに結合する抗体を含むことを特徴とする抗体の使用を含む。
本発明はさらに、CSF−1R媒介疾患の治療のための、上述のエピトープ結合特性あるいは上述のアミノ酸配列及びアミノ酸配列断片を特徴とする、ヒトCSF−1Rに結合する抗体を含むことを特徴とする抗体の使用を含む。
本発明はさらに、癌の治療のための、上述のエピトープ結合特性あるいは上述のアミノ酸配列及びアミノ酸配列断片を特徴とする、ヒトCSF−1Rに結合する抗体を含むことを特徴とする抗体の使用を含む。
本発明はさらに、骨量減少の治療のための、上述のエピトープ結合特性あるいは上述のアミノ酸配列及びアミノ酸配列断片を特徴とする、ヒトCSF−1Rに結合する抗体を含むことを特徴とする抗体の使用を含む。
本発明はさらに、転移の予防又は治療のための、上述のエピトープ結合特性あるいは上述のアミノ酸配列及びアミノ酸配列断片を特徴とする、ヒトCSF−1Rに結合する抗体を含むことを特徴とする抗体のを含む。
本発明はさらに、炎症性疾患の治療のための、上述のエピトープ結合特性あるいは上述のアミノ酸配列及びアミノ酸配列断片を特徴とする、ヒトCSF−1Rに結合する抗体を含むことを特徴とする抗体のを含む。
抗体は、好ましくは少なくとも10−8mol/l〜10−12mol/lの親和性でヒトCSF−1Rに結合する。
好ましくは抗体は、ヒト化又はヒト抗体である。
本発明のさらなる実施形態は、本発明による抗体の重鎖可変ドメイン及び/又は軽鎖可変ドメインをコードする核酸である。好ましくは核酸は、重鎖CDR3領域として配列番号1、配列番号9、又は配列番号17のCDR3領域を含むことを特徴とする、ヒトCSF−1Rに結合する抗体の重鎖をコードする。
本発明のさらなる実施形態は、
a)重鎖可変ドメインが、配列番号1のCDR3領域、配列番号2のCDR2領域、及び配列番号3のCDR1領域を含み、ならびに軽鎖可変ドメインが、配列番号4のCDR3領域、配列番号5のCDR2領域、及び配列番号6のCDR1領域を含むこと、もしくは
b)重鎖可変ドメインが、配列番号9のCDR3領域、配列番号10のCDR2領域、及び配列番号11のCDR1領域を含み、ならびに軽鎖可変ドメインが、配列番号12のCDR3領域、配列番号13のCDR2領域、及び配列番号14のCDR1領域を含むこと、又は
c)a)もしくはb)の抗体のCDR移植、ヒト化又はT細胞エピトープ枯渇抗体バリアント
を特徴とする本発明による抗体をコードする核酸である。
本発明はさらに、原核又は真核宿主細胞において本発明による核酸を発現することができる前記核酸を含有する発現ベクター、及びこのような抗体の組換え産生のためにこのようなベクターを含有する宿主細胞を提供する。
本発明はさらに、本発明によるベクターを含む原核又は真核宿主細胞を含む。
本発明はさらに、原核又は真核宿主細胞において本発明による核酸を発現させること、及び前記細胞又は細胞培養上清から前記抗体を回収することを特徴とする、本発明による組換えヒト又はヒト化抗体の作製方法を含む。本発明はさらに、このような組換え方法により得ることができる抗体を含む。
本発明による抗体は、CSF−1R標的療法を必要としている患者に対する利点を示す。本発明による抗体は、腫瘍疾患、特に癌に罹患している患者に対する利点をもたらす新たな発明的特性を有する。
本発明はさらに、癌に罹患している患者を治療する方法であって、このような疾患を有すると診断された(したがってこのような療法を必要としている)患者に、本発明によるヒトCSF−1Rに結合する抗体の有効量を投与することを含む方法を提供する。抗体は、好ましくは薬学的組成物において投与される。
本発明のさらなる実施形態は、癌に罹患している患者に本発明による抗体投与することを特徴とする、該患者を治療するための方法である。
本発明はさらに、癌に罹患している患者を治療するための、及び本発明による薬学的組成物を製造するための本発明による抗体の使用を含む。さらに、本発明は、本発明による薬学的組成物の製造方法を含む。
本発明はさらに、本発明による抗体を、場合により医薬用の抗体の調製に有用な緩衝液及び/又はアジュバントと一緒に含む薬学的組成物を含む。
本発明はさらに、薬学的に許容可能な担体中に本発明による抗体を含む薬学的組成物を提供する。1つの実施形態において、薬学的組成物は、製品又はキットに含まれてもよい。
濃度10μg/mlの異なる抗CSF−1Rモノクローナル抗体で処理下の3D培養におけるBeWo腫瘍細胞の増殖阻害を示す図である。 X軸:該細胞のATP含量に対応する生存度平均相対発光量(RLU)(CellTiterGloアッセイ)。 Y軸:試験プローブ:最少培地(0.5%FBS)、マウスIgG1(mIgG1、10μg/ml)、マウスIgG2a(mIgG2a 10μg/ml)、CSF−1のみ、<CSF−1R>9D11.2E8、<CSF−1R>10H2.2F12、及びSC−02、クローン2−4A5。 CSF−1誘発増殖の最高阻害は、本発明による抗CSF−1R抗体で観察された。
本発明はさらに、重鎖可変ドメインCDR3領域として配列番号1、又は配列番号9のCDR3領域を含むことを特徴とする、ヒトCSF−1Rに結合する抗体を含む。
本発明はさらに、
a)重鎖可変ドメインが、配列番号1のCDR3領域、配列番号2のCDR2領域、及び配列番号3のCDR1領域を含み、ならびに軽鎖可変ドメインが、配列番号4のCDR3領域、配列番号5のCDR2領域、及び配列番号6のCDR1領域を含むこと、もしくは
b)重鎖可変ドメインが、配列番号9のCDR3領域、配列番号10のCDR2領域、及び配列番号11のCDR1領域を含み、ならびに軽鎖可変ドメインが、配列番号12のCDR3領域、配列番号13のCDR2領域、及び配列番号14のCDR1領域を含むこと、又は
c)a)もしくはb)の抗体のCDR移植、ヒト化もしくはT細胞エピトープ枯渇抗体バリアント
を特徴とする、前記抗体を含む。
用語「抗体」は、抗体全体、抗体断片、ヒト化抗体、キメラ抗体、T細胞エピトープ枯渇抗体、及び本発明による特徴的特性が保持される限りさらに遺伝子組換え抗体を含むがこれらに限定されない様々な形態の抗体を包含する。
「抗体断片」は、完全長抗体の部分、好ましくはその可変ドメイン、又は少なくともその抗原結合部位を含む。抗体断片の例には、ダイアボディ、一本鎖抗体分子、及び抗体断片から形成される多重特異性抗体が含まれる。scFv抗体は、例えば、Houston,J.S.、Methods in Enzymol.203(1991)46〜88頁に記載されている)。さらに、抗体断片は、CSF−1Rに結合する、すなわちVドメインと一緒に会合することができるVドメイン、又はCSF−1Rに結合する、すなわちVドメインと一緒に会合して機能的抗原結合部位を構築し、これにより特性を提供することができるVドメインの特徴を有する一本鎖ポリペプチドを含む。
用語「モノクローナル抗体」又は「モノクローナル抗体組成物」は、本明細書で使用されるとき、単一のアミノ酸組成物の抗体分子の調製物を指す。
用語「キメラ抗体」は、通常、組換えDNA法により調製される、マウス由来の可変領域、すなわち結合領域、及び異なる供給源又は種に由来する定常領域の少なくとも一部分を含むモノクローナル抗体を指す。マウス可変領域及びヒト定常領域を含むキメラ抗体が特に好ましい。このようなラット/ヒトキメラ抗体は、ラット免疫グロブリン可変領域をコードするDNAセグメント及びヒト免疫グロブリン定常領域をコードするDNAセグメントを含む、発現免疫グロブリン遺伝子の産物である。本発明により包含される「キメラ抗体」の他の形態は、クラス又はサブクラスが元の抗体のクラス又はサブクラスから修飾又は変更されているものである。このような「キメラ」抗体は、「クラススイッチ抗体」とも呼ばれる。キメラ抗体の作製方法は、従来の組換えDNA法及び今や当技術分野でよく知られている遺伝子トランスフェクション法を含む。例えば、Morrison,S.L.ら、Proc.Natl.Acad Sci.USA 81(1984)6851〜6855頁;米国特許第5,202,238号明細書及び米国特許第5,204,244号明細書参照。
用語「CDR移植バリアント」は、本出願内で使用されるとき、通常、組換えDNA法により調製される、1つの供給源又は種由来の相補性決定領域(CDR又は超可変領域)及び異なる供給源又は種由来のフレームワーク領域(FR)を含む抗体の可変ドメインを意味する。マウスCDR及びヒトFRを含む可変ドメインのCDR移植バリアントが好ましい。
用語「T細胞エピトープ枯渇バリアント」は、本出願内で使用されるとき、ヒトT細胞エピトープ(MHCクラスII分子に結合する能力を有する可変ドメイン内のペプチド配列)を除去して免疫原性を除去又は低減するように修飾された抗体の可変ドメインを意味する。この方法により該可変ドメインのアミノ酸側鎖と、MHCクラスII結合グローブを有する特異的結合ポケットの間の相互作用が同定される。同定された免疫原性領域は、免疫原性を排除するように変異される。このような方法は一般に、例えば国際公開第98/52976号パンフレットに記載されている。
用語「ヒト化バリアント」は、本出願内で使用されるとき、非ヒト起源、例えば非ヒト種由来の相補性決定領域(CDR)及びヒト起源のフレームワーク領域(FR)から再構成され、ならびに元の非ヒト可変ドメインの結合親和性及び特異性も再構成又は改善するためにさらに修飾されている抗体の可変ドメインを意味する。このようなヒト化バリアントは通常、組換えDNA法により調製される。親非ヒト可変ドメインの親和性及び特異性の再構成は重要なステップであり、現在種々の方法が使用されている。1つの方法において非ヒトCDR及びヒトFRに変異(いわゆる復帰変異)を導入することが有益かどうかが決定される。このような復帰変異に適した位置は、ヒトフレームワークを選択すること(固定化フレームワークアプローチ;相同性マッチング又はベストフィット)、コンセンサス配列を使用すること、幾つかの異なるヒトmAbからFRを選択すること、又は3次元表面で非ヒト残基をヒトmAbにおいて見出される最も一般的な残基と置換すること(「リサーフェシング(resurfacing)」又は「ベニアリング(veneering)」による、例えば配列又は相同性分析により同定することができる。
本発明による抗体にはさらに、「保存的配列修飾」(本発明による抗体の上述の特徴に影響を与えない又は変えないヌクレオチド及びアミノ酸配列修飾)を有するような抗体が含まれる。修飾は、部位特異的変異誘発及びPCR変異誘発などの当技術分野で公知の標準的方法により導入することができる。保存的アミノ酸置換には、アミノ酸残基が類似の側鎖を有するアミノ酸残基と置換されるものが含まれる。類似の側鎖を有するアミノ酸残基のファミリーは、当技術分野で定義されている。これらのファミリーには、塩基性側鎖(例えば、リジン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸)、非荷電極性側鎖(例えば、グリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、スレオニン、チロシン、システイン、トリプトファン)、非極性側鎖(例えば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン)、ベータ分岐側鎖(例えば、スレオニン、バリン、イソロイシン)及び芳香族側鎖(例えば、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)を有するアミノ酸が含まれる。故に、ヒト抗CSF−1R抗体において予測される非必須アミノ酸残基は、同じ側鎖ファミリーからの別のアミノ酸残基と好ましくは置換され得る。
アミノ酸置換は、Riechmann,L.ら、Nature 332(1988)323〜327頁及びQueen,C.ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86(1989)10029〜10033頁により記載されているような分子モデリングに基づく変異誘発により行うことができる。
CSF−1受容体(CSF−1R;別名:M−CSF受容体;マクロファージコロニー刺激因子1受容体、EC2.7.10.1、Fms癌原遺伝子、c−fms、Swiss Prot P07333、CD115、(配列番号23))は、1986年から知られている(Coussens,L.ら、Nature 320(1986)277〜280頁)。CSF−1Rは増殖因子であり、c−fms癌原遺伝子によりコードされる(例えばRoth,P.及びStanley,E.R.、Curr.Top.Microbiol.Immunol.181(1992)141〜67頁に概説されている)。
CSF−1Rは、M−CSF(マクロファージコロニー刺激因子、CSF−1とも呼ばれる)の受容体であり、このサイトカインの生物学的効果を媒介する(Sherr,C.J.ら、Cell 41(1985)665〜676頁)。コロニー刺激因子−1受容体(c−fmsとも呼ばれる)のクローニングは、Roussel,M.F.ら、Nature 325(1987)549〜552頁で最初に記載された。その刊行物において、CSF−1Rは、Cblを結合しこれにより受容体ダウンレギュレーションを制御する抑制性チロシン969リン酸化(Lee,P.S.ら、Embo J.18(1999)3616〜3628頁)の喪失を含む、該タンパク質のC末端尾部の変化に依存する形質転換能を有することが示された。
本明細書で使用されるとき、「ヒトCSF−1Rに結合する」は、ヒトCSF−1R抗原に特異的に結合する抗体を指す。結合親和性は、35℃で1.0×10−8mol/l以下のKD値、好ましくは35℃で1.0×10−9mol/l以下のKD値である。結合親和性は、表面プラズモン共鳴法(Biacore(登録商標))などの35℃での標準的結合アッセイにより決定される(実施例4参照)。
用語「エピトープ」は、抗体に特異的に結合することができるタンパク質決定基を意味する。エピトープは通常、アミノ酸又は糖側鎖などの化学的に活性な表面分子群から成り、通常、エピトープは、特異的3次元構造特性、及び特異的電荷特性を有する。立体構造及び非立体構造エピトープは、前者への結合は変性溶媒の存在下で失われるが、後者では失われない点で区別される。好ましくは本発明による抗体は、天然のCSF−1Rに特異的に結合するが、変性CSF−1Rには特異的に結合しない。
用語「寄託抗体DSM ACC2920と同じエピトープに結合する」は、本明細書で使用されるとき、抗体<CSF−1R>9D11.2E8(寄託番号DSM ACC2920)が結合するCSF−1R上の同じエピトープに結合する、本発明の抗CSF−1R抗体を指す。本発明の抗CSF−1R抗体のエピトープ結合特性は、当技術分野で公知の手法を用いて決定することができる。CSF−1R抗体は、CSF−1Rへの抗体<CSF−1R>9D11.2E8(寄託番号DSM ACC2920)の結合を阻害する試験抗体の能力を決定するためのインビトロ競合的結合阻害アッセイにおいて、表面プラズモン共鳴(SPR)により25℃で測定される。これは、例えば実施例5のようにBIAcoreアッセイ(Pharmacia Biosensor AB、ウプサラ、スウェーデン)により調べることができる。実施例5において、結合抗体<CSF−1R>9D11.2E8(寄託番号DSM ACC2920)と競合する本発明のCSF−1R抗体の予測結合応答のパーセンテージ(%)は、「100相対的Response(general_stability_early)/rMax」(rMaxは、BIAcoreアッセイエピトープマッピング指示書に記載されている通り、「相対的Response(general_stability_late)抗体分子量/抗原分子量」により計算される)により計算された。最小結合応答も、同一の抗体1及び2のペアから計算される(実施例5参照)。そこから得られた最大値+50%が、有意な競合の、及び故に同じエピトープへの有意な結合の閾値として設定される(実施例5参照、抗体<CSF−1R>9D11.2E8について計算された閾値は8+4=12)。故に、「<CSF−1R>9D11.2E8(寄託番号DSM ACC2920)と同じエピトープに結合すること」を特徴とするヒトCSF−1Rに結合する抗体は、12未満の予測結合応答のパーセンテージ(%)を有する(%予測結合応答<12)。
「可変ドメイン」(軽鎖の可変ドメイン(V)、重鎖の可変ドメイン(V))は、本明細書で使用されるとき、抗原への抗体の結合に直接関与する軽鎖及び重鎖ドメインの各ペアを意味する。可変軽鎖及び重鎖ドメインは同じ一般構造を有し、各ドメインは、3つの「超可変領域」(すなわち相補性決定領域、CDR)に連結された、その配列が広範に保存されている4つのフレームワーク(FR)領域を含む。フレームワーク領域はβシート立体構造をとり、CDRはβシート構造を連結するループを形成し得る。各鎖のCDRは、フレームワーク領域により3次元構造で保持され、他方の鎖からのCDRと一緒に抗原結合部位を形成する。抗体の重鎖及び軽鎖CDR3領域は、本発明による抗体の結合特異性/親和性において特に重要な役割を果たし、したがって本発明のさらなる目的を提供する。
用語「抗体の抗原結合部分」は、本明細書で使用される場合、抗原結合に関与する抗体のアミノ酸残基を指す。抗体の抗原結合部分は、「相補性決定領域」又は「CDR」からのアミノ酸残基を含む。「フレームワーク」又は「FR」領域は、本明細書に定義されているような超可変領域残基以外の可変ドメイン領域である。したがって、抗体の軽鎖及び重鎖可変ドメインは、N末端からC末端へドメインFR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、及びFR4を含む。特に、重鎖のCDR3は、抗原結合に最も寄与し、抗体の特性を規定する領域である。CDR及びFR領域は、Kabatら、Sequences of Proteins of Immunological Interest、5版、Public Health Service、National Institutes of Health、Bethesda、MD(1991)の標準的定義及び/又は「超可変ループ」からの残基に従って決定される。
用語「核酸」又は「核酸分子」は、本明細書で使用されるとき、DNA分子及びRNA分子を含むことが意図される。核酸分子は、一本鎖又は二本鎖であってもよいが、好ましくは二本鎖DNAである。
用語「アミノ酸」は、本出願内で使用されるとき、アラニン(3文字表記:ala、1文字表記:A)、アルギニン(arg、R)、アスパラギン(asn、N)、アスパラギン酸(asp、D)、システイン(cys、C)、グルタミン(gln、Q)、グルタミン酸(glu、E)、glycine(gly、G)、ヒスチジン(his、H)、イソロイシン(ile、I)、ロイシン(leu、L)、リジン(lys、K)、メチオニン(met、M)、フェニルアラニン(phe、F)、プロリン(pro、P)、セリン(ser、S)、スレオニン(thr、T)、トリプトファン(trp、W)、チロシン(tyr、Y)、及びバリン(val、V)を含む自然発生カルボキシアルファ−アミノ酸の群を意味する。
本発明のさらなる実施形態は、ヒトCSF−1Rに結合するヒトIgG1クラス抗体の重鎖をコードする核酸、及び前記抗体の軽鎖をコードする核酸の配列が発現ベクターに挿入され、前記ベクターが真核宿主細胞に挿入され、コードされたタンパク質が発現され、宿主細胞又は上清から回収されることを特徴とする、本発明によるヒトCSF−1Rに対する抗体の作製方法である。
本発明による抗体は、好ましくは組換え手段により作製される。このような方法は、技術水準で広く公知であり、原核及び真核細胞でのタンパク質発現と、その後の抗体ポリペプチドの単離、及び通常は薬学的に許容可能な純度への精製を含む。タンパク質発現に関して、軽鎖及び重鎖又はそれらの断片をコードする核酸が、標準的方法により発現ベクターに挿入される。発現は、CHO細胞、NS0細胞、SP2/0細胞、HEK293細胞、COS細胞、酵母、又は大腸菌細胞などの適切な原核又は真核宿主細胞で行われ、抗体が細胞から(上清から又は細胞溶解後に)回収される。
抗CSF−1R抗体のアミノ酸配列バリアントをコードする核酸分子は、当技術分野で公知の様々な方法により調製される。これらの方法には、天然の供給源からの単離(自然発生アミノ酸配列バリアントの場合)、又はヒト化抗CSF−1R抗体の以前に調製されたバリアントバージョンもしくは非バリアントバージョンの、オリゴヌクレオチド媒介(又は部位特異的)変異誘発、PCR変異誘発、及びカセット変異誘発による調製が含まれるが、これらに限定されない。
本発明による重鎖及び軽鎖可変ドメインは、プロモーター、翻訳開始、定常領域、3’非翻訳領域、ポリアデニル化、及び転写終結の配列と組み合わされて発現ベクター構築物を形成する。重鎖及び軽鎖発現構築物は、単一のベクターに組み合わされ得、宿主細胞にコトランスフェクトされ得、連続的にトランスフェクトされ得、又は個別にトランスフェクトされ得、宿主細胞が次いで融合されて両鎖を発現する単一の宿主細胞を形成する。
抗体の組換え作製は、技術水準で十分に公知であり、例えば、Makrides,S.C.、Protein Expr.Purif.17(1999)183〜202頁;Geisse,S.ら、Protein Expr.Purif.8(1996)271〜282頁;Kaufman,R.J.、Mol.Biotechnol.16(2000)151〜161頁;Werner,R.G.、Drug Res.48(1998)870〜880頁の総説に記載されている。
抗体は、細胞全体中に、細胞溶解物中に、又は部分的に精製された形態もしくは実質的に純粋な形態で存在することができる。精製は、アルカリ/SDS処理、CsClバンド形成、カラムクロマトグラフィー、アガロースゲル電気泳動、及び当技術分野でよく知られた他の手法を含む標準的手法により、他の細胞成分又は他の混入物、例えば他の細胞核酸又はタンパク質を排除するために行われる。Ausubel,F.ら編、Current Protocols in Molecular Biology、Greene Publishing and Wiley Interscience、New York(1987)参照。
NS0細胞での発現は、例えば、Barnes,L.M.ら、Cytotechnology 32(2000)109〜123頁;及びBarnes,L.M.ら、Biotech.Bioeng.73(2001)261〜270頁により記載されている。一過性発現は、例えば、Durocher、Y.ら、Nucl.Acids.Res.30(2002)E9により記載されている。可変ドメインのクローニングは、Orlandi,R.ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86(1989)3833〜3837頁;Carter,P.ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89(1992)4285〜4289頁;及びNorderhaug,L.ら、J.Immunol.Methods 204(1997)77〜87頁により記載されている。好ましい一過性発現系(HEK293)は、Cytotechnology 30(1999)71〜83頁においてSchlaeger,E.−J.及びChristensen,K.、ならびにJ.Immunol.Methods 194(1996)191〜199頁においてSchlaeger,E.−J.により記載されている。
原核生物に適した制御配列には、例えば、プロモーター、場合によりオペレーター配列、及びリボソーム結合部位が含まれる。真核細胞は、プロモーター、エンハンサー及びポリアデニル化シグナルを利用することが知られている。
核酸は、別の核酸配列と機能的関係に置かれるとき、「作動可能に連結されている」。例えば、プレ配列又は分泌リーダーのDNAは、ポリペプチドの分泌に関与するプレタンパク質として発現されるならば、ポリペプチドのDNAに作動可能に連結されており;プロモーター又はエンハンサーは、配列の転写に影響を与えるならば、コード配列に作動可能に連結されており;又はリボソーム結合部位は、翻訳を促すように位置するならば、コード配列に作動可能に連結されている。一般に、「作動可能に連結されている」は、連結されたDNA配列が隣接していること、ならびに分泌リーダーの場合は、隣接し及びリーディングフレーム中にあることを意味する。しかし、エンハンサーは、隣接していなくてもよい。連結は、便利な制限部位でのライゲーションにより達成される。このような部位が存在しない場合、合成オリゴヌクレオチドアダプター又はリンカーが従来の慣例に従って使用される。
モノクローナル抗体は、例えば、プロテインAセファロース、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィー、ゲル電気泳動、透析、又は親和性クロマトグラフィーなどの従来の免疫グロブリン精製手順により培地から適切に分離される。モノクローナル抗体をコードするDNA及びRNAは、従来の手順を用いて容易に単離及び配列決定される。ハイブリドーマ細胞は、このようなDNA及びRNAの供給源として役立つことができる。単離されると、DNAは発現ベクターに挿入され得、該ベクターは次いで、さもなければ免疫グロブリンタンパク質を産生するHEK293細胞、CHO細胞、又は骨髄腫細胞などの宿主細胞にトランスフェクトされて、宿主細胞における組換えモノクローナル抗体の合成を得る。
本明細書で使用されるとき、発現「細胞」、「細胞株」、及び「細胞培養物」は互換的に使用され、全てのこのような呼称は子孫を含む。故に、単語「形質転換体」及び「形質転換細胞」は、継代数に関係なく初代対象細胞(primary subject cell)及びこれに由来する培養物を含む。全ての子孫は、故意又は偶発性の変異のため、DNA含量において正確には同一でない可能性があることも理解される。最初に形質転換された細胞においてスクリーニングされたのと同じ機能又は生物学的活性を有するバリアント子孫が含まれる。
抗体の「Fc部分」は、抗原への抗体の結合に直接関与しないが、様々なエフェクター機能を示す。「抗体のFc部分」は、当業者によく知られた用語であり、抗体のパパイン切断に基づき定義される。重鎖の定常領域のアミノ酸配列に応じて、抗体又は免疫グロブリンは、クラス:IgA、IgD、IgE、IgG及びIgMに分類され、これらの幾つかはサブクラス(アイソタイプ)、例えばIgG1、IgG2、IgG3、及びIgG4、IgA1及びIgA2にさらに分類され得る。重鎖定常領域に従って、免疫グロブリンの異なるクラスは、それぞれα、δ、ε、γ、及びμと呼ばれる。抗体のFc部分は、補体活性化、C1q結合及びFc受容体結合に基づきADCC(抗体依存性細胞媒介性細胞傷害)及びCDC(補体依存性細胞傷害)に直接関与する。補体活性化(CDC)は、ほとんどのIgG抗体サブクラスのFc部分に補体因子C1qが結合することにより開始される。補体系に対する抗体の影響は特定の条件に依存するが、C1qへの結合はFc部分における定められた結合部位により引き起こされる。このような結合部位は技術水準で公知であり、例えばBoackle,R.J.ら、Nature 282(1979)742〜743頁、Lukas,T.J.ら、J.Immunol.127(1981)2555〜2560頁、Brunhouse,R.及びCebra,J.J.、Mol.Immunol.16(1979)907〜917頁、Burtonら、Nature 288(1980)338〜344頁、Thommesen,J.E.ら、Mol.Immunol.37(2000)995〜1004頁、Idusogie,E.E.ら、J.Immunol.164(2000)4178〜4184頁、Hezareh,M.ら、J.Virology 75(2001)12161〜12168頁、Morgan,A.ら、Immunology 86(1995)319〜324頁、欧州特許第0307434号明細書により記載されている。このような結合部位は、例えばL234、L235、D270、N297、E318、K320、K322、P331及びP329(Kabat,E.A.のEUインデックスによるナンバリング、以下参照)である。サブクラスIgG1、IgG2及びIgG3の抗体が、通常は補体活性化ならびにC1q及びC3結合を示すのに対し、IgG4は補体系を活性化せず、C1q及びC3を結合しない。
1つの実施形態において本発明による抗体は、ヒト起源に由来するFc部分、好ましくはヒト定常領域の全ての他の部分を含む。本明細書で使用されるとき、用語「ヒト起源に由来するFc部分」は、サブクラスIgG1、IgG2、IgG3又はIgG4のヒト抗体のいずれかのFc部分、好ましくはヒトIgG1サブクラス由来のFc部分、ヒトIgG1サブクラス由来の変異Fc部分(好ましくはL234A+L235Aに変異を有する)、ヒトIgG4サブクラス由来のFc部分、又はヒトIgG4サブクラス由来の変異Fc部分(好ましくはS228Pに変異を有する)であるFc部分を意味する。最も好ましいのは、配列番号19(ヒトIgG1サブクラス)、配列番号20(変異L234A及びL235Aを有するヒトIgG1サブクラス)、配列番号21ヒトIgG4サブクラス)、又は配列番号22(変異S228Pを有するヒトIgG4サブクラス)のヒト重鎖定常領域である。
1つの実施形態において本発明による抗体は、定常鎖がヒト起源のものであることを特徴とする。このような定常鎖は、技術水準で十分に公知であり、例えばKabat,E.A.により記載されている(例えばJohnson,G.及びWu,T.T.、Nucleic Acids Res.28(2000)214〜218頁参照)。例えば、有用なヒト重鎖定常領域は、配列番号17のアミノ酸配列を含む。例えば、有用なヒト軽鎖定常領域は、配列番号18のカッパ軽鎖定常領域のアミノ酸配列を含む。抗体は、マウス起源のものであること、及びKabatによるマウス抗体の抗体可変配列フレームを含むことがさらに好ましい。
本発明は、本発明による抗体の治療有効量を患者に投与することを特徴とする、治療を必要としている患者の治療方法を含む。
本発明は、治療のための本発明による抗体の使用を含む。
故に、同じエピトープに結合する本発明による抗体は、CSF−1リガンド依存性及びCSF−1リガンド非依存性細胞における細胞増殖を阻害することができた。特に本発明のCSF−1R抗体は、CSF−1リガンド依存性及びCSF−1リガンド非依存性CSF1−R媒介疾患の治療において使用するためのものである。これは、CSF−1R媒介疾患が、CSF−1リガンド及びCSF−1Rを通じた対応するシグナル伝達に依存性である、ならびに/又はCSF−1リガンド及びCSF−1Rを通じた対応するシグナル伝達に非依存性であることを意味する。CSF−1Rを通じたシグナル伝達は、腫瘍増殖及び転移に関与している可能性がある。
本発明の1つの実施形態は、「CSF−1R媒介疾患」の治療において使用するための本発明のCSF−1R抗体、又は「CSF−1R媒介疾患」の治療における医薬品を製造するために使用するための本発明のCSF−1R抗体であり、次のように記載され得る:
CSF−1Rシグナル伝達が腫瘍増殖及び転移に関与している可能性がある、3つの異なる機構がある。第1は、CSF−リガンド及び受容体の発現が、女性生殖器系(胸部、卵巣、子宮内膜、子宮頸部)に由来する腫瘍細胞において見出されており(Scholl,S.M.ら、J.Natl.Cancer Inst.86(1994)120〜126頁;Kacinski,B.M.、Mol.Reprod.Dev.46(1997)71〜74頁;Ngan,H.Y.ら、Eur.J.Cancer 35(1999)1546〜1550頁;Kirma,N.ら、Cancer Res 67(2007)1918〜1926頁)、該発現が、乳癌異種移植片増殖及び乳癌患者における予後不良と関連していることである。2つの点変異が、1つの研究で試験された急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病及び骨髄異形成患者の約10〜20%におけるCSF−1Rで見られ、変異の1つは受容体代謝回転を乱すことが見出された(Ridge,S.A.ら、Proc.Natl.Acad.Sci USA 87(1990)1377〜1380頁)。しかし、該変異の発生は、後の研究では確認することができなかった(Abu‐Duhier,F.M.ら、Br.J.Haematol.120(2003)464〜470頁)。変異は、肝細胞癌(Yang、D.H.ら、Hepatobiliary Pancreat.Dis.Int.3(2004)86〜89頁)及び特発性骨髄線維症(Abu‐Duhier,F.M.ら、Br.J.Haematol.120(2003)464〜470頁)の幾つかのケースでも見出された。
色素性絨毛結節性滑膜炎(PVNS)及び腱鞘巨細胞腫(TGCT)は、M−CSF遺伝子をコラーゲン遺伝子COL6A3に融合させ、M−CSFの過剰発現をもたらす転座の結果生じ得る(West,R.B.ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 103(2006)690〜695頁)。その結果生じる、M−CSFを発現する細胞により誘引される単球細胞から成る腫瘤の原因となるランドスケープ効果(landscape effect)が提案されている。TGCTは、これが主に生じる指から比較的容易に除去することができるより小さい腫瘍である。PVNSは大関節で再発し得、外科的に容易に制御されないため、より攻撃性である。
第2の機構は、破骨細胞形成、骨吸収及び溶骨性骨病変を誘発する、骨における転移部位でのM−CSF/CSF−1Rを通じたシグナル伝達のブロックに基づく。乳癌、多発性骨髄腫及び肺癌は、骨に転移し、溶骨性骨疾患を引き起こし、骨格合併症をもたらすことが見出されている癌の例である。腫瘍細胞及び間質により放出されるM−CSFは、核因子カッパBリガンド−RANKLの受容体アクチベーターと協力して成熟破骨細胞への造血骨髄単球前駆細胞の分化を誘発する。このプロセス中、M−CSFは、破骨細胞に生存シグナルを与えることにより許容因子として作用する(Tanaka,S.ら、J.Clin.Invest.91(1993)257〜263頁)。抗CSF−1R抗体を用いた破骨細胞分化及び成熟中のCSF−1R活性の阻害は、転移性疾患において溶骨性疾患及び関連する骨格関連事象を引き起こす破骨細胞のアンバランスな活性を防ぐ可能性がある。乳癌、肺癌及び多発性骨髄腫が典型的には溶骨性病変をもたらすのに対し、前立腺癌における骨への転移は最初は造骨性の様相を呈し、増加した骨形成活性が、正常な骨の典型的な層板構造とは異なる「線維性骨」をもたらす。疾患の進行中、骨病変は、著しい溶骨性成分及び高い血清レベルの骨吸収を示し、抗吸収療法が有用となり得ることを示唆している。ビスホスホネートは、溶骨性病変の形成を阻害することが示されており、ホルモン不応性転移性前立腺癌を有する男性のみにおいて骨格関連事象数を減少させたが、現時点では造骨性病変に対するその効果は議論を呼んでおり、ビスホスホネートは、骨転移又はホルモン応答性前立腺癌の予防において今日まで有益ではなかった。混合型溶骨性/造骨性前立腺癌における骨吸収抑制剤の効果は、臨床で依然として研究されている(Choueiri,M.B.ら、Cancer Metastasis Rev.25(2006)601〜609頁;Vessella,R.L.及びCorey,E.、Clin.Cancer Res.12(20Pt2)(2006)6285〜6290頁)。
第3の機構は、乳癌、前立腺癌、卵巣癌及び子宮頸癌の固形腫瘍で見出された腫瘍関連マクロファージ(TAM)は、予後不良と相関した(Bingle,L.ら、J.Pathol.196(2002)254〜265頁;Pollard,J.W.、Nat.Rev.Cancer 4(2004)71〜78頁)という最近の観察に基づく。マクロファージは、M−CSF及び他のケモカインにより腫瘍に動員される。マクロファージは、次いで血管新生因子、プロテアーゼ及び他の増殖因子及びサイトカインの分泌を通じて腫瘍進行に寄与し得、CSF−1Rシグナル伝達の阻害によりブロックされ得る。最近、腫瘍壊死因子アルファ(TNFアルファ)、M−CSF又は両方の組み合わせのsiRNAの発現は、それぞれのsiRNAの腫瘍内注射後、マウス異種移植片モデルにおける腫瘍増殖を34%〜50%減少させることがZinsらにより示された(Zins,K.ら、Cancer Res.67(2007)1038〜1045頁)。ヒトSW620細胞により分泌されるTNFアルファを標的にするSiRNAは、マウスM−CSFレベルを低下させ、腫瘍におけるマクロファージの減少をもたらした。さらに、M−CSFに対する抗原結合断片を用いたMCF7腫瘍異種移植片の処理は、40%腫瘍増殖阻害をもたらし、化学療法剤に対する抵抗性を逆転させ、化学療法剤と併用して与えられた場合、マウスの生存を改善した(Paulus,P.ら、Cancer Res.66(2006)4349〜4356頁)。
TAMは、慢性炎症と癌の間の新たな関連の1つの例にすぎない。多くの慢性疾患は癌のリスクの増加と関連しており、癌は慢性炎症の部位で生じ、炎症の化学伝達物質が多くの癌で見出されており、炎症の細胞伝達物質又は化学伝達物質の欠失は実験癌の発生を阻害し、及び抗炎症剤の長期使用は幾つかの癌のリスクを減少させるため、炎症と癌の間の関連に関するさらなる証拠がある。胃癌に対するH.ピロリ誘発胃炎、膀胱癌に対する住血吸虫症、カポジ肉腫に対するHHVX、卵巣癌に対する子宮内膜症、及び前立腺癌に対する前立腺炎の中に、幾つかの炎症性状態に対する癌との関連が存在する(Balkwill,F.ら、Cancer Cell 7(2005)211〜217頁)。マクロファージは慢性炎症における重要な細胞であり、その微小環境に特異的に応答する。機能状態の連続体における両極と考えられる2つのタイプのマクロファージがある。M1マクロファージは、タイプ1反応に関与する。これらの反応は、微生物産物による活性化、及び結果として生じる、反応性酸素中間体をもたらす病原微生物の死滅を伴う。両極のもう一方の端は、細胞増殖を促進し、炎症及び適応免疫を調整し、組織リモデリング、血管新生及び修復を促進するタイプ2反応に関与するM2マクロファージである(Mantovani,A.ら、Trends Immunol.25(2004)677〜686頁)。確立された新生物をもたらす慢性炎症は、通常、M2マクロファージと関連している。炎症性反応を媒介する極めて重要なサイトカインは、その名の通り高用量で抗腫瘍免疫及び出血性壊死を刺激することができるが、腫瘍細胞により発現され腫瘍プロモーターとして作用することが最近見出されたTNFアルファである(Zins,K.ら、Cancer Res.67(2007)1038〜1045頁;Balkwill,F.、Cancer Metastasis Rev.25(2006)409〜416頁)。腫瘍に関するマクロファージの特異的役割は、その機能に対する潜在的な空間的及び時間的依存ならびに特定の腫瘍タイプとの関係を含め、より良く理解される必要が依然としてある。
故に、本発明の1つの実施形態は、癌の治療において使用するための本発明のCSF−1R抗体である。用語「癌」は本明細書で使用されるとき、例えば、肺癌、非小細胞肺(NSCL)癌、細気管支肺胞細胞肺癌、骨癌、膵臓癌、皮膚癌、頭部もしくは頸部の癌、皮膚もしくは眼内黒色腫、子宮癌、卵巣癌、直腸癌、肛門領域の癌、胃癌(stomach cancer)、胃癌(gastric cancer)、結腸癌、乳癌、子宮癌、卵管の癌腫、子宮内膜の癌腫、子宮頸部の癌腫、膣の癌腫、外陰の癌腫、ホジキン病、食堂の癌、小腸の癌、内分泌系の癌、甲状腺の癌、副甲状腺の癌、副腎の癌、軟組織の肉腫、尿道の癌、陰茎の癌、前立腺癌、膀胱の癌、腎臓又は尿管の癌、腎細胞癌腫、腎盂の癌腫、中皮腫、肝細胞癌、胆嚢癌、中枢神経系(CNS)の新生物、脊髄軸腫瘍、脳幹膠腫、多形性膠芽腫、星状細胞腫、シュワン腫、エペンディモナ(ependymona)、髄芽腫、髄膜腫、扁平上皮細胞癌腫、下垂体腺腫、リンパ腫、リンパ性白血病(いずれかの上記の癌の難治性バージョン、又は1つもしくは複数の上記の癌の組み合わせを含む)であり得る。好ましくはこのような癌は、乳癌、卵巣癌、子宮頸癌、肺癌又は前立腺癌である。好ましくはこのような癌は、CSF−1又はCSF−1R発現又は過剰発現をさらに特徴とする。本発明の1つのさらなる実施形態は、原発腫瘍及び新たな転移の同時治療において使用するための本発明のCSF−1R抗体である。
故に、本発明の別の実施形態は、歯周炎、ヒスチオサイトーシスX、骨粗鬆症、骨のパジェット病(PDB)、癌療法による骨量減少、プロテーゼ周囲の骨溶解、グルココルチコイド誘発性骨粗鬆症、関節リウマチ、乾癬性関節炎、変形性関節症、炎症性関節炎(inflammatory arthridities)、及び炎症の治療において使用するための本発明のCSF−1R抗体である。
Rabello,D.ら、Biochem.Biophys.Res.Commun.347(2006)791〜796頁は、CSF1遺伝子におけるSNPが、侵襲性歯周炎(歯槽骨の吸収による歯の喪失を引き起こす歯周組織の炎症性疾患)と正の関係を示すことを立証した。
ヒスチオサイトーシスX(ランゲルハンス細胞組織球増加症、LCHとも呼ばれる)は、骨及び骨外性LCH病変において破骨細胞に分化と思われるランゲルハンス樹状細胞の増殖性疾患である。ランゲルハンス細胞は、循環単球に由来する。血清及び病変において測定されたM−CSFの上昇したレベルは、疾患重症度と相関することが見出された(da Costa,C.E.ら、J.Exp.Med.201(2005)687〜693頁)。該疾患は主に小児患者集団で生じ、該疾患が全身性になる、又は再発性である場合、化学療法により治療されなければならない。
骨粗鬆症の病態生理は、骨形成骨芽細胞の喪失及び破骨細胞依存性骨吸収の増加により媒介される。支持データは、抗M−CSF抗体注射が、卵巣摘出マウスにおいて骨密度を保ち、骨吸収を阻害することを示すCenciらにより記載されている(Cenci,S.ら、J.Clin.Invest.105(2000)1279〜1287頁)。最近、エストロゲン欠乏による閉経後の骨量減少間の潜在的関連が同定され、TNFアルファ産生T細胞の存在が、骨代謝に影響を与えることが見出された(Roggia,C.ら、Minerva Med.95(2004)125〜132頁)。可能性のある機構は、インビボでのTNFアルファによるM−CSFの誘導であり得る。TNFアルファ誘導破骨細胞形成におけるM−CSFの重要な役割が、マウスにおいてTNFアルファ誘導骨溶解をブロックするM−CSFに対する抗体の影響により確認され、これにより炎症性関節炎に対するCSF−1Rシグナル伝達潜在的標的の阻害剤を作製した(Kitaura,H.ら、J.Clin.Invest.115(2005)3418〜3427頁)。
骨のパジェット病(PDB)は、増加した骨代謝回転の局所異常が骨痛、変形、病的骨折及び難聴などの合併症をもたらす、骨粗鬆症後の2番目に最も多い骨代謝障害である。正常な破骨細胞機能を制御し、個体をPDB及び関連障害に罹りやすくする4つの遺伝子における変異、すなわち、核因子(NF)カッパB(RANK)−破骨細胞機能の極めて重要な制御因子の受容体アクチベーターをコードするTNFRSF11Aにおける挿入変異、オステオプロテゲリン(RANKリガンドのデコイ受容体)をコードするTNFRSF11B不活化変異、NFカッパB経路における重要な足場タンパク質をコードするシークエストソーム(sequestosome)1遺伝子(SQSTM1)の変異、及びバロシン含有タンパク質(VCP)遺伝子における変異が同定されている。この遺伝子は、プロテアソームによる分解に対するNFカッパBの阻害剤を標的にするうえで役割を果たすVCPをコードする(Daroszewska,A.及びRalston,S.H.、Nat.Clin.Pract.Rheumatol.2(2006)270〜277頁)。標的CSF−1R阻害剤は、RANKLシグナル伝達の脱制御を間接的にブロックし、現在使用されているビスホスホネートに追加の治療選択肢を加える機会を提供する。
特に乳癌及び前立腺癌患者における癌療法誘発性骨量減少は、標的CSF−1R阻害剤が骨量減少を予防し得るさらなる適応である(Lester,J.E.ら、Br.J.Cancer 94(2006)30〜35頁)。化学療法、照射、アロマターゼ阻害剤及び卵巣切除を含む療法の幾つかは、骨塩密度を減少させて骨代謝に影響を与え、骨粗鬆症及び関連する骨折のリスク増加をもたらすため(Lester,J.E.、ら、Br.J.Cancer 94(2006)30〜35頁)、早期乳癌の予後の改善によりアジュバント療法の長期結果がより重要になっている。乳癌におけるアジュバントアロマターゼ阻害剤療法に相当するのは、骨塩密度の減少をもたらし、骨粗鬆症関連骨折のリスクを著しく増加させる前立腺癌におけるアンドロゲン除去療法である(Stoch,S.A.ら、J.Clin.Endocrinol.Metab.86(2001)2787〜2791頁)。
CSF−1Rシグナル伝達の標的阻害は、標的細胞型が破骨細胞及びマクロファージを含む場合、他の適応においても同様に有益となる可能性がある(例えば関節リウマチの結果としての関節置換術に反応した特定の合併症の治療)。プロテーゼ周囲の骨量減少による移植失敗及び結果として生じるプロテーゼの緩みは、関節置換術の主な合併症であり、個々の患者及び医療制度にとって高い社会経済的負担を伴う度重なる手術を必要とする。これまで、プロテーゼ周囲の骨溶解を予防又は阻害するための承認された薬物療法はない(Drees,P.ら、Nat.Clin.Pract.Rheumatol.3(2007)165〜171頁)。
グルココルチコイド誘発性骨粗鬆症(GIOP)は、CSF−1R阻害剤が、慢性閉塞性肺疾患、喘息及び関節リウマチの中の様々な状態の結果として与えられる長期のグルココルチココステロイド(glucocorticocosteroid)使用後の骨量減少を予防し得る別の適応である(Guzman−Clark,J.R.ら、Arthritis Rheum.57(2007)140〜146頁;Feldstein,A.C.ら、Osteoporos.Int.16(2005)2168〜2174頁)。
関節リウマチ、乾癬性関節炎(psioratic arthritis)及び炎症性関節炎は、マクロファージ成分及び様々な程度に骨破壊から成るという点で、それ自体CSF−1Rシグナル伝達阻害剤の潜在的な適応である(Ritchlin,C.T.ら、J.Clin.Invest.111(2003)821〜831頁)。変形性関節症及び関節リウマチは、結合組織におけるマクロファージの蓄積及び滑液へのマクロファージの浸潤により引き起こされる炎症性自己免疫疾患であり、少なくとも一部はM−CSFにより媒介される。Campbell,I.K.ら、J.Leukoc.Biol.68(2000)144〜150は、M−CSFがインビトロでヒト関節組織細胞(軟骨細胞、滑膜線維芽細胞)により産生され、関節リウマチ患者の滑液で見出されることを示した。これは、M−CSFが、該疾患の病因に関連する滑液組織増殖及びマクロファージ浸潤に寄与することを示唆するものである。CSF−1Rシグナル伝達の阻害は、関節中のマクロファージの数を制御し、関連する骨破壊からの疼痛を軽減する可能性がある。有害効果を最小限に抑え、これらの適応におけるCSF−1Rシグナル伝達の影響をさらに理解するために、1つの方法が、Rafキナーゼなどの無数の他のキナーゼを標的にすることなく、CSF−1Rを特異的に阻害することである。
最近の文献は、慢性冠動脈疾患における予後不良及びアテローム性動脈硬化の進行と相関する増加した循環M−CSF(Saitoh,T.ら、J.Am.Coll.Cardiol.35(2000)655〜665頁;Ikonomidis,I.ら、Eur.Heart.J.26(2005)1618〜1624頁);M−CSFが、CSF−1Rを発現し、初期のプラークを意味する泡沫細胞(酸化LDLを取り込んだマクロファージ)の形成を助けてアテローム性動脈硬化プロセスに影響を与える(Murayama,T.ら、Circulation 99(1999)1740〜1746頁)ことを報告している。
M−CSF及びCSF−1Rの発現及びシグナル伝達は、活性化ミクログリアにおいて見出される。中枢神経系の常在性マクロファージであるミクログリアは、感染及び外傷性損傷を含む様々な傷害により活性化され得る。M−CSFは、脳における炎症反応の重要な制御因子と考えられており、M−CSFレベルは、HIV−1、脳炎、アルツハイマー病(AD)及び脳腫瘍で増加する。M−CSF/CSF−1Rによる自己分泌シグナル伝達の結果としての小膠細胞症は、例えば実験的ニューロン損傷モデルを用いて示されたように、放出される炎症性サイトカイン及び酸化窒素の誘導をもたらす(Hao,A.J.ら、Neuroscience 112(2002)889〜900頁;Murphy,G.M.、Jr.ら、J.Biol.Chem.273(1998)20967〜20971頁)。CSF−1Rの発現が増加したミクログリアは、AD及びADのアミロイド前駆体タンパク質V717Fトランスジェニックマウスモデルにおいてプラークを取り囲むことが見出されている(Murphy,G.M.,Jr.ら、Am.J.Pathol.157(2000)895〜904頁)。一方、脳におけるミクログリアがより少ないop/opマウスは、正常対照と比較してAベータの線維性沈着及びニューロン損失をもたらし、ミクログリアがop/opマウスにおけるAD欠如の発生において神経保護機能を有することを示唆している(Kaku,M.ら、Brain Res.Brain Res.Protoc.12(2003)104〜108頁)。
M−CSF及びCSF−1Rの発現及びシグナル伝達は、炎症性腸疾患(IBD)と関連している(国際公開第2005/046657号パンフレット)。用語「炎症性腸疾患」は、胃腸管の様々な部位での慢性炎症を特徴とする腸管の重篤な慢性障害を指し、具体的には潰瘍性大腸炎(UC)及びクローン病を含む。
本発明は、癌の治療のための、上述のエピトープ結合特性あるいは上述のアミノ酸配列及びアミノ酸配列断片を特徴とする、ヒトCSF−1Rに結合する抗体を含むことを特徴とする抗体を含む。
本発明は、骨量減少の治療のための、上述のエピトープ結合特性あるいは上述のアミノ酸配列及びアミノ酸配列断片を特徴とする、ヒトCSF−1Rに結合する抗体を含むことを特徴とする抗体を含む。
本発明は、転移の予防又は治療のための、上述のエピトープ結合特性あるいは上述のアミノ酸配列及びアミノ酸配列断片を特徴とする、ヒトCSF−1Rに結合する抗体を含むことを特徴とする抗体を含む。
本発明は、炎症性疾患の治療のための、上述のエピトープ結合特性あるいは上述のアミノ酸配列及びアミノ酸配列断片を特徴とする、ヒトCSF−1Rに結合する抗体を含むことを特徴とする抗体を含む。
本発明は、癌の治療のための、あるいは癌の治療のための医薬品を製造するための、上述のエピトープ結合特性あるいは上述のアミノ酸配列及びアミノ酸配列断片を特徴とする、ヒトCSF−1Rに結合する抗体を含むことを特徴とする抗体の使用を含む。
本発明は、骨量減少の治療のための、あるいは骨量減少の治療のための医薬品を製造するための、上述のエピトープ結合特性あるいは上述のアミノ酸配列及びアミノ酸配列断片を特徴とする、ヒトCSF−1Rに結合する抗体を含むことを特徴とする抗体の使用を含む。
本発明は、転移の予防又は治療のための、あるいは転移の予防又は治療のための医薬品を製造するための、上述のエピトープ結合特性あるいは上述のアミノ酸配列及びアミノ酸配列断片を特徴とする、ヒトCSF−1Rに結合する抗体を含むことを特徴とする抗体の使用を含む。
本発明は、炎症性疾患の治療のための、あるいは炎症性疾患の治療のための医薬品を製造するための、上述のエピトープ結合特性あるいは上述のアミノ酸配列及びアミノ酸配列断片を特徴とする、ヒトCSF−1Rに結合する抗体を含むことを特徴とする抗体の使用を含む。
1つの実施形態において、本発明による抗体は、1つ又は複数の以下の特性を有する
a)NIH3T3−野生型CSF−1R組換え細胞の増殖の、10μg/mlの抗体濃度で90%以上の阻害(実施例2参照);
b)NIH3T3−変異体CSF−1R L301S Y969F組換え細胞の増殖の、10μg/mlの抗体濃度で60%以上の阻害((例えば実施例2参照);
c)CSF−1/CSF−1R相互作用の阻害(例えば15ng/ml以下のIC50値で、実施例3参照);
d)野生型NIH3T3‐CSF−1R組換え細胞におけるCSF−1誘導CSF−1Rリン酸化の阻害(例えば80ng/ml以下のIC50値で、実施例4参照);
e)BeWo腫瘍細胞の増殖の阻害(例えば10μg/mlの抗体濃度で80%以上、実施例7参照);
f)マクロファージ分化の阻害(例えば0.8nM以下のIC50値で、実施例8参照)。
本発明は、ヒトCSF−1Rに結合する抗体を1つの態様において含み、該抗体は寄託抗体DSM ACC2920と同じエピトープに結合し、該抗体は1つ又は複数の以下の特性を有する:
a)NIH3T3−野生型CSF−1R組換え細胞の増殖の、10μg/mlの抗体濃度で90%以上の阻害(実施例2参照);
b)NIH3T3−変異体CSF−1R L301S Y969F組換え細胞の増殖の、10μg/mlの抗体濃度で60%以上の阻害((例えば実施例2参照);
c)CSF−1/CSF−1R相互作用の阻害(例えば15ng/ml以下のIC50値で、実施例3参照);
d)野生型NIH3T3−CSF−1R組換え細胞におけるCSF−1誘導CSF−1Rリン酸化の阻害(例えば80ng/ml以下のIC50値で、実施例4参照);
e)BeWo腫瘍細胞の増殖の阻害(例えば10μg/mlの抗体濃度で80%以上、実施例7参照);
f)マクロファージ分化の阻害(例えば0.8nM以下のIC50値で、実施例8参照)。
別の態様において、本発明は、薬学的に許容可能な担体と一緒に調製された、本発明の1つのモノクローナル抗体もしくはモノクローナル抗体の組み合わせ、又はその抗原結合部分を含有する組成物、例えば薬学的組成物を提供する。
本明細書で使用されるとき、「薬学的に許容可能な担体」には、生理学的に適合可能なありとあらゆる溶媒、分散媒、被覆剤、抗菌剤及び抗真菌剤、等張剤及び吸収/再吸収遅延剤等が含まれる。好ましくは、担体は、注射又は点滴に適している。
本発明の組成物は、当技術分野で公知の様々な方法により投与することができる。当業者により理解されるように、投与の経路及び/又は方法は、所望の結果に応じて変わるであろう。
薬学的に許容可能な担体には、滅菌注射可能溶液又は分散液を調製するための滅菌水溶液又は分散液及び滅菌粉末が含まれる。薬学的に活性な物質のためのこのような媒体及び剤の使用は、当技術分野で公知である。水に加えて、担体は、例えば等張緩衝食塩溶液であってもよい。
選択される投与経路にかかわらず、適切な水和物の形態で使用され得る本発明の化合物、及び/又は本発明の薬学的組成物は、当業者に公知の従来の方法により薬学的に許容可能な剤形に調製される。
本発明の薬学的組成物における活性成分の実際の投与量レベルは、患者に有毒であることなく、特定の患者、組成物、及び投与方法に対する所望の治療反応を達成するのに有効な活性成分の量(有効量)を得るように変えることができる。選択される投与量レベルは、使用される本発明の特定の組成物、又はそのエステル、塩もしくはアミドの活性、投与経路、投与時間、使用されている特定の化合物の排出速度、使用される特定の組成物と併用して使用される他の薬物、化合物及び/又は材料、治療されている患者の年齢、性別、体重、状態、全般的健康及び既往歴、ならびに医学分野で十分に公知の同様の要因を含む、様々な薬物動態要因に依存するであろう。
本発明は、癌、特に結腸癌、肺癌又は膵臓癌に罹患している患者を治療するための本発明による抗体の使用を含む。
本発明はまた、このような疾患に罹患している患者を治療するための方法も含む。
本発明はさらに、薬学的に許容可能な担体と一緒に本発明による抗体の有効量を含む薬学的組成物の製造方法、及びこのような方法のための本発明による抗体の使用を提供する。
本発明はさらに、癌に罹患している患者を治療するための、好ましくは薬学的に許容可能な担体と一緒に医薬品を製造するための有効量での本発明による抗体の使用を提供する。
本発明はまた、癌に罹患している患者を治療するための、好ましくは薬学的に許容可能な担体と一緒に医薬品を製造するための有効量での本発明による抗体の使用も提供する。
以下の例及び配列表は、本発明の理解を助けるために提供され、その真の範囲は添付特許請求の範囲に記載されている。変更は、本発明の趣旨から逸脱することなく記載された手順において行われ得ることが理解される。
抗体寄託
本発明による好ましいハイブリドーマ細胞株、ハイブリドーマ細胞株<CSF−1R>9D11.2Eは、特許手順上の微生物の寄託の国際的承認に関するブタペスト条約下、アクセッション番号DSM ACC 2920の下、2008年6月10日、Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH(DSMZ)、ドイツに寄託された。
Figure 0006242804
前記細胞株から入手可能な抗体が、本発明の好ましい実施形態である。
配列の記載
配列番号1 重鎖CDR3、<CSF−1R>9D11.2E8
配列番号2 重鎖CDR2、<CSF−1R>9D11.2E8
配列番号3 重鎖CDR1、<CSF−1R>9D11.2E8
配列番号4 軽鎖CDR3、<CSF−1R>9D11.2E8
配列番号5 軽鎖CDR2、<CSF−1R>9D11.2E8
配列番号6 軽鎖CDR1、<CSF−1R>9D11.2E8
配列番号7 重鎖可変ドメイン、<CSF−1R>9D11.2E8
配列番号8 軽鎖可変ドメイン、<CSF−1R>9D11.2E8
配列番号9 重鎖CDR3、<CSF−1R>10H2.2F12
配列番号10 重鎖CDR2、<CSF−1R>10H2.2F12
配列番号11 重鎖CDR1、<CSF−1R>10H2.2F12
配列番号12 軽鎖CDR3、<CSF−1R>10H2.2F12
配列番号13 軽鎖CDR2、<CSF−1R>10H2.2F12
配列番号14 軽鎖CDR1、<CSF−1R>10H2.2F12
配列番号15 重鎖可変ドメイン、<CSF−1R>10H2.2F12
配列番号16 軽鎖可変ドメイン、<CSF−1R>10H2.2F12
配列番号17 γ1重鎖定常領域
配列番号18 κ軽鎖定常領域
配列番号19 IgG1に由来するヒト重鎖定常領域
配列番号20 L234A及びL235Aで変異したIgG1変異に由来するヒト重鎖定常領域
配列番号21 IgG4に由来するヒト重鎖定常領域
配列番号22 S228Pで変異したIgG4に由来するヒト重鎖定常領域
配列番号23 野生型CSF−1R(wt CSF−1R)
配列番号24 変異体CSF−1R L301S Y969F
以下の例、配列表及び図は、本発明の理解を助けるために提供され、その真の範囲は添付特許請求の範囲に記載されている。変更は、本発明の趣旨から逸脱することなく記載された手順において行われ得ることが理解される。
実施例1
抗CSF−1R抗体を産生するハイブリドーマ細胞株の生成
NMRIマウスの免疫化手順
NMRIマウスは、エレクトロポレーションを利用してhuCSF−1Rの細胞外ドメインをコードする発現ベクターpDisplay(商標)(Invitrogen、USA)を用いて免疫化した。どのマウスも100μg DNAで4回免疫化した。抗huCSF−1Rの血清力価が十分であることがわかった場合、マウスを、融合の4及び3日前に静注で(i.v.)、200μl PBS中50μgの1:1混合物huCSF−1R ECD/huCSF−1R ECDhuFcキメラを用いて1回さらに追加免疫した。
抗原特異的ELISA
免疫化マウスの血清中抗CSF−1R力価は、抗原特異的ELISAにより決定した。
0.3μg/ml huCSF−1R−huFcキメラ(可溶性細胞外ドメイン)を、0.1mg/mlビオチン化抗Fcγ(Jackson ImmunoResearch.、Cat.No.109−066−098)を用いてストレプトアビジンプレート(MaxiSorb;MicroCoat、DE、Cat.No.11974998/MC1099)に捕捉し、PBS/0.05%Tween20/0.5%BSA中で1/800希釈した西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)コンジュゲートF(ab’)抗マウスIgG(GE Healthcare、UK、Cat.No.NA9310V)を添加した。全てのタップからの血清を、PBS/0.05%Tween20/0.5%BSA中で1/40希釈し、1/1638400まで連続希釈した。希釈血清をウェルに添加した。タップ前血清を陰性対照として使用した。500ng/ml〜0.25ng/mlのマウス抗ヒトCSF−IR Mab3291(R&D Systems、UK)の希釈シリーズを陽性対照として使用した。全ての成分を1.5時間一緒にインキュベートし、ウェルをPBST(PBS/0.2%Tween20)で6回洗浄し、アッセイを、新しく調製したABTS(登録商標)溶液(1mg/ml)(ABTS:2,2’−アジノ ビス(3−エチルベンズチアゾリン−6−スルホン酸)を用いてRTで10分間展開した。吸光度は405nmで測定した。
ハイブリドーマ生成
マウスリンパ球は、単離し、PEGベースの標準的プロトコルを用いてマウス骨髄腫細胞株と融合させてハイブリドーマを生成することができる。得られたハイブリドーマを、次いで抗原特異的抗体の産生についてスクリーニングした。例えば、免疫化マウスからの脾臓由来リンパ球の単一細胞懸濁液を、50%PEGを用いてAg8非分泌マウス骨髄腫細胞P3X63Ag8.653(ATCC、CRL−1580)に融合させる。細胞を平底96ウェルマイクロタイタープレートに約10で播種し、この後選択培地で約2週間インキュベートした。個々のウェルを、次いでヒト抗CSF−1RモノクローナルIgM及びIgG抗体についてELISAによりスクリーニングした。広範なハイブリドーマ増殖が生じたら、抗体分泌ハイブリドーマを再播種し、再度スクリーニングし、及びヒトIgG、抗CSF−1Rモノクローナル抗体に対し依然として陽性であれば、FACSによりサブクローニングすることができる。安定なサブクローンを次いでインビトロで培養して、特徴づけのために組織培地で抗体を産生した。
ハイブリドーマの培養
生成muMAbハイブリドーマを、2mM L−グルタミン(GIBCO−Cat.No.35050−038)、1mMピルビン酸Na(GIBCO−Cat.No.11360−039)、1×NEAA(GIBCO−Cat.No.11140−035)、10%FCS(PAA−Cat.No.A15−649)、1×Pen Strep(Roche−Cat.No.1074440)、1×ニュートリドーマCS(Roche−Cat.No.1363743)、50μMメルカプトエタノール(GIBCO−Cat.No.31350−010)及び50U/ml IL 6マウス(Roche−Cat.No.1444581)を補充したRPMI 1640(PAN−カタログ番号(Cat.No.)PO4−17500)中で、37℃及び5%COで培養した。
実施例2
抗CSF−1Rモノクローナル抗体で処理下の3D培養におけるNIH3T3−CSF−1R(野生型CSF−1R又は変異体CSF−1R L301S Y969F)組換え細胞の増殖阻害による抗体の選択(CellTiterGloアッセイ)
完全長の野生型CSF−1R(配列番号23)又は変異体CSF−1R L301S Y969F(配列番号24)のどちらかの発現ベクターにレトロウイルス感染したNIH3T3細胞(ATCC No.CRL−2795)を、プラスチック表面への接着を防ぐためのポリHEMA(ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート))(Polysciences、ウォリントン、PA、USA))被覆皿で、2mM L−グルタミン、2mMピルビン酸ナトリウム、及び非必須アミノ酸、及び10%ウシ胎仔血清(Sigma、タウフキルヘン、ドイツ)を補充したDMEM高グルコース培地(PAA、パシング、オーストリア)中で培養した。細胞は、血清を5ng/ml亜セレン酸ナトリウム、10mg/mlトランスフェリン、400μg/ml BSA及び0.05mM 2−メルカプトエタノールと置換した培地に播種する。100ng/ml huCSF−1(Biomol、ハンブルグ、ドイツ)で処理した場合、wtCSF−1R発現細胞は、足場非依存性と呼ばれる特性である、3次元的に増殖する高密度のスフェロイドを形成する。これらのスフェロイドは、インサイチュで固形腫瘍の3次元構造及び機構に酷似している。
変異体CSF−1R組換え細胞は、CSF−1リガンドと無関係にスフェロイドを形成することができる。スフェロイド培養物を、10μg/ml抗体の存在下で3日間インキュベートした。CellTiterGloアッセイを用いて、細胞のATP含量の測定により細胞の生存を検出した。
Figure 0006242804
Figure 0006242804
故に、同じエピトープに結合する本発明による抗体は、CSF−1リガンド依存性及び/又はCSF−1リガンド非依存性細胞における細胞増殖を阻害することができた。
さらなる実験において抗CSF−1R抗体1.2.SM1.19(国際公開第2009/026303号パンフレットに記載されたリガンド置換CSF−1R抗体)、CXIIG6(国際公開第2009/112245号パンフレットに記載されたリガンド置換CSF−1R抗体)、ヤギポリクローナル抗CSF−1R抗体ab10676(abcam)を、NIH3T3−変異体CSF−1R L301S Y969Fの増殖を阻害する能力について調べた。IC30(細胞の生存を30パーセント阻害する濃度)を決定するために、スフェロイド培養物を異なる濃度の抗体の存在下で3日間インキュベートした。最大濃度は20μg/mlであった。CellTiterGloアッセイを用いて、細胞のATP含量の測定により細胞の生存を検出した。
全3つのCSF−1R抗体1.2.SM1.19、CXIIG6、及びab10676について、NIH3T3−変異体CSF−1R L301S Y969F組換え細胞の増殖の阻害のパーセンテージは、0%パーセントであり、又は20μg/mlの最高濃度でさえさらにより低かった(1.2.SM1.19及びCXIIG6が、このようなNIH3T3−変異体CSF−1R L301S Y969F組換え細胞の細胞増殖を阻害できなかっただけでなく、むしろこのような細胞の増殖を刺激すらした(1.2.SM1.19は20μg/mlで19%刺激を示し、CXIIG6は20μg/mlで36%刺激を示した)ことを意味する。
実施例3
CSF−1/CSF−1R相互作用(ELISA)の阻害
試験はRTで384ウェルマイクロタイタープレート(MicroCoat、DE、Cat.No.464718)で行った。各インキュベーションステップ後、プレートをPBSTで3回洗浄した。
最初に、プレートを0.5mg/mlヤギF(ab’)ビオチン化抗Fcγ(Jackson ImmunoResearch.、Cat.No.109−006−170)で1時間(h)被覆した。
その後ウェルを、0.2%Tween(登録商標)−20及び2%BSA(Roche Diagnostics GmbH、DE)を補充したPBSで0.5hブロックした。75ng/mlのhuCSF−1R−huFcキメラ(可溶性細胞外ドメイン)を1h、プレートに固定化した。次いで、PBS/0.05%Tween20/0.5%BSA中の精製抗体の希釈物を1hインキュベートした。3ng/ml CSF−1(Biomol、DE、Cat.No.60530)、50ng/mlビオチン化抗CSF−1 クローンBAF216(R&D Systems、UK)及び1:5000希釈ストレプトアビジンHRP(Roche Diagnostics GmbH、DE、Cat.No.11089153001)の混合物を1h添加した後、プレートをPBSTで6回洗浄した。リガンド−受容体相互作用を阻害する抗CSF−IR SC−02、クローン2−4A5(Santa Cruz Biotechnology、US)を陽性対照として使用した。プレートを、新しく調製したBMブルー(登録商標)POD基質溶液(BMブルー(登録商標):3,3’−5,5’−テトラメチルベンジジン、Roche Diagnostics GmbH、DE、Cat.No.11484281001)を用いてRTで30分間展開した。吸光度は370nmで測定した。全ての抗CSF−1R抗体が、CSF−1Rに結合するCSF−1の著しい阻害を示した(表2参照)。リガンド−受容体相互作用を阻害する抗CSF−IR SC−02、クローン2−4A5(Santa Cruz Biotechnology、US)を参照対照として使用した。
Figure 0006242804
実施例4
NIH3T3−CSF−1R組換え細胞におけるCSF−1誘導CSF−1Rリン酸化の阻害
完全長CSF−1R(配列番号23)の発現ベクターにレトロウイルス感染した4.5×10NIH 3T3細胞を、DMEM(PAA Cat.No.E15−011)、2mM L−グルタミン(Sigma、Cat.No.G7513、2mMピルビン酸ナトリウム、1×非必須アミノ酸、10%FKS(PAA、Cat.No.A15−649)及び100μg/ml PenStrep(Sigma、Cat.No.P4333[10mg/ml])中でコンフルエンシーに達するまで培養した。その後、細胞を、亜セレン酸ナトリウム[5ng/ml](Sigma、Cat.No.S9133)、トランスフェリン[10μg/ml](Sigma、Cat.No.T8158)、BSA[400μg/ml](Roche Diagnostics GmbH、Cat.No.10735078)、4mM L−グルタミン(Sigma、Cat.No.G7513)、2mMピルビン酸ナトリウム(Gibco、Cat.No.11360)、1×非必須アミノ酸(Gibco、Cat:11140−035)、2−メルカプトエタノール[0.05mM](Merck、Cat.No.M7522)、100μg/ml及びPenStrep(Sigma、Cat.No.P4333)を補充した無血清DMEM培地(PAA Cat.No.E15−011)で洗浄し、30μlの同じ培地で16時間インキュベートして受容体アップレギュレーションを可能にした。10μlの希釈抗CSR−1R抗体を細胞に1.5h添加した。次いで細胞を、10μlの100ng/ml huM−CSF−1(Biomol Cat.No.60530)で5分間刺激した。インキュベーション後、上清を除去し、細胞を80μlの氷冷PBSで2回洗浄し、50μlの新しく調製した氷冷溶解緩衝液(150mM NaCl/20mM Tris pH7.5/1mM EDTA/1mM EGTA/1%Triton X−100/10ml緩衝液当たり1プロテアーゼ阻害剤タブレット(Roche Diagnostics GmbH Cat.No.1836170)/10μl/mlホスファターゼ阻害剤カクテル1(Sigma Cat.No.P−2850、100×Stock)/10μl/mlプロテアーゼ阻害剤1(Sigma Cat.No.P−5726、100×Stock)/10μl/ml 1M NaF)を添加した。氷上で30分後、プレートをプレート振盪器で3分間強く振盪し、次いで2200rpmで10分間遠心分離した(Heraeus Megafuge 10)。
細胞溶解物中のリン酸化した全CSF−1受容体の存在をElisaで分析した。リン酸化受容体の検出のため、R&D Systems製のキット(Cat.No.DYC3268−2)を供給者の指示に従って使用した。全CSF−1Rの検出のため、キットに含有された捕捉抗体を用いて10μlの溶解物をプレートに固定化した。その後、1:750希釈ビオチン化抗CSF−1R抗体BAF329(R&D Systems)及び1:1000希釈ストレプトアビジン−HRPコンジュゲートを添加した。60分後、プレートを新しく調製したABTS(登録商標)溶液で展開し、吸光度を検出した。データを抗体なしの陽性対照の%として計算し、比値ホスホ/全受容体を表した。陰性対照は、M−CSF−1を添加せずに定義した。リガンド−受容体相互作用を阻害する抗CSF−1R SC−02、クローン2−4A5(Santa Cruz Biotechnology、US、Sherr,C.J.ら、Cell 41(1985)665−676頁も参照)を参照対照として使用した。
Figure 0006242804
実施例5
CSF−1Rに対する抗CSF−1R抗体の親和性の決定
機器: BIACORE(登録商標)A100
チップ: CM5(Biacore BR−1006−68)
カップリング: アミンカップリング
緩衝液: PBS(Biacore BR−1006−72)、pH7.4、35℃
親和性測定に関して、36μg/ml抗マウスFcγ抗体(ヤギ由来、Jackson Immuno Research JIR115−005−071)を、CSF−1Rに対する抗体を捕捉するためにチップ表面にカップリングした。CSF−1R ECD(R&D−Systems 329−MR又は実験室内サブクローン化pCMV−presS−HisAvitag−hCSF−1R−ECDを、様々な濃度で溶液に添加した。結合は35℃で1.5分間、CSF−1R−注射により測定し、解離は35℃で10分間、チップ表面を緩衝液で洗浄して測定した。リガンド−受容体相互作用を阻害する抗CSF−IR SC−02、クローン2−4A5(Santa Cruz Biotechnology、US;Sherr,C.J.ら、Cell 41(1985)665−676頁も参照)を参照対照として使用した。
動力学的パラメータの計算にはラングミュア1:1モデルを使用した。
Figure 0006242804
実施例6
SPRの利用による交差競合に基づく抗CSF−1Rモノクローナル抗体のエピトープマッピング
機器: BIACORE(登録商標)A100
チップ: CM5(Biacore BR−1006−68)
カップリング: アミンカップリング
緩衝液: PBS(Biacore BR−1006−72)、pH7.4、25℃
交差競合によるエピトープマッピングアッセイに関して、36μg/ml抗マウスFcγ抗体又は抗ラットFcγ抗体(ヤギ由来、Jackson Immuno Research Cat.No.115−005−071及びCat.No.112−005−071)を、CSF−1Rに対する抗体の提示のためにセンサーチップ表面にカップリングした。5μg/ml抗CSF−1Rモノクローナル抗体からの捕捉後、捕捉抗体の遊離結合能力を250μg/mlマウス又はラット免疫グロブリン(Pierce Cat.No.31202及びPierce Cat.No.31233)でブロックし、その後12.5μg/ml CSF−1R(R&D−Systems Cat.No.329−MR)を2分間注射した。第2抗CSF−1R抗体の結合を2分間の注射により分析し、解離は緩衝液で5分間洗浄して測定した。アッセイ及び測定は25℃で行った。第2抗CSF−1R抗体の特異的結合を、同じチップ設定であるがCSF−1Rの注射のみをしないスポットに対して参照した。交差競合データは、第2抗CSF−1R抗体の予測結合応答のパーセンテージ(%)で計算した。第2抗体の結合に関する項目「予測結合応答のパーセンテージ(%)」は、「100相対的Response(general_stability_early)/rMax」(rMaxは、Biacoreエピトープマッピング指示書(BIACORE(登録商標)A100機器の)に記載されている通り、「相対的Response(general_stability_late)抗体分子量/抗原分子量」により計算される)により計算した。
最小結合応答も、同一の抗体1及び2のペアから計算した。そこから得られた最大値+50%を、有意な結合競合の閾値として設定した(表X参照、例えば抗体<CSF−1R>9D11.2E8について計算された閾値は8+4=12)。故に「<CSF−1R>9D11.2E8と同じエピトープに結合する抗CSF−1R抗体」は、予測結合応答<12のパーセンテージ(%)を有する。
リガンド−受容体相互作用を阻害する抗CSF−1R SC−02、クローン2−4A5(Santa Cruz Biotechnology、US、Sherr,C.J.ら、Cell 41(1985)665−676頁も参照)を参照対照として使用した。
Figure 0006242804
結果は、抗体<CSF−1R>9D11.2E8、及び<CSF−1R>10H2.2F12は全て、同じエピトープに結合するが、例えばSC−2−4A5は別のエピトープに結合し、本発明による抗体と交差反応(結合を交差競合)しないことを示している。
同様に、国際公開第2011070024号パンフレットからの抗CSF−1R抗体Mab 2F11、2E10、2H7及び1G10(NIH3T3−野生型CSF−1R又は変異体CSF−1R L301S Y969F組換え細胞の増殖を阻害することができる)を、それらが同じエピトープに結合するかどうか、さらなる実験において本発明の抗体を用いて試験した。これらのエピトープマッピング(交差競合による)結果は、抗体<CSF−1R>9D11.2E8、及び<CSF−1R>10H2.2F12が、国際公開第2011070024号パンフレットからのMab 2F11、2E10、2H7及び1G10とは異なるエピトープに結合することを明らかに示した。
実施例10において国際公開第2011070024号パンフレットに記載されているように類似して行ったさらなる別個の実験において、抗体<CSF−1R>9D11.2E8、及び<CSF−1R>10H2.2F12が、CSF1R細胞外ドメインのドメインD1〜D3(CSF−1R−ECD(D1〜D3)に結合するかどうかを決定した。この決定は、抗体<CSF−1R>9D11.2E8、及び<CSF−1R>10H2.2F12がCSF−1R ECD(D1〜D3)に結合しないという発見をもたらした。故に、抗体<CSF−1R>9D11.2E8、及び<CSF−1R>10H2.2F12は、ヒトCSF−1R細胞外ドメイン(ドメインD1〜D5を含む)に結合し、ヒトCSF−1Rの細胞外ドメインのドメインD1〜D3に結合しない。その結果、抗体<CSF−1R>9D11.2E8、及び<CSF−1R>10H2.2F12は、ヒトCSF−1Rの細胞外ドメインの(二量体化)ドメインD4〜D5に結合する。
実施例7
抗CSF−1Rモノクローナル抗体で処理下の3D培養におけるBeWo腫瘍細胞の増殖阻害(CellTiterGlo−アッセイ)
BeWo絨毛腫細胞(ATCC CCL−98)を、10%FBS(Sigma)及び2mM L−グルタミンを補充したF12K培地(Sigma、シュタインハイム、ドイツ)中で培養した。5×10細胞/ウェルを、0.5%FBS及び5%BSAを補充したF12K培地を含有する96ウェルポリHEMA(ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート))被覆プレートに播種した。同時に、200ng/ml huCSF−1及び10μg/mlの異なる抗CSF−1Rモノクローナル抗体を添加し、6日間インキュベートした。CellTiterGloアッセイを用いて、相対発光量(RLU)での細胞のATP含量を測定して細胞の生存を検出した。BeWoスフェロイド培養物を、異なる抗CSF−1R抗体(10μg/ml)で処理した場合、CSF−1誘導増殖の阻害が観察された。抗体媒介阻害を計算するために、非刺激BeWo細胞の平均RLU値を全ての試料から減算した。CSF−1刺激細胞の平均RLU値は、100%に任意に設定した。CSF−1で刺激し、抗CSF−1R抗体で処理した細胞の平均RLU値は、CSF−1刺激RLUの%で計算した。表6は計算データを示し、図1は平均RLU値を示す。各平均値は3通りから得た。
Figure 0006242804
実施例8
抗CSF−1Rモノクローナル抗体で処理下のマクロファージ分化の阻害(CellTiterGlo−アッセイ)
単球は、RosetteSep(商標)Human Monocyte Enrichment Cocktail(StemCell Tech.−Cat.No.15028)を用いて末梢血から単離した。濃縮単球集団を、10 FCS(GIBCO−Cat.No.011−090014M)、4mM L−グルタミン(GIBCO−Cat.No.25030)及び1×PenStrep(Roche Cat.No.1074440)を補充した100μl RPMI 1640(Gibco−Cat.No.31870)中で、96ウェルマイクロタイタープレート(2.5×10細胞/ウェル)に37℃及び5%COで播種した。150ng/ml huCSF−1を該培地に添加した場合、接着マクロファージへの明らかな分化を観察することができた。この分化は、抗CSF−1R抗体の添加により阻害することができた。さらに、単球生存が影響され、CellTiterGlo(CTG)分析により分析することができた。抗体処理による単球の生存の濃度依存的阻害から、IC50を計算した(表7参照)。
Figure 0006242804
別個の実験においてカニクイザル単球を、フィコール分離により末梢血から単離し、その後CD14の磁気選別(Miltenyi Biotec Cat.No.130091097)を、それぞれ5μg/ml抗体濃度、同一のアッセイ条件下で試験した。<CSF−1R>9D11.2E8は33%阻害、<CSF−1R>10H2.2F12は18%阻害を示した。(対照的に、国際公開第2011/070024(A1)号パンフレットに記載された抗CSF−1R Mab 2F11は、サル単球の生存を99%阻害した)。

Claims (16)

  1. CSF−1リガンド依存性及び/又はCSF−1リガンド非依存性CSF−1R発現細胞における細胞増殖の阻害のための薬剤であって、ヒトCSF−1Rに結合する抗体を含み、
    a)重鎖可変ドメインが、配列番号1のCDR3領域、配列番号2のCDR2領域、及び配列番号3のCDR1領域を含み、ならびに軽鎖可変ドメインが、配列番号4のCDR3領域、配列番号5のCDR2領域、及び配列番号6のCDR1領域を含むこと、もしくは
    b)重鎖可変ドメインが、配列番号9のCDR3領域、配列番号10のCDR2領域、及び配列番号11のCDR1領域を含み、ならびに軽鎖可変ドメインが、配列番号12のCDR3領域、配列番号13のCDR2領域、及び配列番号14のCDR1領域を含むこと、又は
    c)a)もしくはb)の前記抗体のCDR移植、ヒト化又はT細胞エピトープ欠失抗体バリアント
    を特徴と
    該抗体が、以下の特性:
    a)NIH3T3−野生型CSF−1R組換え細胞の増殖の、10μg/mlの抗体濃度で90%以上の阻害、及び
    b)NIH3T3−変異体CSF−1R L301S Y969F組換え細胞の増殖の、10μg/mlの抗体濃度で60%以上の阻害
    を有する、薬剤。
  2. CSF−1R発現細胞が癌細胞である、請求項1に記載の薬剤。
  3. ヒトCSF−1Rに結合する抗体であって、
    a)重鎖可変ドメインが、配列番号1のCDR3領域、配列番号2のCDR2領域、及び配列番号3のCDR1領域を含み、ならびに軽鎖可変ドメインが、配列番号4のCDR3領域、配列番号5のCDR2領域、及び配列番号6のCDR1領域を含むこと、もしくは
    b)重鎖可変ドメインが、配列番号9のCDR3領域、配列番号10のCDR2領域、及び配列番号11のCDR1領域を含み、ならびに軽鎖可変ドメインが、配列番号12のCDR3領域、配列番号13のCDR2領域、及び配列番号14のCDR1領域を含むこと、又は
    c)a)もしくはb)の前記抗体のCDR移植、ヒト化又はT細胞エピトープ欠失抗体バリアント
    を特徴と
    該抗体が、以下の特性:
    a)NIH3T3−野生型CSF−1R組換え細胞の増殖の、10μg/mlの抗体濃度で90%以上の阻害、及び
    b)NIH3T3−変異体CSF−1R L301S Y969F組換え細胞の増殖の、10μg/mlの抗体濃度で60%以上の阻害
    を有する、抗体。
  4. 前記抗体が、ヒトIgG4サブクラスである、又はヒトIgG1サブクラスであることを特徴とする、請求項3に記載の抗体。
  5. 請求項3又は4に記載の抗体又はその抗原結合性断片を含むことを特徴とする、薬学的組成物。
  6. 癌の治療のための医薬であって、請求項3又は4に記載の抗体を含む、医薬。
  7. 骨量減少の治療のための医薬であって、請求項3又は4に記載の抗体を含む、医薬。
  8. 癌の転移の予防又は治療のための医薬であって、請求項3又は4に記載の抗体を含む、医薬。
  9. 炎症性疾患の治療のための医薬であって、請求項3又は4に記載の抗体を含む、医薬。
  10. 前記抗体が、請求項に記載の重鎖及び軽鎖可変ドメインを含むことを特徴とする、CSF−1Rに結合する抗体の重鎖及び軽鎖をコードする、核酸。
  11. 原核又は真核宿主細胞においてCSF−1Rに結合する抗体を発現させるための、請求項10に記載の核酸を含むことを特徴とする、発現ベクター。
  12. 請求項11に記載のベクターを含む、原核又は真核宿主細胞。
  13. 請求項3又は4に記載の組換え抗体の作製方法であって、原核又は真核宿主細胞において請求項10に記載の核酸を発現させること、及び前記細胞又は細胞培養上清から前記抗体を回収することを特徴とする、作製方法。
  14. 癌の治療のための医薬を製造するための、請求項3又は4に記載の抗体の使用。
  15. 骨量減少の治療のための医薬を製造するための、請求項3又は4に記載の抗体の使用。
  16. 癌の転移の予防又は治療のための医薬を製造するための、請求項3又は4に記載の抗体の使用。
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