JP6241720B2 - 合成樹脂製ブロー成形壜体 - Google Patents
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Description
図8はこの種の注出容器の一例を示す半縦断側面図で、容器本体を構成する壜体101(デラミボトル)の口筒部102に逆止弁を備えた注出キャップ131を配設したものである。
この壜体101は口筒部102、胴部104、底部105を有し、外殻を形成する外層111と、この外層に剥離自在に積層し、萎み変形可能に内袋体を形成する内層112から構成されている。
そして、この内容液の注出に伴って吸気孔121から外層111と内層112の間に外気が導入され、内層112は変形したままの形状を保持しつつ、外層111がその復元力により元の形状に復帰するので、内容液Lをほぼ全量使い切ることができると共に、逆止弁の作用効果も相俟って、内袋体中に外気が侵入しないように構成し、内容液の品質の低下を抑制することができる。
図9は引用文献2に記載される注出容器の一例を示す縦断側面図で、容器本体として使用される壜体101(デラミボトル)の口筒部102にボール弁による逆止弁機構を配設した注出キャップ131を配設したものである。
また、この例ではブロー成形時に底部105の底面壁に形成される底シール122部を底割れ状として、底シール部122において外層と111と内層112の間に隙間を形成し、この隙間を外層111と内層112の間に外気を導入するための吸気孔としている。
スクイズ操作することなく内容液の自重で自然落下により内容液を注出するタイプの注出容器(以下、自重落下タイプの注出容器と略記する場合がある。)では使用目的に応じて外郭を形成する外層の剛性を選択することができる。
一方で、手の平で掴持し、倒立姿勢にして使用する用途では、意図せず胴部を手の平で強く掴持した場合、内容液が不意に大量に注出してしまう等の恐れもあり、このような恐れのある用途では、手の平で掴持した程度では変形しない程度に外郭体の剛性をある程度高くしておく必要がある。
一方で、容器全体の周壁の剛性が高い場合には、胴部にスクイズ操作を加え、胴部を偏平状に変形させると、この変形が円筒状の口筒部にまで進展し、この口筒部が楕円状に変形し、注出キャップとのシール性が低下し、注出しようとする内容液がシール部から漏れ出し、周辺を汚したりすると云う問題が生じる。
なお、外郭体の周壁に柔軟な合成樹脂を使用し、剛性を低くした場合には、胴部の偏平状の変形を胴部と口筒部の間の領域で吸収、緩和することができ、口筒部の変形は抑制され、注出キャップとのシール性が損なわれることはない。
筒状の胴部の上端からテーパー筒状の肩部を介して口筒部を起立設し、外殻体を形成する外層と、該外層に剥離自在に積層し、萎み変形可能に内袋体を形成する内層とから成る、ダイレクトブロー成形による合成樹脂製ブロー成形壜体において、
外層の所定位置に、外層と内層との層間に外気を導入するための吸気孔を開設し、
外殻体は高密度ポリエチレン樹脂又はポリプロピレン樹脂からなり、その周壁の剛性を、意識して胴部にスクイズ操作をしない状態で周壁の変形がない程度とし、
肩部の周壁に、この周壁を凹凸状に屈曲させて形成した凹凸部を形成し、
凹凸部は、胴部の周壁へのスクイズ操作による、胴部の周壁の偏平状の変形の口筒部への進展が抑止可能に配設されている、と云うものである。
肩部に配設する凹凸部の変形の吸収、緩和機能により口筒部の変形を抑止できるので、上記したシール性の低下を気にすることなく、意図的でない押圧力による内容液の突出を防ぐために、胴部の周壁の剛性を、意識してスクイズ操作をしない限り、胴部の周壁が変形しない程度にまで十分高くすることが可能となり、従来のこの種の注出容器の問題点を解消することが可能となる。
外層と内層が密着している底シール部に機械的な押圧力等を付加することにより底割れ状として、容易に吸気孔を形成することができる。
また壜体を倒立状態で使用する場合、内層の剥離を底部近傍から口筒部方向に向けてスムーズに進展させることが可能となる。
すなわち、本発明の壜体によれば、胴部の周壁をスクイズ操作により偏平状に変形した際にも、肩部に周壁を凹凸状に屈曲させて形成、配設した凹凸部により、この変形を吸収、緩和することができ、胴部での変形の口筒部への進展を抑止することができる。
凹凸部の変形の吸収、緩和機能により口筒部の変形を抑止できるので、上記したシール性の低下を気にすることなく、意図的でない押圧力による内容液の突出を防ぐために、胴部の周壁の剛性を、スクイズ操作をしない限り、胴部の周壁が変形しない程度にまで十分高くすることが可能となり、安心して使用でき、使い勝手の良い注出容器を提供することができる。
図1〜4は本発明によるデラミボトルである壜体1の一実施例を容器本体とし、この壜体1の口筒部2に注出キャップ31を装着した注出容器を示すもので、
図1(a)は一部縦断して示す側面図、図1(b)は凹凸部の縦断面図、図2(a)は図1中のA−A線に沿って示す平断面図、図2(b)は底面図、図3は底シール近傍の縦断面図、図4は壜体の口筒部2と注出キャップ31の組付き固定状態を示す縦断面図である。
ここで、内層12の外周面を形成するEVOH樹脂層がHDPE樹脂製の外層11に剥離可能に積層し、内層12の内周面形成する接着性樹脂層は内袋体12aに収納される内容液に接触する。
胴部4の中央高さ位置には縮径してウエスト部4wを配設している。
また、底部5の底面壁にはブロー成形時に形成される底シール部22が形成されている。(図2、3参照)
ここで、外層11からなる外殻体11aの胴部4aを含むHDPE樹脂製の周壁は、厚肉に形成されており、胴部4にスクイズ操作をしない限り変形しない程度にその剛性を高くしている。
ここで、本実施例の壜体1は、底部5に適宜の外力を作用させて、外層11と内層12を剥離し、図3(b)に示されるようにシール部22を、所謂、底割れ状にして外層11と内層12の間に隙間22sを形成し、この隙間22sにより外層11と内層12の間に外気を導入するための吸気孔21としての機能を発揮する構成としている。
そして、図4に示されるように中栓35に配設したシール筒片35aを口筒部2の上端部に嵌入して、液漏れを防ぐシール部としている。
この注出容器は水を主体した液等の比較的粘度の低い内容液を収納し、基本的には胴部4をスクイズ操作することなく、正立姿勢から、傾斜姿勢あるいは倒立姿勢にすることにより内容液の自重で、自然落下により注出させる、自重落下タイプの注出容器である。
注出キャップ31の蓋部32を開いた状態で、胴部4のウエスト部4wを手の平で掴持しながら、その姿勢を倒立状態とすることにより、ボール弁36が開状態となって、図9の従来例で示したように自重により内容液を注出する。そしてこの内容液の注出に伴って、底シール部22に形成された吸気孔21から外気が外層11と内層12の間に導入され、内層12により形成される内袋体12aが図1中、二点鎖線で示されるように萎み状に減容変形する。
胴部4を掴持する手の平に意図せず力が入ったとしても、胴部4の周壁の変形は抑制されるため、内袋体12aに直接押圧力が作用することはないので、内容液が不意に大量に注出してしまう等の問題はなく、安心して使用することができる。
本実施例の壜体1のように外郭体11aの周壁の剛性を比較的高くし、変形し難くした場合でも、胴部4(4a)に意図的にスクイズ操作を加えることにより、残存した内容液を注出することができる。
また、図1中、白抜き矢印で示されるように底シール部22に対して垂直方向に押圧力を作用させることにより、図3(b)中の隙間22sをより狭くすることができ、よりスムーズにスクイズ操作による残存した内容液の注出を達成することが可能となる。
さらには、底部6に空気の放出を阻止する逆止弁を配設した底キャップを装着して使用することもできる。
この図7に示す注出容器について、図1に示した注出容器と同様に前述したように残存した内容物を注出するため、胴部54にスクイズ操作を加え、胴部4を偏平状に変形させると、この変形が円筒状の口筒部52にまで進展し、この口筒部52が図5(b)に示したように楕円状に変形し、注出キャップ31のシール筒片35aとの間に隙間ができ、場合によってはシール性が低下する恐れがある。
また、必要に応じて外層と内層の間に縦帯状に、ポリオレフィン系接着性樹脂製の接着帯を積層することにより、内層(内袋体)が一定した形態で萎み状に減容変形するようにすることができ、内容液の注出操作を最後までスムーズに達成することができる。
図6は本発明のこのようなバリエーションの一つを容器本体として使用した注出容器を示し、(a)は側面図、(b)は壜体1の凹凸部7の斜視図である。
この図6中の壜体1は凹凸部7を、周壁を中心がピラミッド状に突出した菱形が細密充填状に周方向に繰り返し整列するように屈曲して形成したもので、この凹凸部7によれば変形の吸収、緩和機能と共に、クリスタルカット状の装飾性を発揮させることができる。
また、図1と図6の壜体1では凹凸部7を全周に亘って配設する構成としたが、間欠的に配設することもできる。
勿論、デザイン上凹凸部7を目立たないようにしたい場合には、図6中、二点鎖線で示したように、シュリンクフィルム25で外装することもできる。
2、52、102:口筒部
3、53、103;肩部
4、54、104;胴部
4a;(外郭体の)胴部
4w、54w;ウエスト部
5、55、105;底部
7 ;凹凸部
11、61、111;外層
11a、111a;外殻体
12、62、112;内層
12a、112a;内袋体
21、121;吸気孔
22、72、122;底シール部
22s;隙間
31、131;注出キャップ
32;蓋部
33;ヒンジ
34;キャップ本体
35;中栓
35a;シール筒片
36、136;ボール弁
L ;内容液
Claims (5)
- 筒状の胴部(4)の上端からテーパー筒状の肩部(3)を介して口筒部(2)を起立設し、外殻体(11a)を形成する外層(11)と、該外層(11)に剥離自在に積層し、萎み変形可能に内袋体(12a)を形成する内層(11)とから成る、ダイレクトブロー成形による合成樹脂製ブロー成形壜体であり、
前記外層(11)の所定位置に、該外層(11)と内層(12)との層間に外気を導入するための吸気孔(21)を開設し、
前記外殻体(11a)は高密度ポリエチレン樹脂又はポリプロピレン樹脂からなり、その周壁の剛性を、意識して胴部(4)にスクイズ操作をしない状態で前記周壁の変形がない程度とし、
前記肩部(3)の周壁に、該周壁を凹凸状に屈曲させて形成した凹凸部(7)を形成し、
該凹凸部(7)は、前記胴部(4)の周壁へのスクイズ操作による、該胴部(4)の周壁の偏平状の変形の口筒部(2)への進展が抑止可能に配設されている
ことを特徴とする合成樹脂製ブロー成形壜体。 - 凹凸部(7)を、周壁を蛇腹状に屈曲して形成したものとした請求項1記載の合成樹脂製ブロー成形壜体。
- 凹凸部(7)を、周壁を中心がピラミッド状に突出した菱形が細密充填状に周方向に繰り返し整列するように屈曲して形成したものとした請求項1記載の合成樹脂製ブロー成形壜体。
- ブロー成形時に底部(5)の底面壁に形成される底シール部(22)において底割れ状に外層(11)と内層(12)の間に隙間(22s)を形成し、該隙間(22s)を吸気孔(21)とした請求項1、2または3記載の合成樹脂製ブロー成形壜体。
- 口筒部(2)に、ボール弁(36)による逆止弁機能を配設した注出キャップ(31)を組付け固定した注出容器の容器本体として使用する請求項1、2、3または4記載の合成樹脂製ブロー成形壜体。
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