JP6238478B2 - タンタル酸リチウム単結晶基板の製造方法 - Google Patents

タンタル酸リチウム単結晶基板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、表面弾性波素子に用いられるタンタル酸リチウム単結晶基板の製造方法に関する。
タンタル酸リチウム(LiTaO;LT)単結晶は、圧電性を有しており、弾性表面波素子の圧電基板として使用されている。また、タンタル酸リチウム単結晶は、焦電性も有しており、温度の変化によって表面に電荷が発生する。このような焦電性は、センサとして利用される場合もあるが、タンタル酸リチウム結晶を弾性表面波素子の圧電基板として使用する場合は、この焦電性が問題となり得る。
例えば、温度変化によって圧電基板が帯電した場合、圧電基板内で静電気放電が生じ、クラックや割れの原因となり得る。また、圧電基板の表面に形成された電極が静電気によってショートする可能性もある。
そこで、タンタル酸リチウム基板の帯電を抑制する目的で、タンタル酸リチウム基板をキュリー温度以下の温度で還元処理する手法が考えられ、広く実施されている(特許文献1〜5や非特許文献1参照)。
例えば、特許文献1には、還元性ガス雰囲気中で金属蒸気と共に熱処理を行う方法が開示され、特許文献2には、還元性ガス雰囲気中で、キュリー温度以上で還元処理した物質を接触させて熱処理を行う方法が開示されている。また、特許文献3及び4には、AlとAlの混合粉末に埋め込んで熱処理を行う方法が開示されている。そして、このような還元処理が施されたタンタル酸リチウム基板の体積抵抗率は、1×1012Ω・cm未満となり、焦電性を効果的に抑制することが可能となる。
特開2004−035396 WO2004/079061 特開2005−119906号公報 特開2005−119908号公報 特開2005−314137号公報
Yan Tao et al. "Formation mechanism of black LiTaO3 single crystals through chemical reduction." J. Appl. Cryst. 44 (2011),158−162
ところで、タンタル酸リチウム単結晶基板の還元処理方法としては、アルカリ金属化合物を用いる方法が知られている。例えば、特許文献5には、アルカリ金属化合物と共に減圧下で熱処理を行う方法が開示され、非特許文献1には、窒素ガス雰囲気中で、鉄(Fe)と炭酸リチウム(LiCO)の混合粉末と共に熱処理を行う方法が開示されている。
しかしながら、このようなアルカリ金属化合物を用いるタンタル酸リチウム単結晶基板の還元処理方法に問題があることが判明した。本発明者は、特許文献5に記載の方法について、再現実験を行ってみたところ、タンタル酸リチウム単結晶基板では満足な還元処理が行えず、焦電性を抑制することができなかった。また、特許文献5に記載の方法によって還元処理が行えたとしても、減圧工程が必要となるために、生産性が劣ってしまうことが確認された。
さらに、非特許文献1に記載の方法についても、本発明者は、再現実験を行ってみたところ、タンタル酸リチウム単結晶基板を還元処理することは可能であったが、基板表面に色むらがあり、基板の面内方向の均質性が劣っていることも確認された。
ところで、非特許文献1の還元処理方法では、炭酸リチウムが948K以下の温度で分解して一酸化炭素を生成し、この一酸化炭素がTa5+をTa4+に還元すると考えられる。そして、この還元処理においては、鉄が触媒として働いて炭酸リチウムが分解して生成した二酸化炭素をさらに一酸化炭素に分解すると考えられるため、本発明者の再現実験において基板表面に色むらが発生した原因については、触媒として働く鉄が偏在していたために、還元度合いに差が生じたためであると考えられる。
そのため、このような基板の色むらや面内方向の不均質性を避けるためには、単一の還元剤を用いることが好ましいと考えられる。しかしながら、本発明者が鉄を除いて炭酸リチウムのみで非特許文献1の還元処理を行ったところ、還元が十分に進行しなかった。この場合、還元処理を2回以上行うことによって還元を進行させることが可能であるが、製造工程が増えるためにコスト的に好ましくないという問題がある。
そこで、本発明の目的は、減圧工程や複数回に及ぶ還元処理が不要で、かつ均質性の高い体積抵抗率が1×1010Ω・cm以上、1×1012Ω・cm未満のタンタル酸リチウム単結晶基板を新たな還元処理によって製造する方法を提供することである。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねたところ、その雰囲気ガス中に還元性ガスを混合して熱処理を行えば、従来の色むらや還元不足の問題を解決することができることを知見し、本発明に至ったものである。
すなわち、本発明は、体積抵抗率が1×1010Ω・cm以上、1×1012Ω・cm未満であるタンタル酸リチウム単結晶基板の製造方法であって、体積抵抗率が1×1012Ω・cm以上、かつ単分域構造のタンタル酸リチウム単結晶基板を炭酸リチウム粉末中に埋め込むと共に、常圧下、不活性ガスと還元性ガスとの混合ガス雰囲気中において、350℃以上、キュリー温度以下の温度で熱処理する際に、該熱処理は、その開始時は不活性ガスと還元性ガスとの混合ガス雰囲気で行い、その後、不活性ガスの単一ガス雰囲気で行うことを特徴とする。
また、本発明の炭酸リチウム粉末は、最大粒径が500μm以下であることが好ましく、混合ガスにおける還元性ガスの濃度は、20.0%以下であることが好ましい。そして、その還元性ガスとしては、水素ガス又は一酸化炭素ガスが好ましい。
本発明によれば、減圧工程や複数回に及ぶ還元処理が不要で、均質性の高い体積抵抗率が1×1010Ω・cm以上、1×1012Ω・cm未満のタンタル酸リチウム単結晶基板を得ることができる。この基板の体積抵抗率は、1×1012Ω・cm未満であるため、温度変化によって帯電し、クラックや割れが発生したり、電極がショートするような事態を回避することができる。
以下、本発明の一実施形態について詳細に説明するが、本発明は、これに何ら限定されるものではない。
本発明の製造方法では、先ず、体積抵抗率が1×1012Ω・cm以上で、かつ単分域構造のタンタル酸リチウム単結晶基板を準備する。このようなタンタル酸リチウム単結晶基板は、例えば、チョクラルスキー法によってタンタル酸リチウム単結晶を成長させ、得られたインゴットに分極処理を施すと共に、基板形状に加工することによって得られる。
次に、準備したタンタル酸リチウム単結晶基板を、最大粒径が500μm以下、好ましくは300μm以下の炭酸リチウム粉末中に埋め込む。このときの最大粒径が500μm以下の炭酸リチウム粉末は、市販の炭酸リチウム粉末を32メッシュ(目開き500μm)の篩に掛けることによって得られ、最大粒径が300μm以下の炭酸リチウム粉末は、48メッシュ(目開き300μm)の篩に掛けることによって得られる。このような篩に掛けて塊状の炭酸リチウム粉末を取り除くことによって、基板表面に色むらがなく、面内方向の均質性が高いタンタル酸リチウム単結晶基板を得ることができる。
また、篩の目開きをさらに小さくしてもよいが、80メッシュ(目開き180μm)程度になると、炭酸リチウム粉末が詰まりやすく作業性が悪化するため、炭酸リチウム粉末の最大粒径は180μm以上とすることが好ましい。
この炭酸リチウム粉末は、繰り返して使用することができるため、本発明はコスト的にも優れている。ただし、使用後の炭酸リチウム粉末は、塊状になっている場合があるため、再び篩に掛け、塊状の炭酸リチウム粉末を取り除いてから再利用することが好ましい。
続いて、炭酸リチウム粉末中に埋め込まれたタンタル酸リチウム単結晶基板に、常圧下、不活性ガスと還元性ガスとの混合ガス雰囲気中において、350℃以上、600℃以下の温度で熱処理を行う。ここで、熱処理を350℃未満の温度で行うと還元が十分に進行せず、一方、熱処理をキュリー温度よりも高い温度で行った場合は多分域構造となってしまうからである。
このときの熱処理では、不活性ガスとして、窒素やアルゴン、ヘリウム等の希ガスを用いることができるが、比較的安価な窒素を用いることが好ましい。
また、還元性ガスとしては、水素(H)、一酸化炭素(CO)、硫化水素(HS)、二酸化硫黄、一酸化窒素(NO)等から任意に選択すればよいが、取扱いのし易さから、水素(H)又は一酸化炭素(CO)を用いることが好ましい。
本発明では、不活性ガスと還元性ガスとの混合ガス雰囲気にすることによって、炭酸リチウム粉末のみでも還元を十分に進行させることが可能となる。還元性ガスを含まない不活性ガス雰囲気中で同様の還元処理を行うと、還元が十分に進行せず、複数回の還元処理を行う必要がある。
複数回の還元処理が必要になれば、製造コストが増加するだけでなく、トータルの熱処理時間も長くなるため、基板の反りやクラックが発生する可能性が高くなるので好ましくない。
また、還元性ガスの濃度は、20.0%以下であることが好ましく、10.0%以下であることがより好ましく、5.0%以下である方がさらに好ましい。還元性ガスの濃度が高すぎると、還元が進行しすぎる可能性があるからである。還元が進行しすぎたタンタル酸リチウム単結晶基板は、脆くなったり、色が黒くなりすぎるため、デバイス製造工程に問題が生じる可能性がある。
熱処理においては、常に不活性ガスと還元性ガスとの混合ガス雰囲気にする必要はなく、熱処理工程の一部を不活性ガスと還元性ガスとの混合ガス雰囲気にして行ってもよい。特に、熱処理開始時は不活性ガスと還元性ガスとの混合ガス雰囲気とし、その後、不活性ガスの単一ガス雰囲気とすることが好ましい。
このとき、昇温後の不活性ガスと還元性ガスとの混合ガス雰囲気とする時間や還元性ガスの濃度を調節することによって、基板の還元度合いを制御することが可能であり、タンタル酸リチウム単結晶基板の体積抵抗率を調整することが可能となる。
参考例1
参考例1では、先ず、チョクラルスキー法によりタンタル酸リチウム単結晶を成長させ、得られたインゴットにポーリング処理を施して単分域化した後、これをスライスして複数枚の基板(原料基板)を得た。この時点では、タンタル酸リチウム単結晶基板の体積抵抗率は3.0×1014Ω・cmであった。
次に、炭酸リチウム粉末(本荘ケミカル(株)製)を、48メッシュ(目開き300μm)の篩に掛けて、炭酸リチウム粉末の最大粒径を300μm以下となるようにした。
続いて、この炭酸リチウム粉末の中に単分域構造のタンタル酸リチウム単結晶基板を埋め込むと共に、その後、炭酸リチウム粉末の中に埋め込まれた基板に、常圧下、窒素ガスを6l/min、水素ガスを100cc/minで流して(水素濃度1.6%)、温度570℃で8時間の熱処理を行った。
得られたタンタル酸リチウム単結晶基板のL値(黒:L=0,白:L=100)を分光色差計(日本電色工業(株)製 NF555)を用いて測定したところ、その値は55であり、また、体積抵抗率は6.7×1010Ω・cmであった。
参考例2
参考例2では、先ず、チョクラルスキー法によりタンタル酸リチウム単結晶を成長させ、得られたインゴットにポーリング処理を施して単分域化した後、これをスライスして複数枚の基板(原料基板)を得た。この時点では、タンタル酸リチウム単結晶基板の体積抵抗率は3.0×1014Ω・cmであった。
次に、参考例1と同様に、炭酸リチウム粉末(本荘ケミカル(株)製)を、48メッシュ(目開き300μm)の篩に掛けて、炭酸リチウム粉末の最大粒径を300μm以下となるようにした。
続いて、炭酸リチウム粉末の中に埋め込まれた単分域構造のタンタル酸リチウム単結晶基板に、常圧下、窒素ガスを6l/minで流すと共に、水素ガスを参考例1より多めの250cc/minで流して(水素濃度4.0%)、温度570℃で8時間の熱処理を行った。
得られたタンタル酸リチウム単結晶基板のL値(黒:L=0,白:L=100)を分光色差計(日本電色工業(株)製 NF555)を用いて測定したところ、その値は44であり、また、体積抵抗率は4.3×1010Ω・cmであった。
参考例3
参考例3では、先ず、チョクラルスキー法によりタンタル酸リチウム単結晶を成長させ、得られたインゴットにポーリング処理を施して単分域化した後、これをスライスして複数枚の基板(原料基板)を得た。この時点では、タンタル酸リチウム単結晶基板の体積抵抗率は3.0×1014Ω・cmであった。
次に、参考例1と同様に、炭酸リチウム粉末(本荘ケミカル製)を、48メッシュ(目開き300μm)の篩に掛けて、炭酸リチウム粉末の最大粒径を300μm以下となるようにした。
続いて、炭酸リチウム粉末の中に埋め込まれた単分域構造のタンタル酸リチウム単結晶基板に、常圧下、窒素ガスを6l/minで流すと共に、一酸化炭素ガスを100cc/minで流して(一酸化炭素濃度1.6%)、温度570℃で8時間の熱処理を行った。
得られたタンタル酸リチウム単結晶基板のL値(黒:L=0,白:L=100)を分光色差計(日本電色工業(株)製 NF555)を用いて測定したところ、その値は52であり、また、体積抵抗率は5.9×1010Ω・cmであった。
参考例4
参考例4では、先ず、チョクラルスキー法によりタンタル酸リチウム単結晶を成長させ、得られたインゴットにポーリング処理を施して単分域化した後、これをスライスして複数枚の基板(原料基板)を得た。この時点では、タンタル酸リチウム単結晶基板の体積抵抗率は3.0×1014Ω・cmであった。
次に、参考例1と同様に、炭酸リチウム粉末(本荘ケミカル製)を、48メッシュ(目開き300μm)の篩に掛けて、炭酸リチウム粉末の最大粒径を300μm以下となるようにした。
続いて、炭酸リチウム粉末の中に埋め込まれた単分域構造のタンタル酸リチウム単結晶基板に、常圧下、窒素ガスを6l/minで流すと共に、一酸化炭素ガスを参考例3より多めの250cc/minで流して(一酸化炭素濃度4.0%)、温度570℃で8時間の熱処理を行った。
得られたタンタル酸リチウム単結晶基板のL値(黒:L=0,白:L=100)を分光色差計(日本電色工業(株)製 NF555)を用いて測定したところ、その値は42であり、また、体積抵抗率は4.2×1010Ω・cmであった。
実施例1
実施例1では、先ず、チョクラルスキー法によりタンタル酸リチウム単結晶を成長させ、得られたインゴットにポーリング処理を施して単分域化した後、これをスライスして複数枚の基板(原料基板)を得た。この時点では、タンタル酸リチウム単結晶基板の体積抵抗率は3.0×1014Ω・cmであった。
次に、参考例1と同様に、炭酸リチウム粉末(本荘ケミカル(株)製)を、48メッシュ(目開き300μm)の篩に掛けて、炭酸リチウム粉末の最大粒径を300μm以下となるようにした。
続いて、炭酸リチウム粉末の中に埋め込まれた単分域構造のタンタル酸リチウム単結晶基板に、常圧下、窒素ガスを6l/minで流すと共に、水素ガスを120cc/minで流して(水素濃度2.0%)、温度570℃まで昇温した。その後、水素ガスを停止して、温度570℃で8時間の熱処理を行った。
得られたタンタル酸リチウム単結晶基板のL値(黒:L=0,白:L=100)を分光色差計(日本電色工業(株)製 NF555)を用いて測定したところ、その値は69であり、また、体積抵抗率は1.7×1011Ω・cmであった。
実施例2
実施例2では、先ず、チョクラルスキー法によりタンタル酸リチウム単結晶を成長させ、得られたインゴットにポーリング処理を施して単分域化した後、これをスライスして複数枚の基板(原料基板)を得た。この時点では、タンタル酸リチウム単結晶基板の体積抵抗率は3.0×1014Ω・cmであった。
次に、参考例1と同様に、炭酸リチウム粉末(本荘ケミカル(株)製)を、48メッシュ(目開き300μm)の篩に掛けて、炭酸リチウム粉末の最大粒径を300μm以下となるようにした。
続いて、炭酸リチウム粉末の中に埋め込まれた単分域構造のタンタル酸リチウム単結晶基板に、常圧下、窒素ガスを6l/minで流すと共に、水素ガスを120cc/minで流して(水素濃度2.0%)、温度570℃まで昇温し、さらに1時間熱処理を行った。その後、水素ガスを停止して、温度570℃で7時間の熱処理を行った。
得られたタンタル酸リチウム単結晶基板のL値(黒:L=0,白:L=100)を分光色差計(日本電色工業(株)製 NF555)を用いて測定したところ、その値は60であり、また、体積抵抗率は1.1×1011Ω・cmであった。
実施例3
実施例3では、先ず、チョクラルスキー法によりタンタル酸リチウム単結晶を成長させ、得られたインゴットにポーリング処理を施して単分域化した後、これをスライスして複数枚の基板(原料基板)を得た。この時点では、タンタル酸リチウム単結晶基板の体積抵抗率は3.0×1014Ω・cmであった。
次に、参考例1と同様に、炭酸リチウム粉末(本荘ケミカル(株)製)を、48メッシュ(目開き300μm)の篩に掛け、炭酸リチウム粉末の最大粒径を300μm以下となるようにした。
続いて、炭酸リチウム粉末の中に埋め込まれた単分域構造のタンタル酸リチウム単結晶基板に、常圧下、窒素ガスを6l/minで流すと共に、水素ガスをかなり多めの1200cc/minで流して(水素濃度17.0%)、温度570℃まで昇温した。その後、水素ガスを停止して、温度570℃で8時間の熱処理を行った。
得られたタンタル酸リチウム単結晶基板のL値(黒:L=0,白:L=100)を分光色差計(日本電色工業(株)製 NF555)を用いて測定したところ、その値は64であり、また、体積抵抗率は1.3×1011Ω・cmであった。
〈比較例1〉
比較例1は、還元剤として炭酸リチウムと鉄の混合粉末を用いて、窒素雰囲気で熱処理を行った例である。この比較例1では、参考例1と同様に、先ず、チョクラルスキー法によりタンタル酸リチウム単結晶を成長させ、得られたインゴットにポーリング処理を施して単分域化した後、これをスライスして複数枚の基板(原料基板)を得た。この時点では、タンタル酸リチウム単結晶基板の体積抵抗率は3.0×1014Ω・cmであった。
次に、炭酸リチウム粉末(本荘ケミカル(株)製)と鉄の混合粉末を、48メッシュ(目開き300μm)の篩に掛けて、炭酸リチウムと鉄の混合粉末の最大粒径を300μm以下となるようにした。このときの炭酸リチウムと鉄の質量比はFe:LiCO=5:100とした。
続いて、単分域構造のタンタル酸リチウム単結晶基板を炭酸リチウムと鉄の混合粉末の中に埋め込むと共に、その後、炭酸リチウムと鉄の混合粉末の中に埋め込まれた基板に、常圧下、窒素ガスを6l/minで流して、温度570℃で8時間の熱処理を行った。
得られたタンタル酸リチウム単結晶基板には色むらが生じており、基板の面内方向の均質性が良くなかった。この原因としては、混合粉末に含まれる鉄粉末が触媒として働いて、還元度合いに差が生じたためであると考えられる。
〈比較例2〉
比較例2は、比較例1の混合粉から鉄を除き単一の炭酸リチウムだけを用いて窒素雰囲気で熱処理を行った例である。この比較例2でも、参考例1と同様に、先ず、チョクラルスキー法によりタンタル酸リチウム単結晶を成長させ、得られたインゴットにポーリング処理を施して単分域化した後、これをスライスして複数枚の基板(原料基板)を得た。この時点では、タンタル酸リチウム単結晶基板の体積抵抗率は3.0×1014Ω・cmであった。
次に、参考例1と同様に、炭酸リチウム粉末(本荘ケミカル(株)製)を、48メッシュ(目開き300μm)の篩に掛けて、炭酸リチウム粉末の最大粒径を300μm以下となるようにした。
続いて、炭酸リチウム粉末の中に埋め込まれた単分域構造のタンタル酸リチウム単結晶基板に、常圧下、窒素ガスを6l/minで流して、温度570℃で8時間の熱処理を行った。
得られたタンタル酸リチウム単結晶基板のL値(黒:L=0,白:L=100)を分光色差計(日本電色工業(株)製 NF555)を用いて測定したところ、その値は80であり、色むらは無かったが、還元処理が不十分であったために、体積抵抗率は1.0×1012Ω・cmであった。
そのため、使用した炭酸リチウム粉末を再度48メッシュ(目開き300μm)の篩に掛けて、最大粒径が300μm以下となるようにした後、1回目の熱処理を終えたタンタル酸リチウム単結晶基板を再度炭酸リチウム粉末の中に埋め込んだ。そして、その後、炭酸リチウム粉末の中に埋め込まれた基板に、2回目として、常圧下、窒素ガスを6l/minで流して、温度570℃で8時間の熱処理を行った。
得られたタンタル酸リチウム単結晶基板のL値(黒:L=0,白:L=100)を分光色差計(日本電色工業(株)製 NF555)を用いて測定したところ、その値は73であり、また、体積抵抗率は5.0×1011Ω・cmであった。
この比較例2では、還元剤として単一の炭酸リチウムを用いて、窒素ガス雰囲気で熱処理を行ったので、1回目の熱処理だけでは還元が不十分であり、体積抵抗率が1×1012Ω・cm未満のタンタル酸リチウム単結晶基板を得るために熱処理を2回行う必要があった。

Claims (5)

  1. 体積抵抗率が1×1010Ω・cm以上、1×1012Ω・cm未満であるタンタル酸リチウム単結晶基板の製造方法であって、体積抵抗率が1×1012Ω・cm以上、かつ単分域構造のタンタル酸リチウム単結晶基板を炭酸リチウム粉末中に埋め込むと共に、常圧下、不活性ガスと還元性ガスとの混合ガス雰囲気中において、350℃以上、キュリー温度以下の温度で熱処理する際に、該熱処理は、その開始時は不活性ガスと還元性ガスとの混合ガス雰囲気で行い、その後、不活性ガスの単一ガス雰囲気で行うことを特徴とするタンタル酸リチウム単結晶基板の製造方法。
  2. 前記混合ガスにおける還元性ガスの濃度は、20.0%以下であることを特徴とする請求項1に記載のタンタル酸リチウム単結晶基板の製造方法。
  3. 前記還元性ガスは、水素ガスであることを特徴する請求項1又は2に記載のタンタル酸リチウム単結晶基板の製造方法。
  4. 前記還元性ガスは、一酸化炭素ガスであることを特徴する請求項1又は2に記載のタンタル酸リチウム単結晶基板の製造方法。
  5. 前記炭酸リチウム粉末は、最大粒径が500μm以下であることを特徴とする請求項1から4の何れかに記載のタンタル酸リチウム単結晶基板の製造方法。
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