JP6001261B2 - 圧電基板の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、圧電基板の製造方法に関し、特に弾性表面波装置に適用するタンタル酸リチウム基板、ニオブ酸リチウム基板等の圧電基板の製造方法に関する。
LiTaO(LT)基板、LiNbO(LN)基板等の圧電基板は、表面弾性波(SAW:Surface Acoustic Wave)の電気特性を利用して信号処理を行うデバイス(SAWデバイス)に適用されている。
SAWデバイスは、LT基板、LN基板等の圧電材料の基板上にフォトリソグラフ法により形成された金属パターンからなる電極が設けられた構造となっている。
LT基板、LN基板等の圧電基板の製造方法においては、引き上げ法(チョクラルスキー法)により育成した単結晶のLT、LNに対して切断、研削、研磨処理等を行うことによりLT基板、LN基板を形成する。また、LT基板、LN基板の製造方法では、基板内の分極の方向をそろえる(単一分極とする)ためのポーリング処理が行われる。ポーリング処理では、単結晶のLT、LNをキュリー温度(Curie Temp.)以上まで昇温させた後、LT結晶に電圧を印加し、当該電圧を印加したままキュリー温度以下まで降温させて単一分極とする。
しかし、上記工程で得られたLT基板、LN基板等の圧電基板は、導電率が10−15Ω−1cm−1程度であるため、温度変化に伴う圧電基板の焦電性により表面に生じる電荷が基板表面にチャージアップしてスパークが発生しやすいという問題がある。そのため、これらの圧電基板を用いたSAWデバイスの製造過程において、スパークが発生することにより金属パターンが損傷する問題や、放電量が大きい場合には圧電基板自体にダメージが加わる問題がある。
圧電基板の放電による問題を解決する方法として、圧電基板表面の導電率を高くする方法が行われている。圧電基板表面の導電率を高くすることにより、圧電基板の表面に生じた電荷が基板表面を移動し、基板表面における電位差を緩和し局所的な電荷の蓄積による放電現象を抑制することができる。
そこで、従来から圧電基板の表面の導電率を上げる方法として、熱処理により圧電基板に還元処理を行う方法が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
特許文献1では、タンタル酸リチウム基板の製造において、低酸素濃度雰囲気下でキュリー温度(約600℃)以上の高温(1200〜1650℃)で熱処理を行う方法が提案されている。
また、特許文献2では、キュリー温度以下の温度の熱処理を適用してLT基板の導電率を向上するために、熱処理工程において金属元素と共に非酸化性雰囲気中にLT基板をさらす方法が提案されている。
また、特許文献3では、各種ガスを用いた還元性雰囲気調整を行う煩雑さを解決するために、減圧雰囲気下でキュリー温度範囲の温度で熱処理を行う方法が開示されている。
特開2004−328712号公報 特開2006−321683号公報 特開2004−152870号公報
しかしながら、特許文献1に示すように、キュリー温度以上で熱処理を行う場合には、その後にポーリング処理が必要となり、製造プロセスの自由度がなくなる問題がある。例えば、単結晶のインゴットを切断して基板の状態で焦電性を抑制するための熱処理を行う場合には、ポーリング処理も基板毎に行う必要が生じる。また、高温で熱処理を行う場合には、高温処理を行うことができる装置が必要となる問題、昇温及び降温に時間を要し製造プロセスの短縮化が困難となる問題が考えられる。
また、特許文献2に示すように、熱処理工程において他の金属元素を用いる場合には、金属元素がLT基板中に混入して、圧電性が変化する問題、熱処理後に金属元素を除去しなければならない問題が考えられる。
また、特許文献3に示すように、減圧雰囲気下で熱処理を行う場合には、減圧により処理室内の部材等から酸素が発生し、圧電基板の導電率を均一に上げることが困難となる問題が考えられる。特に、処理室内に複数のLT基板が並んで配置される場合には、隣接するLT基板から放出した酸素が効果的に放出されず、再度別のLT基板に結合することも考えられる。
そのため、キュリー温度未満の温度の熱処理により圧電基板表面の導電率を均一に上げると共に簡便に行うことができる圧電基板の製造方法が求められている。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、簡便な方法により圧電基板の導電率を高めることができる圧電基板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の圧電基板の製造方法は、圧電基板の導電率を向上させる熱処理工程を有する圧電基板の製造方法であって、前記熱処理工程は、酸素分圧が1×10−22atm以下の不活性ガスを供給し、且つ10kPa〜常圧の雰囲気下の処理室内で前記圧電基板のキュリー温度未満の温度で前記圧電基板に熱処理を行う工程であり、前記不活性ガスを、酸素を除去する酸素ポンプを介して前記処理室内に供給するとともに、前記処理室から排出される前記不活性ガス中の酸素濃度を酸素センサで測定し、前記圧電基板から放出される酸素濃度が所定値以下となった場合に、前記熱処理工程を終了するように制御することを特徴とする。
この構成によれば、熱処理の温度がキュリー温度未満であっても圧電基板から効果的に酸素を放出させることができるため、圧電基板表面の導電率を均一に上げると共に簡便に行うことができる。
本発明の圧電基板の製造方法において、前記圧電基板が、タンタル酸リチウム基板であり、前記熱処理の温度が550℃〜590℃で行うことができる。
本発明の圧電基板の製造方法において、前記熱処理工程を常圧で行ってもよい。
本発明の圧電基板の製造方法において、前記不活性ガスとして、窒素ガス又はアルゴンガスを用いることができる。
本発明の圧電基板の製造方法において、前記処理室に供給される不活性ガスと前記処理室から排出される不活性ガスが、前記酸素ポンプを介して循環し、前記処理室内に供給する前記不活性ガス中の酸素濃度を第1の酸素センサで測定し、前記処理室から排出される前記不活性ガス中の酸素濃度を第2の酸素センサで測定し、前記第1の酸素センサと前記第2の酸素センサの測定結果に基づき、前記酸素ポンプを制御することが好ましい。
本発明の圧電基板の製造方法において、前記圧電基板に対して単一分極化するポーリング処理工程をさらに有し、前記ポーリング処理工程の後に前記熱処理工程を行うことが好ましい。
本発明によれば、簡便な方法により圧電基板の導電率を高めることができる圧電基板の製造方法を提供することができる。
本実施の形態に係る圧電基板の製造方法における熱処理工程を説明する図である。 本実施の形態に係る圧電基板の製造方法における熱処理工程で使用する酸素ポンプの一例を説明する図である。 本実施例に係る熱処理工程における酸素分圧と熱処理工程後の圧電基板の導電率との関係を示す図である。
上述したように、圧電基板の焦電性による問題を解決する方法として、圧電基板表面の導電率を高くする方法がある。例えば、タンタル酸リチウム(LT)結晶の導電率は、LT結晶内に存在する酸素空孔濃度によって変化する。LT結晶中に酸素空孔ができると、一部のTaイオンの化数が5+から4+に変化し、電気伝導性を生じる。そのため、圧電基板の導電率を向上させるために、還元雰囲気下で熱処理を行うことにより酸素空孔濃度を増加させることが有効となる。
そこで、キュリー温度以下の温度で低酸素濃度ガスを用いた熱処理を行うことによりLT基板の導電率を高める方法が考えられる。しかし、一般的に用いられる低酸素濃度ガスや非酸化性ガスにおいても、ある程度の酸素は含まれる(酸素分圧が1×10−12atm以上)ため、これらのガスを用いた熱処理では十分にLT基板の導電率を高くすることはできなかった。
また、LT単結晶はキュリー温度が約600度と低いため、従来行われていたように水素等を用いた還元処理を行った場合であっても、キュリー温度以下の温度の熱処理では導電率を十分に上げることが困難であった。そのため、従来は、金属元素等の他の元素の適用や減圧雰囲気とすることが提案されているが、この場合も上述した問題がある。
そこで、本発明者は、これらの問題を解決すべく鋭意検討した結果、熱処理雰囲気における酸素濃度を従来と比較して大幅に低下させることにより、圧電基板の熱処理工程において、従来と異なった現象により圧電基板の導電率を効果的に向上できることを見出し、本願発明に至った。
以下に図1を参照して、本実施の形態で示す圧電基板の製造方法について説明する。
図1は、圧電基板の導電率を向上させる熱処理工程を説明する図である。図1において、圧電基板は、処理室100において熱処理が行われる。
本実施の形態で示す熱処理工程は、処理室100に酸素分圧を大幅に低減した不活性ガスを供給し、当該不活性ガス雰囲気下で圧電基板のキュリー温度未満の温度で熱処理を行う。ここで、酸素分圧を大幅に低減するとは、酸素分圧が1×10−22atm以下の範囲をいう。また、処理室100において、不活性ガスは10kPa〜常圧の範囲とする。なお、気体中の酸素分圧は、気圧と酸素濃度に基づいて求めることができる(酸素分圧=気圧×酸素濃度)。
一般的に、従来技術で開示されているような低酸素濃度雰囲気下や非酸化性ガスを用いる場合であっても、当該ガス雰囲気中にはある程度の酸素が残存している。そのため、このような酸素が残存したガスを用いて熱処理を行う場合には、熱処理温度が600℃程度と低い場合にはLT基板中の酸素を効果的に放出させることができない。したがって、従来は、このような低酸素濃度のガスを用いる場合には、熱処理温度を高くするか、他の元素(金属元素)等を用いてLT基板中の酸素を引き抜く必要があった。
一方、本実施の形態では、処理室100に供給する不活性ガスの酸素分圧を大幅(1×10−22atm以下、好ましくは1×10−23atm以下、より好ましくは1×10−25atm以下)に低減している。この場合、処理室100の酸素分圧は従来と比較して大幅に低い状態となる。そして、処理室100内の酸素分圧を大幅に低減した状態で圧電基板に対して熱処理を行った場合、熱処理の温度が600℃以下と低い場合であっても、LT基板から酸素が効果的に放出され圧電基板の導電率を向上することができる。
つまり、本実施の形態の熱処理工程は、処理室100の酸素分圧を極限まで下げることによって、熱処理の温度が600℃以下と低い場合であっても、圧電基板が自ら酸素を効率的に放出することを見いだして利用したものである。したがって、処理室100の酸素分圧を大幅に低減して圧電基板から自ら酸素を放出させる点で、従来のように金属ガス等の他の元素を用いて酸素を引き抜く方法等とメカニズムが異なっている。
LT基板において、単結晶中の酸素と雰囲気(外部)の酸素との平衡状態は、クレーガー=ビンクの式で表すことができる(下記式(1)参照)。
Figure 0006001261
LT基板の熱処理工程において、雰囲気中の酸素濃度が減少した場合、式(1)の平衡状態が崩れ還元方向(式(1)における右方向)に反応が進む。つまり、雰囲気中の酸素濃度を小さくする(酸素分圧を低下する)につれて、LT基板から酸素(g)が放出されやすくなる。一方で、本発明者の検討により、酸素濃度を小さくする場合であっても、ある所定値まではLT基板の導電率の変化が小さいが、酸素分圧が所定値より小さくなったときに導電率が急激に上昇することが分かった。つまり、LT基板の熱処理工程において、酸素分圧が所定値より小さくなったときに、式(1)における還元反応が急激に進むことを見出した。具体的には、熱処理温度が600℃以下の状態で、酸素分圧が1×10−22atmより大きい場合、式(1)における還元反応は十分におこらず、LT基板から十分に酸素が解離しないが、酸素分圧を1×10−22atm以下に低減とすることにより、LT基板からからの酸素の解離を効果的に進めることができることを見出した。
また、従来は、金属ガス等の他の元素を用いて圧電基板から酸素を引き抜いている。他の元素を用いて圧電基板から酸素を引き抜く場合には、引き抜かれた酸素が再度他の圧電基板に取り込まれて結合するおそれがあるため、圧電基板の導電率を均一にするためには、処理室100内に配置する圧電基板の間隔を大きくする必要がある。
一方で、本実施の形態の熱処理工程では、処理室において酸素分圧を極端に低くすることにより、圧電基板が自ら酸素をはき出す状態となっている。このように、圧電基板が自ら酸素をはき出す状態とすることにより、圧電基板から放出された酸素が再度圧電基板に取り込まれることを抑制できる。したがって、本実施の形態の熱処理工程では、処理室100に配置する圧電基板の間隔を狭くした場合であっても、圧電基板の導電率を均一に向上することができる。また、処理室100に配置する圧電基板間の間隔を小さくすることができるため、一度に多くの圧電基板を処理することができ、生産効率を向上させることも可能となる。
また、本実施の形態の熱処理工程では、処理室100の酸素分圧を大幅に低減することにより圧電基板から酸素を放出させるため、処理室100を高い真空状態とする必要がない。好ましくは、処理室100の雰囲気を、処理室100内の部材から酸素が発生しない程度の減圧状態(10kPa〜常圧)とする。特に、処理室100を常圧とする場合には、減圧処理を不要とすることができる。
不活性ガスとしては、特に限定されず、例えば、窒素ガス、アルゴンガス等を用いることができる。
また、熱処理の温度は、キュリー温度未満の温度であれば特に限定されない。例えば、圧電基板がLT基板である場合には、熱処理を550℃〜590℃で行うことが好ましい。
このように、処理室100の雰囲気を上記条件とすることにより、熱処理工程において、LT基板に対してキュリー温度以下の範囲で熱処理を行う場合であっても、LT基板に酸素空孔を十分に導入することができる。これにより、キュリー温度以下の温度の熱処理であっても、LT基板表面の導電率を効果的に高めることが可能となる。
また、本実施の形態の熱処理工程では、上述したように、処理室100の酸素分圧を大幅に小さくすることを特徴としている。このような酸素分圧が極端に低い不活性ガスを得るために、処理室100の前に酸素を除去する酸素ポンプ101を設け、当該酸素ポンプ101を介して処理室100に不活性ガスを供給する。
酸素ポンプ101としては、固体電解質を用いた循環型のポンプを適用することができる。図2に本実施の形態の熱処理工程に適用可能な酸素ポンプ101の一例を示す。
図2に示す酸素ポンプ101は、酸化ジルコニウム(ZrO)等の固体電解質で形成された管で構成される。また、管の厚み方向に電圧を印加することにより、管を通る不活性ガス中に含まれる酸素を除去する構成となっている。管の壁面には白金ペースト等の導電粒子が形成されており、管の内側にマイナス極が接続され、外側にプラス極が接続される。この構成において、管の厚み方向に電圧を印加することにより、酸素ポンプ101を通る不活性ガスに含まれる酸素イオンは、固体電解質の管の内壁に引き寄せられて、最終的には酸素ポンプ101の外部に放出される。
また、上記酸素ポンプ101を用いた熱処理工程においては、処理室100に供給される不活性ガスと処理室100から排出される不活性ガスが、酸素ポンプ101を介して循環させることが好ましい。例えば、酸素ポンプ101の入口側と処理室100の出口側の間に循環ポンプ等の循環機器102を設けることができる。このように、不活性ガスを供給した後に、酸素ポンプ101を介して循環させる構成とすることにより、酸素ポンプ101で効果的に不活性ガス中の酸素分圧を低下させて処理室100に供給することが可能となる。
また、酸素ポンプ101は、処理室100に供給される前の不活性ガス及び/又は処理室100から排出された不活性ガス中の酸素濃度を測定する酸素センサに基づいて制御される構成とすることができる。この場合、制御部103が処理室100に供給される不活性ガス中の酸素濃度を測定する酸素センサ104及び/又は処理室100から排出される不活性ガス中の酸素濃度を測定する酸素センサ105の測定結果により酸素ポンプ101の電圧等を制御する。
また、酸素センサ104、酸素センサ105の測定結果に基づいて、熱処理工程の開始点や終了点を決定する構成としてもよい。例えば、処理室100から排出される不活性ガス中の酸素濃度を測定する酸素センサ105の測定結果において、酸素濃度が所定値以下となった場合、つまり圧電基板から放出される酸素が少なくなった場合に熱処理工程を終了する。
また、処理室100において、圧電基板から放出される酸素を効果的に除去するために、処理室100内にAlやCa等の酸素吸着剤を設けてもよい。
以下、実施例により本発明を詳しく説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
本実施例では、LT基板の熱処理工程において、処理室の酸素分圧と熱処理後のLT基板の導電率との関係について説明する。
LT基板に対し、以下の条件で熱処理工程を行った後に、熱処理後のLT基板の表面の導電率を測定した。なお、熱処理における酸素分圧処理について複数の条件(7種類)を変えて行った。導電率の測定は、Keithley社製のElectrometer/Sourcemodel 617、Resistivity Chamber model 8009を用いて行った。
<熱処理条件>
・熱処理温度:590℃
・昇温速度:10℃/min
・熱処理時間:15時間
・圧力:大気圧
・降温速度:10℃/min
・キャリアガス:窒素
・ガス流量:200sccm
・酸素分圧:1atm(低酸素雰囲気処理なし)、1.0×10−6atm、1.0×10−16atm、2.0×10−22atm、1.0×10−23atm、1.0×10−25atm、7.0×10−26atm
図3に熱処理後の導電率と熱処理における酸素分圧との関係を示す。図3に示すように、低酸素雰囲気処理を行わない場合(酸素分圧1atm)の場合には、熱処理後のLT基板の導電率は1.0×10−15[Ω−1cm−1]となり、導電率を向上することはできなかった。また、熱処理中の酸素分圧を、1.0×10−6atm、1.0×10−16atm、2.0×10−22atmとした場合には、熱処理後のLT基板の導電率は4.0×10−13〜5.2×10−13[Ω−1cm−1]となり、酸素分圧が1atmの場合と比較して導電率を向上させることができた。
一方、低酸素雰囲気処理により、熱処理中の酸素分圧を1.0×10−23atm、1.0×10−25atm、7.0×10−26atmとした場合には、1.0×10−6atm〜2.0×10−22atmで概略一定であった熱処理後のLT基板の導電率を急激に上昇させることができた。特に、熱処理中の酸素分圧を7.0×10−26atmとした場合には、熱処理後のLT基板の導電率を2.2×10−12[Ω−1cm−1]まで向上することができた。
したがって、製造工程において圧電基板のスパークの発生を効果的に抑制するためには、熱処理工程における酸素分圧を、1×10−22atm以下、好ましくは1.0×10−23atm以下、より好ましくは7.0×10−26atm以下とすればよい。
本発明は上述した実施の形態及びその変形例に限定されるものではない。その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。
100 処理室
101 酸素ポンプ
102 循環機器
103 制御部
104、105 酸素センサ

Claims (6)

  1. 圧電基板の導電率を向上させる熱処理工程を有する圧電基板の製造方法であって、
    前記熱処理工程は、酸素分圧が1×10−22atm以下の不活性ガスを供給し、且つ10kPa〜常圧の雰囲気下の処理室内で前記圧電基板のキュリー温度未満の温度で前記圧電基板に熱処理を行う工程であり、前記不活性ガスを、酸素を除去する酸素ポンプを介して前記処理室内に供給するとともに、前記処理室から排出される前記不活性ガス中の酸素濃度を酸素センサで測定し、前記圧電基板から放出される酸素濃度が所定値以下となった場合に、前記熱処理工程を終了するように制御することを特徴とする圧電基板の製造方法。
  2. 前記圧電基板が、タンタル酸リチウム基板であり、前記熱処理の温度が550℃〜590℃で行うことを特徴とする請求項1に記載の圧電基板の製造方法。
  3. 前記熱処理工程が常圧で行われることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の圧電基板の製造方法。
  4. 前記不活性ガスが、窒素ガス又はアルゴンガスであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の圧電基板の製造方法。
  5. 前記処理室に供給される不活性ガスと前記処理室から排出される不活性ガスが、前記酸素ポンプを介して循環し、前記処理室内に供給する前記不活性ガス中の酸素濃度を第1の酸素センサで測定し、前記処理室から排出される前記不活性ガス中の酸素濃度を第2の酸素センサで測定し、前記第1の酸素センサと前記第2の酸素センサの測定結果に基づき、前記酸素ポンプを制御することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の圧電基板の製造方法。
  6. 前記圧電基板に対して単一分極化するポーリング処理工程をさらに有し、前記ポーリング処理工程の後に前記熱処理工程を行うことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の圧電基板の製造方法。
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