JP6226138B2 - 蓋付カップ容器 - Google Patents
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Description
このように、操作部を引き上げる操作だけでシール材を破断してカップ本体を開封することが可能になり、優れた開封操作性を具備させることができる。また、操作部が左右一対配設されているので、開封時に、操作部に複数の指をかけることが可能になり、切刃部からシール材に大きな力を安定して加えることができる。
さらに、第1、第2回動部が、本体板の平面視で同一直線上に配置されているので、操作部を引き上げたときに、第1、第2回動部が捩じれるのを防ぐことが可能になり、優れた開封操作性を安定して発揮させることができる。
また、切刃部、操作部、第1回動部、及び第2回動部が、本体板と一体に形成されているので、部品点数が抑えられ構造の複雑化を防ぐことができる。
なお、囲繞壁の下端縁を下方に向けて尖らせて、開封刃とともにシール材を破断するようにしてもよい。
本実施形態の蓋付カップ容器1は、図1に示されるように、内容物が収容されるカップ本体11と、カップ本体11に装着された蓋体12と、蓋体12を覆うオーバーキャップ13と、を備えている。
カップ本体11は有底筒状に形成され、蓋体12及びオーバーキャップ13はそれぞれ有頂筒状に形成されている。そして、カップ本体11、蓋体12及びオーバーキャップ13それぞれの中心軸線は、共通軸と同軸に配置されている。以下、この共通軸を容器軸Oといい、容器軸O方向に沿うカップ本体11の底部11a側を下側、これとは反対側を上側といい、容器軸Oに沿う方向を上下方向という。また、容器軸O方向から見た平面視において、容器軸Oに直交する方向をカップ径方向といい、容器軸O回りに周回する方向をカップ周方向という。
なお、カップ本体11の下部には、カップ径方向の内側に向けて突出する支持突起11dが、カップ周方向に間隔をあけて複数形成されている。この支持突起11dは、カップ本体11内に、他のカップ本体11が底部11a側から挿入された状態で、他のカップ本体11の底部11aの外周縁部を支持する。これにより、両カップ本体11の密接を防止し、複数積み重ねられたカップ本体11を個別に容易に取り出すことができる。
また、カップ本体11の内周面における上端部には、カップ径方向の内側に向けて張り出し、かつ上面が第1フランジ部11bの上面に段差なく連なる張出部11cが形成されている。張出部11cは、カップ周方向の全周にわたって連続して延在している。張出部11cの下端は、カップ本体11の内周面に段差なく連なっている。張出部11cの上端におけるカップ径方向の内端が、カップ径方向の内側に向けて尖るように、この部分の、カップ本体11の縦断面視でなす曲率半径が、例えば約0.2mmと極力小さくなっている。
このように、シール材14を、第1フランジ部11bの上面のみならず、張出部11cの上面にも固着することによって、シール材14のカップ本体11に対する固着面積が、カップ径方向の内側に拡げられることとなり、カップ本体11の内圧上昇時に、シール材14が上方に膨出変形するのを抑えることができる。
蓋体12は、シール材14の上方に配設された本体板21と、本体板21の外周縁から下方に向けて延びる周壁22と、周壁22の下端からカップ径方向の外側に向けて突出し、かつ全周にわたって連続して延びる第2フランジ部23と、第2フランジ部23におけるカップ径方向の外端から下方に向けて延在し、カップ本体11の第1フランジ部11bに外嵌された装着筒部24と、を備えている。
第2フランジ部23には、第1フランジ部11bの上面にシール材14を介して液密に当接するシール突部23aが形成されている。シール突部23aは、全周にわたって連続して延びる突条状に形成されている。シール突部23aは、カップ本体11の第1フランジ部11bを、下方に向けて付勢して支持突部24aに圧接させている。
貫通孔25は、前後方向に延びる左右一対の側部25aと、各側部25aの前端同士を連結する前部25bと、により構成され、本体板21の平面視で、後方に向けて開口するU字状を呈している。
また、第1、第2回動部31、33は、本体板21、切刃部32、及び操作部34より薄肉に形成されたヒンジとなっている。
切刃部32は、本体板21の平面視で、後方から前方に向かうに従い漸次、左右方向の幅が小さくなる三角形状を呈している。なお、切刃部32における左右方向の両端部が、貫通孔25の内周縁に、破断可能なブリッジ21bを介して連結されている。
ここで、前記三角形状を構成する3つの辺部のうちの1つが、左右方向に延びる切刃部32の後端部32aを構成している。また、前記三角形状を構成する3つの頂部のうちの1つが、左右方向の中央部に位置する切刃部32の前端部を構成している。切刃部32の前端部には、下方に向けて突出する開封刃35が配設されている。開封刃35は、図5に示されるように、左右方向に延びる壁部とされ、その前面が貫通孔25の内周縁における前端に近接している。開封刃35の下端部には、下方に向けて尖る切刃35aが左右方向に沿って複数連ねられて形成されている。
なお、囲繞壁37と開封刃35との間に隙間を設けてもよいし、囲繞壁37の下端縁は下方に尖らせなくてもよい。また、囲繞壁37の下方に向けた突出量を、前後方向の全長にわたって同等にしてもよいし、前方から後方に向かうに従い漸次大きくしてもよい。
操作部34は、切刃部32から後方だけでなく左右方向の外側にも突出しており、この突出した部分における前端部に第2回動部33が連結されている。第1回動部31、及び第2回動部33は、本体板21の平面視で同一直線上に配置されている。
操作部34の下面のうち、第2回動部33との接続部分には、下方に向けて突出し、かつ後方に向けて延びる補強リブ34bが形成されている。補強リブ34bにより、操作部34の引き上げ時に操作部34が変形するのを抑制することができる。
操作部34は、上方に向けて膨出し、かつ後半分が排除されて後方に向けて開口したドーム状に形成されている。
ここで、操作部34が前述のようなドーム状に形成されているだけでなく、操作部34に面取り部34dも形成されているので、操作部34の下方に指を差込み易くなっている。
なお、操作部34は、本体板21より上方に膨出している。また、切刃部32の上面は、本体板21の上面と面一となっている。
操作部34の後端縁34aは、図3及び図4に示されるように、左右方向の外側から内側に向かうに従い漸次前方に向けて窪む曲線状に形成されている。操作部34の後端縁34aは、貫通孔25の側部25aにおける後端から前方に離れており、貫通孔25の側部25aのうち、その後端と操作部34の後端縁34aとの間に位置する部分に、指が挿入可能となっている。
以上の切刃部32、操作部34、第1回動部31、及び第2回動部33は、本体板21と一体に形成されている。
なお、第1回動部31における左右方向の中央部には、左右方向に延びるスリット31aが形成されている。
穿刺部21aは、本体板21において、貫通孔25における前部25b及び一対の側部25aで囲まれた半島部分21eに配設されている。図示の例では、穿刺部21aは、本体板21の中央部に配設され、前方から後方に向かうに従い漸次下方に向けて突出する先鋭形状に形成されている。なお、穿刺部21aの下端縁は、先行刃36及び開封刃35それぞれの下端縁より上方に位置し、囲繞壁37の下端縁より下方に位置している。また、本体板21の半島部分21eは、前後方向に長い長方形状の板状に形成されている。
ここで、半島部分21eの下面には、下方に向けて突出する第1突リブ21c及び第2突リブ21dが形成されている。これらの第1、第2突リブ21c、21dにより半島部分21eの曲げ剛性が高められるので、シール材14が上方に大きく膨出変形し、穿刺部21aに押し付けられたときに、半島部分21eが上方に撓むのを抑制することが可能になり、穿刺部21aによりシール材14を確実に破断させることができる。
図示の例では、第1突リブ21cは、穿刺部21aをカップ径方向の外側から囲繞している。また、第1突リブ21cは、本体板21の平面視で、前方に向けて開口するC字状を呈している。
第2突リブ21dは、半島部分21eにおける前後方向の全長にわたって延在し、左右方向に間隔をかけて複数形成されている。
また、蓋体12にオーバーキャップ13が装着された状態において、オーバーキャップ13の頂壁部が、操作部34に当接若しくは近接しているので、開封刃35及び先行刃36それぞれの下端縁が下方に移動するように、切刃部32及び操作部34が第1、第2回動部31、33回りに回動しようとしたときに、操作部34が、オーバーキャップ13の頂壁部に係止されることとなり、この回動を抑制することができる。
以上より、オーバーキャップ13が装着された蓋体12をカップ本体11に装着する時、並びにこの蓋付カップ容器1の流通時に、開封刃35及び先行刃36それぞれの下端縁が、シール材14に当接するのを確実に防止することができる。
このように、操作部34を引き上げる操作だけでシール材14を破断してカップ本体11を開封することが可能になり、優れた開封操作性を具備させることができる。また、操作部34が左右一対配設されているので、開封時に、操作部34に複数の指をかけることが可能になり、切刃部32からシール材14に大きな力を安定して加えることができる。
さらに、第1、第2回動部31、33が、本体板21の平面視で同一直線上に配置されているので、操作部34を引き上げたときに、第1、第2回動部31、33が捩じれるのを防ぐことが可能になり、優れた開封操作性を安定して発揮させることができる。
また、切刃部32、操作部34、第1回動部31、及び第2回動部33が、本体板21と一体に形成されているので、部品点数が抑えられ構造の複雑化を防ぐことができる。
また、囲繞壁37の下端縁が下方に向けて尖っているので、切刃部32及び操作部34を第1、第2回動部31、33回りに一体に回動させたときに、開封刃35及び囲繞壁37の双方でシール材14を破断することが可能になり、シール材14に広い破断開口を形成することができる。
さらに、第1回動部31にスリット31aが形成されているので、操作部34を引き上げてシール材14を破断した後に、切刃部32及び操作部34が復元変位するのを抑制することができる。
また、前記実施形態では、開封刃35の下端部に、下方に向けて尖る切刃35aが左右方向に沿って複数連ねられて形成された構成を示したが、切刃35aは1つだけであってもよいし、前後方向に複数連ねて形成する等適宜変更してもよい。
また、前記実施形態では、第1、第2回動部31、33として、本体板21、切刃部32、及び操作部34より薄肉に形成されたヒンジを示したが、これに限らず適宜変更してもよい。
11 カップ本体
11e 上端開口部
12 蓋体
14 シール材
21 本体板
25 貫通孔
31 第1回動部
32 切刃部
33 第2回動部
34 操作部
35 開封刃
36 先行刃
37 囲繞壁
Claims (3)
- 内容物が収容されるとともに、上端開口部がシール材によって封止されたカップ本体と、
前記カップ本体の上端部に装着されるとともに、前記シール材の上方に配設された本体板を有する蓋体と、を備える蓋付カップ容器であって、
前記本体板に形成された貫通孔内に、
第1回動部を介して前記本体板に連結され、かつ第1回動部から前方に向けて延びる切刃部と、
前記切刃部におけるカップ周方向の両側に連結されるとともに、各第2回動部を介して前記本体板に各別に連結され、かつ第2回動部から後方に向けて延びる左右一対の操作部と、が配設され、
これらの切刃部、操作部、第1回動部、及び第2回動部は、前記本体板と一体に形成され、前記第1回動部、及び前記第2回動部は、前記本体板の平面視で同一直線上に配置されていることを特徴とする蓋付カップ容器。 - 前記切刃部には、
その前端部に配置され、下方に向けて突出する開封刃と、
前記開封刃より後方に配置され、下方に向けて突出し、かつ前記切刃部及び前記操作部を第1、第2回動部回りに一体に回動させたときに、前記シール材に前記開封刃より先に当接する先行刃と、が配設されていることを特徴とする請求項1に記載の蓋付カップ容器。 - 前記切刃部には、前記開封刃における左右方向の両側から後方に向けて延在し、前記先行刃を、左右方向の両側から囲う一対の囲繞壁が配設されていることを特徴とする請求項2に記載の蓋付カップ容器。
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