JP6218978B2 - 熱融着抜止モール糸型清掃用払拭体及び清掃用具 - Google Patents

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Description

本発明は、床面や壁面を清掃するための清掃用具に関し、更に詳細には、ハウスダストを効率的に吸着除去する清掃用払拭体及び清掃用具に関する。
従来から、家庭や職場の清掃用具として清掃用払拭体(清掃用モップとも云う)が広く利用されてきた。この様な清掃用払拭体はハウスダスト、即ち砂塵、人毛及びペット毛等の繊維状屑、ダニ由来成分、並びに食品屑等の塵埃の除去に適しており、近年、レンタル清掃用具等の普及により、その需要は店舗や家庭で増大している。特に、払拭体が払拭体把持部から取り外せるタイプの清掃用払拭体がよく利用されている。この清掃用具は、床面等に直接接触する払拭体と保持具から構成され、保持具は清掃用払拭体を装着する払拭体把持部と人が把握するハンドルから構成されている。人が両手でハンドルを把持する大型タイプの床用清掃用具と、片手でハンドルを把持する小型タイプのハンディ清掃用具が知られている。
一般に、床用清掃用具やハンディ清掃用具の払拭体として、基体に綿やナイロン等の繊維から成形されたパイルを基体表面に固定した払拭体が知られている。図18は、特開平5−277054号公報(特許文献1)に開示された清掃用払拭体(所謂モップ)の断面図である。この清掃用払拭体は、基布102の周囲に多数のパイル104を縫目103により固定して形成されている。また、基布102は上下2枚の基布片の左右端縁をテープ状織布105で保護し、側方のパイル104はテープ状織布105に対して縫着して固定されている。パイル104は、綿やナイロン等の短繊維を紡績した単糸を複数本撚成し、端部をカットして得られたカットパイルと称されるもので、パイルに油剤組成物を含浸させて構成される。上下の基布102、102は本発明の基体に相当し、両基布で包囲された空間はモップ把持具挿入用空間106になり、この空間106にモップ把持具を挿入して清掃用具が構成される。
この清掃用具の清掃メカニズムは、パイルが床面と接触状態で摩擦して、床面上のハウスダストをパイルに含浸された油剤組成物の中に吸着固定することである。また、短繊維から形成された紡績糸を使用する理由は、パイルの周面に無数の短繊維の繊維端部が突出し、この短繊維端部によりハウスダストが掻き取られる機能を狙ったものである。更に、カットパイルにしたのは、パイル端部のカット部から無数の繊維が突出し、ハウスダストの掻き取り効果を狙っている。しかし、短繊維端部が周面から突出すると云っても、短繊維は極めて細短く、大きなハウスダストに対しては掻き取り効果は低い。また、パイル端部のカット部と云っても一部だけであり、掻き取り効果が十分とは言えなかった。
そこで、特開2008−104600号公報(特許文献2)、特開2009−185407号公報(特許文献3)及び特開2012−24594号公報(特許文献4)に示される高吸水性高乾燥性払拭具が出現するに至った。これら3件の公開特許公報は、ほぼ同一の図面を有しているので、特開2008−104600号公報(特許文献2)の図面を参照する。図19は前記高吸水性高乾燥性払拭具Aの正面図である。基布Sの上面には面ファスナー部材Bが配置され、図示されない払拭体把持部に係止される構成になっている。基布Sの下面には、多数のパイルPが固定されて払拭部Wが構成されている。パイルPの根元は前記基布Sの下面に固定されている。この基布Sが本発明の基体に相当する。パイルPは芯糸Cの周囲に放射状に無数のフィラメントFが密に突出し、しかも前記放射状フィラメントがパイルの長手方向に密に形成されている。また、パイルPの先端部PaはフィラメントFの先端が半球面を形成して構成されている。
芯糸Cとその周囲に突出した無数のフィラメントFからなる糸とは一般にモール糸と称されており、フィラメントFは花糸と呼ばれ、飾り糸の一種である。この従来例では、花糸として極めて細い0.05〜0.8d(デニール)の非吸水性フィラメントを密に且つ大量に使用してモール糸を構成し、このモール糸をループパイルに成形してパイルPを構成している。従って、パイル先端部Paが半球面に形成されることになる。この払拭具の花糸は非吸水性のフィラメントであるから水は吸収せず、パイルPの周囲及び先端に存在する無数のフィラメントFの間隙が毛管現象による高吸水性を示す。被清掃面を水洗いした後、この払拭具で非清掃面を拭き取ると、被清掃面から水を吸収して被清掃面を急速に乾燥させることができる。その後、払拭具の水を振り切って水を飛ばし、乾燥させると、繊維表面積が大きいから高速に乾き、高乾燥性を示す。
特開平5−277054号公報 特開2008−104600号公報 特開2009−185407号公報 特開2012−24594号公報
特許文献2〜特許文献4に示される清掃用払拭体は、初めてモール糸をパイルに利用した点では、賞賛に値する。しかし、それは高吸水性高乾燥性払拭具、即ち吸水モップへの応用であり、吸水力を上げるために0.05〜0.8d(デニール)という極細繊維を花糸として使用したものである。吸水力を増大させるためには、芯糸の周囲に極細繊維を高密度に林設することが重要であり、芯糸の径方向には放射状に密に花糸を突出させ、しかも芯糸の繊維方向にも前記放射状花糸を密に配置するから、花糸先端の形状は棒状になり、しかも折り返した後撚成してパイルを形成するから、パイルの先端では花糸先端形状が半球形になる。確かに、木の根が多量の水を吸うように、無数の花糸の間隙には毛管現象により多量の水が貯留されるため高吸水性を示し、吸水後に水を振り切ると、花糸繊維が極細のため残留水が蒸発し易く高乾燥性を示す効果がある。
しかしながら、特許文献2の清掃用払拭体では、油剤組成物を含浸させることは困難である。特許文献2〜特許文献4には芯糸の平均太さは記載されていないが、花糸の平均太さは0.05〜0.8d(デニール)から選択されることが強く主張され、しかも花糸は非吸水性フィラメントであり、水だけでなく油剤組成物も吸収含浸することはない。従って、油剤組成物を処理した場合を考えると、油剤組成物は水と同様に、花糸間の間隙に貯留されることになり、油剤が花糸内部に保持されることはないから、清掃時に油剤が被清掃面に転移する可能性がある。従って、特許文献2〜4のモール糸を利用した払拭具では、油剤組成物を含浸させることは不可能であり、油剤組成物を含浸させる場合には新たな発明が必要になることが明白である。
しかも、特許文献2〜特許文献4では、多数の花糸が芯糸の周りに放射状に旋回して構成される。モール糸では、2本の芯糸の間に芯糸に直交するように多数の花糸を横設し、2本の芯糸を撚成することにより、その捩り力で花糸を芯糸の周囲に旋回させている。しかも、捩られた狭い空間に花糸が存在するだけであるから、花糸を左右に引っ張れば、花糸を芯糸から容易に取り出すことが可能である。従って、特許文献2〜特許文献4の高吸水性高乾燥性払拭具を多数回使用すると、前記捩り力が次第に緩み、極細の花糸は芯糸から自然に脱落して、払拭具として用を為さなくなってしまう事態に至る。
従って、本発明は、モール糸をパイルに利用する場合に、花糸間に油剤組成物を貯留するのではなく、花糸及び芯糸自体に油剤組成物を含浸できるモール糸を開発し、しかも多数回の使用によっても花糸が芯糸から脱落しない抜止モール糸をパイルに適用した清掃用払拭体を提供することを目的とし、同時にこの清掃用払拭体を利用した清掃用具を提供することを目的とする。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の第1の形態は、基体に根元部を固定した多数のパイルに油剤組成物を含浸させてダストを吸着させる清掃用払拭体であり、前記パイルは芯糸の周囲に花糸が多数本突出して形成され且つ前記花糸が前記芯糸から抜け止めされた抜止モール糸からなり、前記抜止モール糸は、前記芯糸が複数の編目を有して縦編されており、前記編目に前記花糸を横糸として編み込み、前記芯糸を緊く編み込んで前記花糸が前記編目から抜け止めされている抜止モール糸型清掃用払拭体である。
本発明の第2の形態は、前記抜止モール糸が、前記花糸が編目に一方向から進入し、一個以上離間した編目から逆方向に抜け出て、前記花糸がU字状に形成されている抜止モール糸型清掃用払拭体である。
本発明の第3の形態は、前記抜止モール糸が、前記花糸が前記編目に一方向から進入し、同じ編目又は一個以上離間した編目から同一方向へと抜け出て、前記花糸が前記芯糸に対し直線状又は段違い状に形成されている抜止モール糸型清掃用払拭体である。
本発明の第4の形態は、前記抜止モール糸では、前記芯糸として熱融着糸を一緒に引き揃えた複合芯糸を使用し、熱融着糸を融解させて前記編目を融着固定し、前記花糸の抜け止めを強化している抜止モール糸型清掃用払拭体である。
本発明の第5の形態は、前記パイルが、一本の前記抜止モール糸から形成される抜止モール糸型清掃用払拭体である。
本発明の第6の形態は、前記パイルが、二本以上の前記抜止モール糸を組み合わせて形成される抜止モール糸型清掃用払拭体である。
本発明の第7の形態は、前記芯糸は前記基体に接触する状態から自立する状態までの範囲の柔軟性を与える芯糸平均太さを有し、前記花糸は前記芯糸に接触する状態から自立する状態までの範囲の柔軟性を与える花糸平均太さを有し、前記芯糸の長さ10mm当たりに前記花糸が相互に間隔を空けて3〜30本形成され、前記芯糸から伸びる前記花糸の長さは2〜30mmである抜止モール糸型清掃用払拭体である。
本発明の第8の形態は、前記芯糸平均太さは50d〜3000d(デニール)、前記花糸平均太さは100d〜1200d(デニール)である抜止モール糸型清掃用払拭体である。
本発明の第9の形態は、前記芯糸及び前記花糸の夫々は繊度が1d以上の短繊維を紡績して得られた紡績糸もしくはフィラメント糸である抜止モール糸型清掃用払拭体である。
本発明の第10の形態は、前記油剤組成物に、抗アレルゲン剤、抗カビ剤、抗菌剤、香料の一種以上を添加した抜止モール糸型清掃用払拭体である。
本発明の第11の形態は、抜止モール糸型清掃用払拭体を払拭体把持部に装着し、前記
払拭体把持部にハンドルを連接した抜止モール糸型清掃用具である。
本発明の第12の形態は、3本以上の芯糸を並行配置して夫々縦編し、隣接する芯糸の編目にジグザグ状に左右往復させながら横糸を緊く編み込んで編布を形成し、前記編布を形成しながら、或いは前記編布を形成した後に、一本の芯糸を中心にして左側芯糸との中間部で横糸を切断し、且つ右側芯糸との中間部で横糸を切断し、前記一本の芯糸の左右に切断された横糸を花糸として配置した抜止モール糸を形成し、複数本の前記抜止モール糸の根元部を基体に固定する抜止モール糸型清掃用払拭体の製法である。
本発明の第13の形態は、前記芯糸が、芯糸と熱融着糸を引き揃えた複合芯糸からなり、前記編布又は前記抜止モール糸を加熱して前記編目を融着固定して、前記花糸の抜止を強化する抜止モール糸型清掃用払拭体の製法である。
本発明の第1の形態によれば、基体に根元部を固定した多数のパイルに油剤組成物を含浸させてダストを吸着させる清掃用払拭体であり、前記パイルは芯糸の周囲に花糸が多数本突出して形成されているから、芯糸と花糸の両方に油剤組成物を含浸でき、しかも清掃時に多数本の花糸が被清掃面を摩擦しながらハウスダストを掻き出して花糸の間にある間隙でハウスダストを保持し、しかも含浸された油剤組成物でハウスダストを確実に吸着保持でき、ハウスダストの掻き出しと保持を確実に行って、清掃効率の向上を図ることができる。
また、前記花糸が前記芯糸から抜け止めされた抜止モール糸からなり、前記抜止モール糸は、前記芯糸が複数の編目を有して縦編されており、前記編目に前記花糸を横糸として編み込み、前記芯糸を緊く編み込んで前記花糸が前記編目から抜け止めされているから、芯糸を緊く編み込むことによって、花糸が編目から抜脱することを防止できる。本件発明では、緊く編み込むことを緊編(かたあみ)と称し、これを強調する場合には「強く緊編(つよくかたあみ)」とも称する。つまり、長期使用に際して、清掃用払拭体を繰り返し洗浄再生しても、花糸が芯糸から抜け止めされる結果、清掃用払拭体の長寿命化を達成できる。
本発明の第2の形態によれば、前記抜止モール糸が、前記花糸が編目に一方向から進入し、一個以上離間した編目から逆方向に抜け出て、前記花糸がU字状に形成されるから、進入する花糸が進入編目で固定されると同時に、抜け出る花糸が抜出編目でも固定され、少なくとも2個の編目で強固に固定され、花糸が芯糸から分離することが無く、パイルの長寿命性が担保できる利点を有する。具体的には、花糸が第1編目に進入し隣接する第2編目から抜け出る場合には、固定点は第1編目と第2編目の2点であり、固定強度は倍増
される。また、相互に隣接する第1編目〜第4編目の4箇の編目を考えた場合に、花糸が第1編目に進入し、第2編目で逆進し、直ぐに第3編目に進入して、第4編目から逆方向に抜け出る場合も、進入方向と抜出方向が逆であるから、本形態のU字状に含まれる。このとき、隣接する4個の編目で強く緊編されるから、花糸の抜け止め効果が4倍増される。同様に、隣接する第1編目〜第6編目を利用すると、花糸の数はそれだけ減るが、固定力は6倍増と極めて高くなる。同様に繰り返すと、固定強度は偶数ずつ増大することが分かる。
本発明の第3の形態によれば、前記抜止モール糸が、前記花糸が前記編目に一方向から進入し、同じ編目又は一個以上離間した編目から同一方向へと抜け出て、前記花糸が前記芯糸に対し直線状又は段違い状に形成されている抜止モール糸型清掃用払拭体を提供できる。第1のケースは、花糸が一つの編目に進入し、同じ編目からそのまま同一方向に抜け出る場合であり、花糸は直線状に存在するから、編目による固定点は1点になる。固定点が一点であっても、編目を堅く緊編するから、固定強度は強く、抜け止め効果は高い。ま
た、第1編目〜第3編目が相互に隣接している場合に、一方向へと第1編目に進入し、第2編目で逆進し、第3編目で同一方向へと段違い状に抜け出れば、3個の編目を緊編することにより花糸は3点で固定されるから、3点固定により固定強度は3倍増になる。更に、芯糸に対する花糸の本数は減少するが、5点固定、7点固定と段違い状に次第に固定強度を増大することが可能になる。
本発明の第4の形態によれば、前記抜止モール糸では、前記芯糸として融着糸を一緒に引き揃えた複合芯糸を使用し、融着糸を融解させて前記編目を融着固定し、前記花糸の抜け止めを強化している抜止モール糸型清掃用払拭体を提供できる。本形態では、通常の芯糸と融着糸を引き揃えた複合芯糸を芯糸として使用するから、編目を強く緊編した抜止モール糸や抜止モール糸の並列編成体を加熱水に浸績したり、加熱水蒸気を吹き付けたり、熱風を吹き付けたり、ヒートロールで加熱処理する等により、熱融着糸が融解し、融解液が芯糸や花糸に浸潤し、冷却により融解液が固化して、芯糸と花糸が相互に強固に接着するものである。編目を強く緊編するだけで花糸が芯糸から抜けることが防止できるが、本形態では更に熱融着糸により抜け止め効果を強化するのである。熱融着糸としては加熱して融着する糸がすべて含まれるが、具体的にはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリエチレン、オレフィン系等の熱融着糸が利用できる。
本発明の第5の形態によれば、前記パイルが一本の前記抜止モール糸から形成される抜止モール糸型清掃用払拭体が提供される。抜止モール糸の形態は、芯糸と花糸の太さや長さ、花糸相互の間隔(ピッチ)等で決まるが、一本の抜止モール糸で十分に清掃用のパイルとして使用できる場合には、一本の抜止モール糸をパイルとして使用できる。
本発明の第6の形態によれば、前記パイルが、二本以上の前記抜止モール糸を組み合わせて形成される抜止モール糸型清掃用払拭体が提供される。前述したように、抜止モール糸の形態は、芯糸と花糸の太さや長さ、花糸相互の間隔(ピッチ)等で決まるが、一本の抜止モール糸では清掃用のパイルの太さ等の形態を構成し難い場合には、二本以上の抜止モール糸を並行に引き揃えてパイルを形成することができる。また、抜止モール糸を折り畳んで撚成することによりループパイルにしたり、その先端をカットして二本を引き揃えたカットパイルを形成することができる。また、2本以上の抜止モール糸を熱融着糸で結合してパイルを太くしたり、周囲を取り巻く花糸を適宜形状に変形することが可能になる。
本発明の第7の形態によれば、前記芯糸は前記基体に接触する状態から自立する状態までの範囲の柔軟性を与える芯糸平均太さを有しているから、清掃時に芯糸が被清掃面に弾力性を持って接触でき、また前記花糸は前記芯糸に接触する状態から自立する状態までの範囲の柔軟性を与える花糸平均太さを有しているから、清掃時に花糸が被清掃面に弾力性を持って接触することができる。弾力性を有しているために、芯糸と花糸が被清掃面に摩擦接触でき、花糸のハウスダスト掻き出し効果が効果的に作用し、清掃効率の向上に寄与できる。
また、前記芯糸の長さ10mm当たりに前記花糸が相互に間隔を空けて3〜30本形成されているから、隣り合う花糸間の間隔が3.3〜0.33mmであり、ハウスダストの掻き出しには有効な本数であり、しかも芯糸から伸びる前記花糸の長さは2〜30mmであるから、被清掃面のハウスダストの掻き出しには効果的な長さであり、被清掃面の種類に応じた花糸長を選択することができる。
本発明の第8の形態によれば、前記芯糸平均太さは50d〜3000d(デニール)、前記花糸平均太さは100d〜1200d(デニール)である抜止モール糸型清掃用払拭体が提供される。前記芯糸平均太さは50d〜3000d(デニ4ール)であるから、清掃用払拭体のパイルの太さは50d〜3000dになる。勿論、複数本の抜止モール糸を
束ねてパイルを形成し、このパイル太さが前記範囲内に設定されるようにしても良いことは云うまでもない。これ位の太さになるとパイルに腰があり、強靭な柔軟性によって、清掃時に被清掃面からハウスダストを強力に掻き出すことができる。また、前記花糸平均太さは100d〜1200d(デニール)であるから、花糸も腰があり、その柔軟性によって花糸は被清掃面からハウスダストを効率的に掻き出し、繊維中の油剤組成物によってハウスダストを確実に吸着保持することが可能になる。
本発明の第9の形態によれば、前記芯糸及び前記花糸の夫々は繊度が1d以上の短繊維を紡績して得られた紡績糸もしくはフィラメント糸である抜止モール糸型清掃用払拭体が提供できる。前記芯糸及び前記花糸の夫々が紡績糸の場合には、油剤組成物を繊維内部に吸収しながら含浸する特性を有する。また、芯糸と花糸の周面には無数の短繊維の端部が露出しており、芯糸や花糸によって掻き出されたハウスダストが前記の短繊維端部に引っ掛かり、ハウスダストを保持固定する作用をなす。ハウスダストの保持固定後は、繊維中の油剤組成物によって前記ハウスダストは確実に吸着保持されることになる。また、前記芯糸及び前記花糸の夫々がフィラメント糸の場合には、油剤組成物が前記芯糸及び前記花糸の繊維間に浸透し、清掃時に捕獲される塵埃が油剤組成物により吸着固定されて、効率的な清掃を実行できる。
本発明の第10の形態によれば、前記油剤組成物に、抗アレルゲン剤、抗カビ剤、抗菌剤、香料の一種以上を添加した抜止モール糸型清掃用払拭体が提供できる。前記油剤組成物に、抗アレルゲン剤、抗カビ剤、抗菌剤、香料の一種以上を添加したから、ハウスダストを油剤組成物に吸着したとき、ハウスダスト中にあるアレルゲン、カビ、菌等を不活化し、また芳香を発することができる。
本発明の第11の形態によれば、上記抜止モール糸型清掃用払拭体を払拭体把持部に装着し、前記払拭体把持部にハンドルを連接した抜止モール糸型清掃用具が提供できる。従って、売り切り用清掃用具やレンタル用清掃用具として、家庭用・業務用に活用できる。前記ハンドルが主として両手で操作するハンドルであれば、前記清掃用具が主として床用清掃用具であるモール糸型清掃用具を提供できる。また、前記ハンドルが主として片手操作できるハンドルであれば、前記清掃用具が主としてハンディ清掃用具であるモール糸型清掃用具を提供できる。
本発明の第12の形態によれば、3本以上の芯糸を並行配置して夫々縦編し、隣接する芯糸の編目にジグザグ状に左右往復させながら横糸を緊く編み込んで編布を形成するから、各芯糸が抜止モール糸の前駆糸になり、多数の抜止モール糸の前駆糸を編布として量産することができる。
又、前記編布を形成して、或いは前記編布を形成しながら、一本の芯糸を中心にして左側芯糸との中間部で横糸を切断し、且つ右側芯糸との中間部で横糸を切断し、前記一本の芯糸の左右に切断された横糸を花糸として配置した抜止モール糸を形成できる。従って、前記芯糸の本数をN本とすると、左右両端の芯糸を除いた(N−2)本の抜止モール糸を同時的に製造することが可能になり、本数Nを大きくすることにより抜止モール糸の大量生産が可能になる。更に、ジグザグ状に左右往復させながら横糸を緊く編み込むときに、上下に隣接する編目に編み込むだけでなく、上下の編目を一個飛ばし、又は2個飛ばし、更にはn個飛ばしに編み込んでゆくことによって、芯糸の周囲に形成される花糸の本数密度を可変することができる。
以上のように製造された抜止モール糸の根元部を基体に固定するだけで、各種の抜止モール糸型清掃用払拭体を容易に製造することができる。基体は、抜止モール糸を固定する基布その他の支持体であればよい。
本発明の第13の形態によれば、前記芯糸は、芯糸と熱融着糸を引き揃えた複合芯糸か
らなり、前記編布又は前記抜止モール糸を加熱して前記編目を融着固定して、前記花糸の抜止を強化した抜止モール糸型清掃用払拭体を製造することができる。前記熱融着糸の加熱処理には種々の形態が存在する。編布を形成しながら加熱する場合には、編成の途中段階にある編布を加熱して熱融着させてゆき、その後に編布の移送過程で切断して抜止モール糸を形成する場合、又は編成の途中段階にある編布を切断して抜止モール糸を形成してゆき、その抜止モール糸を移送過程で加熱して熱融着させる場合がある。更に、編成完了した編布を切断して抜止モール糸を形成し、この抜止モール糸を加熱処理して熱融着することも可能である。その他各種の熱処理方法を採用することができる。
図1は、本発明に係る抜止モール糸型清掃用払拭体の実施形態の概略構成図である。 図2は、本発明に使用される一本の抜止モール糸からなるパイルの概略説明図である。 図3は、本発明の抜止モール糸型清掃用払拭体に使用される抜止モール糸からなるパイルの寸法形態説明図である。 図4は、本発明において、花糸の間隔を大きくした抜止モール糸の形態図である。 図5は、本発明において、縦編される芯糸として熱融着糸と芯糸を引き揃えた複合芯糸を用いた抜止モール糸の形態図である。 図6は、本発明において、2本以上の抜止モール糸を組み合わせて構成されるパイルの概略説明図である。 図7は、本発明において、2本以上の抜止モール糸を組み合わせたパイルの横断面図である。 図8は、本発明において、縦編された複数本の芯糸に横糸として複数本の花糸を編み込んで形成された編布から抜止モール糸を製造する編布パターン図である。 図9は、本発明において、図8の編布パターンをI−I線及びJ−J線で切断して形成された抜止モール糸の形態図である。 図10は、本発明において、芯糸の編目に花糸を水平に直進挿通させた抜止モール糸の形態図である。 図11は、本発明において、図9に示される抜止モール糸を紐を用いて形成した実例図である。 図12は、本発明において、図5に示された熱融着糸と芯糸を引き揃えた複合芯糸を縦編して形成した編目に複合芯糸を編み込んだ拡大編目図である。 図13は、本発明において、花糸の本数を減らした他の抜止モール糸の製造用の編布パターン図である。 図14は、本発明において、図13の編布パターンをK−K線及びL−L線で切断して形成された抜止モール糸の形態図である。 図15は、本発明において、花糸の本数を変更した更に他の抜止モール糸の形態図である。 図16は、本発明に係る抜止モール糸型清掃用具の実施形態の一例であり、主として両手操作のハンドルを備えた床用清掃用具の概略正面図である。 図17は、本発明に係る抜止モール糸型清掃用具の実施形態の他例であり、主として片手操作のハンドルを備えたハンディ清掃用具の概略斜視図である。 図18は、従来例である特許文献1に示されたモップ(清掃用払拭体)の断面図である。 図19は、従来例である特許文献2に示された高吸水性高乾燥性払拭具(清掃用払拭体)の正面図である。
以下に、本発明に係る抜止モール糸型清掃用払拭体、その製法及び抜止モール糸型清掃用具の実施形態を図面に従って詳細に説明する。
図1は、本発明に係る抜止モール糸型清掃用払拭体の実施形態の概略構成図である。抜止モール糸型清掃用払拭体1は、基体2と、基体下面4に固定された多数のパイル10から構成されている。パイル10のパイル根元部12は基体下面4に固定され、そのパイル先端部14はカットパイルになっており、パイル先端部14を連ねた面が前記払拭体1の清掃用パイル面に相当する。パイル10は、芯糸20の周りに花糸30を有した1本の抜止モール糸16から形成されている。芯糸20は多数の編目を有して縦編されており、それらの編目に横糸として花糸30が左右に突出して形成されている。
図2は、本発明に使用される一本の抜止モール糸からなるパイルの概略説明図である。(2A)は、芯糸を縦編して形成された編目に花糸を左右に突出させた緩編状態の抜止モール糸の概略図である。(2B)は、芯糸をギュッと緊く縦編して形成された緊編状態の抜止モール糸の概略図である。(2A)において、一本の芯糸20が縦編された結果、多数の編目22が上方へと連接状に形成されている。上下に隣接する編目22、22に跨って下から上へとU字状の花糸30、30が左右に突出形成されている。図に向かって右側に突出する花糸30を右側花糸31と称し、左側に突出する花糸30を左側花糸32と称する。この緩編状態の抜止モール糸16がパイル先端部14及びパイル根元部12を有したパイルになるのである。(2A)の抜止モール糸16において、編目22をギュッと緊く編み込むと、(2B)に示される緊編状態のパイル10が形成される。パイル10はパイル先端部14及びパイル根元部12を有している。芯糸20は緊編状態にあるから、編目22の内部構造は見えず、芯糸20の左右に右側花糸31と左側花糸32からなる花糸30が突出形成されている。
図3は、本発明の抜止モール糸型清掃用払拭体に使用される抜止モール糸からなるパイルの寸法形態説明図である。前述した抜止モール糸16がパイル長Lを有したパイル10に相当し、芯糸20の左右には花糸30が根元部12から先端部14に至るまで形成されている。左右の花糸30は花糸長h及び花糸径δを有し、花糸30、30の間隔が花糸間隔Δである。芯糸径Dを有した芯糸20がパイル10の骨格を与える。本発明で好適な範囲は、h=2〜30mm、δ=100d〜1200d(デニール)、D=50d〜3000d(デニール)である。花糸密度nはL=10mm当たりの花糸本数で示され、好適な範囲はn=3〜30本である。従って、花糸間隔Δの好適な範囲は、Δ=10/3〜10/30mmになる。パイル長Lは、清掃用払拭体のサイズにより種々に変更でき、サイズ的制限は無い。
図4は、本発明において、花糸の間隔を大きくした抜止モール糸の形態図である。図4のパイル10は、花糸間隔Δが図3と比較して大きく設定されている。図3では一つの編目22に左右夫々に2本の花糸が突出しているが、図4では花糸密度が1/2に減少し、一つの編目22に左右夫々に1本の花糸が突出した状態となっている。図4が主張する本質は、花糸間隔Δは自在に変更できることであり、花糸密度nを自在に可変することが可能である。
図5は、本発明において、縦編される芯糸として熱融着糸と芯糸を引き揃えた複合芯糸を用いた抜止モール糸の形態図である。図4では、芯糸として複合芯糸26が使用されている。複合芯糸26は前述してきた芯糸20に熱融着糸24を引き揃えて形成されており、この複合芯糸26を縦編して形成される編目22に花糸30が左右に突出して形成される。こうしてギュッと強く緊編して形成された抜止モール糸16を加熱すると、熱融着糸24が融解し、編目22内に融液が浸潤拡散して花糸が編目に堅く融着固定される。緊編により花糸は抜止めされると同時に、熱融着糸の融着固定によりほぼ完全に花糸の抜止が
完成する。従って、この抜止モール糸16をパイルとする清掃用払拭体が多数回の洗濯再生を受けても、花糸30は芯糸20に緊く固定され、花糸30が芯糸20から抜脱することが防止され、清掃用払拭体の長寿命性を確保することができる。
図6は、本発明において、2本以上の抜止モール糸を組み合わせて構成されるパイルの概略説明図である。図6に示されるパイル10は、2本の抜止モール糸16、16が撚成や熱融着糸などにより組み合せ状態で一体化されたものである。前述したように、1本の抜止モール糸16には左右に花糸30が突出しているから、2本の抜止モール糸16、16を組み合せた場合には、周囲の前後左右に花糸30が突出形成されることになる。2本の芯糸はパイル先端部14で揃えられ、パイル根元部12で基体2に固定される。このように組み合せると、パイル10の周面にある花糸の本数は略2倍にまで増大させることが可能になる。従って、清掃時における花糸によるハウスダストの吸着効率を格段に向上させることが可能になる。抜止モール糸16の組合せ本数は2本に限らず、2本以上であれば良く、本数の増大に応じてパイル周囲の花糸本数は飛躍的に増大し、清掃効率の高度化を招来できる。
図7は、本発明において、2本以上の抜止モール糸を組み合わせたパイルの横断面図である。図7では、抜止モール糸16の組合せ本数を2本にしたとき、或いは3本にしたときを例示する。(7A)では、花糸30、30が平行するように、2本の抜止モール糸16、16を平行に引き揃えて配置したパイル10を示す。芯糸20、20は撚成又は熱融着糸により引き揃えられて固定され、左右に花糸30、30が平行に配置されている。撚成固定では、芯糸20、20は撚りが掛かっているため、花糸30、30は芯糸20、20の周りを旋回することになり、その一断面を図示しているものである。熱融着糸で引き揃え固定する場合には、花糸は芯糸の周囲を旋回しない。(7B)では、花糸30、30が直交するように、2本の抜止モール糸16、16を平行に引き揃えて配置したパイル10を示す。芯糸20、20は撚成又は熱融着糸により引き揃えられて固定され、左右に花糸30、30が相互に直交して配置されている。撚成固定では、芯糸20、20は撚りが掛かっているため、花糸30、30は芯糸20、20の周りを旋回する。他方、熱融着糸で引き揃え固定する場合には、花糸は芯糸の周囲を旋回しない。(7C)では、花糸30、30、30が斜交するように、3本の抜止モール糸16、16、16を平行に引き揃えて配置したパイル10を示す。芯糸20、20、20は撚成又は熱融着糸により引き揃えられて固定され、周囲に花糸30、30、30が約60度で斜交して配置されている。撚成固定では、芯糸20、20、20は撚りが掛かっているため、花糸30、30、30は芯糸20、20、20の周りを旋回する。他方、熱融着糸で引き揃え固定する場合には、花糸は芯糸の周囲を旋回しない。以上のように、抜止モール糸16を組み合わせる場合でも、花糸30がどのように芯糸の周囲に展開するかは、組合せ条件に依存することが分かる。
図8は、本発明において、縦編された複数本の芯糸に横糸として複数本の花糸を編み込んで形成された編布から抜止モール糸を製造する編布パターン図である。実際には、縦編された多数の芯糸20が並列配置されているが、茲ではその一部を切り出した3本配置を示す。各芯糸20は上下に編目22を連接状に有している。
真中の芯糸20の編目22に右側から進入した花糸30は、U字状に隣接する上側の編目22から右側へと逆方向に抜け出てゆき、次に右側にある芯糸20の編目22に左側から進入した花糸30は、U字状に隣接する上側の編目22から左側へと逆方向に抜け出てゆく。即ち、真中の芯糸20と右側の芯糸20の間をジグザグ状に花糸30が編み込まれてゆく。また、真中の芯糸20の編目22に左側から進入した花糸30は、U字状に隣接する上側の編目22から左側へと逆方向に抜け出てゆき、次に左側にある芯糸20の編目22に右側から進入した花糸30は、U字状に隣接する上側の編目22から右側へと逆方向に抜け出てゆく。即ち、真中芯糸20と左側芯糸20の間をジグザグ状に花糸30が編
み込まれてゆく。
以上のように、芯糸20と花糸30から編成された編布28が形成される。この編布28について、真中の芯糸20を中心に、左側のI−I線及び右側のJ−J線で花糸30切断する。その結果、I−I線及びJ−J線で囲まれた真中の芯糸20の領域が抜止モール糸として出現する。前述したように、編布28は多数の芯糸20が並行配置されているから、編布28の芯糸20の本数をNとすると、両端の2本の芯糸20を除いて、(N−2)本の前記芯糸領域、即ち抜止モール糸が形成されることになる。
図9は、本発明において、図8の編布パターンをI−I線及びJ−J線で切断して形成された抜止モール糸の形態図である。(9A)では、図8に示されたI−I線及びJ−J線で囲まれた芯糸20の領域、即ち抜止モール糸16が図示されている。編目22が緩く編まれた緩編状態の抜止モール糸16が示されているが、実際には編目22を緊く締め付けた緊編状態の抜止モール糸16が形成される。隣接する2個の編目22、22に跨ってU字状の右側花糸31と左側花糸32が形成され、これらの右側花糸31と左側花糸32から花糸30が構成されている。(9B)では、U字状の右側花糸31とU字状の左側花糸32の配置形態が示されている。右側花糸31は、右側から矢印a方向に編目22に進入し、U字状に折曲して隣接する上の編目22から右側へと矢印―a方向(逆方向)に抜け出てゆく。左側花糸32は、左側から矢印b方向に編目22に進入し、U字状に折曲して隣接する上の編目22から左側へと矢印―b方向(逆方向)に抜け出てゆく。このようにして、右側芯糸31と左側芯糸32が編目22に連続的に強く緊編されてゆく。
図10は、本発明において、芯糸の編目に花糸を水平に直進挿通させた抜止モール糸の形態図である。(10A)では、縦編により連接状に形成された編目22に花糸30を挿通させた抜止モール糸16が図示されている。本図では、前記編目22に花糸30が水平方向に直進挿通されている。従って、芯糸20の右側にある花糸30は右側花糸31に相当し、芯糸20の左側にある花糸30は左側花糸31に相当する。(10B)では、花糸30が編目22の中に矢印c方向に直進挿通され、同一方向である矢印c方向に花糸30が編目22から抜け出る状態が示されている。右側花糸31は編目22の右側に存在し、左側花糸32は編目22の左側に位置する。このような花糸30の直進挿通であっても、各編目22は強く緊編(「締め編み」と称しても良い)されているから、花糸30を左右に強く引っ張っても花糸は抜け出ることが防止されている。又、芯糸20として、図5に示した熱融着糸引き揃えの複合芯糸を利用すれば、熱融着糸の加熱融解により、編目22が融着固定され、花糸30の抜脱は完全に防止される。
図11は、本発明において、図9に示される抜止モール糸を紐を用いて形成した実例図である。紐で形成された抜止モール糸16の輪郭が太書きされて見やすく描かれている。縦編された芯糸20には編目22が上下に連接状に形成されている。各編目22には、右側に右側花糸31が突出形成され、左側に左側花糸32が突出形成されている。右側花糸31と左側花糸32が纏めて花糸30と総称される。本図では、同じ太さの紐が芯糸20と花糸30に使用されているが、実際のパイルとしては、芯糸20には太糸、花糸には細糸が使用される。
図12は、本発明において、図5に示された熱融着糸と芯糸を引き揃えた複合芯糸を縦編して形成した編目に複合芯糸を編み込んだ拡大編目図である。芯糸として、芯糸20と熱融着糸24を引き揃えた複合芯糸26が使用され、この複合芯糸26を縦編して編目22が形成されている。花糸30は、右側花糸31と左側花糸32から構成される。上下に隣接した編目22、22を強く緊編すると、編目22、22は隙間が無くなった状態になり、この状態で加熱により熱融着糸24を融解させる。熱融着糸24は編目22を構成する繊維内に浸潤拡散し、芯糸20と花糸30とが強く結合し、結合強度は極めて高くなる。
図13は、本発明において、花糸の本数を減らした他の抜止モール糸の製造用の編布パターン図である。芯糸20の周囲に形成する花糸30の花糸密度nを変更するために、図13に花糸密度を低減する方法が図示されている。
図13には、4本の芯糸20の縦編列が示されている。左から第2列目の芯糸20に注目し、編目22に左側から進入する花糸30は、隣接する上側にある編目22にU字状にターンし、更に隣接上側にある編目22に逆転U字ターンし、その上側の編目22で更に逆転U字ターンして、前記進入側にある右側編目列へと進入してゆく。同様に、前記第2列目の芯糸20の編目22に左側から進入する花糸30は、隣接する上側にある編目22にU字状にターンし、更に隣接上側にある編目22に逆転U字ターンし、その上側の編目22で更に逆転U字ターンして、前記進入側と反対側にある左側編目列へと進入してゆく。このように形成された編布28を、K−K線及びL−L線で切断する。
その結果、K−K線及びL−L線で囲まれた真中の芯糸20の領域が抜止モール糸として出現する。編布28は多数の芯糸20が並行配置されているから、編布28の芯糸20の本数をNとすると、両端の2本の芯糸20を除いて、(N−2)本の前記芯糸領域、即ち抜止モール糸が形成されることになる。
図14は、本発明において、図13の編布パターンをK−K線及びL−L線で切断して形成された抜止モール糸の形態図である。(14A)では、図13に示されたK−K線及びL−L線で囲まれた芯糸20の領域、即ち抜止モール糸16が図示されている。編目22が緩く編まれた緩編状態の抜止モール糸16が示されているが、実際には編目22を緊く締め付けた緊編状態の抜止モール糸16が形成される。本形態では、隣接する4個の編目が一単位となり、この4個の編目の両端にある2個の編目22、22に跨ってU字状の右側花糸31と左側花糸32が形成され、これらの右側花糸31と左側花糸32から花糸30が構成されている。中間の2個の編目22からは花糸は出現せず、この2個の編目22はU字の底部分を形成する。図(9A)に示される抜止モール糸16と比較すると、花糸密度nは2/4、即ち1/2に低減している。同様の方法で更に低減させることも可能であり、花糸密度nを自在に調整することが理解される。本図では、編目22を緩く編んだ緩編状態が示されており、花糸30は編目22をサイン曲線状に通過しているが、実際には編目を強く緊編するから、サイン曲線は出現せず、花糸はU字を形成することは云うまでもない。
(14B)では、U字状の右側花糸31とU字状の左側花糸32の配置形態が示されている。右側花糸31は、右側から矢印a方向に編目22に進入し、中間の2個の編目22をサイン曲線で通過し、最後の編目22から右側へと矢印―a方向(逆方向)に抜け出てゆく。左側花糸32は、左側から矢印b方向に編目22に進入し、中間の2個の編目22から左側へと矢印―b方向(逆方向)に抜け出てゆく。このようにして、右側芯糸31と左側芯糸32が編目22に連続的に強く緊編されてゆく。
図15は、本発明において、花糸の本数を変更した更に他の抜止モール糸の形態図である。(15A)は、花糸の本数を変更した更に他の抜止モール糸16の形態図である。この抜止モール糸16では、編目22が緩く編まれた緩編状態が示されているが、実際には編目22を緊く締め付けた緊編状態の抜止モール糸16が形成される。本形態では、隣接する3個の編目が一単位となり、この3個の編目の一端にある第1編目22から進入し、中間にある第2編目22で折曲し、他端にある第3編目22から抜け出る抜止モール糸16が形成される。つまり、進入側が芯糸20の右側の場合には、抜出側は芯糸20の左側になり、言い換えれば花糸20はZ字状に形成され、進入側と抜出側が反対になる性質を有し、本発明ではこの形態を段違い状(Z字状)と表現する。以下では、進入側が芯糸20の右側の場合に右側花糸と称し、進入側が芯糸20の左側の場合に左側花糸と称する。図(9A)に示される抜止モール糸16と比較すると、花糸密度nは2/3に低減している。他に例えば、5個の編目が一単位となる場合にもZ字状になり、花糸密度nは2/5
に低減するなど、花糸密度nを自在に調整することが可能である。本図では、編目22を緩く編んだ緩編状態が示されており、花糸30は編目22をサイン曲線状に通過しているが、実際には編目を強く緊編するから、サイン曲線は出現せず、花糸はZ字を形成することは云うまでもない。
(14B)では、U字状の右側花糸31とU字状の左側花糸32の配置形態が示されている。右側花糸31は、右側から矢印a方向に編目22に進入し、中間の1個の編目22をサイン曲線で通過し、最後の編目22から左側へと矢印a方向(同一方向)に抜け出てゆく。左側花糸32は、左側から矢印b方向に編目22に進入し、中間の1個の編目22から右側へと矢印b方向(同一方向)に抜け出てゆく。このようにして、右側芯糸31と左側芯糸32が編目22に連続的に強く緊編されてゆく。
図16は、本発明に係る抜止モール糸型清掃用具の実施形態の一例であり、主として両手操作のハンドルを備えた床用清掃用具の概略正面図である。この抜止モール糸型清掃用具54は、両手操作のハンドル50をジョイント部53を介して払拭体把持部52に連結して構成されている。他方、抜止モール糸型清掃用払拭体1は、両端に袋状部3、3を形成した基体2の下面に本発明に係る多数のパイル10を固定したものである。払拭体把持部52の左右端を前記袋状部3、3に挿入固定すれば、抜止モール糸型清掃用具54が完成される。パイル10には多数の花糸が存在しているから、ハウスダストの掻き出し効果や油剤組成物による吸着効果が極めて優れている。
図17は、本発明に係る抜止モール糸型清掃用具の実施形態の他例であり、主として片手操作のハンドルを備えたハンディ清掃用具の概略斜視図である。このモール糸型清掃用具54は、片手操作のハンドル50をロック部51を介して単なる板状部である払拭体把持部(図示せず)に連接して構成されている。他方、抜止モール糸型清掃用払拭体1は、上面に袋状部3を形成した基体2の下面に本発明に係る多数のパイル10を固定したものである。払拭体把持部を前記袋状部3に挿入してロック部51で固定すれば、モール糸型清掃用具54が完成される。パイル10には多数の花糸が存在しているから、ハウスダストの掻き出し効果や油剤組成物による吸着効果が極めて優れている。
[実施例1〜64:芯糸・花糸パラメータの検証]
以下では、各種の芯糸20と花糸30を用いて、図1に示すモール糸型清掃用払拭体1を作成し、芯糸平均太さD(デニール)、花糸平均太さδ(デニール)、花糸密度n(本/10mm)及び花糸長h(mm)からなる4種の芯糸・花糸パラメータを実験的に決定した。4種の芯糸・花糸パラメータを同時的に決定するのは困難があるから、2段階に分ける。第1段階では、花糸密度n=15(本/10mm)と花糸長h=10mmを固定して、芯糸平均太さD(デニール)と花糸平均太さδ(デニール)の有効範囲を決定した。第2段階では、Dとδの前記有効範囲から選択された芯糸平均太さD=500d(デニール)と花糸平均太さδ=300d(デニール)を固定して、花糸密度nと花糸長hの有効範囲を決定した。以下に詳細を説明する。
[第1段階:芯糸平均太さDと花糸平均太さδの有効範囲決定]
第1段階では、表1に示される実施例1〜24の試作実験を行った。ここでは、花糸密度n=15(本/10mm)と花糸長h=10mmを固定して、芯糸平均太さD(デニール)と花糸平均太さδ(デニール)の有効範囲を決定した。芯糸平均太さDは50〜3000d(デニール)の5ランクに分け、各ランク毎に花糸平均太さδを表1のように分配して試作を行った。基本的には、花糸平均太さδは芯糸平均太さDより小さく設定しているが、D=50dの場合にはδの方が大きく設定されている。試作したモール糸型清掃用払拭体1の判断基準として、芯糸の自立性、花糸の形態性、パイル製造の容易性を選んだ。花糸の形態性は、払拭体全体としての美観のみならず、機能的形態であるかどうかを重視した。結果は◎(優)、○(良)、△(可)、×(不可)の4段階で示す。そして、3
基準の総合判断を示した。その結果、総合特性として、50≦D≦3000、100≦δ≦1200という結果が得られた。
[第2段階:花糸密度nと花糸長hの有効範囲決定]
第2段階では、表2に示される実施例31〜60の試作実験を行った。第1段階で得られたDとδの範囲から、平均的なD=500d(デニール)及びδ=300d(デニール)を選んで固定し、花糸密度nと花糸長hを種々に変えて試作実験を行った。花糸密度n=1、3、10、20、30の5ランク、花糸長h(mm)=1、5、10、20、30、40の6段階に分けて試作実験をした。試作した抜止モール糸型清掃用払拭体1の判断基準として、モップ(払拭体)の形態性とダスト捕集性を選んだ。モップの形態性は、払拭体全体としての美観のみならず、機能的形態であるかどうかを重視した。結果は◎(優)、○(良)、△(可)、×(不可)の4段階で示す。そして、2基準の総合判断を示した。その結果、総合特性として、3≦n≦30、5≦h≦30という結果が得られた。また、表2の中でダスト捕集性を基準として導入したから、結果として得られた4種の範囲
、即ち、50≦D≦3000、100≦δ≦1200及び3≦n≦30、5≦h≦30が有効であることが実証された。
以上説明したように、油剤組成物を含浸させるモップ用のパイルとしてモール糸を利用するのは、本発明者等が初めてである。しかも、モップとしての4条件、即ち、芯糸平均太さD(デニール)、花糸平均太さδ(デニール)、花糸密度n(本/10mm)及び花糸長h(mm)からなる4種の芯糸・花糸パラメータに対し、50≦D(d)≦3000、100≦δ(d)≦1200及び3≦n(本/10mm)≦30、5≦h(mm)≦30がパイルとして有効であることを発見するに至った。この4条件が明確になったので、今後のモップ製作が極めて円滑に進むことができる。
本発明は、花糸を芯糸に編み込んで抜止モール糸を形成し、この抜止モール糸をパイル
に利用し、このパイルを基体に固定して清掃用払拭体を開発することに成功した。前記清掃用払拭体の抜止モール糸の花糸及び芯糸自体に油剤組成物を含浸させて、床や壁面の塵埃を効率的に清掃吸着できることを実証した。又、この清掃用払拭体を利用した清掃用具を提供することに成功したものである。従って、本発明による抜止モール糸型清掃用払拭体及び抜止モール糸型清掃用具は、家庭用に利用されるだけでなく、広く産業一般に利用することができる。
1 抜止モール糸型清掃用払拭体
2 基体
3 袋状部
4 基体下面
10 パイル
12 パイル根元部
14 パイル先端部
16 抜止モール糸
20 芯糸
22 編目
24 熱融着糸
26 複合芯糸
28 編布
30 花糸
31 右側花糸
32 左側花糸
50 ハンドル
51 ロック部
52 払拭体把持部
53 ジョイント部
54 抜止モール糸型清掃用具
102 基布
103 縫目
104 パイル
105 テープ状織布
106 袋状空間(モップ把持具挿入用空間)
A 高吸水性高乾燥性払拭具
B 面ファスナー部材
C 芯糸
D 花糸間隔
F フィラメント
L 花糸長
P パイル
PL パイル長
Pa 先端部
r 花糸径
R 芯糸径
S 基布
W 払拭部

Claims (6)

  1. 基体に根元部を固定した多数のパイルに油剤組成物を含浸させてダストを吸着させる清掃用払拭体であり、前記パイルは芯糸の周囲に花糸が多数本突出して形成され且つ前記花糸が前記芯糸から抜け止めされた抜止モール糸からなり、前記抜止モール糸では、熱融着糸を一緒に引き揃えて使用し、熱融着糸を融解させて前記花糸の抜け止めを強化し、芯糸平均太さは50d〜3000d(デニール)、花糸平均太さは100d〜1200d(デニール)であり、花糸密度として前記芯糸の長さ10mm当たりに前記花糸が相互に間隔を空けて15本より大きく30本以下に形成され、花糸長として前記芯糸から伸びる前記花糸の長さは3mmより大きく30mm以下であり、花糸及び芯糸自体に油剤組成物を含浸することを特徴とする熱融着抜止モール糸型清掃用払拭体。
  2. 前記抜止モール糸では、前記芯糸として熱融着糸を一緒に引き揃えた複合芯糸を使用し、熱融着糸を融解させて前記花糸の抜け止めを強化している請求項1に記載の熱融着抜止モール糸型清掃用払拭体。
  3. 前記パイルが、一本の前記抜止モール糸から形成される請求項1又は2に記載の熱融着抜止モール糸型清掃用払拭体。
  4. 前記パイルが、二本以上の前記抜止モール糸を組み合わせて形成される請求項1又は2に記載の熱融着抜止モール糸型清掃用払拭体。
  5. 前記油剤組成物に、抗アレルゲン剤、抗カビ剤、抗菌剤、香料の一種以上を添加した請求項1〜4のいずれかに記載の熱融着抜止モール糸型清掃用払拭体。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の抜止モール糸型清掃用払拭体を払拭体把持部に装着し、前記払拭体把持部にハンドルを連接したことを特徴とする熱融着抜止モール糸型清掃用具。
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