JP6210562B2 - 発光ダイオード装置の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、銀粒子と揮発性分散媒からなり、加熱により該銀粒子が焼結して特定の紫外線反射率を有する焼結物となる、発光ダイオード素子とリードフレームもしくは配線基板との接合用ペースト状銀粒子組成物、および、該ペースト状銀粒子組成物を使用して発光ダイオード素子をリードフレームもしく配線基板と接合してなる発光ダイオード装置およびその製造方法に関する。また、銀粒子と金属粒子(ただし金属は銅、金、白金およびパラジウムからなる群から選択される)と揮発性分散媒からなり、加熱により該銀粒子と該金属粒子が焼結して特定の紫外線反射率を有する焼結物となる、発光ダイオード素子とリードフレームもしくは配線基板との接合用ペースト状銀粒子・金属粒子組成物、および、該ペースト状銀粒子・金属粒子組成物を使用して発光ダイオード素子をリードフレームもしく配線基板と接合してなる発光ダイオード装置およびその製造方法に関する。
金属粒子、特には銀粒子を熱硬化性樹脂組成物中に分散させてなる導電性ペーストは、加熱により硬化して導電性被膜が形成されるので、コンデンサ、抵抗、ダイオード、メモリ、演算素子(CPU)等のチップ部品の基板への接着、特には発光ダイオード素子とリードフレームまたは回路基板との接続に好適に使用されている。
しかし、近年チップ部品の高性能化、高発光化、高出力化により、チップ部品からの発熱量が増え、電気伝導性はもとより、熱伝導性の向上が要求されるため、導電性ペーストの金属粒子の含有率を可能な限り増加して電気伝導性、熱伝導性を向上することが再表2009-133897(特許文献1)の背景技術欄に記載されている。
しかしながら、金属粒子含有率を高くすると導電性ペーストの粘度が上昇し、作業性が著しく低下するという問題がある。また、電気伝導性および熱伝導性の低い有機樹脂を多量に含むため、その硬化物は体積抵抗率が大きく、熱伝導率が小さく、よって発光ダイオード素子とリードフレームまたは回路基板との接合に用いた場合、往々にして発光ダイオード装置から発せられる発光光度が安定しないことに本発明者らは気がついた。
また、金属粉末としてアルミニウム粉末とそれ以外の金属粉末を含む接着性および耐侯性に優れた樹脂ペーストが特開2009−259839(特許文献2)に提案されている。しかしながら、アルミニウムは紫外線全反射率が非常に高く、アルミニウム粉末を含有する金属含有ペーストの硬化物も紫外線全反射率が高くなり、発光ダイオード素子とリードフレームまたは回路基板との接合に用いた場合、往々にして発光ダイオード装置から発せられる発光光度が安定しないことに本発明者らは気がついた。
一方、銀粒子と有機溶剤を含む組成物を焼成してその融着物からなる導電性材料を製造する方法、該導電性材料が、電気配線、部品電極、ダイアタッチ接合材または微細バンプの材料として使用される電子機器、および、該導電性材料が、配線基板又はリードフレームと、発光素子との接合材料として使用される発光装置が再表2009/090915(特許文献3)で提案されている。
しかしながら、本発明者らは、このような導電性材料を、発光ダイオード装置において、発光ダイオード素子とリードフレームまたは回路基板との接合に用いた場合、往々にして発光ダイオード装置から発せられる発光光度が安定しないことに気がついた。
再表2009/133897号公報 特開2009−259839号公報 再表2009/090915号公報
本発明者らは、上記問題点のないペースト状銀粒子組成物を開発すべく鋭意研究した結果、ペースト状銀粒子組成物の焼結物表面の特定波長における紫外線全反射率が発光ダイオード装置における発光光度の安定性に影響していることを見出し、本発明を完成するに至った。本発明の目的は、加熱すると銀粒子が容易に焼結し、特定波長における紫外線全反射率が一定の範囲内となるペースト状銀粒子組成物、および、該ペースト状銀粒子組成物の加熱焼結物により、発光ダイオード素子とリードフレームまたは回路基板とを接合することにより、発光光度が安定している発光ダイオード装置とその製造方法を提供することにある。また、加熱すると銀粒子・金属粒子が容易に焼結し、特定波長における紫外線全反射率が一定の範囲内となるペースト状銀粒子・金属粒子組成物、および、該ペースト状銀粒子・金属粒子組成物の加熱焼結物により、発光ダイオード素子とリードフレームまたは回路基板とを接合することにより、発光光度が安定している発光ダイオード装置とその製造方法を提供することにある。
この目的は、
[1](A)平均粒径が0.01〜10μmであり、表面が極性基を有する有機物で被覆されてなる、銀塩の還元により製造された球状または粒状の銀粒子と、(B)揮発性分散媒とからなるペースト状物であり、100℃以上400℃以下で加熱することにより、該揮発性分散媒が揮散し該銀粒子(A)同士が焼結して波長315nmにおける紫外線全反射率が1〜20%の焼結物になることを特徴とする、発光ピーク波長が700nm未満,200nm以上である発光ダイオード素子とリードフレームもしくは配線基板との接合用ペースト状銀粒子組成物。
[1-1]極性基を有する有機物は、(a)脂肪酸またはそのアルカリ金属塩もしくはエステル、(b)酸性官能基および/または塩基性官能基を有する高分子分散剤、および(c)含窒素有機化合物からなる群から少なくとも一種が選択されることを特徴とする、[1]に記載のペースト状銀粒子組成物。
[2]焼結物の体積抵抗率が1×10-5Ω・cm以下であり、かつ、熱伝導率が100W/m・K以上であることを特徴とする、[1]または[1-1]に記載のペースト状銀粒子組成物。
[3](A)平均粒径が0.01〜10μmであり、極性基を有する有機物で被覆されてなる、銀塩の還元により製造された球状または粒状の銀粒子と、(A1)平均粒径が0.01〜10μmであり、表面が極性基を有する有機物で被覆されてなる、金属塩の還元により製造された球状または粒状の金属粒子(ただし金属は銅、金、白金およびパラジウムからなる群から選択される)と、(B)揮発性分散媒とからなるペースト状物であり、100℃以上400℃以下で加熱することにより、該揮発性分散媒が揮散し該銀粒子(A)および該金属粒子(A1)同士が焼結して波長315nmにおける紫外線全反射率が1〜20%の焼結物になることを特徴とする、発光ピーク波長が700nm未満,200nm以上である発光ダイオード素子とリードフレームもしくは配線基板との接合用ペースト状銀粒子・金属粒子組成物。
[3-1]極性基を有する有機物は、(a)脂肪酸またはそのアルカリ金属塩もしくはエステル、(b)酸性官能基および/または塩基性官能基を有する高分子分散剤、および(c)含窒素有機化合物からなる群から少なくとも一種が選択されることを特徴とする、[3]に記載のペースト状銀粒子・金属粒子組成物。
[4]焼結物の体積抵抗率が1×10-5Ω・cm以下であり、かつ、熱伝導率が100W/m・K以上であることを特徴とする、[3]または[3-1]に記載のペースト状銀粒子・金属粒子組成物。;により達成される。
この目的は、
[5]発光ピーク波長が700nm未満,200nm以上である発光ダイオード素子とリードフレームもしくは配線基板間に、(A)平均粒径が0.01〜10μmであり、表面が極性基を有する有機物で被覆されてなる、銀塩の還元により製造された球状または粒状の銀粒子と、(B)揮発性分散媒とからなるペースト状物であり,100℃以上400℃以下で加熱することにより該揮発性分散媒が揮散し該銀粒子(A)同士が焼結して,波長315nmにおける紫外線全反射率が1〜20%の焼結物となるペースト状銀粒子組成物を介在させ、100℃以上400℃以下で加熱することにより該銀粒子(A)同士を焼結することを特徴とする、発光ピーク波長が700nm未満,200nm以上である発光ダイオード素子とリードフレームもしくは配線基板とが該銀粒子焼結物により接合されてなる発光ダイオード装置の製造方法。
[5-1]極性基を有する有機物は、(a)脂肪酸またはそのアルカリ金属塩もしくはエステル、(b)酸性官能基および/または塩基性官能基を有する高分子分散剤、および(c)含窒素有機化合物からなる群から少なくとも一種が選択されることを特徴とする、[5]に記載の発光ダイオード装置の製造方法。
[5-2]焼結物の体積抵抗率が1×10-5Ω・cm以下であり、かつ、熱伝導率が100W/m・K以上であることを特徴とする、[5]または[5-1]に記載の発光ダイオード装置の製造方法。
[6]発光ピーク波長が700nm未満,200nm以上である発光ダイオード素子とリードフレームもしくは配線基板間に、(A)平均粒径が0.01〜10μmであり、表面が極性基を有する有機物で被覆されてなる、銀塩の還元により製造された球状または粒状の銀粒子と、(A1)平均粒径が0.01〜10μmであり、表面が極性基を有する有機物で被覆されてなる、金属塩の還元により製造された球状または粒状の金属粒子(ただし金属は銅、金、白金およびパラジウムからなる群から選択される)と、(B)揮発性分散媒とからなるペースト状物であり,100℃以上400℃以下で加熱することにより該揮発性分散媒が揮散し該銀粒子(A)および該金属粒子(A1)同士が焼結して,波長315nmにおける紫外線全反射率が1〜20%の焼結物となるペースト状銀粒子・金属粒子組成物を介在させ、100℃以上400℃以下で加熱することにより該銀粒子(A)および該金属粒子(A1)同士を焼結することを特徴とする、発光ピーク波長が700nm未満,200nm以上である発光ダイオード素子とリードフレームもしくは配線基板とが該銀粒子・金属粒子焼結物により接合されてなる発光ダイオード装置の製造方法。
[6-1]極性基を有する有機物は、(a)脂肪酸またはそのアルカリ金属塩もしくはエステル、(b)酸性官能基および/または塩基性官能基を有する高分子分散剤、および(c)含窒素有機化合物からなる群から少なくとも一種が選択されることを特徴とする、[6]に記載の発光ダイオード装置の製造方法。
[6-2]焼結物の体積抵抗率が1×10-5Ω・cm以下であり、かつ、熱伝導率が100W/m・K以上であることを特徴とする、[6]または[6-1]に記載の発光ダイオード装置の製造方法。;により達成される。
この目的は、
[7]発光ピーク波長が700nm未満,200nm以上である発光ダイオード素子とリードフレームもしくは配線基板とが、(A)平均粒径が0.01〜10μmであり、表面が極性基を有する有機物で被覆されてなる、銀塩の還元により製造された球状または粒状の銀粒子と、(B)揮発性分散媒とからなるペースト状物であり,100℃以上400℃以下で加熱することにより該揮発性分散媒が揮散し該銀粒子(A)同士が焼結して,波長315nmにおける紫外線全反射率が1〜20%の焼結物となるペースト状銀粒子組成物の銀粒子焼結物により接合されていることを特徴とする、発光ダイオード装置。
[7-1]極性基を有する有機物は、(a)脂肪酸またはそのアルカリ金属塩もしくはエステル、(b)酸性官能基および/または塩基性官能基を有する高分子分散剤、および(c)含窒素有機化合物からなる群から少なくとも一種が選択されることを特徴とする、[7]に記載の発光ダイオード装置。
[8]銀粒子焼結物の体積抵抗率が1×10-5Ω・cm以下であり、かつ、熱伝導率が100W/m・K以上であることを特徴とする、[7]または[7-1]に記載の発光ダイオード装置。
[9]発光ピーク波長が700nm未満,200nm以上である発光ダイオード素子とリードフレームもしくは配線基板とが、(A)平均粒径が0.01〜10μmであり、表面が極性基を有する有機物で被覆されてなる、銀塩の還元により製造された球状または粒状の銀粒子と、(A1)平均粒径が0.01〜10μmであり、表面が極性基を有する有機物で被覆されてなる、金属塩の還元により製造された球状または粒状の金属粒子(ただし金属は銅、金、白金およびパラジウムからなる群から選択される)と、(B)揮発性分散媒とからなるペースト状物であり,100℃以上400℃以下で加熱することにより該揮発性分散媒が揮散し該銀粒子(A)および該金属粒子(A1)同士が焼結して,波長315nmにおける紫外線全反射率が1〜20%の焼結物となるペースト状銀粒子・金属粒子組成物の銀粒子・金属粒子焼結物により接合されていることを特徴とする、発光ダイオード装置。
[9-1]極性基を有する有機物は、(a)脂肪酸またはそのアルカリ金属塩もしくはエステル、(b)酸性官能基および/または塩基性官能基を有する高分子分散剤、および(c)含窒素有機化合物からなる群から少なくとも一種が選択されることを特徴とする、[9]に記載の発光ダイオード装置。
[10]銀粒子・金属粒子焼結物の体積抵抗率が1×10-5Ω・cm以下であり、かつ、熱伝導率が100W/m・K以上であることを特徴とする、[9]または[9-1]に記載の発光ダイオード装置。;により達成される。
本発明の請求項1で規定するペースト状銀粒子組成物は、加熱により揮発性分散媒(B)が揮散し、(A)平均粒径が0.01〜10μmであり、表面が極性基を有する有機物で被覆されてなる、銀塩の還元により製造された球状または粒状の銀粒子同士が焼結して、波長315nmにおける紫外線全反射率が1〜20%の焼結物となるので、発光ダイオード装置からの発光光度が安定している。なお、この紫外線全反射率は、例えば、実施例中の[紫外線全反射率]欄に記載した方法で測定することができ、この発光光度は、例えば、実施例中の[発光光度の安定性]欄に記載した方法で測定することができる。
本発明の請求項2で規定するペースト状銀粒子・金属粒子組成物は、加熱により揮発性分散媒(B)が揮散し、(A)平均粒径が0.01〜10μmであり、表面が極性基を有する有機物で被覆されてなる、銀塩の還元により製造された球状または粒状の銀粒子および、(A1)平均粒径が0.01〜10μmであり、表面が極性基を有する有機物で被覆されてなる、金属塩の還元により製造された球状または粒状の金属粒子(ただし金属は銅、金、白金およびパラジウムからなる群から選択される)同士が焼結して、波長315nmにおける紫外線全反射率が1〜20%の焼結物となるので、発光ダイオード装置からの発光光度が安定している。
本発明の請求項7で規定する発光ダイオード装置は、発光ピーク波長が700nm未満,200nm以上である発光ダイオード素子とリードフレームもしくは配線基板間に、(A)平均粒径が0.01〜10μmであり、表面が極性基を有する有機物で被覆されてなる、銀塩の還元により製造された球状または粒状の銀粒子と、(B)揮発性分散媒とからなるペースト状物であり,100℃以上400℃以下で加熱することにより該揮発性分散媒が揮散し該銀粒子同士が焼結して,波長315nmにおける紫外線全反射率が1〜20%の焼結物となるペースト状銀粒子組成物を介在させ、100℃以上400℃以下で加熱することにより該銀粒子同士を焼結して接合しているので、発光ダイオード装置からの発光光度が安定している。
本発明の上記発光ダイオード装置の製造方法は、発光ダイオード装置からの発光光度が安定している発光ダイオード装置を効率よく製造することができる。
本発明の請求項9で規定する発光ダイオード装置は、発光ピーク波長が700nm未満,200nm以上である発光ダイオード素子とリードフレームもしくは配線基板間に、(A)平均粒径が0.01〜10μmであり、表面が極性基を有する有機物で被覆されてなる、銀塩の還元により製造された球状または粒状の銀粒子と、(A1)平均粒径が0.01〜10μmであり、表面が極性基を有する有機物で被覆されてなる、金属塩の還元により製造された球状または粒状の金属粒子(ただし金属は銅、金、白金およびパラジウムからなる群から選択される)と、(B)揮発性分散媒とからなるペースト状物であり,100℃以上400℃以下で加熱することにより該揮発性分散媒が揮散し該銀粒子および該金属粒子同士が焼結して,波長315nmにおける紫外線全反射率が1〜20%の焼結物となるペースト状銀粒子・金属粒子組成物を介在させ、100℃以上400℃以下で加熱することにより該銀粒子および該金属粒子同士を焼結して接合しているので、発光ダイオード装置からの発光光度が安定している。
本発明の上記発光ダイオード装置の製造方法は、発光ダイオード装置からの発光光度が安定している発光ダイオード装置を効率よく製造することができる。
実施例1における焼結物の紫外線領域における全反射スペクトルの測定図であり、縦軸が反射率(%)、横軸が波長(nm)である。 実施例における砲弾型LEDの平面図である。 図2の砲弾型LEDの発光ダイオード素子接合部の拡大図である。
本発明のペースト状銀粒子組成物は、(A)平均粒径が0.01〜10μmであり、表面が極性基を有する有機物で被覆されてなる、銀塩の還元により製造された球状または粒状の銀粒子と、(B)揮発性分散媒とからなる。
また、本発明のペースト状銀粒子・金属粒子組成物は、(A)平均粒径が0.01〜10μmであり、表面が極性基を有する有機物で被覆されてなる、銀塩の還元により製造された球状または粒状の銀粒子と、(A1)平均粒径が0.01〜10μmであり、表面が極性基を有する有機物で被覆されてなる、金属塩の還元により製造された球状または粒状の金属粒子(ただし金属は銅、金、白金およびパラジウムからなる群から選択される)と、(B)揮発性分散媒とからなる。
該銀粒子(A)中の銀粒子の平均粒径、および、該金属粒子(A1)中の金属粒子(ただし金属は銅、金、白金およびパラジウムからなる群から選択される)の平均粒径は、レーザ回折散乱式粒度分布測定装置を用いて測定した粒度分布の体積基準の積算分率50%での粒径、すなわち、メジアン径(D50)である。
平均粒径が10μmを越えると、該銀粒子(A)同士の焼結性、該銀粒子(A)および該金属粒子(A1)同士の焼結性が低下する恐れがあるので10μm以下である。焼結性の点で平均粒径は小さい方が好ましく、5μm以下であることが好ましい。また、0.01μm未満の場合、表面活性が強すぎてペースト状銀粒子組成物、ペースト状銀粒子・金属粒子組成物の保存安定性が低下する恐れがあるため、0.01μm以上であり、0.02μm以上であることが好ましく、特には0.1μm以上であることが好ましい。
ペースト状銀粒子・金属粒子組成物における該銀粒子(A)と該金属粒子(A1)の比率は、該金属粒子の種類によって変わるので、一律には定めにくいが、目安として、該銀粒子(A)100質量%(100質量%を含まない)〜40質量%であって残余が該金属粒子(A1)である。もっとも、ペースト状銀粒子・金属粒子組成物の焼結物の波長315nmにおける紫外線全反射率が1〜20%の範囲であるような比率であることが必要である。
該金属粒子(A1)中の金属粒子(ただし金属は銅、金、白金およびパラジウムからなる群から選択される)は、これら金属の合金であってもよく、また、これら金属によって表面がメッキされていてもよい。なお、該銀粒子(A)中の銀粒子および該金属粒子(A1)中の金属粒子(ただし金属は銅、金、白金およびパラジウムからなる群から選択される)の表面は一部が酸化していても良く、また、加熱により銀になる酸化銀を含んでいても良い。
本発明のペースト状銀粒子組成物中の銀粒子、ペースト状銀粒子・金属粒子組成物中の銀粒子と金属粒子(ただし金属は銅、金、白金およびパラジウムからなる群から選択される)の形状は、球状または粒状である。これらの形状は、例えばJIS Z 2500に記載の分類を用いることができる。なお、本発明の目的に反しない範囲において、少量のフレーク(薄片)状・針状・角状・樹枝状・不規則形状・涙滴状・板状・極薄板状・六角板状・柱状・棒状・多孔状・繊維状・塊状・海綿状・けい角状・丸み状等の銀粒子、金属粒子(ただし金属は銅、金、白金およびパラジウムからなる群から選択される)を併用して良い。
該銀粒子(A)中の銀粒子の製法は銀塩の還元法であり、該金属粒子(A1)中の金属粒子(ただし金属は銅、金、白金およびパラジウムからなる群から選択される)の製法は、金属塩(ただし金属は銅、金、白金およびパラジウムからなる群から選択される)の還元法である。例えば、銀粒子(A)中の銀粒子の場合、還元法では、通常、硝酸銀水溶液とアンモニア水とを混合して反応させ銀アンミン錯体水溶液を得て、これとヒドロキノンと無水亜硫酸カリウムもしくはアンモニウムとゼラチンの水溶液を接触反応させて銀粉を還元析出させ、濾過し、残渣を水で洗浄し、加熱下乾燥させて調製する方法が例示される。あるいは、硝酸銀水溶液とアンモニア水とを混合して反応させ銀アンミン錯体水溶液を得て、これと有機還元剤(ヒドロキノン、アスコルビン酸、グルコース等)、特にはヒドロキノンの水溶液を接触反応させて銀粉を還元析出させ、濾過し、洗浄し、乾燥させて調製している。濾過残渣はアンモニアとヒドロキノンと無水亜硫酸カリウムもしくはアンモニウムとゼラチンを含有しており、銀粒子表面にアンモニアとヒドロキノンと無水亜硫酸カリウムもしくはアンモニウムとゼラチンが付着しているため、通常、清浄な水で繰り返し洗浄している。あるいは、濾過残渣はアンモニアと有機還元剤、特にはヒドロキノンを含有しており、銀粒子表面にアンモニアと有機還元剤、特にはヒドロキノンが付着しているため、通常、清浄な水とメタノールで繰り返し洗浄して得ることができる。このようにして製造された銀粒子(A)は通常、球状または粒状である。また、該金属粒子(A1)中の金属粒子(ただし金属は銅、金、白金およびパラジウムからなる群から選択される)の場合は、硝酸金属塩、硫酸金属塩等を使用して、同様の方法により製造することができる。
銀粒子、金属粒子(ただし金属は銅、金、白金およびパラジウムからなる群から選択される)は、銀粒子同士、銀粒子と金属粒子同士の凝集を防ぎ、揮発性分散媒(B)への分散性を向上し、優れた焼結性を得るために、意図的に表面が極性基を有する有機物で被覆されていることが必要である。なお、還元法で銀粒子、金属粒子(ただし金属は銅、金、白金およびパラジウムからなる群から選択される)を製造する工程において使用する還元剤等の有機物が、銀粒子中、金属粒子中に微量残存する場合があるが、これは還元剤等の残存物であるので本発明における銀粒子、金属粒子の被覆剤ではない。本発明における極性基を有する有機物は、銀粒子や金属粒子(ただし金属は銅、金、白金およびパラジウムからなる群から選択される)に会合、結合または吸着していることがあり得るが、被覆に含まれるものとする。極性基を有する有機物は銀粒子や金属粒子を被覆できれば、常温で固体、半固体、液体のいずれでもよい。
上記極性基として、カルボキシル基、カルボン酸無水物基、カルボン酸塩基、カルボン酸エステル基、水酸基、アルコキシ基、アルキルエーテル基、リン酸基、酸性リン酸エステル基、ホスホン酸基が例示されるが、カルボキシル基、カルボン酸塩基、カルボン酸エステル基、水酸基であることが好ましい。
また、アミノ基、イミノ基(=NH)、アンモニウム塩基、塩基性窒素原子を有する複素環基が例示されるが、アミノ基であることが好ましい。
炭素原子含有極性基の炭素原子数は好ましくは1〜54である。
極性基を有する有機物は、好ましくは(a)脂肪酸またはそのアルカリ金属塩もしくはエステル、(b)酸性官能基および/または塩基性官能基を有する高分子分散剤、および(c)含窒素有機化合物からなる群から少なくとも一種が選択される。
(a)脂肪酸またはそのアルカリ金属塩もしくはエステルにおける脂肪酸として、炭素原子数が3以上であるプロパン酸(プロピオン酸)、ブタン酸(酪酸)、ペンタン酸(吉草酸)、ヘキサン酸(カプロン酸)、ヘプタン酸(エナント酸)、オクタン酸(カプリル酸)、ノナン酸(ペラルゴン酸)、デカン酸(カプリン酸)、ドデカン酸(ラウリン酸)、テトラデカン酸(ミリスチン酸)、ペンタデカン酸、ヘキサデカン酸(パルミチン酸)、ヘプタデカン酸(マルガリン酸)、オクタデカン酸(ステアリン酸)、12−ヒドロキシオクタデカン酸(12−ヒドロキシオレイン酸)、エイコサン酸(アラキン酸)、ドコサン酸(ベヘン酸)、テトラコサン酸(リグノセリン酸)、ヘキサコサン酸(セロチン酸)、オクタコサン酸(モンタン酸)等の1価の直鎖飽和脂肪酸;炭素原子数が14以上である2−ペンチルノナン酸、2−ヘキシルデカン酸、2−ヘプチルドデカン酸、イソオレイン酸等の1価の分枝飽和脂肪酸;ソルビン酸、マレイン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、イソオレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン酸、リシノール酸、ガドレン酸、エルカ酸、セラコレイン酸等の1価の不飽和脂肪酸が例示される。これら例示した脂肪酸の炭素原子数は最大24であるが、これに限定されるものではなく、例えば54であってもよい。
また、このような脂肪酸として、炭素原子数が2以上であるシュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマール酸、オキシジ酢酸(ジグリコール酸)、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ジグリコール酸等の多価の脂肪族カルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の多価の芳香族カルボン酸が例示される。これら多価の脂肪酸、多価の芳香族カルボン酸の最大炭素原子数は、例えば54である。
脂肪酸のアルカリ金属塩として、ナトリウム塩とカリウム塩とリチウム塩が例示されるが、好ましくはナトリウム塩とカリウム塩である。
脂肪酸のエステルとして、アルキルエステル(例えば、メチルエステル、エチルエステル)、フェニルエステルが例示される。これらアルキルエステルのアルキル基は炭素原子数1〜6が好ましい。
(b)酸性官能基および/または塩基性官能基を有する高分子分散剤は、高分子からなる分散剤であり、重量平均分子量は通常1,000以上である。重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(キャリア:テトラヒドロフラン)によって測定されるポリスチレン換算重量平均分子量である。
酸性官能基として、カルボキシル基、酸無水物基、リン酸基、酸性リン酸エステル基、ホスホン酸基が例示されるが、カルボキシル基、リン酸基または酸性リン酸エステル基であることが好ましい。酸性リン酸エステル基は、一部のリン結合水酸基がアルコキシ化されたものである。アルコキシ基としてメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基などの低級アルコキシ基が例示される。低級アルコキシ基の炭素原子数は好ましくは1〜8である。
また、塩基性官能基として、アミノ基、イミノ基(=NH)、アンモニウム塩基、塩基性窒素原子を有する複素環基が例示されるが、アミノ基、アンモニウム塩基(例えば、第3級アンモニウム塩基、第4級アンモニウム塩基)であることが好ましい。アミノ基は、第1級アミノ基(-NH2)、第2級アミノ基(-NHR)、第3級アミノ基(-NRR')のいずれでもよい。前記RとR'はアルキル基、フェニル基、アラルキル基などであり、炭素原子数は好ましくは1〜8である。
前記酸性官能基と塩基性官能基を有する高分子は、分子中の酸性官能基の一部を塩基性化合物により中和ないし塩化していてもよい。中和ないし塩化に用いる塩基性化合物として、たとえば、アルカリ金属やアルカリ土類金属の水酸化物、アンモニア、アルキルアミン類、アマイドアミン類、アルカノールアミン類、モルホリン等の含窒素有機化合物が挙げられる。上記アルカリ金属やアルカリ土類金属の水酸化物として、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム等が挙げられ、アルキルアミン類の具体例としては、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミンが挙げられる。アルキル基とアルキレン基の炭素原子数は1〜8が好ましい。
また、分子中の塩基性官能基の一部を酸性化合物により中和ないし塩化していてもよい。中和ないし塩化に用いる酸性化合物として、たとえば、リン酸,部分アルキルエステル化リン酸(酸性リン酸エステル),カルボン酸(例えば、低級脂肪族モノカルボン酸,低級脂肪族ジカルボン酸)が挙げられる。これらカルボン酸の炭素原子数は1〜8が好ましい。酸性官能基の一部は、塩基性官能基との塩を形成していてもよい。
酸性官能基および/または塩基性官能基を有する高分子分散剤の酸価は、5〜300mgKOH/gであることが好ましく、10〜200mgKOH/gであることがより好ましい。また、高分子分散剤のアミン価は、5〜300mgKOH/gであることが好ましく、10〜200mgKOH/gであることがより好ましい。
酸価とは、高分子分散剤固形分1gあたりの酸価を表し、JIS K 0070に準じ、電位差滴定法によって求めることができる。アミン価とは、高分子分散剤固形分1gあたりのアミン価を表し、0.1Nの塩酸水溶液を用い、電位差滴定法によって求めたのち、水酸化カリウムの当量に換算した値をいう。
高分子分散剤において酸性官能基と塩基性官能基の高分子本体への結合位置は、特に限定されず、主鎖であってもよく、側鎖であってもよく、主鎖および側鎖に位置していてもよい。酸性官能基と塩基性官能基は、高分子本体へ直接結合しても良く、連結基を介して結合しても良い。連結基として、エチレン基〜オクチレン基などの低級アルキレン基、フェニレン基、鎖中にエーテル結合を有する低中級アルキレン基、鎖中にカルボン酸エステル結合を有する低中級アルキレン基、鎖中にカルボン酸アミド結合を有する低中級アルキレン基が例示される。低級アルキレン基の炭素原子数は1〜8が好ましく、鎖中にエーテル結合などを有する低中級アルキレン基の合計炭素原子数は2〜12が好ましい。
市販の酸性官能基および/または塩基性官能基を有する高分子分散剤として、SOLSPERSE24000(酸価:24mgKOH/g、アミン価:47mgKOH/g),SOLSPERSE32000(酸価:15mgKOH/g、アミン価:180mgKOH/g)(Lubrizol,Ltd.製)(SOLSPERSEは、リューブリゾル リミテッドの登録商標である)等が例示される。
また、DISPERBYK-106(酸価:132mgKOH/g、アミン価:74mgKOH/g)、DISPERBYK-130(酸価:2mgKOH/g、アミン価:190mgKOH/g)、DISPERBYK-140(酸価:73mgKOH/g、アミン価:76mgKOH/g)、DISPERBYK-142(酸価:46mgKOH/g、アミン価:43mgKOH/g)、DISPERBYK-145(酸価:76mgKOH/g、アミン価:71mgKOH/g)、DISPERBYK-180(酸価:94mgKOH/g、アミン価:94mgKOH/g)、DISPERBYK-187(酸価:35mgKOH/g、アミン価:35mgKOH/g)、DISPERBYK-191(酸価:30mgKOH/g、アミン価:20mgKOH/g)、DISPERBYK-2001(酸価:19mgKOH/g、アミン価:29mgKOH/g)、DISPERBYK-2010(酸価:20mgKOH/g、アミン価:20mgKOH/g)、DISPERBYK-2020(酸価:37mgKOH/g、アミン価:36mgKOH/g)、DISPERBYK-2020N(酸価:36mgKOH/g、アミン価:36mgKOH/g)、DISPERBYK-2025(酸価:38mgKOH/g、アミン価:37mgKOH/g)、DISPERBYK-102(酸価:101mgKOH/g)、DISPERBYK-174(酸価:22mgKOH/g)、DISPERBYK-2096(酸価:40mgKOH/g)、DISPERBYK-2150(アミン価:57mgKOH/g)、などのディスパービックシリーズ品[ビックケミー・ジャパン株式会社販売品](DISPERBYKは、ビイク―ヘミー ゲゼルシヤフト ミツト ベシュレンクテル ハフツングの登録商標である)等が例示される。
また、BYK-9076(酸価:38mgKOH/g、アミン価:44mgKOH/g)、BYK-9077(アミン価:48mgKOH/g)、ANTI-TERRA-U(酸価:24mgKOH/g、アミン価:19mgKOH/g)、ANTI-TERRA-U100(酸価:50mgKOH/g、アミン価:35mgKOH/g)、ANTI-TERRA-204(酸価:41mgKOH/g、アミン価:37mgKOH/g)、ANTI-TERRA-205(酸価:40mgKOH/g、アミン価:37mgKOH/g)、ANTI-TERRA-250(酸価:46mgKOH/g、アミン価:41mgKOH/g)などのビックシリーズ品、アンチテラシリーズ品[ビックケミー・ジャパン株式会社販売品](BYKおよびANTI-TERRAは、ビイク―ヘミー ゲゼルシヤフト ミツト ベシュレンクテル ハフツングの登録商標である)等が例示される。
また、ディスパロンDA−234(酸価:16mgKOH/g、アミン価:20mgKOH/g)、ディスパロンDA−325(酸価:14mgKOH/g、アミン価:20mgKOH/g)などのディスパロンシリーズ品[楠本化成株式会社製]ディスパロンは、楠本化成株式会社の登録商標である);アジスパーPB−821(酸価:17mgKOH/g、アミン価:10mgKOH/g)、アジスパーPB−822(酸価:14mgKOH/g、アミン価:17mgKOH/g)、アジスパーPB−881(酸価:17mgKOH/g、アミン価:17mgKOH/g)、アジスパーPN−411(酸価:6mgKOH/g、アジスパーPA−111(酸価:35mgKOH/g)、などのアジスパーシリーズ品[味の素ファインテクノ株式会社製]が例示される(アジスパーは、味の素株式会社の登録商標である)。
(c)含窒素有機化合物として、1級、2級もしくは3級のアルキルアミン類、アルキルアミドアミン類、N-アルキルエタノールアミン類、N-アルキルモルホリン、その他の有機アミン化合物が例示される。含窒素有機化合物の炭素原子数は1〜54が好ましい。
銀粒子(A)、金属粒子(A1)を被覆する極性基を有する有機物の被覆量は、これら粒子の凝集を防止でき、揮発性分散媒(B)への分散性を向上できれば特に限定されないが、好ましくはこれら粒子の0.01〜10質量%であり、より好ましくはこれら粒子の平均粒径が0.01μm以上0.1μm未満の範囲では2〜10質量%であり、平均粒径が0.1μm以上10μm以下では0.01〜2質量%である。
本発明のペースト状銀粒子組成物は、該銀粒子(A)と揮発性分散媒(B)との混合物であり、粉末状の該銀粒子(A)が揮発性分散媒(B)の作用によりペースト化している。ペースト化することによりシリンダーやノズルから細い線状に吐出でき、またメタルマスクによる印刷塗布が容易であり、微小な面積でも塗布が可能になる。非揮発性分散媒ではなく、揮発性分散媒(B)を使用するのは、加熱により該銀粒子(A)が焼結する際に分散媒が前もって揮散すると該銀粒子(A)が焼結しやすく、その結果、電気伝導性、熱伝導性、接着性が向上するからである。揮発性分散媒(B)は、銀粒子表面を変質させず、その沸点は60℃以上であり、300℃以下であることが好ましい。沸点が60℃未満であるとペースト状銀粒子組成物を調製する作業中に揮発性分散媒(B)が揮散しやすく、沸点が300℃より大であると、該銀粒子(A)が焼結後も揮発性分散媒(B)が残留しかねないからである。
また、本発明のペースト状銀粒子・金属粒子組成物も同様に、該銀粒子(A)と該金属粒子(A1)と揮発性分散媒(B)との混合物であり、粉末状の該銀粒子(A)と該金属粒子(A1)が揮発性分散媒(B)の作用によりペースト化している。
そのような揮発性分散媒(B)として、水;エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、ペンチルアルコール、ヘキシルアルコール、ヘプチルアルコール、オクチルアルコール、ノニルアルコール、デシルアルコール、ベンジルアルコール、シクロヘキサノール、ターピネオール等の揮発性一価アルコール;エチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキサンジオール、オクタンジオール等の揮発性多価アルコール;低級n−パラフィン、低級イソパラフィン等の揮発性脂肪族炭化水素;トルエン、キシレン等の揮発性芳香族炭化水素;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイゾブチルケトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール(4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン)、2−オクタノン、イソホロン(3,5,5−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン)、ジイブチルケトン(2,6−ジメチル−4−ヘプタノン)等の揮発性ケトン;酢酸エチル(エチルアセテート)、酢酸ブチルのような揮発性酢酸エステル;酪酸メチル、ヘキサン酸メチル、オクタン酸メチル、デカン酸メチルのような揮発性脂肪族カルボン酸エステル;テトラヒドロフラン、メチルセロソルブ、プロピレンブリコールモノメチルエーテル、メチルメトキシブタノール、ブチルカルビトール等の揮発性エーテル;低分子量の揮発性シリコーンオイルおよび揮発性有機変成シリコーンオイルが例示される。揮発性分散媒(B)は2種類以上を併用しても良く、揮発性分散媒同士の相溶性は問わない。また、本発明のペースト状銀粒子組成物、ペースト状銀粒子・金属粒子組成物は加熱する温度でペースト状であれば良いので、揮発性分散媒(B)は常温で固体状、例えば、ピロガロール、p−メチルベンジルアルコール、o−メチルベンジルアルコール、シル−3,3,5−トリメチルシクロヘキサノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジオール、ピナコールなどのアルコール類;ビフェニル、ナフタレン、デュレンなどの炭化水素類;ジベンゾイルメタン、カルコン、アセチルシクロヘキサンなどのケトン類であっても良い。
揮発性分散媒(B)の配合量は、該銀粒子(A)または該銀粒子(A)と該金属粒子(A1)をペースト状にするのに十分な量でよく、該銀粒子(A)または該銀粒子(A)と該金属粒子(A1)100質量部あたり、好ましくは5〜30質量部であり、より好ましくは7〜20質量部である。本発明のペースト状銀粒子組成物、ペースト状銀粒子・金属粒子組成物には、本発明の目的・効果に反しない限り該銀粒子(A)、該金属粒子(A1)以外の金属粒子または非金属系の粉体、金属酸化物、金属化合物、金属錯体、チクソ剤、安定剤、焼結促進剤等の添加物を少量ないし微量添加しても良いが、本発明のペースト状銀粒子組成物、ペースト状銀粒子・金属粒子組成物を加熱して得る焼結物の、315nmにおける紫外線全反射率を著しく大きくする酸化チタン等の白色系顔料、および、315nmにおける紫外線全反射率を著しく低下するカーボン等の黒色系顔料の添加は好ましくない。
本発明のペースト状銀粒子組成物、ペースト状銀粒子・金属粒子組成物は、加熱することにより揮発性分散媒(B)が揮散し、該銀粒子(A)および該金属粒子(A1)同士が焼結することにより電気伝導性と熱伝導性と接着性が優れた銀の焼結物または銀・金属(ただし金属は銅、金、白金およびパラジウムからなる群から選択される)の焼結物となる。なお、ペースト状銀粒子・金属粒子組成物にあっては、該銀粒子(A)同士の焼結物、該金属粒子(A1)同士の焼結物のほか、該銀粒子(A)と該金属粒子(A1)の焼結物が混在していても良い。この際、揮発性分散媒(B)が揮散し、ついで該銀粒子(A)および該金属粒子(A1)同士が焼結してもよく、揮発性分散媒(B)の揮散と共に該銀粒子(A)および該金属粒子(A1)同士が焼結してもよい。該銀粒子(A)、該金属粒子(A1)は、本来高い電気伝導性と熱伝導性を有するため、その焼結物も高い電気伝導性と熱伝導性を有する。この際の加熱温度は、揮発性分散媒(B)が揮散し、該銀粒子(A)および該金属粒子(A1)同士が焼結できる温度であればよく、通常100℃以上であり、150℃以上がより好ましい。しかし、400℃を越えると揮発性分散媒(B)が突沸的に蒸発して固形状銀焼結物、固体状銀・金属焼結物の形状に悪影響が出る可能性があるため400℃以下であることが必要であり、より好ましくは300℃以下である。
本発明のペースト状銀粒子組成物、ペースト状銀粒子・金属粒子組成物を加熱する際の雰囲気は、大気または酸素ガスを含む酸化性ガス、水素ガスを含む還元性ガス、窒素ガス等の不活性ガス等が例示される。酸化されやすい銅粒子等を含む場合は、水素ガスを含む還元性ガスまたは窒素ガス等の不活性ガスが好ましいが、酸化性ガス中で焼結した後、還元性ガス中で還元するのがより好ましい。
該銀粒子(A)同士が焼結してできた焼結物、該銀粒子(A)および該金属粒子(A1)同士が焼結してできた焼結物は、波長315nmにおける該焼結物表面の紫外線全反射率は1〜20%であり、より好ましくは1〜10%、特に好ましく1〜5%である。該全反射率が1%未満または20%を超えると、本発明のペースト状銀粒子組成物、ペースト状銀粒子・金属粒子組成物を発光ダイオード素子とリードフレームまたは回路基板の接合に用いた発光ダイオード装置において、発光光度が安定しにくい。
本発明における、該銀粒子(A)同士が焼結してできた焼結物、該銀粒子(A)および該金属粒子(A1)同士が焼結してできた焼結物の波長315nmにおける紫外線全反射率は、波長315nmの紫外線を該焼結物に照射し、その全反射光(反射スペクトル)を測定することにより、求めることができる。その際、該焼結物は表面が凹凸でしかも多孔質であるため、反射光は正反射光だけでなく、散乱光、拡散光を含めた全反射率として測定する。このような紫外線全反射率の測定は、市販の測定装置(例えば、積分球を付属した株式会社島津製作所製UV−3101PC型自記分光光度計)により容易に行うことができる。
また、該銀粒子(A)同士が焼結してできた焼結物、該銀粒子(A)および該金属粒子(A1)同士が焼結してできた焼結物は、導電性および熱伝導性に優れていることが必要である。具体的には、その体積抵抗率は1×10-5Ω・cm以下であることが好ましく、熱伝導性は100W/m・K以上であることが好ましい。このように本発明のペースト状銀粒子組成物の焼結物、ペースト状銀粒子・金属粒子組成物の焼結物は、優れた導電性と熱伝導性(放熱性)を有するため、発光ダイオード装置の発光光度の安定性向上、長時間発光や断続発光における発光光度の安定性および発光ダイオード装置の信頼性向上等の性能向上に寄与する。なお、体積抵抗率および熱伝導率の測定装置は多数市販されており、容易に測定することができる。
本発明のペースト状銀粒子組成物、ペースト状銀粒子・金属粒子組成物は、加熱すると揮発性分散媒(B)が揮散し、該銀粒子(A)同士、該銀粒子(A)および該金属粒子(A1)同士が焼結することにより、電気伝導性、熱伝導性、接着性が優れ、接触していた金属製部材、例えば金、金メッキ、銀、銀メッキ、パラジウムメッキ等を有する半導体素子、リードフレーム、金属系基板、電気絶縁性基板上の電極等金属部分への接着性を有する焼結物となるので、電子部品、電子装置、電気部品、電気装置等の接合に有用であり、特に発光ダイオード装置における発光ダイオード素子とリードフレームまたは回路基板との接合に有用である。
このような発光ダイオード素子はLEDチップとも称され、本発明においてはレーザーダイオード素子を含む。発光ダイオード装置は、発光ダイオード素子がリードフレームまたは回路基板とボンディング(接合)されており、本発明のペースト状銀粒子組成物、ペースト状銀粒子・金属粒子組成物はボンディング材(接合剤)として使用する。本発明のペースト状銀粒子組成物、ペースト状銀粒子・金属粒子組成物により接合する部分の発光ダイオード素子、リードフレーム、回路基板の材質は、耐光性、耐熱性等を有し接続信頼性が高い、金、銀、銅、パラジウム、白金、それらの金属を含む合金、または、それらの金属または合金によりメッキされていることが好ましい。発光ダイオード装置の形態は限定されず、砲弾型、フラット型、チップ型、アレイ等が例示される。
実施例における砲弾型LEDを図2に示した。図2は、該砲弾型LEDの平面図である。この砲弾型LEDは、凹型の反射用カップ1を有するリードフレーム2のダイパッド3にペースト状銀粒子組成物4またはペースト状銀粒子・金属粒子組成物4を塗布し、発光ダイオード素子5を載せてから加熱してペースト状銀粒子組成物4またはペースト状銀粒子・金属粒子組成物4中の銀粒子または銀粒子・金属粒子を焼結してダイボンディングした後、発光ダイオード素子5ともう一方のリードフレーム2とをワイヤ6でボンディングした後、絶縁性で無色透明な熱硬化性エポキシ樹脂7で全体を封止することにより製作される。
図3は、図2の砲弾型LEDの発光ダイオード素子接合部の拡大図である。発光ダイオード素子5が銀粒子の焼結物または銀粒子・金属粒子の焼結物4により金メッキしたダイパッド3に接合している。
発光ダイオード素子を構成する元素は、目的とする発光ピーク波長により変わるが、発光ピーク波長が700nm未満,200nm以上の場合は、GaAlAs、GaInP、GaAsP、AlGaInP、GaP、InGaN、GaN、AlN等を使用することができる。なお、発光ダイオード素子が発する光の波長には通常ある程度の幅があり、発光ピーク波長はその内で最も大きい発光強度を示す波長である。発光ピーク波長は、分光光度計により発光スペクトルを測定して容易に知ることができる。
また、これらの元素の比率は適宜選択される。例えば、GaAlAsの比率が0.65:0.35:1であると、発光ピーク波長は660nmである。GaInPの比率が0.5:0.5:1であると、発光ピーク波長は650nmである。GaAsPの比率が1:0.35:0.65であると、発光ピーク波長は635nmであり、1:0.15:0.85であると、発光ピーク波長は585nmである。AlGaInPの比率が0.025:0.475:0.5:1であると発光ピーク波長は647nmであり、0.1:0.4:0.5:1であると発光ピーク波長は609nmであり、0.15:0.35:0.5:1であると発光ピーク波長は591nmであり、0.225:0.275:0.5:1であると発光ピーク波長は560nmである。GaPの比率が1:1であると発光ピーク波長は565nmである。InGaNの比率が0.45:0.55:1であると発光ピーク波長は520nmであり、0.2:0.8:1であると発光ピーク波長は465nmであり、0.1:0.9:1であると発光ピーク波長は405nmである。
なお、発光ピーク波長が400nm〜200nmの場合は、GaN、AlNを用い、各元素の比率を適宜選択することが好ましい。
発光ダイオード装置の発光光度は、発光ダイオード素子の先端を頂点として、測光軸を頂点からおろした垂線(中心線)とする円すい内の光束を、円すいの底面に対応する立体角について平均した光度である、CIE平均化LED光度(単位cdまたはmcd)として通常の方法で測定することができる。この際、発光ダイオード装置に印加する駆動電圧、駆動電流は発光ダイオード装置によって変わるが、通常は各々数ボルト、数十mAであり、発光光度は数十mcdから数万mcdである。
発光ダイオード素子は有機物を分解する性質のある紫外線を発する場合があり、また、発光に伴い多量の熱の発生があるので、紫外線や熱により劣化しやすいエポキシ樹脂等の有機物を含む接合剤の使用は好ましくなく、実質的に焼結後の焼結物中に有機物を含まない本発明のペースト状銀粒子組成物、ペースト状銀粒子・金属粒子組成物を好適に用いることができる。
本発明の実施例と比較例を掲げる。実施例と比較例中、部とあるのは質量部を意味する。平均粒径はメディアン径を意味する。強制循環式オーブン内での加熱は、大気中で行った。銀粒子、金属粒子の被覆剤量、ペースト状銀粒子組成物、ペースト状銀粒子・金属粒子組成物を加熱して生成した焼結物の紫外線全反射率、体積抵抗率、熱伝導率、接着強さおよび発光ダイオード装置における発光光度の安定性は、下記の方法により、断りがない限りは常温で測定した。
[被覆剤量]
示差熱熱重量同時測定装置(島津製作所株式会社製DTG−60AH型)を用い、大気中で該銀粒子(A)または該金属粒子(A1)を昇温速度10℃/分にて室温(約23℃)から500℃まで昇温して、その減量率を被覆剤量として算出した。銅粒子を含む場合は、大気中の代わりに、窒素ガス中にて測定した。
[紫外線全反射率]
幅50mm×長さ50mm×厚さ2.0mmのガラス板上に、幅10mm×長さ10mmの開口部を有する2mm厚のメタルマスクを用いて、ペースト状銀粒子組成物またはペースト状銀粒子・金属粒子組成物を塗布し、200℃の強制循環式オーブン内で1時間加熱して板状の焼結物とした。銅粒子を含む場合は、更に、水素ガス10体積%と窒素ガス90体積%の混合ガスであるフォーミングガス中において、200℃の温度で10分間加熱した。ガラス板からはずした該焼結物について、積分球を付属した株式会社島津製作所製UV−3101PC型自記分光光度計により波長と反射率の関係を測定し、315nmにおける反射率を紫外線全反射率とした。
[体積抵抗率]
幅50mm×長さ50mm×厚さ2.0mmのガラス板上に、幅10mm×長さ10mmの開口部を有する2mm厚のメタルマスクを用いて、ペースト状銀粒子組成物またはペースト状銀粒子・金属粒子組成物を塗布し、200℃の強制循環式オーブン内で1時間加熱して板状の焼結物とした。銅粒子を含む場合は、更に、水素ガス10体積%と窒素ガス90体積%の混合ガスであるフォーミングガス中において、200℃の温度で10分間加熱した。ガラス板からはがした該焼結物について、JIS K 7194に準じた方法により体積抵抗率(単位;Ω・cm)を測定した。
[熱伝導率]
幅50mm×長さ50mm×厚さ2.0mmのガラス板上に、幅10mm×長さ10mmの開口部を有する2mm厚のメタルマスクを用いて、ペースト状銀粒子組成物またはペースト状銀粒子・金属粒子組成物を塗布し、200℃の強制循環式オーブン内で1時間加熱して板状の焼結物とした。銅粒子を含む場合は、更に、水素ガス10体積%と窒素ガス90体積%の混合ガスであるフォーミングガス中において、200℃の温度で10分間加熱した。ガラス板からはがした該焼結物について、レーザーフラッシュ法により熱伝導率(単位;W/m・K)を測定した。
[接着強さ]
幅25mm×長さ70mm×厚さ1.0mmの銀基板(銀純度99.99%)上に、10mmの間隔をおいて4つの幅2.5mm×長さ2.5mmの開口部を有する100μm厚のメタルマスクを用いてペースト状銀粒子組成物またはペースト状銀粒子・金属粒子組成物を塗布し、その上に幅2.5mm×長さ2.5mm×厚さ0.5mmの銀チップ(銀純度99.99%)を搭載後、200℃の強制循環式オーブン内で1時間加熱して接合した。銅粒子を含む場合は、更に、水素ガス10体積%と窒素ガス90体積%の混合ガスであるフォーミングガス中において、200℃の温度で10分間加熱した。かくして得られた接着強さ測定用試験体の幅2.5mm×長さ2.5mm×厚さ0.5mmの銀チップの側面を接着強さ試験機により押厚速度23mm/分で押圧し、接合部がせん断破壊したときの荷重をもって接着強さ(単位;MPa)とした。
[発光光度の安定性]
凹型の反射用カップを有する発光ダイオード装置用リードフレームのダイ部にペースト状銀粒子組成物またはペースト状銀粒子・金属粒子組成物を塗布し、0.5mm角のGaAlAs(比率0.65:0.35:1)からなる発光ダイオード素子(発光ピーク波長660nm)、または、InGaN(比率0.2:0.8:1)からなる発光ダイオード素子(発光ピーク波長465nm)を載せ、200℃の強制循環式オーブン内で1時間加熱してダイボンディングした。銅粒子を含む場合は、更に、水素ガス10体積%と窒素ガス90体積%の混合ガスであるフォーミングガス中において、200℃の温度で10分間加熱した。
発光ダイオード素子の上部の電極ともう一方のリードフレームとをワイヤボンディングしたのち、絶縁性で無色透明な熱硬化性エポキシ樹脂で全体を直径5mmの砲弾型に封止して発光ダイオード装置を製造した。このように製造した各々10個の発光ダイオード装置について、CIE平均化LED光度計を用い駆動電流20mAでの発光光度(単位;mcd)を測定し、その平均値と標準偏差を求めた。標準偏差の値が小さいほど、発光光度は安定性がある。
[参考例]
導電性硬化性組成物を調製するための熱硬化性液状エポキシ樹脂組成物は以下のように調製した。
ミキサー中で、三菱化学株式会社製ビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名:jER828、粘度14Pa・s、エポキシ当量190g)37.5部、ADEKA株式会社製エポキシ樹脂(商品名:ED509S、粘度20mPa・s、エポキシ当量206g)4.0部、硬化剤として味の素ファインケミカル株式会社製のエポキシ樹脂硬化剤(商品名:PN−40)8.5部を均一に混合することにより、熱硬化性液状エポキシ樹脂組成物を調製した。
[実施例1]
硝酸銀の還元法で製造され,平均粒径が1.0μmであり,表面がステアリン酸で被覆された(ステアリン酸量は0.7質量%である)粒状の銀粒子100部に、α−ターピネオール(和光純薬工業株式会社発売の試薬、沸点218℃(以後同様))10部を添加し、均一に混合してペースト状銀粒子組成物を調製した。
このペースト状銀粒子組成物を加熱して生成した銀粒子の焼結物について、紫外線全反射率、体積抵抗率、熱伝導率、接着強さを測定した。紫外線全反射率は3%であった。また、該ペースト状銀粒子組成物を用いて製造した発光ダイオード装置における発光光度の安定性を測定したところ、発光光度は変動が小さく安定していた。
以上の結果を表1にまとめて示した。このペースト状銀粒子組成物は、発光ダイオード素子とリードフレームを強固に接合し、発光ダイオード装置の発光光度の安定性に寄与すること、すなわち、発光ダイオード装置毎の発光光度のバラツキが小さいことがわかる。
[実施例2]
硝酸銀の還元法で製造され,平均粒径が1.0μmであり,表面がステアリン酸で被覆された(ステアリン酸量は0.7質量%である)粒状の銀粒子50部、硫酸銅の還元法で製造された平均粒径が1.0μmであり,表面がステアリン酸で被覆された(ステアリン酸量は0.8質量%である)球状の銅粒子50部に、オクタンジオール(2−エチル−1,3−ヘキサンジオール)(和光純薬工業株式会社発売の試薬、沸点244℃(以後同様))10部を添加し、均一に混合してペースト状銀粒子・銅粒子組成物を調製した。
このペースト状銀粒子・銅粒子組成物を加熱して生成した銀粒子および銅粒子の焼結物について、紫外線全反射率、体積抵抗率、熱伝導率、接着強さを測定した。紫外線全反射率は18%であった。また、該ペースト状銀粒子・銅粒子組成物を用いて製造した発光ダイオード装置における発光光度の安定性を測定したところ、発光光度は変動が小さく安定していた。
以上の結果を表1にまとめて示した。このペースト状銀粒子・銅粒子組成物は、発光ダイオード素子とリードフレームを強固に接合し、発光ダイオード装置の発光光度の安定性に寄与することがわかる。
[実施例3]
硝酸銀の還元法で製造され,平均粒径が0.02μmであり,表面がヘキサン酸で被覆された(ヘキサン酸量は2.2質量%である)球状の銀粒子100部に、α−ターピネオール(和光純薬工業株式会社発売の試薬)16部を添加し、均一に混合してペースト状銀粒子組成物を調製した。
このペースト状銀粒子組成物を加熱して生成した銀粒子の焼結物について、紫外線全反射率、体積抵抗率、熱伝導率、接着強さを測定した。紫外線全反射率は3%であった。また、該ペースト状銀粒子組成物を用いて製造した発光ダイオード装置における発光光度の安定性を測定したところ、発光光度は変動が小さく安定していた。
以上の結果を表1にまとめて示した。このペースト状銀粒子組成物は、発光ダイオード素子とリードフレームを強固に接合し、発光ダイオード装置の発光光度の安定性に寄与することがわかる。
[実施例4]
硝酸銀の還元法で製造され,平均粒径が3.0μmであり,表面がオレイン酸エステルで被覆された(オレイン酸エステル量は0.3質量%である)球状の銀粒子100部に、α−ターピネオール(和光純薬工業株式会社発売の試薬)8部を添加し、均一に混合してペースト状銀粒子組成物を調製した。
このペースト状銀粒子組成物を加熱して生成した銀粒子の焼結物について、紫外線全反射率、体積抵抗率、熱伝導率、接着強さを測定した。紫外線全反射率は3%であった。また、該ペースト状銀粒子組成物を用いて製造した発光ダイオード装置における発光光度の安定性を測定したところ、発光光度は変動が小さく安定していた。
以上の結果を表2にまとめて示した。このペースト状銀粒子組成物は、発光ダイオード素子とリードフレームを強固に接合し、発光ダイオード装置の発光光度の安定性に寄与することがわかる。
[実施例5]
硝酸銀の還元法で製造され,平均粒径が1.0μmであり,表面がアミノ基を有する高分子分散剤であるビックケミー・ジャパン株式会社製のDISPERBYK-2150(アミン価:57mgKOH/g)で被覆された(DISPERBYK-2150量は0.5質量%である)粒状の銀粒子100部に、α−ターピネオール(和光純薬工業株式会社発売の試薬)10部を添加し、均一に混合してペースト状銀粒子組成物を調製した。
このペースト状銀粒子組成物を加熱して生成した銀粒子の焼結物について、紫外線全反射率、体積抵抗率、熱伝導率、接着強さを測定した。紫外線全反射率は3%であった。また、該ペースト状銀粒子組成物を用いて製造した発光ダイオード装置における発光光度の安定性を測定したところ、発光光度は変動が小さく安定していた。
以上の結果を表2にまとめて示した。このペースト状銀粒子組成物は、発光ダイオード素子とリードフレームを強固に接合し、発光ダイオード装置の発光光度の安定性に寄与することがわかる。
[実施例6]
実施例5において、表面がアミノ基を有する高分子分散剤であるビックケミー・ジャパン株式会社製のDISPERBYK-2150(アミン価:57mgKOH/g)で被覆された(DISPERBYK-2150量は0.5質量%である)粒状の銀粒子の代わりに、表面がリン酸エステル基とアミノ基を有する両性高分子分散剤であるビックケミー・ジャパン株式会社製のDISPERBYK-2020(酸価:37mgKOH/g、アミン価:36mgKOH/g)で被覆された(DISPERBYK-2020量は0.4量%である)粒状の銀粒子を用いた以外は同様にしてペースト状銀粒子組成物を調製した。
このペースト状銀粒子組成物を加熱して生成した銀粒子の焼結物について、紫外線全反射率、体積抵抗率、熱伝導率、接着強さを測定した。紫外線全反射率は3%であった。また、該ペースト状銀粒子組成物を用いて製造した発光ダイオード装置における発光光度の安定性を測定したところ、発光光度は変動が小さく安定していた。
以上の結果を表2にまとめて示した。このペースト状銀粒子組成物は、発光ダイオード素子とリードフレームを強固に接合し、発光ダイオード装置の発光光度の安定性に寄与することがわかる。
[実施例7]
硝酸銀の還元法で製造され,平均粒径が1.0μmであり,表面が1,2-プロパンジアミンで被覆された(1,2-プロパンジアミン量は0.3質量%である)粒状の銀粒子100部に、α−ターピネオール(和光純薬工業株式会社発売の試薬)10部を添加し、均一に混合してペースト状銀粒子組成物を調製した。
このペースト状銀粒子組成物を加熱して生成した銀粒子の焼結物について、紫外線全反射率、体積抵抗率、熱伝導率、接着強さを測定した。紫外線全反射率は3%であった。また、該ペースト状銀粒子組成物を用いて製造した発光ダイオード装置における発光光度の安定性を測定したところ、発光光度は変動が小さく安定していた。
以上の結果を表3にまとめて示した。このペースト状銀粒子組成物は、発光ダイオード素子とリードフレームを強固に接合し、発光ダイオード装置の発光光度の安定性に寄与することがわかる。
[比較例1]
硝酸銀の還元法で製造され,平均粒径が1.0μmであり,表面がステアリン酸で被覆された(ステアリン酸量は0.7質量%である)粒状の銀粒子50部に、参考例で調製した熱硬化性液状エポキシ樹脂組成物50部とカーボン粉末(和光純薬工業株式会社発売の試薬)0.1部を添加し、均一に混合して熱硬化性ペースト状エポキシ樹脂組成物を調製した。
この熱硬化性ペースト状エポキシ樹脂組成物を加熱して硬化した固形物について、紫外線全反射率、体積抵抗率、熱伝導率、接着強さを測定した。紫外線全反射率は0.5%であった。また、該エポキシ樹脂組成物を用いて製造した発光ダイオード装置における発光光度の安定性を測定したところ、発光光度の変動が大きく安定していなかった。
以上の結果を表4にまとめて示した。このペースト状エポキシ樹脂組成物は、発光ダイオード装置の発光光度の安定性に寄与していないことがわかる。
[比較例2]
硫酸銅の還元法で製造され,平均粒径が1.0μmであり,表面がステアリン酸で被覆された(ステアリン酸量は0.7質量%である)球状の銅粒子50部と、参考例で調製した熱硬化性液状エポキシ樹脂組成物50部を均一に混合して熱硬化性ペースト状エポキシ樹脂組成物を調製した。
この熱硬化性ペースト状エポキシ樹脂組成物を加熱して硬化した固形物について、紫外線全反射率、体積抵抗率、熱伝導率、接着強さを測定した。紫外線全反射率は27%であった。また、該エポキシ樹脂組成物を用いて製造した発光ダイオード装置における発光光度の安定性を測定したところ、発光光度の変動が大きく安定していなかった。
以上の結果を表4にまとめて示した。このペースト状エポキシ樹脂組成物は、発光ダイオード装置の発光光度の安定性に寄与していないことがわかる。
[比較例3]
硝酸銀の還元法で製造され,平均粒径が1.0μmであり,表面がステアリン酸で被覆された(ステアリン酸量は0.7質量%である)粒状の銀粒子100部に、カーボン粉末(和光純薬工業株式会社発売の試薬)0.1部を添加し、α−ターピネオール(和光純薬工業株式会社発売の試薬)10部を添加し、均一に混合してペースト状銀粒子組成物を調製した。
このペースト状銀粒子組成物を加熱して生成した銀粒子の焼結物について、紫外線全反射率、体積抵抗率、熱伝導率、接着強さを測定した。紫外線全反射率は0.1%であった。また、該ペースト状銀粒子組成物を用いて製造した発光ダイオード装置における発光光度の安定性を測定したところ、発光光度は変動が大きく安定していなかった。
以上の結果を表4にまとめて示した。このペースト状銀粒子組成物は、発光ダイオード装置の発光光度の安定性に寄与していないことがわかる。
[比較例4]
硫酸銅の還元法で製造され,平均粒径が1.0μmであり,表面がステアリン酸で被覆された(ステアリン酸量は0.8質量%である)球状の銅粒子100部に、オクタンジオール(2−エチル−1,3−ヘキサンジオール)(和光純薬工業株式会社発売の試薬)10部を添加し、均一に混合してペースト状銅粒子組成物を調製した。
このペースト状銅粒子組成物を加熱して生成した銅粒子の焼結物について、紫外線全反射率、体積抵抗率、熱伝導率、接着強さを測定した。紫外線全反射率は30%であった。また、該ペースト状銅粒子組成物を用いて製造した発光ダイオード装置における発光光度の安定性を測定したところ、発光光度は変動が大きく安定していなかった。
以上の結果を表5にまとめて示した。このペースト状銅粒子組成物は、発光ダイオード装置の発光光度の安定性に寄与していないことがわかる。
[比較例5]
硝酸銀の還元法で製造され,平均粒径が0.3μm(比表面積2.54m/g)であり,表面が有機物で被覆されていない球状の銀粒子100部に、オクタンジオール(2−エチル−1,3−ヘキサンジオール)(和光純薬工業株式会社発売の試薬)12部を添加し、均一に混合してペースト状銀粒子組成物を調製した。このペースト状銀粒子組成物は、銀粒子表面が有機物で被覆されていない点で、特許文献3の実施例の第2導電性材料組成物に相当している。
このペースト状銀粒子組成物を加熱して生成した銀粒子の焼結物について、紫外線全反射率、体積抵抗率、熱伝導率、接着強さを測定した。紫外線全反射率は3%であった。また、該ペースト状銀粒子組成物を用いて製造した発光ダイオード装置における発光光度の安定性を測定したところ、発光光度は変動が大きく安定していなかった。
以上の結果を表5にまとめて示した。このペースト状銀粒子組成物は、発光ダイオード装置の発光光度の安定性に寄与していないことがわかる。
[比較例6]
硝酸銀の還元法で製造され,平均粒径が1.1μmであり,表面が有機物で被覆されていない粒状の銀粒子100部に、オクタンジオール(2−エチル−1,3−ヘキサンジオール)(和光純薬工業株式会社発売の試薬)10部を添加し、均一に混合してペースト状銀粒子組成物を調製した。このペースト状銀粒子組成物は、銀粒子表面が有機物で被覆されていない点で、特許文献3の実施例の第2導電性材料組成物に相当している。
このペースト状銀粒子組成物を加熱して生成した銀粒子の焼結物について、紫外線全反射率、体積抵抗率、熱伝導率、接着強さを測定した。紫外線全反射率は3%であった。また、該ペースト状銀粒子組成物を用いて製造した発光ダイオード装置における発光光度の安定性を測定したところ、発光光度は変動が大きく安定していなかった。
以上の結果を表5にまとめて示した。このペースト状銀粒子組成物は、発光ダイオード装置の発光光度の安定性に寄与していないことがわかる。
[比較例7]
硝酸銀の還元法で製造された銀粒子を用いてフレーク化した,平均粒径が7.9μmであり,表面がオレイン酸で被覆された(オレイン酸量は0.5質量%である)フレーク状の銀粒子100部に、オクタンジオール(2−エチル−1,3−ヘキサンジオール)(和光純薬工業株式会社発売の試薬)17.6部を添加し、均一に混合してペースト状銀粒子組成物を調製した。
このペースト状銀粒子組成物を加熱して生成した銀粒子の焼結物について、紫外線全反射率、体積抵抗率、熱伝導率、接着強さを測定した。紫外線全反射率は3%であった。また、該ペースト状銀粒子組成物を用いて製造した発光ダイオード装置における発光光度の安定性を測定したところ、発光光度は変動が大きく安定していなかった。
以上の結果を表6にまとめて示した。このペースト状銀粒子組成物は、発光ダイオード装置の発光光度の安定性に寄与していないことがわかる。
[比較例8]
硝酸銀の還元法で製造され,平均粒径が0.005μmであり,表面がマロン酸で被覆された(マロン酸量は10.1量%である)球状の銀粒子100部に、1−ヘキサノール(和光純薬工業株式会社発売の試薬、沸点157℃(以後同様))24部を添加し、均一に混合してペースト状銀粒子組成物を調製した。
このペースト状銀粒子組成物を加熱して生成した銀粒子の焼結物について、紫外線全反射率、体積抵抗率、熱伝導率、接着強さを測定した。紫外線全反射率は3%であった。また、該ペースト状銀粒子組成物を用いて製造した発光ダイオード装置における発光光度の安定性を測定したところ、発光光度は変動が大きく安定していなかった。
以上の結果を表6にまとめて示した。このペースト状銀粒子組成物は、発光ダイオード装置の発光光度の安定性に寄与していないことがわかる。
[比較例9]
硝酸銀の還元法で製造された銀粒子をフレーク化した,平均粒径が14.0μmであり,表面がステアリン酸で被覆された(ステアリン酸量は0.9質量%である)フレーク状の銀粒子100部に、1−ヘキサノール(和光純薬工業株式会社発売の試薬)10部を添加し、均一に混合してペースト状銀粒子組成物を調製した。
このペースト状銀粒子組成物を加熱して生成した銀粒子の焼結物について、紫外線全反射率、体積抵抗率、熱伝導率、接着強さを測定した。紫外線全反射率は3%であった。また、該ペースト状銀粒子組成物を用いて製造した発光ダイオード装置における発光光度の安定性を測定したところ、発光光度は変動が大きく安定していなかった。
以上の結果を表6にまとめて示した。このペースト状銀粒子組成物は、発光ダイオード装置の発光光度の安定性に寄与していないことがわかる。
[比較例10]
アトマイズ法で製造され,平均粒径が1.0μmであり,表面がステアリン酸で処理された(ステアリン酸量は0.3質量%である)球状の銀粒子100部に、1−ヘキサノール(和光純薬工業株式会社発売の試薬)10部を添加し、均一に混合してペースト状銀粒子組成物を調製した。
このペースト状銀粒子組成物を加熱して生成した銀粒子の焼結物は脆くて壊れやすいため、紫外線全反射率、体積抵抗率、熱伝導率、接着強さを測定することはできなかった。以上の結果を表7にまとめて示した。このペースト状銀粒子組成物は、発光ダイオード装置の発光光度の安定性に寄与していないことがわかる。
[比較例11]
アトマイズ法で製造され,平均粒径が10μmであり,表面がステアリン酸で表面処理された球状のアルミニウム粉末6部、硝酸銀の還元法で製造され,平均粒径が7.9μmであり,表面がオレイン酸で被覆された(オレイン酸量は0.5質量%である)フレーク状の銀粒子44部、(該アルミニウム粉末と該銀粒子の体積比は35:65である)と参考例で調製した熱硬化性液状エポキシ樹脂組成物50部を均一に混合して熱硬化性ペースト状エポキシ樹脂組成物を調製した。
この熱硬化性ペースト状エポキシ樹脂組成物を加熱して硬化した固形物について、紫外線全反射率、体積抵抗率、熱伝導率、接着強さを測定した。紫外線全反射率は21%であった。また、該エポキシ樹脂組成物を用いて製造した発光ダイオード装置における発光光度の安定性を測定したところ、発光光度の変動が大きく安定していなかった。
以上の結果を表7にまとめて示した。このペースト状エポキシ樹脂組成物は、発光ダイオード装置の発光光度の安定性に寄与していないことがわかる。
注:表中の[]付きは、独立請求項の要件を満たしていない成分、平均粒径、特性等を表している。以下の表でも同様である。
本発明のペースト状銀粒子組成物、ペースト状銀粒子・金属粒子組成物は、加熱すると揮発性分散媒(B)が揮散し、該銀粒子(A)同士、該銀粒子(A)および該金属粒子(A1)同士が焼結することにより、波長315nmにおける紫外線全反射率が1〜20%であり、しかも、電気伝導性、熱伝導性の優れた焼結物となるので、発光ダイオード装置における発光ダイオード素子とリードフレームまたは回路基板との接合に有用である。本発明の発光ダイオード装置は、発光光度が安定しているので、安定した表示に有用である。
1 反射用カップ
2 リードフレーム
3 ダイパッド(金メッキ)
4 ペースト状銀粒子組成物またはペースト状銀粒子・金属粒子組成物(焼結後は銀粒子の焼結物または銀粒子・金属粒子の焼結物である)
5 発光ダイオード素子(ダイパッドおよびワイヤパッド部は金メッキ)
6 ワイヤ(金製)
7 熱硬化性エポキシ樹脂

Claims (1)

  1. 発光ピーク波長が700nm未満,200nm以上である発光ダイオード素子とリードフレームもしくは配線基板間に、(A)平均粒径が0.01〜10μmであり、表面が、(c)炭素原子数1〜54の1級、2級もしくは3級のアルキルアミン類で被覆されてなる、銀塩の還元により製造された球状または粒状の銀粒子と、(B)揮発性分散媒とからなるペースト状物であり,200℃の強制循環式オーブン内で1時間加熱することにより該揮発性分散媒が揮散し該銀粒子(A)同士が焼結して,波長315nmにおける紫外線全反射率が1〜5%であり、体積抵抗率が1×10-5Ω・cm以下であり、かつ、熱伝導率が100W/m・K以上の焼結物となるペースト状銀粒子組成物を介在させ、100℃以上400℃以下で加熱することにより該銀粒子(A)同士を焼結することを特徴とする、発光ピーク波長が700nm未満,200nm以上である発光ダイオード素子とリードフレームもしくは配線基板とが該銀粒子焼結物により接合されてなる発光ダイオード装置の製造方法。
JP2015029579A 2014-09-30 2015-02-18 発光ダイオード装置の製造方法 Active JP6210562B2 (ja)

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