JP6563700B2 - 半導体接着用樹脂組成物、半導体接着用シート及びそれを用いた半導体装置 - Google Patents

半導体接着用樹脂組成物、半導体接着用シート及びそれを用いた半導体装置 Download PDF

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Description

本発明は、半導体接着用樹脂組成物、半導体接着用シート及び半導体装置に係り、さらに詳しくはパワー半導体素子と基板との接合に最適な焼成型の接着用シートを形成できる半導体接着用樹脂組成物、半導体接着用シート及び半導体装置に関する。
近年、環境問題に対する意識の高まりから、電力用半導体装置が一般産業用途、電鉄用途のみならず車載用途にも広く使用されるようになってきている。特に車載用部品は限られた許容サイズの中で各部品を小さく、軽くすることが車両の性能に直結することから、電力用半導体装置に対してもサイズの縮小化が非常に重要な課題になっている。
このような半導体装置は、例えばDBC(Direct Bonded Copper:登録商標)基板のダイパッドに耐熱性の高い高鉛はんだを介して電力用半導体素子を実装していた。
しかしながら、鉛を含む有害物質の使用が規制されるようになり、鉛フリー化が求められている。
そこで、高鉛はんだ以外の高耐熱の鉛フリー接合材として、ナノオーダーの銀フィラーを融点以下の温度で接合する焼結型の銀ペーストを用いた接合方法が検討されている。焼結型の銀ペーストは高熱伝導であり、大電流を扱う電力用半導体素子の接合に有効である。
しかしながら、高鉛ペーストや焼成型銀ペーストはフィレットが形成されるため、サイズの縮小化の阻害要因の一つとなっていた。そのため、例えばポーラスメタリックフィルムによる半導体素子とDBC基板との接合方法(特許文献1参照)や、印刷した銀ペーストを予備乾燥して形成したフィルム状銀ペーストを半導体素子に転写したのちDBC基板に接合する方法(特許文献2参照)が提案されている。
米国特許出願公開第2013/0256894号明細書 特表2014−503936号公報
ところが、上記特許文献1の方法では接合層に存在する空隙が熱伝導性や信頼性に悪影響を及ぼす可能性が高く、特許文献2の方法では樹脂組成物を高粘度、高チクソ性にしなければ比重の大きい銀が沈降してしまうため所望の熱伝導率や電導度が得られないおそれがあり、さらにこのような高粘度等の樹脂組成物とすると連続した接着用シートを形成することが困難である等の問題があった。
そこで、本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、優れた熱伝導性及び導電性を奏することができ、パワー半導体素子と素子支持部材との接合に好適な焼成型の半導体接着用シートを提供することを目的とする。また、本発明は、そのような半導体接着用シートを形成できる半導体接着用樹脂組成物及びその半導体接着用シートを用いた半導体装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、充填材として配合する粒子を特定の比重範囲になるようにした導電性粒子と特定の大きさの銀微粒子とを併用した樹脂組成物を用いることで、良好な熱伝導性及び導電性を発現できることを見出した。さらに、本発明者らは、このような樹脂組成物が、キャリアシート状に塗布乾燥する等の溶剤希釈した場合でも粒子の沈降を抑制することができること、さらに、上記導電性粒子間の焼結を促進させることができること、を見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の半導体接着用樹脂組成物は、(A)主鎖に脂肪族炭化水素基を有するビスマレイミド樹脂と、(B)硬化剤と、(C)比重1.1〜5.0の導電性粒子を含む充填材と、(D)平均粒子径10〜300nmの銀微粒子と、を必須成分とすることを特徴とする。
また、本発明の半導体接着用シートは、本発明の半導体接着用樹脂組成物を、シート状に成形してなることを特徴とする。
また、本発明の半導体装置は、本発明の半導体接着用シートを介して、半導体素子を支持部材上に接着してなることを特徴とする。
本発明の半導体接着用樹脂組成物は、優れた熱伝導性及び導電性を発現できる接着材料であり、例えば、シート状に成形する際に溶剤希釈したものを塗布乾燥する際にも粒子の沈降を抑制することができ、特に焼結性の接着用シートを形成するのに好適である。
本発明の半導体接着用シートは、優れた熱伝導性及び導電性を発現でき、半導体素子を支持部材上に接合するのに好適で、特にパワー半導体素子を支持部材上に接合するのに最適である。さらに、半導体接着用シートは半導体素子を実装する際にフィレットが発生しないことから、半導体装置の小型化にも有効である。
本発明の半導体装置は、半導体素子が優れた熱伝導性及び導電性を有して支持部材上に接合され、動作を効率的に、かつ、安定して行うことができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の半導体接着用樹脂組成物は、上記した通り、(A)主鎖に脂肪族炭化水素基を有するビスマレイミド樹脂と、(B)硬化剤と、(C)比重1.1〜5.0の導電性粒子を含む充填材と、(D)平均粒子径10〜300nmの銀微粒子と、を必須成分とすることを特徴とする。以下、各成分について順番に説明する。
本発明で使用される(A)成分は、主鎖に脂肪族炭化水素基を有するビスマレイミド樹脂であり、2つのマレイミド基を連結する主鎖が、炭素数が1以上の脂肪族炭化水素基を有して構成されるものである。ここで、脂肪族炭化水素基は、直鎖状、分枝鎖状及び環状のいずれの形態でもよく、炭素数が6以上であることが好ましく、炭素数が12以上であることがより好ましく、炭素数が24以上であることが特に好ましい。また、この脂肪族炭化水素基はマレイミド基に直接結合していることが好ましい。
このようなビスマレイミド樹脂を含有することで、耐熱性に優れるとともに、低応力で吸湿後の熱時接着強度の良好な半導体接着用樹脂組成物が得られる。
この(A)成分としては、次の一般式(1)で表されるイミド拡張型のビスマレイミド化合物(A1)が好ましいものとして挙げられる。
Figure 0006563700
(式中、nは1〜10の整数である。)
このビスマレイミド化合物(A1)としては、例えば、BMI−3000(デジグナーモレキュールズ社製、商品名;分子量 3000)、BMI−5000(デジグナーモレキュールズ社製、商品名;分子量 5000)、等が挙げられる。
このビスマレイミド化合物(A1)はポリスチレン換算による数平均分子量が500以上5000以下であることが好ましく、1000以上3000以下であることがより好ましい。数平均分子量が500未満では耐熱性が低下し、5000を超えると半導体装置製造時の仮付け性が低下する傾向にあるため好ましくない。
また、この(A)成分としては、次の一般式(2)で表されるビスマレイミド化合物(A2)が好ましいものとして挙げられる。
Figure 0006563700
(式中、Qは炭素数6以上の2価の直鎖状、分枝鎖状又は環状の脂肪族炭化水素基を示し、Pは2価の原子又は有機基であって、O、CO、COO、CH、C(CH、C(CF、S、S、SO及びSOから選ばれる2価の原子又は有機基を少なくとも1つ以上含む基であり、mは1〜10の整数を表す。)が好ましく用いられる。ここで、Pで表される2価の原子は、O、S等が挙げられ、2価の有機基は、CO、COO、CH、C(CH、C(CF、S、SO、SO等、また、これらの原子又は有機基を少なくとも1つ以上含む有機基が挙げられる。上記した原子又は有機基を含む有機基としては、上記以外の構造として、炭素数1〜3の炭化水素基、ベンゼン環、シクロ環、ウレタン結合等を有するものが挙げられ、その場合のPとして次の化学式で表される基が例示できる。
Figure 0006563700
このビスマレイミド化合物(A2)としては、BMI−1500(デジグナーモレキュールズ社製、商品名;分子量 1500)、等が挙げられる。
この(A)成分は1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。(A)成分の配合比率が高いほど、吸湿後熱時接着強度の良好な半導体接着用樹脂組成物が得られる。なお、(A1)成分を配合することでよりシート形成能に優れたものに、また、(A2)成分を配合することでより追従性に優れたものが得られる傾向にある。
また、(A)成分の2種以上を混合する際、上記ビスマレイミド化合物(A1)とビスマレイミド化合物(A2)とを併用することが好ましい。このとき、ビスマレイミド化合物(A1)と(A2)とを、質量基準で、(A1)/(A2)が5/95〜30/70の比率で組み合わせて用いることが好ましい。上記比率で(A1)が5以上であると、シート状の成形性が向上し、30以下であると仮付け性が良好であり好ましい。すなわち、(A1)/(A2)が上記範囲にあると、シート成形が容易で、仮付け性の良好な半導体接着用樹脂組成物が得られる。
本発明に用いられる(B)硬化剤は、通常、ラジカル重合に用いられている重合触媒であれば特に限定されないが、好ましくは、過酸化物である。また、過酸化物としては有機過酸化物がより好ましく、さらに、120℃以下の加熱でラジカルを発生するものが好ましい。
この(B)成分の有機過酸化物としては、例えば、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、アシルパーオキサイド、クメンパーオキサイド等が挙げられる。
この(B)成分の硬化剤は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、(B)成分の含有量は、硬化性と保存安定性の観点から、(A)成分の樹脂100質量部当たり、0.1〜10質量部が好ましく、0.2〜5質量部がより好ましい。
本発明に用いられる(C)充填材は、比重1.1〜5.0の導電性粒子を含むものである。この導電性粒子としては比重1.1〜4.0であることが好ましい。
(C)充填材の比重がこの範囲にあると、樹脂組成物の調整時及びシート状成形時等に充填材の沈降が抑制され、シートの厚さ方向に対して充填材が均一に分散した接着用シートが得られるため好ましい。
(C)充填材の比重が1.1未満では導電性金属の含有率が低く十分な焼成が行われないおそれがあり、比重が5.0超では樹脂組成物の塗布時に(C)成分の充填材が沈降し、下側に多く偏在することとなり、十分な熱伝導性や導電率が得られなくなるおそれがある。
この(C)充填材としては、例えば、球状アルミニウム粉等の球状金属粉、球状シリカ粉、球状アルミナ粉、球状チタニア粉等の粉体状の金属酸化物を核とし、その表面を導電性金属で被覆した金属被覆粉、耐熱性樹脂粒子を核とし、その表面を導電性金属で被覆した金属被覆粉等が挙げられる。
金属被覆粉の場合、被覆する導電性金属の含有率は10〜60質量%であることが好ましく、含有率がこの範囲にあると低比重でありながら、良好な熱伝導率と導電性を有する充填材が得られる。
導電性金属としては金または銀が好ましく、特に、球状シリカの表面を含有率10〜60質量%で銀被覆した銀被覆粒子が好ましい。銀被覆した球状シリカを高充填することで良好な熱伝導率と導電性を有するとともに、半導体素子との線膨張係数の差が小さい半導体接着用樹脂組成物が得られる。
本発明において(C)充填材の粒径は、レーザー回折散乱式粒度分布測定法による体積平均粒径D50が1〜10μmであることが好ましい。さらに、(粒子の最大長径/最大長径に直交する幅)で定義されるアスペクト比が、1.0〜1.2のものが好ましい。
アスペクト比がこの範囲にある球状粒子を用いることで、シートの厚さ方向に対して良好な導電性のネットワークが形成されることから、熱伝導性や導電率が向上でき好ましい。さらに、アスペクト比が上記範囲にあることで、粒子表面に均一に導電性金属を被覆することが容易となるため、被覆した導電性金属の剥落やクラック等の問題が発生しにくいという効果がある。
本発明に用いる(D)銀微粒子は平均粒子径10〜300nmの粒子である。この(D)銀微粒子の形状は、球状、鱗片状、プレート状、針状、ロッド状等、何れも使用可能であり特に限定されない。球状粒子以外は平均粒子径は短辺を指すものである。
なお、この平均粒子径は、TEM又はSEMにより、無作為に100個試料を抽出したものの粒子径について算術平均により測定されるものである。
この銀微粒子は、分子量20000以下の窒素、炭素、酸素を構成要素として有する有機化合物、具体的にはカルボキシル基、アミノ基等の官能基を含む有機化合物で表面が被覆されていることが好ましい。これにより銀微粒子の凝集を抑制し、分散性が向上する。
ここで使用されるカルボキシル基を含む有機化合物としては、分子量が110〜20000の有機カルボン酸から選ばれる1種以上の有機化合物が挙げられ、例えば、ヘキサン酸、へプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸、テトラデカン酸、エイコサン酸、ドコサン酸、2−エチルヘキサン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、末端ジプロピオン酸ポリエチレンオキシドのようなカルボン酸が挙げられる。さらに、上記有機化合物としては、上記したカルボン酸のカルボン酸誘導体も使用できる。
また、ここで使用されるアミノ基を含む有機化合物としては、アルキルアミン等が挙げられ、例えば、ブチルアミン、メトキシエチルアミン、2−エトキシエチルアミン、へキシルアミン、オクチルアミン、3−ブトキシプロピルアミン、ノニルアミン、ドデシルアミン、へクサドデシルアミン、オクタデシルアミン、ココアミン、タロウアミン、水酸化タロウアミン、オレイルアミン、ラウリルアミン、ステアリルアミン、3−アミノプロピルトリエトキシシランなどのような第1級アミン;ジココアミン、ジ水素化タロウアミン、ジステアリルアミンなどのような第2級アミン;ドデシルジメチルアミン、ジドデシルモノメチルアミン、テトラデシルジメチルアミン、オクタデシルジメチルアミン、ココジメチルアミン、ドデシルテトラデシルジメチルアミン、トリオクチルアミンなどのような第3級アミンや;その他に、ナフタレンジアミン、ステアリルプロピレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナンジアミン、末端ジアミンポリエチレンオキシド、トリアミン末端ポリプロピレンオキシド、ジアミン末端ポリプロピレンオキシドなどのようなジアミンがある。
銀微粒子を被覆する有機化合物の分子量が20000より大きくなると、有機化合物の金属粒子表面からの脱離が起こりにくくなり、樹脂組成物から構成した接着用シートを焼成した後において硬化物内に上記有機化合物が残存する可能性があり、その結果熱伝導性や導電性の低下が生じることがある。また、この有機化合物の分子量としては50以上が好ましい。分子量が50未満では銀微粒子の貯蔵安定性に劣るため好ましくない。
したがって、以上の観点からは、表面を被覆する有機化合物の分子量は貯蔵安定性を担保できる限りはなるべく小さい方が好ましい。
この銀微粒子は、銀微粒子とそれを被覆又は分散する有機化合物との質量比が90:10〜99.5:0.5とするのが好ましい。このとき、有機化合物が銀微粒子に対して少ないと凝集の抑制が不十分となってしまい、多いと焼成した後の硬化物内に上記有機化合物が残存する可能性があり、その結果導電性の低下が生じることがある。
本発明において、(C)成分と(D)成分の割合は、これらの合計量を100としたとき、(C)成分:(D)成分の質量比が10:90〜90:10であることが好ましく、50:50〜90:10がさらに好ましい。(C)成分に対して(D)成分が少なすぎると、高熱伝導性の確保が難しく、(D)成分が多すぎると、硬化物中にボイド発生のおそれがあり、それにより熱伝導性や導電性が低下するおそれがある。
ここで、上記(C)成分の充填材と(D)成分の銀微粒子の合計量は、樹脂組成物全体の40〜80質量%となるように配合される。(C)成分と(D)成分の合計が40質量%未満であると熱伝導性や導電性が得られなくなるおそれがあり、80質量%を超えると樹脂組成物として機能しなくなるおそれがあるため好ましくない。
本発明は上記(A)〜(D)成分を必須成分とするが、本発明の効果を阻害しない範囲で、次に挙げるような他の成分を含有してもよい。
本発明において、さらに(E)フラックス成分としての有機物を添加してもよい。ここでフラックス成分は、半導体素子を接合する支持部材の酸化被膜を除去するフラックス活性を有するものをいう。
この(E)フラックス成分としては、例えば、カルボン酸類が挙げられ、このカルボン酸類としては、脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸のいずれであってもよい。
脂肪族カルボン酸としては、例えば、マロン酸、メチルマロン酸、ジメチルマロン酸、エチルマロン酸、アリルマロン酸、2,2’−チオジ酢酸、3,3’−チオジプロピオン酸、2,2’−(エチレンジチオ)ジ酢酸、3,3’−ジチオジプロピオン酸、2−エチル−2−ヒドロキシ酪酸、ジチオジグリコール酸、ジグリコール酸、アセチレンジカルボン酸、マレイン酸、リンゴ酸、2−イソプロピルリンゴ酸、酒石酸、イタコン酸、1,3−アセトンジカルボン酸、トリカルバリン酸、ムコン酸、β−ヒドロムコン酸、コハク酸、メチルコハク酸、ジメチルコハク酸、グルタル酸、α−ケトグルタル酸、2−メチルグルタル酸、3−メチルグルタル酸、2,2−ジメチルグルタル酸、3,3−ジメチルグルタル酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸、クエン酸、アジピン酸、3−t−ブチルアジピン酸、ピメリン酸、フェニルシュウ酸、フェニル酢酸、ニトロフェニル酢酸、フエノキシ酢酸、ニトロフェノキシ酢酸、フェニルチオ酢酸、ヒドロキシフェニル酢酸、ジヒドロキシフェニル酢酸、マンデル酸、ヒドロキシマンデル酸、ジヒドロキシマンデル酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸、スベリン酸、4,4’−ジチオジ酪酸、桂皮酸、ニトロ桂皮酸、ヒドロキシ桂皮酸、ジヒドロキシ桂皮酸、クマリン酸、フェニルピルビン酸、ヒドロキシフェニルピルビン酸、カフェ酸、ホモフタル酸、トリル酢酸、フェノキシプロピオン酸、ヒドロキシフェニルプロピオン酸、ベンジルオキシ酢酸、フェニル乳酸、トロパ酸、3−(フェニルスルホニル)プロピオン酸、3,3−テトラメチレングルタル酸、5−オキソアゼライン酸、アゼライン酸、フェニルコハク酸、1,2−フェニレンジ酢酸、1,3−フェニレンジ酢酸、1,4−フェニレンジ酢酸、ベンジルマロン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、ウンデカン二酸、ジフェニル酢酸、ベンジル酸、ジシクロヘキシル酢酸、テトラデカン二酸、2,2−ジフェニルプロピオン酸、3,3−ジフェニルプロピオン酸、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)吉草酸、ピマール酸、パラストリン酸、イソピマル酸、アビエチン酸、デヒドロアビエチン酸、ネオアビエチン酸、アガト酸などが挙げられる。
芳香族カルボン酸としては、例えば、安息香酸、2−ヒドロキシ安息香酸、3−ヒドロキシ安息香酸、4−ヒドロキシ安息香酸、2,3−ジヒドロキシ安息香酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、2,5−ジヒドロキシ安息香酸、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、3,4−ジヒドロキシ安息香酸、2,3,4−トリヒドロキシ安息香酸、2,4,6−トリヒドロキシ安息香酸、3,4,5−トリヒドロキシ安息香酸、1,2,3−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸、2−[ビス(4−ヒドロキシフェニル)メチル]安息香酸、1−ナフトエ酸、2−ナフトエ酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、2−ヒドロキシ−1−ナフトエ酸、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3,5−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3,7−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2−フェノキシ安息香酸、ビフェニル−4−カルボン酸、ビフェニル−2−カルボン酸、2−ベンゾイル安息香酸などが挙げられる。
これらの中でも、保存安定性や入手容易さの観点から、コハク酸、リンゴ酸、イタコン酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸、アジピン酸、3,3’−チオジプロピオン酸、3,3’−ジチオジプロピオン酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸、スベリン酸、セバシン酸、フェニルコハク酸、ドデカン二酸、ジフェニル酢酸、ベンジル酸、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)吉草酸、アビエチン酸、2,5−ジヒドロキシ安息香酸、3,4,5−トリヒドロキシ安息香酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸、2−[ビス(4−ヒドロキシフェニル)メチル]安息香酸などを用いることが望ましい。これらの化合物は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(E)フラックス成分は、ジカルボン酸が特に好ましく、分解温度が100〜300℃、好ましくは150〜290℃であるものが好ましい。
接合する支持部材の酸化被膜の除去だけでなく、接合加熱時の交換反応による(C)成分と(D)成分の表面に存在するステアリン酸、パルミチン酸、ヘキサン酸、オレイン酸等の表面処理剤を、それに含まれる酸化被膜、酸化銀の除去と同時に、ジカルボン酸それ自身が分解もしくは蒸散するため、その後の銀同士の焼結を邪魔することはない。このことにより、添加前よりも低温で銀同士が焼結する焼結促進効果が得られる。
この(E)フラックス成分の沸点が100℃未満であると、常温であっても揮発性が高くなるため、分散媒の揮発による還元能力の低下が生じやすく、安定した接着強度を得ることができなくなるおそれがある。また、(E)フラックス成分の沸点が300℃を超えると、導電膜の焼結が生じにくく、緻密性に欠け、揮発せず膜中にフラックス成分が残存することとなるので好ましくない。
(E)フラックス成分の含有量としては、(C)成分と(D)成分の合計100質量部に対して0.01〜5質量部であることが好ましい。この含有量が5質量部を超えるとボイド発生による信頼性に悪影響を与えるおそれがあり、含有量が0.01質量部未満であると、フラックス活性が機能しないおそれがあるため好ましくない。
本発明においては、さらに(F)ナノカーボンを含んでもよい。「ナノカーボン」とは、その材料の形状において、少なくとも一辺が1000nm以下(好適には500nm以下)の大きさを有する微小なカーボンを意味し、例えば、カーボンナノチューブ(単層・二層・多層タイプ、カップスタック型)、カーボンナノファイバー等を挙げることができる。
これらのナノカーボンの中でも、繊維状突起が触手のような効果を果たし、銀粒子同士がセラミックス粒子を介して良好に接続でき、熱伝導率を効果的に向上できることからカーボンナノチューブが好適である。
カーボンナノチューブは、シングルウォールカーボンナノチューブであっても、マルチウォールカーボンナノチューブであってもよい。カーボンナノチューブの平均繊維長さは、0.1〜100μmが好ましく、0.1〜50μmがより好ましく、0.1〜20μmが特に好ましい。また、カーボンナノチューブの平均繊維径は、5〜200nmが好ましく、8〜160nmがより好ましく、9〜120nmが特に好ましい。
また、(F)ナノカーボンは、ナノカーボンを分散して含有するように焼結させて得られたセラミックス粒子であってもよい。ナノカーボンを分散状態で含有するセラミックス粒子の製造方法は、ナノカーボンを分散して含有させたセラミックス原料粒子が得られれば特に限定されることなく、例えば、所定量のナノカーボン及びセラミックス原料粒子を溶媒中に配合し、スラリーとし、これを乾燥させた後焼結する方法が挙げられる。なお、この際、粒子のセラミックス表面からナノカーボンの一部が突出するように形成する。
(F)ナノカーボンとして、ナノカーボンを分散して含有するように焼結させて得られたセラミックス粒子の場合、そのセラミックス粒子は、平均粒径1〜10μmの大きさの粒子が好ましい。ここで平均粒径は、レーザー回折散乱式粒度分布測定法による体積基準で得られる粒度分布において、50%積算値(D50)をいう。
(F)ナノカーボンを含むことにより、シート状樹脂組成物中に形成された銀粒子のネットワークに、ナノカーボンが絡むことにより熱伝導性や導電性に優れた樹脂組成物が得られる。
(F)成分の配合量は樹脂組成物全体の5質量%以下であることが好ましい。(F)成分の配合量が5質量%を超えると粘度が増大し、作業性が低下するおそれがある。なお、この配合量は、セラミックス粒子とした場合は、その中に含まれるナノカーボンのみの量である。
本発明において、さらに(G)ヒドロキシル基を有する、(メタ)アクリル酸エステル化合物又は(メタ)アクリルアミド化合物を含んでもよい。ヒドロキシル基を含有することにより、還元効果による焼結性が促進されると共に、接着性が向上する。
ここで(G)成分は、(メタ)アクリル酸エステル化合物又は(メタ)アクリルアミド化合物を基本骨格とし、炭素数4〜100の脂肪族炭化水素基からなる置換基を有していてもよい。ヒドロキシル基は脂肪族炭化水素基の水素原子が置換されたアルコール性の基として有するものである。このヒドロキシル基の含有量は、1分子中に1〜50個が好ましく、ヒドロキシル基の含有量がこの範囲にあると硬化過多による焼結性の阻害がないため好ましい。
(G)成分の配合量は、上記(C)成分の充填材と(D)成分の銀微粒子の合計量100質量部に対して、1〜20質量部が好ましい。このような配合範囲とすることで、半導体素子の素子支持部材上への接合において良好な接着強度が得られる。この配合量が、20質量を越えると硬化物層中の樹脂含有率が増大し、熱伝導率特性及び比抵抗が低下する傾向があり、1質量部未満であると、接着強度が低下する傾向がある。
本発明において、さらに(H)カップリング剤を含有してもよい。カップリング剤としては、特に限定されないが、例えば、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、ジルコネート系カップリング剤、ジルコアルミネート系カップリング剤などが挙げられる。
(H)成分であるカップリング剤の配合量は、樹脂組成物全体に対して、0.01〜5質量%の範囲が好ましく、0.05〜4質量%の範囲がより好ましい。0.01質量%未満では、接着性を向上させる効果が得られず、5質量%を超えるとペースト塗布時にブリード現象が生じるおそれがあるため好ましくない。
本発明の樹脂組成物には、以上の各成分の他、本発明の効果を阻害しない範囲で、この種の組成物に一般に配合される、硬化促進剤、ゴムやシリコーン等の低応力化剤、カップリング剤、消泡剤、界面活性剤、着色剤(顔料、染料)、各種重合禁止剤、酸化防止剤、その他の各種添加剤を、必要に応じて配合することができる。
これらの各添加剤はいずれも1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
このような添加剤としては、エポキシシラン、メルカプトシラン、アミノシラン、アルキルシラン、クレイドシラン、ビニルシラン、スルフィドシランなどのシランカップリング剤や、チタネートカップリング剤、アルミニウムカップリング剤、アルミニウム/ジルコニウムカップリング剤などのカップリング剤、カーボンブラックなどの着色剤、シリコーンオイル、シリコーンゴムなどの固形低応力化成分、ハイドロタルサイトなどの無機イオン交換体、などが挙げられる。
本発明の半導体接着用樹脂組成物は、公知の方法を適用して製造することができる。例えば、上記(A)〜(D)成分、および必要に応じて配合される各種成分を、ポットミル、ボールミル、ビーズミル、ロールミル、ホモジナイザー、スーパーミル、ライカイ機等の公知の混練機を用いて、室温あるいは加熱下において混練した後、必要に応じて溶剤希釈して得られる。
次に、本発明の半導体接着用シートについて説明する。本発明の半導体接着用シートは、上記半導体接着用樹脂組成物をシート状に成形して得られるものである。この半導体接着用シートは、半導体と支持部材とを接合するのに好適であり、特に焼結による接合で良好な導電性及び熱伝導性を発現できる。
本発明の半導体接着用シートの製造方法は、上記したように溶剤希釈して得られる半導体接着用樹脂組成物において、その粘度を0.5〜2Pa・s程度に調製し、その後、支持フィルム上に公知の方法により塗布し、乾燥させることにより得られる。
具体的には、支持フィルム上に、バーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法、グラビアコート法等の公知の塗布方法により塗布し、乾燥処理し、半硬化状態とすることにより得られる。
支持フィルムとしては、片面に離型剤層を設けた、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリアクリロニトリル等のプラスチックフィルムが使用される。この支持フィルムの厚みは、ハンドリング性の点から、通常10〜50μm、好ましくは25〜38μmである。
また、上記方法により得られる半導体接着用シートは、上記樹脂組成物からなる接着層の乾燥後の厚みが5〜50μmとなるように塗布することが好ましく、10〜30μmであることがより好ましい。
本発明の半導体装置は、上記した半導体接着用シートを用いて、半導体素子を基板等の支持部材上に接合してなるものである。すなわち、ここで半導体接着用シートは熱伝導性・導電性ダイアタッチシートとして使用される。
本発明の半導体装置は、例えば、シリコンチップの接合面等に、温度50〜80℃、圧力0.1〜1MPa、加熱加圧時間0.1〜1分の条件で仮付けした後、銅フレーム等の支持部材にマウントし、温度80℃〜200℃、圧力0.1〜5MPa、加熱加圧時間0.1〜1分の条件で加熱加圧圧着し、さらに200〜250℃で0.5〜2時間加熱、硬化することにより製造できる。
ここで、半導体素子は、トランジスタ、ダイオード、発光素子等公知の半導体素子が挙げられるが、特にシリコンカーバイド(SiC:Silicon Carbide)デバイス等のパワー半導体素子に好適である。また、支持部材は、銅、銀メッキ銅、PPF(プリプレーティングリードフレーム)、ガラスエポキシ、セラミックス、DBC基板等が挙げられる。
このようにして得られた半導体装置は、優れた熱伝導性及び導電性を有する半導体接着用シートで支持部材上に接合されているためボイドレスで、フィレットが形成されないため、側面への接着剤の這い上がりがなく、サイズの縮小化に有効である。さらに、実装後の温度サイクルに対する接続信頼性も良好なものとなる。
(製造例1)
<球状銀被覆シリカ粒子の調製>
体積平均粒径D50が3.5μmの球状シリカ粒子(株式会社龍森製、商品名:US−5)10gをアルカリ脱脂、酸中和してエッチングし、水洗後、二塩化パラジウム溶液に加え、撹拌し、パラジウム付着基材粒子を得た。
得られた基材粒子を脱イオン水300mL中で3分撹拌し、金属ニッケル粒子スラリー(三井金属鉱業株式会社製、商品名:2020SUS)1gを添加し、パラジウムを触媒核としてニッケルを析出させ、ニッケル粒子付着基材粒子を得た。
得られた基材粒子を、蒸留水1000mLで希釈し、メッキ安定剤4mLを加えて撹拌した。
その後、硫酸ニッケル400g/L、次亜リン酸ナトリウム100g/L、クエン酸ナトリウム100g/L、メッキ安定剤6mLの混合溶液150mLを、基材粒子混合溶液に撹拌しながら徐々に添加し、基材粒子に下地層となるニッケル被膜を形成した。メッキ後の液を濾過し、濾過物を水洗した後、乾燥し、ニッケル被膜基材粒子を得た。
得られたニッケル被膜基材粒子を、硝酸銀5g、蒸留水1200mL、ベンズイミダゾール10gを混合した溶液に、さらにコハク酸イミド30g、クエン酸4gを混合溶解し、グリオキシル酸10gを加えて調製した無電解銀メッキ液に、投入した。80℃で加熱撹拌を行い無電解メッキを行った後、水洗し、アルコールで置換した銀被膜粒子を乾燥し、銀被覆シリカ粒子を得た。得られた銀被覆シリカ粒子はアスペクト比1.01、比表面積1.5m/g、体積平均粒径D50=3.8/μm、体積平均粒径の比D50/D10=1.8、最大粒径19μm、比重2.8であり、銀被覆量は27.3質量%であった。
<実施例1〜3、比較例1〜4>
表1に示す配合割合で各成分を十分に混合し、三本ロールで混練して樹脂組成物を調製した後、溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGM)及びメチルエチルケトンを加えて固形分40質量%の樹脂組成物を調製した。
得られた樹脂組成物を、厚さ40μmのポリプロピレンフィルムに、ロールコーターで乾燥後の厚さが15μmになるように塗布乾燥し、半導体接着用シートを得た。
(A)成分
(A1):主鎖に脂肪族炭化水素基を有する固形ビスマレイミド樹脂(デジグナーモレキュールズ社製、商品名:BMI−5000;数平均分子量5000)
(A2):主鎖に脂肪族炭化水素基を有する液状ビスマレイミド樹脂(デジグナーモレキュールズ社製、商品名:BMI−1500;数平均分子量1500)
(B)成分:ジクミルパーオキサイド(日本油脂株式会社製、商品名:パークミルD)
(C)成分:製造例1による球状銀被覆シリカ粒子(平均粒子径:3.8μm、比重:2.8)
その他の充填材:銀粒子(福田金属箔粉工業株式会社製、商品名:AgC−212D、平均粒子径:5μm、比重:10.5)
(D)成分
(Dl):プレート型銀微粒子(トクセン工業株式会社製、商品名:M13;中心粒子径:2μm、厚み:50nm以下)
(D2):球状銀微粒子(三ツ星ベルト株式会社製、商品名:MDot;平均粒径:50nm)
(E)成分:リンゴ酸
(F)成分:カーボンナノチューブ(昭和電工株式会社製、商品名:VGCF;平均繊維径:80nm、平均繊維長さ:10μm)
(G)成分:ヒドロキシルエチルアクリルアミド(株式会社興人製、商品名:HEAA)
(H)成分:グリシドキシオクチルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製、商品名:KBM−4803)
<評価方法>
[取り扱い性]
得られた半導体接着用シートを180度折り曲げて、下記の基準で評価した。
○:割れ及びフィルムからの剥離なし
△:フィルムからの剥離はないが、外観に異常有り
×:割れ又はフィルムからの剥離が発生
[仮付け性]
6mm×6mmのシリコンチップ及び接合面に金蒸着層を設けた裏面金チップに半導体接着用シートを65℃、1秒、圧力1MPaの条件で圧着したとき、貼り付け可能な場合を○、貼り付け不能な場合を×として判定した。
[熱時接着強度]
6mm×6mmのシリコンチップ及び接合面に金蒸着層を設けた裏面金チップに半導体接着用シートを65℃、1秒、圧力1MPaの条件で仮付けした後、無垢の銅フレーム及びPPF(Ni−Pd/Auめっきした銅フレーム)にマウントし、125℃、5秒、圧力0.1MPaで加熱加圧圧着し、さらに220℃のオーブンで1時間硬化した。
硬化及び吸湿処理(85℃、相対湿度85%、72時間)後、マウント強度測定装置を用い、260℃での熱時ダイシェア強度を測定した。
[熱伝導率]
JIS R 1611−1997に従い、レーザーフラッシュ法により硬化物の熱伝導率を測定した。
[電気抵抗]
半導体接着用シートを、ガラス基板(厚み1mm)に65℃、1秒、圧力1MPaの条件で貼り付け、200℃、60分で硬化した。得られた配線をMCP−T600(三菱化学株式会社製、商品名)を用い4端子法にて電気抵抗を測定した。
[耐パッケージクラック性]
(1)耐IRリフロー性
半導体接着用シートを介して、6mm×6mmのシリコンチップを銅フレーム及びPPFにマウントし、ホットプレート上で、200℃、60秒間、圧力2.5MPaの加熱硬化(HP硬化)又はオーブンを使用し、200℃、60分、圧力2.5MPaの加熱硬化(OV硬化)を行った。これを京セラケミカル株式会社製エポキシ封止材(商品名:KE−G3000D)を用い、下記の条件で成形したパッケージを85℃、相対湿度85%、168時間吸湿処理した後、IRリフロー処理(260℃、10秒)を行い、パッケージの内部クラックの発生数を超音波顕微鏡で観察した。
5個のサンプルについてクラックの発生したサンプル数を示す。
(2)耐冷熱衝撃性
上記試料片を用いて、冷熱サイクル処理(−55℃から150℃まで昇温し、また−55℃に冷却する操作を1サイクルとし、これを1000サイクル)を行い、各処理後それぞれのパッケージの内部クラックの発生数を超音波顕微鏡で観察した。
5個のサンプルについてクラックの発生したサンプル数を示す。
詳細な試験片作成条件は以下の通り。
パッケージ:80pQFP(14mm×20mm×2mm厚さ)
チップ:シリコンチップ及び裏面金メッキチップ
リードフレーム:PPF及び銅
封止材の成形:175℃、2分間
ポストモールドキュアー:175℃、8時間
[ボイド率]
マイクロフォーカスX線検査装置(株式会社島津製作所製、商品名:SMX−1000)を用いて観察し、ボイド率が5%未満を「○」、5%以上8%未満を「△」、8%以上を「×」と評価した。なお、上記ボイド率は、X線透過装置によりはんだ接合部を接合面に対し垂直方向から観察し、ボイド面積と接合部面積を求め、下式により算出した。
ボイド率(%)=ボイド面積÷(ボイド面積+接合部面積)×100
これらの特性評価の結果を、半導体接着用樹脂組成物の組成とともに表1に示す。
Figure 0006563700
以上より、優れた熱伝導性及び導電性を発現できる接着材料として有用な樹脂組成物が得られることがわかった。したがって、この樹脂組成物により半導体素子を支持部材上に接着した半導体装置は、半導体素子を支持部材に優れた熱伝導性及び導電性を有し、また、フィレットを発生させずに接合できる。以上より、本発明の樹脂組成物は、半導体接着用(特に、パワー半導体接着用)に優れたものであり、これを用いることで効率性の向上した、信頼性の高い半導体装置を提供できる。

Claims (6)

  1. (A)主鎖に脂肪族炭化水素基を有するビスマレイミド樹脂と、
    (B)硬化剤と、
    (C)比重1.1〜5.0の導電性粒子を含む充填材と、
    (D)平均粒子径10〜300nmの銀微粒子と、
    を必須成分とする半導体接着用樹脂組成物であって、
    前記(A)成分が次の一般式(1)で表されるビスマレイミド化合物(A1)
    Figure 0006563700
    (式中、nは1〜10の整数を表す。)を含むことを特徴とする半導体接着用樹脂組成物。
  2. 前記(A)成分が、次の一般式(2)で表されるビスマレイミド化合物(A2)
    Figure 0006563700
    (式中、Qは炭素数6以上の2価の直鎖状、分枝鎖状又は環状の脂肪族炭化水素基を示し、PはO、CO、COO、CH、C(CH、C(CF、S、S、SO及びSOから選ばれる2価の原子又は有機基、或いは、これら原子又は有機基を少なくとも1つ以上含む有機基であり、mは1〜10の整数を表す。)を含むことを特徴とする請求項1記載の半導体接着用樹脂組成物。
  3. 前記(C)成分が、銀含有率10〜60質量%の銀被覆粒子であることを特徴とする請求項1又は2記載の半導体接着用樹脂組成物。
  4. 前記(C)成分が、銀被覆シリカであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の半導体接着用樹脂組成物。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項記載の半導体接着用樹脂組成物を、シート状に成形してなることを特徴とする半導体接着用シート。
  6. 請求項5記載の半導体接着用シートを介して、半導体素子を支持部材上に接合してなることを特徴とする半導体装置。
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