JP6380792B2 - 銀ペースト及びそれを用いた半導体装置、並びに銀ペーストの製造方法 - Google Patents

銀ペースト及びそれを用いた半導体装置、並びに銀ペーストの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、銀ペースト及びそれを用いた半導体装置、並びに銀ペーストの製造方法に関する。さらに詳しくは、パワー半導体、LSI、発光ダイオード(LED)等の半導体素子をリードフレーム、セラミック配線板、ガラスエポキシ配線板、ポリイミド配線板等の支持部材に接着するのに使用される銀ペースト及びそれを用いた半導体装置、並びに銀ペーストの製造方法に関する。
半導体装置を製造する際、半導体素子と半導体素子搭載用支持部材とを互いに接着させる方法としては、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂等のバインダ樹脂、銀粉等の充てん剤、溶剤などを混合し、ペースト状として、これを接着剤として使用する方法がある。近年では半導体パッケージの高集積化に伴いパワー密度(W/cm)が高くなっており、半導体素子の動作安定性を確保するために、接着剤には高い放熱性が求められる。また、半導体素子の使用環境温度が高温となっているために、接着剤には耐熱性も求められる。さらに、環境負荷の低減のためにPbを含まない接着剤が求められている。以上のような経緯から、バインダ樹脂成分を含まない焼結タイプの銀ペーストが研究されている。
銀ペーストの使用方法としては、例えば、ディスペンサー、印刷機、スタンピングマシン等を用いて、銀ペーストを半導体素子搭載用支持部材のダイパッドに塗布した後、半導体素子をダイボンディングし、加熱硬化により接着させ半導体装置とする方法が挙げられる。銀ペーストに要求される特性は、接着時の工法に関わる内容と、接着後の銀焼結体の物性に関わる内容とに大別される。
接着時の工法に関わる内容としては、半導体素子の損傷を防ぐために、低温(例えば300℃程度)、及び低加圧(例えば0.1MPa程度)又は無加圧で接着できることが要求される。また、スループット向上の観点から、接着に要する時間の短縮が求められる。一方、接着後の銀焼結体の物性に関わる内容としては、半導体素子と半導体素子搭載用支持部材との接着を確保するために高接着性(高いダイシェア強度)が要求される。また、銀焼結体の高放熱特性(高熱伝導性)も求められている。さらに、長期間にわたる接着信頼性を確保するために、銀焼結体の耐熱性及び高緻密性(硬化物中に空孔が少ないこと)が要求される。
従来の銀ペーストとして、例えば特許文献1〜2に開示されるような特殊な表面処理を施したマイクロサイズの銀粒子を用いることで、400℃以下の加熱により銀粒子同士が焼結するような銀ペーストが提案されている(従来技術1)。また、例えば特許文献3〜4に開示されるような、ナノサイズの銀粒子を用いることで銀焼結体を形成する銀ペーストが提案されている(従来技術2)。また、例えば特許文献5に開示されるような、マイクロサイズ銀粒子と、沸点が130〜250℃のアミノ基またはカルボキシル基を有する有機物で被覆したナノサイズの銀粒子とを混合した銀ペーストが提案されている(従来技術3)。
特許第4353380号公報 特開2012−84514号公報 特許第4414145号公報 特許第5487301号公報 特開2012−119132号公報
従来技術1〜3の銀ペーストに係る問題点は、形成される銀焼結体の緻密性が十分でないことであり、このような銀焼結体では、半導体装置の通電に伴う温度変化により割れが進展しやすい。その結果、半導体装置の接着を確保できずに剥離するおそれがある。また、銀以外の金属、例えば、金に対して接着した場合、接着界面における銀原子と金原子の拡散速度の違いにより、接着界面の近傍に空隙が集中し、接着強度が低くなる課題がある。さらに、これらの銀ペースト中に含まれる有機物は窒素中や水素中では脱離しにくいために、窒素中や水素中で焼結することが困難となる。そのため、酸化を抑制するために窒素中や水素中で接合する必要のある金属、例えば銅、ニッケルなどに対してこれらの銀ペーストでは接合できないという課題がある。
上記の従来技術に係る問題に鑑みて、本発明は、低温かつ低加圧(あるいは無加圧)で焼結した場合であっても、緻密度の高い銀焼結体を形成可能な銀ペーストを提供する。さらには、銀以外の金属に接合した際に、十分な接合強度を示す銀ペーストを提供する。また、無酸素雰囲気中でも焼結して接合可能な銀ペーストを提供する。これらの特性を満たす銀ペースト及びそれを用いた半導体装置、並びに銀ペーストの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、銀粒子及び溶剤を含有する銀ペーストであって、前記銀粒子は、(A)粒子径が1〜300nmである球状の銀粒子と、(B)粒子径が10nm〜7μmの単結晶の銀粒子と、(C)粒子径が500nm〜20μmの非球状の銀粒子とを含み、前記(A)球状の銀粒子の表面を被覆する保護剤が、アミン化合物、カルボン酸化合物、アミノ酸化合物、アミノアルコール化合物、及びアミド化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、前記(B)単結晶の銀粒子の保護剤が、アルコール化合物、カルボン酸化合物、エーテル化合物、及びエステル化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、前記(C)非球状の銀粒子の保護剤が、炭素数2〜20の脂肪族モノカルボン酸である、銀ペーストを提供する。
上記銀ペーストは、前記(A)粒子径が1〜300nmである球状の銀粒子の表面を被覆する保護剤が、アミン化合物およびカルボン酸化合物の2種類からなり、アミン化合物が炭素数2〜20の脂肪族アミン化合物であり、カルボン酸化合物が炭素数2〜20の脂肪族モノカルボン酸であり、2種類の保護剤の吸着量が、銀粒子に対して0.1〜10質量%であることが望ましい。
上記銀ペーストは、前記(A)球状の銀粒子の量が全銀粒子質量の30〜95質量%であり、前記(B)単結晶の銀粒子の量が全銀粒子質量の5〜60質量%であり、前記(C)非球状の銀粒子の量が全銀粒子質量の1〜20質量%であることが望ましい。
上記銀ペーストは、前記溶剤が、大気圧下における沸点が150〜300℃の炭化水素化合物及び150〜350℃のアルコール化合物の少なくとも1種類を含んでおり、該溶剤の量が全ペースト質量の20質量%未満であることが望ましい。
上記銀ペーストは、大気圧下における沸点が100〜300℃のアミン化合物を、全ペースト質量に対して0.1〜5質量%含有することが望ましい。
上記銀ペーストは、銀以外の金属粒子を全ペースト質量に対して0.1〜5質量%含有することが望ましい。
上記銀ペーストは、樹脂成分を全ペースト質量に対して0.1〜5質量%含有することが望ましい。
本発明は、また、上記銀ペーストを焼結してなる焼結体を介して、半導体素子と半導体素子搭載用支持部材とが互いに接着した構造を有する半導体装置を提供する。
本発明は、また、銀粒子及び溶剤を混合して銀ペーストを得る、銀ペーストの製造方法であって、上記銀粒子として、(A)アミン化合物、カルボン酸化合物、アミノ酸化合物、アミノアルコール化合物、及びアミド化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種で被覆された粒子径が1〜300nmである球状の銀粒子と、(B)アルコール化合物、カルボン酸化合物、エーテル化合物、及びエステル化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種で被覆された粒子径が10nm〜7μmの単結晶の銀粒子と、(C)炭素数2〜20の脂肪族モノカルボン酸で被覆された粒子径が500nm〜20μmの非球状の銀粒子とを用いる、銀ペーストの製造方法を提供する。
本発明に係る銀ペーストでは、銀ペースト中に3種類の粒子径の銀粒子を含んでおり、大きな粒子径の銀粒子同士の接触の隙間を、より小さな銀粒子で充填する配合であるため、形成される銀焼結体の緻密度が高くなる。また、3種類の銀粒子の焼結の開始温度が異なるために、銀以外の金属に対して良好な接合が可能となる。また、3種類の銀粒子の焼結は、無酸素雰囲気においても起こるために、窒素中や水素中での焼結が可能であり、大気中で酸化する銅やニッケルなどの金属に対しても接合が可能となる。その結果、半導体部材(半導体素子、半導体素子搭載用支持部材)との接着性に優れ、接着信頼性の高い銀焼結体が得られ、銀焼結体の熱伝導性、電気伝導性等の物性も良好となる。
実施例1の銀粒子のTG−DTA測定結果である。 実施例2の銀粒子のTG−DTA測定結果である。 実施例3の銀粒子のTG−DTA測定結果である。 実施例7の銀粒子のTG−DTA測定結果である。 本発明に係る半導体装置の一実施形態を示す模式断面図である。 本発明に係る半導体装置の他の実施形態を示す模式断面図である。 実施例1の銀粒子の粉末X線回折パターンである。 実施例1の銀粒子のSEM写真である。 実施例7の半導体部材の接続断面のSEM写真である。 比較例1の半導体部材の接続断面のSEM写真である。 比較例2の半導体部材の接続断面のSEM写真である。 比較例3の半導体部材の接続断面のSEM写真である。
以下、本発明の一実施形態について詳細に説明する。
本実施形態に係る銀ペーストは、銀粒子及び溶剤を含有する銀ペーストであって、前記銀粒子は、(A)粒子径が1〜300nmである球状の銀粒子と、(B)粒子径が10nm〜7μmの単結晶の銀粒子と、(C)粒子径が500nm〜20μmの非球状の銀粒子とを含み、前記(A)球状の銀粒子の表面を被覆する保護剤が、アミン化合物、カルボン酸化合物、アミノ酸化合物、アミノアルコール化合物、及びアミド化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、前記(B)単結晶の銀粒子の保護剤が、アルコール化合物、カルボン酸化合物、エーテル化合物、及びエステル化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、前記(C)非球状の銀粒子の保護剤が、炭素数2〜20の脂肪族モノカルボン酸である、銀ペーストである。
(A)球状の銀粒子の粒子径は1〜300nmであり、(B)単結晶の銀粒子の粒子径は、10nm〜7μmであり、(C)非球状の銀粒子の粒子径は、500nm〜20μmである。銀粒子の配合比率は、(A)球状の銀粒子の量が全銀粒子質量の30〜95質量%であり、(B)単結晶の銀粒子の量が全銀粒子質量の5〜60質量%であり、(C)非球状の銀粒子の量が全銀粒子質量の1〜20質量%であることが望ましい。大きな銀粒子同士が接触してできる隙間に微細な銀粒子が効率よく充填するために、銀粒子の配合比率は、(A)球状の銀粒子の量>(B)単結晶の銀粒子の量>(C)非球状の銀粒子の量、の関係を満たしていることが、より望ましい。上記のような銀粒子の配合比率となると、銀粒子全体の充填性がより良好になる。その結果、得られる銀焼結体の緻密度が向上し、接着強度、熱伝導性、接着信頼性等の特性も向上することになる。銀粒子の配合比率において、微細な銀粒子の比率が高くなりすぎると、焼結した場合の体積収縮の程度が大きく、焼結した銀の膜が割れるおそれがあり、また、本発明のダイボンド用途として想定される10〜200μmの厚い焼結膜を形成しにくくなる。他方、粗大な粒子の比率が高くなりすぎると、焼結した場合に空隙の多い焼結体となり、接着強度、熱伝導性、接着信頼性等の特性が低下する。なお、本明細書における銀粒子の粒子径は、SEMを用いて銀粒子を平面視したときの、銀粒子の面積の平方根とする。
銀粒子の形状としては、銀ペーストを構成する銀粒子の中で、最も微細な銀粒子が球状であり(A)、次に大きな銀粒子は単結晶の銀粒子であり(B)、最も大きな銀粒子は非球状である(C)。特に最も大きな非球状の銀粒子(C)は、半導体素子及び半導体素子搭載用支持部材に対する接着強度を高めるために、半導体素子及び半導体素子搭載用支持部材との接着面積を大きくすることが可能な板状銀粒子を使用することが望ましい。なお、本明細書における「板状」とは、銀粒子のアスペクト比(粒子径/厚さ)が2〜1000の範囲である形状を意味する。
なお、球状の球は、半円をその直径を軸として回転させることによって得られる回転体の一種であり、球状は、拡大した場合、見た目が球で、同一球において部分的に直径が±30%以下、好ましくは±10%以下で滑らかに変化する球や楕円球を含め、非球は、球状以外の板状、フレーク状、角状、針状、棒状などをいう。
銀粒子(球状の銀粒子、単結晶の銀粒子、非球状の銀粒子を含む)は、通常その表面が有機物によって被覆されている(本明細書では、この有機物を「保護剤」と記す。)。銀粒子を加熱すると、ある温度で保護剤が脱離し清浄な銀表面が露出する。その際、保護剤が占有していた体積分だけ、銀粒子の体積は縮小する。露出した銀表面は非常に活性が高く、この銀粒子同士が接触すると銀原子の拡散が起こってより大きな銀粒子に成長する。この銀粒子の成長現象を焼結という。つまり、銀粒子の焼結温度は保護剤の脱離温度と考えることができ、焼結温度を低下させるには保護剤の脱離温度を低下させる必要がある。保護剤の脱離温度は、銀粒子と保護剤との間に形成される化学的・物理的結合の強さ、保護剤の熱的安定性等に依存する。本発明者らは、種類の異なる保護剤で被覆された銀粒子は、保護剤の脱離温度、即ち、焼結の温度が異なる事実に着目し、相異なる保護剤で被覆された銀粒子を混合することで、焼結の起こる時間を調整し、その結果、銀以外の金属に対して強固な接合が得られる新規な事実を見出した。さらに、特定の保護剤で被覆された3種類の銀粒子は、窒素中や水素中においても250〜300℃の加熱を行うことで、保護剤が脱離し焼結する。つまり、本発明の銀ペーストは窒素中や水素中で接合する必要のある銅やニッケルに対して接合が可能となる。
銀以外の金属に対して銀ペーストの接合強度が低下する理由を説明する。銀ペーストを用いた場合、通常、銀に対しては良好な接合強度が得られるが、銀以外の金属、例えば、金に対しては接合強度が低下する。接合界面において、金に対する銀原子の拡散速度と、銀に対する金原子の拡散速度が異なっており、金に対して銀原子が拡散する速度の方が非常に速い。その結果、金側に拡散した銀焼結層がある厚みで形成され、その直下は、ボイドや空隙層となる(比較例2の図11)。銀粒子を1種類だけ含む銀ペーストの場合、この現象は顕著となる。ある温度になると、銀粒子が一気に焼結を開始する。金近傍に存在する銀粒子は素早く金側に拡散する。金近傍のさらに直下に存在する銀粒子は周囲の銀粒子と融合していく。その際、銀粒子は保護剤脱離による体積収縮を伴うために、金に対して拡散していく銀粒子と、その直下で焼結していく銀粒子との間で、空間的な解離が生じる。無加圧接合であるため、いったん離れてしまった銀粒子同士は、再び接触することがない。その為、その箇所はボイドとなり、さらに銀粒子の焼結が進んでいくと、ボイドが連続して空隙層となる。その結果、銀と金の接合強度が低下する。
それに対して、本発明の銀ペーストは、保護剤の異なる3種類の銀粒子を含んでいる、即ち、焼結温度の異なる3種類の銀粒子を含んでいる。ある温度になると、最も焼結温度の低い銀粒子が焼結を開始する。金との接合界面付近にこの銀粒子が存在する場合、金側に拡散するが、周囲には2種類の銀粒子が未焼結のまま残っている。その為、金への拡散が阻害される。また、2種類の銀粒子が未焼結のままなので、焼結の際の銀ペースト膜の体積収縮の程度が小さい。その為、金直下のボイド形成が抑制される。この状態で加熱時間を長くしていくと、残りの2種類の銀粒子も焼結温度の低い順に焼結し、最終的には金に対してボイドや空隙層の少ない接合となる。その結果、金に対しても高い接合強度が得られる。
半導体部材(半導体素子、半導体素子搭載用支持部材)を接続する温度(一般に300℃以下)で銀ペーストを速やかに焼結するために、銀粒子の保護剤の脱離温度は300℃以下であることが望ましい。また、各銀粒子の焼結温度の差は、10℃以上であることが望ましい。焼結温度の差が10℃未満となると、1種類の銀粒子で構成された銀ペーストと焼結挙動が同じであり、銀以外の金属への接合強度が低下するおそれがある。
保護剤の脱離温度は、示差熱−熱重量同時測定(Thermogravimetry−Differential Thermal Analysis;TG−DTA)を大気中で行うことにより求めることができる。
本実施形態において、(A)粒子径が1〜300nmである球状の銀粒子の保護剤は、アミン化合物、カルボン酸化合物、アミノ酸化合物、アミノアルコール化合物、及びアミド化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種であることが望ましい。保護剤がアミン化合物およびカルボン酸化合物の2種類からなり、アミン化合物としては炭素数2〜20の脂肪族モノアミン化合物であり、カルボン酸化合物としては炭素数2〜20の脂肪族モノカルボン酸であることが、より望ましい。2種類の保護剤の吸着量は、銀粒子に対して0.1〜10質量%であることが望ましい。
(B)粒子径が10nm〜7μmの単結晶の銀粒子の保護剤は、アルコール化合物、カルボン酸化合物、エーテル化合物、及びエステル化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種であることが望ましい。保護剤は、ポリオール化合物であることがより望ましい。保護剤の吸着量は、銀粒子に対して0.1〜10質量%であることが望ましい。
(C)粒子径が500nm〜20μmの非球状の銀粒子の保護剤は、炭素数2〜20の脂肪族モノカルボン酸であることが望ましい。保護剤の吸着量は、銀粒子に対して0.1〜10質量%であることが望ましい。
前記のアミン化合物として、1−アミノペンタン、2−アミノペンタン、3−アミノペンタン、2−メチルブチルアミン、3−メチルブチルアミン、1,2−ジメチルプロピルアミン、2,2−ジメチルプロピルアミン、N−メチルブチルアミン、N−メチルイソブチルアミン、エチルプロピルアミン、ピペリジン、メチルプロピルアミン、ジエチルアミン、モルホリン、トリエチルアミン、N,N−ジエチルメチルアミン、N,N−ジメチルイソプロピルアミン、N,N,N´−トリメチルエチレンジアミン、N,N−ジメチルエチレンジアミン、1,2−ビス(メチルアミノ)エタン、1,2−ジアミノプロパン、N−メチルエチレンジアミン、1,2−ジアミノエタン等が挙げられる。
前記のカルボン酸化合物として、ギ酸、酢酸、プロピオン酸(プロパン酸)、酪酸(ブタン酸)、吉草酸(ペンタン酸)、カプロン酸(ヘキサン酸)、エナント酸(ヘプタン酸)、カプリル酸(オクタン酸)、ペラルゴン酸(ノナン酸)、カプリン酸(デカン酸)、ラウリン酸(ドデカン酸)、ミリスチン酸(テトラデカン酸)、パルミチン酸(ヘキサデカン酸)、マルガリン酸(ヘプタデカン酸)、ステアリン酸(オクタデカン酸)等の脂式飽和モノカルボン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、ドコサヘサエン酸、エイコサペンタエン酸等の脂式不飽和モノカルボン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸等の脂式ジカルボン酸、安息香酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ヘミメリット酸、ピロメリット酸等の芳香族カルボン酸、マレイン酸及びフマル酸、シクロペンタンカルボン酸などが挙げられる。ヒドロキシル基を有するカルボン酸としては、乳酸、りんご酸、クエン酸及びサリチル酸等が挙げられる。カルボン酸化合物としては炭素数2〜20の脂肪族モノカルボン酸が好ましい。
アミノ酸化合物は、分子内にアミノ基とカルボキシル基をもつ化合物の総称で、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、バリン等が挙げられる。
アミノアルコール化合物として、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、アミノエチルエタノールアミン、n−メチルエタノールアミン、3−アミノ−1−プロパノール等が挙げられる。
アミド化合物は、オキソ酸とアンモニアあるいは1級、2級アミンとが脱水縮合した構造を持つものを指し、カルボン酸アミドの構造やスルホンアミド、リン酸アミド等が挙げられる。上記のカルボン酸化合物とアミン化合物を縮合したものが挙げられる。
前記のアルコール化合物として、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2−メチル−1,3−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,4−ヘプタンジオール、2−メチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,2−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、2,2−ジエチルプロパンジオール−1,3、2,2−ジエチルブタンジオール−1,3、ブテン−2−ジオール−1,4、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、グリセロール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、エリスリトール、D−トレイトール、L−トレイトール、ソルビトール、D−マンニトール、ジグリセロール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、2,2−ビス(ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(β−ヒドロキシプロポキシフェニル)プロパン、シクロヘキシルジメタノール、ペンタエリトリット等のポリオール化合物、シクロヘキサノール、メチルイソブチルカルビノール、イソアミルアルコール、ベンジルアルコール、フルフリルアルロール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールtert−ブチルエーテル、3−メチル−3−メトキシブタノール、メトキシブタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル等の1価のアルコールが挙げられる。
前記のエーテル化合物は、R−O−R´(R、R´はアルキル基、アリール基などの有機基、Oは酸素原子)の形で表される化合物を示す。また、環状の炭化水素の炭素が酸素で置換された構造を持つエーテルの環状エーテルで三員環エポキシド、四員環のオキセタン、五員環のテトラヒドロフラン、六員環のテトラヒドロピラン、クラウンエーテル等が挙げられる。
前記のエステル化合物は、有機酸または無機酸のオキソ酸とアルコールまたはフェノールのようなヒドロキシル基を含む化合物との縮合反応で得られる化合物であり、カルボン酸化合物とアルコール化合物から成るカルボン酸エステルとして、前記のカルボン酸化合物と前記のアルコール化合物の縮合物が挙げられる。
銀粒子の保護剤の量は、0.1質量%以上であると、銀粒子を良好に被覆でき、その結果、銀粒子同士の凝集を抑制でき、銀粒子の溶剤への分散性を確保できる。一方、保護剤の量が10質量%以下であると、銀粒子が焼結する際に体積収縮するのを抑制でき、その結果、高緻密な銀焼結体を得られやすくなる。
なお、上記質量比は、銀粒子について、保護剤の脱離が十分に生じる温度まで加熱してTG−DTA測定を行い、測定前後での質量変化から求めることができる。
ここで、本実施形態に係る銀ペーストが焼結性に優れる理由を、実施例7(詳細は後述する。)に基づき具体的に説明する。実施例7では、保護剤であるノナン酸(和光純薬工業株式会社、沸点254℃)、ドデシルアミン(和光純薬工業株式会社、沸点249℃)で被覆された(A)球状の銀粒子と、保護剤であるエチレングリコールで被覆された(B)単結晶の銀粒子LM1(トクセン工業株式会社)、オクタン酸(東京化成工業株式会社、沸点238℃)で被覆された(C)非球状の銀粒子AgC239(福田金属箔粉工業株式会社)とを混合して使用している。3種類の銀粒子のTG−DTA測定結果をそれぞれ図1〜図3に示した。図1から銀粒子表面を被覆しているノナン酸やドデシルアミンが約261℃で脱離することが分かる。図2から銀粒子表面を被覆しているエチレングリコールが約220℃で脱離することが分かる。図3から銀粒子表面を被覆しているオクタン酸が約248℃で脱離することが分かる。この銀ペーストを焼結した際、エチレングリコールで被覆された(B)単結晶の銀粒子が最初に焼結する。続いて、オクタン酸で被覆された(C)非球状の銀粒子が焼結する。最後にノナン酸とドデシルアミンで被覆された(A)球状の銀粒子が焼結する。金に対して接合した場合、最初に焼結する(B)単結晶の銀粒子が金に対して拡散するのを、残りの2種類の銀粒子が抑制する。その結果、金との界面付近でボイドや空隙層が形成されにくくなり、金に対しても十分な強度で接合することが可能となる(実施例7の図9)。
銀ペーストのTG−DTA測定の結果を図4に示した。銀ペーストから有機物の脱離が完了する温度は約270℃であり、質量減少は約13.3質量%である。TG−DTA測定における有機物の脱離温度は270℃であるが、200℃程度でもある程度時間をかけて加熱すれば270℃で加熱した場合と同様の質量減少量(13.3質量%)を得ることができる。つまり、実施例7の銀ペーストは、200℃程度で有機物を完全に脱離させて焼結することができる。また、窒素中や水素中で焼結する場合は、大気中よりも数10℃程度の高温が必要であるが、250〜300℃程度で実施例7の銀ペーストを焼結することができる。これにより無酸素雰囲気での接合が必要となる金属に対して接合することができる。
また、3種類の粒子径の異なる銀粒子を充填性が高くなるように配合しているため、銀焼結体の緻密度が高くなり、接合強度や熱伝導率、接着信頼性などの特性も高いものとなる。
銀ペースト中の銀粒子の量としては、目的とする銀ペーストの粘度又はチキソ性に合わせて、適宜決めることができる。銀焼結体の接着強度及び熱伝導性をより発現させやすくするには、銀ペースト100質量部中、銀粒子は80質量部以上であることが望ましい。また、銀ペーストは、(A)〜(C)の銀粒子以外の銀粒子を含んでいてもよいが、その含有量は、10質量%以下であることが望ましい。
本実施形態における溶剤としては、常温(20℃)で液体であるものであれば特に限定されず、公知の溶剤を使用できる。溶剤としては、アルコール類、アルデヒド類、カルボン酸類、エーテル類、エステル類、アミン類、単糖類、多糖類、直鎖の炭化水素類、脂肪酸類、芳香族類等から選択することが可能であり、上記溶剤を複数組み合わせて使用することも可能である。
溶剤の沸点は特に限定されないが、100〜350℃であることが望ましく、130〜300℃であることがより望ましく、150〜250℃であることがさらに望ましい。溶剤の沸点が100℃以上であると、銀ペーストの使用時に室温(25℃)で溶剤が揮発することを抑制でき、その結果、銀ペーストの粘度安定性、塗布性等を確保できる。また、溶剤の沸点が350℃以下であると、半導体素子を半導体素子搭載用支持部材に接続する温度で、溶剤が蒸発せずに銀焼結体に残存するのを抑制でき、その結果、銀焼結体の特性をより良好に保つことができる。特に、沸点が150〜300℃の炭化水素化合物及び150〜350℃のアルコール化合物の少なくとも1種類を含んでいることが望ましい。
なお、本明細書における沸点とは、大気圧(1013hPa)下における沸点を意味する。
溶剤としては、上記のような溶剤の中から銀粒子の分散に適した溶剤を選択することが望ましく、具体的には、銀焼結体の熱伝導性、電気伝導性、及び接着強度が良好になる点から、炭化水素構造、アルコール構造、エーテル構造、又はエステル構造を有する溶剤を選択することが望ましい。本実施形態における溶剤としては、例えば、デカン、ドデカン、テトラデカン、ヘキサデカン、ブチルセロソルブ、カルビトール、酢酸ブチルセロソルブ、酢酸カルビトール、エチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−メチルエーテル、イソボニルシクロヘキサノール、トリブチリン、テルピネオールが挙げられる。
銀ペースト中の溶剤の量は、銀ペースト100質量部中、20質量部未満であることが望ましい。溶剤が20質量部未満であると、銀ペーストを焼結した際の溶剤の揮発に伴う体積収縮を抑制でき、形成される銀焼結体の緻密性をより向上させやすくなる。
本実施形態に係る銀ペーストは、添加剤を更に含有していてもよい。添加剤は、大気圧下における沸点が400℃以下であり、かつ常温(20℃)で固体であるカルボン酸あるいはアミン化合物であることが好ましい。添加剤の具体例としては、ドデカン酸、ステアリン酸、ラウリン酸、ドコサン酸、セバシン酸、1,16−オクタデカン二酸、ドデシルアミン、テトラデシルアミン、ヘキサデシルアミン、オレイルアミン、ステアリルアミン等が挙げられる。添加剤の量は、銀ペースト100質量部中、5質量部以下であることが望ましく、1質量部以下であることがより望ましい。
また、本発明では、大気圧下における沸点が100〜300℃のアミン化合物を、全ペースト質量に対して0.1〜5質量%含有すると好ましい。前記のドデシルアミン(沸点249℃)、テトラデシルアミン(沸点291℃)、ヘキサデシルアミン(沸点330℃)、オレイルアミン(沸点348〜350℃)、ステアリルアミン(沸点347℃)等が挙げられる。
また、本実施形態に係る銀ペーストは、本発明の効果を阻害しない範囲で銀粒子、溶剤及び添加剤以外の成分を更に含有していてもよい。銀粒子、溶剤及び添加剤以外の成分としては、銀以外の金属粒子、バインダ樹脂及び硬化剤、バインダ樹脂の反応性希釈剤、銀ペースト中の銀粒子の沈降防止剤、銀粒子の焼結促進のためのフラックス剤等が挙げられ、当該成分が有機化合物である場合には、溶剤と同様に、銀ペーストを焼結させる温度で系外に脱離するものが望ましい。銀粒子、溶剤及び添加剤以外の成分の量は、銀ペースト100質量部中、5質量部以下であることが望ましく、1質量部以下であることがより望ましい。
本発明では、銀以外の金属粒子を全ペースト質量に対して0.1〜5質量%含有することが好ましい。銀以外の金属粒子として、亜鉛、銅、銀めっき銅などが挙げられる。
また、本発明では、樹脂成分を全ペースト質量に対して0.1〜5質量%含有することが好ましい。樹脂成分として、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、飽和ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、アクリル樹脂等が挙げられ、これと必要により硬化剤となるイミダゾール、アミン類等の硬化促進剤が用いられる。
本実施形態に係る銀ペーストは、大気中、室温から昇温速度10℃/分の条件で該銀ペーストを示差−熱重量測定した際に、該銀ペースト中の有機物の脱離に伴う重量減少が起こり、該重量減少の停止する温度が300℃未満であることが好ましい。
本実施形態に係る銀ペーストを製造するには、例えば、銀粒子と、溶剤と(場合によっては更に添加剤と)を、一括又は分割して撹拌器、らいかい器、3本ロール、プラネタリーミキサー等の分散・溶解装置を適宜組み合わせ、必要に応じて加熱して混合、溶解、解粒混練又は分散して均一なペースト状とすればよい。
本実施形態に係る銀ペーストを加熱して焼結させる方法としては、公知の方法を利用できる。ヒーターによる外部加熱以外にも、紫外線ランプ、レーザー、マイクロ波等を好適に用いることができる。銀ペーストの加熱温度は、保護剤、溶剤及び添加剤が系外へ脱離する温度以上であることが望ましい。具体的には、加熱温度の範囲は、150℃以上、300℃以下であることが望ましく、150℃以上、250℃以下であることがより望ましい。加熱温度を300℃以下とすることで、一般的な半導体部材を接続する場合は、当該部材へのダメージを回避することができ、また、加熱温度を150℃以上とすることで、保護剤の脱離が起こりやすくなる。
銀ペーストの加熱時間は、設定した温度において、有機物の脱離が完了する時間とすればよい。適切な加熱温度及び加熱時間の範囲は、銀ペーストのTG−DTA測定を行うことで見積もることができる。
また、銀ペーストを加熱する際の工程は適宜決めることができる。特に、溶剤の沸点を超える温度で焼結を行う場合には、溶剤の沸点以下の温度で予熱を行い、予め溶剤をある程度揮発させた上で焼結を行うと、より緻密な銀焼結体を得やすい。銀ペーストを加熱する際の昇温速度は、溶剤の沸点未満で焼結する場合には特に制限されない。溶剤の沸点を超える温度で焼結する場合には、昇温速度を1℃/秒以下とするか、予熱工程を行うことが望ましい。
上記のように銀ペーストを焼結させることにより得られる銀焼結体としては、体積抵抗率、熱伝導率、接着強度、及び緻密度が、それぞれ1×10−5Ω・cm以下、50W/m・K以上、10MPa、及び70%以上である銀焼結体であることが望ましい。なお、銀焼結体の緻密度(25℃)は下記式に基づいて算出される。
緻密度[%]=銀焼結体の密度[g/cm]×100/銀の理論密度[10.49g/cm
本実施形態に係る半導体装置は、本実施形態に係る銀ペーストを焼結してなる焼結体を介して、半導体素子と半導体素子搭載用支持部材とが互いに接着したものである。
図5は、本実施形態に係る半導体装置の一例を示す模式断面図である。図5に示すように、半導体装置10は、半導体素子搭載用支持部材であるとリードフレーム2aと、リードフレーム(放熱体)2b,2cと、本実施形態に係る銀ペーストの焼結体3を介してリードフレーム2aに接続された半導体素子1と、これらをモールドするモールドレジン5とを備えている。半導体素子1は、2本のワイヤ4を介してリードフレーム2b,2cにそれぞれ接続されている。
図6は、本実施形態に係る半導体装置の別の例を示す模式断面図である。図6に示したように、半導体装置20は、基板6と、基板6を囲むように形成された半導体素子搭載用支持部材であるリードフレーム7と、本実施形態に係る銀ペーストの焼結体3を介してリードフレーム7上に接続された半導体素子であるLEDチップ8と、これらを封止する透光性樹脂9とを備えている。LEDチップ8は、ワイヤ4を介してリードフレーム7に接続されている。
これらの半導体装置では、例えば、半導体素子搭載用支持部材上に銀ペーストをディスペンス法、スクリーン印刷法、スタンピング法等により塗布し、銀ペーストが塗布された部分に半導体素子を搭載し、加熱装置を用いて銀ペーストを焼結することによって、半導体素子と半導体素子搭載用支持部材とを互いに接着させることができる。また、銀ペーストの焼結後、ワイヤボンド工程及び封止工程を行うことにより、半導体装置が得られる。
半導体素子搭載用支持部材としては、例えば、42アロイリードフレーム、銅リードフレーム、パラジウムPPFリードフレーム等のリードフレーム、ガラスエポキシ基板(ガラス繊維強化エポキシ樹脂からなる基板)、BT基板(シアネートモノマー及びそのオリゴマーとビスマレイミドからなるBTレジン使用基板)等の有機基板が挙げられる。
半導体素子搭載用支持部材における半導体との接着表面には、銀ペーストとの接着性を高めるために凹凸を設ける(粗化処理する)ことが望ましい。微細な間隔の凹凸面(例えば、凹凸面における凸部同士の間隔が1μm未満である)を有する半導体素子搭載用支持部材を用いると、本実施形態に係る銀ペースト中の銀ナノ粒子が半導体素子搭載用支持部材表面の凹部に捕捉されるため、より高い接着性を得ることができる。
以下に実施例を示し、本発明をより具体的に説明する。本発明はこれらの実施例により限定を受けるものではない。
各実施例及び比較例における各特性の測定は、次のようにして実施した。
(1)銀粒子の相同定(XRD(X線回折、X‐ray diffraction)測定)
約100mgの銀粒子をXRD測定用のガラスセルに乗せ、これを粉末X線回折装置(Rigaku CN4036、株式会社リガク製)の試料ホルダーにセットした。加速電圧40kV、電流20mAでCuKα線を発生させ、グラファイトモノクロメータにより単色光化し、測定線源とした。2θ=5°〜85°の範囲で銀粒子の回折パターンを測定した。
(2)有機物の脱離温度(TG−DTA(示差熱‐熱重量同時測定、Thermogravimetry-Differential Thermal Analysis)測定)
銀粒子をTG−DTA測定用のAlサンプルパンに10mg乗せ、これをTG−DTA測定装置(エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社、EXSTAR6000 TG/DTA6300)の試料ホルダーにセットした。ドライエアを流量約400mL/分で流しながら、昇温速度10℃/分で室温(25℃)から約500℃までサンプルを加熱し、その際の重量変化と熱挙動を測定した。重量変化の停止点を有機物脱離の完了温度とした。
(3)銀焼結体の緻密度
銀ペーストをホットプレート(アズワン株式会社製、EC HOTPLATE EC−1200N)により110℃で10分間予熱し、さらに200℃で1時間加熱することで銀焼結体(約10mm×10mm×1mm)を得た。作製した銀焼結体を紙やすり(800番)で研磨し、研磨後の銀焼結体の体積及び質量を測定した。これらの値から銀焼結体の密度を算出し、さらに下記の式に従い緻密度を算出した。
緻密度[%]=銀焼結体の密度[g/cm]×100/銀の理論密度[10.49g/cm
(4)ダイシェア強度
表1に示した3種類の被着体に対してダイシェア強度測定用のサンプルを作製した。銀ペーストの塗布量は0.1mgとした。被着体がAg、Auの場合は大気中で焼結を行った。被着体がCuの場合は窒素中で焼結を行った。得られた銀焼結体の接着強度を、ダイシェア強度[MPa]により評価した。万能型ボンドテスタ(デイジ・ジャパン株式会社製、4000シリーズ)を用い、測定スピード500μm/s、測定高さ100μmでSiチップあるいはCu板を水平方向に押し、銀焼結体のダイシェア強度[MPa]を測定した。
(5)熱伝導率
銀ペーストをホットプレート(アズワン株式会社製、EC HOTPLATE EC−1200N)により110℃で10分間予熱し、さらに200℃で1時間加熱することで銀焼結体(約10mm×10mm×1mm)を得た。この銀焼結体の熱拡散率をレーザーフラッシュ法(ネッチ社製 LFA 447、25℃)で測定し、さらにこの熱拡散率と、示差走査熱量測定装置(パーキンエルマー社製 Pyris1)で得られた比熱容量と焼結密度の積より、25℃における銀焼結体の熱伝導率[W/m・K]を算出した。
熱伝導率(W/mK)=比熱容量(J/gK)×熱拡散率(mm/s)×焼結密度(g/cm)
(6)銀焼結体の断面観察
銀ペーストをAgめっきCuリードフレーム(ランド部:10×5mm、Agめっき厚:約4μm)上に0.1mgを塗布し、この上に1mm×1mmのAuめっきSiチップ(Auめっき厚:0.1μm、チップ厚:400μm)を接着した。これをホットプレート(アズワン株式会社製、EC HOTPLATE EC−1200N)を用い200℃で1時間加熱した。接続したサンプルをエポキシ樹脂中に埋め込み、AuめっきSiチップ/銀焼結体/AgめっきCuリードフレームの断面が確認できるまで研磨した。研磨後のサンプルにイオンスパッター装置(株式会社日立ハイテクノロジーズ、E1045)で白金を蒸着し、これを卓上走査電子顕微鏡(日本電子株式会社製、NeoScope JCM−5000)により、電子加速電圧10kV、倍率5000倍で観察し、SEM写真を撮影した。
(製造例1)
球状の銀粒子を次の手順で合成した。銀源としてAgO(和光純薬工業株式会社)、溶媒としてn−オクタン(和光純薬工業株式会社、沸点125℃)、銀粒子の保護剤としてノナン酸(和光純薬工業株式会社、沸点254℃)、ドデシルアミン(和光純薬工業株式会社、沸点249℃)を使用した。これらの試薬を表2に示した配合割合でナスフラスコに加えた。この処理溶液をマグネチックスターラーで約700回転/分(rpm)で攪拌しながら、110℃で3時間、加熱還流した。処理後の溶液にアセトンを約500mL加え、上澄み液を取り除き、沈殿した銀粒子を回収した。この銀粒子を40℃で3時間加熱し、乾燥させた。この銀粒子のXRD測定を行ったところ、図7に示したXRDパターンが得られ、金属銀であることを確認した。また、銀粒子は球状であり、銀粒子の平均粒子径は約60nmであることを確認した(図8)。この銀粒子のTG−DTA測定を行い、図1のチャートを得た。これより、銀粒子表面を被覆しているノナン酸やドデシルアミンが約261℃で脱離することが分かる。
(製造例2)
単結晶の銀粒子としてLM1(トクセン工業株式会社製、粒子径0.1〜5.0μm)を使用した。LM1に保護剤であるエチレングリコールで被覆するための処理を以下のように行った。LM1、エチレングリコール(和光純薬工業株式会社、沸点198℃)、n−オクタンを表2に示した配合割合でナスフラスコに加えた。この処理溶液をマグネチックスターラーで約500回転/分(rpm)で攪拌しながら、100℃で3時間加熱することによって処理させた。処理後の溶液について、アセトンを約1000mL加えた後に上澄み液を取り除く、という操作を3回繰り返すことで過剰なエチレングリコールを除去し、エチレングリコールで被覆されたLM1を回収した。これを40℃で3時間加熱し、評価試料とした。この銀粒子のTG−DTA測定を行い、図2のチャートを得た。これより、銀粒子表面を被覆しているエチレングリコールが約220℃で脱離することが分かる。
(製造例3)
非球状の銀粒子(フレーク状)としてAgC239(福田金属箔粉工業株式会社製、粒子径2〜15μm)を使用した。AgC239に保護剤であるオクタン酸で被覆するための処理を以下のように行った。AgC239、オクタン酸(東京化成工業株式会社、沸点238℃)、n−オクタンを表2に示した配合割合でナスフラスコに加えた。この処理溶液をマグネチックスターラーで約500回転/分(rpm)で攪拌しながら、100℃で3時間加熱することによって処理させた。処理後の溶液について、アセトンを約1000mL加えた後に上澄み液を取り除く、という操作を3回繰り返すことで過剰なオクタン酸を除去し、オクタン酸で被覆されたAgC239を回収した。これを40℃で3時間加熱し、評価試料とした。この銀粒子のTG−DTA測定を行い、図3のチャートを得た。これより、銀粒子表面を被覆しているオクタン酸が約248℃で脱離することが分かる。
(実施例1)
溶剤としてn−ドデカン(和光純薬工業株式会社、沸点216℃)、イソボルニルシクロヘキサノール(沸点308℃、以下、MTPHと略すこともある)、添加剤としてドデシルアミンを使用した。表3に示した配合割合にて、銀粒子、溶剤、及び添加剤を、らいかい機にて15分間混練し銀ペーストを作製した。この銀ペーストを用いた特性を表4に示した。
(実施例2)
実施例1と同様の手順で銀ペーストを作製した。銀ペーストの配合は表3のとおりである。この銀ペーストを用いた特性を表4に示した。
(実施例3)
実施例1と同様の手順で銀ペーストを作製した。銀ペーストの配合は表3のとおりである。この銀ペーストを用いた特性を表4に示した。
(実施例4)
実施例1と同様の手順で銀ペーストを作製した。銀ペーストの配合は表3のとおりである。この銀ペーストを用いた特性を表4に示した。上記(6)に従って作製したAuめっきSiチップ/銀焼結体/AgめっきCuリードフレームにおけるAuめっきSiチップと銀焼結体との接続部の断面を撮影したSEM写真を図9に示した。
(実施例5)
実施例1と同様の手順で銀ペーストを作製した。銀ペーストの配合は表3のとおりである。この銀ペーストを用いた特性を表4に示した。
(実施例6)
添加剤としてZn粒子(Alfa Aeser社)1質量部を更に添加した以外は、実施例1と同様の手順で銀ペーストを作製した。銀ペーストの配合は表3のとおりである。この銀ペーストを用いた特性を表4に示した。
(実施例7)
添加剤としてAgめっきCu粒子(福田金属箔粉工業株式会社)1質量部を更に添加した以外は、実施例1と同様の手順で銀ペーストを作製した。銀ペーストの配合は表3のとおりである。この銀ペーストを用いた特性を表4に示した。
(実施例8)
樹脂成分としてビスフェノールF型エポキシ樹脂YL983U(三菱化学株式会社)0.48質量部、樹脂硬化剤ジシアンジアミドDICY7(三菱化学株式会社)0.025質量部を更に添加した以外は、実施例1と同様の手順で銀ペーストを作製した。銀ペーストの配合は表3のとおりである。この銀ペーストを用いた特性を表4に示した。
(比較例1)
実施例1と同様の手順で銀ペーストを作製した。銀ペーストの配合は表3のとおりである。この銀ペーストを用いた特性を表4に示した。また、上記(6)に従って作製したAuめっきSiチップ/銀焼結体/AgめっきCuリードフレームにおけるAuめっきSiチップと銀焼結体との接続部の断面を撮影したSEM写真を図10に示した。比較例1の銀焼結体は、Au界面との接合割合が実施例1よりも少なかった。銀焼結体の緻密度、ダイシェア強度、及び熱伝導率の点で実施例4の銀焼結体よりも劣っていた。
(比較例2)
実施例1と同様の手順で銀ペーストを作製した。銀ペーストの配合は表3のとおりである。この銀ペーストを用いた特性を表4に示した。また、上記(6)に従って作製したAuめっきSiチップ/銀焼結体/AgめっきCuリードフレームにおけるAuめっきSiチップと銀焼結体との接続部の断面を撮影したSEM写真を図11に示した。比較例2の銀焼結体は、Au界面に拡散しており、Au−Ag拡散層と銀焼結体の間は空隙となっていた。銀焼結体の緻密度、ダイシェア強度、及び熱伝導率の点で実施例4の銀焼結体よりも劣っていた。
(比較例3)
実施例1と同様の手順で銀ペーストを作製した。銀ペーストの配合は表3のとおりである。この銀ペーストを用いた特性を表4に示した。また、上記(6)に従って作製したAuめっきSiチップ/銀焼結体/AgめっきCuリードフレームにおけるAuめっきSiチップと銀焼結体との接続部の断面を撮影したSEM写真を図12に示した。比較例3の銀焼結体は、Au界面との接合割合が実施例4よりも少なかった。銀焼結体の緻密度、ダイシェア強度、及び熱伝導率の点で実施例4の銀焼結体よりも劣っていた。
Figure 0006380792
※表1の“1mm×1mm,t=0.4mm”は、縦1mm、横1mm、厚さが0.4mmであることを表す。
Figure 0006380792
Figure 0006380792
Figure 0006380792
(A)球状の銀粒子のみを用いた比較例1、(B)単結晶銀粒子のみを用いた比較例2、(C)非球状の銀粒子のみを用いた比較例3は、いずれも焼結体の緻密度が低く、また、被着体のAg、Au、Cuへのダイシェア強度も低く、熱伝導率も低い。これに対し、銀粒子として特定化合物で被覆した(A)、(B)、(C)を用いた実施例4〜11の銀ペーストでは、緻密度が高く、また、被着体へのダイシェア強度も高く、熱伝導率も高くなる。
1…半導体素子、2a,2b,2c…リードフレーム、3…銀ペーストの焼結体、4…ワイヤ、5…モールドレジン、6…基板、7…リードフレーム、8…LEDチップ、9…透光性樹脂、10,20…半導体装置。

Claims (9)

  1. 銀粒子及び溶剤を含有する銀ペーストであって、前記銀粒子は、(A)粒子径が1〜300nmである球状の銀粒子と、(B)粒子径が10nm〜7μmの単結晶の銀粒子と、(C)粒子径が500nm〜20μmの非球状の銀粒子とを含み、前記(A)球状の銀粒子の表面を被覆する保護剤が、アミン化合物、カルボン酸化合物、アミノ酸化合物、アミノアルコール化合物、及びアミド化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、前記(B)単結晶の銀粒子の保護剤が、アルコール化合物、カルボン酸化合物、エーテル化合物、及びエステル化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、前記(C)非球状の銀粒子の保護剤が、炭素数2〜20の脂肪族モノカルボン酸である、銀ペースト。
  2. 前記(A)粒子径が1〜300nmである球状の銀粒子の表面を被覆する保護剤が、アミン化合物およびカルボン酸化合物の2種類からなり、該アミン化合物が炭素数2〜20の脂肪族モノアミン化合物であり、該カルボン酸化合物が炭素数2〜20の脂肪族モノカルボン酸であり、該2種類の保護剤の吸着量が、銀粒子に対して0.1〜10質量%である、請求項1に記載の銀ペースト。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の銀ペーストであって、前記(A)球状の銀粒子の量が全銀粒子質量の30〜95質量%であり、前記(B)単結晶の銀粒子の量が全銀粒子質量の5〜60質量%であり、前記(C)非球状の銀粒子の量が全銀粒子質量の1〜20質量%である、銀ペースト。
  4. 前記溶剤が、大気圧下における沸点が150〜300℃の炭化水素化合物及び150〜350℃のアルコール化合物の少なくとも1種類を含んでおり、該溶剤の量が全ペースト質量の20質量%未満である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の銀ペースト。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の銀ペーストであって、大気圧下における沸点が100〜300℃のアミン化合物を、全ペースト質量に対して0.1〜5質量%含有する、銀ペースト。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の銀ペーストであって、銀以外の金属粒子を全ペースト質量に対して0.1〜5質量%含有する、銀ペースト。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の銀ペーストであって、樹脂成分を全ペースト質量に対して0.1〜5質量%含有する、銀ペースト。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の銀ペーストを焼結してなる焼結体を介して、半導体素子と半導体素子搭載用支持部材とが互いに接着した構造を有する半導体装置。
  9. 銀粒子及び溶剤を混合して銀ペーストを得る、銀ペーストの製造方法であって、前記銀粒子として、(A)アミン化合物、カルボン酸化合物、アミノ酸化合物、アミノアルコール化合物、及びアミド化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種で被覆された粒子径が1〜300nmである球状の銀粒子と、(B)アルコール化合物、カルボン酸化合物、エーテル化合物、及びエステル化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種で被覆された粒子径が10nm〜7μmの単結晶の銀粒子と、(C)炭素数2〜20の脂肪族モノカルボン酸で被覆された粒子径が500nm〜20μmの非球状の銀粒子とを用いる、銀ペーストの製造方法。
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