JP6209015B2 - 切断装置及び切断方法 - Google Patents

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本発明は、切断装置及び切断方法に関する。
従来、偏光板等の光学部材を切断する方法として、特許文献1の切断方法が知られている。特許文献1の切断方法では、刃先部が鏡面に仕上げられた切断刃(以下、鏡面仕上げ刃と称することがある。)を用いている。
特開2011−20224号公報
特許文献1の切断方法によれば、鏡面仕上げ刃を光学部材に対して厚み方向に進入させることにより、良好な切断面の品質を得ることができると記載されている。しかしながら、本発明者の検討によれば、鏡面仕上げ刃を用いているにも関わらず、光学部材の構成によっては、切断面に沿ってケバが発生する場合があった。特に、光学部材の光学軸と平行な方向又は光学軸と直交する方向に光学部材を切断する場合、ケバが発生しやすいことが明らかになっている。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、ケバが発生することを抑制することが可能な切断装置及び切断方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は以下の手段を採用した。
(1)すなわち、本発明の第一の態様に係る切断装置は、光学部材の切断装置であって、刃先部の表面粗さが粗さ曲線の最大断面高さRtとして3μm以上且つ10μm以下である切断刃を用いて、前記光学部材の光学軸と平行な方向又は前記光学軸と直交する方向に前記光学部材を切断することを特徴とする。
尚、本発明において、「光学軸と平行な方向」とは、光学部材の面内の平均的な光学軸の方向に対して−10°以上且つ10°以下の角度をなす方向を意味する。例えば、光学軸が光学部材の一辺と平行な方向に配置される場合には、「光学軸と平行な方向」は、光学部材の前記一辺に対して−10°以上且つ10°以下の角度をなす方向を意味する。
また、「光学軸と直交する方向」とは、光学部材の面内の平均的な光学軸の方向に対して80°以上且つ100°以下の角度をなす方向を意味する。例えば、光学軸が光学部材の一辺と平行な方向に配置される場合には、「光学軸と直交する方向」は、光学部材の前記一辺に対して80°以上且つ100°以下の角度をなす方向を意味する。
(2)上記(1)に記載の切断装置では、前記切断刃の前記刃先部が樹脂コーティングされていてもよい。
(3)上記(1)又は(2)に記載の切断装置では、前記切断刃を用いて前記光学部材を厚み方向に打ち抜くことにより、前記光学部材から枚葉状の光学部材を切り出してもよい。
(4)本発明の第二の態様に係る切断方法は、光学部材の切断方法であって、刃先部の表面粗さが粗さ曲線の最大断面高さRtとして3μm以上且つ10μm以下の切断刃を用いて、前記光学部材の光学軸と平行な方向又は前記光学軸と直交する方向に前記光学部材を切断することを特徴とする。
(5)上記(4)に記載の切断方法では、前記切断刃として、前記刃先部が樹脂コーティングされたものを用いてもよい。
(6)上記(4)又は(5)に記載の切断方法では、前記切断刃を用いて前記光学部材を厚み方向に打ち抜くことにより、前記光学部材から枚葉状の光学部材を切り出してもよい。
本発明によれば、ケバの発生を抑制することが可能な切断装置及び切断方法を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る切断装置の概略構成図である。 本発明の一実施形態に係る切断装置の要部を示す平面図である。 光学フィルムから光学フィルム中間体を切り出すときの説明図である。 光学フィルム中間体から光学フィルムチップを切り出すときの説明図である。 本発明の一実施形態に係る切断刃の刃先部の断面図である。 比較例1に係る切断刃の刃先部の断面図である。 比較例1に係る切断刃を用いてサンプルを切断したときのサンプルの切断面を平面視で撮像した顕微鏡写真である。 比較例1に係る切断刃を用いてサンプルを切断したときのサンプルの切断面を正面視で撮像した顕微鏡写真である。 比較例1に係る切断刃を用いて切断したサンプルの積層体の端面の写真である。 比較例1に係る切断刃を用いて切断したサンプルの積層体の端面に発生したケバの写真である。 比較例2に係る切断刃を用いて切断したサンプルの積層体の端面の写真である。 比較例2に係る切断刃を用いて切断したサンプルの積層体の端面に発生したケバの写真である。 実施例1に係る切断刃を用いてサンプルを切断したときの光学部材の切断面を平面視で撮像した顕微鏡写真である。 実施例1に係る切断刃を用いてサンプルを切断したときの光学部材の切断面を正面視で撮像した顕微鏡写真である。 実施例1に係る切断刃を用いて切断したサンプルの積層体の端面の写真である。 実施例1に係る切断刃を用いて切断したサンプルの積層体の端面に発生したケバの写真である。 実施例1及び実施例2のそれぞれに係る切断刃を用いてサンプルを切断したときのサンプルの切断面を平面視で撮像した顕微鏡写真である。 実施例1及び実施例2のそれぞれに係る切断刃を用いて切断したサンプルの積層体の端面の写真である。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態を説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
尚、以下の全ての図面においては、図面を見やすくするため、各構成要素の寸法や比率などは適宜異ならせてある。また、以下の説明及び図面中、同一又は相当する要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
以下の説明においては、必要に応じてXYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。本実施形態においては、長尺の光学フィルムの幅方向をX方向としており、光学フィルムの面内においてX方向に直交する方向(長尺の光学フィルムの搬送方向)をY方向、X方向及びY方向に直交する方向をZ方向としている。
図1は、本発明の一実施形態に係る切断装置1の概略構成図である。本実施形態に係る切断装置1は、光学フィルムF(光学部材)から複数の光学フィルムチップ(枚葉状の光学部材)を切り出す。
以下、光学フィルムチップとして偏光板を切り出す例を説明するが、光学フィルムチップは、偏光板の他に、位相差フィルムや輝度向上フィルム等でもよく、位相差フィルムや偏光板などの複数の光学素子を積層したものでもよい。
図1に示すように、切断装置1は、ロール原反Rから光学フィルムF(光学部材)を引き出して搬送する搬送装置2と、搬送装置2によって搬送された光学フィルムFから中間サイズの光学フィルム中間体(光学部材)を切り出す第1切断装置3と、第1切断装置3により切り出された光学フィルム中間体から複数の光学フィルムチップ(枚葉状の光学部材)を切り出す第2切断装置4と、搬送装置2、第1切断装置3及び第2切断装置4を統括制御する制御装置5と、を備えている。
搬送装置2は、ロール原反Rを装填する装填部21を備えている。装填部21には、光学フィルムFのロール原反Rが装填される。装填部21に装填された光学フィルムFは、搬送ローラー22,23によって下流側に搬送され、第1切断装置3および第2切断装置4により切断されて、光学フィルムチップが形成される。
図2は、本発明の一実施形態に係る切断装置1の要部を示す平面図である。図2では、切断装置1の構成部品のうち、第1切断装置3、第2切断装置4及び制御装置5を図示し、その他の図示を省略している。
第1切断装置3は、光学フィルムFを載置する基台30と、光学フィルムFを切断するカット部31と、を備えている。
カット部31は、基台30の上方の定位置に配置されている。例えば、カット部31は円形状のカッターを備えている。また、カッターは、不図示の駆動機構により、光学フィルムFの幅方向に延在するガイド部の長手方向に沿って移動可能に構成されている。ガイド部の長さは、光学フィルムFの幅方向の長さよりも長くなっている。尚、光学フィルムFを切断するカット部31は、カッターに限らず、レーザーを備えていてもよい。
本実施形態では、光学フィルムFから複数の中間サイズの光学フィルム中間体Fa(図3参照)を切り出し、その後、各光学フィルム中間体Faから複数の光学フィルムチップFc(図4参照)を切り出している。尚、これに限らず、光学フィルムFから直接複数の光学フィルムチップFcを切り出してもよい。
ただし、下記の理由から、光学フィルムFから直接複数の光学フィルムチップFcを切り出すのではなく、いったん光学フィルムFから複数の中間サイズの光学フィルム中間体Faを切り出し、その後、各光学フィルム中間体Faから複数の光学フィルムチップFcを切り出すほうが好ましい。その理由は、長尺の光学フィルムFから光学フィルムチップFcを直接切り出すこととすると、光学フィルムチップFcの大きさは長尺の光学フィルムFに比べてはるかに小さい場合が多いため、切り出し操作が困難になる可能性があるからである。
光学フィルム中間体Faの大きさや形状は、光学フィルムチップFcの形状や光学フィルムチップFcにおける光学軸の設定方向などに応じて、任意に設定することができる。
光学フィルムFの光学軸の面内分布には様々な分布が存在するが、光学フィルムFの光学軸は、概ね光学フィルムFの長手方向に沿って配置される。その理由は、一般に長尺の光学フィルムは、例えば、二色性色素で染色した樹脂フィルムを一軸延伸させて製造されており、光学フィルムの光学軸の方向は樹脂フィルムの延伸方向と概ね一致するからである。
以下、一例として、光学フィルムFの光学軸が光学フィルムFの長手方向に沿って配置されている例を挙げて説明する。
図3は、光学フィルムFから光学フィルム中間体Faを切り出すときの説明図である。
本実施形態では、搬送装置2により搬送された光学フィルムFは、第1切断装置3(図2参照)によりカットされる。これにより、1枚の光学フィルム中間体Faが切り出される。
図3に示すように、本実施形態では、光学フィルムFをその長手方向と直交する方向に切断し、矩形のフィルム体を切り出すことにより、光学フィルム中間体Faを得ている。
図2に戻り、第2切断装置4は、第1切断装置3と隣り合う位置に配置されている。第2切断装置4には、光学フィルム中間体Faを載置する基台40と、光学フィルム中間体Faから複数の光学フィルムチップFcを切り出すためのカッター4a、4b(切断刃)と、を備えている。例えば、カッター4a,4bとしては、帯状のトムソン刃を打ち抜き形状に形成したものを用いることができる。
基台40の上面には、光学フィルム中間体Faを位置決めするためのマーキング41が施されている。光学フィルム中間体Faを基台40にセットする際には、光学フィルム中間体Faの切断辺(第1切断装置3によってカットされた辺)を基準としてマーキング41に位置決めする。
カッター4a、4bは、X方向に一定間隔で並ぶ複数本の第1カッター4aとY方向に一定間隔で並ぶ複数本の第2カッター4bとがZ方向から見て格子状に配置された構成を有する。
このような構成により、光学フィルム中間体Faの切断辺に対して平行な方向(以下、第1の方向と称することがある。)と当該第1の方向に直交する方向(以下、第2の方向と称することがある。)とで光学フィルム中間体Faが切断される。ここで、第1の方向は、特許請求の範囲に記載の光学部材の光学軸と直交する方向に相当する。第2の方向は、特許請求の範囲に記載の光学部材の光学軸と平行な方向に相当する。
図4は、光学フィルム中間体Faから光学フィルムチップFcを切り出すときの説明図である。
尚、図4において、符号Lc1は、光学フィルム中間体Faから複数の光学フィルムチップFcを切り出す際の切り出し線(X軸方向に沿う切り出し線、Y軸方向に沿う切り出し線)のうちY軸方向に沿う切り出し線と重なる軸である。軸Lc1は、第1切断装置3(図2参照)による光学フィルムFの切断方向に対して平行な軸であり、第1の方向に対応する。
第2切断装置4は、制御装置5の制御信号により、軸Lc1に基づいて、光学フィルム中間体Faから複数の光学フィルムチップFcを切り出す。本実施形態においては、光学軸と平行な方向の軸Lc2が光学フィルム中間体Faから複数のフィルムチップFcを切り出す際の基準となる。軸Lc2は、第2の方向に対応する。
このように、第1の方向と第2の方向とで光学フィルム中間体Faを切断することにより、光学フィルム中間体Faから複数の光学フィルムチップFcが切り出される。第1カッター4aと第2カッター4bとによって切り出される矩形の領域が1つの光学フィルムチップFcとなる。
本発明者の検討によれば、刃先部が鏡面に仕上げられた切断刃(以下、鏡面仕上げ刃と称することがある。)を用いているにも関わらず、光学部材の構成によっては、切断面に沿ってケバが発生する場合があった。特に、光学部材の光学軸と平行な方向又は光学軸と直交する方向に、光学部材を切断する場合、ケバが発生しやすいことが明らかになっている。その理由は明らかではないが、鏡面仕上げ刃を用いて光学部材を厚み方向に打ち抜くことにより、光学部材の切断面を直線状に形成することができることから、ケバの発生のメカニズムが光学部材の切断面の形状に起因するものと考えられる。本発明者は、鋭意研究の結果、光学部材の切断面の形状とケバの発生しやすさとの間には高い相関があり、切断刃で光学部材を厚み方向に打ち抜いたときの光学部材の切断面に凹凸を形成することができるようにすれば、ケバの発生を抑制することができることを見出し、本発明に至った。
以下、本発明の一実施形態に係る切断刃の構成について、図5を用いて説明する。
図5は、本発明の一実施形態に係る切断刃(図2に示すカッター4a、4b)の刃先部45の断面図である。
図5に示すように、刃先部45の断面形状は図5の上下方向で非対称となっている。
具体的に、図5の上側において、刃先部45には、刃先先端45pから第1段目の第1面45s1と、刃先先端45pから第2段目の第2面45s2と、が設けられている。第1面45s1は、刃先先端45pから160μmの部分に設けられている。
一方、図5の下側において、刃先部45には、刃先先端45pから第1段目の第3面45s3と、刃先先端45pから第2段目の第4面45s4と、が設けられている。第3面45s3は、刃先先端45pから91μmの部分に設けられている。
刃先部45の第1段目における刃先角度(第1面45s1と第3面45s3とのなす角度)は26°である。刃先部45の第2段目における刃先角度(第2面45s2と第4面45s4とのなす角度)は9°である。
本実施形態では、刃先部45が非鏡面に仕上げられた切断刃(以下、非鏡面仕上げ刃と称することがある。)を用いている。非鏡面仕上げ刃における刃先部45の表面粗さは、3μm以上且つ10μm以下である。
刃先部45の表面粗さの測定装置は、ACCRETEC社製の型番「ハンディサーフE−35A」を用いる。刃先部45の表面粗さの測定方法は、刃先部45の表面に測定機針を接触させて前後往復させることにより行う。表面粗さは、高さ方向のパラメータであるRt(粗さ曲線の最大断面高さ)を測定する。
例えば、刃先部45の第1面45s1の研磨仕上げは、粒度#1500の研磨微粉を用いて行い、刃先部45の第2面45s2の研磨仕上げは、粒度#1000の研磨微粉を用いて行う。これにより、刃先部45の第1面45s1及び第2面45s2のそれぞれにおいて、上記範囲の表面粗さが得られる。
尚、刃先部45の第3面45s3の表面粗さは第1面45s1の表面粗さと同じであり、刃先部45の第3面45s3の研磨仕上げは第1面45s1の研磨仕上げと同じ方法で行う。また、刃先部45の第4面45s4の表面粗さは第2面45s2の表面粗さと同じであり、刃先部45の第4面45s4の研磨仕上げは第2面45s2の研磨仕上げと同じ方法で行う。
以下、本実施形態に係る切断方法について説明する。
本実施形態に係る切断方法は、刃先部45の表面粗さが3μm以上且つ10μm以下であるカッター4a、4b(非鏡面仕上げ刃)を用いて、光学軸と平行な方向(第2の方向)と光学軸と直交する方向(第1の方向)とで光学フィルム中間体Fa(光学部材)を切断するものである。
本発明において、「光学軸と平行な方向」とは、光学部材の面内の平均的な光学軸の方向に対して−10°以上且つ10°以下の角度をなす方向を意味する。本実施形態では、光学軸は光学部材の一辺と平行な方向に配置されるため、「光学軸と平行な方向」は、光学部材の前記一辺に対して−10°以上且つ10°以下の角度をなす方向を意味する。
また、「光学軸と直交する方向」とは、光学部材の面内の平均的な光学軸の方向に対して80°以上且つ100°以下の角度をなす方向を意味する。本実施形態では、光学軸は光学部材の一辺と平行な方向に配置されるため、「光学軸と直交する方向」は、光学部材の前記一辺に対して80°以上且つ100°以下の角度をなす方向を意味する。
また、本実施形態に係る切断方法は、カッター4a、4b(非鏡面仕上げ刃)を用いて、一枚の光学フィルム中間体Fa(光学部材)を厚み方向に打ち抜くことにより、一枚の光学フィルム中間体Faから複数の光学フィルムチップFc(枚葉状の光学部材)を切り出すものである(図4参照)。
以上説明したように本実施形態によれば、非鏡面仕上げ刃を用いて光学フィルム中間体Faを切断することにより、光学フィルム中間体Faの切断面に凹凸を形成することができる。そのため、ケバが発生することを抑制することができる。
尚、本実施形態では、一例として、光学フィルムFの光学軸が光学フィルムFの長手方向(図3に示すY方向)に沿って配置されている例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、光学フィルムFの光学軸が光学フィルムFの幅方向(図3に示すX方向)に沿って配置されている場合においても本発明を適用可能である。
また、カッターとしては、カッター4a、4bの刃先部45が樹脂コーティングされたものを用いてもよい。例えば、樹脂コーティングとしては、シリコンコーティング、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)処理、フッ素樹脂コートが挙げられる。
シリコンコーティングの厚みは、5μm以上且つ10μm以下である。例えば、シリコンコーティングの方法は、刃先部45の表面にシリコンを噴き付けた後、焼き付け塗装を行う方法が挙げられる。
このように、カッターとして、刃先部45が樹脂コーティングされたものを用いることにより、光学フィルム中間体Faを切断する際の抵抗を小さくすることができる。そのため、ケバが発生することを抑制することができるとともに、バリが発生することも抑制することができる。
以上、添付図面を参照しながら本実施形態に係る好適な実施の形態例について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(サンプル)
比較例及び実施例の切断対象のサンプルとしては、PVA(ポリビニルアルコール)からなる偏光子フィルムの一方の面にセパレータを積層し、偏光子フィルムの他方の面にTAC(トリアセチルセルロース)フィルムからなる保護フィルムを積層したものを用いた。サンプルは平面視矩形のものを用い、サンプルのサイズは100mm×50mm角、サンプルの厚みは300μmとした。
(比較例1)
比較例1に係る切断刃としては、鏡面仕上げ刃を用いた。鏡面仕上げ刃は、萩野社製の型番「PN112N」である。
図6は、比較例1に係る切断刃の刃先部145の断面図である。
図6に示すように、刃先部145には、刃先先端145pから第1段目の第1面145s1と、刃先先端145pから第2段目の第2面145s2と、が設けられている。第1面145s1は、刃先先端145pから167μmの部分に設けられている。刃先部145の第1段目における刃先角度は22°であり、刃先部145の第2段目における刃先角度は16°である。
刃先部145の表面粗さは、0.01μm以上且つ1μm以下である。
(比較例2)
比較例2に係る切断刃としては、鏡面仕上げ刃の刃先部がシリコンコーティングされたもの(以下、鏡面仕上げ刃シリコンコートと称することがある。)を用いた。
シリコンコーティングの厚みは、5μm以上且つ10μm以下である。
尚、鏡面仕上げ刃シリコンコートの刃先部の刃先角度は30°である。比較例2に係る切断刃の刃先部には段がないものとする。
(実施例1)
実施例1に係る切断刃としては、非鏡面仕上げ刃を用いた。実施例1に係る切断刃は、図5に示す切断刃と同じものである。
(実施例2)
実施例2に係る切断刃としては、非鏡面仕上げ刃の刃先部がシリコンコーティングされたもの(以下、非鏡面仕上げ刃シリコンコートと称することがある。)を用いた。シリコンコーティングの厚みは、5μm以上且つ10μm以下である。尚、実施例2に係る切断刃は、実施例1に係る切断刃の刃先部がシリコンコーティングされたものである。
(切断面の外観の評価)
比較例及び実施例のそれぞれについて、切断刃を用いてサンプルを厚み方向に打ち抜いたときの切断面の外観を評価した。
以下、評価結果について説明する。
図7は、比較例1に係る切断刃を用いてサンプルを切断したときのサンプルの切断面を平面視で撮像した顕微鏡写真である。図8は、比較例1に係る切断刃を用いてサンプルを切断したときのサンプルの切断面を正面視で撮像した顕微鏡写真である。
図7及び図8に示すように、比較例1においては、サンプルの切断面が直線状に形成されることが確認された。
図9は、比較例1に係る切断刃を用いて切断したサンプルの積層体の端面の写真である。尚、図9において、前記積層体の端面で白く見える部分がケバが発生している部分である。
図9に示すように、比較例1においては、積層体の端面にケバが発生していることが確認された。
図10は、比較例1に係る切断刃を用いて切断したサンプルの積層体の端面に発生したケバの写真である。尚、図10においては、前記積層体の端面に発生したケバをテープで除去し、当該テープに付着したケバを示している。
図10に示すように、比較例1においては、テープに細線状のケバが複数付着していることが確認された。
図11は、比較例2に係る切断刃を用いて切断したサンプルの積層体の端面の写真である。尚、図11において、前記積層体の端面で白く見える部分がケバが発生している部分である。
図11に示すように、比較例2においても、積層体の端面にケバが発生していることが確認された。
図12は、比較例2に係る切断刃を用いて切断したサンプルの積層体の端面に発生したケバの写真である。尚、図12においては、前記積層体の端面に発生したケバをテープで除去し、当該テープに付着したケバを示している。
図12に示すように、比較例2においては、比較例1よりもテープに付着しているケバの量が減少しており、改善の傾向が見られた。しかし、依然としてテープには長いケバが複数付着していることが確認された。
図13は、実施例1に係る切断刃を用いてサンプルを切断したときのサンプルの切断面を平面視で撮像した顕微鏡写真である。図14は、実施例1に係る切断刃を用いてサンプルを切断したときのサンプルの切断面を正面視で撮像した顕微鏡写真である。
図13及び図14に示すように、実施例1においては、サンプルの切断面に、大きさが12μm程度の凹凸が形成されることが確認された。
図15は、実施例1に係る切断刃を用いて切断したサンプルの積層体の端面の写真である。尚、図15において、前記積層体の端面で白く見える部分がケバが発生している部分である。
図15に示すように、実施例1においては、比較例1(図9参照)に比べて、光沢が少なく、ケバの量が少ないことが確認された。
図16は、実施例1に係る切断刃を用いて切断したサンプルの積層体の端面に発生したケバの写真である。尚、図16においては、前記積層体の端面に発生したケバをテープで除去し、当該テープに付着したケバを示している。
図16に示すように、実施例1においては、比較例1(図9参照)に比べて、長いケバの量が低減されるとともに、ケバの発生を抑制できていることが確認された。
図17は、実施例1及び実施例2のそれぞれに係る切断刃を用いてサンプルを切断したときのサンプルの切断面を平面視で撮像した顕微鏡写真である。
図17に示すように、実施例1においては、サンプルの切断面に、大きさが25μm〜30μm程度の凹凸が形成されることが確認された。一方、実施例2においては、サンプルの切断面に、大きさが17μm程度の凹凸が形成されることが確認された。
図18は、実施例1及び実施例2のそれぞれに係る切断刃を用いて切断したサンプルの積層体の端面の写真である。尚、図18において、前記積層体の端面で白く見える部分がケバが発生している部分である。
図18に示すように、実施例2においては、実施例1に比べて、ケバの発生を抑制することができ、さらにバリの発生を抑制することができることが確認された。
評価の結果、実施例に係る切断刃を用いれば、比較例に係る切断刃を用いる場合に比べて、ケバの発生を抑制することができることが確認された。また、実施例2に係る切断刃を用いれば、実施例1に係る切断刃を用いる場合に比べて、ケバの発生を抑制することができるとともに、バリの発生を抑制することもできることが確認された。
1…切断装置、4a,4b…カッター(切断刃)、45…刃先部、F…光学フィルム(光学部材)、Fa…光学フィルム中間体(光学部材)、Fc…光学フィルムチップ(枚葉状の光学部材)

Claims (6)

  1. 光学部材の切断装置であって、
    刃先部の表面粗さが粗さ曲線の最大断面高さRtとして3μm以上且つ10μm以下である切断刃を用いて、前記光学部材の光学軸と平行な方向又は前記光学軸と直交する方向に前記光学部材を切断する切断装置。
  2. 前記切断刃の前記刃先部が樹脂コーティングされている請求項1に記載の切断装置。
  3. 前記切断刃を用いて前記光学部材を厚み方向に打ち抜くことにより、前記光学部材から枚葉状の光学部材を切り出す請求項1又は2に記載の切断装置。
  4. 光学部材の切断方法であって、
    刃先部の表面粗さが粗さ曲線の最大断面高さRtとして3μm以上且つ10μm以下の切断刃を用いて、前記光学部材の光学軸と平行な方向又は前記光学軸と直交する方向に前記光学部材を切断する切断方法。
  5. 前記切断刃として、前記刃先部が樹脂コーティングされたものを用いる請求項4に記載の切断方法。
  6. 前記切断刃を用いて前記光学部材を厚み方向に打ち抜くことにより、前記光学部材から枚葉状の光学部材を切り出す請求項4又は5に記載の切断方法。
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