JP5555601B2 - 光学フィルムの製造方法、光学フィルムおよび光学フィルムの製造装置 - Google Patents

光学フィルムの製造方法、光学フィルムおよび光学フィルムの製造装置 Download PDF

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Description

本発明は、主として、光学フィルムの製造方法、光学フィルムおよび光学フィルムの製造装置に関し、より詳しくは、構成要素として少なくとも偏光子を備えた光学フィルムの製造方法、該光学フィルムおよび該光学フィルムの製造装置に関する。
偏光子を備えた光学フィルムは、例えば液晶表示装置に用いられており、該光学フィルムは、一般に、大きな寸法の光学フィルムとして作成され、これを使用対象である液晶表示装置等の寸法に応じた所望の形状に切断する工程を経て製造されている。切断方法としては、例えば特許文献1には、切断刃を光学フィルムに押し当てて移動させ、該光学フィルムを所望の形状に切断する方法が開示されている。
しかしながら、この種の光学フィルムに含まれる偏光子は、延伸して作成されるものであるため、その延伸方向に沿ってひび割れが生じやすいという特性を有している。また、偏光子のようなフィルムを、複数枚、粘着剤等によって積層した構成の光学フィルムにおいては、切断によって層同士が剥離(デラミネーション)しやすいという問題がある。
つまり、上記特許文献1の如き通常の切断方法によって光学フィルムを切断した場合には、その切断端面においてひび割れ(以下、本明細書において「クラック」と称する)や、ケバ立ち(以下、本明細書において「ケバ」と称する)が生じやすく、また、積層体が剥離しやすいという問題があった。
従来、光学フィルムの切断に起因して発生するクラックに対する対策として、特許文献2や特許文献3に記載された方法が知られている。特許文献2に記載の方法は、切断時に発生したクラックを、その後の経時変化によって成長させないように、切断端面から所定距離だけ離れた部分を加熱処理することにより、フィルムの異方性を解除するものである。
一方、特許文献3に記載の方法は、切断工具(刃物)を保護フィルムの熱変形温度よりも高温となるように加熱した状態で光学フィルムを切断することにより、切断端部を該保護フィルムで覆うことで偏光子の露出を防止し、経時変化によってクラックが発生することを防止するものである。
特開昭61−8297号公報 特開昭62−46620号公報 特開平10−206633号公報
しかしながら、特許文献2記載の方法では、経時変化によるクラックの成長は防止し得たとしても、切断時のクラックの発生そのものを防止することができず、切断端面におけるクラックやケバ等の発生を根本的に防止することができないという問題がある。また、特許文献3記載の方法では、切断端部を覆うように保護フィルムを熱変形させるため、該切断方法によって得られた光学フィルムは切断精度が良好でないという問題がある。
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、偏光子を備えた光学フィルム(本発明において、切断前の光学フィルムを「光学フィルム原反」という)を刃物により切断して光学フィルムを製造するにあたり、クラックやケバの発生を抑制し、積層フィルムとして構成された光学フィルムにおいては積層体同士の剥離を防止し、しかも切断精度の良好な光学フィルムを製造すること目的とする。
本発明は、偏光子を備えた光学フィルム原反を刃物により切断して光学フィルムを製造する光学フィルムの製造方法であって、前記光学フィルム原反は、前記偏光子と他のフィルムとが積層されてなる積層構造を有しており、前記光学フィルム原反を切断する際、該偏光子の温度が雰囲気温度よりも高くなるように該偏光子を加熱した状態で切断することを特徴とする光学フィルムの製造方法を提供する。
本発明に係る光学フィルムの製造方法によれば、偏光子の温度が雰囲気温度よりも高くなるように該偏光子を加熱した状態で刃物により切断することにより、該偏光子を切断した際の切断端面に、クラックやケバが発生することを抑制することができ、また、光学フィルムが、該偏光子を含む積層体である場合、層同士の剥離を防止することができる。さらに、刃物によって切断された切断端面がそのまま光学フィルムの端面となるため、特許文献3に記載された方法のように保護フィルムを溶融させる場合と比較して、切断精度が良好であるという効果がある。
また、本発明に係る光学フィルムの製造方法は、前記偏光子を、該偏光子を構成する樹脂のガラス転移温度以上に加熱することを特徴とするものである。また、好ましくは、前記偏光子がポリビニルアルコール系フィルムにより構成されたものであって、該偏光子を、55℃以上に加熱することを特徴とするものである。
斯かる構成の光学フィルムの製造方法によれば、クラックやケバの発生、あるいは積層体の剥離を、より一層確実に防止することができる。
また、本発明は、上記のような光学フィルムの製造方法により製造された光学フィルムを提供する。該光学フィルムは、切断端面にクラックやケバが殆ど発生しておらず、切断精度が良好であり、また、光学フィルムが積層体である場合には、層同士の剥離も殆ど生じていないものであり、各種用途において好適に使用することができるという効果がある。
尚、本発明において、光学フィルム原反とは、切断後の光学フィルムと区別するために使用する用語であり、光学フィルムの構造や形状等について何ら限定するものではない。
以上のように、本発明に係る光学フィルムの製造方法および製造装置によれば、偏光子を備えた光学フィルム原反を切断して光学フィルムを製造する際に、クラックやケバの発生を抑制することができ、また、積層フィルムとして構成された光学フィルムを切断した際には層同士の剥離を防止することができ、しかも切断制度が良好な光学フィルムを製造することができる。また、本発明に係る光学フィルムは、切断制度が良好で、しかも端面にクラックやケバがなく、積層体であっても層同士の剥離のない優れたものである。
本発明の一実施形態の光学フィルム製造装置により、光学フィルム原反を切断する工程を示した図。 本発明における光学フィルム(原反)の一実施形態を示した概略断面図。 切断面においてクラックが観察されたマイクロスコープ写真の一例。 切断面においてクラックが観察されなかったマイクロスコープ写真の一例。 切断面において剥離が観察されたマイクロスコープ写真の一例。 ケバが転写された粘着テープのマイクロスコープ写真の一例。 切断方向が、偏光子の延伸方向に対して0°、10°、90°である場合の、加熱温度とクラック本数の関係を示したグラフ 切断方向が、偏光子の延伸方向に対して0°、10°、90°である場合の、加熱温度とクラック長さの関係を示したグラフ 切断方向が、偏光子の延伸方向に対して0°、10°、90°である場合の、加熱温度と剥離深さの関係を示したグラフ 切断方向が、偏光子の延伸方向に対して0°、10°、90°である場合の、加熱温度とケバ本数の関係を示したグラフ 切断方向が、偏光子の延伸方向に対して0°、10°、90°である場合の、加熱温度とケバ長さの関係を示したグラフ
以下、本発明に係る光学フィルムの製造方法の一実施形態について具体的に説明するが、本発明は当該実施形態に限定されるものではない。
一実施形態としての光学フィルムの製造方法は、少なくとも偏光子を備えた光学フィルム原反を刃物により切断して光学フィルムを製造する光学フィルムの製造方法において、前記光学フィルム原反を切断する際に、該偏光子の温度が雰囲気温度よりも高くなるように該偏光子を加熱した状態で切断する方法である。
本発明において切断対象となる光学フィルム原反は、少なくとも偏光子を備えたものであればよく、例として、偏光子のみからなる光学フィルム原反や、偏光子と他のフィルムとが積層されてなる積層構造の光学フィルム原反などが挙げられる。
偏光子に積層されうる他のフィルムとしては、光学的機能を有するフィルムや光学的機能を有しないフィルムを1層単独で、又は2層以上積層した状態で用いることができる。光学的機能を有するフィルムの一例としては、偏光子保護フィルム、位相差フィルム(1/2波長板や1/4波長板等の波長板を含む)、視覚補償フィルム、輝度向上フィルム、反射板、反透過板など、液晶表示装置等の形成に用いられることのあるフィルムが挙げられる。また、これらのフィルムは、互いに粘着状態で積層するための粘着剤層を備えたものとして用いることができる。
さらに、光学機能を有しないフィルムとしては、表面保護フィルムや、使用時には剥離することを予定して貼り付けられる剥離フィルムなどを挙げることができる。
光学フィルム原反を切断する方法としては、刃物によって切断する方法であればよく、刃物の形状や切断方向、切断速度等については特に限定されるものではない。また、具体的な切断方法としては、例えば、周縁部に刃を有する円形状の回転刃を用い、該回転刃を光学フィルム原反の上面と平行な方向に移動させることにより該光学フィルム原反を切断する方法や、下端に刃を備えた押し切り刃を用い、光学フィルム原反に対して該押し切り刃を垂直に上下動させることにより該光学フィルム原反を切断する方法などが挙げられる。
偏光子としては、例えば、親水性ポリマーフィルムに二色性物質を吸着させ、該親水性ポリマーフィルムを一軸延伸することによって得られた偏光子が用いられる。より具体的には、例えば、親水性ポリマーフィルムを、膨潤、染色、架橋、延伸、水洗および乾燥の各工程に供することにより製造される偏光子が挙げられる。親水性ポリマーフィルムとしては、一般に、ポリビニルアルコール系フィルムが好適に使用され、二色性物質としては、ヨウ素が好適に使用される。
前記ポリビニルアルコール系フィルムとしては、例えば、従来より偏光子に用いられているポリビニルアルコール系フィルムを好適に用いることができる。ポリビニルアルコール系フィルムの材料としては、ポリビニルアルコール又はその誘導体が挙げられる。ポリビニルアルコールの誘導体としては、ポリビニルホルマール、ポリビニルアセタール等が挙げられる他、エチレン、プロピレン等のオレフィン、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等の不飽和カルボン酸およびそのアルキルエステル、アクリルアミド等で変性したものが挙げられる。ポリビニルアルコールの重合度は、100〜10000程度が好ましく、1000〜10000がより好ましい。ケン化度は80〜100モル%程度のものが一般に用いられる。
上記の他、ポリビニルアルコール系フィルムとしては、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム等の親水性高分子フィルム、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等ポリエチレン系配向フィルム等が挙げられる。
このように、偏光子は、親水性ポリマーフィルムを延伸する延伸工程を経て作成されるものであるため、切断時に延伸方向に沿ったクラックやケバが生じ易く、特に、その切断方向が、延伸方向と平行(切断角度が、偏光子の延伸方向(吸収軸)に対して0°)又は垂直(切断角度が、偏光子の延伸方向(吸収軸)に対して90°)でない場合に、このようなクラックやケバがより一層発生し易いという性質がある。
本発明では、斯かる構成の偏光子を加熱した状態で切断することにより、クラックやケバの発生を抑制することができ、綺麗な切断端面となるように該光学フィルムを切断することが可能となる。
光学フィルム原反が切断される際、光学フィルムを構成する偏光子は、雰囲気温度よりも高温となるように加熱される。
偏光子の加熱温度は、好ましくは、該偏光子を構成する樹脂のガラス転移温度以上とする。偏光子を、ガラス転移温度以上となるように加熱することにより、切断時のクラックやケバの発生を顕著に低減しうるという効果がある。
なお、ガラス転移温度については、JIS K 7121(1987)に準拠し、示差走査熱量計(セイコーインスツルメンツ株式会社製、DSC6220)を使用して、30℃〜200℃の温度範囲にわたって10℃/minで昇温することでDSC曲線を求め、そこから補外ガラス転移開始温度を求めることにより、これを本発明におけるガラス転移温度とした。
偏光子を構成するフィルムが、上述のようなポリビニルアルコール系フィルムである場合には、ガラス転移温度は概ね50℃前後であるため、前記偏光子の加熱温度を50℃以上とすることが好ましく、55℃以上とすることがより好ましい。偏光子の加熱温度を50℃以上とすることにより、切断時のクラックやケバの発生、積層体の剥離が抑制されるという効果があり、55℃以上とすることにより、より確実にこれらを防止しうるという効果がある。
偏光子の加熱に使用する加熱方法としては、該偏光子を所定の温度に加熱しうるものであれば特に限定されず、例えば、加熱された台座(ホットプレート)やローラに光学フィルム原反を接触させて加熱する方法、該光学フィルム原反に熱風や蒸気を吹き付けて加熱する方法、又は赤外線加熱、レーザー加熱、プラズマ加熱、近赤外線加熱、高周波加熱等の公知の加熱手段を用いて該光学フィルム原反を加熱する方法を採用することができる。
偏光子の温度は、従来公知の接触式又は非接触式の温度計を用いて測定することができるが、光学フィルムを汚染したり、又は傷付けることがないという観点から、非接触式の温度計を用いて測定することが好ましい。なお、偏光子が光学フィルム原反の内部に積層されている場合には、表面温度と偏光子温度との相関関係を予め測定しておき、表面温度からその相関関係に基づいて偏光子温度を計算する方法や、表面温度と偏光子温度とが概ね一致する(定常状態となる)まで加熱を継続した後、表面温度を測定する方法などを採用することができる。
以下、実施例により本発明についてより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
図1は、本発明に係る光学フィルム製造装置の一実施形態であって実施例において使用した光学フィルム製造装置の概略斜視図である。該図1に示すように、該光学フィルム製造装置1は、温度調節機能を備えた温度調節台座11と、該温度調節台座11上に敷設された保護シート12と、該温度調節台座11の上面に対して垂直方向に上下動することにより光学フィルム原反を切断する押し切り刃13とを備えて構成されている。切断対象となる光学フィルム原反2は、図1に示すように、保護フィルム12上に載置され、該保護フィルム12を介して温度調節台座11からの伝熱によって加熱されうるように配置される。偏光子の温度は、熱電対14を用いて測定しうるように構成されており、熱電対14を偏光フィルム原反2の表面に接触させることによって該偏光フィルム原反2の表面温度を測定し、該熱電対14と接続されたデータロガー15によって記録される表面温度がほぼ一定となったことにより偏光子の温度が該表面温度と同じ温度に到達したものと擬制した。
図2は、本発明における光学フィルム原反および光学フィルムの一実施形態であって、実施例において使用した光学フィルム原反および光学フィルムを示した概略断面図である。該図1に示すように、本実施形態に係る光学フィルム原反2は、表面保護フィルム21(ポリエチレン系フィルム(日東電工社製「SPV」、厚み61μm))、偏光子保護フィルム22(TACフィルム、厚さ45μm)、偏光子23(PVAフィルム、ガラス転移温度55℃、厚さ23μm)、偏光子保護フィルム24(ノルボルネン系フィルム(日本ゼオン株式会社製「ゼオノアフィルム」)、厚さ53μm)、およびセパレータ25(ポリエチレン系フィルム(東レ株式会社製「セラピール」)、厚さ38μm)が、粘着剤層(図示せず)等を介して、この順で積層されたものである。
切断試験1
図1に示したように、光学フィルム製造装置1を用いて上記光学フィルム原反2を切断し、切断端面に生じたクラック及びケバ、並びにフィルム同士の剥離の状態を評価した。具体的には、光学フィルム製造装置1の保護シート12上に光学フィルム原反2を載置し、温度調節台座11により加熱し、光学フィルム原反2が所定の温度でほぼ一定となった状態で、押し切り刃13を上下に往復動させ、光学フィルム原反2を切断した。
(試験条件)
加熱温度を、35℃、40℃、45℃、50℃、55℃、60℃、70℃および80℃とし、光学フィルム原反の切断角度を、偏光子の延伸方向(吸収軸)に対して0°、10°および90°とし、各条件において、光学フィルム原反(4cm×4cmの正方形状)のサンプル3枚をそれぞれ半分に切断した。
(クラックの評価方法)
上記3枚のサンプルのうち、2枚のサンプルを切断して得られた切断片の片方ずつに対し、切断後の端部を切断線に沿ってマイクロスコープ(拡大倍率500倍)を用いて目視観察し、クラックの合計本数を数えるとともに、切断線に対して直角方向へ最も深く入り込んだクラックの入り込み深さ(mm)を測定した。切断面においてクラックが観察されたマイクロスコープ写真の一例を図3に、切断面においてクラックが観察されなかったマイクロスコープ写真の一例を図4に示す。また、該評価方法によって測定されたクラックの測定結果を、図7及び図8に示す。
(剥離状態の評価方法)
上記クラックの評価を行った際に、併せて切断端面に剥離が生じているか否かを評価し、剥離が生じていると認められた場合には、切断端面からの剥離の深さ(mm)を測定した。剥離が観察されたマイクロスコープ写真の一例を図5に示す。また、該評価方法によって測定された剥離状態の測定結果を、図9に示す。
(ケバの評価方法)
3枚のサンプルを切断して得られた切断片のうち、上記クラックの評価試験に用いた2枚の切断片を除く他の切断片(合計4枚)を切断端面が揃うように重ね、クリップで固定し、この切断端面に粘着テープの粘着面を接触させて該粘着テープの粘着面にケバによる窪みを転写させ、これをマイクロスコープ(拡大倍率500倍)を用いて目視観察することにより、切断端面に生じたケバの本数を数えた。粘着テープに転写された窪みのマイクロスコープ写真の一例を図6に示す。また、該評価方法によって測定されたケバの測定結果を、図10及び図11に示す。
上記評価方法によって得られた図7〜図11の評価結果全体を概観すると、偏光子を加熱した状態で光学フィルム原反を切断することにより、クラックやケバ、剥離の発生が抑制される傾向にあることが認められる。
一方、個々の評価結果についてみると、クラック本数の評価結果(図7)によれば、加熱温度を50℃以上とすることにより、クラックの発生が顕著に抑制されていることが認められ、特に、加熱温度を55℃以上とすることによりクラックの発生が完全に抑制されていることが認められる。
また、クラック長さの評価結果(図8)においても、加熱温度を50℃以上とすることにより、クラック長さが顕著に抑制されていることが認められ、特に、加熱温度を55℃以上とすることにより完全にクラックの発生が抑制されていることが認められる。
剥離状態の評価結果(図9)によれば、加熱温度を50℃以上とすることにより、剥離の発生が顕著に抑制されていることが認められ、特に、加熱温度を55℃以上とすることにより完全に剥離が抑制されていることが認められる。
ケバの評価結果(図10及び図11)によれば、加熱温度を50℃以上とすることにより、ケバの発生が顕著に抑制されていることが認められ、特に、加熱温度を60℃以上とすることにより完全にケバが抑制されていることが認められる。
切断試験2
押し切り刃13を120℃に加熱した後、前記装置1に同様にセットし、切断試験1と同じ構成の光学フィルム原反2を加熱することなく常温(25℃)のまま、吸収軸に対して10°の切断角度で切断した。なお、切断時の刃の温度は、70℃であった。
得られたフィルム片について、切断試験1と同様にして評価を行った。結果を、以下に示す。
(測定結果)
クラック本数 180(本)
クラック長さ 0.117(mm)
剥離深さ 0.065(mm)
ケバ本数 2(本)
ケバ長さ 0.152(mm)
切断試験2による測定結果によれば、加熱された切断刃を用いた場合には、クラックやケバ、剥離を十分に防止することができないことがわかる。
切断試験3
切断試験1と同じ構成の光学フィルム原反2を100℃まで加熱した後、5分間放置して常温(25℃)となった状態で、前記装置1に同様にセットし、押し切り刃13を用いて吸収軸に対して10°の切断角度で切断した。
得られたフィルム片について、切断試験1と同様にして評価を行った。結果を、以下に示す。
(測定結果)
クラック本数 178(本)
クラック長さ 0.120(mm)
剥離深さ 0.064(mm)
ケバ本数 2(本)
ケバ長さ 0.141(mm)
切断試験3による測定結果によれば、光学フィルムを一旦加熱した後であっても、常温まで冷めた状態で切断を行うと、クラックやケバ、剥離を十分に防止することができないことがわかる。
以上のように、上記試験結果によれば、偏光子を備えた光学フィルム原反を切断するに際し、該偏光子を加熱した状態で切断することにより、クラックやケバ、剥離の発生を抑制することが可能であり、特に、偏光子を50℃以上に加熱した状態で切断することにより、これらを顕著に抑制することが可能であり、偏光子を55℃以上に加熱した状態で切断することにより、これらをほぼ完全に抑制することが可能であることがわかる。
1・・・光学フィルムの製造装置
2・・・光学フィルム原反
11・・・温度調節台座
12・・・保護シート
13・・・切断刃
14・・・熱電対
15・・・データロガー
21・・・表面保護フィルム
22・・・偏光子保護フィルム
23・・・偏光子
24・・・偏光子保護フィルム
25・・・セパレータ

Claims (3)

  1. 偏光子を備えた光学フィルム原反を刃物により切断して光学フィルムを製造する光学フィルムの製造方法であって、
    前記光学フィルム原反は、前記偏光子と他のフィルムとが積層されてなる積層構造を有しており、
    前記光学フィルム原反を切断する際、前記偏光子を、該偏光子を構成する樹脂のガラス転移温度以上に加熱した状態で切断することを特徴とする光学フィルムの製造方法。
  2. 前記偏光子がポリビニルアルコール系フィルムにより構成されたものであり、該偏光子を55℃以上に加熱することを特徴とする請求項1記載の光学フィルムの製造方法。
  3. 請求項1または2に記載の光学フィルムの製造方法により製造された光学フィルム。
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