以下、本発明のウエットシート収容体を、その好ましい第1実施形態に基づき、図1〜図6を参照しながら説明する。
第1実施形態のウエットシート収容体100A(以下、単に「ウエットシート収容体100A」ともいう。)は、液剤が含浸されて折り畳まれた折畳シート10Aを、少なくとも1枚、包装体20内に密封したものである。第1実施形態では、ウエットシート収容体100Aは、図1に示すように、長方形状の扁平な包装体20と、長方形状の折畳シート10Aとを有している。尚、第1実施形態では、長方形状の折畳シート10Aは、1枚の矩形形状のシート1から形成されており、シート1の形状は正方形、長方形のいずれでもよく、ヒトが手で用いることから長方形であることが好ましい。
以下の説明においては、図1に示すように、ウエットシート収容体100Aの長手方向をY方向、長手方向(Y方向)に直交する水平方向である幅方向(短手方向)をX方向、長手方向(Y方向)及び幅方向(X方向)からなる面方向に直交する方向である厚み方向をZ方向として説明する。尚、ウエットシート収容体100AのY方向、X方向及びZ方向は、それぞれ、包装体20、折畳シート10A或いは折り畳まれる前のシート1(図2参照)のY方向、X方向及びZ方向と同じ方向である。
包装体20は、液剤が含浸された折畳シート10Aを密封し、例えば携帯用のウエットシート収容体100Aを形成するものである。包装体20は、図1に示すように、折畳シート10Aを収納する密閉空間を形成するように、例えば後述するフィルム材シート内に折畳シート10Aを配した後、フィルム材シートのX方向の両端同士をY方向の全体に亘りシールし、好ましくは、折畳シート10Aの中央位置においてシールして筒状とし、さらにY方向の両端部それぞれにX方向の全域に亘るシール部201,201を配して形成されている。包装袋20は、折畳シート10Aを収容する前の状態において、Y方向の長さが70mm〜280mm程度であり、X方向の長さが30mm〜120mm程度のものである。シール部201の幅(Y方向の長さ)は、5mm〜20mm程度のものである。尚、包装体20に設けられる切り欠き部202については、後で詳述する。
包装体20は、例えばポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂といったポリオレフィン樹脂等からなる合成樹脂製のフィルム材シート、該合成樹脂製のフィルムとアルミニウム等の金属との積層体からなるフィルム材シート、或いは該合成樹脂製のフィルムにアルミニウム等の金属を蒸着したフィルム材シートを用いて形成されている。包装袋20を形成した際の内面は、シール部201を形成する観点から、前記ポリオレフィン樹脂を主成分とするシーラント層から構成されていることが好ましい。シーラント層としてはポリエチレンが好ましく、低密度ポリエチレンがより好ましい。フィルム材シートは、その厚さが40μm〜60μm程度のものが好ましい。本発明の図1及び図7に示す包装体20は、中間にアルミニウムの層を有し最内層がシーラント層である合成樹脂性の積層体からなり、厚さは45〜55μmであり3方シールされて形成されている。
折畳シート10Aは、1枚の矩形形状のシート1からなり、図2に示すように、シート1における一方の一対の端縁1a,1bどうし間の中央CL1からずれた位置P1にて該端縁1a,1bに平行に折り返した折り返し端縁部2と、一対の端縁1a,1bどうしがずれて重なっているふた重の端縁部3とを有し、更に、少なくとも1つの折り返し端縁部2に平行な第1折り返し部2f1と、1つの前記折り返し端縁部に直交する方向の第2折り返し部2f2とを有し、折畳シート10Aは、平面視して、ふた重の端縁部3を構成する一対の端縁1a,1bの両方がずれて外表面に位置して折り畳まれている。
言い換えれば、折畳シート10Aは、1枚の矩形形状のシート1からなり、図2に示すように、該シート1における一方の一対の端縁1a,1bどうし間の中央CL1からずれた位置P1にて該端縁1a,1bに平行に折り返して、折り返し端縁部2及び端縁1a,1bどうしがずれて重なるふた重の端縁部3を有する矩形形状の2つ折りシート4を形成し、更に、2つ折りシート4を、折り返し端縁部2とふた重の端縁部3との間において、折り返し端縁部2に平行に少なくとも1回折り返して第1折り返し部2f1を形成し、その後、折り返し端縁部2に直交する方向に折り返して第2折り返し部2f2を形成してなる。以下、具体的に、第1実施形態のウエットシート収容体100Aの備える折畳シート10Aについて詳述する。
第1実施形態では、折畳シート10Aは、図2(a)に示すように、Y方向に長い1枚の長方形状のシート1から形成されている。また、第1実施形態では、折畳シート10Aは、2つ折りシート4において、折り返し端縁部2とふた重の端縁部3との間における折り返し端縁部2に平行に延びる中心線CL2にて、ふた重の端縁部3を構成する1対の端縁1a,1bのいずれもが外側になるように平行(Y方向に平行)に折り返し、その後、折り返し端縁部2に直交する方向(X方向)に折り返し端縁部2どうしが直接接するように、即ち内側において重なるように折り返して形成されている。
以下、シート1を折り畳んで折畳シート10Aを形成する工程について図2を参照しながら説明する。
先ず、Y方向に長い長方形状のシート1を用意する。長方形状のシート1は、Y方向の長さが60mm〜400mm程度であり、X方向の長さが50mm〜300mm程度のものである。長方形状のシート1は、長手方向(Y方向)に延びる一対の端縁1a,1bと、短手方向(X方向)に延びる一対の端縁1c,1dとを有している。そして、図2(a)及び図2(b)に示すように、長方形状のシート1における一方の長手方向(Y方向)に延びる一対の端縁1a,1bどうし間の中央CL1(Y方向に延びる二等分線の位置)よりも端縁1a寄りの位置P1にて端縁1a,1bに平行に折り返して、該シート1の折り返しにより形成される折り返し端縁部2と、一対の端縁1a,1bどうしがずれて重なることにより形成されるふた重の端縁部3とを有するY方向に長い長方形状の2つ折りシート4を形成する。折り返し端縁部2及びふた重の端縁部3は、それぞれ、Y方向に平行に延びている。折り返し端縁部2は、図2(b)に示すように、折り返して形成される第1縦折り線21を含んで構成されている。なお、前述した平行とは、折り返す際の誤差や機械の精度によるズレがあってもよく、目視で概ね平行であることをいい、例えば、折り返し端縁部2と、一対の端縁1a,1bが平行であるとは、両者の間の距離が平均値に対して80〜120%の範囲にあればよい。
次いで、第1実施形態では、図2(b)に示すように、2つ折りシート4における折り返し端縁部2とふた重の端縁部3との間に平行に延びる中心線CL2(2つ折りシート4におけるY方向に延びる二等分線)にて、ふた重の端縁部3の一対の端縁1a,1bの両方が外側である表面に位置するようにY方向に平行に折り返し、図2(c)に示すような、4層のシート部分を有するY方向に長い長方形状の4つ折りシート5を形成する。このように、第1実施形態では、2つ折りシート4を、折り返し端縁部2に平行に1回折り返して第1折り返し部2f1が形成されている。また、このように形成された4つ折りシート5は、折り返し端縁部2に含まれる第1縦折り線21とふた重の端縁部3の端縁側である外方側の端縁1bとが端縁において重なっている。従って、4つ折りシート5は、図2(c)に示すように、Y方向に延びる一対の端縁が、該2つ折りシート4の折り返しにより形成される第2縦折り線22と、折り返し端縁部2に含まれる第1縦折り線21又はふた重の端縁部3の外方側の端縁1bとから形成されている。4つ折りシート5においては、ふた重の端縁部3の内方側の端縁1aが、第2縦折り線22と、第1縦折り線21並びにふた重の端縁部3の端縁1bとの間に配されている。ふた重の端縁部3の一方の端縁1aと、ふた重の端縁部3の他方の端縁1b或いは折り返し端縁部2の第1縦折り線21との間隔W1(X方向の長さ)、即ち形成される折畳シート10Aの外表面に配されるふた重の端縁部3の端縁1a,1bどうしのずれは、その間隔の平均値が、指で端縁1aをつまみやすくする観点及び端縁1aの存在を視認容易にする観点から、2mm以上であることが好ましく、3mm以上であることがより好ましく、15mm以下であることが好ましく、10mm以下であることが更に好ましい。なお、端縁1a,1bどうしのずれは、平行に折り畳む際のシート1の厚みや材質、折り畳む機械の精度による誤差を考慮し、平均2mm以上であることが好ましい。また、端縁1aの第1縦折り線21からの距離(間隔W1)は、折り畳み後のコンパクト化と端縁1aの摘まみやすさとの両立の観点から、4つ折りシート5の幅(X方向の長さ)の全長に対して50%より小さいことが好ましく、40%以下であることが好ましく、2mm以上であることが好ましい。
次いで、第1実施形態では、図2(c)に示すように、4つ折りシート5を、該4つ折りシート5における折り返し端縁部2に直交する方向(X方向)に延びる二等分線RLの位置にて、折り返し端縁部2が内側(ふた重の端縁部3の端縁1a,1bのいずれもが外側)になるように、言い換えれば、折り返される折り返し端縁部2,2どうしが直接接するように、折り返し、図2(d)に示すようなY方向に長い長方形状の折畳シート10Aを形成する。このように、第1実施形態では、第1折り返し部2f1が形成された4つ折りシート5を、折り返し端縁部2に直行する方向に折り返して第2折り返し部2f2が形成されている。
折畳シート10Aは、平面視して、ふた重の端縁部3を構成する一対の端縁1a,1bの両方がずれて外表面に位置して折り畳まれており、折畳シート10Aの外表面において端縁部3の端縁1aと端縁1bとがずれていることを確認することができる(図2(d)及び図3参照)。詳述すると、折畳シート10Aは、図2(d)及び図3に示すように、8層のシート部分を有するY方向に長い長方形状の8つ折りシートである。折畳シート10Aは、図2(d)に示すように、Y方向に延びる一対の端縁10a,10bを有している。一方の端縁10aは、図3に示すように、第2縦折り線22を2つ折り返して形成されるZ方向上方側の第2縦折り線22uとZ方向下方側の第2縦折り線22dとからなる。また他方の端縁10bは、図3に示すように、ふた重の端縁部3の端縁を2つ折り返して形成されるZ方向上方側のふた重の端縁部3uの外方側の端縁1b端縁及びZ方向下方側のふた重の端縁部3dの外方側の端縁1b、並びに第1縦折り線21を2つ折り返して形成されるZ方向上方側の第1縦折り線21u及びZ方向下方側の第1縦折り線21dから形成されている。
そして、折畳シート10Aにおいては、図3に示すように、ふた重の端縁部3の端縁を2つ折り返して形成されるZ方向上方側のふた重の端縁部3uの内方側の端縁1aが、Z方向上方側の第2縦折り線22uと、Z方向上方側のふた重の端縁部3uの外方側の端縁1b或いはZ方向上方側の第1縦折り線21uとの間に配されており、ふた重の端縁部3の端縁を2つ折り返して形成されるZ方向下方側のふた重の端縁部3dの内方側の端縁1aが、Z方向下方側の第2縦折り線22dと、Z方向下方側のふた重の端縁部3dの外方側の端縁1b或いはZ方向下方側の第1縦折り線21dとの間に配されている。即ち、折畳シート10Aは、Z方向上方側から平面視して、Z方向上方側のふた重の端縁部3uの内方側の端縁1aが、折畳シート10Aの外表面の内側領域に位置するように折り畳まれており、Z方向下方側から平面視して、Z方向下方側のふた重の端縁部3dの内方側の端縁1aが、折畳シート10Aの外表面の内側領域に位置するように折り畳まれて形成されている。このように、折畳シート10Aは、図3に示すように、Z方向上方側の表面に、ふた重の端縁部3uの内方側の端縁1aによる段差を有し、Z方向下方側の表面に、ふた重の端縁部3dの内方側の端縁1aによる段差を有しており、ふた重の端縁部3u、3dの端縁1aを、段差を手掛かりに手の指で摘むことが容易になる。
以上のように折り畳まれた折畳シート10Aは、平面視して、ふた重の端縁部3を構成する一対の端縁1a,1bの両方がずれて外表面に位置して折り畳まれている。即ち、折畳シート10Aは、平面視して、重なり端縁部3の端縁1a,1bどうしのずれが外表面に位置しており、Y方向の長さが30mm〜200mm程度であり、X方向の長さが15mm〜100mm程度のものである。また、折畳シート10Aの平面視の面積(折畳シート10AをZ方向上方側或いはZ方向下方側から平面視した際の面積)は、コンパクトで携帯性に優れる観点から、1枚のシート1の面積の16.5%以下に形成されていることが好ましく、該シート1の面積の13%以上16.5%以下であることがより好ましく、該シート1の面積の13.5%以上16%以下であることがさらに好ましい。具体的に、1枚のシート1の面積は、30cm2以上1200cm2以下であることが好ましく、200cm2以上450cm2以下であることが更に好ましい。折畳シート10Aの平面視の面積は、4.5cm2以上200cm2以下であることが好ましく、27cm2以上70cm2以下であることが更に好ましい。
折畳シート10Aを形成するシート1としては、各種織布、不織布、編布、それらの複合体などを用いることができ、液体の保持性能や製造経費を考慮すると、各種不織布を用いることが好ましい。不織布を用いる場合には、例えば、乾式スパンレース不織布、湿式スパンレース不織布、エアレイド不織布、エアスルー不織布、メルトブローン不織布、スパンボンド不織布などの各種不織布を用いることができる。また、これらの不織布は親水性の繊維を用いることが好ましく、コットン、パルプ、セルロース等の天然のセルロース材料、レーヨン等の合成樹脂繊維を用いることが好ましく、これらの繊維に、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、ナイロン、ポリプロピレンから選ばれる合成樹脂繊維を必要に応じて併用してもよい。
用いる不織布の坪量は、20g/m2〜90g/m2であることが好ましい。
折畳シート10A或いは折り畳まれる前のシート1に含浸する液剤は、ウエットシート収容体100Aの使用用途に応じて各種選択できる。ウエットシート収容体100Aの使用用途としては、除菌用、歯磨き用、洗顔用、メイク落とし用、おしぼり用、体拭き用等が挙げられる。本発明の折畳シート10或いは折り畳まれる前のシート1に含浸する液剤は、シートの保湿性、使用時の滑りや、なめらかな使用感を向上する観点から、保湿剤、増粘剤、被膜形成剤を含有することが好ましい。これらの保湿剤、増粘剤、被膜形成剤は、重ねられたシートが密着して広げにくい密着性成分であり、本発明の折畳シート10は、密着性成分から選ばれる1又は2の成分を含有する場合に好適に用いることができる。
上記の保湿剤としては、ソルビトール、キシリトール、グリセリン、マルトース、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ポリエチレングリコールから選ばれる1種又は2種以上の多価アルコール、トレハロース、パラチノース、ラフィノースから選ばれる1種又は2種以上の糖を用いることが好ましく、歯磨き用に用いる場合には、ソルビトール、キシリトール、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールから選ばれる1種又は2種以上を用いることが好ましい。上記の増粘剤としては、キサンタンガム、カラギーナン、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウムから選ばれる1種または2種以上を用いることが好ましい。
上記被膜形成剤としては、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、寒天、ペクチン、ゼラチン、グアーガム、アラビアゴム、カラヤガム、トラガントタム、タマリンドガム、ジェラガム、デンプン、プルランから選ばれる1種又は2種以上が好ましく、歯磨き用に用いる場合には、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、プルランがより好ましい。
例えばウエットシート収容体100Aは、折畳シート10A或いは折り畳まれる前のシート1に含浸させる液剤に、各種有効成分(薬効成分)を含有することができる。有効成分としては、アラントインクロルヒドロキシアルミニウム、ヒノキチオール、塩化リゾチーム、グリチルリチン酸及びその塩、塩化ナトリウム、トラネキサム酸、イプシロンアミノカプロン酸、酢酸dl−トコフェロール、アズレン、グリチルレチン酸、銅クロロフィリンナトリウム、グルコン酸銅等の銅化合物、乳酸アルミニウム、塩化ストロンチウム、硝酸カリウム、ベルベリン、ヒドロキサム酸及びその誘導体、トリポリリン酸ナトリウム、ゼオライト、デキストラナーゼ、ムタナーゼ、アミラーゼ、メトキシエチレン、無水マレイン酸共重合体、エピジヒドロコレステリン、ジヒドロコレステロール、クエン酸亜鉛、トウキ、オウバク、チョウジ、ローズマリー、オウゴン、ベニバナ等の抽出物、α−ビサボロール、クロルヘキシジン塩類、トリクロサン、トリクロロカルバニリド等が挙げられ、これらから選ばれる1種又は2種以上を含有することができる。また、液剤は、水を含有しており、水の含有量は液剤に対して60〜95質量%であることが好ましく、70〜90質量%であることがより好ましい。液剤の含浸率は、液剤が含浸される前の折畳シート10A或いは折り畳まれる前のシート1の重量に対して、200〜600重量%であることが好ましく、350〜450重量%であることがより好ましい。
折畳シート10A(及び後述する折畳シート10B)或いは折り畳まれる前のシート1に含浸させる液剤は、例えば表1に記載の液剤1〜液剤3が挙げられる。かかる液剤1〜液剤3を含浸させた折畳シート10A(10B)であっても、手で触る部分が少ないにも拘わらず、収納された折畳シート10A(10B)を折り畳む前の1枚のシートに戻し易い。なお、液剤1及び液剤2は、液体口腔用組成物であり、本発明の折畳シート10A(10B)は、歯磨きシートに好適に用いることができる。
ウエットシート収容体100Aに密封される折畳シート10Aの枚数は、ウエットシート収容体100Aの使用用途に応じて変更でき、具体的には、1枚〜50枚程度であり、1枚〜15枚であることが好ましく、1枚〜5枚であることがより好ましく、1枚がさらに好ましい。例えばウエットシート収容体100Aを歯磨き用に用いる場合には、収容体にリシール機能をもたせずコンパクトにしながら、衛生的な管理の観点から、図1に示す第1実施形態のウエットシート収容体100Aのように、液剤が含浸された折畳シート10Aを1枚のみ、包装体20内に密封していることが好ましい。このように形成されたウエットシート収容体100Aは、Y方向の長さが70mm〜280mm程度であり、X方向の長さが30mm〜120mm程度であり、Z方向の長さ(厚み)が0.5mm〜50mm程度のものであり、0.5mm〜15mmのものが好ましく、0.5mm〜2.5mmのものが好ましい。
折畳シート10Aを密封する包装体20には、上述したように、V字状の切り欠き部202が設けられている。第1実施形態のウエットシート収容体100Aでは、切り欠き部202は、図1に示すように、密封された折畳シート10Aにおける重なり端縁部3近傍の位置に形成されている。詳述すると、切り欠き部202は、その先端が、密封された折畳シート10AのZ方向上方側の外表面又はZ方向下方側の外表面におけるふた重の端縁部3u,3dの内方側の端縁1a,1a近傍の位置に形成されている。
次に、以上のように形成された第1実施形態のウエットシート収容体100Aの使用方法及びウエットシート収容体100Aを使用した際の作用効果について説明する。
例えば、先ず、図4(a)に示すように、左手でウエットシート収容体100Aを持ち、図4(b)に示すように、右手で包装体20の切り欠き部202を利用して包装体20をY方向に引き裂く。そして、図4(c)に示すように、包装体20から露出した折畳シート10Aのふた重の端縁部3近傍、具体的には、ふた重の端縁部3を形成する内方側の端縁1aよりもX方向外方のふた重の端縁部3を右手の親指と人差し指とで摘み、包装体20内から折畳シート10Aを引き出す。その際、切り欠き部202が折畳シート10Aのふた重の端縁部3近傍の位置に配されているので、折畳シート10Aにおけるふた重の端縁部3uの内方側の端縁1aによる段差及びふた重の端縁部3dの内方側の端縁1a,1aによる段差によって、引き裂いた開口部が開き易くなり、包装体20内から折畳シート10Aを引き出し易い。
次いで、図5(a)に示すように、右手の親指と人差し指とで摘んで引き出された折畳シート10Aにおいて、図5(b)に示すように、Z方向上方側の外表面のふた重の端縁部3uを形成する内方側の端縁1aを左手の親指と人差し指とで摘み、図5(c)に示すように左手に持ち替えて4つ折り状態に展開する。ふた重の端縁部3uを左手の親指と人差し指とで摘む際、折畳シート10AのZ方向上方側の外表面にふた重の端縁部3uの内方側の端縁1aによる段差があることにより、ウエットシート収容体100Aの使用者が容易にふた重の端縁部3uを認識し易く、容易にふた重の端縁部3uを摘むことができる。
図5(c)に示すように展開した後、図5(d)に示すように、左手の親指及び人差し指と右手の親指及び人差し指とでふた重の端縁部3を形成する端縁1bを捲る。その後、図5(e)に示すように、左手の親指と人差し指とでふた重の端縁部3を形成する端縁1aを摘み、右手の親指と人差し指とでふた重の端縁部3を形成する端縁1bを摘んで、左右に広げることにより、折り畳みが解除されて、図5(f)に示すように、元の1枚のシート1の状態に戻る。以上のように、第1実施形態のウエットシート収容体100Aは、収納された折畳シート10Aが、液剤を含浸しており、かつ元の1枚のシート1を8つ折りしたコンパクトなシートであるにも拘わらず、折畳シート10Aにおけるふた重の端縁部3u,3dの内方側の端縁1aによる段差によって、ふた重の端縁部3u,3dが視認され易く、折り畳む前のシート1の端縁1a,1bが取り出す際に摘む摘み部(外表面の重なり端縁部3)となり易い。更に該摘み部(外表面のふた重の端縁部3)がシート1の外表面に配されて摘み易い位置にある。その為、外表面のふた重の端縁部3の内方側の端縁1aを捲り易く、収納された折畳シート10Aを折り畳む前の1枚のシート1に戻し易い。また、元の1枚のシート1の状態に戻す際、ふた重の端縁部3を形成する端縁1a,1b及び折り返し端縁部2以外、手で触ることを防止できる。このように第1実施形態のウエットシート収容体100Aは、手で触る部分が少ないにも拘わらず、収納された折畳シート10Aを折り畳む前の1枚のシートに戻し易い。
尚、収納された折畳シート10Aに含浸される液剤により、外表面のふた重の端縁部3の外方側の端縁1bが捲り難い場合には、以下に示す図6のようにして、第1実施形態のウエットシート収容体100Aに収納された折畳シート10Aを折り畳む前の1枚のシートに戻しても、上記効果と同等の効果が得られるため好ましい。具体的には、図6(a)〜図6(c)に示すように、図5(a)〜図5(c)と同様にして、折畳シート10Aを4つ折り状態に展開した後、図6(d)に示すように、左手の親指と人差し指とでふた重の端縁部3を形成する端縁1aを摘んで広げることにより、ふた重の端縁部3を解除する。そして、図6(e)に示すように、左手の親指と人差し指とでふた重の端縁部3を形成する端縁1aを摘んだ状態で、第2縦折り線22に対応する位置に形成された折畳シート10Aの内側の折り返し部22Iを右手の親指と人差し指とで摘んで広げることにより、折り返し端縁部2を解除する。その後、図6(f)に示すように、左手の親指と人差し指とでふた重の端縁部3を形成する端縁1aを摘んだ状態で、右手を持ち替えて、右手の親指と人差し指とでふた重の端縁部3を形成する端縁1bを摘んで、左右に広げることにより、全折り畳みが解除されて、元の1枚のシート1の状態に戻る。
このように元の1枚のシート1の状態に戻されたウエットシートは、例えばウエットシート収容体100Aを歯磨き用に用いる場合、該ウエットシートで例えば右手の人差し指を覆うように配することにより、口腔内の歯を磨くのに利用できる。また、例えばウエットシート収容体100Aを歯磨き用に用いる場合、液剤が含浸された折畳シート10Aが1枚のみの使い切りであれば、衛生上問題なく使用することができる。
次に、本発明のウエットシート収容体を、その好ましい第2実施形態に基づき、図7〜図12を参照しながら説明する。第2実施形態のウエットシート収容体1Bは、図7に示すように、ウエットシート収容体1Bに収納される折畳シート10Bの形状が、図1に示す第1実施形態のウエットシート収容体1Aに収納される折畳シート10Aの形状と異なる。第2実施形態のウエットシート収容体1Bについては、第1実施形態のウエットシート収容体1Aと異なる点について主として説明し、同様の点については同一の符号を付して説明を省略する。特に言及しない点については、第1実施形態のウエットシート収容体1Aに関する説明が適宜適用される。
ウエットシート収容体1Bに収納される折畳シート10Bは、折畳シート10Aと同様に、1枚の矩形形状のシート1からなり、図8に示すように、該シート1における一方の一対の端縁1a,1bどうし間の中央CL1からずれた位置P1にて該端縁1a,1bに平行に折り返して、折り返し端縁部2及び端縁1a,1bどうしがずれて重なるふた重の端縁部3を有する矩形形状の2つ折りシート4を形成し、更に、2つ折りシート4を、折り返し端縁部2とふた重の端縁部3との間において折り返し端縁部2に平行に少なくとも1回折り返して第1折り返し部2f1を形成し、その後、折り返し端縁部2に直交する方向に二つ折りして第2折り返し部2f2を形成しなる。
第2実施形態では、折畳シート10Bは、図8(a)に示すように、Y方向に長い1枚の長方形状のシート1から形成されている。また、第2実施形態では、折畳シート10Bは、2つ折りシート4を、折り返し端縁部2とふた重の端縁部3の間において、折り返し端縁部2に平行に延びる中心線CL2よりもふた重の端縁部3寄りの位置P2にて、ふた重の端縁部3を構成する一対の端縁1a,1bの両方が外側の表面に位置するように平行(Y方向に平行)に折り返し、その後、折り返し端縁部2に直交する方向(X方向)に折り返し端縁部2どうしが直接接するように、即ち折り返し端縁部2が内側において接触するように折り返して形成されている。
以下、シート1を折り畳んで折畳シート10Bを形成する工程について図8を参照しながら説明する。
先ず、折畳シート10Aと同様に、Y方向に長い長方形状のシート1を用意する。長方形状のシート1は、長手方向(Y方向)に延びる一対の端縁1a,1bと、短手方向(X方向)に延びる一対の端縁1c,1dとを有している。そして、図8(a)及び図8(b)に示すように、長方形状のシート1における一方の長手方向(Y方向)に延びる一対の端縁1a,1bどうし間の中央CL1(Y方向に延びる二等分線の位置)よりも端縁1a寄りの位置P1にて端縁1a,1bに平行に折り返して、該シート1の折り返しにより形成される折り返し端縁部2と、一対の端縁1a,1bどうしがずれて重なることにより形成されるふた重の端縁部3とを有するY方向に長い長方形状の2つ折りシート4を形成する。折り返し端縁部2及びふた重の端縁部3は、それぞれ、Y方向に平行に延びている。折り返し端縁部2は、図8(b)に示すように、折り返して形成される第1縦折り線21を含んで構成されている。
次いで、第2実施形態では、図8(b)に示すように、2つ折りシート4における折り返し端縁部2に平行に延びる中心線CL2(2つ折りシート4におけるY方向に延びる二等分線)よりもふた重の端縁部3寄りの位置P2にて、2つ折りシート4を、ふた重の端縁部3を構成する一対の端縁1a,1bの両方が外側の表面に位置するようにY方向に平行に折り返し、図8(c)に示すような、4層のシート部分を有するY方向に長い長方形状の4つ折りシート5を形成する。このように、第2実施形態では、2つ折りシート4を、折り返し端縁部2に平行に1回折り返して第1折り返し部2f1が形成されている。また、このように形成された4つ折りシート5は、ふた重の端縁部3の内方側の端縁1aと、ふた重の端縁部3の外方側の端縁1bと、折り返し端縁部2に含まれる第1縦折り線21とがずれて位置しており段差をもって段階的に配されている。従って、4つ折りシート5は、図8(c)に示すように、Y方向に延びる一対の端縁が、該2つ折りシート4の折り返しにより形成される第2縦折り線22と、折り返し端縁部2に含まれる第1縦折り線21とから形成されている。4つ折りシート5においては、ふた重の端縁部3が、第2縦折り線22と、第1縦折り線21との間に配されている。また、ふた重の端縁部3を形成する他方の端縁1bが、ふた重の端縁部3を形成する一方の端縁1aと第1縦折り線21との間に配されている。ふた重の端縁部3の一方の端縁1aと、ふた重の端縁部3の他方の端縁1bとの間隔W1(X方向の長さ)、即ち形成される折畳シート10Bの外表面に配される重なり端縁部3の端縁1a,1bどうしのずれは、その間隔が、端縁1a及び1bの視認しやすさと手の指での摘まみやすさの観点から、2mm以上であることが好ましく、2mm以上15mm以下であることがより好ましく、2mm以上10mm以下であることが更に好ましい。ふた重端縁部3の他方の端縁1bと、折り返し端縁部2の第1縦折り線21との間隔W2(X方向の長さ)は、その間隔が、端縁1bの視認しやすさと手の指での摘まみやすさの観点から、2mm以上であることが好ましく、2mm以上15mm以下であることがより好ましく、1mm以上10mm以下であることが更に好ましい。
次いで、第2実施形態では、折畳シート10Aと同様に、図8(c)に示すように、4つ折りシート5を、該4つ折りシート5における折り返し端縁部2に直交する方向(X方向)に延びる二等分線RLの位置にて、折り返し端縁部2が内側(ふた重の端縁部3が外側)になるように、言い換えれば、折り返される折り返し端縁部2,2どうしが直接接するように、折り返し、図8(d)に示すようなY方向に長い長方形状の折畳シート10Bを形成する。このように、第2実施形態では、第1折り返し部2f1が形成された4つ折りシート5を、折り返し端縁部2に直行する方向に折り返して第2折り返し部2f2が形成されている。
折畳シート10Bは、平面視して、ふた重の端縁部3を構成する一対の端縁1a,1bの両方がずれて外表面に位置して折り畳まれており、折畳シート10Bの外表面においてふた重の端縁部3の端縁1a,1bがずれていることを視認することができる(図8(d)及び図9参照)。詳述すると、折畳シート10Bは、図8(d)及び図9に示すように、8層のシート部分を有するY方向に長い長方形状の8つ折りシートである。折畳シート10Bは、図8(d)に示すように、Y方向に延びる一対の端縁10a,10bを有している。一方の端縁10aは、図9に示すように、第2縦折り線22を2つ折り返して形成されるZ方向上方側の第2縦折り線22uとZ方向下方側の第2縦折り線22dとからなる。また他方の端縁10bは、図9に示すように、第1縦折り線21を2つ折り返して形成されるZ方向上方側の第1縦折り線21uとZ方向下方側の第1縦折り線21dとからなる。そして、折畳シート10Bの他方の端縁10b寄りには、折畳シート10BのZ方向上方側の外表面に、ふた重の端縁部3uの端縁1a,1bどうしがずれて配置され、折畳シート10BのZ方向下方側の外表面に、ふた重の端縁部3dの端縁1a,1bどうしがずれて配置されている。
そして、折畳シート10Bにおいては、図9に示すように、ふた重の端縁部3を構成する一対の端縁1a,1bの両方が、折畳シート10Bの折り畳み状態の端縁よりも内側に位置している。詳述すると、折畳シート10Bにおいては、ふた重の端縁部3の端縁を2つ折り返して形成されるZ方向上方側のふた重の端縁部3uが、Z方向上方側の第2縦折り線22uとZ方向上方側の第1縦折り線21uとの間に配され、ふた重の端縁部3uを形成する他方の端縁1bが、ふた重の端縁部3uを形成する一方の端縁1aと第1縦折り線21uとの間に配されている。また、ふた重の端縁部3の端縁を2つ折り返して形成されるZ方向下方側のふた重の端縁部3dが、Z方向下方側の第2縦折り線22dとZ方向下方側の第1縦折り線21dとの間に配され、ふた重の端縁部3dを形成する他方の端縁1bが、ふた重の端縁部3dを形成する一方の端縁1aと第1縦折り線21dとの間に配されている。即ち、折畳シート10Bは、Z方向上方側から平面視して、Z方向上方側のふた重の端縁部3uの内方側の端縁1a及び外方側の端縁1bが、折畳シート10Bの外表面に位置するように折り畳まれており、Z方向下方側から平面視して、Z方向下方側のふた重の端縁部3dの内方側の端縁1a及び外方側の端縁1bが、折畳シート10Bの外表面に位置するように折り畳まれて形成されている。このように、折畳シート10Bは、図9に示すように、Z方向上方側の表面に、ふた重の端縁部3uの内方側の端縁1a及び外方側の端縁1bそれぞれによる段差を有し、Z方向下方側の表面に、ふた重の端縁部3dの内方側の端縁1a及び外方側の端縁1bそれぞれによる段差を有している。
折畳シート10Bを密封する包装体20には、上述したように、V字状の切り欠き部202が設けられている。第2実施形態のウエットシート収容体100Bでは、切り欠き部202は、図7に示すように、密封された折畳シート10Bにおけるふた重の端縁部3近傍の位置に形成されている。詳述すると、切り欠き部202は、その先端が、密封された折畳シート10BのZ方向上方側の外表面又はZ方向下方側の外表面におけるふた重の端縁部3u,3dの外方側の端縁1b,1b近傍の位置に形成されている。
次に、以上のように形成された第2実施形態のウエットシート収容体100Bの使用方法及びウエットシート収容体100Bを使用した際の作用効果について説明する。
ウエットシート収容体100Bの効果については、ウエットシート収容体100Aの効果と異なる点について説明する。特に説明しない点は、ウエットシート収容体100Aの効果と同様であり、ウエットシート収容体100Aの効果の説明が適宜適用される。
例えば、先ず、図10(a)に示すように、左手でウエットシート収容体100Aを持ち、図10(b)に示すように、右手で包装体20の切り欠き部202を利用して包装体20をY方向に引き裂く。そして、図10(c)に示すように、包装体20から露出した折畳シート10Bのふた重の端縁部3近傍、具体的には、ふた重の端縁部3を形成する内方側の端縁1aよりもX方向外方のふた重の端縁部3及び折り返し端縁部2を右手の親指と人差し指とで摘み、包装体20内から折畳シート10Bを引き出す。その際、切り欠き部202が折畳シート10Bのふた重の端縁部3近傍の位置に配されているので、折畳シート10Bにおけるふた重の端縁部3uの内方側の端縁1a及び外方側の端縁1bそれぞれによる段差、並びにふた重の端縁部3dの内方側の端縁1a及び外方側の端縁1bそれぞれによる段差によって、引き裂いた開口部が開き易くなり、包装体20内から折畳シート10Bを引き出し易い。
次いで、図11(a)に示すように、右手の親指と人差し指とで摘んで引き出された折畳シート10Bにおいて、図11(b)に示すように、Z方向上方側の外表面のふた重の端縁部3uを形成する内方側の端縁1aを捲り、該端縁1aを左手の親指と人差し指とで摘み、Z方向上方側の外表面のふた重の端縁部3uを形成する外方側の端縁1bを捲り、図11(c)に示すように右手を持ち替えて、該端縁1bを右手の親指と人差し指とで摘む。ふた重の端縁部3uの端縁1a,1bを左右の手の親指と人差し指とで摘む際、折畳シート10BのZ方向上方側の外表面にふた重の端縁部3uの内方側の端縁1a及び外方側の端縁1bそれぞれによる段差があることにより、ウエットシート収容体100Bの使用者が容易にふた重の端縁部3uを認識し易く、液剤が含浸されていても、容易にふた重の端縁部3uを摘むことができる。
その後、図11(d)に示すように、左手の親指と人差し指とでふた重の端縁部3を形成する端縁1aを摘み、右手の親指と人差し指とでふた重の端縁部3を形成する端縁1bを摘んで、左右に広げることにより、折り畳みが解除されて、図11(d)に示すように、元の1枚のシート1の状態に戻る。以上のように、第2実施形態のウエットシート収容体100Bは、収納された折畳シート10Bが液剤が含浸しており、かつ元の1枚のシート1を8つ折りしたコンパクトなシートであるにも拘わらず、折畳シート10Bにおけるふた重の端縁部3u,3dの内方側の端縁1a及び外方側の端縁1bそれぞれの段差によって、ふた重の端縁部3u,3dが視認され易く、折り畳む前のシート1の端縁1a,1bが取り出す際に摘む摘み部(外表面のふた重の端縁部3)となり易い。更に該摘み部(外表面のふた重の端縁部3)がシート1の外表面に配されて摘み易い位置にある。その為、外表面のふた重の端縁部3の内方側の端縁1a及び外方側の端縁1bそれぞれを捲り易く、収納された折畳シート10Bを折り畳む前の1枚のシート1に戻し易い。また、元の1枚のシート1の状態に戻す際、ふた重の端縁部3を形成する端縁1a,1b及び折り返し端縁部2以外、手で触ることがない。このように第2実施形態のウエットシート収容体100Bは、手で触る部分が少ないにも拘わらず、収納された折畳シート10Bを折り畳む前の1枚のシートに戻し易い。
尚、収納された折畳シート10Bに含浸される液剤により、外表面のふた重の端縁部3の外方側の端縁1bが捲り難い場合には、以下に示す図12のようにして、第2実施形態のウエットシート収容体100Bに収納された折畳シート10Bを折り畳む前の1枚のシートに戻しても、上記効果と同等の効果が得られるため好ましい。具体的には、図12(a)〜図12(b)に示すように、図11(a)〜図11(b)と同様にして、Z方向上方側の外表面のふた重の端縁部3uを形成する内方側の端縁1aを、左手の親指と人差し指とで捲る。そして、図12(c)に示すように、端縁1aを展開した後、左手の親指及び人差し指と右手の親指及び人差し指とでふた重の端縁部3を形成する端縁1bを捲る。その後、図12(d)に示すように、左手の親指と人差し指とでふた重の端縁部3を形成する端縁1aを摘み、右手の親指と人差し指とでふた重の端縁部3を形成する端縁1bを摘んで、左右に広げることにより、折り畳みが解除されて、図12(e)に示すように、元の1枚のシート1の状態に戻る。
以上、本発明をその好ましい第1実施形態及び第2実施形態に基づき説明したが、本発明は上述した実施形態に制限されず適宜変更可能である。
例えば、第1実施形態及び第2実施形態のウエットシート収容体100A,100Bに収納された折畳シート10A,10Bは、シート1を折り畳んで折畳シート10A,10Bを形成する工程において、図2(c)及び図8(c)に示すように、4つ折りシート5をX方向に延びる二等分線RLの位置にて折り返して形成されているが、折り返し端縁部2に直交する方向(X方向)に折り返す位置は、折り返し端縁部2に直交して延びる中心線(X方向に延びる二等分線RL)からずれた位置であってもよい。このようにずれた位置で折り返されて折畳シート10A,10Bが形成されると、折畳シート10A,10Bに更に段差が付き、元の1枚のシート1の状態に戻し易い。折畳シート10A,10BにおけるZ方向上方側の表面に段差ができると、さらに前記効果を奏する。
また、第1実施形態及び第2実施形態のウエットシート収容体100A,100Bに収納された折畳シート10A,10Bは、図2(b)及び図8(b)に示すように、2つ折りシート4を、折り返し端縁部2に平行に延びる中心線CL2或いは該中心線CL2よりもふた重の端縁部3寄りの位置にて平行(Y方向に平行)に1回折り返して第1折り返し部2f1を形成し、その後、図2(c)及び図8(c)に示すように、折り返し端縁部2に直交する方向(X方向)に折り返し端縁部2が内側になるように折り返して第2折り返し部2f2を形成してなるが、折畳シート10A,10Bを平面視して、ふた重の端縁部3の端縁1a,1bどうしのずれが外表面に位置するように折り畳まれていれば、第1折り返し部2f1は、2つ折りシート4の折り返し端縁部2を中心線CL2に平行(Y方向に平行)に複数回折り返して形成されていてもよい。
また、第1実施形態及び第2実施形態のウエットシート収容体100A,100Bに収納された折畳シート10A,10Bは、図2(a)及び図8(a)に示すように、Y方向に長い長方形状の矩形形状のシート1を折り畳んで形成されているが、正方形状の矩形形状のシートを折り畳んで形成してもよい。また、折畳シート10A,10Bは、図2(a)及び図2(b)並びに図8(a)及び図8(b)に示すように、長手方向(Y方向)に延びる一対の端縁1a,1bを基準に先ず折ってから折り畳んで形成されているが、短手方向(X方向)に延びる一対の端縁1c,1dを基準に先ず折ってから上述した手順により折り畳んで形成されていてもよい。