JP3563192B2 - 袋状の清拭用シート - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、袋状の清拭用シートに関し、更に詳しくは、特に介護用清拭シートとして好適なもので、その使用の際に人体に痛みを感じさせることがなく、また、その着脱を容易に且つ清潔に行うことができる袋状の清拭用シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、袋状の清拭用シートとして、2枚の方形状のシートを2枚重ねにして4辺中3辺を全部接合し、1辺に開口部を設けたもの、又は1枚の長方形状のシートを2つ折りにし、その長手方向の両側縁それぞれを全部接合し、先端部に開口部を設けたものが知られていた。そして、このような袋状の清拭用シートは、開口部から一部又は全部の指を袋内に挿入して使用されていた。
【0003】
【発明が解決しよとする課題】
しかし、上述した従来の袋状の清拭用シートは、上記開口部の縁部と直交する2辺が全部接合されているので、該2辺と上記開口部と対向する1辺とが交差する二つの隅部が硬い角部になり、人体に使用する際に、この角部の先端が肌に当ると人体に痛みを与えるという問題があった。また、上記袋内への手の出入を容易に行い難く、使用後廃棄する際には、手や服等に汚れが付き易かった。
【0004】
従って、本発明の目的は、介護用清拭シートとして好適し、その使用の際に人体に痛みを感じさせることがなく、また、その着脱を容易に且つ清潔に行うことができる袋状の清拭用シートを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、長方形状のシート10を、その長手方向の両側縁11,11それぞれが一致するように、該長手方向の略中央に折曲部12を位置させて2つ折りにし、上記両側縁11,11それぞれの中央部を、上記折曲部12近傍及び上記両側縁11,11それぞれの前方部にそれぞれ非シール部13,14を設けて接合したことを特徴とする袋状の清拭用シート1を提供することにより、上記目的を達成したものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の袋状の清拭用シートの実施の形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の袋状の清拭用シートの一実施形態を示す斜視図、図2は、図1に示す清拭用シートの平面図、図3は、挿入空間に手を挿入した時の本実施形態の清拭用シートを示す斜視図、図4は、挿入空間に指を挿入した時の本実施形態の清拭用シートを示す斜視図、図5(a) は、図1に示す清拭用シートを手に装着した時の側面から見た断面図、図5(b) は、図1に示す清拭用シートを使用後に手から取り外した状態を側面から見た断面図である。
【0007】
本実施形態の袋状の清拭用シート1は、図1及び図2に示すように、長方形状のシート10を、その長手方向の両側縁11,11それぞれが一致するように、該長手方向の略中央に折曲部12を位置させて2つ折りにし、上記両側縁11,11それぞれの中央部を、上記折曲部12近傍及び上記両側縁11,11それぞれの前方部にそれぞれ非シール部13,14を設けて接合して形成されている。
【0008】
本実施形態について詳述すると、袋状の清拭用シート1の大きさは、図2に示すように、上記長手方向の長さSが、好ましくは3〜20cm、更に好ましくは4〜10cmになされており、その幅方向の長さLが、好ましくは3〜20cm、更に好ましくは8〜15cmになされている。
【0009】
上記折曲部12近傍の非シール部13は、図2に示すように、その長さS1 が、好ましくは0.5〜5cm、更に好ましくは1.25〜2.5cmになされている。また、上記前方部の非シール部14は、図2に示すように、その長さS2 が、好ましくは1〜10cm、更に好ましくは1.25〜5.0cmになされている。上記シール部15は、図2に示すように、その幅Wが、好ましくは1〜5mm、更に好ましくは、1〜3mmになされている。
【0010】
上記シール部15の接合方法は、特に制限されないが、例えば、ヒートシール、粘着剤を用いたシール、縫い合わせ等の接合方法が挙げられる。
【0011】
本実施形態の清拭用シート1を形成するシート10には、コットン、レーヨン、パルプ等の繊維を1種若しくは2種以上を混合した不織布を用いる。該不織布の形態としては、例えば、スパンレース不織布、スパンボンド不織布等の不織布が挙げられ、特に、熱融着繊維(ポリプロピレン等)を含むレーヨンスパンレース不織布を用いることが好ましい。また、上記シート10は、ドライで用いてもよく、また含浸液を含浸させたウェットで用いてもよい。ウェットで用いる場合には、例えば、保存剤及び保湿剤を含む水をベースとした含浸液を、シート10の重量の、好ましくは100〜300%、更に好ましくは200〜250%含浸させて用いる。また、上記シート10には、その厚さが0.2〜1.0mmのものを用いるのが好ましい。
【0012】
以上のように構成された本実施形態の清拭用シート1は、その使用の際には、上述した大きさの範囲の中から適宜選択されて、図3に示すような、上記両側縁11,11それぞれの中央部を接合することにより形成された挿入空間16に、人間の平均的な手が挿入できる大きさの袋状の清拭用シート1’、又は図4に示すような、上記挿入空間16の大きさが人差し指及び中指が丁度挿入できる大きさの袋状の清拭用シート1”等が用いられる。図3に示す袋状の清拭用シート1’は、特に、おしり拭き、大人向けの介護用タオルとして用いられ、図4に示す袋状の清拭用シート1”は、特に化粧用パフとして用いられる。
【0013】
図3に示す袋状の清拭用シート1’は、上述した本実施形態の清拭用シート1の大きさの範囲から上記長手方向の長さSが、好ましくは10〜20cm、更に好ましくは15〜18cm、上記幅方向の長さLが、好ましくは8〜20cm更に好ましくは10〜15cmになされて形成されている。
【0014】
図3に示す袋状の清拭用シート1’においては、上記折曲部12近傍の非シール部13の長さS1 は、上述した範囲の中から、好ましくは0.5〜5cm、更に好ましくは1.25〜2.5cmが選択され、上記前方部の非シール部14の長さS2 は、上述した範囲の中から、好ましくは1〜10cm、更に好ましくは3〜5cmが選択される。これは、上記折曲部12近傍の非シール部13の長さS1 が5cm以上であると、非シール部13から指が出て取り扱い難く、0.5cm未満であると、上記折曲部12の両端が硬い角部になり、この角部の先端が肌に対して痛みを与え易くなる。
【0015】
図4に示すような袋状の清拭用シート1”は、上述した本実施形態の清拭用シート1の大きさの範囲から上記長手方向の長さSが、好ましくは2〜10cm、更に好ましくは3〜5cm、上記幅方向の長さLが、好ましくは2〜6cm、更に好ましくは2〜4cmになされて形成されている。
【0016】
図4に示すような袋状の清拭用シート1”おいては、上記折曲部12近傍の非シール部13の長さS1 は、上述した範囲の中から、好ましくは0.5〜3cm、更に好ましくは1.25〜2.5cmが選択され、上記前方部の非シール部14の長さS2 は、上述した範囲の中から、好ましくは1〜9cm、更に好ましくは1.25〜5cmが選択される。これは、上記折曲部12近傍の非シール部13の長さS1 が3cm以上であると、非シール部13から指が出て取り扱い難く、0.5cm未満であると、上記折曲部12の両端が硬い角部になり、この角部の先端が肌に対して痛みを与え易くなる。
【0017】
そして、本実施形態の清拭用シート1の使用後は、上記清拭用シート1を、図5(a) に示すような装着状態から、挿入していない方の手で上記前方部の非シール部14を摘んで挿入している手の指の前方側に引きながら、図5(b) に示すように、裏返しにし、そのまま廃棄する。
【0018】
本実施形態の清拭用シート1は、図1及び図2に示すように、上記折曲部12近傍に非シール部13が設けられているので、上記折曲部12の両端が硬い角部になることはなく、その使用の際に、人体に痛みを与えるということはない。
【0019】
また、本実施形態の清拭用シート1は、図1及び図2に示すように、上記両側縁11,11それぞれの前方部に非シール部14が設けられているので、装着の際に、上記挿入空間16の挿入口をわざわざ開口することなく、手を容易に該挿入空間16に挿入することができる。
【0020】
また、本実施形態の清拭用シート1によれば、図5(b) に示すように、使用後に簡単に裏返すことができ、また、そのまま廃棄することができるので、廃棄の際に、手や服等に汚れが付き難い。
【0021】
尚、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、本発明の目的を逸脱しない範囲において、その寸法、形状等を適宜変更することができる。
【0022】
次に、上述した本実施形態の袋状の清拭用シートの好ましい一製造方法について図を参照しながら説明する。図6は、本実施形態の袋状の清拭用シートを製造工程の要部を示す斜視図である。
先ず、上記長方形状のシート10の長手方向の長さを有する帯状のシート2をその幅方向の中心で2つ折りにしたものを、適宜の手段で上記帯状のシート2の長手方向に直進させる。
【0023】
次いで、図6に示すように、上記幅方向の中央部を、上記折曲部12近傍及び上記前方部の非シール部13,14をそれぞれの長さS1 ,S2 が所定の長さになるように設けて接合し、その接合と同時に、上記シール部15の幅Wが所定の幅になるように切断機で切断する。
その後、上記帯状のシート2を、図6に示すように、上述した切断位置から上述した本実施形態の清拭用シート1の幅方向の長さL分だけ直進させた位置で、上記幅方向の中央部を、上記折曲部12近傍及び上記前方部の非シール部13,14を、それぞれの長さS1 ,S2 が所定の長さになるように設けて接合し、その接合と同時に、上記シール部15の幅Wが所定の幅になるように切断機で切断する。そして、本実施形態の袋状の清拭用シート1を、この最後の工程を複数回続けて複数枚製造する。
【0024】
以上のように構成された本実施形態の袋状の清拭用シート1は、包装体中において、例えば、ポップアップ方式で積層することができる。上記ポップアップ方式は、図7に示すように、複数枚の清拭用シート1a,1b・・を、それぞれの上記前方部の非シール部14a,14b・・を外側に折曲し、一方の清拭用シートの折曲された該前方部の非シール部14aと他方の清拭用シートの折曲された該前方部の非シール部14bとを連結させて積層することである。この積層状態は、包装体中からの清拭用シート1a,1b・・の取り出しを容易に行えるようにする点で有効である。
【0025】
また、本実施形態の袋状の清拭用シート1の包装体中における積層状態は、例えば、図8(a) に示すような積層状態、即ち、複数枚をそれぞれの上記折曲部12a,12b・・が重なるように積層する同方向平積みでも良い。また、図8(b) に示すような積層状態、即ち、複数枚を上記折曲部12a,12b・・と上記前方部とが交互に重なるように積層する交互平積みでも良い。
【0026】
【発明の効果】
本発明の袋状の清拭用シートは、使用の際に人体に痛みを感じさせることがなく、また、その着脱を容易且つ清潔に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の袋状の清拭用シートの一実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1に示す清拭用シートの平面図である。
【図3】挿入空間に手を挿入した時の本実施形態の清拭用シートを示す斜視図である。
【図4】挿入空間に指を挿入した時の本実施形態の清拭用シートを示す斜視図である。
【図5】図5(a) は、図1に示す清拭用シートを手に装着した時の側面から見た断面図、図5(b) は、図1に示す清拭用シートを使用後に手から取り外した状態を側面から見た断面図である。
【図6】本実施形態の袋状の清拭用シートを製造工程の要部を示す斜視図である。
【図7】本実施形態の袋状の清拭用シートの包装体中における一積層状態を示す側面図である。
【図8】本実施形態の袋状の清拭用シートの包装体中における他の積層状態を示すもので、図7に相当する側面図である。
【符号の説明】
1 袋状の清拭用シート
10 長方形状のシート
11 長手方向の側縁
12 折曲部
13 折曲部近傍の非シール部
14 両側縁の前方部の非シール部
Claims (1)
- 長方形状のシート10を、その長手方向の両側縁11,11それぞれが一致するように、該長手方向の略中央に折曲部12を位置させて2つ折りにし、
上記両側縁11,11それぞれの中央部を、上記折曲部12近傍及び上記両側縁11,11それぞれの前方部にそれぞれ非シール部13,14を設けて接合したことを特徴とする袋状の清拭用シート1。
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