JP2003061858A - 包装ウエットティッシュ - Google Patents

包装ウエットティッシュ

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JP2003061858A JP2001261376A JP2001261376A JP2003061858A JP 2003061858 A JP2003061858 A JP 2003061858A JP 2001261376 A JP2001261376 A JP 2001261376A JP 2001261376 A JP2001261376 A JP 2001261376A JP 2003061858 A JP2003061858 A JP 2003061858A
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 本発明の包装ウエットティッシュは、熱
融着性バインダーを用い繊維が結合された織布、不織布
または紙と水性薬液とからなり、ティッシュの乾燥物の
目付が40g/m2以下であり、ティッシュについてハン
ドルオメータ法で測定した乾燥状態におけるソフトネス
が10gを超え20g未満であり、ティッシュにはヘリ
ンボン模様が形成されており、そして、該包装ウエット
ティッシュは、乾燥ティッシュ100重量部に対して1
90〜250重量部の水性薬剤を含有すると共に、取出
されるウエットティッシュの葉の少なくとも終端部分と
次に取出されるウエットティッシュの葉の少なくとも先
端部分とが重なるように折り畳まれて可撓性包装袋体に
密封状態で収容されている。 【効果】 本発明によれば、ウエットティッシュが張り
付いてズルズル引出されるのを防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、一葉ずつ引き出し使用す
ることができる包装ウエットティッシュに関する。さら
に詳しくは本発明は、可撓性の包装袋体ごと収納容器に
入れてウエットティッシュを引き出して使用する際に、
一葉ずつ確実に取出し可能な包装ウエットティッシュに
関する。
【0002】
【発明の技術的背景】耐水性の不織布に水性薬剤を含浸
させたウエットティッシュは、近時、身体の清拭布など
として広汎に使用されており、特に育児、介護などにお
けるその使用頻度は非常に高くなっている。従来、ウエ
ットティッシュは、不織布に破断線を入れた不織布を筒
状に巻回し、この巻回された不織布を筒状の容器に収納
し、この容器の上部に設けられた取出し孔から引き出
し、破断点部分で切断しながら使用されていた。しかし
ながら、このような容器に収納されたウエットティッシ
ュは、引き出し抵抗が大きく、片手で容器を固定しなが
ら、もう一方の手でウエットティッシュを引き出さなけ
ればならず、非常に使用しにくいという問題があった。
【0003】こうした点を改良したウエットティッシュ
として、ポップアップ式のウエットティッシュがあり、
従来の筒型のウエットティッシュに代わって最近ではこ
のポップアップ式のウエットティッシュを使用すること
が多くなってきている。このポップアップ式のウエット
ティッシュでは、予め一葉ごとに裁断された不織布を、
それぞれの葉の端部が重なり合うように折り畳まれた状
態で可撓性袋に収納されており、このように折り畳まれ
たウエットティッシュを収納箱に入れ、この収納箱に上
面に形成された抵抗壁付きの取出し口からウエットティ
ッシュを一葉、一葉分離した状態で引き出し可能に形成
されている。したがって、このようなポップアップ式の
ウエットティッシュでは、ウエットティッシュを片手で
引き出すことにより、各葉を独立して取出すことができ
ると共に、次の葉が収納容器の取出し口の抵抗壁に保持
された状態になることが望ましい。ところが、実際にウ
エットティッシュを取出してみると、取出そうとするウ
エットティッシュの葉に次の葉が張り付いて2葉以上の
ウエットティッシュがズルズルと引き出されることがあ
る。このようにウエットティッシュの取出しの際に各葉
が分離せずに、連続して引出される現象は、一般に「ズ
ル」と呼ばれている。
【0004】ウエットティッシュを使用する際には、多
くの場合、一方の手で幼児あるいは被介護者などを支え
た状態など一方の手が自由に使えないことが多く、上記
のように取出そうとする一葉のウエットティッシュに次
の葉が同伴して引き出されてしまうと、これらを分離し
て使用することが困難である。このようなウエットティ
ッシュを取出す際の次の葉の同伴(所謂「ズル」)は、
ウエットティッシュを取出す際に必ず生ずるという問題
ではなく、何十枚あるいは何百枚のウエットティッシュ
を引き出したときに一定の低い確率で発生する問題であ
り、このようなウエットティッシュの同伴がどのような
原因によって発生するのか、その明確な原因は必ずしも
明確ではない。
【0005】また、これとは逆に次の葉のウエットティ
ッシュが、取出そうとするウエットティッシュに同伴さ
れず、抵抗壁に保持される前に包装袋内に落ちてしまう
ことがあり、このような場合には、収容箱を開けて最上
部にあるウエットティッシュの葉を取出し口に挿入して
抵抗壁に保持させる必要がある。このようなウエットテ
ィッシュの抜け落ちも一定の低い確率で発生する問題で
あり、これらの発生原因は必ずしも明確ではない。
【0006】このような状況から、ウエットティッシュ
の同伴および抜け落ちが抵抗壁の問題であるとする考え
方と、ティッシュの有する特性の問題であるとする考え
方があり、これらの観点から種々の提案がなされてい
る。たとえば、本発明者は、このようなウエットティッ
シュの同伴は、抵抗壁の構造に起因するものであるとの
考えから、ウエットティッシュの同伴(所謂「ズル」)
の少ない抵抗壁を有するの構造に関して既に出願してい
る(特願2000-365448号明細書参照)。このように抵抗
壁の構造を変えることにより、ウエットティッシュの同
伴の頻度は低下するが、これらを完全に防止できるには
到っていない。
【0007】また、ウエットティッシュの同伴あるいは
抜け落ちが、ティッシュの表面性にあるとの認識に基づ
いて、特表2000-509315号公報には、「基体と液体組成
物とを具備し、前記基体は中央パネルと2つの対向する
エンドパネル―ディングエッジパネル及びトレーリング
エッジパネル―とを有し、前記パネルのそれぞれは第1
の表面と第2の表面とを有し、前記パネルの少なくとも
1つの表面の少なくとも一部が1以下の動摩擦係数或い
は1.05以下の静摩擦係数のいずれかを有することを
特徴とするウエットワイプ。」の発明が開示されてい
る。
【0008】上記のようにこの公報に開示されている発
明は、ウエットワイプ(ウエットティッシュ)の表裏面
の摩擦係数がウエットティッシュの同伴および抜け落ち
に大きく関与しており、この摩擦係数を特定の値にする
ことにより上記同伴および抜け落ちを防止しようとする
ものである。そして、上記公報には、ウエットワイプの
エッジ表面の摩擦係数によって、折り重ねられ且つ積み
重ねられた場合にワイプの分配性が改良されると記載さ
れている。
【0009】このようにティッシュ(ワイプ)が重なり
合う部分の摩擦係数をたとえばエンボス加工などを施す
ことによって調整すれば、ウエットティッシュの取出し
時における次のティッシュの同伴、抜け落ちは、従来の
ウエットティッシュよりも改善されるが、このように摩
擦係数だけでは、その改善効果は必ずしも充分ではな
い。
【0010】たとえば、取出そうとするウエットティッ
シュの葉と、次の葉とは、重なり合ったワイプエッジの
摩擦係数だけでなく、この重なり合った部分に存在する
薬液の表面張力などによっても変化する。すなわち、2
枚のウエットティッシュの間に水などの液体が存在する
と、この水などの液体の表面張力によって2枚のウエッ
トティッシュは張り付いた状態になり、このような状態
のウエットティッシュを引き剥がすのには相当の力が必
要である。特に、ウエットティッシュの表面にエンボス
加工などにより凹凸が形成されている場合、2枚のティ
ッシュ間に存在する液体の量が多くなり、二枚のウエッ
トティッシュを引き剥がしにくくなる。他方、液体の量
が少ないと液体の表面張力は2枚のウエットティッシュ
を係合力としてはほとんど機能せず、ウエットティッシ
ュの表面状態が支配的になる。
【0011】このようにポップアップ式のウエットティ
ッシュにおいては、ウエットティッシュの取出し時にお
ける次の葉の同伴などは、単一のファクターによって調
整できるものではなく、多数のファクターが相互に影響
を及ぼしあうことによって奏されるものであり、ウエッ
トティッシュに係わる多数の要因をそれの相互の関係か
ら特定する必要があることがわかった。
【0012】
【発明の目的】本発明は、開口部に抵抗壁が形成された
収容箱からウエットティッシュを一枚ずつ(一葉ずつ)
確実に取り出すことができる包装ウエットティッシュを
提供することを目的としている。特に本発明は、取出そ
うとするウエットティッシュに次に取出される予定のウ
エットティッシュの葉が同伴して引き出されてしまうこ
となく、確実に抵抗壁に保持することができるウエット
ティッシュを水不透過性で可撓性袋体に収容してなる包
装ウエットティッシュを提供することを目的としてい
る。
【0013】
【発明の概要】本発明の包装ウエットティッシュは、水
性薬剤を含有し、一葉ずつ取出し可能に折り畳まれて水
不透過性の包装袋体に収容されている包装ウエットティ
ッシュであって、該包装ウエットティッシュは、熱融着
性バインダーを用い繊維が結合された織布、不織布また
は紙と水性薬剤とからなり、該乾燥したティッシュの乾
燥物の目付が40g/m2以下であり、該乾燥したティッ
シュについてハンドルオメータ法で測定した乾燥状態に
おけるソフトネスが15gを超え25g未満であり、該
ティッシュにはヘリンボン模様が形成されており、そし
て、該包装ウエットティッシュは、乾燥ティッシュ10
0重量部に対して190〜250重量部の水性薬剤を含
有すると共に、取出されるウエットティッシュの葉の少
なくとも終端部分と次に取出されるウエットティッシュ
の葉の少なくとも先端部分とが重なるように折り畳まれ
て可撓性包装袋体に密封状態で収容されていることを特
徴としている。
【0014】すなわち、本発明ではウエットティッシュ
を形成する不織布のうち、乾燥したティッシュの目付け
が40g/m2以下である不織布を使用する。しかし単に
上記のような目付けを有するティッシュを使用しただけ
では本発明の目的を達成することができず、本発明では
さらにこの乾燥ティッシュについて特定の方法で測定し
た測定したティッシュのソフトネスが15gを超え25
g未満であることが必要である。そして、この乾燥ティ
ッシュには、ヘリンボン模様が形成されており、この乾
燥ティッシュは、不織布などを形成する際に用いるバイ
ンダーとしてポリオレフィン系樹脂などからなる熱溶融
性バインダーを使用することが好ましい。
【0015】さらに、こうしたティッシュ100重量部
に対して190〜250重量部の水性薬剤を配合し、こ
れを前の葉のウエットティッシュの終端部近傍と次の葉
のウエットティッシュの先端部近傍とが重なり合うよう
に折り畳んで水不透過性で可撓性を有する袋体に収容し
て使用する。上記詳述のように、目付け、ソフトネス、
バインダーの種類、ティッシュに形成される模様などを
形成したポップアップ式ウエットティッシュとして好適
なものを使用するとともに、ここに配合される水性薬剤
の量もティッシュ100重量部に対して190〜250
重量部の範囲内に設定する。
【0016】このようなティッシュとして、特定のもの
を使用し、さらに、このような特定のティッシュに特定
量の水性薬剤を配合することにより、これらの要素が共
同してウエットティッシュが独立して取出される確立が
非常に高くなり、いわゆる一葉のウエットティッシュを
引き出したときに、次のウエットティッシュが引き出さ
れたウエットティッシュに同伴して引き出される所謂
「ズル」の発生確率が従来のポップアップ式のウエット
ティッシュにおける発生率よりも著しく低くなる。
【0017】
【発明の具体的な説明】次に本発明の包装ウエットティ
ッシュについて具体的に説明する。図1は本発明の包装
ウエットティッシュを包装ウエットティッシュ収納容器
に収納した状態を示す組み立て斜視図である。図2は、
折り畳まれて重ねられたウエットティッシュの状態を模
式的に示す斜視図である。
【0018】図3は、ウエットティッシュに形成される
ヘリンボン模様を模式的に示す図である。図4は、図1
に示すような包装ウエットティッシュ収納容器の抵抗壁
の構成の例を模式的に示す図であり、図4(a)は抵抗
壁の平面図、(b)は、図4(a)におけるA−A断面
図、(c)は、図4(a)におけるB−B断面図であ
る。
【0019】図5は、図4に示すような抵抗壁を通って
ウエットティッシュが取出される状態の例を模式的に示
す図である。図6は、図4におけるC−C断面図であ
る。図7は、包装ウエットティッシュ収納容器の他の態
様を示す図である。図8は、本発明の乾燥ティッシュの
ソフトネス(柔軟性)を測定するために使用されるハン
ドルオメータ法(E法)について説明する図である。
【0020】本発明の包装ウエットティッシュは、、折
り畳まれて端部が重ね合わされた複数葉のウエットティ
ッシュと水性薬剤とが水不透過性でかつ可撓性を有する
包装袋体に収容されてなる。図1には、本発明の包装ウ
エットティッシュ10を収納容器に収納して使用する態
様が示されている。すなわち、本発明の包装ウエットテ
ィッシュは、図2に示されるように水性液剤を含有する
と共に一葉一葉が独立して折り畳まれた複数のウエット
ティッシュ14が、水不透過性で可撓性素材から形成さ
れた包装袋体12に密封収容されて本発明の包装ウエッ
トティッシュ10を構成している状態が示されている。
この包装ウエットティッシュ10は、通常は、ウエット
ティッシュを取出すための開口部15が形成可能にされ
ており、包装ウエットティッシュを包装袋体10ごと収
容可能な包装ウエットティッシュ収納容器30,31に
収納されて使用される。この収納容器30,31は、底
部31と、この底部の周縁分に形成された凹状溝に下端
縁部が嵌合するように形成されたドーム型容器上部30
とからなる。さらにこのドーム型容器30上部の上面に
はウエットティッシュを取り出すための取出し口20が
設けられている。この取出し口20には、引き出された
ウエットティッシュ14を包装袋体12内に引き込まれ
ないように保持すると共に、取出されるウエットティッ
シュ14が、次に引き出されるウエットティッシュを同
伴して引出されないように分離する抵抗を与える抵抗壁
22,23が形成されている。抵抗壁22、23は、取
出し口20に複数のスリット24a,24bおよび28
a,28bを形成することにより抵抗壁22,23を区
画するように形成されている。この抵抗壁22,23は
複数のスリット24a,24bおよび28a,28bに
より、基端部が固定され、先端部が自由端25になった
4枚の舌片22a,22b,23a,23bとからな
り、自由端25は、最初のウエットティッシュを指で摘
み出し可能なように切り欠かれて指挿入部26を形成し
ている。この舌片22a,22b,23a,23bは、
ウエットティッシュの取出しに伴って変形可能な可撓性
を有している。
【0021】また、収納容器の取出し口20は、使用時
には開口し、使用しないときにはこの包装ウエットティ
ッシュ収納容器30、31を密閉状態に保つように閉口
するように開閉自在に形成された蓋体32を有してい
る。この蓋体32は、通常は、ウエットティッシュを取
出そうとする際にワンタッチで開閉可能なように、バネ
体などの弾性部材33によって開口方向に賦勢されてお
り、閉口時には、蓋体32に張り出して形成された係止
片34が開口ボタン35に係止されており、開口時に
は、開口ボタン35を押すことにより跳ね上がって取出
し口20が露出するように形成されている。
【0022】取出し口20に形成されている抵抗壁2
2,23は、ウエットティッシュ14が包装袋体内に引
き込まれることなく、次に取出されるまでの間確実にウ
エットティッシュを保持していると共に、取出されるウ
エットティッシュの葉に同伴して抵抗壁にまで引き出さ
れた次の葉のウエットティッシュが取出された前の葉の
ウエットティッシュから確実に分離するよう抵抗を与え
る。したがって、この抵抗壁22,23からウエットテ
ィッシュにかかる抵抗が大きすぎると、同伴される次の
葉のウエットティッシュは、その先端部がこの抵抗壁2
2,23を通過することができず、次の葉のウエットテ
ィッシュが包装袋体内に落ち込んでしまう。他方、この
抵抗壁22,23からウエットティッシュにかかる抵抗
が小さすぎると、取出そうとするウエットティッシュの
葉の終端部近傍に張り付いたまま引出され、次の葉のウ
エットティッシュから分離することができにくくなる。
すなわち、一葉のウエットティッシュを取出そうとする
のに、この一葉のウエットティッシュの終端部近傍に次
のウエットティッシュの先端部近傍が張り付いた状態で
引き出されてしまう。
【0023】しかしながら、ポップアップ式のウエット
ティッシュにおいては、取出そうとするウエットティッ
シュに、次の葉のウエットティッシュを張り付かせて抵
抗壁まで引出され抵抗壁に保持させて、次いでウエット
ティッシュを分離して取出し可能にしているために、重
なり合ったウエットティッシュがある程度の力で相互に
張り付いていることが必要である。所謂「ズル」の発生
を完全に防止するには、抵抗壁によって付与される抵抗
とウエットティッシュが相互に張り付く力との均衡を取
る必要があり、ポップアップ式のウエットティッシュに
おいて最も難しい課題である。このような「ズル」の発
生防止に関しては、抵抗壁22,23の形状などを変え
ることによってある程度は低減できることは既に知られ
ており、本発明者も「ズル」の発生しにくい抵抗壁の構
成について既に多数の提案を行っている。この出願で
は、より「ズル」の発生しにくい抵抗壁22,23の構
成として、従来の押さえ片などを形成するという二次元
的な抵抗壁の構造から一歩すすんで、図4に示すよう
に、抵抗壁におけるウエットティッシュとの接触がもっ
とも多い抵抗壁のウエットティッシュが通過する部分の
舌片状に形成された自由端25を三次元的に形成してい
る。すなわち、舌片状に形成された自由端25近傍に、
収納容器の内側に向かって突出した突出部27a,27
b,27c,27dを形成してこの取出し部を三次元的
に構成することによって、図5および図6に示すよう
に、この下方に延設された突出部27a,27b,27
c,27dがウエットティッシュを引き出す際に自由端
25が上方向に湾曲して変形することに伴ってより強い
力でウエットティッシュP1に接触する。このような構
成することにより、引き出しの際にウエットティッシュ
に係る抵抗を選択的に大きくすることができる。さら
に、これらの突出部27a,27b,27c,27dに
よってウエットティッシュが中央部に設けられたスリッ
ト24a,24bに案内されて、このスリット24a,
24bによって保持されることから、「ズル」の発生は
著しく減少するが、このような取出し口20の構造だけ
では、依然として、極めて低い確率ではあるが「ズル」
が発生する。このような「ズル」の発生は、抵抗壁20
の形態の改良によっては防止しようのないほど低い確率
であり、「ズル」の発生をさらに低減するためには、ウ
エットティッシュ自体を改良する必要がある。しかしな
がら、ウエットティッシュ自体は、直接身体に使用する
ものであり、その使用感が非常に重要になる。現在使用
されているウエットティッシュは非常に良好な使用感を
有しており、非常に低い確率で発生する「ズル」の発生
率をさらに低減するために、ウエットティッシュの良好
な使用感を犠牲にすることができない。
【0024】本発明においては、こうした状況を踏まえ
つつ、ウエットティッシュの良好な使用感を損なうこと
なく、ウエットティッシュの取出しの際の「ズル」の発
生率をさらに低下させるために、ウエットティッシュ自
体の見直しを行った。その結果、ウエットティッシュの
有する特性を好適な範囲内に設定することにより、従来
からウエットティッシュが有している優れた使用感を損
なうことなく、取出されるウエットティッシュに次の葉
のウエットティッシュが同伴して引き出されてしまう確
率(即ち、「ズル」が発生する確率)をより低くするこ
とができるとの知見を得た。
【0025】すなわち、本発明の包装ウエットティッシ
ュは、ティッシュの乾燥物の目付および乾燥ティッシュ
のソフトネスを調整し、ティッシュを構成するバインダ
ーとして特定のバインダーを使用し、さらに特定の模様
を形成したティッシュに、添加される水性薬剤の量を従
来のウエットティッシュよりも若干少なくすることによ
り、ウエットティッシュにおける「ズル」の発生確率を
著しく低下させることができるのである。
【0026】本発明のウエットティッシュは、通常は織
布、不織布あるいは紙とこれに含浸された水性薬剤から
形成されているが、このティッシュの乾燥物(不織布な
ど)の目付けが、40g/m2以下、好ましくは30〜4
0g/m2の範囲内、特に好ましくは33〜38g/m2
範囲内にある。目付け40g/m2を超える不織布などを
用いた場合には、「ズル」が発生する確率を低減する効
果が現れにくい。
【0027】さらに、本発明では、乾燥したティッシュ
である不織布などについて、ハンドルオメータ法(E
法)より測定した乾燥不織布のソフトネスが15gを超
え25g未満であることが必要であり、16〜24gの
範囲内にあることが好ましく、17〜23gの範囲内に
あることが特に好ましい。上記方法により測定した乾燥
不織布のソフトネスが上記範囲内にあることにより、本
発明の包装ウエットティッシュにおける「ズル」の発生
をより効果的に防止することができる。また、ウエット
ティッシュの使用感が従来のものと相違しない。
【0028】ここで使用されるハンドルオメータ法(E
法)で使用される測定装置を図8に示す。ハンドルオメ
ータ法(E法)は、調製された試料から、20cm×20c
mの試験片を3枚採取し、図8に示す試験台の上に測定方
向がスロット(幅20mm)と直角になるように置き、次
に試料台表面から8mmまで下がるように調節したベネト
レータのブレードを降下させ、試験片を押圧したとき
に、ブレードが8mm降下するのに要した重量である。
この試験は、いずれか一方の辺から6.7cm(試験幅の
1/3)の位置の縦方向および横方向で測定し、さらに
表面、裏面の異なる位置で測定する。こうして得られた
最高値(重さ(g))を読み取り、3枚の試料の平均値
を算定する。なお本発明で求めた値は、試験片として2
0cm×20cmを使用し、スリット幅を20mmとして測定
を行った値である。
【0029】このような乾燥ティッシュは、例えば不織
布の場合、無秩序に配列された繊維の交絡部分をバイン
ダーで接合することにより形成されているが、本発明で
はこのバインダーとして熱溶融性バインダーを使用す
る。本発明では、このバインダーとして、比較的融点の
低い熱溶融性バインダーを使用することが好ましい。こ
のような比較的融点の低い熱溶融性バインダーとして例
えば融点が100〜180℃に範囲にあるバインダーを
挙げることができ、特に本発明で好適に使用されるバイ
ンダーの例としてはポリオレフィン系熱溶融性バインダ
ーを挙げることができる。このポリオレフィン系熱溶融
性バインダーの融点は通常は100〜160℃、好まし
くは120〜150℃の範囲内にある。ポリエチレン・
ポリプロピレン系熱溶融性バインダーは、通常は100
〜160℃の範囲内、好ましくは120〜150℃の範
囲内に融点を有しており、このような融点を有するポリ
オレフィン系熱溶融性バインダーを用いることにより、
上記のようにして測定した不織布のソフトネスを上記好
適な範囲に設定しやすくなる。
【0030】ポリオレフィン系熱溶融性バインダーとし
てPP(ポリプロピレン)/PE(ポリエチレン系バインダーを
使用する場合、両者の配合重量比(PP/PE)は、通常は
1:1の重量比で使用される。さらに、本発明の包装ウ
エットティッシュを形成する不織布には、ヘリンボン
(herringbone)模様が形成されている。このヘリンボ
ン模様は、具体的には図3に示すような杉綾織模様であ
り、本発明においては、例えば、不織布を製造する際に
不織布を受けるために使用する受け用金網にヘリンボン
模様が形成された受け金網を用いることにより形成する
ことができる。本発明において、ヘリンボン模様を構成
する凸条の幅Lを、好ましくは0.5〜1.5mmの範囲
内、特に好ましくは0.8〜1.2mmの範囲内に設定し
てヘリンボン模様を形成することにより、本発明の包装
ウエットティッシュにおける「ズル」の発生防止効果が
より顕著に現れる。すなわち、このような幅Lの凸条が
形成されたヘリンボン模様を形成することにより、重な
りあったウエットティッシュにおける接触面積が小さく
なり、取出されようとする葉と、この葉に同伴して引き
出される葉との接合力を、「ズル」が発生せず、しかも
収納容器の抵抗壁に確実に保持されるまでは、両者の接
合状態が維持できる程度に高くなる。また、このように
ヘリンボン模様を形成することにより、不織布が嵩高に
なる傾向がある。すなわち、本発明の包装ウエットティ
ッシュを構成する不織布は、40g/m2以下の目付けを
有しているが、その触感は、目付けに換算するとおおよ
そ実際の目付けよりも1.1倍以上の目付けを有する不
織布と同等の触感を有するようになる。
【0031】このようなティッシュ(不織布など)を1
5〜20cm×15〜20cmの略正方形に裁断し、図2
(a)に示すようにこの裁断された不織布を二つ折りま
たは図2(b)に示すようにZ折りにして、前の葉の不
織布の終端部近傍と次の葉の先端部近傍とが重なり合う
ように積み重ねる。図2(a),(b)には、二つ折りまたはZ
折りにした不織布が模式的に示されているが、本発明は
こうした折り方に限定されるものではない。本発明にお
いて、「ズル」の発生防止は、上記のような不織布の折
り方よりも、むしろ、前の葉の終端部近傍と次の葉の先
端部近傍とが重なりあって積み重ねられた態様におい
て、前の葉と次の葉との重なり合わされた部分の面積に
よるところが大きい。特に本発明では、ウエットティッ
シュの全体の面積に対して通常は5〜25%、好ましく
は10〜20%の範囲内で次のウエットティッシュと重
ね合わせることにより「ズル」の発生率を低減できる。
このように前の葉と次の葉とを重ね合わせることによ
り、両者の接合強度が「ズル」が発生せず、しかも収納
容器の抵抗壁に次の葉の先端が確実に保持されるまで両
者の接合状態が解除されない程度に両者の間に接合力を
発現させることができる。前の葉の終端部近傍と次の葉
の先端部近傍とが上記のような面積割合で接合している
ので、これを一葉の不織布について見ると、全体の面積
の10〜50%が他の葉の不織布と重なり合っているこ
とになる。
【0032】このように重なり合わされて折り畳まれた
ティッシュ(不織布)に、ウエットティッシュの自重1
00重量部に対して、190〜250重量部、好ましく
は200〜220重量部の水性薬剤を含浸させることに
より、ウエットティッシュとなる。この水性薬剤の量も
本発明の包装ウエットティッシュに「ズル」の発生を低
減する上で非常に重要な要素となる。すなわち、水性薬
剤は不織布に含浸され、重なり合った2葉のウエットテ
ィッシュの接合力はウエットティッシュに含有される水
性薬剤の表面張力によるところが大きい。したがって、
この水性薬剤の量が上記範囲を逸脱して多いと折り重ね
られた葉の接合力が必要以上に高くなり、「ズル」が発
生し易くなる。他方、上記範囲を逸脱して少ないと折り
重ねられた葉の接合力が不足して取出される葉に同伴し
て引き出される葉が収納容器の抵抗壁に保持される前に
落下してしまう。
【0033】ここで使用される水性薬剤としては、水を
主成分とし、保湿剤、香料、殺菌剤、界面活性剤、多価
アルコール、低級アルコール、抗ヒスタミン剤、防菌防
黴剤、pH調製剤、収攣剤等を配合した水性溶液が使用
される。ただし、本発明の包装ウエットティッシュに
は、皮膚に直接使用するものもあり、このような皮膚に
直接使用する用途に使用されるウエットティッシュの水
性薬剤には皮膚に対する刺激性を有する成分を配合しな
いことが望ましい。例えば、粘膜に接触する虞のあるウ
エットティッシュには、アルコールのような刺激性成分
を配合しないことが望ましい。他方、殺菌、消毒などを
目的とするウエットティッシュには、殺菌成分となり得
る低級アルコール、防菌防黴剤などの配合量を多くする
ことが望ましい。
【0034】端部が前後の不織布などの端部と重なり合
うようにして折り畳まれて重ねられた不織布(ティッシ
ュ)と上記のような水性薬剤とからなるウエットティッ
シュは、水不透過性であって、かつ可撓性を有する包装
袋体に収容されている。この包装袋体14は、ポリオレ
フィン、ポリエステル、ポリアミドなどのようなポリマ
ーフィルム、金属蒸着ポリマーフィルム、金属箔が積層
された積層フィルムなどで形成されており、内部に収容
されているウエットティッシュ中の水性薬剤が蒸散しな
いように、水分を透過しないという特性を有している。
したがって、この包装袋体を形成するフィルムは、水不
透過性の単一の素材で形成されていてもよいし、複数の
素材の複合体、例えば複数の素材からなる層が少なくと
も2層積層された積層体であってもよい。このような包
装袋体を形成するフィルムの厚さは、通常は50〜10
0μm、好ましくは50〜80μmの範囲内にある。ま
た、この包装袋体は、可撓性を有するフィルムで形成さ
れていることが好ましい。すなわち、本発明の包装ウエ
ットティッシュは、包装袋体のまま、包装ウエットティ
ッシュ収納容器に収納されて使用されることから、この
収納容器に収納しやすいように可撓性を有していること
が好ましい。上述した厚さを有する上記例示したフィル
ムから形成された包装袋体は、通常の本発明で必要な可
撓性を有している。また、この包装袋体は、ヒートシー
ルにより容易に形成することができることから、包装袋
の内面側にはヒートシール層を配置する事が好ましい。
【0035】このような包装袋体には、内包されるウエ
ットティッシュを取出すための開口部が形成可能にされ
ている。すなわち、図1、図5、図6に示すように、本
発明の包装ウエットティッシュを使用する際には、上面
部に形成された開口部15から最初の一葉のウエットテ
ィッシュ14を引出して、収納容器に形成された抵抗壁
22,23に保持すると共にこの収納容器内に包装ウエ
ットティッシュを収容して使用するので、この包装袋体
には開口部15が必要になる。しかしながら、この包装
ウエットティッシュを使用する前、すなわち、保存、移
送などの際には包装ウエットティッシュに上記のような
開口部15は必要ではなく、むしろウエットティッシュ
を構成する水性薬剤が蒸散せず、また、外部からの雑菌
などの侵入を防止するためにも包装ウエットティッシュ
は密封されていることが望ましい。
【0036】このために包装袋体に形成される開口部
は、使用前には完全に封鎖されており、使用時にウエッ
トティッシュを取出し可能な開口部を形成可能にされて
いることが望ましい。本発明では、包装袋体の上面の開
口部形成予定部に破断線を形成し、この破断線によって
型取られた開口部形成予定部を覆うようにシール部材1
7を接着剤で貼着する。このようにして貼着されたシー
ル部材を剥離すると包装袋体12に破断線で形成された
開口部形成予定部の包装袋除去片18は、破断線から破
断してシール部材17に転写して剥離され、包装袋体に
開口部15が形成される。なお、ここでシール部材17
の接着に使用される接着剤は、この包装ウエットティッ
シュを収納容器30,31あるいは図7に示されるよう
な収納容器41,42に収納して使用する場合には、使
用に際してこのシール部材17は剥離撤去されることか
ら、再付着性を有している必要ない。一方、この包装ウ
エットティッシュ12を収納容器に収容しないで用いる
場合、例えば携帯用の包装ウエットティッシュのような
場合には、このシール部材18を蓋体として使用できる
ようにこのシール部材17を接着する接着剤として再付
着性を有している粘着性の接着剤を使用することができ
る。
【0037】そして、シール部材を包装袋体から撤去す
ることにより、包装袋体12に所望の形状の開口部15
を形成することができる。ここで包装袋体12に形成す
る開口部15の形状は、内包されるウエットティッシュ
を取出し可能な形状であれば特に制限はないが、内包さ
れているウエットティッシュの紙幅の70%以下、好ま
しくは20〜60%の長さを有すると共に、最初のウエ
ットティッシュを摘み出し可能な幅、好ましくは0.1
mm〜70mm、特に好ましくは5mm〜50mmの幅を有す
る。このような長さおよび幅の開口部(スリット)15
からウエットティッシュを引出すことにより、この包装
袋体に形成された開口部(スリット)15自体も取出さ
れるウエットティッシュに対して抵抗壁ともなり得、引
出されたウエットティッシュが包装袋体内に落ち込み戻
るのを防止できると共に、収納容器の設けられた抵抗壁
に保持されているウエットティッシュが、この抵抗壁か
ら抜け落ちるのを防止するとの効果が発現する。また、
このような幅及び長さを有するスリット15は、引出さ
れたウエットティッシュによってこのスリット(開口
部)15がほぼ満たされているので、開封後このスリッ
ト(開口部)15からの雑菌の侵入およびウエットティ
ッシュに含浸されている水性薬剤の蒸散を有効に防止す
ることができるとの効果も有する。
【0038】また、本発明の包装ウエットティッシュ1
0は、図1に示すような形態の収納容器に入れて使用す
るが、この収納容器は、図7に示すように上部が解放さ
れた箱状容器41とこの解放された上部を密封する密閉
蓋42と有し、密閉蓋42に取出し口20およびこの取
出し口20を密閉すると共に開閉自在に設けられた蓋体
32からなる収納容器であってもよい。なお、図7に示
す収納容器の細部は図1、図3、図4と略同様である。
また、抵抗壁22.23の形態は、突出片27a,27
b,27c,27dを有するものが好適である。特に本
発明では上記例示して示した抵抗壁の形態の他に特願20
00-365448号の明細書および図面に記載された形態の抵
抗壁とすることにより「ズル」の発生確率をより低くす
ることが可能である。しかしながら、本発明では、ウエ
ットティッシュを形成するティッシュ(識布、不織布、
紙など)自体および水性薬剤の量によって「ズル」の発
生を防止しているので、抵抗壁の形態に特に限定される
ものではない。
【0039】本発明の包装ウエットティッシュは、幼児
の清拭、被介護者の清拭などの身体の清拭に使用するこ
とができるほか、トイレ、水周りの掃除、OA機器のメン
テナンス、化粧品の拭取りなど、種々の用途に使用する
ことができる。
【0040】
【発明の効果】本発明の包装ウエットティッシュは、テ
ィッシュの乾燥物の目付、ティッシュについてハンドル
オメータ法で測定した乾燥状態におけるソフトネスを特
定の範囲にすると共に、このティッシュにヘリンボン模
様を形成し、さらにバインダーとして熱融着性バインダ
ーを用いて形成された織布、不織布または紙からなり、
乾燥ティッシュに対する水性薬剤の量を調整して、取出
されるウエットティッシュの葉の終端部分と次に取出さ
れるウエットティッシュの葉の少なくとも先端部分とが
重なるように折り畳んで可撓性包装袋体に収容すること
により、ウエットティッシュを取出す際に、この取出さ
れるウエットティッシュと次の葉のウエットティッシュ
とが、例えば収納容器などに形成されている抵抗壁で確
実に分離され、取出されるウエットティッシュに次の葉
のウエットティッシュが張り付いて次々に引出される、
所謂「ズル」の発生確率が著しく低減される。
【0041】また、本発明の包装ウエットティッシュ
は、上記のように所謂「ズル」の発生確率が著しく低く
なるが、包装ウエットティッシュの収納容器の抵抗壁に
次に取出されるウエットティッシュが確実に保持され、
ウエットティッシュが包装袋内に引き戻されるといった
ことをほとんど発生しない。
【0042】
【実施例】次に本発明の実施例を示して本発明の包装ウ
エットティッシュについてさらに詳細に説明するが、本
発明はこれらによって限定されるものではない。
【0043】
【実施例1〜2、比較例1〜4】表1に示すようにレー
ヨン繊維およびバインダーを用いて不織布を調製し、こ
の不織布を15×20cmに裁断した。この不織布90枚
をZ折りにしてそれぞれの葉が前の葉と13%重ね合わ
されるように積み重ねた。こうして積み重ねた不織布
と、この不織布100重量部に対して所定量の水性薬剤
とを、アルミ蒸着PETとポリエチレンとの積層体(厚さ
52μm)である包装袋に収納し収納口をヒートシール
して密閉した。この収納袋の上面には波線により長さ6
cm、幅1.8mmの開口形成予定部が形成されており、こ
の開口形成予定部に、長さ10.5cm、幅4.5mmのシ
ール部材をアクリル系接着剤(再付着性なし)で貼着し
て、包装袋体内にウエットティッシュを密閉状態で収納
した。
【0044】この包装ウエットティッシュからシール部
材を引き剥がすことにより袋体の開口系性予定部の包装
袋がシール部材に貼着して取り除かれ開口部が形成され
た。この開口部が形成された包装ウエットティッシュ
を、図7に示すような収納容器に入れ、最初のウエット
ティッシュを抵抗壁を介して包装袋体から引出し、収納
容器の抵抗壁に保持させた。なお、この収納容器におけ
るスリット24a、24bの合計の長さは5cmであ
り、ウエットティッシュの幅の21%に相当し、また、
このスリット24a、24bの幅は21mmである。こ
の24a、24bの中央部には、指を挿入してウエット
ティッシュを引出すために円形に形成されている。さら
に、この収納容器における突出片27a,27b,27
c,27dは、それぞれ長さが1.24cmであり、6
mm下方に突出して形成されている。
【0045】こうして収納容器に納められたウエットテ
ィッシュを引き出し、2枚以上ウエットティッシュがつ
ながって引き出される枚数を測定した。上記のような引
き出し試験を同一の構成のウエットティッシュについて
5回づつ行い、ひとつの包装ウエットティッシュにおけ
る「ズル」(つながって引出されるウエットティッシ
ュ)の発生率を求めた。また、抵抗壁に保持されずに、
包装袋内に引き戻されるウエットティッシュの発生率も
求めた。さらに、それぞれのウエットティッシュの使用
感を15人のパネラーにより評価させた。これらの結果
を表1に記載する。
【0046】
【表1】
【0047】*1)ヘリンボン間隔;12.5mm* 2)ヘリンボン間隔;25mm* 3)PP/PE(重量)=1/1、融点:130℃* 4)ホ゜リエステル系ハ゛インタ゛ー=PET(ホ゜リエチレンテレフタレート)/PE=1/
1、融点:130℃
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の包装ウエットティッシュを
包装ウエットティッシュ収納容器に収納した状態を示す
組み立て斜視図である。
【図2】 図2は、折り畳まれて重ねられたウエットテ
ィッシュの状態を模式的に示す斜視図である。
【図3】 図3は、ウエットティッシュに形成されるヘ
リンボン模様を模式的に示す図である。
【図4】 図4は、図1に示すような包装ウエットティ
ッシュ収納容器の抵抗壁の構成の例を模式的に示す図で
ある。
【図5】 図5は、図4に示すような抵抗壁を通ってウ
エットティッシュが取出される状態の例を模式的に示す
図である。
【図6】 図6は、図4におけるC−C断面図である。
【図7】 図7は、包装ウエットティッシュ収納容器の
他の態様を示す図である。
【図8】 図8は、本発明の乾燥ティッシュのソフトネ
ス(柔軟性)を測定するために使用されるハンドルオメ
ータ法(E法)について説明する図である。
【符号の説明】
10・・・包装ウエットティッシュ 12・・・包装袋体 14・・・ウエットティッシュ 15・・・開口部(スリット) 17・・・シール部材 18・・・包装袋除去片 20・・・取出し口 22、23・・・抵抗壁 22a,22b,23a,23b・・・舌片 25・・・自由端 26・・・指挿入部 27a,27b,27c,27d・・・突出片 24a,24b,28a,28b・・・スリット 30,31・・・収納容器 32・・・蓋体 33・・・弾性部材 34・・・係止片 35・・・開口ボタン 41・・・箱状容器 42・・・密閉蓋

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水性薬剤を含有し、一葉ずつ取出し可能
    に折り畳まれて水不透過性の包装袋体に収容されている
    包装ウエットティッシュであって、 該包装ウエットティッシュは、熱融着性バインダーを用
    い繊維が結合された織布、不織布または紙と水性薬剤と
    からなり、該乾燥したティッシュの乾燥物の目付が40
    g/m2以下であり、該乾燥したティッシュについてハン
    ドルオメータ法で測定した乾燥状態におけるソフトネス
    が15gを超え25g未満であり、該ティッシュにはヘ
    リンボン模様が形成されており、そして、該包装ウエッ
    トティッシュは、乾燥ティッシュ100重量部に対して
    190〜250重量部の水性薬剤を含有すると共に、取
    出されるウエットティッシュの葉の少なくとも終端部分
    と次に取出されるウエットティッシュの葉の少なくとも
    先端部分とが重なるように折り畳まれて可撓性包装袋体
    に密封状態で収容されていることを特徴とする包装ウエ
    ットティッシュ。
  2. 【請求項2】 上記取出されるウエットティッシュの終
    端部分と次に取出されるウエットティッシュの先端部分
    との重ね合わせ部分が、ウエットティッシュの各葉の面
    積の5〜25%の範囲内にあることを特徴とする請求項
    第1項記載の包装ウエットティッシュ。
  3. 【請求項3】 上記熱溶融性バインダーの融点が100
    〜180℃の範囲内にあることを特徴とする請求項第1
    項記載の包装ウエットティッシュ。
  4. 【請求項4】 上記熱溶融性バインダーがポリオレフィ
    ン系樹脂からなることを特徴とする請求項第3項記載の
    包装ウエットティッシュ。
  5. 【請求項5】 上記ウエットティッシュを形成する不織
    布のバインダーが、融点が100〜160℃の範囲内に
    あるポリオレフィン系バインダーであり、該ポリオレフ
    ィン系バインダーが、実質的に水に不溶性であることを
    特徴とする請求項3項または第4項記載の包装ウエット
    ティッシュ。
  6. 【請求項6】 上記ヘリンボン模様を構成する凸条の幅
    Lが0.5〜1.5mmの範囲内にあることを特徴とする
    請求項第1項記載の包装ウエットティッシュ。
  7. 【請求項7】 上記ウエットティッシュが、水または水
    性薬剤と長期間接触しても、その形態が維持されるもの
    であることを特徴とする請求項第1項記載の包装ウエッ
    トティッシュ。
  8. 【請求項8】 上記包装ウエットティッシュの包装袋体
    に、内包されているウエットティッシュを使用時に取出
    し可能にするスリット状開口形成予定部が形成されてお
    り、該スリット状開口予定部は、包装袋体にスリット状
    開口部形状に形成された破断線と、該スリット状開口部
    形状に形成された破断線を覆うように接着されたシール
    部材とからなり、該シール部材を剥離、または、剥離撤
    去することにより、該包装袋体に形成された破断線から
    スリット状開口形成予定部に対応する部分の包装袋体部
    分がシール部材に貼着して除去されスリット状開口部を
    形成することを特徴とする請求項第1項記載の包装ウエ
    ットティッシュ。
  9. 【請求項9】 上記シール部材を包装袋体に貼着してい
    る接着剤が再付着可能な粘着性を有する接着剤である
    か、または、一旦剥離撤去された後は有効な接着性を有
    しない接着剤であることを特徴とする請求項第8項記載
    の包装ウエットティッシュ。
  10. 【請求項10】 上記包装ウエットティッシュが、ウエ
    ットティッシュを取出すと共に該取出されたウエットテ
    ィッシュの次の葉を保持する抵抗壁が形成された取出し
    口と、該取出し口を密封すると共にウエットティッシュ
    を取出す際に開口可能に形成された蓋体とを上面に有す
    ると共に、内部に水不透過性の可撓性袋体に収容された
    包装ウエットティッシュを可撓性包装袋体ごと収容可能
    に形成された包装ウエットティッシュ収納容器に収納さ
    れて使用されるものであることを特徴とする請求項第1
    項記載の包装ウエットティッシュ。
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