JP6202023B2 - 積層体及び画像表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は、積層体及び該積層体を用いてなる画像表示装置に関する。
近年、4K2K(水平画素数3840×垂直画素数2160)や8K4K(水平画素数7680×垂直画素数4320)と呼ばれる水平画素数が3000以上の超高精細な表示パネルを備えた液晶表示装置等の画像表示装置が開発されているが、このような超高精細な表示パネルを備えた画像表示装置では、表示パネルの光の透過率が低下するため、これまで以上に優れた輝度を有することが求められており、バックライトの高輝度化が求められる。
ここで、液晶表示装置の輝度には、バックライト光源が直接的に関連しており、従来、液晶表示装置のバックライト光源としては、CCFL、EEFL、FFL、LED等が用いられており、従来の白色LED光源は、CCFL光源に比べて応答速度が速く、消費電力が少ないということで採用が多くなっていた。
また、より高輝度化を可能とするバックライト光源として、量子ドット(Quantum dot(QD))を含む光波長変換層を、QD励起光源(青色LED)上に備えたバックライト光源(以下、QD光源ともいう)が注目されている。
量子ドット(QD)とは、10億分の1メートルサイズの小さい粒子を意味する「ナノ(nano)」素材であり、量子サイズ効果によりバルク半導体とは異なる光学的特性を持つ。この量子ドットは、光を吸収して異なる波長の光を発生させることができ、サイズを調節することで、赤外から紫外の広い波長範囲の光を出すことができる。また、様々なサイズの量子ドットが共に存在するときに一つの波長で光を発するようにすると、様々な色を一度に出すこともできる。
この量子ドットを用いたQD光源では、従来の白色LED光源と比べて発光スペクトルの半値全幅(FWHM)が狭いため、色純度が高くカラーフィルターによる光ロスも少ない。また、量子ドットを用いたQD光源は、高い変換効率を有するため、高輝度のバックライト光源となり得る(例えば、特許文献1及び2等参照)。
しかしながら、このようなQDを含む光波長変換層を経て得られた白色光は、光波長変換層に用いられたQDの種類や、光波長変換層の少なくとも片面に設ける光拡散層によって、適切に発光効率が向上されないことがあった。特に、QD粒子を用いた光波長変換層を備えた表示装置において、光拡散層にナノメートルオーダーの超微粒子を拡散粒子として用いた場合には、バックライト全体の光波長変換効率はさほど向上できなかった。
また、例えば、蛍光体、拡散材及びバインダー樹脂からなる蛍光体層を有する蛍光体積層構造も知られているが(例えば、特許文献3参照)、このような蛍光体積層構造であっても、光波長変換効率を充分に向上させることはできなかった。
特表2013−539170号公報 特表2013−544018号公報 特許第5138145号
本発明は、上記現状に鑑み、入射光に対する光波長変換効率の向上を好適に図ることのできる積層体、該積層体を備えた画像表示装置を提供することを目的とするものである。
本発明は、少なくとも光波長変換層を有する積層体であって、上記光波長変換層は、量子ドットと光散乱粒子とがバインダー樹脂中に分散されており、上記光散乱粒子の屈折率は、上記バインダー樹脂の屈折率に対して0.10以上の屈折率差を有し、上記光散乱粒子の平均粒子径が、0.1〜0.4μmであり、かつ、上記光波長変換層の膜厚を100%としたときに8%以下であり、上記量子ドットは、1種以上の材料からなる、及び/又は、少なくとも一つの粒子径分布帯を有し、上記光波長変換層は、上記光散乱粒子100質量部に対して上記量子ドットを0.01〜10質量部含有することを特徴とする積層体である。
本発明の積層体において上記量子ドットは、青色光を緑色光に変換する第1の量子ドット及び/又は青色光を赤色光に変換する第2の量子ドットを含むことが好ましい。
本発明の積層体は、上記光波長変換層の両面に少なくともバリア層が設けられていることが好ましい。
また、本発明の積層体は、2層以上の光波長変換層を有し、上記2層以上の光波長変換層は、同一若しくは異なる材料からなる量子ドット、及び/又は、同一若しくは異なる粒子径分布を有する量子ドットを有することが好ましい。
また、本発明の積層体は、2種以上の材料からなる光散乱粒子を有することが好ましい。
また、本発明の積層体は、上記光波長変換層に入射した光の散乱効率を縦軸とし、上記光散乱粒子の粒子径を横軸としたときに示されるグラフにおいて現れる最大ピークの半値幅の範囲内に、上記光散乱粒子の粒子径分布のうち20%以上が含まれることが好ましい。
また、上記光散乱粒子は、上記無機粒子であることが好ましく、上記無機粒子は、ATO粒子、ITO粒子、MgO粒子、Al粒子、TiO粒子、BaTiO粒子、Sb粒子、SiO粒子、ZrO粒子及びZnO粒子からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
本発明の積層体は、上記光波長変換層の少なくとも片方の面上にヘイズ値40%以上の光拡散層を有することが好ましく、上記光拡散層は、本発明の積層体の最外層に位置していることが好ましい。
本発明はまた、本発明の積層体を用いてなることを特徴とする画像表示装置でもある。
以下に、本発明を詳細に説明する。
なお、本明細書において、「樹脂」とは、特に言及しない限り、モノマー、オリゴマー等も包含する概念である。
本発明者らは、上記現状に鑑み鋭意検討した結果、量子ドット(QD)と光散乱粒子とを含む光波長変換層を有する積層体において、該光波長変換層に含まれる光散乱粒子として、その平均粒子径と屈折率とが、光波長変換層の膜厚及び該光波長変換層のバインダー樹脂の屈折率に対して特定の関係を満たすように高度に制御することで、上記量子ドットによる上記光波長変換層への入射光の光変換効率を好適に向上させることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
なお、特許文献3のような、従来の蛍光体、拡散材及びバインダー樹脂からなる蛍光体層を有する蛍光体積層構造においては、蛍光体層が蛍光体と拡散材とを含む構造であるが、積層する場合の色むらを解消することにより、輝度及び効率の向上を図っており、拡散材等の屈折率を制御することは検討されているが、拡散材の平均粒子径についての検討は何らされていなかった。
すなわち、従来の量子ドットと光散乱粒子とを同一層中に含む構成の積層体においては、光散乱粒子の屈折率制御のみを単独で行うことや、光散乱粒子の分散方法等に着目しているものが殆どであり、光散乱粒子の粒子径を光波長変換層の膜厚との関係で高度に制御するとともに、光散乱粒子の屈折率を制御することが検討されることはなかった。
ここで、光波長変換層におけるQDの濃度を上げることで、該光波長変換層への入射光の光変換効率を高めることはできるが、高価なQDの使用量の増大は製造コストの高騰を招く。これに対し、本発明の積層体は、上述した構成とすることで、光波長変換層への入射光の光変換効率を高めることができるため、QDの使用量(濃度)を減らすことができ、低コスト化が可能となる。
本発明の積層体は、少なくとも光波長変換層を有する。
図1は、本発明の積層体を模式的に示す断面図である。
図1に示したように、本発明の積層体10は、少なくとも光波長変換層11を有する構成であり、該光波長変換層11の両面にバリア層12が設けられていることが好ましく、光波長変換層11とバリア層との間に基材13が設けられていることが好ましい。
本発明の積層体において、上記光波長変換層は、量子ドットと光散乱粒子とがバインダー樹脂中に分散されている。
図2は、上記量子ドットを含有する光波長変換層を含むバックライト光源の一例を模式的に示す断面図である。
図2に示したように、上記バックライト光源は、光源部20と光波長変換層11とから構成されており、光源部20は、フレーム21と該フレーム21の光波長変換層11面上に設けられた凹部に青色LED22が実装されており、光波長変換層11は、バインダー樹脂210中に量子ドット(青色光を緑色光に変換する第1の量子ドット230及び青色光を赤色光に変換する第2の量子ドット220)と光散乱粒子240とが分散されている。なお、光源部20の青色LED22から放出された青色光は、光波長変換層11を透過すると、第1の量子ドット230に吸収されることで放出された緑色光、及び、第2の量子ドット220に吸収されることで放出された赤色光と混色することで、白色光に変換される。
このため、本発明の積層体においては、上記量子ドットは、青色光を緑色光に変換する第1の量子ドットと、青色光を赤色光に変換する第2の量子ドットとを含むことが好ましい。なお、以下の説明では、青色光を緑色光に変換する第1の量子ドットと、青色光を赤色光に変換する第2の量子ドットとを特に区別しない場合は、単に「量子ドット」と表記して説明する。
なお、本発明の積層体によると、緑色の発光が赤色の発光よりも優先的に増強させることができる。この理由は明確ではないが、上記光散乱粒子は、青色光を緑色光に変換する第1の量子ドットから、青色光を赤色光に変換する第2の量子ドットへのエネルギー移動を阻害するような役割を果たしていると考えられ、本来上記エネルギー移動により失活していた緑色の発光が失活することなく発光過程に至り、結果として緑色の発光が増加するためといった理由が考えられる。
上記量子ドットとは、通常、中心体と該中心体を被覆する殻で構成され、該殻の外表面に高分子コーティングされた構成を有する。
上記量子ドットの中心体及び殻を構成する材料としては特に限定されず、例えば、CdSe、CdTe、CdS、ZnO、ZnS、ZnSe、InP、PbSe等が挙げられる。これらの材料は、単独、すなわち、1種以上で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
ここで、上記量子ドットとは、量子閉じ込め効果(quantum confinement effect)を有する所定の大きさの半導体粒子である。このような量子ドットは、励起源から光を吸収してエネルギー励起状態に達すると、量子ドットのエネルギーバンドギャップに応じたエネルギーを放出する。よって、量子ドットの粒径又は物質の組成を調節すると、エネルギーバンドギャップを調節することができ、様々なレベルの波長帯のエネルギーを得ることができる。
上記量子ドットは、粒径が小さいほど短い波長の光が発生し、粒子が大きいほど長い波長の光を発生するので、青色光を緑色光に変換する第1の量子ドット230は、青色光を赤色光に変換する第2の量子ドット220の粒径よりも小さく形成される。具体的には、青色光を赤色光に変換する第2の量子ドット220のサイズとしては、例えば、6〜10nmφが挙げられ、青色光を緑色光に変換する第1の量子ドット230のサイズとしては、例えば、2〜4nmφが挙げられる。
また、量子ドットの形状としては特に限定されず、例えば、球状、棒状、円盤状、その他の形状が挙げられ、断面形状としては円形、三角形、四角形又は楕円形等任意の形状が挙げられる。なかでも断面形状が円形であることが、光学的等方であるとの見地から好ましい。
なお、上記量子ドットのサイズは、上記光波長変換層の断面TEM又はSTEM観察にて測定された20個の量子ドットの直径を平均した値である。
本発明の積層体においては、上記量子ドットは、少なくとも1種の材料からなる、及び/又は、少なくとも一つの粒子径分布帯を有するものである。
ここで、「少なくとも一つの粒子径分布帯を有する」とは、上記量子ドットは、その存在比率を縦軸に、粒子径を横軸にした粒子径分布において、1以上のピークを有することを意味する。
本発明の積層体において、上記量子ドットは、上記光波長変換層中、バインダー樹脂100質量部に対して3質量部以下であることが好ましい。3質量部を超えると、量子ドットの光学特性を充分に利用できないことがある。上記光波長変換層中の量子ドットの含有量の好ましい下限は0.01質量部、より好ましい上限は1質量部である。
また、バインダー樹脂210としては特に限定されず、従来公知の材料が挙げられるが、具体的には、例えば、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタンアクリレート樹脂等を単独又は任意に組み合わせて用いることができる。
また、本発明の積層体10において、光散乱粒子240の平均粒子径が、光波長変換層11の膜厚を100%としたときに8%以下である。光散乱粒子240の平均粒子径が8%を超えると、本発明の積層体10による入射光の光変換効率の向上を充分に図ることができない。
光散乱粒子240の平均粒子径は、光波長変換層11の膜厚を100%としたときに3%以下であることが好ましい。
なお、光散乱粒子240の平均粒子径が光波長変換層11の膜厚に対して小さくなり過ぎると、光散乱粒子240による入射光の散乱効果が得られなくなる。このため、光散乱粒子240の平均粒子径は、光波長変換層11への入射光が散乱できる範囲を下限とすることが好ましい。
なお、光波長変換層11の膜厚は、本発明の積層体の断面顕微鏡観察において、20カ所について光波長変換層の厚みを測定したときの平均値として求めることができ、また、光散乱粒子240の平均粒子径は、本発明の積層体の断面顕微鏡観察において観察される光散乱粒子20個の粒径を測定しその平均値を算出することで求めることができる。
本発明の積層体において、上記光散乱粒子の粒子径を高度に制御することが、入射光の光変換効率の向上に必要であるが、上記光散乱粒子の屈折率と上記バインダー樹脂との屈折率差の制御も上記入射光の光変換効率の向上に重要である。
具体的には、上記光散乱粒子の屈折率は、上記バインダー樹脂の屈折率に対して0.10以上の屈折率差を有する。0.10未満の屈折率差であると、入射光の光変換効率の向上を図ることができない。
なお、上記光散乱粒子の屈折率が高いほど光の散乱効率が高まる傾向にあるため、上記光波長変換層の膜厚に対して平均粒子径のより小さな光散乱粒子を用いることができる。
また、本発明の積層体において、上記光散乱粒子は、光波長変換層に入射する光に対して主にミー散乱を生じさせる平均粒子径を有することが好ましい。
図3は、上記光散乱粒子が入射光に対しミー散乱をする様子を模式的に示した図であるが、図3に示したように、入射光は、光散乱粒子240によるミー散乱により、入射光の進行方向に強く散乱される。
このような主にミー散乱を生じさせる平均粒子径を上記光散乱粒子が有することで、本発明の積層体による光波長変換効率の向上が極めて優れたものとなる。この理由は、光波長変換層に入射する光が層中の光散乱粒子により散乱(主にミー散乱)されることで光波長変換層中における光路長が伸び、量子ドットによる波長変換過程が起こる機会が増えるためであると推測される。
また、本発明の積層体において、上記光波長変換層に入射した光の散乱効率を縦軸とし、光散乱粒子の粒子径を横軸としたときに示されるグラフにおいて現れる最大ピークの半値幅の範囲内に、上記光散乱粒子の粒子径分布のうち20%以上が含まれることが好ましい。
図4は、上記光波長変換層に入射した光の散乱効率を縦軸とし、光散乱粒子の粒子径を横軸としたときに示されるグラフの一例である。
上記「最大ピーク」とは、図4に示したように、上記グラフは、粒子径の増大により複数のピークが現れるため、そのなかの最大のピーク(通常、図4に示したように粒子径が小さい側で最初に現れるピーク)である。
そして、上記最大ピークの半値幅の範囲内に、上記光散乱粒子の粒子径分布のうち20%以上が含まれることで、本発明の積層体は、入射光に対する光波長変換効率の向上を極めて好適に図ることが可能となる。この理由は、粒子径が上記最大ピークの半値幅の範囲内にある光散乱粒子は、光の散乱効率が高いものであるため、このような光散乱粒子を多く含有することで光波長変換層に入射する光が層中の光散乱粒子による散乱がより強くなり、上記光波長変換層中における光路長がさらに伸び、量子ドットによる波長変換過程が起こる機会がより増えるためであると推測される。
なお、上記「光散乱粒子の粒子径分布」とは、その存在比率を縦軸に、粒子径を横軸にした粒子径分布であり、上記粒子径は、上記光波長変換層の断面TEM、STEM又はSEM観察にて測定される。
なお、粒子径分布帯の異なる光散乱粒子を上記光波長変換層が有する場合、各光散乱粒子の粒子径分布が上記最大ピークの半値幅の範囲内にあることが好ましいが、少なくとも最も含有量の多い光散乱粒子の粒子径分布が上記最大ピークの半値幅の範囲内にあればよい。
また、上記光散乱粒子は、無機粒子であることが好ましく、具体的には、ATO粒子、ITO粒子、MgO粒子、Al粒子、TiO粒子、BaTiO粒子、Sb粒子、SiO粒子、ZrO粒子及びZnO粒子からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
上記光散乱粒子が無機粒子であることで、光波長変換層への入射光を好適に散乱させることが可能となり、該入射光に対する光波長変換効率の向上を好適に図ることが可能となる。特に、上記光散乱粒子はAl粒子、TiO粒子、BaTiO粒子、Sb粒子及びZrO粒子からなる群より選択される少なくとも1種であること好ましい。
本発明の積層体による入射光に対する光波長変換効率の向上をより好適に図ることができることから、上記光散乱粒子は、2種以上の材料からなるものであってもよい。なお、この場合、上記2種以上の光散乱粒子のそれぞれの平均粒子径が、上記光波長変換層の膜厚に対する上述した要件を満たしていることが好ましい。
上記光波長変換層は、上記光散乱粒子100質量部に対して量子ドットを0.01〜10質量部含有することが好ましい。0.01質量部未満であると、入射光に対する光波長変換効率の向上が難しく、10質量部を超えると、輝度の低下を招くことがある。上記量子ドットの含有量のより好ましい下限は0.1質量部、より好ましい上限は3質量部である。
また、本発明の積層体において、上記光散乱粒子は、上記光波長変換層中、バインダー樹脂100質量部に対して好ましい下限は5質量部、好ましい上限は50質量部である。5質量部未満であると、充分な波長変換効率の向上が得られないことがあり、50質量部を超えると、上記光散乱粒子の分散状態の悪化などにより良好な光散乱状態が得られないことがある。
上記量子ドットを含有する光波長変換層を有するバックライト光源(QD光源)のその他の構成としては特に限定されず、従来公知のものと同様のものを用いることができる。上記バックライト光源(QD光源)の波長としては、上記量子ドットの光吸収帯に重なる波長であることが望ましい。
上記光波長変換層は、例えば、上述した量子ドット、光散乱粒子及びバインダー樹脂のモノマー成分に、必要に応じて公知の溶剤及び光重合開始剤等を添加した光波長変換層用組成物を調製し、該光波長変換層用組成物を、公知の方法で塗布、乾燥、硬化させることで製造することができる。
なお、本発明の積層体は、上記量子ドットを含有する光波長変換層を有するため、液晶表示装置等のバックライト光源として用いることで、従来の白色LED等をバックライト光源とした場合と比較してより高い演色性を図ることができる。
また、本発明の積層体において、上記光波長変換層は、JIS K5600−5−4(1999)で規定される鉛筆硬度試験(4.9N荷重)で「H」以上の硬度を有することが好ましい。
本発明の積層体は、上記光波長変換層の両面に少なくともバリア層を有することが好ましい。
上記バリア層は、上記光波長変換層(特に量子ドット)を劣化させる対象(例えば、空気や水分等)から保護することを目的として設けられた層である。
上記バリア層は、酸素透過率が5cc/m/day/atm以下であることが好ましく、なかでも、0.1cc/m/day/atm以下であることが好ましい。一方、酸素透過率の下限は測定装置の精度から5.0×10−3cc/m/day/atmであることが好ましい。なお、上記酸素透過率は、酸素ガス透過率測定装置(MOCON社製、OX−TRAN 2/21)を用い、23℃、90%Rhの条件で測定した値である。
また、上記バリア層の水蒸気透過率は、37.8℃、100%Rhの条件において5g/m/day以下であることが好ましく、なかでも、0.01g/m/day以下であることが好ましい。更に、40℃、90%Rhの条件においては、水蒸気透過率が1g/m/day以下であることが好ましく、測定装置の精度から水蒸気透過率の下限は5.0×10−3g/m/dayであることが好ましい。なお、上記水蒸気透過率は、水蒸気透過率測定装置(MOCON社製、PERMATRAN−W 3/33)を用いて測定した値である。
上記バリア層の形成材料としては、上述したバリア性が得られるものであれば特に限定されないが、例えば、無機酸化物、金属、ゾルゲル材料等が挙げられる。具体的には、上記無機酸化物としては、例えば、酸化ケイ素(SiOx)、酸化アルミニウム(AlnOm)、酸化チタン(TiO)、酸化イットリウム、酸化ホウ素(B)、酸化カルシウム(CaO)、酸化窒化炭化ケイ素(SiOxNyCz)等が挙げられ、上記金属としては、例えば、Ti、Al、Mg、Zr等が挙げられ、上記ゾルゲル材料としては、例えば、シロキサン系ゾルゲル材料等が挙げられる。これらの材料は、単独で用いられてもよく2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
上記バリア層の厚みとしては特に限定されないが、0.01〜1μmであることが好ましい。0.01μm未満であると、バリア層のバリア性能が不充分となることがあり、1μmを超えると、バリア層のクラック等によりバリア性能の劣化が起こりやすくなることがある。上記バリア層の厚みのより好ましい下限は0.1μm、より好ましい上限は0.5μmである。
なお、上記バリア層の厚みは、本発明の積層体の断面顕微鏡観察において、20カ所について測定したバリア層の厚みの平均値として求めることができる。
また、上記バリア層は、単一の層であってもよく、複数の層が積層されたものであってもよい。上記バリア層が複数層積層されたものである場合、バリア層を構成する各層は、直接積層形成されていてもよく、貼り合わされていてもよい。
上記バリア層の形成方法としては、例えば、スパッタリング法、イオンプレーティング法等のPVD法やCVD法等の蒸着法、又は、ロールコート法、スピンコート法等が挙げられる。また、これらの方法を組み合わせてもよい。
更に、上記バリア層としては、上述したバリア性を有する層であれば特に限定されるものではないが、そのバリア性の高さ等から、蒸着法により形成された蒸着層を有することが好ましい。
上記蒸着層としては、蒸着法により形成される層であれば、その蒸着法の種類等は特に限定されるものではなく、CVD法であってもよく、またPVD法であってもよい。
上記蒸着層が例えば、プラズマCVD法等のCVD法により形成される場合、緻密でバリア性の高い層を形成することが可能となるが、製造効率やコスト等の面からはPVD法が好ましい。
上記PVD法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等が挙げられるが、なかでも、そのバリア性等の面から真空蒸着法であることが好ましい。
上記真空蒸着法としては、例えば、エレクトロンビーム(EB)加熱方式による真空蒸着法、又は、高周波誘電加熱方式による真空蒸着法等が挙げられる。
また、上記蒸着層の材料としては、金属又は無機酸化物が好ましく、具体的には、Ti、Al、Mg、Zr等の金属、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化窒化ケイ素、酸化窒化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化スズ、酸化イットリウム、B、CaO等の無機酸化物等が挙げられる。なかでも、酸化ケイ素が好ましい。酸化ケイ素からなる層は、高いバリア性及び透明性を有するからである。
上記蒸着層の厚さは、用いられる材料の種類や構成により最適条件が異なり適宜選択されるが、0.01〜1μmであることが好ましく、より好ましい上限は500nmである。上記蒸着層の厚さが上記の範囲より薄い場合には、均一な層とすることが困難な場合があり、上記バリア性を得ることができないことがある。また、上記蒸着層の厚さが上記の範囲より厚い場合、蒸着層の成膜後に引っ張り等の外的要因により蒸着層に亀裂が生じること等により、バリア性が著しく損なわれる可能性があり、また、形成に時間を要し、生産性も低下することがある。
また、上記バリア層の下地層として、アンカー層が形成されていてもよい。これにより、バリア性や耐候性を高めることができるからである。アンカー層の形成材料としては、例えば、接着性樹脂、無機酸化物、有機酸化物、金属等が挙げられる。
また、上記アンカー層の形成方法としては、例えば、スパッタリング法、イオンプレーティング法等のPVD法、CVD法、ロールコート法、スピンコート法などが挙げられる。また、これらの方法を組み合わせてもよい。量産性に優れ、アンカー層の密着性を高めることができることから、なかでも、成膜時のインラインコートが好ましい。
本発明の積層体は、上記波長変換層とバリア層との間に基材を有していてもよい。
上記基材を構成する材料としては特に限定されないが、平滑性、耐熱性を備え、機械的強度に優れたものが好ましく、具体例としては、例えば、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート)、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアセタール、ポリエーテルケトン、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート、又は、ポリウレタン等の熱可塑性樹脂が挙げられる。好ましくは、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート)、セルローストリアセテートが挙げられる。
上記基材は、上記熱可塑性樹脂を柔軟性に富んだフィルム状体として使用することが好ましいが、硬化性が要求される使用態様に応じて、これら熱可塑性樹脂の板を使用することも可能であり、又は、ガラス板等の板状体のものを使用してもよい。
その他、上記基材としては、脂環構造を有した非晶質オレフィンポリマー(Cyclo−Olefin−Polymer:COP)フィルムが挙げられる。これは、ノルボルネン系重合体、単環の環状オレフィン系重合体、環状共役ジエン系重合体、ビニル脂環式炭化水素系重合体等が用いられる基材で、例えば、日本ゼオン社製のゼオネックスやゼオノア(ノルボルネン系樹脂)、住友ベークライト社製のスミライトFS−1700、JSR社製のアートン(変性ノルボルネン系樹脂)、三井化学社製のアペル(環状オレフィン共重合体)、Ticona社製のTopas(環状オレフィン共重合体)、日立化成社製のオプトレッツOZ−1000シリーズ(脂環式アクリル樹脂)等が挙げられる。
また、トリアセチルセルロースの代替基材として旭化成ケミカルズ社製のFVシリーズ(低複屈折率、低光弾性率フィルム)も好ましい。
上記基材の厚さとしては、フィルム状体の場合、5〜300μmであることが好ましく、より好ましくは下限が20μmであり、上限が200μmである。基材が板状体の場合には、これらの厚さを超える厚さであってもよい。
上記基材は、その上に上記光波長変換層等を形成するのに際して、接着性向上のために、コロナ放電処理、酸化処理等の物理的又は化学的な処理のほか、アンカー剤又はプライマーと呼ばれる塗料の塗布が予め行われていてもよい。
また、LCD向けの基材として主に用いられることが多いトリアセチルセルロースを材料とし、かつ、ディスプレイ薄膜化を目指す場合は、上記基材の厚さとして20〜65μmが好ましい。
本発明の積層体は、上記光波長変換層の少なくとも片方の面にヘイズ値40%以上の光拡散層を有することが好ましい。上記光拡散層を有することで、上記光波長変換層を透過した青色光を反射させて上記光波長変換層を何回も透過させることができ、その結果、光波長変換効率を向上させることができる。
上記光拡散層のヘイズ値が40%未満であると、光波長変換効率の向上が不充分となることがある。
なお、上記ヘイズ値とは、上記光拡散層の内部ヘイズ値と外部ヘイズ値との合計である全ヘイズ値であり、村上色彩技術研究所製、製品番号;HM−150を用いてJIS K−7136に準拠した方法により測定された値である。
上記光拡散層は、本発明の積層体の最外層に位置していることが好ましい。最外層に上記光拡散層が位置していることで、光波長変換効率をより向上させることができる。
また、本発明の積層体は、上記光波長変換層の少なくとも片方の面上に上記光拡散層を有していればよいが、より光波長変換効率の向上を図れることから、該光波長変換層の両方の面上に上記光拡散層を有することがより好ましい。
上記光拡散層は、上記ヘイズ値の範囲を充足するものであれば、その表面は、凹凸形状を有するものであってもよく、平坦なものであってもよい。前者の場合、上記光拡散層の表面ヘイズにより上記ヘイズ値の範囲を満たし、後者の場合、内部ヘイズ値により上記ヘイズ値の範囲を満たすこととなる。なお、本発明の積層体では、上記表面凹凸形状による表面ヘイズと、上記光拡散粒子による内部ヘイズとにより上記ヘイズ値の範囲を満たすものであってもよい。
上記光拡散層は、有機材料又は無機材料からなる光拡散粒子とバインダー成分とを含有するものであることが好ましい。
また、上記光拡散層のバインダー成分と光拡散粒子との屈折率差が、0.02〜0.15であることが好ましい。0.02未満であると、光学的に光拡散粒子の持つ屈折率による光拡散性が得られず、本発明の積層体の光波長変換効率の向上が不充分となることがあり、0.15を超えると、上記光拡散層の透過率が低下してしまうことがある。上記光拡散層のバインダー成分と光拡散粒子との屈折率差のより好ましい下限は0.03、より好ましい上限は0.12である。
なお、上記バインダー成分の屈折率と上記光拡散粒子の屈折率とは、いずれの方が大きくてもよい。
ここで、上記光拡散層に含有させる前の光拡散粒子の屈折率の測定方法としては、例えば、ベッケ法、最小偏角法、偏角解析、モード・ライン法、エリプソメトリ法等によって測定することができる。また、バインダー成分の屈折率は、光拡散層を形成する塗液から光拡散粒子を含まないものを塗布、乾燥、硬化させたバインダー成分のみの硬化膜をアッベ屈折計で測定することにより得ることができる。
また、上記光拡散層中のバインダー成分(硬化物)、光拡散粒子の屈折率の測定方法としては、作製した光拡散層中から光拡散粒子のかけら、あるいはバインダー成分のかけらをなんらかの形で取り出したものについて上述の各方法を同様に用いることができる。このほか、位相シフトレーザー干渉顕微鏡(エフケー光学研究所製の位相シフトレーザー干渉顕微鏡や溝尻光学工業所製の二光束干渉顕微鏡等)を用いてバインダー成分と光拡散粒子との屈折率差を測定することができる。
また、上記バインダー成分が、後述する(メタ)アクリレートとそれ以外の樹脂とを含有する場合、上記バインダー成分の屈折率とは、光拡散粒子を除いた含有する全ての樹脂成分による硬化物の平均屈折率をいう。
上記光拡散粒子の平均粒径としては、例えば、1〜30μmであることが好ましく、1〜20μmであることがより好ましい。1μm未満であると、本発明の積層体の光波長変換効率が不充分となることがあり、充分な光拡散性を出すためには光拡散粒子の添加量を多くする必要がある。一方、30μmを超えると、光拡散性能は優れたものとなるが、上記光拡散層の光の透過率が大幅にダウンしやすくなる。
なお、上記光拡散粒子の平均粒径は、上述した量子ドットと同様の方法で測定することができる。
また、本発明の積層体において、上記光拡散粒子は、上述した量子ドットの平均粒径の10〜2万倍であることが好ましく、10〜5000倍であることがより好ましい。10倍未満であると、光拡散層に充分な光拡散性が得られないことがあり、2万倍を超えると、光拡散層の光拡散性能は優れたものとなるが、上記光拡散層の光の透過率が大幅にダウンしやすくなる。
上記光拡散粒子の有機材料としては特に限定されず、例えば、ポリエステル、ポリスチレン、メラミン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、アクリル−スチレン共重合体樹脂、シリコーン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ベンゾグアナミン・ホルムアルデヒド縮合樹脂、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリオレフィン等が挙げられる。なかでも、架橋アクリル樹脂が好適に用いられる。
また、上記光拡散粒子の無機材料としては特に限定されず、例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、酸化スズ、アンチモンドープ酸化スズ(略称;ATO)、酸化亜鉛微粒子等の無機酸化物等が挙げられる。なかでも、シリカ及び/又はアルミナが好適に用いられる。
上記バインダー成分は、光重合性化合物の重合物(架橋物)、溶剤乾燥型樹脂、熱硬化性樹脂のいずれかを含むものであり、これらのうち2種以上を含んでいてもよい。
上記光重合性化合物は、光重合性官能基を少なくとも1つ有するものである。なお、本明細書における、「光重合性官能基」とは、光照射により重合反応し得る官能基である。
このような光重合性官能基としては、例えば、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等のエチレン性二重結合を含む官能基が挙げられる。なお、「(メタ)アクリロイル基」とは、「アクリロイル基」及び「メタクリロイル基」の両方を含む意味である。
また、上記光重合性化合物を重合する際に照射される光としては、可視光線、並びに、紫外線、X線、電子線、α線、β線及びγ線のような電離放射線が挙げられる。
上記光重合性化合物としては、例えば、光重合性モノマー、光重合性オリゴマー、又は、光重合性ポリマーが挙げられ、これらを適宜調整して用いることができる。
上記光重合性化合物としては、光重合性モノマーと、光重合性オリゴマー又は光重合性ポリマーとの組み合わせが好ましい。
上記光重合性モノマーとしては、光重合性官能基を2つ(すなわち、2官能)以上有する多官能モノマーであることが好ましい。
上記2官能以上のモノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、テトラペンタエリスリトールデカ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸ジ(メタ)アクリレート、ポリエステルトリ(メタ)アクリレート、ポリエステルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールジ(メタ)アクリレート、ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレート、アダマンチルジ(メタ)アクリレート、イソボロニルジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタンジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレートや、これらをPO、EO等で変性したものが挙げられる。
これらの中でも硬度が高いバリア層を得る観点から、上記光重合性モノマーとしては、ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETTA)、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(DPPA)等が好ましい。
上記光重合性オリゴマーは、重量平均分子量が1000を超え1万以下のものである。
上記光重合性オリゴマーとしては、例えば、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル−ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリオール(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、イソシアヌレート(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
なかでも、上記光重合性オリゴマーとしては、2官能以上の多官能オリゴマーが好ましく、光重合性官能基が3つ(3官能)以上の多官能オリゴマーが好ましい。
上記光重合性ポリマーは、重量平均分子量が1万を超えるものであり、好ましくは1万以上8万以下であり、より好ましくは1万以上4万以下である。重量平均分子量が8万を超える場合は、粘度が高いため塗工適性が低下してしまい、得られる光学層の外観が悪化する恐れがある。
上記多官能ポリマーとしては、ウレタン(メタ)アクリレート、イソシアヌレート(メタ)アクリレート、ポリエステル−ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記溶剤乾燥型樹脂は、熱可塑性樹脂等、塗工時に固形分を調整するために添加した溶剤を乾燥させるだけで、被膜となるような樹脂である。溶剤乾燥型樹脂を添加した場合、バリア層を形成する際に、塗液の塗布面の被膜欠陥を有効に防止することができる。溶剤乾燥型樹脂としては特に限定されず、一般に、熱可塑性樹脂を使用することができる。
上記熱可塑性樹脂としては、例えば、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、ハロゲン含有樹脂、脂環式オレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、セルロース誘導体、シリコーン系樹脂及びゴム又はエラストマー等を挙げることができる。
上記熱可塑性樹脂は、非結晶性で、かつ有機溶媒(特に複数のポリマーや硬化性化合物を溶解可能な共通溶媒)に可溶であることが好ましい。特に、透明性や耐候性という観点から、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、脂環式オレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、セルロース誘導体(セルロースエステル類等)等が好ましい。
上記熱硬化性樹脂としては特に限定されず、例えば、フェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アミノアルキッド樹脂、メラミン−尿素共縮合樹脂、ケイ素樹脂、ポリシロキサン樹脂等を挙げることができる。
上記光拡散層は、上述した光拡散粒子及び光重合性化合物等を含む光拡散層用組成物を用いて形成することができる。その他、必要に応じて、上記光拡散層用組成物に、上記熱可塑性樹脂、上記熱硬化性樹脂、溶剤、重合開始剤を添加してもよい。更に、上記光拡散層組成物には、光拡散層の硬度を高くする、硬化収縮を抑える、屈折率を制御する等の目的に応じて、従来公知の分散剤、界面活性剤、帯電防止剤、シランカップリング剤、増粘剤、着色防止剤、着色剤(顔料、染料)、消泡剤、レベリング剤、難燃剤、紫外線吸収剤、接着付与剤、重合禁止剤、酸化防止剤、表面改質剤、易滑剤等を添加していてもよい。
上記溶剤は、上記光拡散層用組成物を塗布しやすくするために粘度を調整する目的や、蒸発速度や微粒子に対する分散性を調整して、光拡散層形成時における微粒子の凝集度合を調整して特異な凹凸面を形成させやすくする目的で使用されうる。
このような溶剤としては、例えば、アルコール(例、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、s−ブタノール、t−ブタノール、ベンジルアルコール、PGME、エチレングリコール)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン、ジアセトンアルコール、シクロヘプタノン、ジエチルケトン等)、エーテル類(1,4−ジオキサン、ジオキソラン、テトラヒドロフラン等)、脂肪族炭化水素類(ヘキサン等)、脂環式炭化水素類(シクロヘキサン等)、芳香族炭化水素類(トルエン、キシレン等)、ハロゲン化炭素類(ジクロロメタン、ジクロロエタン等)、エステル類(蟻酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、乳酸エチル等)、セロソルブ類(メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等)、セロソルブアセテート類、スルホキシド類(ジメチルスルホキシド等)、アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等)等が例示でき、これらの混合物であってもよい。
上記重合開始剤は、光照射により分解されて、ラジカルを発生して光重合性化合物の重合(架橋)を開始または進行させる成分である。
このような重合開始剤は、光照射によりラジカル重合を開始させる物質を放出することが可能であれば特に限定されず、従来公知のものを用いることができ、具体例には、例えば、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、α−アミロキシムエステル、チオキサントン類、プロピオフェノン類、ベンジル類、ベンゾイン類、アシルホスフィンオキシド類が挙げられる。また、光増感剤を混合して用いることが好ましく、その具体例としては、例えば、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、ポリ−n−ブチルホスフィン等が挙げられる。
上記重合開始剤としては、上記バインダー樹脂がラジカル重合性不飽和基を有する樹脂系の場合は、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、チオキサントン類、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル等を単独又は混合して用いることが好ましい。
上記光拡散層用組成物における重合開始剤の含有量は、光重合性化合物100質量部に対して、0.5質量部以上10.0質量部以下であることが好ましい。重合開始剤の含有量をこの範囲内にすることにより、充分な硬化性能を保つことができ、かつ硬化阻害を抑制できる。
上記光拡散層用組成物中における原料の含有割合(固形分)としては特に限定されないが、通常は5質量%以上50質量%以下が好ましく、5質量%以上30質量%以下とすることがより好ましい。
上記レベリング剤としては、例えば、シリコーンオイル、フッ素系界面活性剤等が、光学層がベナードセル構造となることを回避することから好ましい。溶剤を含む樹脂組成物を塗工し、乾燥する場合、塗膜内において塗膜表面と内面とに表面張力差等を生じ、それによって塗膜内に多数の対流が引き起こされる。この対流により生じる構造はベナードセル構造と呼ばれ、形成する光拡散層にゆず肌や塗工欠陥といった問題の原因となる。
上記ベナードセル構造は、前述のようなレベリング剤を用いると、塗膜内の対流を防止することができるため、欠陥やムラのない光波長変換層が得られる。
上記光拡散層用組成物の調製方法としては、各成分を均一に混合できれば特に限定されず、例えば、ペイントシェーカー、ビーズミル、ニーダー、ミキサー等の公知の装置を使用して行うことができる。
上記基材の表面に、上記光拡散層用組成物を塗布した後、塗膜状の光拡散層用組成物を乾燥させるために加熱されたゾーンに搬送し、各種の公知の方法で光拡散層用組成物を乾燥させ溶剤を蒸発させる。
また、その後、塗膜状の光拡散層用組成物に紫外線等の光を照射して、光重合性化合物を重合(架橋)させることにより光拡散層用組成物を硬化させて、光拡散層を形成する。
上記光拡散層用組成物を硬化させる際の光として、紫外線を用いる場合には、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアーク、メタルハライドランプ等から発せられる紫外線等が利用できる。また、紫外線の波長としては、190〜380nmの波長域を使用することができる。電子線源の具体例としては、コッククロフトワルト型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、又は直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器が挙げられる。
本発明の積層体が上述した基材と光拡散層とを有する構成の場合、例えば、上記基材上に光拡散層を設けた後、公知の接着剤層を介して上記光波長変換層の一方の面上に、上記基材の光拡散層層側と反対側面を積層し、上記光波長変換層の他方の面にも公知の接着剤層を介して基材の光拡散層を設けた側と反対側面を積層することで製造することができる。
本発明の積層体は、上述した構成を有するため、入射光に対する光波長変換効率の向上を好適に図ることができる。
このような本発明の積層体を用いてなる画像表示装置もまた、本発明の一つである。
本発明の積層体は、上述した構成を有するため、入射光に対する光波長変換効率の向上を好適に図ることができる。
本発明の積層体を模式的に示す断面図である。 量子ドットを含有する光波長変換層を含むバックライト光源の一例を模式的に示す断面図である。 光散乱粒子が入射光に対しミー散乱をする様子を模式的に示した図である。 上記光波長変換層に入射した光の散乱効率を縦軸とし、光散乱粒子の粒子径を横軸としたときに示されるグラフの一例である。
本発明の内容を下記の実施例により説明するが、本発明の内容はこれらの実施態様に限定して解釈されるものではない。特別に断りの無い限り、「部」及び「%」は質量基準である。
(実例1)
以下のようにして、両面にバリア層を配した光波長変換層の積層体(以下、光波長変換積層体ともいう)を作製した。
(光波長変換積層体の作製)
東レ社製ルミラーT60の片面に、以下の条件でシリカ蒸着層を形成したバリアフィルム基材を作製した。
次いで、作製したバリアフィルム基材のシリカ蒸着層側の面に、下記組成の光波長変換層用組成物1を塗布し、乾燥させて塗膜を形成し、該塗膜上に、上記と同様にして用意した別のバリアフィルム基材のシリカ蒸着面をラミネートし、紫外線照射により上記塗膜を硬化させることで、光波長変換積層体を作製した。アルミナの屈折率は1.77であり、樹脂の屈折率は1.51であった。光波長変換層の厚みは100μmであった。
なお、光波長変換層における量子ドット(半導体粒子)は、光学等方な粒子であった。また、光波長変換層に入射した光の散乱効率を縦軸とし、光散乱粒子の粒子径を横軸としたときに示されるグラフにおいて現れる最大ピークの半値幅である0.6μmから2.0μmの範囲内に、上記光散乱粒子の粒子径分布のうち20%が含まれていた。
(バリアフィルム基材の作製)
高周波スパッタリング装置において、電極に周波数13.56MHz、電力5kWの高周波電力を印加することにより、チャンバー内で放電を生じさせて、東レ社製ルミラーT60の片面にターゲット物質(シリカ)からなるシリカ蒸着層(厚み50nm、屈折率1.46)を形成した。
(光波長変換層用組成物1)
DIC社製ユニディックV−5500 89質量部
SIGMA−ALDRICH社製CdSe/ZnS 530 0.2質量部
SIGMA−ALDRICH社製CdSe/ZnS 610 0.2質量部
光重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)(Irgacure(登録商標)184) 1質量部
DAM−03(電気化学工業製アルミナ粒子、平均粒子径4μm) 10質量部
得られた光波長変換積層体を、青色LEDが実装された光源部上に配置し、該光源部から放出された青色光の光波長変換効率を、以下の方法で測定し、結果を表1に示した。
(光波長変換効率の測定)
分光放射計(トプコン社製 SR−UL2)を用いて、光波長変換積層体がある状態と光波長変換積層体がない状態とを測定する。それぞれで得られた分光スペクトルから青色光スペクトルの積分値、及び、緑色光スペクトル(480nm−590nm)の積分値、赤色光スペクトル(590nm−750nm)の積分値を算出する。光波長変換積層体がある状態で測定した緑色光スペクトルの積分値と赤色光スペクトルの積分値のそれぞれについて光波長変換積層体がない状態で測定した青色光スペクトルの積分値で除し光波長変換効率を測定した。
(実例2)
例1の光波長変換層の厚みを60μmとした以外は、実例1と同様にして光波長変換積層体を作製し、実例1と同様にして青色光の光波長変換効率を測定し、結果を表1に示した。
(比較例1)
例1の光波長変換層の厚みを40μmとした以外は、実例1と同様にして光波長変換積層体を作製し、実例1と同様にして青色光の光波長変換効率を測定し、結果を表1に示した。
(比較例2)
例1の光波長変換層用組成物1を光波長変換層用組成物2とした以外は、実例1と同様にして光波長変換積層体を作製し、実例1と同様にして青色光の光波長変換効率を測定し、結果を表1に示した。
(光波長変換層用組成物2)
DIC社製ユニディックV−5500 89質量部
SIGMA−ALDRICH社製CdSe/ZnS 530 0.2質量部
SIGMA−ALDRICH社製CdSe/ZnS 610 0.2質量部
光重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)(Irgacure(登録商標)184) 1質量部
DAM−07(電気化学工業製アルミナ粒子、平均粒子径10μm) 10質量部
(比較例3)
例1の光波長変換層用組成物1を光波長変換層用組成物3とした以外は、実例1と同様にして光波長変換積層体を形成し、実例1と同様にして青色光の光波長変換効率を測定し、結果を表1に示した。シリカの屈折率は1.47であった。
(光波長変換層用組成物3)
DIC社製ユニディックV−5500 89質量部
SIGMA−ALDRICH社製CdSe/ZnS 530 0.2質量部
SIGMA−ALDRICH社製CdSe/ZnS 610 0.2質量部
光重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)(Irgacure(登録商標)184) 1質量部
KE−P250(日本触媒製シリカ粒子、平均粒子径2.5μm) 10質量部
(実例3)
例1の光波長変換層用組成物1を光波長変換層用組成物4とした以外は、実例1と同様にして光波長変換積層体を作製し、実例1と同様にして青色光の光波長変換効率を測定し、結果を表1に示した。尚、光波長変換層に入射した光の散乱効率を縦軸とし、光散乱粒子の粒子径を横軸としたときに示されるグラフにおいて現れる最大ピークの半値幅である0.6μmから2.0μmの範囲内に、前記光散乱粒子の粒子径分布のうち40%が含まれていた。
(光波長変換層用組成物4)
DIC社製ユニディックV−5500 89質量部
SIGMA−ALDRICH社製CdSe/ZnS 530 0.2質量部
SIGMA−ALDRICH社製CdSe/ZnS 610 0.2質量部
光重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)(Irgacure(登録商標)184) 1質量部
MM−P(日本軽金属製アルミナ粒子、平均粒子径1.5μm) 10質量部
(実施例4)
例1の光波長変換層用組成物1を光波長変換層用組成物5とした以外は、実例1と同様にして光波長変換積層体を作製し、実例1と同様にして青色光の光波長変換効率を測定し、結果を表1に示した。ジルコニアの屈折率は2.17であった。
(光波長変換層用組成物5)
DIC社製ユニディックV−5500 89質量部
SIGMA−ALDRICH社製CdSe/ZnS 530 0.2質量部
SIGMA−ALDRICH社製CdSe/ZnS 610 0.2質量部
光重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)(Irgacure(登録商標)184) 1質量部
TZ−3YS−E(東ソー製ジルコニア粒子、平均粒子径0.1μm) 10質量部
(実施例5)
例1の光波長変換層用組成物1を光波長変換層用組成物6とした以外は、実例1と同様にして光波長変換積層体を作製し、実例1と同様にして青色光の光波長変換効率を測定し、結果を表1に示した。チタニアの屈折率は2.7であった。
(光波長変換層用組成物6)
DIC社製ユニディックV−5500 89質量部
SIGMA−ALDRICH社製CdSe/ZnS 530 0.2質量部
SIGMA−ALDRICH社製CdSe/ZnS 610 0.2質量部
光重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)(Irgacure(登録商標)184) 1質量部
R−38L(堺化学工業製チタニア粒子、平均粒子径0.4μm) 10質量部
(実例6)
例1の東レ社製ルミラーT60の代わりに東レ社製ルミラーX44(ヘイズ値60%)とし、シリカ蒸着層側の面と反対の面でラミネートした以外は、実例1と同様にして光波長変換積層体を作製し、実例1と同様にして青色光の光波長変換効率を測定し、結果を表1に示した。
(実例7)
例1の東レ社製ルミラーT60のシリカ蒸着層側の面と反対の面に下記組成の光拡散層用組成物1を塗布し、乾燥させて塗膜を形成し、紫外線照射により硬化させることで、光拡散層を作製した以外は、実例1と同様にして光波長変換積層体を作製し、実例1と同様にして青色光の光波長変換効率を測定し、結果を表1に示した。
なお、形成した光拡散層のヘイズ値は50%であった。
(光拡散層用組成物1)
ペンタエリスリトールトリアクリレート 99質量部
光拡散粒子(架橋ポリスチレン樹脂ビーズ;平均粒子径4μm)(積水化成品工業株式会社製、SBX−4) 30質量部
光重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)(Irgacure(登録商標)184) 1質量部
溶剤(メチルイソブチルケトン:シクロヘキサノン=1:1質量比) 170質量部
(参考例1)
例1の光波長変換層用組成物1を光波長変換層用組成物7とした以外は、実例1と同様にして光波長変換積層体を作製し、実例1と同様にして青色光の光波長変換効率を測定し、結果を表1に示した。
(光波長変換層用組成物7)
DIC社製ユニディックV−5500 99質量部
SIGMA−ALDRICH社製CdSe/ZnS 530 0.2質量部
SIGMA−ALDRICH社製CdSe/ZnS 610 0.2質量部
光重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)(Irgacure(登録商標)184) 1質量部
Figure 0006202023
表1に示したように、光波長変換層に所定の屈折率の関係性と、粒子径と層厚みの関係性とを満たす光散乱粒子を含む実施例に係る光波長変換積層体は、光源部から照射された青色光の光波長変換効率に優れていた。このため、実施例に係る光波長変換積層体を備えた表示装置の光エネルギー変換効率が優れていた。
一方、比較例1及び2に係る光波長変換積層体は、光波長変換層の膜厚に対する光散乱粒子の平均粒子径が大きかったため、また、比較例3に係る光波長変換積層体は、光散乱粒子であるシリカ粒子の屈折率と光波長変換層のバインダー樹脂の屈折率との差が小さかったため、いずれも実施例に係る光波長変換積層体の光波長変換効率よりも劣っていた。
なお、参考例1に係る光波長変換積層体は、光波長変換層に光散乱粒子を含まなかったため、実施例に係る光波長変換積層体の光波長変換効率よりも劣っていた。また、参考例1の結果より、光波長変換層に光散乱粒子を含まないと、緑色光への変換効率がより劣ることが分かる。これに対し、実施例の結果より、光波長変換層に所定の光散乱粒子を含むことで、特に緑色光への変換効率の向上率が高くなることが分かる。
本発明の積層体は、上述した構成からなるため、入射光に対する光波長変換効率の向上を好適に図ることができる。
10 本発明の積層体
11 光波長変換層
12 バリア層
13 基材
20 光源部
21 フレーム
22 青色LED
210 バインダー樹脂
220 青色光を赤色光に変換する第2の量子ドット
230 青色光を緑色光に変換する第1の量子ドット
240 光散乱粒子

Claims (11)

  1. 少なくとも光波長変換層を有する積層体であって、
    前記光波長変換層は、量子ドットと光散乱粒子とがバインダー樹脂中に分散されており、
    前記光散乱粒子の屈折率は、前記バインダー樹脂の屈折率に対して0.10以上の屈折率差を有し、
    前記光散乱粒子の平均粒子径が、0.1〜0.4μmであり、かつ、前記光波長変換層の膜厚を100%としたときに8%以下であり、
    前記量子ドットは、1種以上の材料からなる、及び/又は、少なくとも一つの粒子径分布帯を有し、
    前記光波長変換層は、前記光散乱粒子100質量部に対して前記量子ドットを0.01〜10質量部含有する
    ことを特徴とする積層体。
  2. 量子ドットは、青色光を緑色光に変換する第1の量子ドット又は/及び青色光を赤色光に変換する第2の量子ドットを含む請求項1記載の積層体。
  3. 光波長変換層の両面に少なくともバリア層が設けられている請求項1又は2記載の積層体。
  4. 2層以上の光波長変換層を有し、前記2層以上の光波長変換層は、同一若しくは異なる材料からなる量子ドット、及び/又は、同一若しくは異なる粒子径分布を有する量子ドットを有する請求項1、2又は3記載の積層体。
  5. 2種以上の材料からなる光散乱粒子を有する請求項1、2、3又は4記載の積層体。
  6. 光波長変換層に入射した光の散乱効率を縦軸とし、光散乱粒子の粒子径を横軸としたときに示されるグラフにおいて現れる最大ピークの半値幅の範囲内に、前記光散乱粒子の粒子径分布のうち20%以上が含まれる請求項1、2、3、4又は5記載の積層体。
  7. 光散乱粒子は、無機粒子である請求項1、2、3、4、5又は6記載の積層体。
  8. 無機粒子は、ATO粒子、ITO粒子、MgO粒子、Al粒子、TiO粒子、BaTiO粒子、Sb粒子、SiO粒子、ZrO粒子及びZnO粒子からなる群より選択される少なくとも1種である請求項7記載の積層体。
  9. 光波長変換層の少なくとも片方の面上にヘイズ値40%以上の光拡散層を有する請求項1、2、3、4、5、6、7又は8記載の積層体。
  10. 光拡散層は、積層体の最外層に位置している請求項9記載の積層体。
  11. 請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10記載の積層体を用いてなることを特徴とする画像表示装置。
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