JP6326006B2 - 転写材料、液晶パネルの製造方法および液晶表示装置の製造方法 - Google Patents

転写材料、液晶パネルの製造方法および液晶表示装置の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、転写材料に関するものであり、詳しくは、液晶パネルおよび液晶表示装置の製造に使用可能な転写材料に関する。
更に本発明は、この転写材料を用いる液晶パネルおよび液晶表示装置の製造方法に関する。
液晶表示装置(以下、LCD(Liquid Crystal Display)とも言う)などのフラットパネルディスプレイは、消費電力が小さく、省スペースの画像表示装置として年々その用途が広がっている。液晶表示装置は、少なくともバックライトと液晶セルとから構成され、通常、更に、バックライト側偏光板、視認側偏光板などの部材が含まれる。
フラットパネルディスプレイ市場では、LCD性能改善として、色再現性の向上が進行している。この点に関し、近年、発光材料として、量子ドット(Quantum Dot、QD、量子点とも呼ばれる。)が注目を集めている(特許文献1参照)。例えば、バックライトから量子ドットを含む層に励起光が入射すると、量子ドットが励起され、励起光とは異なる波長の蛍光を発光(波長変換)する。ここで異なる発光特性を有する量子ドットを用いることで、赤色光、緑色光、および青色光を波長変換部材から出射させ白色光を具現化することができる。量子ドットによる蛍光は半値幅が小さいため、得られる白色光は高輝度であり、しかも色再現性に優れる。このような量子ドットを用いた3波長光源化技術の進行により、色再現域は、NTSC(National Television System Committee)比72%から100%へと拡大している。
US2012/0113672A1
上記の通り、量子ドットは、色再現性向上によりLCDの性能を改善し得る有用な材料である。
一方で、近年急速に広まっているタブレット型PC(Personal Computer)やモバイル用途など中小型LCD市場では、薄型化の要求が高い。この薄型化の流れは、TVを中心とする大型LCD市場にも及んでいる。かかる状況下、LCDを構成するガラスやフィルムを薄手化することや、部材の機能統合による薄手化などの様々な手段により、LCDの薄型化を図ることが検討されている。
そこで本発明の目的は、発光材料として量子ドットを含む液晶表示装置の薄型化を可能にするための新たな手段を提供することにある。
量子ドットには、酸素に接触すると光酸化反応により発光強度が低下する(耐光性が低い)という課題がある。この点に関し、特許文献1には、量子ドットを酸素等から保護するために、量子ドットを含むフィルムにバリア部材(バリア層)を積層することが提案されている。このバリア部材は、量子ドットを酸素等からより効果的に保護するためには、量子ドットを含む層(以下、「波長変換層」とも記載する。)を有する波長変換部材の両面に設けることが好ましい。
本発明者らは、この点に着目しつつ、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた。その結果、波長変換部材の両面にバリア部材を設けつつ、片面のバリア部材を剥離可能な状態とする(仮支持体とする)ことで、波長変換部材の両面がバリア部材により保護された転写材料となり、この転写材料を用いることで、転写材料から仮支持体を剥離し転写対象物に貼り合わせることにより、液晶表示装置を製造することが可能になるという、従来、まったく提案されていなかった新たな手段を見出すに至った。この手段によれば、波長変換部材(より詳しくは、波長変換部材の波長変換層に含まれる量子ドット)は、転写対象物に転写されるまでは両面がバリア部材により保護され、転写されて液晶表示装置に組み込まれた後は片面のバリア部材が除去されているため薄手化される。バリア部材が除去された面は転写対象物により保護されることになり、量子ドットが酸素等により劣化することを防ぐことができる。
なお上記の液晶表示装置の薄型化を達成するための手段として、量子ドットを含む層(波長変換層)を薄手化することも考えられる。しかるに、発光材料である量子ドットを含む層を薄層化することは、発光強度の低下、およびそれによる液晶表示装置の輝度低下の原因となり得る。これに対し、上記転写材料によれば、波長変換層の薄手化に依拠することなく、液晶表示装置の薄型化を達成することが可能となる。
本発明は、以上の知見に基づき完成された。
本発明の一態様は、
仮支持体であるバリア部材A上に、
励起光によって励起され蛍光を発光する量子ドットを含む波長変換層を有する波長変換部材と、
バリア部材Bと、
をこの順に有する転写材料、
に関する。
一態様では、上記転写材料は、液晶パネル製造用転写材料である。
一態様では、上記波長変換部材は、バリア部材A側最表面が易剥離面である。
一態様では、上記波長変換部材は、バリア部材A側表層領域に粒径100nm以上の粒子が偏在した粒子偏在領域を有し、易剥離面は、粒子偏在領域の表面である。
一態様では、上記波長変換部材は、バリア部材A側表層領域に粒径500nm以上の粒子が偏在した粒子偏在領域を有し、易剥離面は、粒子偏在領域の表面である。
一態様では、バリア部材Aは、波長変換部材側最表面が易剥離面である。
一態様では、バリア部材Aの波長変換部材側最表層が粒子含有層であり、粒子含有層表面が、上述の易剥離面である。
一態様では、バリア部材Aは、波長変換部材側最表層が無機層である。
一態様では、バリア部材Aは、易接着層を有する。易接着層は、例えば波長変換部材側最表面以外の層としてバリア部材Aに含まれることができる。波長変換部材側最表層は、例えば、バリア部材Aを構成する基材、または無機層もしくは有機層である。
一態様では、バリア部材Bは、波長変換部材側の最表層として易接着層を有する。
一態様では、バリア部材Aおよびバリア部材Bはそれぞれ、無機層および有機層からなる群から選択される少なくとも一層を含む。
本発明の更なる態様は、
上記転写材料のバリア部材Aを剥離すること、および、
剥離により露出した露出面を、少なくとも液晶セルを含む液晶パネル表面と貼り合わせること、
を含む、波長変換部材付液晶パネルの製造方法、
に関する。
一態様では、上記露出面を、液晶パネルのバックライト側表面と貼り合わせる。
一態様では、上記液晶パネルは、液晶セルを挟んで視認側偏光板およびバックライト側偏光板を有する。
本発明の更なる態様は、
上記方法により、波長変換部材付液晶パネルを作製すること、および、
製造した液晶パネルとバックライトユニットとを組み合わせて液晶表示装置を組み立てること、
を含む、液晶表示装置の製造方法、
に関する。
本発明の一態様によれば、波長変換部材を有する液晶パネルおよび液晶表示装置の製造に好適に使用可能な転写材料、ならびに、この転写材料を用いる液晶パネルおよび液晶表示装置の製造方法を提供することができる。本発明の一態様によれば、量子ドットの保護と液晶表示装置の薄型化を両立することが可能となる。
転写材料の製造装置の一例の概略構成図である。 図1に示す製造装置の部分拡大図である。 実施例の層構成および評価結果を示す(転写材料103、液晶表示装置203)。 実施例の層構成および評価結果を示す(転写材料104、液晶表示装置204)。 実施例の層構成および評価結果を示す(転写材料105、液晶表示装置205)。 実施例の層構成および評価結果を示す(転写材料106、液晶表示装置206)。 実施例の層構成および評価結果を示す(転写材料107、液晶表示装置207)。 実施例の層構成および評価結果を示す(転写材料108、液晶表示装置208)。 比較例の層構成および評価結果を示す(非転写材料101、液晶表示装置201)。 比較例の層構成および評価結果を示す(転写材料102、液晶表示装置202)。
[転写材料]
本発明の一態様にかかる転写材料は、仮支持体であるバリア部材A上に、励起光によって励起され蛍光を発光する量子ドットを含む波長変換層を有する波長変換部材と、バリア部材Bと、をこの順に有する。仮支持体とは、転写材料を転写対象物に転写する前に剥離される支持体を意味する。上記仮支持体(バリア部材A)は、転写前までバリア部材Bとともに波長変換部材の波長変換層に含まれる量子ドットを保護することができる。また前述のように、転写後には転写対象物とバリア部材Bにより、量子ドットを保護することができる。このように、転写により得られた転写品にバリア部材Aが含まれないことにより、波長変換層の薄手化に依拠することなく液晶表示装置の薄型化が可能となり、また上記の通り転写前後とも量子ドットを保護することができる。なお以下では、仮支持体が剥離除去された状態の転写材料を、「転写品」とも記載する。
以下、上記転写材料について、更に詳細に説明する。
以下の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。なお、本発明および本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
また、本発明および本明細書中、ピークの「半値幅」とは、ピーク高さ1/2でのピークの幅のことを言う。また、400〜500nmの波長帯域、好ましくは430〜480nmの波長帯域に発光中心波長を有する光を青色光と呼び、500〜600nmの波長帯域に発光中心波長を有する光を緑色光と呼び、600〜680nmの波長帯域に発光中心波長を有する光を赤色光と呼ぶ。
本発明および本明細書において、「重合性組成物」とは、重合性化合物を少なくとも一種含む組成物であり、光照射、加熱等の重合処理を施されることにより硬化する性質を有する。また、「重合性化合物」とは、1分子中に1つ以上の重合性基を含む化合物である。重合性基とは、重合反応に関与し得る基である。以上の詳細は後述する。
波長変換部材
(波長変換層)
上記転写材料は、少なくとも、励起光により励起され蛍光を発光する量子ドットを含む波長変換層を含む波長変換部材を有する。波長変換層は、少なくとも一種の量子ドットを含み、発光特性の異なる二種以上の量子ドットを含むこともできる。公知の量子ドットには、600nm〜680nmの範囲の波長帯域に発光中心波長を有する量子ドットA、500nm〜600nmの範囲の波長帯域に発光中心波長を有する量子ドットB、400nm〜500nmの波長帯域に発光中心波長を有する量子ドットCがあり、量子ドットAは、励起光により励起され赤色光を発光し、量子ドットBは緑色光を、量子ドットCは青色光を発光する。例えば、量子ドットAと量子ドットBを含む波長変換層へ励起光として青色光を入射させると、量子ドットAにより発光される赤色光、量子ドットBにより発光される緑色光と、波長変換層を透過した青色光により、白色光を具現化することができる。または、量子ドットA、B、およびCを含む波長変換層に励起光として紫外光を入射させることにより、量子ドットAにより発光される赤色光、量子ドットBにより発光される緑色光、および量子ドットCにより発光される青色光により、白色光を具現化することができる。なお紫外光とは、波長280〜400nmの光、好ましくは波長280〜380nmの光をいうものとする。
波長変換層は、量子ドットを有機マトリックス中に含むことができる。有機マトリックスは、通常、量子ドットを含有する重合性組成物(量子ドット含有重合性組成物)を光照射もしくは加熱、または光照射と加熱との併用(順序は問わない)等により重合させた重合体である。波長変換層の形状は特に限定されるものではなく、シート状、フィルム状、バー状等の任意の形状であることができる。量子ドットについては、例えば特開2012−169271号公報段落0060〜0066を参照することができるが、ここに記載のものに限定されるものではない。量子ドットとしては、市販品を何ら制限なく用いることができる。量子ドットの発光波長は、通常、粒子の組成、サイズ、ならびに組成およびサイズにより調整することができる。
波長変換層は、好ましくは塗布法により作製することができる。具体的には、量子ドット含有重合性組成物を基材上等に塗布し、次いで光照射もしくは加熱、または光照射と加熱との併用(順序は問わない)等により硬化処理を施すことによって波長変換層を得ることができる。
量子ドット重合性組成物の作製に用いる重合性化合物は特に限定されるものではない。量子ドット重合性組成物全量に占める全重合性化合物の含有量は、10〜99.99質量%程度とすることが好ましい。
硬化後の硬化被膜の透明性、密着性等の観点からは、単官能または多官能(メタ)アクリレートモノマー等の(メタ)アクリレート化合物や、そのポリマー、プレポリマー等が好ましい。以下において、単官能または多官能(メタ)アクリレートモノマー等の(メタ)アクリレート化合物、そのポリマー、プレポリマーからなる群から選ばれる一種以上を量子ドットとともに含む重合性組成物を、量子ドット含有(メタ)アクリレート系重合性組成物という。なお本発明および本明細書において、「(メタ)アクリレート」との記載は、アクリレートとメタクリレートとの少なくとも一方、または、いずれかの意味で用いるものとする。「(メタ)アクリロイル」等も同様である。
単官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、アクリル酸およびメタクリル酸、それらの誘導体、より詳しくは、(メタ)アクリル酸の重合性不飽和結合((メタ)アクリロイル基)を分子内に1個有するモノマーを挙げることができる。それらの具体例として以下に化合物を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。
メチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等のアルキル基の炭素数が1〜30であるアルキル(メタ)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレート等のアラルキル基の炭素数が7〜20であるアラルキル(メタ)アクリレート;ブトキシエチル(メタ)アクリレート等のアルコキシアルキル基の炭素数が2〜30であるアルコキシアルキル(メタ)アクリレート;N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等の(モノアルキル又はジアルキル)アミノアルキル基の総炭素数が1〜20であるアミノアルキル(メタ)アクリレート;ジエチレングリコールエチルエーテルの(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールブチルエーテルの(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールモノメチルエーテルの(メタ)アクリレート、ヘキサエチレングリコールモノメチルエーテルの(メタ)アクリレート、オクタエチレングリコールのモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ノナエチレングリコールのモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールのモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ヘプタプロピレングリコールのモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールのモノエチルエーテル(メタ)アクリレート等のアルキレン鎖の炭素数が1〜10で末端アルキルエーテルの炭素数が1〜10のポリアルキレングリコールアルキルエーテルの(メタ)アクリレート;ヘキサエチレングリコールフェニルエーテルの(メタ)アクリレート等のアルキレン鎖の炭素数が1〜30で末端アリールエーテルの炭素数が6〜20のポリアルキレングリコールアリールエーテルの(メタ)アクリレート;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、メチレンオキシド付加シクロデカトリエン(メタ)アクリレート等の脂環構造を有する総炭素数4〜30の(メタ)アクリレート;ヘプタデカフロロデシル(メタ)アクリレート等の総炭素数4〜30のフッ素化アルキル(メタ)アクリレート;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールのモノ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ヘキサエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、オクタプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセロールのモノ又はジ(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリレート;グリシジル(メタ)アクリレート等のグリシジル基を有する(メタ)アクリレート;テトラエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ヘキサエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、オクタプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のアルキレン鎖の炭素数が1〜30のポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、アクリロイルモルホリン等の(メタ)アクリルアミドなどが挙げられる。
単官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、炭素数が4〜30のアルキル(メタ)アクリレートを用いることが好ましく、炭素数12〜22のアルキル(メタ)アクリレートを用いることが、量子ドットの分散性向上の観点から、より好ましい。量子ドットの分散性が向上するほど、波長変換層から出射面に直行する光量が増えるため、正面輝度および正面コントラストの向上に有効である。具体的には、単官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、ブチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、オレイル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリルアミド、オクチル(メタ)アクリルアミド、ラウリル(メタ)アクリルアミド、オレイル(メタ)アクリルアミド、ステアリル(メタ)アクリルアミド、ベヘニル(メタ)アクリルアミド等が好ましい。中でもラウリル(メタ)アクリレート、オレイル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートが特に好ましい。
上記(メタ)アクリル酸の重合性不飽和結合((メタ)アクリロイル基)を1分子内に1個有するモノマーと共に、(メタ)アクリロイル基を分子内に2個以上有する多官能(メタ)アクリレートモノマーを併用することもできる。具体例として、以下に化合物を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。
1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート等のアルキレン鎖の炭素数が1〜20のアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等のアルキレン鎖の炭素数が1〜20のポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等の総炭素数が10〜60のトリ(メタ)アクリレート;エチレンオキシド付加ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等の総炭素数が10〜100のテトラ(メタ)アクリレート;ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
多官能(メタ)アクリレートモノマーの使用量は、量子ドット重合性組成物に含まれる重合性化合物の全量100質量部に対して、塗膜強度の観点からは、5質量部以上とすることが好ましく、組成物のゲル化抑制の観点からは、95質量部以下とすることが好ましい。また、同様の観点から、単官能(メタ)アクリレートモノマーの使用量は、量子ドット重合性組成物に含まれる重合性化合物の全量100質量部に対して、5質量部以上、95質量部以下とすることが好ましい。
好ましい重合性化合物としては、エポキシ基、オキセタニル基等の開環重合可能な環状エーテル基等の環状基を有する化合物も挙げることができる。そのような化合物としてより好ましくは、エポキシ基を有する化合物(エポキシ化合物)を有する化合物を挙げることができる。エポキシ化合物については、特開2011−159924号公報段落0029〜0033を参照できる。
上記量子ドット重合性組成物は、重合開始剤として、公知のラジカル重合開始剤やカチオン重合開始剤を含むことができる。重合開始剤については、例えば、特開2013−043382号公報段落0037、特開2011−159924号公報段落0040〜0042を参照できる。重合開始剤は、重合性組成物に含まれる重合性化合物の全量の0.1モル%以上であることが好ましく、0.5〜5モル%であることがより好ましい。
量子ドットは、上記重合性組成物に粒子の状態で添加してもよく、溶媒に分散した分散液の状態で添加してもよい。分散液の状態で添加することが、量子ドットの粒子の凝集を抑制する観点から、好ましい。ここで使用される溶媒は、特に限定されるものではない。量子ドットは、波長変換層の形成に用いる組成物の全量100質量部に対して、例えば0.1〜10質量部程度添加することができる。
波長変換層は、以上記載した成分、および任意に添加可能な公知の添加剤を含む量子ドット重合性組成物を、例えばバリア部材表面に塗布、乾燥して溶媒を除去するとともに、その後、光照射等により重合硬化させて形成することができる。塗布方法としてはカーテンコーティング法、ディップコーティング法、スピンコーティング法、印刷コーティング法、スプレーコーティング法、スロットコーティング法、ロールコーティング法、スライドコーテティング法、ブレードコーティング法、グラビアコーティング法、ワイヤーバー法等の公知の塗布方法が挙げられる。また、硬化条件は、使用する重合性化合物の種類や重合性組成物の組成に応じて、適宜設定することができる。また、組成物の粘度等のために、必要に応じて溶媒を添加してもよい。この場合に使用される溶媒の種類および添加量は、特に限定されるものではない。例えば溶媒として、有機溶媒を一種または二種以上混合して用いることができる。
波長変換層の総厚は、好ましくは1μm以上、より好ましくは50μm以上、更に好ましくは80μm以上である。波長変換層から高強度の発光を得ることにより輝度向上を達成する観点からは、波長変換層を厚くすることに発光材料である量子ドットをより多く波長変換層に含有させることが好ましい。この点に関し、先に記載した通り、上記転写材料によれば、波長変換層の薄手化によらずに、波長変換部材を組み込んだ物品の薄型化が可能となる。一方、波長変換層の総厚は、好ましくは500μm以下、より好ましくは400μm以下である。また、波長変換層は、二層以上の積層構造であってもよく、二種以上の異なる発光特性を示す(発光中心波長の異なる)量子ドットを同一の層に含む波長変換層を有してもよい。波長変換層が複数の層を有する場合、一層の厚さは、好ましくは1〜300μmの範囲であり、より好ましくは10〜250μmの範囲であり、さらに好ましくは30〜150μmの範囲である。
量子ドット含有重合性組成物の硬化は、量子ドット含有重合性組成物をバリア部材Aとバリア部材Bとの間に挟持した状態で行ってもよい。かかる硬化処理を含む転写材料の製造工程の一態様を、図面を参照し以下に説明する。ただし、本発明は、下記態様に限定されるものではない。
図1は、波長変換部材の製造装置の一例の概略構成図であり、図2は、図1に示す製造装置の部分拡大図である。図1、2に示す製造装置を用いる波長変換部材の製造工程は、連続搬送される第1の基材(以下、「第1のフィルム」という。)の表面に量子ドット含有重合性組成物を塗布し塗膜を形成する工程と、塗膜の上に、連続搬送される第2の基材(以下、「第2のフィルム」ともいう。)をラミネートし(重ねあわせ)、第1のフィルムと第2のフィルムとで塗膜を挟持する工程と、第1のフィルムと第2のフィルムとで塗膜を挟持した状態で、第1のフィルム、および第2のフィルムの何れかをバックアップローラに巻きかけて、連続搬送しながら光照射し、塗膜を重合硬化させて波長変換層(硬化層)を形成する工程とを少なくとも含む。第1のフィルム、第2のフィルムとして、バリア部材A、Bを用いることにより、バリア部材Aとバリア部材Bとの間に波長変換部材を有する転写材料を得ることができる。第1のフィルムおよび第2のフィルムのいずれか一方がバリアフィルムAであり、他方がバリアフィルムBであればよく、どちらがバリアフィルムA、Bであるかは問わない。
より詳しくは、まず、図示しない送出機から第1のフィルム10が塗布部20へと連続搬送される。送出機から、例えば、第1のフィルム10が1〜50m/分の搬送速度で送り出される。但し、この搬送速度に限定されない。送出される際、例えば、第1のフィルム10には、20〜150N/mの張力、好ましくは30〜100N/mの張力が加えられる。
塗布部20では、連続搬送される第1のフィルム10の表面に量子ドット含有重合性組成物(以下、「塗布液」とも記載する。)が塗布され、塗膜22(図2参照)が形成される。塗布部20では、例えば、ダイコーター24と、ダイコーター24に対向配置されたバックアップローラ26とが設置されている。第1のフィルム10の塗膜22の形成される表面と反対の表面をバックアップローラ26に巻きかけて、連続搬送される第1のフィルム10の表面にダイコーター24の吐出口から塗布液が塗布され、塗膜22が形成される。ここで塗膜22とは、第1のフィルム10上に塗布された硬化前の量子ドット含有重合性組成物をいう。
本実施の形態では、塗布装置としてエクストルージョンコーティング法を適用したダイコーター24を示したが、これに限定されない。例えば、カーテンコーティング法、エクストルージョンコーティング法、ロッドコーティング法またはロールコーティング法等、種々の方法を適用した塗布装置を用いることができる。
塗布部20を通過し、その上に塗膜22が形成された第1のフィルム10は、ラミネート部30に連続搬送される。ラミネート部30では、塗膜22の上に、連続搬送される第2のフィルム50がラミネートされ、第1のフィルム10と第2のフィルム50とで塗膜22が挟持される。なお量子ドット含有重合性組成物が溶媒を含む場合、ラミネート部30前の任意の位置に、溶媒除去のために、図示されていない乾燥ゾーンを設けてもよい。乾燥ゾーンにおける乾燥処理は、加熱雰囲気中を通過させること、乾燥風を吹きつけること等の公知の方法によって行うことができる。
ラミネート部30には、ラミネートローラ32と、ラミネートローラ32を囲う加熱チャンバー34とが設置されている。加熱チャンバー34には第1のフィルム10を通過させるための開口部36、および第2のフィルム50を通過させるための開口部38が設けられている。
ラミネートローラ32に対向する位置には、バックアップローラ62が配置されている。塗膜22の形成された第1のフィルム10は、塗膜22の形成面と反対の表面がバックアップローラ62に巻きかけられ、ラミネート位置Pへと連続搬送される。ラミネート位置Pは第2のフィルム50と塗膜22との接触が開始する位置を意味する。第1のフィルム10はラミネート位置Pに到達する前にバックアップローラ62に巻きかけられることが好ましい。仮に第1のフィルム10にシワが発生した場合でも、バックアップローラ62によりシワがラミネート位置Pに達するまでに矯正され、除去できるからである。したがって、第1のフィルム10がバックアップローラ62に巻きかけられた位置(接触位置)と、ラミネート位置Pまでの距離L1は長いことが好ましく、例えば、30mm以上が好ましく、その上限値は、通常、バックアップローラ62の直径とパスラインとにより決定される。
本実施の形態では硬化部60で使用されるバックアップローラ62とラミネートローラ32とにより第2のフィルム50のラミネートが行われる。即ち、硬化部60で使用されるバックアップローラ62が、ラミネート部30で使用するローラとして兼用される。ただし、上記形態に限定されるものではなく、ラミネート部30に、バックアップローラ62と別に、ラミネート用のローラを設置し、バックアップローラ62を兼用しないようにすることもできる。
硬化部60で使用されるバックアップローラ62をラミネート部30で使用することで、ローラの数を減らすことができる。また、バックアップローラ62は、第1のフィルム10に対するヒートローラとしても使用できる。
図示しない送出機から送出された第2のフィルム50は、ラミネートローラ32に巻きかけられ、ラミネートローラ32とバックアップローラ62との間に連続搬送される。第2のフィルム50は、ラミネート位置Pで、第1のフィルム10に形成された塗膜22の上にラミネートされる。これにより、第1のフィルム10と第2のフィルム50とにより塗膜22が挟持される。ラミネートとは、第2のフィルム50を塗膜22の上に重ねあわせ、積層することをいう。
ラミネートローラ32とバックアップローラ62との距離L2は、第1のフィルム10と、塗膜22を重合硬化させた波長変換層(硬化層)28と、第2のフィルム50と、の合計厚さの値以上であることが好ましい。また、L2は第1のフィルム10と塗膜22と第2のフィルム50との合計厚さに5mmを加えた長さ以下であることが好ましい。距離L2を合計厚さに5mmを加えた長さ以下にすることより、第2のフィルム50と塗膜22との間に泡が侵入することを防止することができる。ここでラミネートローラ32とバックアップローラ62との距離L2とは、ラミネートローラ32の外周面とバックアップローラ62の外周面との最短距離をいう。
ラミネートローラ32とバックアップローラ62の回転精度は、ラジアル振れで0.05mm以下、好ましくは0.01mm以下である。ラジアル振れが小さいほど、塗膜22の厚さ分布を小さくすることができる。
また、第1のフィルム10と第2のフィルム50とで塗膜22を挟持した後の熱変形を抑制するため、硬化部60のバックアップローラ62の温度と第1のフィルム10の温度との差、およびバックアップローラ62の温度と第2のフィルム50の温度との差は30℃以下であることが好ましく、より好ましくは15℃以下、最も好ましくは同じである。
バックアップローラ62の温度との差を小さくするため、加熱チャンバー34が設けられている場合には、第1のフィルム10、および第2のフィルム50を加熱チャンバー34内で加熱することが好ましい。例えば、加熱チャンバー34には、図示しない熱風発生装置により熱風が供給され、第1のフィルム10、および第2のフィルム50を加熱することができる。
第1のフィルム10が、温度調整されたバックアップローラ62に巻きかけられることにより、バックアップローラ62によって第1のフィルム10を加熱してもよい。
一方、第2のフィルム50については、ラミネートローラ32をヒートローラとすることにより、第2のフィルム50をラミネートローラ32で加熱することができる。
ただし、加熱チャンバー34、およびヒートローラは必須ではなく、必要に応じで設けることができる。
次に、第1のフィルム10と第2のフィルム50とにより塗膜22が挟持された状態で、硬化部60に連続搬送される。図面に示す態様では、硬化部60における硬化は光照射により行われるが、量子ドット含有重合性組成物に含まれる重合性化合物が加熱により重合するものである場合には、温風の吹き付け等の加熱により、硬化を行うことができる。
バックアップローラ62と、バックアップローラ62に対向する位置には、光照射装置64が設けられている。バックアップローラ62と光照射装置64と間を、塗膜22を挟持した第1のフィルム10と第2のフィルム50とが連続搬送される。光照射装置により照射される光は、量子ドット含有重合性組成物に含まれる光重合性化合物の種類に応じて決定すればよく、一例としては、紫外線が挙げられる。ここで紫外線とは、波長280〜400nmの光をいうものとする。紫外線を発生する光源として、例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ等を用いることができる。光照射量は塗膜の重合硬化を進行させ得る範囲に設定すればよく、例えば、一例として100〜10000mJ/cmの照射量の紫外線を塗膜22に向けて照射することができる。
硬化部60では、第1のフィルム10と第2のフィルム50とにより塗膜22を挟持した状態で、第1のフィルム10をバックアップローラ62に巻きかけて、連続搬送しながら光照射装置64から光照射を行い、塗膜22を硬化させて波長変換層(硬化層)28を形成することができる。
本実施の形態では、第1のフィルム10側をバックアップローラ62に巻きかけて、連続搬送したが、第2のフィルム50をバックアップローラ62に巻きかけて、連続搬送させることもできる。
バックアップローラ62に巻きかけるとは、第1のフィルム10および第2のフィルム50の何れかが、あるラップ角でバックアップローラ62の表面に接触している状態をいう。したがって、連続搬送される間、第1のフィルム10および第2のフィルム50はバックアップローラ62の回転と同期して移動する。バックアップローラ62へ巻きかけは、少なくとも紫外線が照射されている間であればよい。
バックアップローラ62は、円柱状の形状の本体と、本体の両端部に配置された回転軸とを備えている。バックアップローラ62の本体は、例えば、φ200〜1000mmの直径を有している。バックアップローラ62の直径φについて制限はない。積層フィルムのカール変形と、設備コストと、回転精度とを考慮すると直径φ300〜500mmであることが好ましい。バックアップローラ62の本体に温度調節器を取り付けることにより、バックアップローラ62の温度を調整することができる。
バックアップローラ62の温度は、光照射時の発熱と、塗膜22の硬化効率と、第1のフィルム10と第2のフィルム50のバックアップローラ62上でのシワ変形の発生と、を考慮して、決定することができる。バックアップローラ62は、例えば、10〜95℃の温度範囲に設定することが好ましく、15〜85℃であることがより好ましい。ここでローラに関する温度とは、ローラの表面温度をいうものとする。
ラミネート位置Pと光照射装置64との距離L3は、例えば30mm以上とすることができる。
光照射により塗膜22は硬化層28となり、第1のフィルム10と硬化層28と第2のフィルム50とを含む波長変換部材70が製造される。波長変換部材70は、剥離ローラ80によりバックアップローラ62から剥離される。波長変換部材70は、図示しない巻取機に連続搬送され、次いで巻取機により波長変換部材70はロール状に巻き取られる。
以上、転写材料の製造工程の一態様について説明したが、本発明は上記態様に限定されるものではない。例えば、量子ドット含有重合性組成物をバリア部材A、Bの一方に塗布し、その上に他方のバリア部材を、ラミネートすることなく、必要に応じて行われる乾燥処理の後、硬化を施すことにより、波長変換部材(波長変換層)を形成してもよい。形成された波長変換層には、無機層等の一層以上の他の層を、公知の方法により積層することもできる。
(易剥離化のための手段)
波長変換部材は、一方の面にバリア部材Bを有し、他方の面に仮支持体(バリア部材A)を有する。仮支持体は、転写材料を転写対象物に転写する(貼り合わせる)際に剥離除去されるものであるため、仮支持体と波長変換部材との界面は、容易に剥離可能であることが好ましい。本発明および本明細書において、容易に剥離可能とは、仮支持体を波長変換部材表面に対して垂直方向に引き上げるときの力の大きさが、JIS Z 0237に記載の90°引き剥がし粘着力として0.2N/10mm以下であることをいう。このために、一態様では、仮支持体(バリア部材A)の波長変換部材側最表層を、後述する易接着層以外の層とすることができる。そのような層としては、一態様では、後述する無機層を挙げることができる。無機層は、一般に、波長変換部材(中でも、量子ドットを有機マトリックス中に含む波長変換層、特に、量子ドット含有(メタ)アクリレート系重合性組成物を硬化させてなる硬化層である波長変換層)との密着性が低い傾向がある。したがって、仮支持体(バリア部材A)の波長変換部材側最表層を無機層とすることにより、仮支持体(バリア部材A)と波長変換部材との界面を、容易に剥離可能な状態にすることができる。また、他の一態様では、波長変換部材の仮支持体(バリア部材A)側最表面を、易剥離面とすることができる。また、更に他の一態様では、仮支持体(バリア部材A)の波長変換部材側最表面を、易剥離面とすることができる。
易剥離面とは、剥離を容易にするための処理が施された面をいい、好ましい易剥離面 成方法としては、波長変換部材または仮支持体の表層領域に粒子を偏在させる方法を挙げることができる。
このために、一態様では、波長変換部材の仮支持体(バリア部材A)側表層として、または仮支持体(バリア部材A)の波長変換部材側表層として、またはこれら両表層として、粒子含有層を設ける。粒子含有層は、この層の表面に粒子が存在することにより表面特性が変化し、易剥離面として機能し得る。
また、他の態様では、例えば、波長変換層形成時に、粒子含有量の異なる二種以上の塗布液を用いることで、重力により粒子が層の厚さ方向で偏在し、片面のみ粒子含有量の異なる領域を形成することができる。例えば、粒子を含まない塗布液により第一領域を形成した後、この領域の上に粒子含有塗布液を塗布し第二領域を形成することで、粒子偏在領域(第二領域)を有する波長変換層を形成することができる。このような粒子偏在領域を設けることで、波長変換部材表面を易剥離面として機能させることができる。
粒子偏在領域は、波長変換部材の断面を電子顕微鏡で観察し、厚さ方向における粒子の数を数えることにより特定することができる。または、波長変換部材の表層をカーボンでエッチングしつつ、SEM−EDX(Scanning Electron Microscope - Energy Dispersive X-ray Spectrometer、走査型分析電子顕微鏡;例えばJEOL社製JSM670型)を用いて、波長変換部材の厚さ方向(深さ方向)の元素の強度を測定することによって、波長変換部材において粒子偏在領域を特定することができる。
具体的には、波長変換部材における粒子の偏在の指標(粒子偏在性の指標)としては、以下の方法により求められる値を用いることができる。
(粒子偏在性の指標)
波長変換部材を切削した断面、例えばミクロトームにより切削した断面を、SEM−EDX(例えばJEOL社製JSM670型)を用いて観察し、観察対象の断面における粒子の個数を計測する。波長変換部材の励起光入射側表面および出射側表面に垂直な方向をx軸とする。x軸に沿った波長変換部材の厚さをLとし、x=0が仮支持体側表面、x=Lがバリア部材B側表面と定義する。切削断面における粒子の規格化数密度分布をφ(x)とする。
つまり、
式1
∫(0→L)φ(x)dx=1
が成立する。
波長変換部材における粒子の偏在性を表す指標として、下式で表されるΦを定義する。
式2
Φ=∫(0→L) φ(x) x/L dx
Φ=1の場合、波長変換部材において、粒子は全てバリア部材B側表面に存在し、Φ=0の場合、仮支持体側表面に存在する。一方、波長変換部材中に粒子が均一に分布している場合には、Φ=0.5である。したがって、波長変換部材の仮支持体側表層領域に粒子偏在領域が存在する場合、Φは0超0.5未満となる。
同様に、仮支持体における粒子偏在領域の特定も可能である。
ところで、量子ドットを含む波長変換層は、層内で内部発光された光の取り出し効率を高めることにより、発光強度を向上し輝度向上を達成することができる。ただし、波長変換層において発光された光は、屈折率の異なる隣接層界面に入射する角度によっては全反射を起こし、波長変換層内部を導波してしまい、光取り出し効率が低下してしまう。そこで、光散乱構造を設け、光取り出し効率を向上させることは、波長変換部材の発光効率の更なる向上に有効である。そのような光散乱構造として、粒子含有層や粒子偏在領域は有効である。
取り出し効率向上の観点からは、一次粒子の粒径(一次粒径)が100nm以上の粒子を用いることが好ましく、一次粒径が500nm以上の粒子を用いることがより好ましく、一次粒径が1μm以上の粒子を用いることが更に好ましい。また、上記粒子の一次粒径は、好ましくは10μm以下、より好ましくは8μm以下、更に好ましくは5μm以下である。
本発明および本明細書における粒径とは、走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope;SEM)により観察することによって求められる値とする。具体的には、波長変換層またはバリア部材の断面を倍率5000倍で撮影したのちに、得られた画像から粒径を測定する。また、球形状ではない粒子については、長軸の長さと短軸の長さの平均値を求め、これを粒径として採用する。後述の直径も同様である。
上記粒子は、波長変換部材やバリア部材において一次粒子として存在することが好ましいが、二次粒子以上の高次粒子として存在していてもよい。二次粒子以上の高次粒子(凝集粒子)として存在する粒子は、かかる凝集粒子の粒径が上記範囲内であることが好ましい。なお本発明および本明細書において、波長変換部材またはバリア部材中に存在する粒子の粒径とは、部材中に存在する状態(例えば、一次粒子であれば一次粒径、二次粒子であれば二次粒径)をいうものとする。なお後述の実施例に記載の粒径は、走査型電子顕微鏡(JEOL社製JSM670型)用いて波長変換部材またはバリア部材の断面を観察して測定することで得られた値である。
光取り出し効率向上の観点から好ましい粒子(以下、「光散乱粒子」と記載する。)は、粒子が含まれる層(粒子含有層、波長変換層)を構成するマトリックスとの屈折率の差(後述の絶対値|nb−ns|)が0.02以上のものである。光散乱粒子は、1種類の粒子のみを用いてもよく、また、複数の種類の粒子を組み合わせて用いてもよい。光散乱粒子は、無機粒子であってもよく、有機粒子であってもよい。その詳細については、特開2010−198735号公報段落0022を参照できる。また、粒子含有層を構成するマトリックス等の各種成分および粒子含有層の作製方法については、同公報段落0023〜0028、段落0033〜0035を参照できる。粒子含有層の厚さは特に制限はなく、乾燥厚さで、例えば0.5μm〜50μm程度であるが、目的に応じて適宜選択することができる。酸素バリア性と光透過性の観点からは、1μm〜20μmの範囲であることが好ましく、2μm〜10μmの範囲であることがより好ましく、3μm〜7μmの範囲であることが更に好ましい。
一方、波長変換層に光散乱粒子が含まれる場合、波長変換層における光散乱粒子量の質量密度は、2%以上とすることが、光取り出し効率向上の観点から好ましい。一方、脆性の観点からは、波長変換層における光散乱粒子の質量密度は30%未満とすることが好ましい。
光散乱粒子の屈折率nsは、光取り出し効率向上の観点から、マトリックス材の屈折率nbとの差の絶対値|nb−ns|が、0.02以上であることが好ましく、0.03以上であることがより好ましく、0.10以上であることがさらに好ましい。なお本発明における屈折率とは、フラウンホーファーのe線(546.1nm)に対する屈折率neをいうものとする。また、二種以上の異なる種類の光散乱粒子が粒子含有層または波長変換層に含まれる場合には、少なくとも一種の光散乱粒子が上記絶対値を満たす屈折率を有することが好ましく、二種以上の光散乱粒子が上記絶対値を満たす屈折率を有することがより好ましく、すべての光散乱粒子が上記絶対値を満たす屈折率を有することが更に好ましい。光散乱粒子の屈折率nsは、マトリックス材の屈折率nbより大きくても小さくてもよい。
|nb−ns|の値は大きい方が、散乱効率が向上するために好ましい。一方、光散乱粒子およびマトリックスの屈折率は、素材固有の値であり、例えば顕微IR(顕微赤外分光法)のスペクトルから素材を特定することで、知ることができる。
なお、マトリックスの屈折率は、アッベ屈折率計を用いて計測することができる。マトリックスの屈折率は、マトリックスとは異なる屈折率を有する直径数10nm程度未満の微粒子を添加することで調整することができる。ここで用いられる直径数10nm程度の微粒子は、可視光をほとんど散乱させないほど十分に小さいものである。
光取り出し効率向上の観点からは、マトリックスの屈折率は小さいことが好ましい。一般に屈折率が1より大きい樹脂内部での発光を空気層に取り出す際には、臨界角以上で入射する光が空気との界面で全反射するため、取り出し効率の低下が生じる。この臨界角はスネルの法則によって決まり、マトリックスが低屈折率であるほど、臨界角は大きくなり、取り出し効率は向上する。マトリックスの出射側表面に、無機バリア部材などの高屈折率媒体が存在した場合でも、この傾向は成り立つ。
取り出し効率向上の観点からは、後方散乱および前方散乱を低減することが望ましい。この点から光散乱粒子の直径rsは、後方散乱の影響を低減する観点からは0.5μm以上であることが好ましく、前方散乱の影響を低減する観点からは10μm以下であることが好ましい。即ち、0.5μm≦rs≦10μmの範囲にあることが好ましい。光散乱粒子の直径は、0.8μm≦rs≦8μmであることがより好ましく、1μm≦rs≦5μmであることがさらに好ましい。
波長変換部材の仮支持体(バリア部材A)側表層領域、好ましくは出射側表層領域に、屈折率および直径の少なくとも一方が異なる光散乱粒子を2種類以上含むことも好ましい。そのような光散乱粒子を2種類以上含むことによって、散乱光の散乱角度依存性に起因する色づきを抑制することが可能となり、良好なホワイトバランスが得られる。2種類の光散乱粒子の数量(粒子数)比は、1:9〜9:1であることがより好ましく、2:8〜8:2であることがさらに好ましい。
波長変換部材の表層領域、好ましくは出射側表層領域に含まれる光散乱粒子は、層の表面に整列するように配置されていても光取り出し効率向上効果を発揮することができる。このように配置された光散乱粒子により、隣接する層との界面を乱すことで、全反射を防ぐことができるからである。この場合、マトリックスと、光散乱粒子の屈折率が等しい場合でも、良好な取り出し効率の向上効果が見られる。
(バリア部材A、B)
本発明の一態様にかかる転写材料が有するバリア部材A、Bは、それぞれ、無機層および有機層から選ばれる一層以上を含むことができる。また、バリア部材は、基材を含むこともできる。詳細は後述する。
なお本発明および本明細書において、「無機層」とは、無機材料を主成分とする層である。主成分とは、層に含まれる成分の中で最も含有量が多い成分をいう。二種以上の複数の異なる無機材料を含む層については、上記含有量とは、複数の異なる無機材料の合計含有量をいうものとする。以上の点は、後述の有機層に関する主成分についても同様である。無機層は、好ましくは無機材料のみから形成される層である。これに対し、有機層とは、有機材料を主成分とする層であって、好ましくは有機材料が50質量%以上、更には80質量%以上、特に90質量%以上を占める層を言うものとする。
−無機層−
無機層を構成する無機材料としては、特に限定されるものではなく、例えば、金属、または無機酸化物、窒化物、酸化窒化物等の各種無機化合物を用いることができる。無機材料を構成する元素としては、ケイ素、アルミニウム、マグネシウム、チタン、スズ、インジウムおよびセリウムが好ましく、これらを一種または二種以上含んでいてもよい。無機化合物の具体例としては、酸化ケイ素、酸化窒化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化スズ、酸化インジウム合金、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化チタンを挙げることができる。また、無機層として、金属膜、例えば、アルミニウム膜、銀膜、錫膜、クロム膜、ニッケル膜、チタン膜を設けてもよい。
上記の材料の中でも、高いバリア性を有するバリア部材を形成する観点からは、窒化ケイ素、酸化ケイ素、または酸化窒化ケイ素が特に好ましい。また、一態様では、仮支持体(バリア部材A)と波長変換部材との界面を容易に剥離可能な状態とするために、窒化ケイ素、酸化ケイ素および酸化窒化ケイ素からなる群から選ばれる無機材料を含む無機層を、仮支持体(バリア部材A)の波長変換部材側最表層として設けることが好ましく、仮支持体(バリア層A)に、量子ドットを有機マトリックス中に含む波長変換層と隣接する層として設けることがより好ましく、量子ドット含有(メタ)アクリレート系重合性組成物を硬化させてなる硬化層である波長変換層と隣接する層として設けることが更に好ましい。なお本発明および本明細書において、「隣接」とは、他の層を介さず直接接していることをいうものとする。
無機層の形成方法は特に限定されるものではなく、公知の製膜方法により形成することができる。より一層優れたバリア性を実現する観点からは、無機材料を蒸着により堆積させることによって、無機層を形成することが好ましい。ここで本発明における蒸着とは、製膜材料を蒸発ないし飛散させ被蒸着面に堆積させることができる各種製膜方法、より詳しくは、蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理的気相成長法(PVD)、種々の化学的気相成長法(CVD)を含むものとする。
蒸着方法としては、具体的には、無機酸化物、無機窒化物、無機酸化窒化物、金属等の無機材料を、加熱して基材上に蒸着させる真空蒸着法;無機材料を原料として用い、酸素ガスを導入することにより酸化させて、基材上に蒸着させる酸化反応蒸着法;無機材料をターゲット原料として用い、アルゴンガス、酸素ガスを導入して、スパッタリングすることにより、基材に蒸着させるスパッタリング法;無機材料にプラズマガンで発生させたプラズマビームにより加熱させて、基材上に蒸着させるイオンプレーティング法等の物理気相成長法(Physical Vapor Deposition法)、酸化ケイ素の蒸着膜を製膜させる場合は、有機ケイ素化合物を原料とするプラズマ化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition法)等が挙げられる。
また、酸化ケイ素膜は、有機ケイ素化合物を原料として、低温プラズマ化学気相成長法を用いて形成することもできる。この有機ケイ素化合物としては、具体的には、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、ビニルトリメチルシラン、ヘキサメチルジシラン、メチルシラン、ジメチルシラン、トリメチルシラン、ジエチルシラン、プロピルシラン、フェニルシラン、ビニルトリエトキシシラン、テトラメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、オクタメチルシクロテトラシロキサン等が挙げられる。また、上記有機ケイ素化合物の中でも、テトラメトキシシラン(TMOS)、ヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)を用いることが好ましい。これらは、取り扱い性や蒸着膜の特性に優れるからである。
無機層の厚さは、10nm〜500nm、中でも10nm〜300nm、特に10nm〜150nmの範囲内であることが好ましい。無機層の厚さが、上述した範囲内であることにより、良好なバリア性を実現しつつ、無機層における反射を抑制することができ、高い光透過率を実現することができるからである。
また、無機層が波長変換部材に含まれる波長変換層と隣接していてもよく、無機層と波長変換層との間に一層以上の他の層が存在してもよい。後者の場合、無機層は一般にバリア性に優れるため、無機層の波長変換部材側表面と波長変換部材に含まれる波長変換層のバリア部材側表面との距離は、10μm未満であることが好ましく、5μm未満であることがより好ましい。無機層と波長変換層とが隣接することが、更に好ましい。
−有機層−
有機層としては、特開2007−290369号公報段落0020〜0042、特開2005−096108号公報段落0074〜0105を参照できる。なお有機層は、一態様では、カルドポリマーを含むことが好ましい。これにより、有機層と隣接する層または基材(詳細は後述する。)との密着性、特に、無機層とも密着性が良好になり、より一層優れたガスバリア性を実現することができるからである。カルドポリマーの詳細については、上述の特開2005−096108号公報段落0085〜0095を参照できる。有機層の厚さは、0.05μm〜10μmの範囲内であることが好ましく、中でも0.5〜10μmの範囲内であることが好ましい。有機層がウェットコーティング法により形成される場合には、有機層の厚さは、0.5〜10μmの範囲内、中でも1μm〜5μmの範囲内であることが好ましい。また、ドライコーティング法により形成される場合には、0.05μm〜5μmの範囲内、中でも0.05μm〜1μmの範囲内であることが好ましい。ウェットコーティング法またはドライコーティング法により形成される有機層の厚さが上述した範囲内であることにより、無機層との密着性をより良好なものとすることができるからである。
なお本発明および本明細書において、ポリマーとは、同一または異なる2以上の化合物が重合反応により重合した重合体をいい、オリゴマーも包含する意味で用いるものとし、その分子量は特に限定されるものではない。また、ポリマーは、重合性基を有するポリマーであって、加熱、光照射等の重合性基の種類に応じた重合処理を施されることにより更に重合することができるものであってもよい。
また、有機層は、(メタ)アクリレートポリマーを含む重合性組成物を硬化させてなる硬化層であることもできる。(メタ)アクリレートポリマーとは、(メタ)アクリロイル基を1分子中に1つ以上含むポリマーである。有機層形成に用いる(メタ)アクリレートポリマーの一例としては、ウレタン結合を1分子中に1つ以上含む(メタ)アクリレートポリマーを挙げることもできる。以下、ウレタン結合を1分子中に1つ以上含む(メタ)アクリレートポリマーを、ウレタン結合含有(メタ)アクリレートポリマーと記載する。バリア部材A、Bが二層以上の有機層を含む場合、ウレタン結合含有(メタ)アクリレートポリマーを含む重合性組成物を硬化させてなる硬化層と、他の有機層とが含まれていてもよい。一態様では、バリア部材Bの波長変換部材側最表層が、ウレタン結合含有(メタ)アクリレートポリマーを含む重合性組成物を硬化させてなる硬化層であることが好ましい。かかる硬化層は、波長変換部材(好ましくは量子ドットを有機マトリックス中に含む波長変換層、より好ましくは、量子ドット含有(メタ)アクリレート系重合性組成物を硬化させてなる硬化層である波長変換層)に対して良好な密着性を示すことができるからである。
ウレタン結合含有(メタ)アクリレートポリマーにおいて、一態様では、ウレタン結合を有する構造単位が、ポリマーの側鎖に導入されていることが好ましい。以下において、ウレタン結合を有する構造単位が導入される主鎖を、アクリル主鎖と記載する。
また、ウレタン結合を有する側鎖の末端の少なくとも1つに、(メタ)アクリロイル基が含まれることも好ましい。ウレタン結合を有する側鎖のすべてに(メタ)アクリロイル基が含まれることがより好ましい。ここで末端に含まれる(メタ)アクリロイル基は、アクリロイル基であることが更に好ましい。
ウレタン結合含有(メタ)アクリレートポリマーは、一般にはグラフト共重合により得ることができるが、特に限定されるものではない。アクリル主鎖とウレタン結合を有する構造単位とは、直接結合していてもよく、連結基を介して結合していてもよい。連結基の一例としては、エチレンオキシド基、ポリエチレンオキシド基、プロピレンオキシド基、およびポリプロピレンオキシド基などが挙げられる。ウレタン結合含有(メタ)アクリレートポリマーは、ウレタン結合を有する構造単位が異なる連結基(直接結合を含む)を介して結合している側鎖を複数種含んでいてもよい。
ウレタン結合含有(メタ)アクリレートポリマーは、ウレタン結合を有する構造単位以外の他の側鎖を有していてもよい。他の側鎖の一例としては、直鎖または分岐のアルキル基が挙げられる。直鎖または分岐のアルキル基としては、炭素数1〜6の直鎖アルキル基が好ましく、n−プロピル基、エチル基、またはメチル基がより好ましく、メチル基がさらに好ましい。また、他の側鎖は、異なる構造のものが含まれていてもよい。この点は、ウレタン結合を有する構造単位についても同様である。
ウレタン結合含有(メタ)アクリレートポリマーの1分子に含まれるウレタン結合および(メタ)アクリロイル基の数は、それぞれ1つ以上であり、2つ以上であることが好ましいが、特に限定されるものではない。ウレタン結合含有(メタ)アクリレートポリマーの重量平均分子量は、10,000以上であることが好ましく、12,000以上であることがより好ましく、15,000以上であることがさらに好ましい。また、ウレタン結合含有(メタ)アクリレートポリマーの重量平均分子量は、1,000,000以下であることが好ましく、500,000以下であることがより好ましく、300,000以下であることがさらに好ましい。ウレタン結合含有(メタ)アクリレートポリマーのアクリル当量は、500以上であることが好ましく、600以上であることがより好ましく、7,00以上であることが更に好ましく、また、アクリル当量が5,000以下であることが好ましく、3,000以下であることがより好ましく、2,000以下であることがさらに好ましい。アクリル当量とは、一分子中の(メタ)アクリロイル基の数で重量平均分子量を除して求められる値である。
本発明および本明細書における重量平均分子量とは、ゲル浸透クロマトグラフィー(Gel Permeation Chromatography;GPC)による測定値をポリスチレン換算して求められる値とする。重量平均分子量の具体的な測定条件の一例としては、以下の測定条件を挙げることができる。
GPC装置:HLC−8120(東ソー社製):
カラム:TSK gel Multipore HXL−M(東ソー社製7.8mmID(内径)×30.0cm)
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
ウレタン結合含有(メタ)アクリレートポリマーとしては、公知の方法で合成したものを用いてもよく、市販品を用いてもよい。市販品としては、例えば大成ファインケミカル株式会社製のUV(Ultra violet)硬化型アクリルウレタンポリマー(8BRシリーズ)を挙げることができる。ウレタン結合含有(メタ)アクリレートポリマーは、有機層を形成するための重合性組成物の固形分全量100質量%に対して5〜90質量%含まれることが好ましく、10〜80質量%含まれることがより好ましい。
有機層を形成するために用いる硬化性化合物において、ウレタン結合含有(メタ)アクリレートポリマーの一種以上と、他の重合性化合物との一種以上とを併用してもよい。他の重合性化合物としては、エチレン性不飽和結合を末端または側鎖に有する化合物が好ましい。エチレン性不飽和結合を末端または側鎖に有する化合物の例としては、(メタ)アクリレート化合物、アクリルアミド系化合物、スチレン系化合物、無水マレイン酸等が挙げられ、(メタ)アクリレート化合物が好ましく、アクリレート化合物がより好ましい。
(メタ)アクリレート化合物としては、(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等が好ましい。(メタ)アクリレート化合物として具体的には、例えば特開2013−43382号公報の段落0024〜0036または特開2013−43384号公報の段落0036〜0048に記載の化合物を挙げることができる。
スチレン系化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、4−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、4−ヒドロキシスチレン、4−カルボキシスチレン等が好ましい。
有機層を形成するために用いる重合性組成物は、一種以上の重合性化合物とともに、公知の添加剤を含むこともできる。そのような添加剤の一例としては、公知の有機金属カップリング剤を挙げることができる。有機金属カップリング剤は、有機層を形成するために用いる重合性組成物の固形分全量を100質量%とすると、0.1〜30質量%が好ましく、1〜20質量%がより好ましい。
また、添加剤としては、重合開始剤を挙げることができる。重合開始剤を用いる場合、重合性組成物における重合開始剤の含有量は、重合性化合物の合計量の0.1モル%以上であることが好ましく、0.5〜5モル%であることがより好ましい。光重合開始剤の例としてはBASF社から市販されているイルガキュア(Irgacure)シリーズ(例えば、イルガキュア651、イルガキュア754、イルガキュア184、イルガキュア2959、イルガキュア907、イルガキュア369、イルガキュア379、イルガキュア819など)、ダロキュア(Darocure)シリーズ(例えば、ダロキュアTPO、ダロキュア1173など)、クオンタキュア(Quantacure)PDO、ランベルティ(Lamberti)社から市販されているエザキュア(Ezacure)シリーズ(例えば、エザキュアTZM、エザキュアTZT、エザキュアKTO46など)等が挙げられる。
有機層を形成するための重合性組成物の硬化は、重合性組成物に含まれる成分(重合性化合物や重合開始剤)の種類に応じた処理(光照射、加熱等)により行えばよい。硬化条件は特に限定されるものではなく、重合性組成物に含まれる成分の種類や有機層の厚さ等に応じて設定すればよい。
バリア部材に含まれる層の積層数を増やすほどバリア性向上の観点からは好ましいが、積層数が増えるほど、光透過率は低下する傾向がある。したがって、転写品に組み込まれるバリア部材Bは、良好な光透過率を維持し得る範囲で、積層数を増やすことが望ましい。バリア部材Bの可視光領域における全光線透過率は、80%以上であることが好ましい。また、バリア部材A、Bとも、酸素透過度が1cm/(m・day・atm)以下であることが好ましい。ここで、上記酸素透過度は、測定温度23℃、相対湿度90%の条件下で、酸素ガス透過率測定装置(MOCON社製、OX−TRAN 2/20:商品名)を用いて測定した値である。また、可視光領域とは、380〜780nmの波長領域をいうものとし、全光線透過率とは、可視光領域にわたる光透過率の平均値を示す。
バリア部材A、Bの酸素透過度は、より好ましくは、0.1cm/(m・day・atm)以下、より好ましくは、0.01cm/(m・day・atm)以下である。可視光領域における全光線透過率は、より好ましくは90%以上である。酸素透過度は低いほど好ましく、可視光領域における全光線透過率は高いほど好ましい。
一方、バリア部材A、Bの水蒸気透過率は、0.5g/(m2・day)以下、中でも0.1g/(m2・day)以下、特に0.05g/(m2・day)以下であることが好ましい。水蒸気透過率が低いバリア部材によれば、水蒸気等の水分による量子ドットの劣化を防ぐことができる。上記水蒸気透過率は、測定温度37.8℃、相対湿度100%の条件下で、水蒸気透過率測定装置(MOCON社製、PERMATRAN−W 3/31:商品名)を用いて測定した値である。
バリア性を有する無機層、有機層のその他詳細については、上述の特開2007−290369号公報、特開2005−096108号公報、更にUS2012/0113672A1の記載を参照できる。
また、強度向上、製膜の容易性等のため、有機層と無機層との間、二層の有機層の間、もしくは二層の無機層の間に、またはバリア部材形成のための支持体として、基材(基材フィルム)が存在していてもよい。基材としては、可視光に対して透明である透明基材であることが好ましい。ここで可視光に対して透明とは、可視光領域における光線透過率が、80%以上、好ましくは85%以上であることをいう。透明の尺度として用いられる光線透過率は、JIS−K7105に記載された方法、すなわち積分球式光線透過率測定装置を用いて全光線透過率および散乱光量を測定し、全光線透過率から拡散透過率を引いて算出することができる。基材については、特開2007−290369号公報段落0046〜0052、特開2005−096108号公報段落0040〜0055を参照できる。基材の厚さは、ガスバリア性、耐衝撃性等の観点から、10μm〜500μmの範囲内、中でも10〜400μmの範囲内、特に10〜300μmの範囲内であることが好ましい。
有機層と無機層との間、二層の有機層の間、または二層の無機層の間を、公知の接着層により貼り合わせてもよい。液晶表示装置の光透過率向上の観点からは、転写後に転写品に含まれることとなるバリア部材Bが有する接着層は少ないほど好ましい。
(易接着層)
バリア部材Bは、転写時より除去されず転写品に組み込まれた後もバリア性を発揮し波長変換層中の量子ドットを保護することが好ましい。この点から、バリア部材Bと波長変換部材との密着性を向上することが好ましい。一方、バリア部材Aと波長変換部材との剥離容易性の観点から、一態様では、バリア部材Aと波長変換部材との間には易接着層が介在しないことが好ましい。また、他の一態様では、量子ドットの劣化を防ぐ観点からは、バリア部材Aも、転写時に除去されるまでは波長変換部材との密着性が良好であることが好ましい。したがって、バリア部材Aと波長変換部材との間に、易接着層が介在していてもよい。
易接着層としては、特に限定されず、公知のものを用いることができる。密着性向上の観点からは、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂およびウレタン樹脂から選ばれる少なくとも1種類を含む易接着層が好ましく、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂およびウレタン樹脂から選ばれる2種類以上を含むことがより好ましい。
ポリエステル樹脂の詳細については、特開2013−230697号公報段落0044を参照できる。ポリエステル樹脂は、好ましくは脂肪族ポリエステルであり、より好ましくは脂環式ポリエステルである。脂環式ポリエステルは、脂環式ジカルボン酸を主たるジカルボン酸成分として、脂環式ジオールを主たるジオール成分として構成される。脂環式ポリエステルの詳細については、特開2009−209285公報段落0014〜0025を参照できる。
アクリル樹脂の詳細については、特開2013−230697号公報段落0062〜0063を参照できる。ウレタン樹脂の詳細については、特開2013−230697号公報段落0064〜0073を参照できる。
易接着層中に占めるポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂の合計の含有量に関しては、より良好な密着性を得る観点からは、通常10質量%以上、好ましくは30〜95質量%、さらに好ましくは40〜95質量%の範囲である。また、易接着層には、塗布面状や透明性を向上させるために、上記樹脂成分以外のバインダーポリマー、架橋剤、粒子等の公知の成分および添加剤を併用することも可能である。バインダーポリマーの具体例としては、ポリアルキレングリコール、ポリアルキレンイミン、メチルセルロース、ヒドロキシセルロース、でんぷん類等が挙げられる。架橋剤については、特開2013−230697号公報段落0052〜0056を参照できる。これらの架橋剤は、単独で用いてもよいし、複数種を混合して用いてもよい。
更に、易接着層には、易接着層のブロッキング性、滑り性改良を目的として粒子を含有してもよい。粒子としては、シリカ、アルミナ、酸化金属等の無機粒子、または架橋高分子粒子等の有機粒子等が挙げられる。
易接着層の厚さは、特に限定されるものではないが、密着性と透明性等の観点から、通常0.002〜1.0μm、より好ましくは0.02〜0.5μm、さらに好ましくは0.03〜0.2μmの範囲である。易接着層は、例えば公知の塗布法で形成することができる。塗布方法については、例えば特開2013−230697号公報段落0083〜0088を参照できる。
(粘着層)
一態様では、仮支持体(バリア部材A)は、波長変換部材との貼り合わせ面に、粘着層を有することもできる。この粘着層は、転写時に仮支持体が除去された後、少なくとも一部が波長変換部材上に残留することにより、仮支持体が除去された転写材料と転写対象物とを貼り合わせる役割を果たすこともできる。ただし、仮支持体は、粘着層を含まなくてもよい。この場合には、転写材料から仮支持体を剥離した後、剥離により露出した面に粘着層を形成(粘着剤を塗布)することにより、この粘着剤により転写対象物との貼り合わせを行うことができる。
粘着層は、公知の粘着剤を用いて形成することができる。例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体などからなる自己粘着剤層や、アクリル樹脂、スチレン樹脂、シリコーン樹脂などをベースポリマーとし、そこに、イソシアネート化合物、エポキシ化合物、アジリジン化合物などの架橋剤を加えた組成物からなる感圧粘着剤層を用いることができる。さらに、粘着剤中に微粒子を配合して、光散乱性を示す粘着層を形成することもできる。
粘着層の厚さは、粘着性および塗布された粘着剤のはみ出し防止の観点から、1〜40μm程度が好適であり、加工性および粘着性の特性を損なわない範囲で、薄く塗ることが好ましく、より好ましくは3〜25μmである。厚さ3〜25μmであると、特に良好な加工性を有する。粘着層を形成する方法は特に限定されるものではなく、被塗布面に、上記したベースポリマーをはじめとする各成分を含む溶液を塗布し、乾燥して粘着層を形成してもよく、セパレータ上に粘着層を形成した後、被塗布面に貼り付けて積層してもよい。粘着剤を塗布する被塗布面には、必要に応じて、密着処理、たとえば、コロナ処理等を施してもよい。
仮支持体
仮支持体とは、前述の通り、転写材料を転写対象物に転写する前に剥離される支持体である。上記転写材料における仮支持体は、バリア性を有する層を一層以上含み、任意に基材、易接着層、粘着層等を含むことができるバリア部材(バリア部材A)である。バリア部材を構成し得る各種の層および基材の詳細は、先に記載した通りである。
転写材料の製造方法
上記転写材料は、以上説明した各層、基材を積層し形成することができる。積層方法、順序は、特に限定されるものではない。一例として、仮支持体(バリア部材A)、バリア部材Bを含む積層体をそれぞれ作製し、一方のバリア部材の表面に波長変換部材を形成し、形成した波長変換部材を他方と貼り合わせることにより、仮支持体(バリア部材A)、波長変換部材、バリア部材Bをこの順に含む転写材料を得ることができる。貼り合わせは、公知の粘着剤または接着剤を用いて行うことができる。または、接着剤を用いるラミネート、接着剤なしで行うラミネート(熱圧着)による貼り合わせも可能である。
また、別の一例として、波長変換層を熱もしくは光によって硬膜する際に、一方の表面を仮支持体(バリア部材A)、もう一方の面をバリア部材Bを含む積層体で挟んで硬膜することもできる。波長変換部材両面の密着性を制御し、非対称とすることにより、上記転写材料を得ることもできる。
以上説明した転写材料は、液晶表示装置の構成部材に貼り合わせるための転写材料として用いることができ、液晶パネル製造用転写材料として用いることが好ましい。液晶パネルに含まれる基板(通常、ガラス基板)は高いバリア性を有するため、仮支持体(バリア部材A)を剥離除去した後に、量子ドットを保護する役割を良好に果たすことができるからである。このように用いることで、波長変換層の薄手化に依拠することなくLCDの薄型化を実現できる。上記転写材料を、液晶パネル製造のために用いる態様については、後述する。
[波長変換部材付液晶パネルの製造方法]
本発明の更なる態様は、
上記転写材料のバリア部材A(仮支持体)を剥離すること、および、
剥離により露出した露出面を、少なくとも液晶セルを含む液晶パネル表面と貼り合わせること、
を含む、波長変換部材付液晶パネルの製造方法、
に関する。
液晶表示装置は、通常、少なくとも、液晶セルを含む液晶パネルと、バックライトユニットから構成される。量子ドットを含む波長変換層を有する波長変換部材は、従来、液晶表示装置におけるバックライトユニットの構成部材として用いられていた。これに対し本発明の一態様によれば、波長変換部材を備えた液晶パネルを製造することができる。
仮支持体の剥離方法は特に限定されない。仮支持体の剥離は剥離後の転写品に破損が生じない速度で行うことが好ましい。
前述の通り、仮支持体と波長変換部材との間に粘着層が存在し、剥離により露出した露出面に粘着層が残留している場合には、露出面をそのまま液晶パネル表面に貼り合わせることができる。または、露出面に粘着剤を塗布した後に、液晶パネル表面と貼り合わせることもできる。粘着剤については、先に記載した通りである。
仮支持体の剥離および液晶パネルへの貼り合わせを行う環境は、波長変換層に含まれる量子ドットと酸素との接触を防ぐ観点からは、閉鎖されたチャンバー内部が好ましく、窒素雰囲気下がより好ましい。ただし、上記のような環境でない場合であっても、比較的短時間(例えば30分以内)に仮支持体の剥離および液晶パネルへ貼り合わせを行うことができれば、波長変換層に含まれる量子ドットの発光効率低下を防ぐことができる。
液晶パネルは、液晶セルを含み、通常、更に視認側、バックライト側にそれぞれ、偏光板(視認側偏光板、バックライト側偏光板)が配置されている。上記転写材料は、視認側偏光板表面、バックライト側偏光板表面のいずれに貼り合わせてもよいが、波長変換部材による波長変換によって多波長光源化を容易かつ良好に実現する観点からは、液晶パネルのバックライト側表面に貼り合わせることが好ましい。貼り合せるバックライト側表面は、バックライト側偏光板表面であることができる。また、バックライト側偏光板表面上に設けられた、輝度向上フィルムなどの表面に貼り合わせることも好ましい。輝度向上フィルムとしては、プリズムシート等の公知の輝度向上フィルムを用いることができる。
次に、転写対象物である液晶パネルについて説明する。
(液晶セル)
液晶セルの駆動モードについては特に制限はなく、ツイステットネマチック(TN)、スーパーツイステットネマチック(STN)、バーティカルアライメント(VA)、インプレインスイッチング(IPS)、オプティカリーコンペンセイテットベンドセル(OCB)等の種々のモードを利用することができる。
液晶セルは、通常、2枚の基板と、2枚の基板間に位置する液晶層と、を含む。基板は、ガラス基板が一般的であるが、プラスチック基板、またはガラスとプラスチックとの積層体でもよい。プラスチック単独を基板する場合には、PC(ポリカーボネート)、PES(ポリエーテルサルフォン)など面内で光学異方性をほとんど有さない材質が、液晶層による偏光制御を阻害しないため、有用である。1枚の基板の厚さは、一般に50μm〜2mmの範囲である。
液晶セルの液晶層は、通常、二枚の基板の間にスペーサーを挟み込んで形成した空間に液晶を封入して形成される。通常、基板上には、透明電極層が、導電性物質を含む透明な膜として形成される。液晶セルには、更にガスバリア層、ハードコート層、透明電極層の接着に用いるアンダーコート層(下塗り層)等の層が設けられる場合もある。これらの層は、通常、基板上に設けられる。
(偏光板)
視認側偏光板、バックライト側偏光板としては、特に限定されるものではなく、液晶表示装置に通常用いられる偏光板を、何ら制限なく使用することができる。例えば、ポリビニルアルコールフィルムを沃素溶液中に浸漬して延伸した延伸フィルム等を偏光子として含む偏光板を用いることができる。偏光子の厚さは特に限定されない。液晶表示装置の薄型化の観点からは、薄いほど好ましく、偏光板のコントラストを維持するためには一定の厚さを有することが好ましい。以上の点から、視認側偏光子、バックライト側偏光子とも、厚さは0.5μm〜80μmの範囲であることが好ましく、より好ましくは0.5μm〜50μm、更に好ましくは1μm〜25μmの範囲である。また、視認側偏光子とバックライト側偏光子の厚さは同じであってもよく、異なっていてもよい。偏光子の詳細については、特開2012−189818号公報段落0037〜0046を参照できる。
(保護フィルム)
偏光板は、通常、偏光子の一方または両方の面に、保護フィルムを有する。転写対象物とされる液晶パネルにおいても、視認側偏光子、バックライト側偏光子は、それぞれ、一方または両方の面に、保護フィルムを有していてもよい。保護フィルムの厚さは適宜設定し得るが、一般には、強度や取扱い等の作業性、薄層化等の点から1〜500μm程度であり、1〜300μmが好ましく、5〜200μmがより好ましく、5〜150μmが更に好ましい。なお、視認側偏光子、バックライト側偏光子とも、保護フィルムを介さずに液晶セルと貼り合わせてもよい。液晶セルの、特に基板が、バリア機能を発揮し得るからである。
偏光板の保護フィルムとしては、透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮断性、等方性等に優れる熱可塑性樹脂が好適に用いられる。このような熱可塑性樹脂の具体例としては、トリアセチルセルロース等のセルロース樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、環状ポリオレフィン樹脂(ノルボルネン樹脂)、ポリアリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、およびこれらの混合物が挙げられる。保護フィルムとして使用可能な樹脂の詳細については、特開2012−189818号公報段落0049〜0054を参照できる。
偏光板保護フィルムとしては、熱可塑性樹脂フィルム上に一層以上の機能層を有するものを使用することもできる。機能層としては、低透湿層、ハードコート層、反射防止層(低屈折率層、中屈折率層、高屈折率層など屈折率を調整した層)、防眩層、帯電防止層、紫外線吸収層などが挙げられる。これらの機能層については、公知技術を何ら制限なく適用することができる。機能層を有する保護フィルムの層厚は、例えば5〜100μmの範囲であり、好ましくは10〜80μm、より好ましくは15〜75μmの範囲である。なお熱可塑性樹脂フィルムなしで、機能層のみを偏光子に積層することも可能である。
(接着層、粘着層)
偏光子と保護フィルムは、公知の接着層ないし粘着層により貼り合わせることができる。詳細については、例えば、特開2012−189818号公報段落0056〜0058、特開2012−133296号公報段落0061〜0063を参照できる。
(位相差層)
視認側偏光板およびバックライト側偏光板は、液晶セルとの間に、少なくとも一層の位相差層を有することもできる。例えば、液晶セル側のインナー側偏光板保護フィルムとして、位相差層を有していてもよい。このような位相差層としては、公知のセルロースアシレートフィルム等を用いることができる。
[液晶表示装置の製造方法]
本発明の更なる態様は、
上記方法により、波長変換部材付液晶パネルを作製すること、および、
製造した液晶パネルとバックライトユニットとを組み合わせて液晶表示装置を組み立てること、
を含む、液晶表示装置の製造方法、
に関する。波長変換部材による波長変換によって多波長光源化を容易かつ良好に実現する観点からは、液晶パネルを、波長変換部材がバックライト側に配置されるようにバックライトユニットと組み合わせることが好ましい。
(バックライトユニット)
バックライトとしては、エッジライト方式のものと直下型方式のものが知られている。上記バックライトユニットは、いずれの方式のものであってもよい。
一態様では、光源として、430nm〜480nmの波長帯域に発光中心波長を有する青色光を発光するもの、例えば、青色光を発光する青色発光ダイオードを用いることができる。青色光を発光する光源を用いる場合、波長変換部材には、同一の層または異なる層に、少なくとも、励起光により励起され赤色光を発光する量子ドットAと、緑色光を発光する量子ドットBが含まれることが好ましい。これにより、光源から発光され波長変換部材を透過した青色光と、波長変換部材から発光される赤色光および緑色光により、白色光を具現化することができる。
または他の態様では、光源として、300nm〜430nmの波長帯域に発光中心波長を有する紫外光を発光するもの、例えば、紫外光発光ダイオードを用いることができる。この場合、波長変換部材には、同一の層または異なる層に、量子ドットA、Bとともに、励起光により励起され青色光を発光する量子ドットCが含まれることが好ましい。これにより、波長変換部材から発光される赤色光、緑色光および青色光により、白色光を具現化することができる。
また他の態様では、発光ダイオードはレーザー光源で代用することができる。
また、バックライトユニットは、光源の後部に、反射部材を備えることもできる。このような反射部材としては特に制限は無く、公知のものを用いることができ、特許3416302号、特許3363565号、特許4091978号、特許3448626号などに記載されており、これらの公報の内容は本発明に組み込まれる。
バックライトユニットは、その他、公知の拡散板や拡散シート、輝度向上フィルム(例えば、住友スリーエム社製BEFシリーズ等のプリズムシート、住友スリーエム社製DBEF(登録商標)シリーズ等の反射偏光子)、導光器を備えていることも好ましい。その他の部材についても、特許3416302号、特許3363565号、特許4091978号、特許3448626号などに記載されており、これらの公報の内容は本発明に組み込まれる。
(発光波長)
高輝度かつ高い色再現性の実現の観点からは、バックライトユニットとして、多波長光源化されたものを用いることが好ましい。好ましい一態様では、
430〜480nmの波長帯域に発光中心波長を有し、半値幅が100nm以下である発光強度のピークを有する青色光と、
500〜600nmの波長帯域に発光中心波長を有し、半値幅が100nm以下である発光強度のピークを有する緑色光と、
600〜680nmの波長帯域に発光中心波長を有し、半値幅が100nm以下である発光強度のピークを有する赤色光と、
を発光することが好ましい。
より一層の輝度および色再現性の向上の観点から、バックライトユニットが発光する青色光の波長帯域は、440〜480nmの範囲であることが好ましく、440〜460nmの範囲であることがより好ましい。
同様の観点から、バックライトユニットが発光する緑色光の波長帯域は、510〜560nmの範囲であることが好ましく、510〜545nmの範囲であることがより好ましい。
また、同様の観点から、バックライトユニットが発光する赤色光の波長帯域は、600〜650nmの範囲であることが好ましく、610〜640nmの範囲であることがより好ましい。
また同様の観点から、青色光、緑色光および赤色光の各発光強度の半値幅は、いずれも80nm以下であることが好ましく、50nm以下であることがより好ましく、40nm以下であることがさらに好ましく、30nm以下であることが一層好ましい。これらの中でも、青色光の各発光強度の半値幅が25nm以下であることが、特に好ましい。
液晶表示装置の一実施形態では、対向する少なくとも一方に電極を設けた基板間に液晶層を挟持した液晶セルを有し、この液晶セルは2枚の偏光板の間に配置して構成される。液晶表示装置は、上下基板間に液晶が封入された液晶セルを備え、電圧印加により液晶の配向状態を変化させて画像の表示を行う。さらに必要に応じて偏光板保護フィルムや光学補償を行う光学補償部材、接着層などの付随する機能層を有する。また、カラーフィルター基板、薄層トランジスタ基板、レンズフィルム、拡散シート、ハードコート層、反射防止層、低反射層、アンチグレア層等とともに(またはそれに替えて)、前方散乱層、プライマー層、帯電防止層、下塗り層等の表面層が配置されていてもよい。
以上説明した本発明の一態様によれば、量子ドットの保護と液晶表示装置の薄型化を両立することが可能となる。
以下に実施例に基づき本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
I.転写材料に関する実施例、比較例
[比較例101]
1.量子ドット含有重合性組成物の調製
トリメチロールプロパンアクリレート0.54mlとラウリルメタクリレート2.4mlと光重合開始剤としてBASF社製Irgacure(登録商標)819を混合して重合性組成物を得た。
得られた重合性組成物100mgに対して、量子ドットのトルエン分散液を、発光のピークが600〜680nmの波長帯域にある量子ドットAと、量子ドットAよりも短波長域に発光中心波長を有し、かつ発光のピークが500〜600nmの波長帯域にある量子ドットBとを、各量子ドットの濃度が0.5質量%になるように添加し、減圧乾燥を30分行った。量子ドットが分散されるまで、撹拌を行い、量子ドット分散液(量子ドット含有重合性組成物)を得た。
2.バリアフィルム(バリア部材)の作製
(1)無機層の作製
基材として片面易接着層付基材フィルム(ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、東洋紡社製コスモシャイン(登録商標)A4100、厚さ50μm、波長535nmにおける屈折率nu(535):1.62)を用い、マグネトロンスパッタリング装置のチャンバー内に配置した。ターゲットには窒化ケイ素を使用し、以下の成膜条件で、窒化ケイ素の厚さが1μmになるように易接着面側へ成膜を行った。
成膜圧力:2.5×10−1Pa
アルゴンガス流量:20sccm
窒素ガス流量:9sccm
周波数:13.56MHz
電力:1.2kW
(2)有機層の作製
上記(1)で得た無機層の上に、フルオレンを骨格とするカルドポリマーを有する樹脂をスピンコート法にて塗布し、160℃で1時間加熱することにより、有機層を形成した。有機層の厚さは2μmであった。このようにして、バリアフィルム(バリア部材)を得た。なお、得られたバリアフィルムのバリア性を前述の方法で測定したところ、酸素透過度は、0.1cm/(m・day・atm)以下、水蒸気透過率は0.5g/(m2・day)以下であった。
上記工程により、合計2枚のバリアフィルムを作製した。
3.非転写材料の作製
上記2.で作製したバリアフィルムの基材フィルム表面上に、上記1.で調製した量子ドット分散液を、完成厚さが50μmとなるように塗布し、その上からもう一枚のバリアフィルムを、基材フィルム表面が量子ドット分散液側になるように重ね合わせることで、2枚のバリアフィルムに挟持された感光層を形成した。
感光層に対し、UV露光機(HOYA CANDEO OPTRONICS社製EXECURE 3000W)を用いて、窒素雰囲気下で、紫外線照射量5J/cm2で露光して、上記感光層を硬化させ、非転写材料101を得た。
[比較例102]
バリアフィルムの基材として両面易接着層付き基材フィルム(PETフィルム、東洋紡社製コスモシャインA4300、厚さ50μm)を用いたこと以外は、非転写材料101の作製と同様にして、非転写材料102を得た。
[実施例103]
一方のバリアフィルム(バリア部材B)の基材として両面易接着層付き基材フィルム(PETフィルム、東洋紡社製コスモシャインA4300、厚さ50μm)を用い、もう一方のバリアフィルム(バリア部材A)の基材として片面易接着層付き基材フィルム(PETフィルム、東洋紡社製コスモシャインA4300、厚さ50μm)を用いたこと、および量子ドット分散液を、完成厚さが100μmとなるように塗布したこと以外は、非転写材料101の作製と同様にして、転写材料103を得た。
[実施例104]
量子ドット分散液に光散乱粒子としてシリカ粒子(コアフロント社製sicastar、波長変換層において測定された粒径(一次粒径)100nm)を加えたこと、および量子ドット分散液を完成厚さが100μmとなるように塗布したこと以外は、非転写材料102の作製と同様にして、転写材料104を得た。
なお転写材料104の断面を光学顕微鏡で観察すると、添加したシリカ粒子が、バリア部材Aと波長変換層との界面近傍に偏在していた。
[実施例105]
量子ドット分散液に光散乱粒子としてシリカ粒子(コアフロント社製sicastar、波長変換層において測定された粒径(一次粒径)500nm)を加えたこと、および量子ドット分散液を完成厚さが100μmとなるように塗布したこと以外は、非転写材料102の作製と同様にして、転写材料105を得た。
なお転写材料105の断面を光学顕微鏡で観察すると、添加したシリカ粒子が、バリア部材Aと波長変換層との界面近傍に偏在していた。
[実施例106]
量子ドット分散液に光散乱粒子としてシリカ粒子(コアフロント社製sicastar、波長変換層において測定された粒径(一次粒径)4μm)を加えたこと、および量子ドット分散液を完成厚さが100μmとなるように塗布したこと以外は、非転写材料102の作製と同様にして転写材料106を得た。
なお転写材料106の断面を光学顕微鏡で観察すると、添加したシリカ粒子が、バリア部材Aと波長変換層との界面近傍に偏在していた。
[実施例107]
バリア部材Aとして、以下の方法で得られた粒子含有層付バリアフィルムを用いたこと、および量子ドット分散液を完成厚さが100μmとなるように塗布したこと以外は、非転写材料102の作製と同様にして、転写材料107を得た。
<粒子含有層付バリアフィルムの作製>
酸化チタンスラリー(テイカ社製商品名HTD−760T、バリア部材において測定された酸化チタン粒子の粒径(一次粒径):15nm)、フルオレン誘導体アクリレート(大阪ガスケミカル社製商品名オグソールEA−0200)、およびトルエンをローラ、スターラーにより攪拌して溶解させ、更に超音波により酸化チタン粒子を十分に分散させることにより、酸化チタン分散トルエン液を調製した。調製した酸化チタン分散トルエン液における酸化チタン粒子と樹脂材料(フルオレン誘導体アクリレート)との体積比率は、酸化チタン:樹脂材料=25:75であった。
上記酸化チタン分散トルエン液に、架橋アクリル系粒子(バリア部材において観察された粒径(一次粒径)1.5μm、綜研化学社製商品名:EX−150)およびトルエンをスターラーにて攪拌しながらドープした。上記酸化チタン分散トルエン液の固形分と架橋アクリル系粒子の体積比率は50:50とした。更に超音波にて架橋アクリル系粒子を十分に分散させ、更にスターラーで攪拌した。
こうして得られた混合液に、重合開始剤(BASF社製商品名IRGACURE819)を添加して、粒子含有層形成用組成物を得た。
得られた粒子含有層形成組成物を、
バリアフィルムを上記比較例101の1.で作製したバリア部材の易接着層上にワイヤーバーを用いて塗布し、その後、紫外線照射(波長365nm)を10分間行い硬化させ、粒子含有層を形成した(厚さ5μm)。
このようにして粒子含有層付バリアフィルムを得た。走査型電子顕微鏡による観察により、粒子含有層において上記粒子が一次粒子として存在することを確認した。
[実施例108]
1.量子ドット含有重合性組成物の調製
下記の量子ドット含有重合性組成物Aを調製し、孔径0.2μmのポリプロピレン製フィルタでろ過した後、30分間減圧乾燥して塗布液として用いた。
──────────────────────────────────────
量子ドット含有重合性組成物A
──────────────────────────────────────
量子ドット1のトルエン分散液(発光極大:535nm) 10.0質量部
量子ドット2のトルエン分散液(発光極大:630nm) 1.0質量部
ラウリルメタクリレート 80.8質量部
トリメチロールプロパントリアクリレート 18.2質量部
光重合開始剤 1.0質量部
(イルガキュア819(BASF社製))
──────────────────────────────────────
上記量子ドット1のトルエン溶液としては、緑色光を発光する量子ドット(発光極大:535nm)を含有する分散液(NN−ラボズ社製CZ520−100)を用いた。また、上記量子ドット2のトルエン溶液としては、赤色光を発光する量子ドット(発光極大:630nm)を含有する分散液(NN−ラボズ社製CZ620−100)を用いた。量子ドット1、2は、いずれもコアとしてCdSe、シェルとしてZnS、および配位子としてオクタデシルアミンを含む量子ドットであり、上記トルエン分散液中でトルエンに3質量%の濃度で分散されていた。
2.バリアフィルム(バリア部材)の作製
バリアフィルムの支持体として、両易接着層付基材フィルム(PETフィルム、東洋紡社製コスモシャインA4300、厚さ50μm)を用いて、支持体の片面側に以下の手順で第一有機層および無機層を順次形成した。
トリメチロールプロパントリアクリレート(ダイセルサイテック社製TMPTA)および光重合開始剤(ランベルティ社製ESACUREKTO46)を用意し、質量比率として95:5となるように秤量し、これらをメチルエチルケトンに溶解させ、固形分濃度15質量%の塗布液とした。この塗布液を、ダイコーターを用いてロールトウロール(roll-to-roll)にて上記PETフィルム上に塗布し、雰囲気温度50℃の乾燥ゾーンを3分間通過させた。その後、窒素雰囲気下で紫外線を照射(積算照射量約600mJ/cm)し、紫外線硬化にて硬化させ、巻き取った。支持体上に形成された第一有機層の厚さは、1μmであった。
次に、ロールトウロールのCVD(Chemical Vapor Deposition)装置を用いて、上記第一有機層の表面に無機層(窒化ケイ素層)を形成した。原料ガスとして、シランガス(流量160sccm)、アンモニアガス(流量370sccm)、水素ガス(流量590sccm)、および窒素ガス(流量240sccm)を用いた。電源として、周波数13.56MHzの高周波電源を用いた。製膜圧力は40Pa、到達厚さは50nmであった。
このようにして支持体上に形成された第一有機層の表面に無機層が積層されたバリアフィルム11を作製した。
さらに、以下の手順で、上記と同様に作製したバリアフィルム11の無機層の表面に第二有機層を有する、バリアフィルム12を作製した。
第二有機層は、ウレタン結合含有アクリレートポリマー(大成ファインケミカル社製 アクリット8BR930)95.0質量部に対して、光重合開始剤(BASF社製Irg184)5.0質量部を秤量し、これらをメチルエチルケトンに溶解させ、固形分濃度15質量%の塗布液とした。
この塗布液を、ダイコーターを用いてロールトウロールによりバリアフィルム11の無機層表面に直接に塗布し、雰囲気温度100℃の乾燥ゾーンを3分間通過させた。その後、上記のように塗布液を塗布し乾燥させたバリアフィルム11を、表面温度60℃に加熱したヒートローラに巻きかけて、紫外線を照射(積算照射量約600mJ/cm)して硬化させ、巻き取った。こうしてバリアフィルム11の無機層上に形成された第二有機層の厚さは、1μmであった。
このようにし、支持体上に、第一有機層、無機層および第二有機層この順に有するバリアフィルム12を作製した。
3.転写材料の作製
上述した手順で作製した第二有機層付きのバリアフィルム12を第1のフィルム、バリアフィルム11を第2のフィルムとして使用し、図1および図2を参照し説明した製造工程により、転写材料を得た。具体的には、第1のフィルムと第2のフィルムを用意し、1m/分、60N/mの張力で連続搬送しながら、第1のフィルム(バリアフィルム12)の第二有機層面上に上記で調製した量子ドット含有重合性組成物Aをダイコーターにて塗布し、50μmの厚さの塗膜を形成した。次いで、塗膜の形成された第1のフィルム(バリアフィルム12)をバックアップローラに巻きかけ、塗膜の上に第2のフィルム(バリアフィルム11)を、無機層面が塗膜に接する向きでラミネートし、第1のフィルムおよび第2のフィルムで塗膜を挟持した状態で連続搬送しながら、雰囲気温度100℃の加熱ゾーンを3分間通過させた。その後、160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス社製)を用いて、紫外線を照射して硬化させ、量子ドットを含有する波長変換層を形成した。紫外線の照射量は2000mJ/cmであった。また、L1は50mm、L2は1mm、L3は50mmであった。
上記紫外線の照射により塗膜を硬化させて硬化層(波長変換層)を形成し、転写材料を製造した。量子ドット含有重合性組成物Aが硬化されてなる硬化層(波長変換層)の厚みは約50μmであった。こうして、波長変換層の両表面上にそれぞれバリアフィルム12、バリアフィルム11を有し、かつ波長変換層の片方の表面がバリアフィルム11の無機層と隣接し(直接接し)、もう一方の表面がバリアフィルム12の第二有機層と隣接した転写材料108を得た。
上記の比較例の非転写材料および実施例の転写材料は、それぞれ複数作製し、1つは下記の液晶表示装置の作製に使用し、他は下記の剥離性評価、密着性評価の評価用試料として用いた。
II.液晶表示装置に関する実施例、比較例
[実施例203]
タブレット型PCであるApple社製iPad(登録商標)2の製品を分解したところ、液晶パネルのバックライト側偏光板にはプリズムシートが貼着されていた。
波長変換部材103のバリアフィルムA(仮支持体)を剥離し、露出した波長変換部材と、液晶パネルのバックライト側偏光板に貼着されているプリズムシートとを、アクリル系粘着剤を介して貼り付けた。
反射板に付着したLEDモジュールと導光板の間に、青色光のみを透過するフィルタを配置した。したがって、バックライトユニットからは青色光が出射され、液晶パネルに入射する。
この後、再度組み立てることで液晶表示装置203を得た。
[実施例204〜208]
液晶表示装置203の作製と同様にして、液晶表示装置204〜208を作製した。
[比較例201、202]
液晶表示装置203の作製と同様に分解した上記タブレット型PCの液晶パネルのバックライト側偏光板に貼着されているプリズムシートと、非転写材料102、102のバリア部材Aの有機層とをアクリル系粘着剤を介して貼り付けた。
この後、再度組み立てることで、液晶表示装置201、202を得た。
III.評価方法
1.バリア部材A(仮支持体)の剥離性評価
実施例の転写材料103〜108のバリア部材Aに対して、JIS Z 0237に記載の方法で、90°引き剥がし粘着力を測定した。引き剥がし粘着力の測定値から、下記評価基準によりバリア部材A(仮支持体)の剥離性を評価した。
A:90°引き剥がし粘着力が、0.2N/10mm以下である。
B:90°引き剥がし粘着力が、0.2N/10mmより大きい。
2.バリア部材Bの密着性評価
実施例の転写材料103〜108のバリア部材Bに対して、JIS K 5600に記載のクロスカット試験を行った。クロスカット試験後に残った試験片数により、下記評価基準によりバリア部材Bの密着性を評価した。評価結果がAであれば、バリア部材A(仮支持体)の剥離時にバリア部材Bの剥離や部分的な剥がれが生じることがないと判断することができる。
A:クロスカット試験後、100試験片中50試験片以上が残った。
B:クロスカット試験後、100試験片中49試験片以下しか残らなかった。
3.正面輝度
液晶表示装置201〜208にて白を表示し、測定機(EZ−Contrast160D、ELDIM社製)で出射光の正面輝度を測定し、下記評価基準により評価した。
A:正面輝度が320cd/m以上であった
B 正面輝度が200cd/m以上320cd/m未満であった
C 正面輝度が200cd/m未満であった。
4.粒子偏在領域の確認
転写材料104〜106の波長変換層のバリア部材A側表層領域での粒子の偏在性を、ミクロトームで切削した断面を、走査型電子顕微鏡(JEOL社製JSM670型)を用いて観察して粒子の個数および座標を計測し、前述の式2に従って定量化した。転写材料104〜106における定量値は、いずれもΦ=0.1であった。この結果から、転写材料104〜106の波長変換層のバリア部材A側表層領域に粒子が偏在していることが確認された。また、上記表層領域において、粒子が一次粒子として存在していることも確認された。
以上記載した実施例の転写材料および比較例の非転写材料の層構成、ならびに上記評価結果を、図3〜図10に示す。
図3〜図8に示すように、実施例の転写材料は、いずれもバリア部材A(仮支持体)の剥離性評価結果がAであり仮支持体と波長変換部材との界面が容易に剥離可能であった。更に、実施例の転写材料は、転写により除去されないバリア部材であるバリア部材Bと波長変換部材との密着性が良好であることも、図3〜図8に示す結果から確認された。このようにバリア部材Bと波長変換部材との密着性が良好であることは、仮支持体であるバリア部材Aの剥離のための力を加えられた際にバリア部材Bが部分的または全面で剥離してしまうことを防ぐうえで好ましい。そしてこのような剥離の発生を防ぐことにより、転写後もバリア部材Bにより波長変換部材の波長変換層に含まれる量子ドットの劣化を防ぐことが可能となる。
参照として、比較例の非転写材料102のバリア部材Aについて同様に剥離性評価を行ったところ評価結果はBであり、非転写材料102のバリア部材Aについて密着性評価を行ったところ、評価結果はBであった。
実施例の液晶表示装置において、バックライトから青色光を1000時間連続照射した後、連続照射後の正面輝度を上記と同様の方法で測定したところ、実施例の液晶表示装置はいずれも、照射前の正面輝度の90%以上の正面輝度を示した。これは、波長変換層に含まれる量子ドットが、液晶パネルへの転写前はバリア部材A(仮支持体)により保護され、転写後は液晶パネルにより保護されていることにより劣化が抑制されていることを示す結果と、本発明者らは考えている。また、実施例の液晶表示装置には仮支持体として剥離されたバリア部材Aは含まれないため、バリア部材Aの厚さ分、液晶表示装置の薄型化が達成された。
更に、実施例の液晶表示装置は、比較例の液晶表示装置より高い正面輝度を示した(図3〜図10)。これは、発光材料である量子ドットを含む波長変換層が、比較例の液晶表示装置よりも厚いことによるものと考えられる。このように波長変換層を厚くしているにもかかわらず、仮支持体としてバリア部材Aが剥離されるため波長変換層付液晶パネルの総厚は、比較例と同様である。このように本発明によれば、波長変換層の薄手化に依拠せずに液晶表示装置を薄型化することができる。
本発明は、液晶表示装置の製造分野において有用である。

Claims (10)

  1. 仮支持体であるバリア部材A上に、
    励起光によって励起され蛍光を発光する量子ドットを含む波長変換層を有する波長変換部材と、
    バリア部材Bと、
    をこの順に有する転写材料であって、
    前記波長変換部材は、前記バリア部材A側最表面が易剥離面であり、前記バリア部材A側表層領域に粒径100nm以上の粒子が偏在した粒子偏在領域を有し、前記易剥離面は、前記粒子偏在領域の表面である、転写材料
  2. 液晶パネル製造用転写材料である、請求項1に記載の転写材料。
  3. 前記波長変換部材の前記粒子偏在領域に、粒径500nm以上の粒子が偏在している、請求項1または2に記載の転写材料。
  4. 前記バリア部材Aは、易接着層を有する請求項1〜のいずれか1項に記載の転写材料。
  5. 前記バリア部材Bは、易接着層を有する請求項1〜のいずれか1項に記載の転写材料。
  6. 前記バリア部材Aおよびバリア部材Bはそれぞれ、無機層および有機層からなる群から選択される少なくとも一層を含む請求項1〜のいずれか1項に記載の転写材料。
  7. 請求項1〜のいずれか1項に記載の転写材料のバリア部材Aを剥離すること、および、
    剥離により露出した露出面を、少なくとも液晶セルを含む液晶パネル表面と貼り合わせること、
    を含む、波長変換部材付液晶パネルの製造方法。
  8. 前記露出面を、前記液晶パネルのバックライト側表面と貼り合わせる、請求項に記載の波長変換部材付液晶パネルの製造方法。
  9. 前記液晶パネルは、前記液晶セルを挟んで視認側偏光板およびバックライト側偏光板を有する、請求項またはに記載の波長変換部材付液晶パネルの製造方法。
  10. 請求項のいずれか1項に記載の方法により、波長変換部材付液晶パネルを作製すること、および、
    製造した液晶パネルとバックライトユニットとを組み合わせて液晶表示装置を組み立てること、
    を含む、液晶表示装置の製造方法。
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