以下図面を用いて、発明を実施するための最良の形態(以下、これを実施の形態とも呼ぶ)について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
(1)第1の実施の形態
(2)第2の実施の形態
(3)第3の実施の形態
(4)他の実施の形態
(1)第1の実施の形態
(1−1)プリンタの内部構成
図1において、1は全体として本発明によるプリンタを示す。プリンタ1は、例えば、図中の右端面が正面2Aとなる略箱型の筐体(以下、これをプリンタ筐体とも呼ぶ)2を有している。因みに、以下の説明では、プリンタ1を、プリンタ筐体2の正面2Aと対峙して見た場合の図中に矢印a1で示す当該プリンタ1の上の方向を、プリンタ上方向とも呼び、そのプリンタ上方向とは逆の方向を、プリンタ下方向とも呼び、これらを特に区別する必要がない場合や、その両方を示す場合は、まとめてプリンタ上下方向とも呼ぶ。また、以下の説明では、プリンタ1を、プリンタ筐体2の正面2Aと対峙して見た場合の図中に矢印b1で示す当該プリンタ1の前の方向を、プリンタ前方向とも呼び、そのプリンタ前方向とは逆の方向を、プリンタ後方向とも呼び、これらを特に区別する必要がない場合や、その両方を示す場合は、まとめてプリンタ前後方向とも呼ぶ。さらに、以下の説明では、プリンタ1を、プリンタ筐体2の正面2Aと対峙して見た場合の図中に矢印c1で示す当該プリンタ1の左の方向を、プリンタ左方向とも呼び、そのプリンタ左方向とは逆の方向を、プリンタ右方向とも呼び、これらを特に区別する必要がない場合や、その両方を示す場合は、まとめてプリンタ左右方向とも呼ぶ。
プリンタ筐体2は、例えば、背面2Bの下端部の所定位置に、外部のパーソナルコンピュータのような上位装置(図示せず)と有線接続又は無線接続するためのインタフェース部3が設けられている。またプリンタ筐体2は、上面2Cの後端部に、表面に印刷画像が形成された普通紙のような印刷媒体5を載上する媒体受渡部2CXが形成されている。そしてプリンタ筐体2は、媒体受渡部2CXの後内壁の所定位置に、プリンタ筐体2内から印刷画像が形成された印刷媒体5を当該媒体受渡部2CXへ排出するための媒体排出口2CYが形成されている。
一方、プリンタ筐体2内には、中央部に、印刷媒体5の表面にモノクロ又はカラーの印刷画像を形成するための画像形成部7が配置されている。またプリンタ筐体2内には、下端部に、印刷画像の形成に用いる複数の印刷媒体5を積層した状態で装填可能な媒体カセット8が配置されている。画像形成部7は、印刷画像の元になるトナー画像を形成可能なトナー画像形成転写部9と、そのトナー画像により印刷媒体5の表面に印刷画像を形成可能な定着部10とを有している。トナー画像形成転写部9は、1色(ブラック)のトナーを用いてトナー画像を形成する1個のトナー画像形成部が設けられる形態や、複数の色(ブラック、イエロー、マゼンタ、シアン等)のトナーを互い重複せずに用いてトナー画像を形成する複数のトナー画像形成部が設けられる形態がある。また定着部10は、例えば、トナー画像形成転写部9から表面にトナー画像が転写された印刷媒体を内部に取り込み、また内部から繰出可能なプリンタ左右方向に長い略箱型のフレーム(以下、これを定着部フレームとも呼ぶ)11を有している。そして定着部10は、定着部フレーム11内に、印刷媒体5の表面にトナー画像を加熱及び加圧して定着させて印刷画像を形成するための種々の部品が収納されている。なお定着部10の詳細な構成については後述するため、ここでは説明を省略する。
プリンタ筐体2内には、媒体カセット8からトナー画像形成転写部9へ印刷媒体5を搬送する媒体供給用搬送部12が配置され、当該媒体供給用搬送部12により複数対の搬送ローラや複数の搬送ガイド等の種々の搬送路形成部品によって、媒体カセット8から繰り出される印刷媒体5をトナー画像形成転写部9へ搬送する媒体供給用搬送路が形成されている。またプリンタ筐体2内には、定着部10から媒体排出口2CYまで、表面に印刷画像が形成された印刷媒体5を搬送する媒体排出用搬送部13が配置され、当該媒体排出用搬送部13により搬送ローラや複数の搬送ガイド等の種々の搬送路形成部品によって、定着部10から繰り出される印刷媒体5を媒体排出口2CYへ搬送する媒体排出用搬送路が形成されている。
プリンタ筐体2内には、例えば、プリンタ1全体を統括制御するマイクロコンピュータやCPU(Central Processing Unit)のような制御部としてプリンタ制御部15が設けられている。そしてプリンタ制御部15は、インタフェース部3を介して上位装置と通信可能に接続されている。よってプリンタ制御部15は、上位装置から印刷対象画像の画像データが与えられ、当該印刷対象画像の印刷が指示されると、印刷媒体5の表面に印刷画像を形成する印刷画像形成処理を実行する。すなわち、プリンタ制御部15は、画像形成部7を印刷画像の形成用に駆動する。またプリンタ制御部15は、媒体供給用搬送部12及び媒体排出用搬送部13を駆動し、図示しない繰出部を駆動して媒体カセット8から印刷媒体5を1枚ずつ繰り出し、媒体供給用搬送路を介してトナー画像形成転写部9へ搬送する。この際、プリンタ制御部15は、画像データに基づき印刷対象画像の1又は複数の色成分に応じて1又は複数のヘッド制御データを生成し、当該生成した1又は複数のヘッド制御データを1又は複数のトナー画像形成部のLED(Light Emitting Diode)ヘッドに送出する。これによりトナー画像形成転写部9は、トナー画像を形成する。
(1−2)定着部の構成
次いで、図2を用いて、定着部10の構成を具体的に説明する。定着部10は、上述したように定着部フレーム11(図2には図示せず)を有している。定着部フレーム11は、左端及び右端に左側板(図示せず)及び右側板(図示せず)が設けられ、これら左側板及び右側板の対向する内面間の長さが、印刷媒体5が搬送される際の当該印刷媒体5の横幅(以下、これを媒体横幅とも呼ぶ)よりも長い所定長さに選定されている。因みに、媒体横幅は、印刷媒体5が搬送される際の当該印刷媒体5において搬送方向と直交する方向と平行な辺の長さ(すなわち、この第1の実施の形態の場合はプリンタ左右方向と平行な辺の長さ)である。
そして定着部フレーム11には、印刷媒体5を加熱するための加熱部20と、当該加熱部20と共に印刷媒体5を加圧するための加圧部21とが上下に隣接させて設けられている。加熱部20は、主に、印刷媒体5を加熱及び加圧するための無端状のベルトである加熱加圧ベルト25と、当該加熱加圧ベルト25を回転させるベルト駆動ローラ26と、ビーム27と、熱伝導部28と、ヒータ29と、サーミスタのような温度センサ(図2には図示せず)と、押付プレート30と、ベルトガイド31と、ベルト押圧部32とを有している。また加圧部21は、主に、印刷媒体5を加圧する加圧ローラ33を有している。
加熱部20においてベルト駆動ローラ26は、例えば、媒体横幅よりも長い所定の長さのローラ本体の一端面及び他端面からローラ回転軸の一端部及び他端部を突出させて形成されている。そしてベルト駆動ローラ26は、その長手方向をプリンタ左右方向と平行にしてローラ回転軸の一端部及び他端部が、定着部フレーム11の左側板及び右側板に設けられた一対のベアリングに取り付けられている。これにより定着部フレーム11は、左側板及び右側板によりベルト駆動ローラ26を、プリンタ左右方向と平行なローラ回転軸を中心にして図中に矢印d1で示す一回転方向(すなわち、左側から見て時計回り方向となる回転方向)へ回転可能に支持している。そして加熱部20は、例えば、ベルト駆動ローラ26のローラ回転軸の他端部が、定着部駆動用の図示しない駆動モータ(以下、これを定着部駆動モータとも呼ぶ)の出力軸に、当該定着部駆動モータの動作に応じてベルト駆動ローラ26を一回転方向へ回転可能なように連結されている。
ビーム27は、例えば、媒体横幅よりも長い所定の長さの略短冊状の板材の一方及び他方の縁部が互いに逆側へ屈曲され断面が略S字状となるように形成されている。そしてビーム27は、その長手方向をプリンタ左右方向と平行にして前側に位置する一方の縁部(すなわち、屈曲された一方の縁部であり、以下、これを前側屈曲部とも呼ぶ)を下側に突設させ、かつ当該前側屈曲部よりも後側に位置する他方の縁部(すなわち、屈曲された他方の縁部であり、以下、これを後側屈曲部とも呼ぶ)を上側に突設させた姿勢で、一端部及び他端部が定着部フレーム11の左側板の内面及び右側板の内面に固着され、ベルト駆動ローラ26の前斜め上側に配置されている。
熱伝導部28は、例えば、アルミニウムのような熱の伝導率が比較的高い金属により、媒体横幅よりも長い所定の長さの略蒲鉾状に形成されている。この場合、熱伝導部28は、表面が一端面から他端面までに亘り、加熱加圧ベルト25の内面への押付用に円弧状又は弓形状に形成されている。また熱伝導部28は、裏面が平面状に形成されているものの、当該裏面の中央部に、一端面から他端面までに亘る所定の深さ及び所定の幅の角形のヒータ保持溝部28Aが形成されている。さらに熱伝導部28は、一端面及び他端面において一方の縁寄りの所定の対向位置にそれぞれ回動軸28B(一方のみ図示して他方は図示せず)が突設されている。そしてビーム27は、一端部及び他端部において後側屈曲部寄りに一対の支持板(図示せず)が上側に突出するように設けられ、これら一対の支持板の所定の対向位置に、熱伝導部28の回動軸28Bに対応する軸挿入孔部が穿設されている。よって熱伝導部28は、その長手方向をプリンタ左右方向と平行にして表面を上側に向け、一方の縁部を後側に位置させ、かつ他方の縁部を前側に位置させた状態で、一対の回動軸28Bがビーム27の一対の支持板の軸挿入孔部に挿入されている。これによりビーム27は、一対の支持板を介して熱伝導部28を一回転方向、及び当該一回転方向とは逆の他回転方向(すなわち、左側から見て反時計回り方向となる回転方向)へ回動可能に支持している。
ヒータ29は、例えば、定着部フレーム11に設けられた左側板及び右側板の外面間の長さよりも長い所定の長さを有する略短冊状に形成されている。因みに、以下の説明では、ヒータ29において、その長手方向を、ヒータ長手方向とも呼び、当該ヒータ長手方向と直交する方向を、ヒータ幅方向とも呼ぶ。また、以下の説明では、ヒータ29において、ヒータ長手方向に沿った一端から他端までの長さを、ヒータ全長とも呼び、ヒータ幅方向に沿った一方の縁から他方の縁までの長さを、ヒータ幅とも呼ぶ。一方、押付プレート30は、例えば、常温時のヒータ全長とほぼ等しい長さを有する略短冊状に形成されている。因みに、以下の説明では、押付プレート30において、その長手方向を、プレート長手方向とも呼び、当該プレート長手方向と直交する方向を、プレート幅方向とも呼ぶ。また、以下の説明では、押付プレート30において、プレート長手方向に沿った一端から他端までの長さを、プレート全長とも呼び、プレート幅方向に沿った一方の縁から他方の縁までの長さを、プレート幅とも呼ぶ。なお、ヒータ29及び押付プレート30の具体的な構成については後述する。
ヒータ29は、ヒータ長手方向をプリンタ左右方向と平行にして熱伝導部28のヒータ保持溝部28Aに当該ヒータ長手方向の一端部及び他端部を除く中央部が嵌合され、一面29Aの中央部をヒータ保持溝部28Aの底面に当接させている。また押付プレート30は、プレート長手方向をプリンタ左右方向と平行にして熱伝導部28のヒータ保持溝部28Aにヒータ29を覆うようにして(すなわち、ヒータ29に重ねるようにして)中央部が嵌合され、一面30Aを当該ヒータ29の他面29Bに当接させている。これによりヒータ29は、押付プレート30と重ねられた状態で、ヒータ長手方向の一端部を当該押付プレート30のプレート長手方向の一端部と共に熱伝導部28の一端面から左側へ突出させると共に、ヒータ長手方向の他端部を押付プレート30のプレート長手方向の他端部と共に熱伝導部28の他端面から右側へ突出させている。また定着部フレーム11の左側板及び右側板には、例えば、熱伝導部28の一端面及び他端面と対向する位置に所定の大きさ及び形状の孔部が穿設されている。よってヒータ29は、押付プレート30と重ねられた状態で、一端部を押付プレート30の一端部と共に左側板の孔部に通して定着部フレーム11の外側(すなわち、左側板の左側)に突出させると共に、他端部を押付プレート30の他端部と共に右側板の孔部に通して定着部フレーム11の外側(すなわち、右側板の右側)に突出させている。
ところで、加熱部20は、熱伝導部28を他回転方向へ回転させるように付勢するための複数の圧縮コイルばね35(1個のみ図示して他は図示せず)の一端部が、ビーム27の上側に向いた一面にプリンタ左右方向に沿って所定の間隔で係止されている。そして加熱部20は、これら複数の圧縮コイルばね35の他端部をそれぞれ押付プレート30の下側に向いた他面30Bの中央部にプリンタ左右方向に沿って所定の間隔で押し付けている。これにより加熱部20は、複数の圧縮コイルばね35により押付プレート30を介してヒータ29の一面29Aの中央部を熱伝導部28のヒータ保持溝部28Aの底面に押し付けるようにして当該熱伝導部28にヒータ29及び押付プレート30を保持させると共に、当該熱伝導部28を、回動軸28Bを中心にして他回転方向へ回転させるように付勢している。ベルトガイド31は、例えば、媒体横幅よりも長い所定の長さの略蒲鉾状に形成されている。そしてベルトガイド31は、その長手方向をプリンタ左右方向と平行にして円弧状又は弓形状の表面を前側に向けた姿勢で、平坦な裏面がビーム27の前側屈曲部の前側に向いた一面に固着されている。
ベルト押圧部32は、例えば、媒体横幅よりも長い所定の長さを有し、断面が略く字状となるような棒状に形成されている。また加熱部20は、ベルト押圧部32を保持するための一対の押圧部保持板36(一方のみ図示して他方は図示せず)を有している。さらに定着部フレーム11は、左側板の内面及び右側板の内面において例えば、ベルト駆動ローラ26の後側の所定の対向位置に一対の回動軸37(一方のみ図示して他方は図示せず)が植設されている。よって定着部フレーム11は、一方の押圧部保持板の一面を左側板の内面とほぼ平行にして対向させた状態で、当該一方の押圧部保持板を、回動軸を介して一回転方向及び他回転方向へ回動可能に支持している。また定着部フレーム11は、他方の押圧部保持板36の一面を右側板の内面とほぼ平行にして対向させた状態で、当該他方の押圧部保持板36を、回動軸37を介して一回転方向及び他回転方向へ回動可能に支持している。そしてベルト押圧部32は、その長手方向をプリンタ左右方向と平行にした状態で、一端部が一方の押圧部保持板の他面の所定位置に固着されると共に、他端部が他方の押圧部保持板36の他面の所定位置に固着されている。これにより定着部フレーム11は、左側板及び右側板に一対の押圧部保持板36を介してベルト押圧部32を、ベルト駆動ローラ26の前側に近接させて一回転方向及び他回転方向へ回動可能に支持している。ところで、加熱部20は、ベルト押圧部32を一回転方向へ回転させるように付勢するための複数の圧縮コイルばね38(1個のみ図示して他は図示せず)も有しており、これら複数の圧縮コイルばね38の一端部をビーム27の下側に向いた他面にプリンタ左右方向に沿って所定の間隔で係止している。また加熱部20は、これら複数の圧縮コイルばね38の他端部をベルト押圧部32の上側を向いた裏面にプリンタ左右方向に沿って所定の間隔で係止している。これにより加熱部20は、複数の圧縮コイルばね38によりベルト押圧部32を一対の押圧部保持板36と共に一回転方向へ回転させるように付勢している。
加熱加圧ベルト25は、一方の開口から他方の開口までの横幅が例えば、媒体横幅より広い所定の幅を有し、また所定の周長を有するように形成されている。そして加熱加圧ベルト25は、ベルト駆動ローラ26の表面と、熱伝導部28の表面と、ベルトガイド31の表面と、ベルト押圧部32の表面とに亘って張架されている。これにより加熱部20は、印刷画像の形成時、定着部駆動モータの動作に応じてベルト駆動ローラ26が一回転方向へ回転すると、その回転に連動させて加熱加圧ベルト25も一回転方向へ回転させることができる。ところで加熱部20は、例えば、ベルトガイド31の表面の所定位置にセンサ配置溝部(図示せず)が形成され、当該センサ配置溝部内に温度センサが、温度検出面を加熱加圧ベルト25の内面に接触させて、その加熱加圧ベルト25の温度を検出可能なように配置されている。そして加熱部20は、印刷画像の形成時、後述するように温度センサによる加熱加圧ベルト25の温度の検出結果に応じて、ヒータ電源(図2には図示せず)によりヒータ29を通電することで、そのヒータ29を発熱させている。これにより加熱部20は、この際、ヒータ29が発する熱を、熱伝導部28を介して加熱加圧ベルト25に伝導させ、かくして加熱加圧ベルト25を一回転方向へ回転させながら加熱することができる。
一方、加圧部21において加圧ローラ33は、例えば、媒体横幅よりも長い所定の長さのローラ本体の一端面及び他端面からローラ回転軸の一端部及び他端部を突出させて形成されている。また加圧部21は、加圧ローラ33を回転可能に支持するための一対のローラ支持板39(一方のみ図示して他方は図示せず)を有している。さらに定着部フレーム11は、左側板の内面及び右側板の内面において例えば、ベルト駆動ローラ26の後斜め下側の所定の対向位置に一対の回動軸40(一方のみ図示して他方は図示せず)が植設されている。よって定着部フレーム11は、一方のローラ支持板の一面を左側板の内面とほぼ平行にして対向させた状態で、当該一方のローラ支持板を、回動軸を介して一回転方向及び他回転方向へ回動可能に支持している。また定着部フレーム11は、他方のローラ支持板39の一面を右側板の内面とほぼ平行にして対向させた状態で、当該他方のローラ支持板39を、回動軸40を介して一回転方向及び他回転方向へ回動可能に支持している。そして加圧ローラ33は、その長手方向をプリンタ左右方向と平行にしてローラ回転軸の一端部及び他端部が、一対のローラ支持板39に設けられた一対のベアリングに取り付けられている。これにより定着部フレーム11は、左側板及び右側板により一対のローラ支持板39を介して加圧ローラ33を、プリンタ左右方向と平行なローラ回転軸を中心にして他回転方向へ回転可能で、かつ当該ローラ回動軸をプリンタ左右方向と平行にしたまま上側及び下側へ変位可能に支持している。
ところで、加圧部21は、例えば、一対のローラ支持板39を他回転方向へ回転させるように付勢するための一対の圧縮コイルばね(図示せず)を有している。そして加圧部21は、一対の圧縮コイルばねの一端部をそれぞれ定着部フレーム11の左側板の内面及び右側板の内面に突設されたばね係止突起に係止している。また加圧部21は、これら一対の圧縮コイルばねの他端部を一対のローラ支持板39の下前端部に係止している。これにより加圧部21は、一対の圧縮コイルばねにより一対のローラ支持板39を、回動軸40を中心にして他回転方向へ回転させるように付勢して、加圧ローラ33の表面において上側の部分を、加熱加圧ベルト25の下側の部分を介してベルト駆動ローラ26の表面の下側の部分からベルト押圧部32の表面までに亘って所定の押圧力で押し付けている。
そして加圧部21は、例えば、加圧ローラ33のローラ回転軸の他端部が、定着部駆動モータの出力軸に、当該定着部駆動モータの動作に応じて加圧ローラ33を他回転方向へ回転可能なように連結されている。このため加圧部21は、印刷画像の形成時、定着部駆動モータの動作に応じてベルト駆動ローラ26と共に加熱加圧ベルト25が一回転方向へ回転すると、その定着部駆動モータの動作に応じて加圧ローラ33を当該加熱加圧ベルト25の外面の下側の部分に押し付けたまま他回転方向へ回転させることができる。このようにして加圧部21は、加圧ローラ33の表面における上側の部分と、加熱加圧ベルト25の外面においてベルト駆動ローラ26の表面の下側の部分からベルト押圧部32の表面までに対応する下側の部分とにより、印刷媒体5を挟み込むようにして搬送しながら加熱及び加圧するための挟込部を形成している。よって定着部10は、係る構成のもと、印刷画像の形成時には、トナー画像形成転写部9から繰り出された印刷媒体5を定着部フレーム11内に取り込む。そして定着部10は、互いに逆回転している加熱加圧ベルト25の外面と加圧ローラ33の表面との間の挟込部で印刷媒体5を挟み込むようにして搬送しながら、その印刷媒体5を表面の1又は複数の色のトナー画像42と共に加熱及び加圧することで、当該印刷媒体5の表面にトナー画像42を一旦溶融させるようにして定着させた後、定着部フレーム11から媒体排出用搬送路へ繰り出すことができる。このようにして定着部10は、印刷媒体5の表面にモノクロ又はカラーの印刷画像を形成することができる。
(1−3)ヒータユニットの構成
次いで、図3を用いて、定着部10に設けられた、印刷媒体5の表面のトナー画像42を加熱するためのヒータユニット50の構成について説明する。ヒータユニット50は、ヒータ29及び押付プレート30を有している。そしてヒータユニット50は、熱伝導部28によりヒータ29及び押付プレート30が重ねて保持された状態で、定着部フレーム11の外側(すなわち、左側板の左側及び右側板の右側)に突出する当該ヒータ29及び押付プレート30の互いの一端部及び他端部に直接、取り付けられるホルダ51、52と、当該ホルダ51、52を介して取り付けられるコネクタ53、54とが設けられている。因みに、以下の説明では、ヒータ29及び押付プレート30において熱伝導部28に保持された際、定着部フレーム11の左側板から外側(左側)に突出する互いの一端部を、何れも左端部とも呼び、当該定着部フレーム11の右側板から外側(右側)に突出する互いの他端部を、何れも右端部とも呼ぶ。そして、以下の説明では、ヒータ29及び押付プレート30を重ねた状態で、これらの左端部に取り付けられるホルダ51とコネクタ53とを、左側ホルダ51と左側コネクタ53とも呼び、これらの右端部に取り付けられるホルダ52とコネクタ54とを、右側ホルダ52と右側コネクタ54とも呼ぶ。またヒータユニット50は、上述したヒータ電源55が設けられると共に、左側コネクタ53及び右側コネクタ54にそれぞれヒータ29との電気的な接続用の接続端子(図3には図示せず)が設けられ、当該ヒータ電源55の給電端子がケーブルCA1乃至CA3を介して左側コネクタ53及び右側コネクタ54の接続端子に電気的に接続されている。さらにヒータユニット50は、上述した温度センサ56が設けられると共に、ヒータ29の発熱を制御するための制御回路57も設けられており、当該制御回路57が、印刷画像の形成時、温度センサ56によって検出される加熱加圧ベルト25の温度に応じてヒータ電源55を制御することで、当該加熱加圧ベルト25を所望の温度まで加熱している。
図4に示すように、ヒータ29は、例えば、ステンレスにより略短冊状に形成された基板60を有している。なお、基板60は、熱容量を比較的小さくしてヒータ29の発熱時に容易に温度を上昇させ得るように、その厚みが比較的薄い所定の厚みに選定されている。そしてヒータ29は、その基板60の一面全体に、ガラスのような絶縁材により比較的薄い被膜状に形成された第1絶縁層が設けられている。またヒータ29は、第1絶縁層の表面の中央部(すなわち、ヒータ長手方向の左端部及び右端部を除く、媒体横幅よりも長い所定範囲の部分)に、細長い直線状に形成された3本の第1乃至第3発熱抵抗体61乃至63がヒータ長手方向に沿って(すなわち、それぞれヒータ長手方向と平行に)配置されている。なお、第1乃至第3発熱抵抗体61乃至63は、何れも比較的高い電気抵抗を有する(すなわち、抵抗率が比較的高い)同一の所定の導電性金属によって形成され、通電によって加熱加圧ベルト25の加熱用に発熱させるためのものである。さらにヒータ29は、第1絶縁層の表面の左端寄りに、略四角状に形成された2個の第1及び第2電極64及び65が、ヒータ長手方向に沿って並べて配置されると共に、当該表面の右端寄りに、略四角状に形成された1個の第3電極66が配置されている。なお、第1乃至第3電極64及び65は、何れも第1乃至第3発熱抵抗体61乃至63の電気抵抗よりも低い電気抵抗を有し(すなわち、抵抗率が比較的低く)、通電されても発熱し難い同一の所定の導電性金属により形成されている。因みに、ヒータ29の第1絶縁層の表面において左端寄りの2個の第1及び第2電極64及び65のうち一方の第1電極64と、他端寄りの1個の第3電極66とは、ヒータ長手方向と直交してヒータ29の中心位置(すなわち、ヒータ長手方向における中心位置)を通る仮想平面(以下、これを中心位置仮想平面とも呼ぶ)に対して面対象となる位置に配置されている。
さらにヒータ29は、第1絶縁層の表面の左端部に、第1乃至第3電極64乃至66と同一の導電性金属により所定パターンに形成された2本の第1及び第2導線64A及び65Aが配置され、一方の第1導線64Aにより1個の第1電極64と2本の第1及び第2発熱抵抗体61及び62の一端とが電気的に接続されると共に、他方の第2導線65Aにより残りの1個の第2電極65と1本の第3発熱抵抗体63の一端とが電気的に接続されている。さらにまたヒータ29は、第1絶縁層の表面の右端部に、第1乃至第3電極64乃至66と同一の導電性金属により所定パターンに形成された1本の第3導線66Aが配置され、当該第3導線66Aにより1個の第3電極66と3本の第1乃至第3発熱抵抗体61乃至63の他端とが電気的に接続されている。そしてヒータ29は、第1絶縁層の表面に、所定の耐熱ガラスのような耐熱絶縁材により比較的薄い被膜状に形成された第2絶縁層が、3個の第1乃至第3電極64乃至66のみを露出させ、これら以外の3本の第1乃至第3発熱抵抗体61乃至66及び3本の第1乃至第3導線64A乃至66A等を覆うように設けられている。このようにしてヒータ29は、基板60の一面に、第1絶縁層と、第1乃至第3発熱抵抗体61乃至63、第1乃至第3電極64乃至66、第1乃至第3導線64A乃至66Aからなる導体層と、第2絶縁層とを順に積層するようにして全体が4層構造となるように形成されている。因みに、ヒータ29は、第2絶縁層の表面が上述したヒータ29の一面29Aとなり、基板60の他面が当該ヒータ29の他面29Bとなる。
係る構成に加えてヒータ29の左端部は、例えば、熱伝導部28に保持される際に前側に位置する一方の縁部(以下、これを前縁部とも呼ぶ)に、ヒータ幅を等しく狭める略四角状の第1及び第2切欠部29CX及び29CYが形成され、当該第1及び第2切欠部29CX及び29CYの間に、これらよりも前側に突出する突出部29CZが形成されている。これによりヒータ29の左端部には、これら第1及び第2切欠部29CX及び29CYと突出部29CZとからなるヒータ側係止部(以下、これをヒータ側左係止部とも呼ぶ)29Cが設けられている。なお、ヒータ側左係止部29Cは、ヒータ29の左端部の所定のコネクタ取付位置に左側コネクタ53が取り付けられた場合、その左側コネクタ53の当該コネクタ取付位置に対する位置ずれを規制するために、後述するコネクタ側係止部と係止されるものである。またヒータ29の右端部は、左端部のヒータ側左係止部29Cの第1及び第2切欠部29CX及び29CY並びに突出部29CZの形成位置と、上述した中心位置仮想平面に対して面対象となる位置に同様な第1及び第2切欠部29DX及び29DY並びに突出部29DZが形成されている。これによりヒータ29の右端部にも、左端部と同様に、これら第1及び第2切欠部29DX及び29DYと突出部29DZとからなるヒータ側係止部(以下、これをヒータ側右係止部とも呼ぶ)29Dが設けられている。なおヒータ側右係止部29Dは、ヒータ29の右端部の所定のコネクタ取付位置に右側コネクタ54が取り付けられた場合、その右側コネクタ54の当該コネクタ取付位置に対する位置ずれを規制するために、後述するコネクタ側係止部と係止されるものである。因みに、以下の説明では、ヒータ29の左端部及び右端部において、第1及び第2切欠部29CX及び29CY並びに29DX及び29DYの形成によりヒータ幅を狭めた幅狭箇所を、第1及び第2幅狭箇所とも呼ぶ。なお、第1及び第2幅狭箇所は、ヒータ29の後側に位置する他方の縁(以下、これを後縁とも呼ぶ)からヒータ幅方向に沿った第1及び第2切欠部29CX及び29CY並びに29DX及び29DYの底までの箇所である。また、以下の説明では、ヒータ29の左端部及び右端部に形成された突出部29CZ、29DZのヒータ長手方向の長さを、それぞれ突出部横幅とも呼ぶ。
一方、図5に示すように、押付プレート30は、ヒータ29が発する熱を熱伝導部28へ伝え易くするため、熱の伝導率が比較的高い例えば、アルミニウムにより所定の厚みを有する略短冊状に形成されている。また押付プレート30は、比較的薄いヒータ29に重ね合わされた際、そのヒータ29の変形を防止するための補強材として機能するようにサイズが選定されている。すなわち、押付プレート30は、プレート長手方向の長さが、ヒータ29のヒータ長手方向の長さとほぼ等しい長さに選定されている。また押付プレート30は、プレート幅が、ヒータ29の中央部のヒータ幅とほぼ等しい幅に選定されている。ただし、押付プレート30の左端部には、例えば、熱伝導部28に保持される際に前側に位置する一方の縁(以下、これを前縁とも呼ぶ)において、ヒータ29のヒータ側左係止部29Cと対応する位置に、プレート幅を当該ヒータ29の第1及び第2幅狭箇所のヒータ幅以下とするような第1切欠部30CXが形成されている。また押付プレート30の右端部には、前縁において、ヒータ29のヒータ側右係止部29Dと対応する位置に、プレート幅を当該ヒータ29の第1及び第2幅狭箇所のヒータ幅以下とするような第2切欠部30CYが形成されている。これにより押付プレート30は、ヒータ29と共に熱伝導部28に保持される際、中央部を当該ヒータ29の中央部とヒータ幅方向へは何らはみ出さずに重ね合わせると共に、前縁の左端部及び右端部をヒータ側左係止部29C及びヒータ側右係止部29Dよりも前側にはみ出さずに重ね合わせている。
次いで、左側コネクタ53及び右側コネクタ54と、左側ホルダ51及び右側ホルダ52との構成について説明する。ただし、左側コネクタ53及び右側コネクタ54は、互いに同様に構成されている。また左側ホルダ51及び右側ホルダ52も、互いに同様に構成されている。よって、以下には、左側コネクタ53と、左側ホルダ51との構成を順に説明し、右側コネクタ54と、右側ホルダ52との構成については説明を省略する。図6(A)及び(B)に示すように、左側コネクタ53は、所定の樹脂材により、略角形ブロック状の端子保持部53Aと略偏平矩形状の端子保護部53Bとが互いの一面53AQ、53BXの一端部を所定の間隙(以下、この間隙をコネクタ溝部とも呼ぶ)53Cを介して対向させた状態で、その互いの一面53AQ、53BXの他端側が柱状の連結部53Dを介して連結され、全体として略コ字状に一体成形されている。この場合、左側コネクタ53は、コネクタ溝部53Cの深さが、ヒータ29の左端部において突出部29CZの形成により、第1及び第2幅狭箇所よりもヒータ幅の広い幅広箇所(すなわち、ヒータ29の後縁からヒータ幅方向に沿った突出部29CZの先端となる前縁までの箇所)のヒータ幅とほぼ等しい所定の深さに選定されている。また左側コネクタ53は、コネクタ溝部53Cの幅(すなわち、端子保持部53Aの一面53AQ及び端子保護部53Bの一面53BXの間隔)が、ヒータ29及び押付プレート30を重ね合わせた際の、これら全体の厚み(以下、これをヒータプレート厚みとも呼ぶ)の2倍以上となるような所定の幅に選定されている。さらに左側コネクタ53は、端子保持部53Aの一方の側面(以下、これを保持部一側面とも呼ぶ)53ARから他方の側面(以下、これを保持部他側面とも呼ぶ)53ASまでの幅が、ヒータ29の突出部横幅とほぼ等しい幅に選定されている。因みに、左側コネクタ53は、端子保護部53Bの一方の側面(以下、これを保護部一側面とも呼ぶ)53BYから他方の側面(以下、これを保護部他側面とも呼ぶ)53BZまでの幅も、ヒータ29の突出部横幅とほぼ等しい幅に選定されている。
また左側コネクタ53は、上述した接続端子70を有している。接続端子70は、例えば、細長い平板状の導電性金属を所定形状に屈曲させて、ばね性を有するように形成されている。そして左側コネクタ53は、端子保持部53A内に同一構成の2個の接続端子70(図6(B)には一方のみ図示し他方は図示せず)が、コネクタ溝部53Cの奥行方向と直交する方向に沿って所定の間隔で並べて設けられ、これら2個の接続端子70の接点部分をそれぞれ当該コネクタ溝部53C内に突出させている。そして左側コネクタ53は、コネクタ溝部53Cにヒータ29と共に押付プレート30が当該ヒータ29の一面29Aを端子保持部53Aの一面53AQと対向させ、かつ押付プレート30の他面30Bを端子保護部53Bの一面53BXと対向させるようにして差し込まれるまでは(すなわち、差し込まれていない状態では)、端子保護部53Bにより、コネクタ溝部53C内に突出している接続端子70の接点部分を手等が触れないように保護している。ところで、ヒータ29は、上述したように左側コネクタ53が取り付けられる左端部に、接続端子70の電気的な接続対象として2個の第1及び第2電極64及び65が設けられている。このため左側コネクタ53は、端子保持部53Aにより保持している2個の接続端子70が何れも、ケーブルCA1及びCA2を介してヒータ電源55の給電端子に電気的に接続されている。因みに、右側コネクタ54も、上述したように左側コネクタ53と同様に構成されているため、特に図示しないが、当該右側コネクタ54の端子保持部により2個の接続端子を離間させた状態で保持している。ただし、ヒータ29は、上述したように右側コネクタ54が取り付けられる右端部に、接続端子の電気的な接続対象として1個の第3電極66のみが設けられている。このため右側コネクタ54は、端子保持部により保持している2個の接続端子のうち一方のみがケーブルCA3を介してヒータ電源55の給電端子に電気的に接続されている。
これに加えて左側コネクタ53は、端子保持部53Aの他面53ATに、保持部他側面53ASとの縁に沿って略角柱状の凸部53AUが設けられている。そして左側コネクタ53は、端子保持部53Aの凸部53AUに保持部他側面53ASの縁と平行な2本のスリット53AV、53AWが所定の間隔で形成されることで、その2本のスリット53AV、53AW間に、左側ホルダ51に係止させるための係止アーム53AXが一体に設けられている。この場合、係止アーム53AXは、コネクタ溝部53AC側の根元部のみが端子保持部53Aに対する固定端となり、連結部53D側の先端部が遊端となっている。このため係止アーム53AXは、先端部を連結部53Dに対し近接及び離間可能なばね性を有するように形成されている。そして係止アーム53AXは、表面の所定位置に係止凸部53AYが設けられると共に、当該表面の先端部に、押下操作用の操作突起53AZが突設されている。
また図7(A)及び(B)に示すように、左側ホルダ51は、例えば、所定の樹脂材により断面が略L字となる筒状に形成され、底板51A寄りの所定位置に、仕切板51Bが当該底板51Aと平行に設けられている。これにより左側ホルダ51は、仕切板51Bを境にして天板51C側と底板51A側との上下2段の孔部51D、51Eが設けられている。この場合、左側ホルダ51は、天板51Cの内面が、左側コネクタ53の端子保持部53Aの他面53ATに対応する段差形状に形成されている。また左側ホルダ51は、仕切板51Bの厚みが例えば、左側コネクタ53のコネクタ溝部53Cの幅をヒータプレート厚み分、狭めたような所定の厚みに選定されている。そして左側ホルダ51は、上側の孔部51Dの高さ(すなわち、仕切板51Bの一面から天板51Cの内面までの高さ)が、左側コネクタ53の端子保持部53Aの一面53AQから他面53ATまでの高さをヒータプレート厚み分、高くしたような所定の高さに選定されている。また左側ホルダ51は、上側の孔部51Dの幅(すなわち、一方の側板51Fの内面から他方の側板51Gの内面までの長さ)が、ヒータ29の突出部横幅(また、左側コネクタ53の端子保持部53Aの幅)とほぼ等しい所定の幅に選定されている。さらに左側ホルダ51は、下側の孔部51Eの高さ(すなわち、底板51Aの一面から仕切板51Bの他面までの高さ)が、左側コネクタ53の端子保護部53Bの他面から一面53BXまでの高さとほぼ等しい所定の高さに選定されている。さらにまた左側ホルダ51は、下側の孔部51Eの幅(すなわち、一方の側板51Fの内面から他方の側板51Gの内面までの長さ)が、ヒータ29の突出部横幅(また、左側コネクタ53の端子保護部53Bの幅)とほぼ等しい所定の幅に選定されている。そして左側ホルダ51は、上側の孔部51Dの奥行き及び下側の孔部51Eの奥行き(すなわち、一方の開口部から他方の開口部までの長さ)がそれぞれ、ヒータ29の幅広箇所のヒータ幅よりも長い所定の長さに選定されている。
これにより左側ホルダ51は、左側コネクタ53を保持する際、仕切板51Bを左側コネクタ53のコネクタ溝部53Cにおける端子保護部53B寄りに入り込ませるようにしながら、上下2段の孔部51D、51Eに、一方の開口部から左側コネクタ53の端子保持部53A及び端子保護部53Bを挿入可能なように形成されている。すなわち、左側ホルダ51は、上側の孔部51Dが、左側コネクタ53の端子保持部53Aを、仕切板51Bの一面から当該端子保持部53Aの一面53AQをほぼヒータプレート厚み分、離間させ、そのほかの部分はほぼ隙間無く挿入させ得るように形成されている。また左側ホルダ51は、下側の孔部51Eが、左側コネクタ53の端子保護部53Bをほぼ隙間無く挿入させ得るように形成されている。因みに、以下の説明では、左側ホルダ51において、左側コネクタ53の端子保持部53Aが挿入される上側の孔部51Dを、保持部挿入孔51Dとも呼び、当該左側コネクタ53の端子保護部53Bが挿入される下側の孔部51Eを、保護部挿入孔51Eとも呼ぶ。また、以下の説明では、左側ホルダ51において、一方の側板51Fを、第1側板51Fとも呼び、他方の側板51Gを、第2側板51Gとも呼ぶ。なお、左側ホルダ51は、天板51Cの内面に、左側コネクタ53の係止凸部53AYに対応する係止凹部(図示せず)が設けられている。
これに加えて左側ホルダ51は、第1側板51F及び第2側板51G各々において、仕切板51Bの一面の高さ位置からヒータプレート厚みの2倍程度の厚み分の高さ位置までの範囲に、保持部挿入孔51Dに貫通する略L字状の第1及び第2ヒータプレート挿入孔51FX及び51GXが対向させて穿設されている。この場合、第1及び第2ヒータプレート挿入孔51FX及び51GXは、仕切板51Bの一面の高さ位置からほぼヒータプレート厚み分の高さ位置までの範囲での幅(すなわち、保持部挿入孔51Dの奥行き方向の長さ)が、ヒータ29の幅狭箇所のヒータ幅とほぼ等しい幅に選定されている。また第1及び第2ヒータプレート挿入孔51FX及び51GXは、幅狭箇所のヒータ幅とほぼ等しい幅の部分よりも天板51C側のほぼヒータプレート厚み分の高さ範囲での幅がヒータ29の幅狭箇所のヒータ幅よりも広い幅広箇所のヒータ幅とほぼ等しい幅に選定されている。因みに、以下の説明では、第1及び第2ヒータプレート挿入孔51FX及び51GXにおいて仕切板51B側の幅の狭い部分(すなわち、幅狭箇所のヒータ幅とほぼ等しい幅の部分)を、挿入孔幅狭部とも呼び、天板51C側の幅の広い部分(すなわち、幅広箇所のヒータ幅とほぼ等しい幅の部分)を、挿入孔幅広部とも呼ぶ。そして左側ホルダ51は、第1及び第2側板51F及び51Gにおいて挿入孔幅狭部の後側(一方の開口部側)の第1及び第2後側角部51FY及び51GYと、当該挿入孔幅狭部の前側(他方の開口部側)の第1及び第2前側角部51FZ及び51GZとのうち、第1及び第2前側角部51FZ及び51GZが、ヒータ29の左端部のコネクタ取付位置に取り付けられる左側コネクタ53の当該コネクタ取付位置に対する位置ずれを規制するための上述したコネクタ側係止部51FGを構成している。
次いで、図8乃至図12を用いて、ヒータユニット50におけるヒータ29及び押付プレート30への左側ホルダ51及び左側コネクタ53と右側ホルダ52及び右側コネクタ54との取付手法について説明する。ただし、上述したように左側コネクタ53及び右側コネクタ54は互いに同様に構成されており、左側ホルダ51及び右側ホルダ52も互いに同様に構成されている。このため、ヒータ29及び押付プレート30に対して左側ホルダ51及び左側コネクタ53と、右側ホルダ52及び右側コネクタ54とは、何れも同様の取付手法で取り付けられている。よって、以下には、ヒータ29及び押付プレート30の互いの左端部に対する左側ホルダ51及び左側コネクタ53の取付手法のみを図示して具体的に説明し、当該ヒータ29及び押付プレート30の互いの右端部に対する右側ホルダ52及び右側コネクタ54の取付手法については具体的な説明を省略する。
まず、図8に示すように、ヒータユニット50は、定着部10の熱伝導部28にヒータ29及び押付プレート30がヒータ長手方向及びプレート長手方向を共にプリンタ左右方向と平行にして重ねた状態で保持されると、上述したようにヒータ29及び押付プレート30の互いの左端部と、互いの右端部とをそれぞれ定着部フレーム11の外側(すなわち、左側板及び右側板の外側)に突出させる。この状態でヒータユニット50は、ヒータ29及び押付プレート30の互いの左端に左側ホルダ51を、その第2側板51Gを向けた姿勢で左側からヒータ長手方向に沿って近づけさせて、第2ヒータプレート挿入孔51GXの挿入孔幅広部及び第1ヒータプレート挿入孔51FXの挿入孔幅広部に順次、ヒータ29及び押付プレート30の互いの左端部を挿通させる。そして図9に示すように、ヒータユニット50は、左側ホルダ51の保持部挿入孔51D内に、ヒータ29の左端部のヒータ側左係止部29Cと共に押付プレート30の左端部が入り込むと、当該左側ホルダ51を持ち上げさせて、ヒータ29の左端部及び押付プレート30の左端部を第1及び第2ヒータプレート挿入孔51FX及び51GXの挿入孔幅広部から挿入孔幅狭部へずらし、当該押付プレート30の他面30Bを仕切板51Bの一面に当接させる。そのうえで、ヒータユニット50は、左側ホルダ51の一方の開口部に左側コネクタ53を、その端子保持部53Aの一端面及び端子保護部53Bの一端面を向けた姿勢で後側からヒータ幅方向に沿って近づけさせる。
このようにして図10に示すように、ヒータユニット50は、左側ホルダ51の保持部挿入孔51D及び保護部挿入孔51Eに、左側コネクタ53の端子保持部53A及び端子保護部53Bを挿入させる。この際、ヒータユニット50は、左側ホルダ51の天板51Cの内面に対し左側コネクタ53の係止凸部53AYを摺動させて係止アーム53AXの先端部を押し下げたまま、当該左側ホルダ51の保持部挿入孔51D及び保護部挿入孔51Eに左側コネクタ53の端子保持部53A及び端子保護部53Bを所定の規定位置まで挿入させて、係止凹部に係止凸部53AYを到達させる。これによりヒータユニット50は、係止アーム53AXの先端部をばね性により持ち上げるようにして係止凹部に係止凸部53AYを入り込ませて係止させる。これによりヒータユニット50は、左側ホルダ51により左側コネクタ53を容易には抜け出さないように保持することができる。このようにしてヒータユニット50は、ヒータ29の左端部のコネクタ取付位置に左側ホルダ51を介して左側コネクタ53を取り付けることができる。そして図11に示すように、ヒータユニット50は、左側ホルダ51の保持部挿入孔51D及び保護部挿入孔51Eに左側コネクタ53の端子保持部53A及び端子保護部53Bが規定位置まで挿入されると、ヒータ29の左端部の2個の第1及び第2電極64及び65に、左側コネクタ53の対応する接続端子70、71の接点部分を接触させる(すなわち、2個の接続端子70、71の接点部分を、これら2個の接続端子70、71のばね性により2個の第1及び第2電極64及び65に押し付ける)ことができる。よってヒータユニット50は、ヒータ電源55を2本のケーブルCA1及びCA2と、左側コネクタ53の2個の接続端子70、71と、ヒータ29の左端部の第1及び第2電極64及び65並びに第1及び第2導線64A及び65Aとを順次介して当該ヒータ29の第1乃至第3発熱抵抗体61乃至63に電気的に接続することができる。
また図12に示すように、ヒータユニット50は、ヒータ29及び押付プレート30の互いの左端部に対して左側ホルダ51及び左側コネクタ53を取り付けた場合と同様にして、当該ヒータ29及び押付プレート30の互いの右端部に対しても、右側ホルダ52及び右側コネクタ54を取り付けさせることができる。すなわち、ヒータユニット50は、ヒータ29の右端部のコネクタ取付位置に右側ホルダ52を介して右側コネクタ54を取り付けさせることができる。そしてヒータユニット50は、ヒータ電源55を1本のケーブルCA3と、右側コネクタ54に設けられた1個の接続端子と、ヒータ29の右端部の第3電極66及び第3導線66Aとを順次介しても当該ヒータ29の第1乃至第3発熱抵抗体61乃至63に電気的に接続することができる。因みに、ヒータユニット50は、左側ホルダ51により左側コネクタ53を保持した状態で、操作突起53AZが押下操作されて係止アーム53AXの先端部が押し下げられると、係止凹部から係止凸部53AYを抜き出して係止を解除することができ、そのまま左側ホルダ51の保持部挿入孔51D及び保護部挿入孔51Eから左側コネクタ53の端子保持部53A及び端子保護部53Bを後側へ引き抜かせるようにして、当該左側ホルダ51から左側コネクタ53を外させることができる。なお、ヒータユニット50は、右側ホルダ52により右側コネクタ54を保持した状態でも、同様にして当該右側ホルダ52から右側コネクタ54を外させることができる。
ヒータユニット50は、このようにヒータ29及び押付プレート30に左側ホルダ51及び左側コネクタ53と、右側ホルダ52及び右側コネクタ54とが取り付けられると、印刷画像の形成時には、制御回路57によりヒータ29の発熱を制御する発熱制御処理を実行することができる。すなわち、ヒータユニット50では、制御回路57が発熱制御処理を実行した場合、温度センサ56が加熱加圧ベルト25の温度を検出しながら、当該検出した温度を示す検出温度信号を制御回路57に送出する。よって制御回路57は、発熱制御処理を実行した場合、温度センサ56から与えられる検出温度信号により加熱加圧ベルト25の温度を監視しながら、ヒータ電源55を制御する。実際に制御回路57は、発熱制御処理の開始当初は例えば、ヒータ電源55により左側コネクタ53及び右側コネクタ54を介してヒータ29の第1乃至第3発熱抵抗体61乃至63に通電することで、これら第1乃至第3発熱抵抗体61乃至63全てを発熱させて加熱加圧ベルト25を加熱し、当該加熱加圧ベルト25の温度を速やかに高くする。そして制御回路57は、例えば、加熱加圧ベルト25の温度が、印刷媒体5の表面のトナー画像を定着用に加熱するための規定温度に達すると、ヒータ電源55に対してヒータ29の第1乃至第3発熱抵抗体61乃至63への通電時間及び通電休止時間と、通電すべき第1乃至第3発熱抵抗体61乃至63の切り換え(すなわち、第1及び第2発熱抵抗体61及び62と、第3発熱抵抗体63との何れか一方に対する選択的な通電)とを制御する。これにより制御回路57は、ヒータ29の第1乃至第3発熱抵抗体61乃至63を適宜発熱させて、加熱加圧ベルト25の温度をほぼ規定温度に維持する。このようにして制御回路57は、ほぼ規定温度にした加熱加圧ベルト25を介して印刷媒体5の表面のトナー画像を定着用に一旦溶融させることができる。
ところで、ヒータ29は、ヒータ電源55により発熱用に通電された場合、一面29Aの左端部及び右端部に設けられた第1乃至第3電極64乃至66及び第1乃至第3導線64A乃至66Aはほとんど発熱しない。このためヒータ29は、通電時、基板60の左端部及び右端部と第1及び第2絶縁層の当該左端部及び右端部に設けられた部分とが第1乃至第3電極64乃至66及び第1乃至第3導線64A乃至66Aからはほとんど熱を受けていない。よってヒータ29は、このような通電時、左端部及び右端部(すなわち、基板60の左端部及び右端部と、第1及び第2絶縁層の当該左端部及び右端部に設けられた部分と、第1乃至第3電極64乃至66及び第1乃至第3導線64A乃至66Aと)はほとんど熱膨張しない。これに対してヒータ29は、このような通電時、一面29Aの中央部に設けられた第1乃至第3発熱抵抗体61乃至63は発熱する。このためヒータ29は、通電時、基板60の中央部と第1及び第2絶縁層の当該中央部に設けられた部分とが、その第1乃至第3発熱抵抗体61乃至63の発する熱を受けている。よってヒータ29は、このような通電時、中央部(すなわち、基板60の中央部と、第1及び第2絶縁層の当該中央部に設けられた部分と、第1乃至第3発熱抵抗体61乃至63と)は熱膨張する。そしてヒータ29は、中央部が熱伝導部28に対しヒータ保持溝部28Aの底と押付プレート30との間に挟み込まれるようにして保持されている。このためヒータ29は、発熱により中央部が熱膨張すると、その中央部に反りや歪みのような変化は生じないものの、常温で熱膨張していない場合に比してヒータ長手方向へ伸びるような変化が生じる。従ってヒータ29は、中央部が熱膨張によりヒータ長手方向へ伸びると、その分、ヒータ全長が常温時に比して長くなる。その結果、ヒータ29は、左端及び右端が定着部フレーム11から常温時よりも離れるように変位して、定着部フレーム11から外側へ突出している左端部及び右端部の突出量が増加する。またヒータ29は、ヒータ電源55による通電と共に発熱が終了して、自然冷却により自身の温度が常温に戻ると、中央部の熱膨張が解消され、当該中央部のヒータ長手方向の長さが熱膨張によって伸びていた状態から元の長さに戻り、その分、ヒータ全長も熱膨張前の元の長さに戻る。その結果、ヒータ29は、左端及び右端がそれまでの位置から定着部フレーム11に近づいて常温時の位置まで戻るように変位し、定着部フレーム11から外側へ突出している左端部及び右端部の突出量も常温時の規定量に戻る。このようにしてヒータ29は、常温時と発熱時とでは、中央部のヒータ長手方向の長さと共にヒータ全長が変化している。そしてヒータ29は、このようにヒータ全長が変化すると、左端部のコネクタ取付位置及び右端部のコネクタ取付位置も定着部フレーム11に近づき、また離れるようにヒータ長手方向へ変位する。すなわち、ヒータ29は、ヒータ全長が変化すると、左端部のコネクタ取付位置及び右端部のコネクタ取付位置を、ヒータ長手方向を変位方向として互いに近づけ、また離すように変位させている。
ただし、左側ホルダ51は、上述したように保持部挿入孔51Dの幅が、突出部横幅とほぼ等しく選定されている。また左側ホルダ51は、第1及び第2ヒータプレート挿入孔51FX及び51GXの挿入孔幅狭部の幅が、ヒータ29の幅狭箇所のヒータ幅とほぼ等しく選定されている。よって左側ホルダ51は、ヒータ29及び押付プレート30の互いの左端部への取り付けにおいて、ヒータ29及び押付プレート30の互いの左端部に対して第1及び第2ヒータプレート挿入孔51FX及び51GXが、これらの挿入孔幅広部に挿入されている当該ヒータ29及び押付プレート30の左端部を挿入孔幅狭部へ入り込ませるようにずらされると、コネクタ側係止部51FGの第1及び第2前側角部51FZ及び51GZの間に、ヒータ29のヒータ側左係止部29Cの突出部29CZをほぼ隙間無く嵌合させている。これによりヒータユニット50は、コネクタ側係止部51FGの第1及び第2前側角部51FZ及び51GZを挟持部として機能させ、当該第1及び第2前側角部51FZ及び51GZによりヒータ側左係止部29Cの突出部29CZをヒータ長手方向から挟持するようにして、ヒータ29のヒータ側左係止部29Cに対し左側ホルダ51のコネクタ側係止部51FGを係止している。よってヒータユニット50は、ヒータ29の中央部における熱膨張の有無によりヒータ全長が変化して、ヒータ29の左端部のコネクタ取付位置が変位しても左側ホルダ51を追従させて、そのヒータ29の左端部のコネクタ取付位置から当該左側ホルダ51がヒータ長手方向へ位置ずれすることを防止することができる。
また左側ホルダ51は、この際、コネクタ側係止部51FGの第1後側角部51FY及び第1前側角部51FZの間、及び第2後側角部51GY及び第2前側角部51GZの間に、ヒータ29のヒータ側左係止部29Cの第1及び第2幅狭箇所をほぼ隙間無く嵌合させている。すなわち、左側ホルダ51は、コネクタ側係止部51FGの第1後側角部51FY及び第1前側角部51FZと、第2後側角部51GY及び第2前側角部51GZとによりヒータ側左係止部29Cの第1幅狭箇所と第2幅狭箇所とをヒータ幅方向から(すなわち、前後から)挟持している。これによりヒータユニット50は、ヒータ29の左端部のコネクタ取付位置から左側ホルダ51がヒータ幅方向へ位置ずれして、第1及び第2前側角部51FZ及び51GZの間からヒータ29の突出部29CZがヒータ幅方向へ抜け出てヒータ側左係止部29Cに対するコネクタ側係止部51FGの係止が意図せずに解除されることを防止することができる。従ってヒータユニット50は、ヒータ29の左端部のコネクタ取付位置から左側ホルダ51がヒータ長手方向へ位置ずれすることを確実に防止することができる。そしてヒータユニット50は、左側ホルダ51が左側コネクタ53を保持しているため、ヒータ29の中央部における熱膨張の有無によりヒータ全長が変化して、ヒータ29の左端部のコネクタ取付位置が変位しても、ヒータ29の左端部のコネクタ取付位置から左側コネクタ53がヒータ長手方向へ位置ずれすることも防止することができる。
さらにヒータユニット50は、左側ホルダ51が左側コネクタ53を保持した状態では、端子保持部53Aの一面53AQをヒータ29の一面29Aに近接させて2個の接続端子70、71の接点部分を対応する第1及び第2電極64及び65に接触させている。よってヒータユニット50は、左側ホルダ51が保持している左側コネクタ53の端子保持部53Aにより、左側ホルダ51の保持部挿入孔51D内でヒータ29の左端部が天板51C側にずれてコネクタ側係止部51FGとヒータ側左係止部29Cとの係止が意図せずに解除されることを防止することができる。従ってヒータユニット50は、ヒータ29の左端部のコネクタ取付位置から左側ホルダ51と共に左側コネクタ53がヒータ長手方向へ位置ずれすることを、より確実に防止することができる。またヒータユニット50は、左側ホルダ51と同様に、ヒータ29の右端部のコネクタ取付位置に右側ホルダ52が取り付けられ、その右側ホルダ52に右側コネクタ54が保持されている。よってヒータユニット50は、ヒータ29の中央部における熱膨張の有無によりヒータ全長が変化して、ヒータ29の右端部のコネクタ取付位置が変位しても、そのヒータ29の右端部のコネクタ取付位置から右側ホルダ52と共に右側コネクタ54がヒータ長手方向へ位置ずれすることを防止することができる。
ところで、ヒータ29は、例えば、プリンタ1の工場出荷時や搬送中に衝撃が加えられると、熱伝導部28に対する保持位置がずれて、左端部のコネクタ取付位置と、右端部のコネクタ取付位置とがヒータ長手方向へ変位する場合がある。しかしながら、ヒータユニット50は、ヒータ29の左端部のコネクタ取付位置に対し、上述したように左側ホルダ51が取り付けられてヒータ側左係止部29Cにコネクタ側係止部51FGが係止されると共に、その左側ホルダ51に左側コネクタ53が保持されている。このためヒータユニット50は、熱伝導部28に対するヒータ29の保持位置がずれて、ヒータ29の左端部のコネクタ取付位置がヒータ長手方向へ変位した場合も、そのヒータ29の左端部のコネクタ取付位置から左側ホルダ51と共に左側コネクタ53がヒータ長手方向へ位置ずれすることを防止することができる。またヒータユニット50は、ヒータ29の右端部のコネクタ取付位置に対しても、上述したように右側ホルダ52が取り付けられてヒータ側右係止部29Dにコネクタ側係止部が係止されると共に、その右側ホルダ52に右側コネクタ54が保持されている。このためヒータユニット50は、熱伝導部28に対するヒータ29の保持位置がずれて、ヒータ29の右端部のコネクタ取付位置がヒータ長手方向へ変位した場合も、そのヒータ29の右端部のコネクタ取付位置から右側ホルダ52と共に右側コネクタ54がヒータ長手方向へ位置ずれすることを防止することができる。
(1−4)第1の実施の形態の動作及び効果
以上の構成において、プリンタ1では、定着部10のヒータユニット50が有するヒータ29の第1及び第2電極64及び65が配置された左端部と、第3電極66が配置された右端部とに、ヒータ幅方向に突出する突出部29CZ、29DZを有するヒータ側左係止部29C及びヒータ側右係止部29Dを設けるようにした。またプリンタ1では、ヒータユニット50に左側コネクタ53及び右側コネクタ54を設けると共に、その左側コネクタ53及び右側コネクタ54を保持する左側ホルダ51及び右側ホルダ52を設けるようにした。さらにプリンタ1では、その左側ホルダ51に、ヒータ29のヒータ側左係止部29Cの突出部29CZを挟持可能な第1及び第2前側角部51FZ及び51GZを有するコネクタ側係止部51FGを設けると共に、右側ホルダ52に、当該ヒータ29のヒータ側右係止部29Dの突出部29DZを挟持可能な第1及び第2前側角部を有するコネクタ側係止部を設けるようにした。
そしてプリンタ1は、ヒータユニット50において、ヒータ29の左端部のコネクタ取付位置に左側ホルダ51が取り付けられると、コネクタ側係止部51FGの第1及び第2前側角部51FZ及び51GZによりヒータ側左係止部29Cの突出部29CZをヒータ長手方向から挟持するようにして、ヒータ29のヒータ側左係止部29Cに対し左側ホルダ51のコネクタ側係止部51FGを係止したうえで、その左側ホルダ51により左側コネクタ53を保持して、当該左側コネクタ53の2個の接続端子70、71の接点部分をヒータ29の対応する第1及び第2電極64及び65に接触させた。またプリンタ1は、ヒータユニット50において、ヒータ29の右端部のコネクタ取付位置に右側ホルダ52が取り付けられると、コネクタ側係止部の第1及び第2前側角部によりヒータ側右係止部29Dの突出部29DZをヒータ長手方向から挟持するようにして、ヒータ29のヒータ側右係止部29Dに対し右側ホルダ52のコネクタ側係止部を係止したうえで、その右側ホルダ52により右側コネクタ54を保持して、当該右側コネクタ54の1個の接続端子の接点部分をヒータ29の第3電極66に接触させた。
従ってプリンタ1は、ヒータユニット50において、ヒータ29の熱膨張の有無によりヒータ全長が変化し、またプリンタ1に外部から衝撃が加えられ、ヒータ29の左端部及び右端部におけるコネクタ取付位置が変位しても、そのヒータ29の左端部及び右端部のコネクタ取付位置に取り付けられている左側ホルダ51及び右側ホルダ52がヒータ長手方向へ位置ずれすることを防止することができる。その結果、プリンタ1は、このようにヒータ29の左端部及び右端部のコネクタ取付位置が変位しても、ヒータ29の左端部及び右端部において、左側ホルダ51が保持している左側コネクタ53及び右側ホルダ52が保持している右側コネクタ54が当該左端部及び右端部のコネクタ取付位置からヒータ長手方向へ位置ずれすることを防止することができる。
以上の構成によれば、プリンタ1は、定着部10のヒータユニット50において、ヒータ29の左端部のコネクタ取付位置に左側ホルダ51が取り付けられると、コネクタ側係止部51FGの第1及び第2前側角部51FZ及び51GZによりヒータ側左係止部29Cの突出部29CZをヒータ長手方向から挟持するようにして当該ヒータ側左係止部29Cにコネクタ側係止部51FGを係止したうえで、その左側ホルダ51により左側コネクタ53を保持して2個の接続端子70、71を第1及び第2電極64及び65に接触させ、またヒータ29の右端部のコネクタ取付位置に右側ホルダ52が取り付けられると、コネクタ側係止部の第1及び第2前側角部によりヒータ側右係止部29Dの突出部29DZをヒータ長手方向から挟持するようにして当該ヒータ側右係止部29Dにコネクタ側係止部を係止したうえで、その右側ホルダ52に右側コネクタ54を保持して1個の接続端子を第3電極66に接触させるようにした。これによりプリンタ1は、ヒータ29の熱膨張によるヒータ全長の変化や外部からの衝撃により、ヒータ29の左端部及び右端部のコネクタ取付位置が変位しても、当該左端部及び右端部のコネクタ取付位置に取り付けられた左側ホルダ51及び右側ホルダ52と共に、これらに保持された左側コネクタ53及び右側コネクタ54が当該左端部及び右端部のコネクタ取付位置からヒータ長手方向へ位置ずれすることを防止することができる。よってプリンタ1は、ヒータ29の熱膨張によるヒータ全長の変化や外部からの衝撃により、ヒータ29の左端部及び右端部のコネクタ取付位置が変位しても、ヒータ29の第1乃至第3電極64乃至66に対する3個の接続端子70、71の接触不良が発生することを防止することができる。
またプリンタ1では、左側ホルダ51に、第1及び第2前側角部51FZ及び51GZとの間にヒータ29のヒータ側左係止部29Cの第1及び第2幅狭箇所を挟持可能な第1及び第2後側角部51FY及び51GYを設け、右側ホルダ52に、第1及び第2前側角部との間にヒータ29のヒータ側右係止部29Dの第1及び第2幅狭箇所を挟持可能な第1及び第2後側角部を設けるようにした。そしてプリンタ1は、ヒータ29の左端部のコネクタ取付位置に左側ホルダ51が取り付けられた際、第1前側角部51FZ及び第1後側角部51FYと第2前側角部51GZ及び第2後側角部51GYとによりヒータ29のヒータ側左係止部29Cの第1幅狭箇所と第2幅狭箇所とをヒータ幅方向から挟持し、ヒータ29の右端部のコネクタ取付位置に右側ホルダ52が取り付けられた際、第1前側角部及び第1後側角部と第2前側角部及び第2後側角部とによりヒータ29のヒータ側右係止部29Dの第1幅狭箇所と第2幅狭箇所とをヒータ幅方向から挟持するようにした。従ってプリンタ1は、ヒータ29の左端部や右端部のコネクタ取付位置に取り付けられている左側ホルダ51や右側ホルダ52がヒータ幅方向へ位置ずれして、ヒータ側左係止部29Cやヒータ側右係止部29Dに対するコネクタ側係止部51FGの係止が意図せずに解除されることをほぼ確実に防止することができる。よってプリンタ1は、ヒータ29の左端部や右端部のコネクタ取付位置に取り付けられた左側ホルダ51及び左側コネクタ53や右側ホルダ52及び右側コネクタ54が当該左端部や右端部のコネクタ取付位置からヒータ長手方向へ位置ずれして、第1乃至第3電極64乃至66に対する3個の接続端子70、71の接触不良が発生することを確実に防止することができる。そしてプリンタ1は、このようにヒータ29の左端部のコネクタ取付位置と右端部のコネクタ取付位置とに取り付けられた左側ホルダ51及び左側コネクタ53と右側ホルダ52及び右側コネクタ54とが当該左端部及び右端部のコネクタ取付位置からヒータ長手方向へ位置ずれすることを確実に防止し得るため、ヒータ29を例えば、第1乃至第3電極64乃至66と共に左端部及び右端部のヒータ長手方向の長さを極力短くして小型化することができる。その結果、プリンタ1は、左側ホルダ51及び左側コネクタ53と右側ホルダ52及び右側コネクタ54とをそれぞれ幅方向へ小型化することができる。
さらにプリンタ1では、左側ホルダ51により左側コネクタ53を、その端子保持部53Aの一面53AQをヒータ29の一面29Aと近接させて保持すると共に、右側ホルダ52により右側コネクタ54を、その端子保持部の一面をヒータ29の一面29Aと近接させて保持するようにした。従ってプリンタ1は、ヒータ29の左端部や右端部のコネクタ取付位置に取り付けられている左側ホルダ51や右側ホルダ52がヒータ29の他面29B側へ位置ずれして、ヒータ側左係止部29Cやヒータ側右係止部29Dに対するコネクタ側係止部51FGの係止が意図せずに解除されることを、さらに確実に防止することができる。よってプリンタ1は、ヒータ29の左端部や右端部のコネクタ取付位置に取り付けられた左側ホルダ51及び左側コネクタ53や右側ホルダ52及び右側コネクタ54がヒータ長手方向へ位置ずれして、第1乃至第3電極64乃至66に対する3個の接続端子70、71の接触不良が発生することを、より確実に防止することができる。そしてプリンタ1は、このように左側ホルダ51により左側コネクタ53を端子保持部53Aの一面53AQとヒータ29の一面29Aとを近接させて保持すると共に、右側ホルダ52により右側コネクタ54を端子保持部の一面とヒータ29の一面29Aとを近接させて保持することで、当該左側ホルダ51及び左側コネクタ53と右側ホルダ52及び右側コネクタ54とを、これらの高さ方向についても極力小型化することができる。
さらにプリンタ1では、ヒータ29の左端部及び右端部のコネクタ取付位置に左側ホルダ51及び右側ホルダ52を介して左側コネクタ53及び右側コネクタ54をヒータ幅方向から取り付けるようにした。従ってプリンタ1は、ヒータ29の左端部及び右端部のコネクタ取付位置に左側ホルダ51及び右側ホルダ52を介して左側コネクタ53及び右側コネクタ54が取り付けられた場合、ヒータ29の左端及び右端の外側に左側コネクタ53及び右側コネクタ54(また左側ホルダ51及び右側ホルダ52)が張り出して、定着部10全体がプリンタ左右方向(すなわち、ヒータ長手方向)に大型化することを回避することができる。これに加えてプリンタ1では、左側コネクタ53及び右側コネクタ54においてヒータ29の左端部及び右端部のコネクタ取付位置に取り付けられた際にヒータ幅方向に向く(すなわち、後側を向く)他端面からケーブルCA1乃至CA3を引き出すようにした。よってプリンタ1は、ヒータ29の左端部及び右端部のコネクタ取付位置に左側ホルダ51及び右側ホルダ52を介して左側コネクタ53及び右側コネクタ54が取り付けられた状態では、これら左側コネクタ53及び右側コネクタ54の他端面から引き出されるケーブルCA1乃至CA3を、定着部フレーム11の左側板及び右側板に沿わせるようにして引き回すことができる。このためプリンタ1は、ヒータ29の左端部及び右端部のコネクタ取付位置に左側ホルダ51及び右側ホルダ52を介して左側コネクタ53及び右側コネクタ54が取り付けられた場合、ヒータ29の左端及び右端の外側にケーブルCA1乃至CA3が張り出して、定着部10全体がプリンタ左右方向に大型化することも回避することができる。
ところで、プリンタ1では、ヒータ29を発熱させると、押付プレート30は、当該ヒータ29の発する熱を受けて熱膨張して、プレート全長が常温時に比して長くなる。またプリンタ1では、ヒータ29の発熱を終了させると、押付プレート30は、自然冷却により自身の温度を常温まで下げて熱膨張を解消し、プレート全長が熱膨張前の元の長さに戻る。そしてプリンタ1では、このように押付プレート30も熱膨張の有無によりプレート全長を変化させるものの、押付プレート30とヒータ29とは材質と共に熱膨張率が異なるため、これらの熱膨張時のヒータ全長とプレート全長との変化の仕方(伸び率)や長さは異なる。しかしながら、プリンタ1では、熱伝導部28によりヒータ29と押付プレート30とを重ねて保持した状態では、当該ヒータ29の他面29Bに押付プレート30の一面30Aを特には接着せずに、単に押し付けている。またプリンタ1では、ヒータ29及び押付プレート30を重ねて互いの左端部と右端部とに左側ホルダ51及び左側コネクタ53と右側ホルダ52及び右側コネクタ54とを取り付けた状態では、押付プレート30の左端部や右端部に対し左側ホルダ51及び左側コネクタ53や右側ホルダ52及び右側コネクタ54を特には係止していない。従ってプリンタ1は、押付プレート30を熱膨張の有無により個別(すなわち、ヒータ29の熱膨張の有無によるヒータ全長の変化に何ら影響させずに)プレート全長を変化させることができる。よってプリンタ1は、ヒータ29と共に押付プレート30が熱膨張の有無によりヒータ全長とプレート全長とを変化させた際、ヒータ29が押付プレート30のプレート全長の変化に影響されて反りのような変形や破損が生じることをほぼ確実に防止することができる。
(2)第2の実施の形態
(2−1)プリンタの内部構成
次いで、第2の実施の形態によるプリンタ100(図1)の内部構成について説明する。第2の実施の形態によるプリンタ100は、定着部101(図1)の一部構成を除いて、上述した第1の実施の形態によるプリンタ1と同様に構成されている。そして第2の実施の形態によるプリンタ100は、基本的には、上述した第1の実施の形態によるプリンタ1と同様に動作して印刷媒体5の表面に印刷画像を形成している。よって第2の実施の形態によるプリンタ100の内部構成については、図1を用いて上述した第1の実施の形態によるプリンタ1の内部構成の説明を参照することとして、ここでの説明は省略する。
(2−2)定着部の構成
定着部101(図2)は、ヒータ102の構成と共に、そのヒータ102を有し、当該定着部101に設けられるヒータユニットの一部構成を除いて、上述した第1の実施の形態による定着部10と同様に構成されている。そして定着部101は、上述した第1の実施の形態によるプリンタ1の定着部10と同様に動作して印刷媒体5の表面に印刷画像を形成している。よって定着部101の構成については、図2を用いて上述した第1の実施の形態によるプリンタ1の定着部10の構成の説明を参照することとして、ここでの説明は省略する。
(2−3)ヒータユニットの構成
次いで、図3との対応部分に同一符号を付した図13を用いて、定着部101に設けられるヒータユニット105の構成について説明する。ヒータユニット105は、ヒータ102の構成と、当該ヒータ102の左端部及び右端部に取り付けられる左側コネクタ106及び右側コネクタ107の構成と、左側ホルダ51及び右側ホルダ52に換えて設けられ、これら左側コネクタ106及び右側コネクタ107にそれぞれ取り付けられる2個のコネクタ側係止部108、109の構成とを除いて、上述した第1の実施の形態によるヒータユニット50と同様に構成されている。この場合、図4との対応部分に同一符号を付した図14に示すように、ヒータ102は、例えば、ステンレスにより略短冊状に形成された基板110を有している。なお、基板110は、上述した第1の実施の形態によるヒータ29の場合と同様に、熱容量を比較的小さくしてヒータ102の発熱時に容易に温度を上昇させ得るように、その厚みが比較的薄い所定の厚みに選定されている。そしてヒータ102は、上述した第1の実施の形態によるヒータ29の場合と同様に、その基板110の一面全体に第1絶縁層と、第1乃至第3発熱抵抗体61乃至63、第1乃至第3電極64乃至66、第1乃至第3導線64A乃至66Aからなる導体層と、第2絶縁層とを順に積層するようにして全体が4層構造となるように形成されている。因みに、ヒータ102も、第2絶縁層の表面がヒータ102の一面102Aとなり、基板110の他面が当該ヒータ102の他面102Bとなる。
係る構成に加えてヒータ102の左端部は、例えば、前縁部の所定位置にヒータ幅を狭める略四角状の切欠部102CXが形成され、当該切欠部102CXの両脇に、これよりも前側に突出する第1及び第2突出部102CY及び102CZが形成されている。これによりヒータ102の左端部には、これら切欠部102CXと第1及び第2突出部102CY及び102CZとからなるヒータ側左係止部102Cが設けられている。またヒータ102の右端部は、左端部のヒータ側左係止部102Cの切欠部102CX並びに第1及び第2突出部102CY及び102CZの形成位置と、上述した中心位置仮想平面に対して面対象となる位置に同様な切欠部102DX並びに第1及び第2突出部102DY及び102DZが形成されている。これによりヒータ102の右端部にも、左端部と同様に、これら切欠部102DXと第1及び第2突出部102DY及び102DZとからなるヒータ側右係止部102Dが設けられている。因みに、以下の説明では、ヒータ102の左端部及び右端部に形成された切欠部102CX、102DXのヒータ長手方向の長さを、それぞれ切欠部横幅とも呼ぶ。
次いで、左側コネクタ106及び右側コネクタ107と、コネクタ側係止部108及びコネクタ側係止部109との構成について説明する。ただし、左側コネクタ106及び右側コネクタ107は、互いに同様に構成されている。またコネクタ側係止部108及びコネクタ側係止部109も、互いに同様に構成されている。よって、以下には、左側コネクタ106と、コネクタ側係止部108との構成を順に説明し、右側コネクタ107と、コネクタ側係止部109との構成については説明を省略する。図15(A)及び(B)に示すように、左側コネクタ106は、所定の樹脂材により、略偏平矩形状の端子保持部106A及び端子保護部106Bが互いの一面106AS、106BSの一端部を、コネクタ溝部106Cを介して対向させた状態で、その互いの一面106AS、106BSの他端側が柱状の連結部106Dを介して連結され、全体として略コ字状に一体成形されている。この場合、左側コネクタ106は、コネクタ溝部106Cの深さが、ヒータ102の幅広箇所のヒータ幅とほぼ等しい所定の深さに選定されている。また左側コネクタ106は、コネクタ溝部106Cの幅(すなわち、端子保持部106Aの一面106AS及び端子保護部106Bの一面106BSの間隔)がヒータプレート厚みとほぼ等しい所定の幅に選定されている。さらに左側コネクタ106は、端子保持部106Aの保持部一側面106ATから保持部他側面106AUまでの幅が、切欠部横幅よりも長い所定の幅に選定されている。また左側コネクタ106は、端子保護部106Bの保護部一側面106BTから保護部他側面106BUまでの幅も、端子保持部106Aの幅とほぼ等しい長さに選定されている。因みに、左側コネクタ106は、上述した第1の実施の形態による左側コネクタ53と同様に、端子保持部106Aに2個の接続端子70、71(図15(B)には一方のみ図示し他方は図示せず)が設けられ、これら2個の接続端子70、71がケーブルCA1及びCA2を介してヒータ電源55の給電端子に電気的に接続されている。また右側コネクタ107も、上述した第1の実施の形態による右側コネクタ54と同様に、端子保持部に2個の接続端子が設けられ、そのうちの一方のみがケーブルCA3を介してヒータ電源55の給電端子に電気的に接続されている。
これに加えて左側コネクタ106は、端子保持部106Aの一端面の中央部及び端子保護部106Bの一端部の中央部に、その高さ方向に沿って、切欠部横幅とほぼ等しい幅、及び切欠部102CXの深さ以上の所定の深さを有し、コネクタ側係止部108を取り付けるための溝部106AV、106BVが形成されている。因みに、以下の説明では、左側コネクタ106の端子保持部106Aの一端面に形成された溝部106AVを、保持側係止部取付溝106AVとも呼び、端子保護部106Bの一端部に形成された溝部106BVを、保護側係止部取付溝106BVとも呼ぶ。よって左側コネクタ106は、端子保持部106Aの一端面において保持側係止部取付溝106AVの両脇に第1及び第2保持側突出部106AW及び106AVが設けられている。また左側コネクタ106は、端子保護部106Bの一端面において保護側係止部取付溝106BVの両脇にも第1及び第2保護側突出部106BW及び106BVが設けられている。さらに左側コネクタ106は、端子保持部106Aの他面106AYの中央部において保持側係止部取付溝106AVの近傍に係合突起(以下、保持側係合突起とも呼ぶ)106AZが設けられている。さらにまた左側コネクタ106は、端子保護部106Bの他面106BYの中央部において保護側係止部取付溝106BVの近傍にも係合突起(以下、保護側係合突起とも呼ぶ)106BZが設けられている。
また図16に示すように、コネクタ側係止部108は、例えば、所定の樹脂材によりばね性を有する略コ字板状に形成されている。この場合、コネクタ側係止部108は、肩部108Aの長さが、左側コネクタ106の高さ(すなわち、端子保持部106Aの他面106AYから端子保護部106Bの他面106BYまでの長さ)とほぼ等しい所定の長さに選定されている。またコネクタ側係止部108は、肩部108Aの幅及び厚みが、左側コネクタ106の保持側係止部取付溝106AV及び保護側係止部取付溝106BVの幅(すなわち、切欠部横幅とほぼ等しい幅)及び深さとほぼ等しい幅及び厚みに選定されている。さらにコネクタ側係止部108は、一方の腕部108Bに、左側コネクタ106の保持側係合突起106AZに対応する長孔状の係合孔部(以下、これを第1係合孔部とも呼ぶ)108BXが穿設されると共に、他方の腕部108Cに、当該左側コネクタ106の保護側係合突起106BZに対応する長孔状の係合孔部(以下、これを第2係合孔部とも呼ぶ)108CXが穿設されている。
次いで、図17乃至図22を用いて、ヒータユニット105におけるヒータ102及び押付プレート30への左側コネクタ106及びコネクタ側係止部108と右側コネクタ107及びコネクタ側係止部109との取付手法について説明する。ただし、上述したように左側コネクタ106及び右側コネクタ107は互いに同様に構成されており、コネクタ側係止部108及びコネクタ側係止部109も互いに同様に構成されている。このためヒータ102及び押付プレート30に対して左側コネクタ106及びコネクタ側係止部108と、右側コネクタ107及びコネクタ側係止部109とは、何れも同様の取付手法で取り付けられている。よって、以下には、ヒータ102及び押付プレート30の互いの左端部に対する左側コネクタ106及びコネクタ側係止部108の取付手法のみを図示して具体的に説明し、当該ヒータ102及び押付プレート30の互いの右端部に対する右側コネクタ107及びコネクタ側係止部109の取付手法については具体的な説明を省略する。
まず、図17に示すように、ヒータユニット105は、定着部101の熱伝導部28にヒータ102及び押付プレート30がヒータ長手方向及びプレート長手方向を共にプリンタ左右方向と平行にして重ねた状態で保持されると、ヒータ102及び押付プレート30の互いの左端部と、互いの右端部とをそれぞれ定着部フレーム11の外側(すなわち、左側板及び右側板の外側)に突出させる。この状態でヒータユニット105は、ヒータ102及び押付プレート30の互いの左端部の後縁に左側コネクタ106を、その一端面を向けた姿勢で後側からヒータ幅方向に沿って近づけさせる。これにより図18に示すように、ヒータユニット105は、左側コネクタ106のコネクタ溝部106Cにヒータ102及び押付プレート30の互いの左端部を差し入れさせて、当該左側コネクタ106の保持側係止部取付溝106AV及び保護側係止部取付溝106BVの間にヒータ102の切欠部102CXを位置させる。そのうえで、ヒータユニット105は、左側コネクタ106の一端面にコネクタ側係止部108を、その肩部108Aの内面を向けた姿勢で前側からヒータ幅方向に沿って近づけさせる。これにより図19及び図20に示すように、ヒータユニット105は、左側コネクタ106の保持側係止部取付溝106AV及び保護側係止部取付溝106BVと共にヒータ102の切欠部102CXにコネクタ側係止部108の肩部108Aを嵌合させると共に、コネクタ側係止部108の第1及び第2係合孔部108BX及び108CXに左側コネクタ106の対応する保持側係合突起106AZ及び保護側係合突起106BZを入り込ませるようにして係合させる。このようにしてヒータユニット105は、ヒータ102の左端部のコネクタ取付位置に左側コネクタ106を取り付けさせると共に、その左側コネクタ106にコネクタ側係止部108を容易には外れないように取り付けさせることができる。
そして図21に示すように、ヒータユニット105は、ヒータ102の左端部のコネクタ取付位置に左側コネクタ106が取り付けられると共に、その左側コネクタ106にコネクタ側係止部108が取り付けられると、ヒータ102の左端部の2個の第1及び第2電極64及び65に、左側コネクタ106の対応する接続端子70、71の接点部分を接触させることができる。また図22に示すように、ヒータユニット105は、ヒータ102及び押付プレート30の互いの左端部に対して左側コネクタ106を取り付けさせると共に、その左側コネクタ106にコネクタ側係止部108を取り付けさせた場合と同様にして、当該ヒータ102及び押付プレート30の互いの右端部に対しても右側コネクタ107を取り付けさせると共に、その右側コネクタ107にコネクタ側係止部109を取り付けさせることができる。よってヒータユニット105は、ヒータ102の右端部の1個の第3電極66に、右側コネクタ107の対応する接続端子の接点部分を接触させることができる。因みに、ヒータユニット105は、左側コネクタ106にコネクタ側係止部108を取り付けた状態で、当該コネクタ側係止部108の一方及び他方の腕部108B、108Cの間隔が広げられると、保持側係合突起106AZ及び保護側係合突起106BZから第1及び第2係合孔部108BX及び108CXを離間させて係合を解除させることができ、そのまま左側コネクタ106の保持側係止部取付溝106AV及び保護側係止部取付溝106BVと共にヒータ102の切欠部102CXからコネクタ側係止部108の肩部108Aを前側へ引き抜かせるようにして、当該左側コネクタ106からコネクタ側係止部108を外させることができる。なお、ヒータユニット105は、右側コネクタ107にコネクタ側係止部109を取り付けた状態でも、同様にして当該右側コネクタ107からコネクタ側係止部109を外させることができる。ヒータユニット105は、このようにしてヒータ102及び押付プレート30に左側コネクタ106及び右側コネクタ107が取り付けられると共に、これら左側コネクタ106及び右側コネクタ107にコネクタ側係止部108及びコネクタ側係止部109が取り付けられると、上述した第1の実施の形態によるヒータユニット50と同様に発熱制御処理を実行することができる。
ところで、左側コネクタ106(図21)は、上述したようにコネクタ溝部106Cの深さが、ヒータ102の幅狭箇所のヒータ幅とほぼ等しく選定されている。よって左側コネクタ106は、コネクタ溝部106Cにヒータ102の左端部と共に押付プレート30の左端部が挿入されて当該ヒータ102の後縁が連結部106Dの内面(以下、これを連結部内面とも呼ぶ)106DXに押し付けられると、保持側係止部取付溝106AV及び保護側係止部取付溝106BV各々の底面をヒータ102の切欠部102CXの底とほぼ面一にしている。そして左側コネクタ106は、コネクタ側係止部108が取り付けられると、その肩部108Aを保持側係止部取付溝106AV及び保護側係止部取付溝106BVと切欠部102CXとに亘り埋め込むようにほぼ隙間無く嵌合させている。よって左側コネクタ106は、コネクタ側係止部108がヒータ幅方向へは容易には外れず、またヒータ長手方向へは位置ずれしないように取り付けられている。そしてヒータユニット105は、このようにヒータ102の左端部のコネクタ取付位置に左側コネクタ106が取り付けられると共に、その左側コネクタ106にコネクタ側係止部108が取り付けられると、ヒータ側左係止部102Cの第1及び第2突出部102CY及び102CZによりコネクタ側係止部108の肩部108Aをヒータ長手方向から挟持するようにして、当該ヒータ側左係止部102Cに対しコネクタ側係止部108を係止している。よってヒータユニット105は、ヒータ102の熱膨張の有無によりヒータ全長が変化し、またプリンタ100に外部から衝撃が加えられ、ヒータ102の左端部のコネクタ取付位置が変位しても、そのヒータ102の左端部のコネクタ取付位置において左側コネクタ106がヒータ長手方向へ位置ずれすることを防止することができる。
ところで、ヒータユニット105は、ヒータ102の左端部のコネクタ取付位置に左側コネクタ106と共にコネクタ側係止部108が取り付けられた際、コネクタ側係止部108の肩部108Aと左側コネクタ106の連結部内面106DXとによりヒータ側左係止部102Cの幅狭箇所をヒータ幅方向から挟持している。これによりヒータユニット105は、コネクタ側係止部108の肩部108Aからヒータ側左係止部102Cの切欠部102CXが外れてヒータ側左係止部102Cに対するコネクタ側係止部108の係止が意図せずに解除されることを防止することができる。従ってヒータユニット105は、ヒータ102の左端部のコネクタ取付位置から左側コネクタ106がヒータ長手方向へ位置ずれすることを、さらに確実に防止することができる。よってヒータユニット105は、ヒータ102の熱膨張によるヒータ全長の変化や外部からの衝撃により、ヒータ102の左端部のコネクタ取付位置が変位しても、ヒータ102の第1及び第2電極64及び65に対する2個の接続端子70、71の接触不良が発生することを防止することができる。
またヒータユニット105は、ヒータ102の右端部のコネクタ取付位置に右側コネクタ107が取り付けられると共に、その右側コネクタ107にコネクタ側係止部109が取り付けられた場合も、同様にヒータ側右係止部102Dに対しコネクタ側係止部109を係止している。よってヒータユニット105は、ヒータ102の熱膨張の有無によりヒータ全長が変化し、またプリンタ100に外部から衝撃が加えられ、ヒータ102の右端部のコネクタ取付位置が変位しても、そのヒータ102の右端部のコネクタ取付位置から右側コネクタ107がヒータ長手方向へ位置ずれすることを防止することができる。よってヒータユニット105は、ヒータ102の熱膨張によるヒータ全長の変化や外部からの衝撃により、ヒータ102の右端部のコネクタ取付位置が変位しても、ヒータ102の第3電極66に対する1個の接続端子の接触不良が発生することを防止することができる。
(2−4)第2の実施の形態の動作及び効果
以上の構成において、プリンタ100では、定着部101のヒータユニット105が有するヒータ102の第1及び第2電極64及び65が配置された左端部と、第3電極66が配置された右端部とに、切欠部102CXの両脇でヒータ幅方向へ突出する第1及び第2突出部102CY及び102CZを有するヒータ側左係止部102Cと、切欠部102DXの両脇でヒータ幅方向へ突出する第1及び第2突出部102DY及び102DZを有するヒータ側右係止部102Dとを設けるようにした。またプリンタ100では、ヒータユニット105に、左側コネクタ106及び右側コネクタ107を設けると共に、当該左側コネクタ106の端子保持部106Aの一端面及び端子保護部106Bの一端面に保持側係止部取付溝106AV及び保護側係止部取付溝106BVを設け、また右側コネクタ107の端子保持部の一端面及び端子保護部の一端面にも保持側係止部取付溝及び保護側係止部取付溝を設けるようにした。さらにプリンタ100では、ヒータユニット105に、これら左側コネクタ106及び右側コネクタ107に取り付けるコネクタ側係止部108及びコネクタ側係止部109を設けるようにした。
そしてプリンタ100は、ヒータユニット105において、ヒータ102の左端部のコネクタ取付位置に左側コネクタ106が取り付けられると共に、その左側コネクタ106に保持側係止部取付溝106AV及び保護側係止部取付溝106BVを介してコネクタ側係止部108が取り付けられると、ヒータ102のヒータ側左係止部102Cの第1及び第2突出部102CY及び102CZによりコネクタ側係止部108の肩部108Aをヒータ長手方向から挟持するようにして当該ヒータ側左係止部102Cに対しコネクタ側係止部108を係止して、当該左側コネクタ106の2個の接続端子70、71の接点部分をヒータ102の対応する第1及び第2電極64及び65に接触させる。またプリンタ100では、ヒータユニット105において、ヒータ102の右端部のコネクタ取付位置に右側コネクタ107が取り付けられると共に、その右側コネクタ107に保持側係止部取付溝及び保護側係止部取付溝を介してコネクタ側係止部109が取り付けられると、ヒータ102のヒータ側右係止部102Dの第1及び第2突出部102DY及び102DZによりコネクタ側係止部109の肩部をヒータ長手方向から挟持するようにして当該ヒータ側右係止部102Dに対しコネクタ側係止部109を係止して、当該右側コネクタ107の1個の接続端子の接点部分をヒータ102の第3電極66に接触させる。
従ってプリンタ100は、上述した第1の実施の形態によるプリンタ1と同様の効果を得ることができると共に、これに加えて、上述した第1の実施の形態によるヒータユニット50に比してヒータユニット105の構成を簡易化することができる。またプリンタ100は、上述した第1の実施の形態によるヒータユニット50の場合に比して、ヒータ102の左端部及び右端部のコネクタ取付位置に対する左側コネクタ106及び右側コネクタ107の取り付けを簡易化することもできる。
以上の構成によれば、プリンタ100は、定着部101のヒータユニット105において、ヒータ102の左端部のコネクタ取付位置に左側コネクタ106が取り付けられると共に、当該左側コネクタ106の一端面にコネクタ側係止部108が取り付けられると、ヒータ側左係止部102Cの第1及び第2突出部102CY及び102CZによりコネクタ側係止部108をヒータ長手方向から挟持するようにして当該ヒータ側左係止部102Cにコネクタ側係止部108を係止して、当該左側コネクタ106の2個の接続端子70、71の接点部分をヒータ102の対応する第1及び第2電極64及び65に接触させ、ヒータ102の右端部のコネクタ取付位置に右側コネクタ107が取り付けられると共に、当該右側コネクタ107の一端面にコネクタ側係止部109が取り付けられると、ヒータ側右係止部102Dの第1及び第2突出部102DY及び102DZによりコネクタ側係止部109をヒータ長手方向から挟持するようにして当該ヒータ側右係止部102Dに対しコネクタ側係止部109を係止して、当該右側コネクタ107の1個の接続端子の接点部分をヒータ102の第3電極66に接触させるようにした。これによりプリンタ100は、上述した第1の実施の形態によるヒータユニット50に比して、ヒータユニット105の構成を簡易化することができると共に、ヒータ102の左端部及び右端部に対する左側コネクタ106及び右側コネクタ107の取り付けを簡易化することができる。よってプリンタ100は、上述した第1の実施の形態に比してヒータユニット105の利便性を向上させることができる。
(3)第3の実施の形態
(3−1)プリンタの内部構成
次いで、第3の実施の形態によるプリンタ120(図1)の内部構成について説明する。第3の実施の形態によるプリンタ120は、定着部121(図1)の一部構成を除いて、上述した第1及び第2の実施の形態によるプリンタ1及び100と同様に構成されている。そして第3の実施の形態によるプリンタ120は、基本的には、上述した第1及び第2の実施の形態によるプリンタ1及び100と同様に動作して印刷媒体5の表面に印刷画像を形成している。よって第3の実施の形態によるプリンタ120の内部構成については、図1を用いて上述した第1の実施の形態によるプリンタ1の内部構成の説明を参照することとして、ここでの説明は省略する。
(3−2)定着部の構成
定着部121(図2)は、当該定着部121に設けられるヒータユニットの一部構成を除いて、上述した第2の実施の形態による定着部101と同様に構成されている。そして定着部121は、上述した第1及び第2の実施の形態によるプリンタ1及び100の定着部10及び101と同様に動作して印刷媒体5の表面に印刷画像を形成している。よって定着部121の構成については、図2を用いて上述した第1の実施の形態によるプリンタ1の定着部10の構成の説明を参照することとして、ここでの説明は省略する。
(3−3)ヒータユニットの構成
次いで、図13との対応部分に同一符号を付した図23を用いて、定着部121に設けられるヒータユニット125の構成について説明する。ヒータユニット125は、コネクタ側係止部108及びコネクタ側係止部109を設けずに、ヒータ102の左端部及び右端部に直接取り付けられる左側コネクタ126及び右側コネクタ127の構成を除いて、上述した第2の実施の形態によるヒータユニット105と同様に構成されている。よって、以下には、左側コネクタ126及び右側コネクタ127の構成について説明する。ただし、左側コネクタ126及び右側コネクタ127は、互いに同様に構成されている。このため、以下には、左側コネクタ126の構成を説明し、右側コネクタ127の構成については説明を省略する。
図24(A)及び(B)に示すように、左側コネクタ126は、所定の樹脂材により、略偏平矩形状の端子保持部126A及び略偏平矩形状の端子保護部126Bが互いの一面126AX、126BTの一端部を、コネクタ溝部126Cを介して対向させた状態で、その互いの一面126AX、126BTの他端側が柱状の連結部126Dを介して連結され、全体として略コ字状に一体成形されている。この場合、左側コネクタ126は、コネクタ溝部126Cの深さが、ヒータ102の幅広箇所のヒータ幅とほぼ等しい所定の深さに選定されている。また左側コネクタ126は、コネクタ溝部126Cの幅(すなわち、端子保持部126Aの一面126AX及び端子保護部126Bの一面126BTの間隔)がヒータプレート厚みとほぼ等しい所定の幅に選定されている。さらに左側コネクタ126は、一方の側面(以下、これをコネクタ一側面とも呼ぶ)126Eから他方の側面(以下、これをコネクタ他側面とも呼ぶ)126Fまでの幅が、切欠部横幅よりも長い所定の長さに選定されている。因みに、左側コネクタ126は、上述した第1の実施の形態による左側コネクタ53と同様に、端子保持部126Aに2個の接続端子70、71(図24(B)には一方のみ図示し他方は図示せず)が設けられ、これら2個の接続端子70、71がケーブルCA1及びCA2を介してヒータ電源55の給電端子に電気的に接続されている。また右側コネクタ127も、上述した第1の実施の形態による右側コネクタ54と同様に、端子保持部に2個の接続端子が設けられ、そのうちの一方のみがケーブルCA3を介してヒータ電源55の給電端子に電気的に接続されている。
係る構成に加えて左側コネクタ126は、端子保持部126Aの一端面126AYにおいて一面126AXと接する部分の中央部に爪収納凹部126AZが形成されている。また左側コネクタ126の端子保護部126Bには、コネクタ一側面126E寄りの所定位置及びコネクタ他側面126F寄りの所定位置に、一端面126BUから他端部の所定位置までに亘る、当該コネクタ一側面126E及びコネクタ他側面126Fと平行な第1及び第2スリット126BV及び126BWが形成され、これら第1及び第2スリット126BV及び126BWの間に、略L字アーム状のコネクタ側係止部126BXが一体に設けられている。この場合、コネクタ側係止部126BXは、一端面126BU側の先端部に端子保持部126A側に突出する三角ブロック状の爪部126BYが設けられている。そしてコネクタ側係止部126BXは、根元部のみが端子保護部126Bの他端部に対する固定端となり、爪部126BYが遊端となっている。このためコネクタ側係止部126BXは、爪部126BYを端子保持部126Aの爪収納凹部126AZに差込、また当該爪収納凹部126AZから引抜可能なばね性を有するように形成されている。そしてコネクタ側係止部126BXは、爪部126BYにおける連結部内面126DX側を向き、かつ一端面126BUと平行な端面126BZから当該連結部内面126DXまでの長さが、ヒータ102の幅狭箇所のヒータ幅とほぼ等しい所定の長さに選定されている。またコネクタ側係止部126BXは、その幅が切欠部横幅とほぼ等しい所定の幅に選定されている。
次いで、図25乃至図31を用いて、ヒータユニット125におけるヒータ102及び押付プレート30への左側コネクタ126及び右側コネクタ127の取付手法について説明する。ただし、上述したように左側コネクタ126及び右側コネクタ127は互いに同様に構成されている。このためヒータ102及び押付プレート30に対して左側コネクタ126及び右側コネクタ127は、何れも同様の取付手法で取り付けられている。よって、以下には、ヒータ102及び押付プレート30の互いの左端部に対する左側コネクタ126の取付手法のみを図示して具体的に説明し、当該ヒータ102及び押付プレート30の互いの右端部に対する右側コネクタ127の取付手法については具体的な説明を省略する。
まず、図25に示すように、ヒータユニット125は、定着部121の熱伝導部28にヒータ102及び押付プレート30がヒータ長手方向及びプレート長手方向を共にプリンタ左右方向と平行にして重ねた状態で保持されると、ヒータ102及び押付プレート30の互いの左端部と互いの右端部とをそれぞれ定着部フレーム11の外側(すなわち、左側板及び右側板の外側)に突出させる。この状態でヒータユニット125は、ヒータ102及び押付プレート30の互いの左端部の後縁に左側コネクタ126を、その一端面126AY、126BUを向けた姿勢で後側からヒータ幅方向に沿って近づけさせる。これにより図26及び図27に示すように、ヒータユニット125は、左側コネクタ126のコネクタ側係止部126BXの爪部126BYを押付プレート30の他面30Bの下側に潜り込ませるように変形させて当該他面30Bに対して摺動させながら、コネクタ溝部126Cにヒータ102及び押付プレート30の互いの左端部を差し入れさせる。そして図28及び図29に示すように、ヒータユニット125は、左側コネクタ126のコネクタ溝部126Cの奥までヒータ102及び押付プレート30の互いの左端部を差し入れさせると、当該左側コネクタ126において変形させていたコネクタ側係止部126BXの形状を元に戻すようにして、爪部126BYの先端部分を端子保持部126Aの爪収納凹部126AZに差し込む。これによりヒータユニット125は、左側コネクタ126においてコネクタ側係止部126BXの爪部126BYの端面126BZを、ヒータ102の切欠部102CXの底に当接させて、当該爪部126BYを、その切欠部102CXに嵌合させる。このようにしてヒータユニット125は、ヒータ102の左端部のコネクタ取付位置に左側コネクタ126を容易には外れないように取り付けさせることができる。そして図30に示すように、ヒータユニット125は、ヒータ102の左端部のコネクタ取付位置に左側コネクタ126が取り付けられると、ヒータ102の左端部の2個の第1及び第2電極64及び65に、左側コネクタ126の対応する接続端子70、71の接点部分を接触させることができる。
また図22に示すように、ヒータユニット125は、ヒータ102及び押付プレート30の互いの左端部に対して左側コネクタ126を取り付けさせた場合と同様にして、当該ヒータ102及び押付プレート30の互いの右端部に対しても右側コネクタ127を取り付けさせることができる。すなわち、ヒータユニット50は、ヒータ29の右端部のコネクタ取付位置に右側コネクタ127を取り付けさせることができる。そしてヒータユニット125は、ヒータ102の右端部の1個の第3電極66に、右側コネクタ127の対応する接続端子の接点部分を接触させることができる。因みに、ヒータユニット125は、ヒータ102及び押付プレート30の互いの左端部に左側コネクタ126を取り付けた状態で、当該左側コネクタ126のコネクタ側係止部126BXの爪部126BYが押し下げられると、そのヒータ102の切欠部102CXからコネクタ側係止部126BXの爪部126BYを離間させて嵌合を解除することができ、そのまま左側コネクタ126をヒータ102及び押付プレート30の互いの左端部から後側へ引くようにして外させることができる。なお、ヒータユニット125は、ヒータ102及び押付プレート30の互いの右端部に右側コネクタ127を取り付けた状態でも、同様にして当該ヒータ102及び押付プレート30から右側コネクタ127を外させることができる。ヒータユニット125は、このようにしてヒータ102及び押付プレート30に左側コネクタ126及び右側コネクタ127が取り付けられると、上述した第1の実施の形態によるヒータユニット50と同様に発熱制御処理を実行することができる。
ところで、左側コネクタ126(図30)は、上述したようにコネクタ側係止部126BXの爪部126BYの端面126BZから連結部内面126DXまでの長さがヒータ102の幅狭箇所のヒータ幅とほぼ等しく選定されると共に、当該コネクタ側係止部126BXの幅が切欠部横幅とほぼ等しく選定されている。よって左側コネクタ126は、コネクタ溝部126Cにヒータ102及び押付プレート30の互いの左端部が挿入されて当該ヒータ102の後縁が連結部内面126DXに押し付けられると、ヒータ102の切欠部102CXにコネクタ側係止部126BXの爪部126BYをほぼ隙間無く嵌合させることができる。これによりヒータユニット125は、ヒータ側左係止部102Cの第1及び第2突出部102CY及び102CZによりコネクタ側係止部126BXの爪部126BYをヒータ長手方向から挟持するようにして、当該ヒータ側左係止部102Cに対しコネクタ側係止部126BXを係止している。よってヒータユニット125は、ヒータ102の熱膨張の有無によりヒータ全長が変化し、またプリンタ120に外部から衝撃が加えられ、ヒータ102の左端部のコネクタ取付位置が変位しても、そのヒータ102の左端部のコネクタ取付位置から左側コネクタ126がヒータ長手方向へ位置ずれすることを防止することができる。またヒータユニット125は、コネクタ側係止部126BXの爪部126BYにより連結部内面126DXとの間にヒータ102の左端部の幅狭箇所をヒータ幅方向から挟持している。よってヒータユニット125は、左側コネクタ126のコネクタ溝部126C内でヒータ102がヒータ幅方向へずれて、コネクタ側係止部126BXの爪部126BYからヒータ側左係止部102Cの切欠部102CXが外れることを防止することができる。従ってヒータユニット125は、ヒータ102の左端部のコネクタ取付位置から左側コネクタ126がヒータ長手方向へ位置ずれすることを確実に防止することができる。よってヒータユニット125は、ヒータ102の熱膨張によるヒータ全長の変化や外部からの衝撃により、ヒータ102の左端部のコネクタ取付位置が変位しても、ヒータ102の第1及び第2電極64及び65に対する2個の接続端子70、71の接触不良が発生することを防止することができる。
またヒータユニット125は、ヒータ102の右端部のコネクタ取付位置に右側コネクタ127が取り付けられた場合も、左側コネクタ126の場合と同様に、ヒータ側右係止部102Dの第1及び第2突出部102DY及び102DZによりコネクタ側係止部127BXの爪部127BYをヒータ長手方向から挟持するようにして、当該ヒータ側右係止部102Dに対しコネクタ側係止部127BXを係止している。これによりヒータユニット125は、ヒータ102の熱膨張の有無によりヒータ全長が変化し、またプリンタ120に外部から衝撃が加えられ、ヒータ102の右端部のコネクタ取付位置が変位しても、そのヒータ102の右端部のコネクタ取付位置から右側コネクタ127がヒータ長手方向へ位置ずれすることを防止することができる。よってヒータユニット125は、ヒータ102の熱膨張によるヒータ全長の変化や外部からの衝撃により、ヒータ102の右端部のコネクタ取付位置が変位しても、ヒータ102の第3電極66に対する右側コネクタ127の1個の接続端子の接触不良が発生することを防止することができる。
(3−4)第3の実施の形態の動作及び効果
以上の構成において、プリンタ120では、定着部121のヒータユニット125に、左側コネクタ126及び右側コネクタ127を設けると共に、当該左側コネクタ126及び右側コネクタ127にコネクタ側係止部126BX、127BXを設けるようにした。そしてプリンタ120は、ヒータユニット125において、ヒータ102の左端部に左側コネクタ126が取り付けられると、ヒータ側左係止部102Cの第1及び第2突出部102CY及び102CZによりコネクタ側係止部126BXの爪部126BYをヒータ長手方向から挟持するようにして、当該ヒータ側左係止部102Cに対しコネクタ側係止部126BXを係止して、ヒータ102の第1及び第2電極64及び65に左側コネクタ126の対応する接続端子70、71の接点部分を接触させる。またプリンタ120では、ヒータユニット125において、ヒータ102の右端部に右側コネクタ127が取り付けられると、ヒータ側右係止部102Dの第1及び第2突出部102DY及び102DZによりコネクタ側係止部127BXの爪部127BYをヒータ長手方向から挟持するようにして、当該ヒータ側右係止部102Dに対しコネクタ側係止部127BXを係止して、ヒータ102の第3電極66に右側コネクタ127の1個の接続端子の接点部分を接触させる。
従ってプリンタ120は、上述した第1の実施の形態によるプリンタ1と同様の効果を得ることができると共に、これに加えて上述した第2の実施の形態によるヒータユニット105に比してヒータユニット125の構成を、さらに簡易化することができる。またプリンタ120は、上述した第2の実施の形態によるヒータユニット105の場合に比して、ヒータ102の左端部及び右端部のコネクタ取付位置に対する左側コネクタ126及び右側コネクタ127の取り付けも、さらに簡易化することができる。またプリンタ120は、ヒータ102の左端部及び右端部のコネクタ取付位置に左側コネクタ126及び右側コネクタ127を、別部品を用いることなく直接取り付けているため、取付精度を向上させることができる。
以上の構成によれば、プリンタ120は、定着部121のヒータユニット125において、ヒータ102の左端部のコネクタ取付位置に左側コネクタ126が取り付けられると、ヒータ側左係止部102Cの第1及び第2突出部102CY及び102CZによりコネクタ側係止部126BXの爪部126BYをヒータ長手方向から挟持するようにして当該ヒータ側左係止部102Cに対しコネクタ側係止部126BXを係止して、ヒータ102の第1及び第2電極64及び65に左側コネクタ126の対応する接続端子70、71の接点部分を接触させると共に、ヒータ102の右端部のコネクタ取付位置に右側コネクタ127が取り付けられると、ヒータ側右係止部102Dの第1及び第2突出部102DY及び102DZによりコネクタ側係止部127BXの爪部127BYをヒータ長手方向から挟持するようにして、当該ヒータ側右係止部102Dに対しコネクタ側係止部127BXを係止して、ヒータ102の第3電極66に右側コネクタ127の1個の接続端子の接点部分を接触させるようにした。これによりプリンタ120は、上述した第2の実施の形態によるヒータユニット105に比して、ヒータユニット125の構成を簡易化することができると共に、ヒータ102の左端部及び右端部のコネクタ取付位置に対する左側コネクタ126及び右側コネクタ127の取り付けを簡易化することができる。よってプリンタ120は、上述した第2の実施の形態に比してヒータユニット125の利便性をさらに向上させることができる。
(4)他の実施の形態
(4−1)他の実施の形態1
なお上述した第1の実施の形態においては、ヒータユニット50においてヒータ29の左端部及び右端部に左側ホルダ51及び右側ホルダ52を係止するようにした場合について述べた。しかしながら本発明は、これに限らず、ヒータ29の左端部及び右端部に左側コネクタ53及び右側コネクタ54を係止するようにしても良い。本発明は、係る構成を実現する場合、例えば、図32乃至図36に示すように、ヒータユニット130に、左端部及び右端部が同様に形成されたヒータ131と共に、押付プレート132と、互いに同様の構成を有する左側ホルダ133及び右側ホルダ134と、互いに同様の構成を有する左側コネクタ135及び右側コネクタ136とを設ける。そして本発明は、ヒータ131の左端部において後縁の所定位置にヒータ長手方向の長さが左側コネクタ135の連結部の幅とほぼ等しく選定された切欠部131AXを形成するようにして、その切欠部131AXと、その両脇でヒータ幅方向(すなわち、後側)に突出する第1及び第2突出部131AY及び131AZとを有するヒータ側左係止部131Aを設ける。また本発明は、左側コネクタ135に連結部をコネクタ側係止部135Aとして設ける。さらに本発明は、左側ホルダ133の一方の開口部から他方の開口部までの長さを左側コネクタ135のコネクタ溝部135Bの深さよりも長く選定すると共に、仕切板133Aの長さを当該コネクタ溝部135Bの長さとほぼ等しく選定する。
そして本発明(図32)は、ヒータ131及び押付プレート132の互いの左端に左側ホルダ133を、その一方の側板133Bを向けた姿勢で左側からヒータ長手方向に沿って近づけさせて、当該一方の側板133Bに穿設されたヒータプレート挿入孔133BX及び他方の側板133Cに穿設されたヒータプレート挿入孔133CXに順次ヒータ131及び押付プレート132の互いの左端部を挿通させる。その結果、本発明(図33)は、左側ホルダ133の保持部挿入孔133D内に、ヒータ131の左端部の切欠部131AXと共に押付プレート132の左端部が入り込むと、左側ホルダ133の一方の開口部に左側コネクタ135を、その端子保持部135Cの一端面及び端子保護部135Dの一端面を向けた姿勢で後側からヒータ幅方向に沿って近づけさせる。これにより本発明(図34)は、左側ホルダ133の保持部挿入孔133D及び保護部挿入孔133Eに、左側コネクタ135の端子保持部135C及び端子保護部135Dを所定の規定位置まで挿入させて、当該左側ホルダ133に左側コネクタ135を容易には抜け出さないように係止する。この際、本発明(図35)は、左側ホルダ133の保持部挿入孔133Dに左側コネクタ135の端子保持部135Cと共に、コネクタ側係止部135Aの端部も挿入させて、そのコネクタ側係止部135Aをヒータ側左係止部131Aの切欠部131AXにほぼ隙間無く嵌合させる。よって本発明は、ヒータ側左係止部131Aの第1及び第2突出部131AY及び131AZによりコネクタ側係止部135Aをヒータ長手方向から挟持するようにして、当該ヒータ側左係止部131Aに対しコネクタ側係止部135Aを係止する。また本発明(図36)は、このようにヒータ131の左端部のコネクタ取付位置に左側ホルダ133及び左側コネクタ135を取り付ける場合と同様にして、当該ヒータ131の右端部のコネクタ取付位置に対しても右側ホルダ134及び右側コネクタ136を取り付けさせる。よって本発明は、このようにヒータ131の左端部及び右端部に左側コネクタ135及び右側コネクタ136を係止する場合でも、ヒータ131の熱膨張によるヒータ全長の変化や外部からの衝撃により、ヒータ131の左端部及び右端部のコネクタ取付位置が変位しても、当該左端部及び右端部のコネクタ取付位置に取り付けられた左側ホルダ133及び右側ホルダ134と共に、これらに保持された左側コネクタ135及び右側コネクタ136が当該左端部及び右端部のコネクタ取付位置からヒータ長手方向へ位置ずれすることを防止して、上述した第1の実施の形態によって得られる効果と同様の効果を得ることができる。
(4−2)他の実施の形態2
また上述した第1乃至第3の実施の形態においては、ヒータユニット50、105、125において、ヒータ29、102の左端部及び右端部のコネクタ取付位置にヒータ幅方向から左側コネクタ53、106、126及び右側コネクタ54、107、127を取り付けるようにした場合について述べた。しかしながら本発明は、これに限らず、ヒータユニット50、105、125において、ヒータ29、102の左端部及び右端部のコネクタ取付位置にヒータ長手方向から左側コネクタ53、106、126及び右側コネクタ54、107、127を取り付けるようにしても良い。本発明は、係る構成を実現する場合、例えば、図37乃至図41に示すように、ヒータユニット140に、左端部及び右端部が同様に形成されたヒータ141と共に、押付プレート142と、互いに同様の構成を有する左側ホルダ143及び右側ホルダ144と、互いに同様の構成を有する左側コネクタ145及び右側コネクタ146とを設ける。そして本発明は、ヒータ141の左端部の前縁に略四角板状のヒータ側左係止部141Aを突設する。また本発明は、左側ホルダ143の保持部挿入孔143Aの一方及び他方の開口部の仕切板143B側に、一方の側板143Cの内面から当該保持部挿入孔143A内に突出する第1及び第2突出部143DX及び143DYを設けるようにして、当該第1及び第2突出部143DX及び143DYによりコネクタ側係止部143Dを構成する。
そして本発明(図37)は、ヒータ141及び押付プレート142の互いの左端に左側ホルダ143を、一方の開口部を向けた姿勢で左側からヒータ長手方向に沿って近づけさせて、保持部挿入孔143Aにおいて天板143E寄りにヒータ141及び押付プレート142の互いの左端部を挿通させる。その結果、本発明(図38)は、左側ホルダ143の保持部挿入孔143A内に、ヒータ141の左端部のヒータ側左係止部141Aと共に押付プレート142の左端部が入り込むと、その左側ホルダ143を持ち上げさせて押付プレート142の他面を仕切板143Bの一面に当接させることで、第1及び第2突出部143DX及び143DYの間にヒータ側左係止部141Aをほぼ隙間無く嵌合させる。そのうえで本発明は、左側ホルダ143の他方の開口部に左側コネクタ145を、その端子保持部145Aの一端面及び端子保護部145Bの一端面を向けた姿勢で左側からヒータ幅方向に沿って近づけさせる。これにより本発明(図39)は、左側ホルダ143の保持部挿入孔143A及び保護部挿入孔143Fに、左側コネクタ145の端子保持部145A及び端子保護部145Bを所定の規定位置まで挿入させて、当該左側ホルダ143に左側コネクタ145を容易には抜け出さないように係止する。このようにして本発明(図40)は、コネクタ側係止部143Dの第1及び第2突出部143DX及び143DYによりヒータ側左係止部141Aをヒータ長手方向から挟持するようにして、当該コネクタ側係止部143Dに対しヒータ側左係止部141Aを係止する。また本発明(図41)は、このようにヒータ141の左端部のコネクタ取付位置に左側ホルダ143及び左側コネクタ145を取り付ける場合と同様にして、当該ヒータ141の右端部のコネクタ取付位置に対しても右側ホルダ144及び右側コネクタ146を取り付ける。これにより本発明は、ヒータ141の熱膨張によるヒータ全長の変化や外部からの衝撃により、ヒータ141の左端部及び右端部のコネクタ取付位置が変位しても、当該左端部及び右端部のコネクタ取付位置に取り付けられた左側ホルダ143及び右側ホルダ144と共に、これらに保持された左側コネクタ145及び右側コネクタ146が当該左端部及び右端部のコネクタ取付位置からヒータ長手方向へ位置ずれすることを防止することができる。
また本発明は、例えば、図42乃至図47に示すように、ヒータユニット150に、左端部及び右端部が同様に形成されたヒータ151と共に、押付プレート152と、互いに同様の構成を有する左側コネクタ153及び右側コネクタ154と、互いに同様の構成を有するコネクタ側係止部155及びコネクタ側係止部156とを設ける。そして本発明は、ヒータ151の左端部を中央部よりもヒータ幅を広げるように略L字状に形成し、その左端部のヒータ幅方向への突出部分の先端部に、略四角状の切欠部151AXを形成するようにして、当該切欠部151AXと、その両脇でヒータ幅方向(すなわち、前側)に突出する第1及び第2突出部151AY及び151AZとからなるヒータ側左係止部151Aを設ける。また本発明は、左側コネクタ153の端子保持部153Aの一方及び他方の側面153AW、153AXに第1及び第2係止部取付ガイド153AY及び153AZを突設すると共に、端子保護部153Bの他面の所定位置にコネクタ側係止部155と係合させるための係合板部153BXを設ける。
そして本発明(図42)は、ヒータ151及び押付プレート152の互いの左端に左側コネクタ153を、端子保持部153Aの一端面及び端子保護部153Bの一端面を向けた姿勢で左側からヒータ長手方向に沿って近づけさせて、コネクタ溝部153Cにヒータ151及び押付プレート152の互いの左端部を差し入れさせる。そのうえで本発明(図43)は、左側コネクタ153の端子保持部153Aの他面にコネクタ側係止部155を、その肩部155Aの内面を向けた姿勢で上側から近づけさせる。これにより本発明(図44及び図45)は、コネクタ側係止部155の第1及び第2腕部155B及び155Cを左側コネクタ153の第1及び第2係止部取付ガイド153AY及び153AZを介して係合板部153BXに到達させて、当該第1及び第2腕部155B及び155Cに穿設された第1及び第2係合孔部155BX及び155CXに係合板部153BXの一端部及び他端部を入り込ませるようにして係合させる。このようにして本発明(図46)は、左側コネクタ153にコネクタ側係止部155を取り付けて、ヒータ151の切欠部151AXにコネクタ側係止部155の第1腕部155Bをほぼ隙間無く嵌合させる。このようにして本発明は、ヒータ側左係止部151Aの第1及び第2突出部151AY及び151AZによりコネクタ側係止部155の第1腕部155Bをヒータ長手方向から挟持するようにして、当該ヒータ側左係止部151Aに対しコネクタ側係止部155を係止する。また本発明(図47)は、このようにヒータ151の左端部のコネクタ取付位置に左側コネクタ153及びコネクタ側係止部155を取り付ける場合と同様にして、当該ヒータ151の右端部のコネクタ取付位置に対しても右側コネクタ154及びコネクタ側係止部156を取り付ける。これにより本発明は、ヒータ151の熱膨張によるヒータ全長の変化や外部からの衝撃により、ヒータ151の左端部及び右端部のコネクタ取付位置が変位しても、当該左端部及び右端部のコネクタ取付位置に取り付けられた左側コネクタ153及び右側コネクタ154がヒータ長手方向へ位置ずれすることを防止することができる。
さらに本発明は、例えば、図48乃至図53に示すように、ヒータユニット160に、左端部及び右端部が同様に形成されたヒータ161と共に、押付プレート162と、互いに同様の構成を有する左側コネクタ163及び右側コネクタ164とを設ける。そして本発明は、ヒータ161の左端部の前縁に略四角板状の突出部161AXを突設すると共に、当該突出部161AXの右縁の根元部分に略四角状の切欠部161AYを形成して、当該左端部に、その突出部161AX及び切欠部161AYからなるヒータ側左係止部161Aを設ける。また本発明は、左側コネクタ163の端子保護部163Aにおいて一方の側面163B寄りに略L字アーム状のコネクタ側係止部163AXを、ばね性を有するように設けると共に、当該コネクタ側係止部163AXの先端部分の爪部163AYを、その端子保護部163Aの一端面の前側に突出させる。
そして本発明(図48)は、ヒータ161及び押付プレート162の互いの左端に左側コネクタ163を、端子保持部163Cの一端面及び端子保護部163Aの一端面を向けた姿勢で左側からヒータ長手方向に沿って近づけさせて、コネクタ溝部163Dにヒータ161及び押付プレート162の互いの左端部を差し入れさせる。これにより本発明(図49及び図50)は、左側コネクタ163のコネクタ側係止部163AXの爪部163AYを押付プレート162の他面の下側に潜り込ませるように変形させて当該他面に対して摺動させながら、コネクタ溝部163Dにヒータ161及び押付プレート162の互いの左端部を差し入れさせる。そして本発明(図51及び図52)は、左側コネクタ163のコネクタ溝部163Dの奥までヒータ161及び押付プレート162の互いの左端部を差し入れさせると、当該左側コネクタ163において変形させていたコネクタ側係止部163AXの形状を元に戻すようにして、爪部163AYをヒータ161の切欠部161AYにほぼ隙間無く嵌合させる。このようにして本発明は、左側コネクタ163の連結部内面とコネクタ側係止部163AXの爪部163AYとによりヒータ側左係止部161Aの突出部161AXをヒータ長手方向から挟持するようにして、当該ヒータ側左係止部161Aに対しコネクタ側係止部163AXを係止する。また本発明(図53)は、このようにヒータ161の左端部のコネクタ取付位置に左側コネクタ163を取り付ける場合と同様にして、当該ヒータ161の右端部のコネクタ取付位置に対しても右側コネクタ164を取り付ける。これにより本発明は、ヒータ161の熱膨張によるヒータ全長の変化や外部からの衝撃により、ヒータ161の左端部及び右端部のコネクタ取付位置が変位しても、当該左端部及び右端部のコネクタ取付位置に取り付けられた左側コネクタ163及び右側コネクタ164がヒータ長手方向へ位置ずれすることを防止することができる。本発明は、このような種々の構成により、ヒータユニット140、150、160において、ヒータ141、151、161の左端部及び右端部のコネクタ取付位置にヒータ長手方向から左側コネクタ145、153、163及び右側コネクタ146、154、164を取り付ける場合でも、上述した第1乃至第3の実施の形態によって得られる効果と同様の効果を得ることができる。
(4−3)他の実施の形態3
さらに上述した第1乃至第3の実施の形態においては、本発明による画像形成装置を、図1乃至図53について上述したプリンタ1、100、120に適用するようにした場合について述べた。しかしながら本発明は、これに限らず、マルチファンクションプリンタ、ファクシミリ、複合機、複写機等のように、この他種々の構成の画像形成装置に広く適用することができる。
(4−4)他の実施の形態4
さらに上述した第1乃至第3の実施の形態においては、基板に発熱抵抗体と電極とが電気的に接続されて設けられたヒータとして、図1乃至図53について上述した略短冊状のヒータ29、102、131、141、151、161を適用するようにした場合について述べた。しかしながら本発明は、これに限らず、楕円形やコ字形状のヒータ、ステンレス以外の金属を基板として用いて形成されたヒータ、基板の一面の1箇所に2個以上の電極が集約されて配置され、1個のコネクタのみが取り付けられるヒータ等のように、この他種々の構成のヒータを広く適用することができる。
(4−5)他の実施の形態5
さらに上述した第1乃至第3の実施の形態においては、接続端子を保持し、ヒータの所定のコネクタ取付位置に取り付けられて電極に接続端子を接触させるコネクタとして、図1乃至図53について上述した略コ字状の左側コネクタ53、106、126、135、145、153、163及び右側コネクタ54、107、127、136、146、154、164を適用するようにした場合について述べた。しかしながら本発明は、これに限らず、少なくとも端子保持部が設けられた矩形状や略L字状のコネクタ、端子保持部と端子保護部との長さが異なり、一方の一端面にのみコネクタ側係止部の取付用の係止部取付溝が設けられたコネクタ等のように、この他種々の構成のコネクタを広く適用することができる。
(4−6)他の実施の形態6
さらに上述した第1乃至第3の実施の形態においては、ヒータに設けられたヒータ側係止部として、図1乃至図53について上述したヒータ側左係止部29C、102C、131A、141A、151A、161A及びヒータ側右係止部29D、102Dを適用するようにした場合について述べた。しかしながら本発明は、これに限らず、例えば、ヒータの左端部の前縁部及び後縁部のヒータ幅方向に沿った対向位置にヒータ幅を両側から狭めるように形成された一対の第1及び第2切欠部を有し、コネクタ側係止部が当該第1及び第2切欠部の形成箇所である幅狭箇所をヒータ幅方向から挟持するようにして、そのコネクタ側係止部と係止されるヒータ側左係止部のように、ヒータのコネクタ取付位置に対するコネクタの位置ずれを規制し得れば、この他種々の構成のヒータ側係止部を広く適用することができる。
(4−7)他の実施の形態7
さらに上述した第1乃至第3の実施の形態においては、ヒータのコネクタ取付位置に取り付けられたコネクタの当該コネクタ取付位置に対する位置ずれを規制するように、ヒータ側係止部に係止されるコネクタ側係止部として、図1乃至図53について上述したコネクタ側係止部51FG、108、109、126BX、135A、143D、155、156、163AXを適用するようにした場合について述べた。しかしながら本発明は、これに限らず、例えば、ホルダに取り付けられるコネクタ側係止部や、ヒータの左端部の前縁部及び後縁部のヒータ幅方向に沿った対向位置にヒータ幅を両側から狭めるように形成された一対の第1及び第2切欠部を有するヒータ側左係止部の当該第1及び第2切欠部に嵌合させて、その第1及び第2切欠部の形成箇所である幅狭箇所をヒータ幅方向から挟持可能な第1及び第2突出部を有するコネクタ側係止部等のように、この他種々の構成のコネクタ側係止部を広く適用することができる。
(4−8)他の実施の形態8
さらに上述した第1乃至第3の実施の形態においては、コネクタを保持するホルダとして、図1乃至図53について上述した左側ホルダ51、133、143及び右側ホルダ52、134、144を適用するようにした場合について述べた。しかしながら本発明は、これに限らず、端子保持部のみからなる矩形状や略L字状のコネクタを保持して、当該コネクタが保持する接続端子の保護機能を有するホルダのように、この他種々の構成のホルダを広く適用することができる。