JP6194918B2 - ターボ過給機付エンジンの排気装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複数の気筒を有するエンジン本体と、当該エンジン本体から排出された排気により駆動されるタービンを含む過給機とを備えたターボ過給機付エンジンの排気装置に関する。
従来、エンジン本体の吸気効率を高めるために、エンジンシステムに排気により駆動されるタービンを含む過給機を設けることが行われている。
ここで、多気筒エンジンに過給機を設けた場合、排気通路での排気干渉が大きくなると排気のエネルギーが適切にタービンに供給されず、高い過給能力を得ることができないという問題がある。
これに対して、各気筒の排気ポートにそれぞれ個別に排気通路を接続させることや、特許文献1に開示されているように、排気順序が連続せず排気ポートが開口している期間が重複しない気筒の排気ポートをまとめて1つの通路に接続して排気干渉を抑制することが行われている。
特開2012−107541号公報
しかしながら、各気筒の排気ポートにそれぞれ個別に排気通路を接続させた場合には、排気システムが大型化してしまうという問題がある。また、排気順序が連続せず排気ポートが開口している期間が重複しない気筒の排気ポートをまとめて1つの通路に接続する場合では、排気通路のレイアウトが複雑になるという問題がある。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、排気システムの小型化およびレイアウト性を高めつつ過給能力を確保することのできるターボ過給機付エンジンの排気装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、複数の気筒を有するエンジン本体と、当該エンジン本体から排出された排気により駆動されるタービンを含む過給機とを備えたターボ過給機付エンジンの排気装置において、上記複数の気筒の各々は、排気行程で開口する第1排気ポートと第2排気ポートとを備え、上記排気装置は、上記第1排気ポートが開口する期間の一部が重複する少なくとも2つの気筒の各々が備える第1排気ポートに共通に接続された第1排気通路と、前記少なくとも2つの気筒の各々が備える第2排気ポートに個別に接続された少なくともつの第2排気通路と、上記第1排気通路および上記少なくとも2つの第2排気通路の各下流端と上記タービンとの間に設けられて、上記第1排気通路および上記少なくとも2つの第2排気通路の各々と連通する共通の空間を内側に形成する集合部とを備え、上記少なくとも2つの第2排気通路は、上記集合部に対して個別に接続されており、上記少なくとも2つの第2排気通路は、それぞれ、その下流側部分の流路面積が下流側ほど小さくなる形状を有し、上記第1排気通路は、その上下流方向全体にわたって、流路面積が当該第1排気通路に接続される各第1排気ポートの下流端の流路面積よりも大きくなる形状を有し、上記第1排気通路および上記少なくとも2つの第2排気通路の各下流端は、排気が排出される方向において同じ位置にある状態で隣接していることを特徴とする(請求項1)。
本発明によれば、第1排気ポートが開口する期間の一部が重複する気筒の第1排気ポートが1つの通路(第1排気通路)に接続されることで、排気通路の小型化およびレイアウト性を高めることができる。
しかも、この第1排気通路の流路面積が上下流方向全体にわたって、対応する各第1排気ポートの下流端の流路面積よりも大きくされていることで、第1排気通路内の排気抵抗を小さく抑えて下流側の圧力が過大になるのを回避することができ、これにより、第1排気通路内の排気干渉を小さく抑えることができる。さらに、第1排気通路と、この第1排気通路が接続される気筒と第1排気ポートが開口する期間の一部が重複する気筒に接続された第2排気通路とが集合部において集合し、かつ、第2排気通路の下流側部分の流路面積が下流側ほど小さくなるよう構成されていることで、第1排気通路内を排気が流下しているタイミングで第2排気通路から集合部に高速で排気を噴出させて集合部内に高い負圧を生成させ、この負圧を、第1排気通路を流下している排気に作用させることができる。そのため、第1排気通路内の排気の多くを下流側に吸い出して第1排気通路に対応する一方の第1排気ポートから排出された排気が他方の第1排気ポートに回り込むのを抑制して、第1排気通路内での排気干渉をより小さくすることができる。従って、タービンに高い排気エネルギーを付与して過給能力を高めることができる。
本発明において、上記複数の気筒は、上記第1排気ポートが開口する期間の一部が互いに重複する第1気筒と第2気筒とを含み、上記第1排気通路は、上記第1気筒の第1排気ポートと上記第2気筒の第1排気ポートとに共通に接続されており、上記少なくとも2つの第2排気通路は、上記第1気筒の第2排気ポートに接続されている第2排気通路と、上記第2気筒の第2排気ポートに接続されている第2排気通路とを含むことが好ましい(請求項2)。
このようにすれば、第2排気通路から集合部に排気が高速で噴出されることに伴って集合部に高い負圧が生じるタイミングと、第1排気通路を排気が流下するタイミングとをほぼ一致させて、第1排気通路内の排気を効果的に下流側に吸い出すことができる。そのため、第1排気通路内での排気干渉をより確実に小さく抑えて過給能力をより一層高めることができる。
また、本発明において、上記第1排気通路の上流側部分の内側空間は、当該第1排気通路に接続される上記各第1排気ポートとそれぞれ個別に連通する独立通路に区画されており、上記各独立通路は、その流路面積が上下流方向で一定となる形状を有するのが好ましい(請求項3)。
このようにすれば、第1排気通路内において一方の第1排気ポートから排出された排気が他方の第1排気ポートに回り込むのをより確実に抑制することができ、第1排気通路内での排気干渉をより確実に小さく抑えて、過給能力を高めることができる。
また、本発明において、上記第1排気通路に、上記タービンをバイパスするバイパス通路が接続されるとともに、このバイパス通路を開閉するウエストゲートバルブが当該第1排気通路とバイパス通路との接続部分に設けられているのが好ましい(請求項4)。
このようにすれば、ウエストゲートバルブが開弁された際に、第1排気通路のうちこのウエストゲートバルブが設けられている部分の圧力を第1排気ポート(第1排気通路に接続される第1排気ポート)の圧力よりも低下させて、第1排気ポート内の排気の流れを下流向きにすることができる。従って、第1排気通路内において一方の第1排気ポートから排出された排気が他方の第1排気ポートに回り込むのを抑制して排気干渉をより抑制することができる。
また、本発明において、エンジン本体に取り付けられた吸気通路に接続されるEGR通路および当該EGR通路を開閉するEGRバルブを有し、当該EGR通路を介して上記エンジン本体から排出された排気の一部を当該エンジン本体の吸気通路の還流させるEGR装置を備え、上記EGR通路は、上記第1排気通路に接続されており、上記EGRバルブは当該第1排気通路とEGR通路との接続部分に設けられているのが好ましい(請求項5)。
このようにすれば、EGRバルブが開弁された際に、第1排気通路のうちEGRバルブが設けられている部分の圧力を第1排気ポート(第1排気通路に接続される第1排気ポート)の圧力よりも低下させて、第1排気ポート内の排気の流れを下流向きにすることができる。従って、第1排気通路内において一方の第1排気ポートから排出された排気が他方の第1排気ポートに回り込むのを抑制して排気干渉をより抑制することができる。
また、本発明において、上記少なくとも2つの第2排気通路の各々の最小流路面積は、上記第1排気通路の最小流路面積よりも大きく設定されているのが好ましい(請求項6)。
このように第2排気通路の最小流路面積(流路面積の最小値)が第1排気通路の最小流路面積(流路面積の最小値)よりも大きくすれば、第2排気通路から集合部に流入する排気の流量を多くして集合部に生成される負圧を高めることができる。従って、第1排気通路内での排気干渉を抑制して過給能力を高めることができる。
以上説明したように、本発明のターボ過給機エンジンの排気装置によれば、排気システムの小型化およびレイアウト性を高めつつ過給能力を確保することができる。
ターボ過給機付きロータリエンジンの排気装置の構成を示した図である。 ロータリエンジンの構成を示す断面説明図である。 ポートインサートの概略図であるである。 図1のIV−IV線断面図である。 排気通路の概略図である。 ロータリエンジンの排気ポートの圧力変化を示した図である。
以下、図面を参照しながら本発明の一実施形態にかかるターボ過給機付きエンジンの排気装置について説明する。以下では、エンジン本体がロータリエンジンの場合について説明する。
(1)全体構成
図1は、ターボ過給機付エンジンの排気装置が適用されたエンジンシステムの概略構成図である。図2は、ロータリエンジン1の概略断面図である。
当実施形態に係るロータリエンジン1は、内側に2つのロータ収容室(気筒)31が形成され、これらロータ収容室31にそれぞれ回転軸X回りに回転するロータ2が1つずつ収容された2ロータタイプである。以下、ロータ2の配列方向を前後方向といい、図1の左側を前側、図1の右側を後側という。また、以下、適宜、前側のロータ収容室31を第1ロータ収容室31a、後側のロータ収容室31を第2ロータ収容室31bといい、第1ロータ収容室31aに収容されているロータ2を第1ロータ2、第2ロータ収容室31bに収容されているロータ2を第2ロータ2という。
ロータリエンジン1は、ロータ収容室31を区画する、2つのロータハウジング3、3と、インターミディエイトハウジング4と、サイドハウジング41,41とを有する。ロータハウジング3,3は、ロータ2の外周をそれぞれ囲む部材である。インターミディエイトハウジング4は、ロータ2の間に位置してロータ2を前後に隔てる隔壁である。サイドハウジング41,41は、ロータ収容室31を前後外側から塞ぐ部材である。
ロータハウジング3,3の内周面は、平行トロコイド曲線に沿って延びている。以下、この内周面を、トロコイド内周面3aという。これに伴い、ロータ収容室31は、ロータ2の回転軸Xの一方側から回転軸Xに沿う方向にロータリエンジン1を見たときに、繭のような略楕円形状となっている。
なお、各ロータ収容室31は、インターミディエイトハウジング4に対して対称に配置されており、ロータ2の位置及び位相が異なっている点を除けば構成は同じである。
ロータ2は、回転軸Xの方向から見て各辺の中央部が膨出する略三角形状を有し、前後方向に所定の厚みを有するブロック体である、ロータ2は、各頂部間に3つのフランク面2a,2a,2aを備えている。これらフランク面2aは、ロータ2の外周側からみて略長方形を有している。第1ロータ2と第2ロータ2とは、その回転方向について45度ずれた姿勢で各ロータ収容室31内に収容されており、第1ロータ2の頂部が図2における上端に位置している状態で、第2ロータ2の頂部は図2における下端に位置している。
ロータ2は、各頂部に図示しないアペックスシールを有する。これらアペックスシールは、ロータハウジング3のトロコイド内周面3aに摺接しており、トロコイド内周面3aと、インターミディエイトハウジング4の内側面4aと、サイドハウジング41の内側面と、ロータ2のフランク面2aとによって、ロータ収容室31の内部には、3つの作動室8,8,8がそれぞれ区画形成されている。
ロータリエンジン1は、出力軸Xを構成するエキセントリックシャフト6を有している。エキセントリックシャフト6は、インターミディエイトハウジング4及びサイドハウジング41を貫通して前後に延びている。
ロータ2は、エキセントリックシャフト6に対して遊星回転運動するように支持されている。ロータ2は、3つのシール部がそれぞれトロコイド内周面3aに摺接しつつ、エキセントリックシャフト6の偏心輪(偏心軸)6aの周りを自転しながら、回転軸Xの周りに自転と同方向に公転する(この自転及び公転を含め、広い意味で単にロータの回転という)。エキセントリックシャフト6が3回転する間にロータ2は1回する。ロータ2の回転に伴い3つの作動室8,8,8は周方向に移動し、各作動室8,8,8にて吸気、圧縮、膨張(燃焼)及び排気の各行程が行われて、これにより発生する回転力がロータ2を介してエキセントリックシャフト6から出力される。
当実施形態では、ロータ2は、図2において、矢印で示すように時計回りに回転し、回転軸Xを通るロータ収容室31の長軸Yを境に分けられるロータ収容室31の右側が概ね吸気及び排気行程の領域となり、左側が概ね圧縮及び膨張行程の領域となるように構成されている。
なお、従来構成のロータリエンジンは、長軸Yを境に分けられるロータ収容室31の左側が概ね吸気及び排気行程の領域となり、右側が概ね圧縮及び膨張行程の領域となっている。つまり、本構成のロータリエンジンは、従来構成のロータリエンジンを、回転軸Xを中心として180度回転させたような状態で車両に搭載されている。
作動室8の位置と各行程について具体的に説明する。図2における右下の作動室8では、導入された吸気と噴射された燃料とによって混合気が形成される吸気行程が実施される。この作動室8がロータ2の回転に伴って左側に移行すると、混合気は圧縮され圧縮行程が実施される。その後、作動室8が図2の左側に示す位置にある状態において(圧縮行程の終盤から膨張行程にかけて所定のタイミングにて)、点火プラグ82,83により点火が行われ、これにより燃焼・膨張行程が実施される。そして、最後に作動室8が図2の右上の位置にある状態で、燃焼ガスが排気ポート10から排気されて排気行程が実施される。その後は、再び吸気行程に戻って各行程が繰り返される。各行程は、ロータ2が90度回転してエキセントリックシャフト6が270度回転する間、それぞれ実施される。また、第1ロータ収容室31aと第2ロータ収容室31bとでは、ロータ2が45度ずれていることに伴い、135度(エキセントリックシャフト6の回転角度)ずれて各行程が連続して実施される。
ロータ収容室31には、吸気行程にある作動室8と連通して、作動室8に吸気(空気)を導入するための吸気ポート11が連通している。当実施形態では、インターミディエイトハウジング4と、サイドハウジング41とにそれぞれ吸気ポート11が形成されている。なお、1つのロータ収容室31に2つの吸気ポート11が連通されており、第1ロータ収容室31aに対応する吸気ポート11は、前側のサイドハウジング41とインターミディエイトハウジング4とに形成されている。そして、第2ロータ収容室31bに対応する吸気ポート11は、後側のサイドハウジング41とインターミディエイトハウジング4とに形成されており、インターミディエイトハウジング4には、2つの吸気ポート11が形成されている。
インターミディエイトハウジング4に形成された吸気ポート11は、インターミディエイトハウジング4の内側面4aのうち吸気行程が実施される位置(図2の右下の位置)に開口している。当実施形態では、吸気ポート11は、インターミディエイトハウジング4の内側面4aのうち、ロータ収容室31の外周側の部分であって、回転軸Xを通るロータ収容室31の短軸Z寄りの部分に開口している。吸気ポート11は、この開口部分から、インターミディエイトハウジング4内を、前後方向(ほぼ水平方向)に延びて、ロータリエンジン1の側面に開口している。
サイドハウジング41に形成された吸気ポート11は、図示は省略するが、インターミディエイトハウジング4に形成された吸気ポート11に対向する位置に形成されており、ロータ収容室31の開口部分から、サイドハウジング41内を、ほぼ水平方向に延びて、エンジン1の側面に開口している。
ロータリエンジン1の側面には、各吸気ポート11に連通して吸気通路12の一部を構成する吸気マニホールド12aが取り付けられている。
ロータ収容室31には、排気行程にある作動室8と連通して、作動室8から燃焼ガスを排出するための排気ポート10が連通している。当実施形態では、インターミディエイトハウジング4と、サイドハウジング41とにそれぞれ排気ポート10が形成されている。各排気ポート10は、これらハウジング4,41の内側面のうち排気行程が実施される位置(図2の右上の位置)に開口している。当実施形態では、排気ポート10は、これら内側面のうちロータ収容室31の外周側の部分であって、回転軸Xを通るロータ収容室31の短軸Z寄りの部分に開口している。
吸気ポート11と同様に、1つのロータ収容室31に2つの排気ポート10が形成されており、第1ロータ収容室31aに対応する排気ポート10は、前側のサイドハウジング41とインターミディエイトハウジング4とに形成されている。そして、第2ロータ収容室31bに対応する排気ポート10は、後側のサイドハウジング41とインターミディエイトハウジング4とに形成されており、インターミディエイトハウジング4には、2つの排気ポート10が形成されている。
具体的には、インターミディエントハウジング4の排気ポート10は、インターミディエイトハウジング4に、図3に示すポートインサート104が取り付けられることで形成されている。
図1および図3に示すように、ポートインサート104は、内側に所定の空間を有するブロック体である。ポートインサート104の内側空間は、隔壁104dにより2つの通路110b,120bに区画されている。これら通路110b,120bは、ポートインサート104の長手方向一方端の両側面にそれぞれ開口するとともに、ポートインサート104の他方端に設けられたフランジ104fに開口している。このように構成されたポートインサート104は、一方端に形成された開口部104a,104aが各ロータ収容室31の内側空間と連通し、かつ、上記フランジ104fがロータリエンジン1の外側面を構成してこのフランジ104fに形成された開口部104bがロータリエンジン1の側面に開口するように、インターミディエイトハウジング4に固定される。これにより、各ロータ収容室31の内側空間(排気行程が実施される作業室8)とロータリエンジン1の外側空間とを連通する排気ポート110b,120bが、インターミディエイトハウジング4に形成される。
当実施形態では、ポートインサート104の隔壁104dは、フランジ104fの開口部104bよりも外側、すなわち、ロータリエンジン1の外側面よりも外側まで延びている。これに伴い、インターミディエントハウジング4すなわちロータリエンジン1に形成されて排気ポート110b,120bとして機能する部分は、それぞれ独立した通路となっている。また、各排気ポート110b,120bは、それぞれ上下流方向に流路面積が一定とされている。なお、当実施形態では、ポートインサート104は、ロータ収容室31側からインターミディエイトハウジング4内を、斜め上方に向かって延びるように配置されており、各排気ポート110b,120bは、ロータリエンジン1の上面と側面との角部付近に開口している。
図1に示すように、サイドハウジング41に形成された排気ポート10は、インターミディエイトハウジング4に形成された排気ポート10に対向する位置に形成されている。このサイドハウジング41に形成された排気ポート10も、サイドハウジング41内を斜め上方に向かって延びて、エンジン1の上面と側面との角部付近に開口している。
サイドハウジング41に形成された排気ポート10の開口部分と、インターミディエイトハウジング4に形成された排気ポート10の開口部分とは、互いに同じ位置に形成されており、両排気ポート10が開くタイミングおよび閉じるタイミングは互いに同じとなっている。また、当実施形態では、いわゆるサイド排気方式が採用されており、排気ポート10の開口位置及び開口形状は、吸気のオープンタイミング(吸気ポート11が開口するタイミング)と排気のオープンタイミング(排気ポート10が開口するタイミング)とがオーバーラップしないように設定されている。これは、次行程に持ち込まれる残留排ガスを低減するためである。
以下では、各サイドハウジング41に形成された排気ポート10を、プライマリポート110a,120a(第1ロータ収容室31aのプライマリポート110a、第2ロータ収容室31bのプライマリポート120a)と呼び、インターミディエイトハウジング4に形成された排気ポートを、セカンダリポート110b,120b(第1ロータ収容室31aのセカンダリポート110b、第2ロータ収容室31bのセカンダリポート120b)と呼び、それらの排気ポートを総称するときには、単に排気ポート10と呼ぶ場合がある。
各排気ポート10は、ロータリエンジン1の側面に接続された排気通路13に接続されている。排気通路13の具体的構成については後述する。
当実施形態に係るエンジンシステムは、排気の一部を吸気に還流するEGR装置9を備えている。EGR装置9は、排気通路13と吸気通路12とを連通するEGR通路91と、EGR通路91を流通する排気を冷却するEGRクーラ92と、EGR通路91を開閉するEGRバルブ93(図5参照)とを備えている。
作動室8内に燃料を供給するためのインジェクタ81は、インターミディエイトハウジング4に取り付けられており、インターミディエイトハウジング4に設けた吸気ポート11内に燃料を噴射する。
ロータハウジング3の側部における、短軸Zを挟んだロータ回転方向のトレーリング側(遅れ側)位置と、リーディング側(進み側)位置とにはそれぞれ、T側点火プラグ82とL側点火プラグ83とが取り付けられている。これら2つの点火プラグ82,83は、ロータ収容室31(作動室8)のうち圧縮・膨張行程が実施される部分に臨んでおり、作動室8内の混合気に、同時に点火、又は位相差を持って順に点火をする。
なお、図2の符号21は、ロータ2の側面に設けられたオイルシールであり、余分な潤滑オイルが作動室8内に流入することを防止するためのものである。また、図2の符号103は、排気通路13内に二次エアを供給するための二次エア通路である。
(2)排気通路
図1、図4および図5を用いて、排気通路13の詳細について説明する。図4は、図1のIV−IV線断面図である。図5は、排気通路13の流路面積の関係を説明するための模式図である。
第1ロータ収容室31aに形成されたプライマリポート110aと第2ロータ収容室31bに形成されたプライマリポート120aとは、それぞれ個別に、サイドハウジング41,41に連結されたプライマリ通路(第2排気通路)130,140に接続されている。一方、第1ロータ収容室31aに形成されたセカンダリポート110bと第2ロータ収容室31bに形成されたセカンダリポート120bとは、ともに、インターミディエイトハウジング4に連結されたセカンダリ通路(第1排気通路)150に接続されている。
当実施形態では、上記のように、ポートインサート104に設けられて2つのセカンダリポート110b,120bを区画する隔壁104dが、インターミディエイトハウジング4の側面よりも外側に延びており、セカンダリ通路150は、この隔壁104dの延出部分を内側に収容した状態で、インターミディエイトハウジング4に連結されている。
これに伴い、セカンダリ通路150の上流側部分151は、隔壁104dによって、各セカンダリポート110b,120bとそれぞれ個別に連通する2つの独立通路151a,151bに区画されている。これら独立通路151a,151bは、互いに対称な形状を有している。これら独立通路151a,151bは、流路面積一定で上下流方向に延びる通路であり、これら独立通路151a,151bの流路面積は、上下流方向全体で、各セカンダリポート110b,120bの下流端104b_1,104b_2の流路面積と同一となっている。一方、セカンダリ通路150の下流側部分152は、これら独立通路151a,151bとそれぞれ連通する単一の通路で構成されている。
これらプライマリ通路130,140およびセカンダリ通路150の下流側にはタービン50が設けられている。すなわち、当実施形態に係るエンジンシステムは、過給機(ターボ過給機)5aを備えており、排気通路13に設けられたタービン50と、吸気通路12に設けられてシャフト52を介してタービン50と連結されたコンプレッサ(不図示)とを有し、排気によりタービン50が駆動されることでコンプレッサが吸気を過給し、これにより吸気効率が高められるようになっている。
タービン50は、いわゆるラジアルタービンであり、外周に複数の羽根51aを有しこれら羽根51aに排気が衝突することで回転する。タービン50は、タービンハウジング55の内側に収容されている。
タービンハウジング55は、排気を内側に導入するための吸入部54と、吸入部54の下流側に設けられてタービン50を囲むタービンスクロール部53と、タービン50で膨張した後の排気を外部に導出する導出部(不図示)とを有する。
当実施形態では、吸入部54の上流端に、それぞれプライマリ通路130,140およびセカンダリ通路150の下流端が接続されている。吸入部54の内側空間は単一の通路となっており、これら通路130,140,150を通過した排気は吸入部54で集合する。このように、当実施形態では、吸入部54が、各通路130,140,150(第1排気通路150および第2排気通路130,140)と連通する共通の空間を内側に形成する集合部を構成している。
図4に示すように、プライマリ通路130,140およびセカンダリ通路150は、その下流端130b,140b,150bが円周方向に並ぶように集約された状態で吸入部54に接続されている。当実施形態では、吸入部54は、略円管状を有しており、図4に示す上側部分にセカンダリ通路150の下流端150bが配置され、図4に示す下側部分の左側にプライマリ通路130の下流端130bが配置され、図4に示す下側部分の右側にプライマリ通路140の下流端140bが配置されている。これに伴い、各通路130,140,150の下流端130b,140b,150bは互いに隣接している。
図5に示すように、各プライマリ通路130,140は、それぞれ、下流側ほど流路面積が小さくなり、その下流端130b,140bの流路面積が通路130,140のうち最も小さくなる形状を有している。当実施形態では、これらプライマリ通路130,140は、その下流側部分132,142が下流に向かうに従って徐々に流路面積が小さくなる形状となっている。なお、当実施形態では、これらプライマリ通路130,140は、互いに対称な形状を有している。
セカンダリ通路150は、その下流端150bの流路面積Bが、各独立通路151a,151bの下流端の流路面積Aよりも大きくなり、この下流端150bにおいて流路面積が最も小さくなる形状を有している。ここで、上記のように、独立通路151a,151bは、各セカンダリポート110b,120bから流路面積一定で延びる通路である。従って、上記形状とされることで、セカンダリ通路150の下流端150bの流路面積Bは、各セカンダリポート110b,120bの下流端104b_1,104b_2の流路面積よりも大きくなり、セカンダリ通路150の流路面積は上下流方向全体にわたって各セカンダリポート110b,120bの下流端104b_1,104b_2の流路面積よりも大きくなる。当実施形態では、セカンダリ通路150の下流側部分152は、流路面積の上記関係を確保しながら、下流に向かうに従って流路面積が徐々に小さくなる形状となっている。
また、当実施形態では、プライマリ通路130,140の最小流路面積がセカンダリ通路150の最小流路面積よりも大きくなるように設定されている。すなわち、プライマリ通路130,140のうち流路面積が最小となる各下流端130b,140bの流路面積が、セカンダリ通路150のうち流路面積が最小となる下流端150bの流路面積よりも大きくなっている。
セカンダリ通路150には、ウエストゲートバルブ59が設けられている。すなわち、当実施形態のエンジンシステムは、タービン50をバイパスしてタービン50を通らずに排気を流下させるためのバイパス通路59aと、このバイパス通路を開閉するウエストゲートバルブ59とを有する。そして、このバイパス通路59aがセカンダリ通路150に接続されているとともに、バイパス通路59aを開閉するウエストゲートバルブ59がセカンダリ通路150とバイパス通路59aとの接続部分に設けられている。当実施形態では、セカンダリ通路150の下流端部分にバイパス通路59aが接続されるとともにウエストゲートバルブ59が取り付けられている。
また、当実施形態では、セカンダリ通路150に、EGRバルブ93が設けられている。すなわち、EGR通路91がセカンダリ通路150に接続されているとともに、EGRバルブ93が、セカンダリ通路150とEGR通路91との接続部分に設けられている。詳細には、セカンダリ通路150のうち独立通路151a,151bよりも下流側の部分に、EGR通路91が接続されるとともにEGRバルブ93が取り付けられている。
(3)作用等
以上のように、当実施形態に係るエンジンシステムでは、第1ロータ収容室31aに形成されたセカンダリポート110bと第2ロータ収容室31bに形成されたセカンダリポート120bとが、共通のセカンダリ通路150に接続されている。そのため、これらポート110b,120bに対応する排気通路を個別に設け、ロータリエンジン1に連結する場合に比べて、排気通路全体の小型化および構造の簡素化を実現してレイアウト性を高めることができる。
特に、当実施形態では、インターミディエイトハウジング4に形成された2つのセカンダリポート110b,120bがこの共通のセカンダリ通路150に接続されていることで、これらポート110b,120bをインターミディエイトハウジング4内において近接して配置することができる。そのため、インターミディエイトハウジング4の厚み(回転軸X方向の厚み)を薄くして、ロータリエンジン1自体を小型化することもできる。また、インターミディエイトハウジング4を貫通するエキセントリックシャフト6の長さを短くすることができるため、エキセントリックシャフト6のたわみ等を抑制することができる。
ここで、第1ロータ収容室31aの排気ポート10(110a,110b)が開口している期間と、第2ロータ収容室31bの排気ポート10(120a,120b)が開口している期間とは一部重複している。図6を用いて具体的に説明する。図6は、横軸をエキセントリックシャフト6の角度(以下、適宜、エキセン角という)として各ロータ収容室31の排気ポート10の圧力変化を示したものである。図6において、実線と破線とはそれぞれ異なるロータ収容室31の排気ポート10の圧力変化を示している。この図6に示されるように、ロータリエンジン1では、各ロータ収容室31でそれぞれ270°EA(°EAは、エキセン角を表す)毎に排気ポート10が開口を開始して、その後、およそ210°EA間排気ポート10が開口するとともに、所定のロータ2の排気ポート10が開口を開始してから135°EA後に他のロータ2の排気ポート10が開口を開始する。そのため、排気ポート10の210°EAの開口期間のうちおよそ150°EA間、重複して2つのロータ2の排気ポート10が開口する。このように排気ポート10の開口期間が重複する場合、セカンダリ通路150内において排気干渉が大きくなるおそれがなる。そして、これに伴いタービン50に付与される排気エネルギーが小さくなって過給能力が低くなるおそれがある。
これに対して、当実施形態では、セカンダリ通路150の流路面積が、上下流方向全体にわたって接続される排気ポート10(セカンダリポート110b,120b)の下流端104b_1,104b_2の流路面積より大きくなっている。そのため、セカンダリ通路150内の排気抵抗を小さく抑えて、下流側の圧力が過大になって排気ポート10から下流側に排気が流れにくくなることおよび一方の排気ポート10から排出された排気が他方の排気ポート10に回り込むことを抑制することができる。すなわち、セカンダリ通路150内での排気干渉を抑制することができる。従って、より多くの排気をタービン50に流入させて過給能力を高めることができる。
特に、当実施形態では、セカンダリ通路150が、下流端150bにおいて流路面積が最小となり、上流側ほど流路面積が大きくなる形状を有している。そのため、セカンダリ通路150のうち排気ポート10付近の流路面積を大きく確保して、排気ポート10周辺で圧力が過大になるのを回避することができ、排気抵抗をより確実に小さく抑えること、ひいては、過給能力をより確実に高めることができる。
また、セカンダリ通路150の上流側部分が、各セカンダリポート110b,120bに個別に連通する独立通路151a,151bに区画されている。そのため、一方のセカンダリポート110b,120bから排出された排気が他方のセカンダリポートに回り込むことをさらに抑制することができ、排気干渉をより一層抑制して過給能力をより高めることができる。
しかも、当実施形態では、セカンダリ通路150とプライマリ通路130,140とが吸入部54にて集合しているとともに、セカンダリ通路150とプライマリ通路130,140とが同じロータ収容室31に形成された排気ポート10に接続され、かつ、プライマリ通路130,140の下流側部分の流路面積が下流側ほど小さくなるように設定されている。そのため、エゼクタ効果によって、セカンダリ通路150の排気の多くを下流側に吸い出して、セカンダリ通路150内での排気干渉を抑制すること、ひいては、過給能力をより高めることができる。
具体的には、第1ロータ収容室31a側のセカンダリポート110bからセカンダリ通路150に排気が排出されると、同時期に、第1ロータ収容室31a側のプライマリポート110aからプライマリ通路130を介して排気が吸入部54に噴出する。このようにプライマリ通路130から吸入部54に排気が噴出すると、いわゆるエゼクタ効果によって、吸入部54には負圧が生成される。
特に、上記のように、プライマリ通路130の下流側部分の流路面積が下流側ほど小さくなるように設定されていることで、プライマリ通路130から吸入部54に噴出される排気の速度は高く、吸入部54には高い負圧が生成される。
そして、この負圧は、セカンダリポート110b内の排気を下流側に吸い出す力として作用する。従って、第1ロータ収容室31a側のセカンダリポート110bからセカンダリ通路150に排出された排気は、吸入部54に向かって吸い出される。同様に、第2ロータ収容室31b側のセカンダリポート120bからセカンダリ通路150に排気が排出された際にも、第2ロータ収容室31aのプライマリポート120aからプライマリ通路140を介して吸入部54に排気が高速で噴出されることで、高いエゼクタ効果によって、第2ロータ収容室31b側のセカンダリポート120bからセカンダリ通路150に排出された排気を吸入部54に吸い出すことができる。
さらに、上記のように、プライマリ通路130,140の最小流路面積(当実施形態では下流端130b,140bの流路面積)が、セカンダリ通路150の最大流路面積(当実施形態では下流端150bの流路面積)よりも大きく設定されている。そのため、プライマリ通路130,140からより多くの排気を高い速度でプライマリ通路130,140から流出させることができ、エゼクタ効果を高めてセカンダリ通路150内の排気をより多く吸い出すことができる。
また、上記のように、第1ロータ収容室31aの排気ポート10(110a,110b)が開口している期間と、第2ロータ収容室31bの排気ポート10(120a,120b)が開口している期間とは一部重複している。そのため、第2ロータ収容室31b側のプライマリ通路140から吸入部54に噴出した排気によって生成される負圧を、第1ロータ収容室31a側のセカンダリポート110bからセカンダリ通路150に排出された排気に作用させることができる。同様に、第2ロータ収容室31b側のセカンダリポート120bからセカンダリ通路150に排出された排気に、第1ロータ収容室31a側のプライマリ通路130から吸入部54に噴出した排気によって生成される負圧を作用させることができる。そのため、長期間にわたって、セカンダリ通路150内の排気に下流向きの力を作用させることができ、セカンダリ通路150内で排気干渉が生じるのをより確実に抑制することができる。
また、当実施形態では、セカンダリ通路150に、ウエストゲートバルブ59およびEGRバルブ93が設けられている。そのため、これらバルブ59,93が開弁した際に、セカンダリ通路150のうちこれらバルブ59,93が設けられている部分の圧力を低下させることができる。従って、セカンダリ通路150内の排気をより円滑に下流側に吸い出すことができ、排気干渉をさらに抑制して過給能力のさらに高めることができる。
また、当実施形態では、上記のように、プライマリ通路130,140の最小流路面積(当実施形態では下流端130b,140bの流路面積)が、セカンダリ通路150の最大流路面積(当実施形態では下流端150bの流路面積)よりも大きく設定されていること、すなわち、セカンダリ通路150の流路面積が小さく抑えられていることで、セカンダリ通路150が接続されるインターミディエイトハウジング4の厚み(回転軸X方向の厚み)を小さくすることができる。そのため、ロータリエンジン1自体の小型化およびインターミディエイトハウジング4を貫通するエキセントリックシャフト6の長さを短くすることができる。
(4)変形例
上記実施形態では、セカンダリ通路150の上流側部分151が、隔壁104dにより各排気ポート110b,120bに個別に連通される独立通路151,152が区画された場合について説明したが、隔壁104dをロータリエンジン1の側面までとして、これら独立通路151,152を省略させてもよい。すなわち、セカンダリ通路150をその上下流方向全体にわたって単一の通路としてもよい。ただし、セカンダリ通路150の上流側部分151を区画する独立通路151,152を設ければ、セカンダリ通路150内での排気干渉をより確実に抑制することができる。
また、上記実施形態では、セカンダリ通路150の下流側部分152の流路面積を、下流側ほど小さくした場合について説明したが、これに限らず、例えば、この流路面積は上下流方向全体にわたって一定としてもよい。
また、プライマリ通路130,140は、下流側部分の流路面積が下流側ほど小さくなるよう構成されていればよく、その具体的形状は上記に限らない。
そして、上記実施形態では、プライマリ通路130,140,150セカンダリ通路150の最小流路面積となる部分がそれぞれ下流端130b,140b,150bである場合について説明したが、これら通路130,140,150は、その最小流路面積となる部分が下流端以外の部分となる形状を有していてもよい。
また、バイパス通路59aの接続部分およびウエストゲートバルブ59の位置は上記に限らない。同様に、EGR通路91の接続部分およびEGRバルブ93の位置は上記に限らない。ただし、これらバルブ59,93をセカンダリ通路150に設ければ、上記のように、排気干渉をより一層抑制することができる。
また、上記実施形態では、セカンダリ通路150とプライマリ通路130,140を、タービンハウジング55よりも上流側において集合させ、この集合部分とタービンハウジング55と連結した場合について説明したが、タービンハウジング55の吸入部54の一部あるいは全部によってセカンダリ通路150とプライマリ通路130,140の下流端部分を構成してもよい。すなわち、吸入部54を3つの通路に区画して、これら通路と各排気ポート10とを接続し、各排気ポート10とタービンハウジング55との間で延びる部分とこれら通路とによって、それぞれセカンダリ通路150とプライマリ通路130,140を構成してもよい。このようにすれば、タービン50により近い位置まで各通路130,140,150を独立した状態とすることができるため、タービン50に流入するまでの部分での排気干渉が生じるのを抑制してタービン50により高い排気エネルギーを供給することができる。特に、上記のように、プライマリ通路130,140からは排気が高速で噴出されるため、これら通路130,140の下流端に近い位置にタービン50を設ければ、排気を高速でタービン50の羽根51aに衝突させることができ過給能力を高めることができる。
また、上記実施形態では、セカンダリ通路150と2つのプライマリ通路130,140路とを全て集合させた場合について説明したが、一方のプライマリ通路とセカンダリ通路とのみを集合させるようにしてもよい。ただし、これら全ての通路130,140,150を集合させれば、各プライマリ通路130,140から噴出される排気によって生成される負圧のいずれをもセカンダリ通路150に作用させることができるため、より確実にセカンダリ通路150内での排気干渉を抑制することができる。
また、上記実施形態では、エンジン本体を2つのロータ収容室を有するロータリエンジンとした場合について説明したが、3つ以上のロータ収容室を有するロータリエンジンに適用してもよい。ここで、ロータ収容室を4つ以上有する場合には、排気ポートが開口する期間が重複しないロータ収容室が存在することになるが、この場合は、排気ポートが開口する期間の一部が互いに重複するロータ収容室の排気ポートを共通の第1排気通路(上記実施形態のセカンダリ通路150に相当)に接続させ、これらロータ収容室の排気ポートが開口する期間と少なくとも一部において開口期間が重複するロータ収容室の排気ポートに第2排気通路(上記実施形態のプライマリ通路130,140に相当)を接続させ、これら第1排気通路と第2排気通路とを集合させればよい。
また、エンジン本体が複数の気筒を有する多気筒のレシプロエンジンに当実施形態に係る装置を適用してもよい。
1 ロータリエンジン(エンジン本体)
2 ロータ
10 排気ポート
31 ロータ収容室(気筒)
50 タービン
54 吸入部(集合部)
59 ウエストゲートバルブ
93 EGRバルブ
130 プライマリ通路(第2排気通路)
140 プライマリ通路(第2排気通路)
150 セカンダリ通路(第1排気通路)
151a 独立通路
151b 独立通路

Claims (6)

  1. 複数の気筒を有するエンジン本体と、当該エンジン本体から排出された排気により駆動されるタービンを含む過給機とを備えたターボ過給機付エンジンの排気装置において、
    上記複数の気筒の各々は、排気行程で開口する第1排気ポートと第2排気ポートとを備え、
    上記排気装置は、
    上記第1排気ポートが開口する期間の一部が重複する少なくとも2つの気筒の各々が備える第1排気ポートに共通に接続された第1排気通路と、
    前記少なくとも2つの気筒の各々が備える第2排気ポートに個別に接続された少なくともつの第2排気通路と、
    上記第1排気通路および上記少なくとも2つの第2排気通路の各下流端と上記タービンとの間に設けられて、上記第1排気通路および上記少なくとも2つの第2排気通路の各々と連通する共通の空間を内側に形成する集合部とを備え、
    上記少なくとも2つの第2排気通路は、上記集合部に対して個別に接続されており、
    上記少なくとも2つの第2排気通路は、それぞれ、その下流側部分の流路面積が下流側ほど小さくなる形状を有し、
    上記第1排気通路は、その上下流方向全体にわたって、流路面積が当該第1排気通路に接続される各第1排気ポートの下流端の流路面積よりも大きくなる形状を有し、
    上記第1排気通路および上記少なくとも2つの第2排気通路の各下流端は、排気が排出される方向において同じ位置にある状態で隣接していることを特徴とするターボ過給機付エンジンの排気装置。
  2. 請求項1に記載のターボ過給機付エンジンの排気装置において、
    上記複数の気筒は、上記第1排気ポートが開口する期間の一部が互いに重複する第1気筒と第2気筒とを含み、
    上記第1排気通路は、上記第1気筒の第1排気ポートと上記第2気筒の第1排気ポートとに共通に接続されており、
    上記少なくとも2つの第2排気通路は
    上記第1気筒の第2排気ポートに接続されている第2排気通路と、
    上記第2気筒の第2排気ポートに接続されている第2排気通路とを含むことを特徴とするターボ過給機付エンジンの排気装置。
  3. 請求項1または2に記載のターボ過給機付エンジンの排気装置において、
    上記第1排気通路の上流側部分の内側空間は、当該第1排気通路に接続される上記各第1排気ポートとそれぞれ個別に連通する独立通路に区画されていることを特徴とするターボ過給機付エンジンの排気装置。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のターボ過給機付エンジンの排気装置において、
    上記第1排気通路に、上記タービンをバイパスするバイパス通路が接続されるとともに、このバイパス通路を開閉するウエストゲートバルブが当該第1排気通路とバイパス通路との接続部分に設けられていることを特徴とするターボ過給機付エンジンの排気装置。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のターボ過給機付エンジンの排気装置において、
    上記エンジン本体に取り付けられた吸気通路に接続されるEGR通路および当該EGR通路を開閉するEGRバルブを有し、当該EGR通路を介して上記エンジン本体から排出された排気の一部を当該エンジン本体の吸気通路の還流させるEGR装置を備え、
    上記EGR通路は、上記第1排気通路に接続されており、上記EGRバルブは当該第1排気通路とEGR通路との接続部分に設けられていることを特徴とするターボ過給機付エンジンの排気装置。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のターボ過給機付エンジンの排気装置において、
    上記少なくとも2つの第2排気通路の各々の最小流路面積は、上記第1排気通路の最小流路面積よりも大きく設定されていることを特徴とするーボ過給機付エンジンの排気装置。
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