JP6191067B2 - 丸編みニット生地からなる学生服 - Google Patents

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Description

本発明は、主として学生服にふさわしい外観品位と優れた風合い、動きやすい着心地を有する生地に関する。
従来の学生服には織物が使われてきた(例えば、特許文献1及び2参照)。その繊維材料はポリエステル、羊毛が主として使用されているが、織物には伸縮性がないので学生服に用いた際に着心地が良くないという課題があった。一方、伸縮性の良いニットによる試みはスナッグ(着用中の摩擦で糸が引き出されループ状になる現象)の発生が防止できないという問題点があった。
特開2002−161453号公報 特開2009−235655号公報
前述したように、従来の織物を用いた学生服の短所として、着用時の着用者の激しい動きに追随し難く、学生にとって着心地が良いとは言えないということが挙げられる。着心地の悪さに対し、学生は上着のボタンを外すあるいはズボンのベルトを緩めるなどの対応を取るが、学生服本来の目的である身だしなみの良さが失われる。この着心地の悪さの主な原因は織物が持つ伸びの無さである。従って、伸びの良い生地を用いた学生服は長年の望みであると言っても過言ではない。
本発明者等は、上記課題の解決を目的として、着心地の良い学生服を丸編みダブルニットで実現するための適切な組織、糸の選択、編み方法、染色加工方法について鋭意研究して本発明に至った。とりわけニットの欠点であるスナッグの発生を極限まで抑制して学生服の酷使に耐えうる抗スナッグ性能を実現したものである。
すなわち、本発明は、ポリエステル長繊維が少なくとも生地の表面に使用された丸編みダブルニット生地を用いることを特徴とする学生服であって、前記丸編みダブルニット生地に含有される糸の少なくとも一部に撚り糸が用いられ、該撚り糸の撚り回数が700〜1200T/mであることと、前記丸編みダブルニット生地の片ニットと両ニットの糸長比が1:1.7〜1:1.9であることを特徴とする学生服である。
前記学生服は、前記丸編みダブルニット生地の組織がモックロディであることを特徴とすることが好ましい。
前記学生服は、前記丸編みダブルニット生地の裏面及び/または中層に制電糸が編み込まれていることを特徴とすることが好ましい。
前記学生服は、前記ポリエステル長繊維が表面微多孔を有することを特徴とすることが好ましい。
前記学生服は、前記丸編みダブルニット生地に濃染加工が施され、黒色に染色されていることを特徴とすることが好ましい。
本発明によれば、適度な伸縮性を有し、且つ抗スナッグ性にも優れた丸編みダブルニット生地が得られ、この生地を用いることによって、従来の織物を用いたものと比較してはるかに着心地の良い学生服が提供される。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の丸編みダブルニット生地は、少なくともその表面にポリエステル長繊維が使用される。該ポリエステル長繊維の種類は、本発明の効果を損なわない範囲であれば特に限定されず、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、4,4’−ジカルボキシジフェニル、5−ナトリウムスルホイソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸;アジピン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸等のジカルボン酸成分と、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等の脂肪族ジオール;ビスフェノールAまたはビスフェノールSのエチレンオキサイド付加物等の芳香族ジオール;シクロヘキサンジメタノール等の脂環族ジオール等のジオール成分を用いて形成された繊維形成性ポリエステルを挙げることができる。なかでも、汎用ポリエステルであるポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートが好ましく用いられる。さらに、本発明の効果を損なわない範囲で、少量の添加剤、蛍光増白剤、安定剤等を含んでいても良い。
また、該ポリエステル長繊維は、表面微多孔を有するものが好ましく用いられる。学生服、例えば詰襟タイプの学生服の色は黒に染められる場合が多いが、ポリエステル長繊維は繊維表面が平滑であり、光が反射してぎらつきが発生するため学生服として深みの有る黒を発色させることは難しい。このぎらつきを抑えるには繊維表面に非常に細かい穴あるいは凹凸を導入し、光りの反射を抑制することが有効である。それゆえに、本発明では、繊維表面に微多孔を有するポリエステル長繊維を使用することが好ましく、該微多孔は生地として染色工程の中で特定の操作により発現させることが可能である。すなわち、繊維を紡糸する際に微粒子状不活性物質を練り込んだポリマー溶融物を使用して製造した糸を用いてニット生地となし、染色工程の前に繊維表面層の該微粒子を除去する方法が好ましい。そのような例としてシリカ(SiO)を繊維内部に0.5〜10wt%含有するポリエステル繊維が開示されている(特公昭59−24233号公報参照)。このような繊維を用いて編み地を作製し、染色前にアルカリを含む熱水中で処理することで繊維表面に微多孔を生じさせることができる。また、微多孔の存在により繊維間の摩擦係数が上昇し、抗スナッグ性がやや向上するという効果もある。
前述したように、学生服の中には深みのある黒色が求められる種類があり、本発明の丸編みダブルニット生地は、濃染加工が施され、黒色に染められることが好ましい。該丸編みダブルニット生地に用いる繊維表面に微多孔を発現させただけでは学生服としての好ましい黒さに達しない可能性があり、更に濃染加工をすることが好ましい。すなわち、繊維の表面微多孔と濃染加工とが相俟って深みの有る黒が達成される。ここで、濃染加工とは生地表面に屈折率の低い物質を塗布することであり、例えばシリコン系、アミノシリコン系、フッ素系などがある。
前記ポリエステル長繊維の形態は、仮撚加工糸、エアー絡合糸、水流絡合糸などの生地に膨らみとソフト感を与えるものが好ましい。中でも仮撚加工糸は生地に適度な伸縮性をもたらすので最も好ましい。
本発明の丸編みダブルニット生地の伸びについては、縦に10〜30%、横に15〜40%の伸び率を有するものが好ましいが、より好ましくは縦に15〜25%、横に20〜30%である。生地の有する適度な伸縮性により、該生地を用いて学生服を作製した際に着心地の良さにつながる。
本発明の丸編みダブルニット生地は、前述した伸縮性と同時に、優れた抗スナッグ性能を有することが好ましく、具体的には、該生地の抗スナッグ性能がJIS L 1058「織物及び編物のスナッグ試験方法」(D−3法)に準ずる60時間の試験で4級以上であることが好ましい。一般に、学生服は通学や学内での授業、行事等の際に着用される正装であると同時に普段着、運動着でもあるため、着用時間が長く耐久性が要求される。その要求性能としては引っ張り強度、破裂強度、磨耗強度、耐ピリング性、抗スナッグ性などが挙げられるが、とりわけ抗スナッグ性が重要である。
同じ学生衣料であっても運動着の抗スナッグ性能は、該D−3法による5時間から15時間の試験で4級以上を達成することで実用に耐え得るとの評価がなされる。しかし、学生服は使用時間がさらに長く着用状況も過酷であるため、該D−3法によるスナッグ評価時間が60時間で4級以上を達成するといった従来にはない高度な規格に合格するものが、学生服に要求される耐久性を満足する点から好ましいことを本発明者らは見出した。
このような高度な抗スナッグ性を実現するために、糸に撚りを掛ける、編み地をコンパクトに作る、布表面の滑りを抑制するなどの対策が挙げられ、そういった複数の要因がバランス良く組み合わさることで前記規格に合格する丸編みダブルニット生地が得られる。以降、優れた抗スナッグ性能に寄与する条件について説明する。
第一に、糸の撚りについて言えば、撚り回数が700〜1200T/mであることが好ましく、より好ましくは800〜1000T/mである。700T/m未満だとスナッグ抑制効果が小さくなるおそれがあり、1200T/mを超えると製編に際して糸が跳ねるため平滑な布になりにくく、それが却ってスナッグを発生する原因となりうるため好ましくない。
第二に、編み地をコンパクトに作りニット生地の編目を密にすることで、突起物との摩擦に際して糸あるいは単繊維が抜け出さないようにできるため抗スナッグ性が向上する。そのためにはループが緩みがちなタックやウエルトのできるだけ少ない編み組織を選択することが好ましい。ニットループにおいても糸長を絞ることが好ましい。ただし、糸長を絞りすぎると風合いが固くなったりダブついたりするので、丸編み機のゲージ及び糸の編み方に応じて適正な範囲の糸長を選択することが好ましい。
ダブルニット生地の組織は多種にわたるが、学生服に求められる要件として、外観がある程度フラットであり且つ品格があること、そして適度の厚みとしなやかさがあること、抗スナッグ性が極めて良好であることが挙げられる。代表的な組織の一つであるスムース(両面スムース、3段両面スムース、4段両面スムース)は品格としなやかさに欠け、抗スナッグ性も良くない。ダブルピッケ、ダブルフェース、モックロディ、モックロイヤルインターロック、ポンチローマ、ローディエといった組織が外観品位と厚み、及び風合いにおいて好ましい生地を提供するが、糸長差が大きい組織(例えば、ダブルピッケ)、タックを含む組織(例えば、ダブルフェース、ポンチローマ、ローディエ)は抗スナッグ性に欠点がある。従って、外観品位、風合い、及びスナッグ共に良好な組織はモックロディ、モックロイヤルインターロックであるが、中でもモックロディが抗スナッグ性に優れている点から好ましい。なお、以上に述べた抗スナッグ性は、一般の試験時間では組織間に大きな差は現れず、試験時間を60時間という大幅に延長した過酷な本発明の試験方法で評価することで初めて見出した知見である。ここで、モックロディとは、例えば「ニットに関する24章 第2版」(昭和51年7月10日、理工新社発行)の173ページに「モックロディー(ピケット)」として組織図が示されている編み組織を指す。
また、モックロディ組織では、片ニット(ダイヤル針、あるいはシリンダー針のいずれか片方のみを利用してループを作ったニット編目)と両ニット(ダイヤル針、シリンダー針の両方を利用してループを作ったニット編目)の糸長比は一般には1:2程度である。該糸長比の場合、通常のスナッグ試験である15時間であれば問題はないが、試験時間を60時間に延長した試験では悪い結果となることを本発明者らは見出した。その原因は両ニットを構成する糸が次第に引き出されるためである。そこで、モックロディ組織における両ニットの糸長をより短くすれば抗スナッグ性は向上する。ただし、両ニットの糸長を短くしすぎても、抗スナッグ性が悪くなるのみならず生地の風合いが硬くなるおそれがあるので好ましくない。従って、この糸長比を好ましくは1:1.7〜1:1.9に、より好ましくは1:1.75〜1:85にすることで抗スナッグ性能がより改善されることを本発明者らは見出した。なお、該糸長比とは生地表面の100ウェール間に占める各糸の長さの比であり、例えば、編み地の100ウェール間に印を付けた後に糸を解き、たるみのないように伸ばした際の印と印の間隔を測定することによって決定できる。
さらに、ループ密度を密にすることがスナッグの防止に有効である。縦方向の密度が18個/cm以上、横方向の密度が15個/cm以上が好ましいが、より一層好ましくは縦方向の密度が20個/cm以上、横方向の密度が16個/cm以上である。
第三に、布表面のすべりが大きいとスナッグは多く発生する点に着目する。したがって、生地の仕上げに使用する柔軟剤、あるいは縫製性向上剤などによりスベリ摩擦係数が下がることは好ましくないので、それらの使用量を必要最低限度に抑制することで抗スナッグ性を維持できる。
本発明の丸編みダブルニット生地において、丸編み機のゲージが生地の風合いに及ぼす影響は大きく、好ましいゲージは26、28、30、32ゲージ、あるいはそれ以上である。より好ましくは28から32ゲージである。丸編み機のゲージが26ゲージ未満では生地が粗く縫製品の仕立て映えにシャープさが出ない。一方、32ゲージを超えると使用できる糸が必然に細くなり薄い生地となって学生服として用いるには一般的でなく、好ましくない。
また、丸編み機のゲージが26から32ゲージにおいて、前記ポリエステル長繊維の好ましい太さは、100〜170デニール(110〜187デシテックス)である。繊維が100デニールより細いとスナッグが悪くなり、170デニールより太いと生地が分厚くなりシルエットが出ないため好ましくない。編み組織、編み機のゲージと使用糸の太さは特にスナッグに影響するところが大きいので注意深く選定されるべきである。
他に、学生服には黒系の色を用いることが多く、そのような色の場合には付着した埃が目立つという課題があり、帯電防止による埃の付きやすさを防ぐ対策が望まれる。そのため、本発明の丸編みダブルニット生地は、裏面及び/または中層に制電糸が編み込まれていることが好ましい。具体的には、制電糸を裏面及び/または中層に、丸編みの縦方向に1cmあたり1本から2cmあたり1本の比率で編み込むことが有効である。使用すべき制電糸としては、例えばカーボンなどの導電物質をポリエステル長繊維に練り込んだ20デシテックス前後の細い糸の周囲に通常のポリエステル長繊維を1本乃至数本、撚糸あるいはカバリング方式で配した複合糸が、帯電防止、編み易さ、コスト面等々で有利である。これにより、帯電防止性能としては摩擦帯電圧で1000ボルト程度あるいはそれ以下が達成される。
以下に本発明について実施例等を示すが、本発明はそれによりなんら限定されない。また、各実施例に共通する標準的な加工処方、試験方法、及び得られた生地の伸縮性、抗スナッグ性、黒さ、埃の付き難さの評価方法について説明する。
[試料の調製・加工]
実施例、比較例で使用した主たるポリエステル長繊維は、シリカが2.5wt%繊維断面に対し均一にブレンドされている165デシテックス48フィラメント(株式会社クラレ製「SN2000」(登録商標))の仮撚加工糸(以下、糸Aと呼ぶ)を使用した。また、ポリエステルからなるセミダル110デシテックス24フィラメントの仮撚加工糸(以下糸Bと呼ぶ)、及び、制電糸として、導電性カーボンを練り込んだポリエステルからなる22デシテックス4フィラメントの延伸糸(株式会社クラレ製「クラカーボ」(登録商標))と、ポリエステルからなるセミダル110デシテックス24フィラメントの延伸糸とを、撚糸回数500T/mで撚り合わせた糸(以下、制電糸Cと呼ぶ)を使用した。糸Aに関しては600T/m、800T/m、1000T/mの撚りをZ方向に掛けたものを準備した。
前記ポリエステル長繊維(糸A)の表面微多孔を発現させるために、カセイソーダ40g/Lの水溶液の入った液流染色機の水中で、浴比1:15(布重量1に対し水溶液の重量が15であることを示す)に調整し、95〜98℃で、15分間処理して減量加工をおこなった。これにより編み地の表面を構成する繊維の減量率は約4%となり、結果として繊維表面に微多孔が生じた。加工時間を長く取れば取るほど減量が進行することは言うまでもないが進行しすぎると孔の深さが深くなって生地の摩擦によって摩滅が発生して筋状になり外観欠点となるので好ましくない。
本実施例では、丸編みダブルニット生地を黒色の分散染料により染色した。その方法は、染料としてKIWARON POLYESTER Black KG−SE liq.(紀和化学工業株式会社製)を10%、分散均染剤としてニッカサンソルトRM−340(日華化学株式会社製)を1g/L用いて浴に添加し、浴比1:12として、浴のpH調整のために酢酸を1g/L添加し、40℃から90℃まで毎分2℃の速度で温度を上げ、90℃から135℃までは毎分1℃の速度で昇温し、135℃で40分間保持した。液流染色機内の生地の走行速度は毎分200mとした。染色完了後、還元洗浄を80℃で20分間おこない、該生地の繊維表面に付着した余分の染料を除去した。
生地の濃染加工は、オルガノシロキサンを主成分とする濃染加工剤を30g/L含む水溶液に生地を潜らせ、マングルで絞り率55%(乾燥布重量100に対し付与された水溶液の重量が55であることを意味する)に絞ることで行った。
比較対象として、市場で流布している織物からなる黒色の詰襟学生服を選んだ。該詰襟学生服の織物の組織は3/2の綾織で縦糸がウール72番双糸、横糸がポリエステル延伸糸84デシテックス24フィラメントを2本撚糸した糸からなる。
[生地の伸縮性の評価]
生地の伸縮性の評価は、JIS L 1096「織物及び編物の生地試験方法」における伸び率B法(定荷重法)により、生地の縦方向、及び横方向の伸長率をそれぞれ測定した。
[生地の抗スナッグ性の評価]
生地の抗スナッグ性の評価は、JIS L 1058「織物及び編物のスナッグ試験方法」におけるD−3の方法を準用し試験時間を60時間とした。同一試料3点測定し、1級から0.5級刻みで最も良いものを5級として判定し、3点の平均値を求めた。
[生地の黒さの評価]
生地の黒さの評価は、色差計CM−3500d(コニカミノルタ株式会社製)を用いて明度Lを測定した。
[生地の埃の付き難さの評価]
生地の埃の付き難さの評価は、布試料(大きさ15cm×30cm)を長さ方向に両手で保持し、羊毛100%のスラックスを着用した試験者が自らの膝に該布試料を約20cmのストロークで10往復擦りつけた直後に、ガラスシャーレの中に入れたタバコの燃えカスの上方にシャーレを覆うようにかぶせ、シャーレの縁に接する時に静電気で燃えカスが該布試料に付着する程度を調べることにより評価した。評価は以下の5段階とした。
5級:布試料に殆ど燃えカスが付かない
4級:布試料に僅かに燃えカスが付く
3級:布試料にある程度燃えカスが付く
2級:布試料にかなり多く燃えカスが付く
1級:布試料に非常に多く燃えカスが付く
試験は初期状態、及びドライクリーニング(石油系;JIS L 1018におけるE−1の方法を準用)10回後の状態とで行い、1つの試料についてそれぞれの状態で2回ずつ測定し、平均値を取って評価した。
[実施例1及び2、比較例1及び2
本発明の丸編みダブルニット生地として、28ゲージ30インチのダブルニット機を用いモックロディ組織を編んだ。両ニットと生地表面を構成する片ニットに糸A、裏面を構成する片ニットに糸Bと制電糸Cを用いた。ただし、制電糸Cは編み地の長さ方向1cmに1本現れるように使用した。片ニットと両ニットの糸長比を1:1.8とした。なお、該生地として、糸Aには600T/m撚り、800T/m撚り、1000T/m撚りをそれぞれ使用して3種類の編み地を作った(それぞれ比較例2、実施例1及び2とする)。得られた3種類の編み地は次の手順で染色仕上げ加工をおこなった。(1)開反、(2)プレセット175℃で45秒、(3)減量加工により糸A に関して4%減量、(4)湯洗い、続けて中和後最高温度135℃で40分かけて黒に染色した後、還元洗浄を実施、(5)乾燥後、濃染加工、乾燥の後、155℃で60秒仕上げセットを実施した。
以上3種類の生地のL値、及び抗スナッグ性の評価結果を、前記比較対照の市販の詰襟学生服に用いられる織物(比較例1とする)の結果と共に表1に示す。丸編みダブルニット生地の中では、撚り回数が800T/m程度のもので抗スナッグ性が良好である。また、表面微多孔を有する繊維を用い濃染加工をしたことで、市販の織物と同程度の深い黒が実現された。
[実施例3〜5、比較例3〜5
実施例の糸Aの撚り回数800T/mを使用し、且つその他の糸は実施例1及び2、比較例2と同様とし、片ニットと両ニットの糸長比を、1:1.5、1:1.6、1:1.7、1:1.8、1:1.9、1:2.0としたモックロディ組織の編み地(それぞれ実施例3〜5、比較例3〜5とする)を作成し、実施例と同様に染め仕上げをおこない生地とした(実施例は実施例と同一の生地)。これらの抗スナッグ性能は表2の如くであった。糸長比1:1.7〜1:1.9において、より優れた抗スナッグ性が得られた。
[実施例及び、比較例1]
制電糸を使用しないニット生地として、撚糸回数800T/mの糸Aを両ニットと生地表面を構成する片ニットに使用し、裏面を構成する片ニットには制電糸を使用しないで代わりに糸Bのみを使用した編み地(実施例とする)を作成し、実施例と同様に染め仕上げをおこなった。ただし濃染加工の際に帯電防止加工剤を適量添加した。該制電糸を使用しないニット生地(実施例)、片ニットに制電糸Cを使用したニット生地(実施例)、及び市販の織物からなる詰襟学生服(比較例1)を対象として、埃の付き難さを試験した結果が表3である。初期状態とドライクリーニング(石油系)10回後の状態とで評価した。表に示されるように、制電糸の使用が埃付着防止に非常に有効であることが明らかである。
本発明の学生服は、前記丸編みダブルニット生地を用いて作製されるが、その製造方法は本発明の効果を損なわないものであれば特に限定されず、公知の方法を用いることができる。また、該生地は、詰襟タイプをはじめとして、ブレザー、セーラー服、スラックスズボン、スカート等の各形態、あるいは黒色系、紺色系、青色系、緑色系、茶色系、臙脂色系、赤色系、灰色系、白色系等の各色といった学生服のバリエーションに限定されることなく、学生が制服として使用する様々な種類の学生服に好適に用いることができる。

Claims (5)

  1. ポリエステル長繊維が少なくとも生地の表面に使用された丸編みダブルニット生地を用いることを特徴とする学生服であって、前記丸編みダブルニット生地に含有される糸の少なくとも一部に撚り糸が用いられ、該撚り糸の撚り回数が700〜1200T/mであることと、前記丸編みダブルニット生地の片ニットと両ニットの糸長比が1:1.7〜1:1.9であることを特徴とする学生服
  2. 前記丸編みダブルニット生地の組織がモックロディであることを特徴とする請求項1に記載の学生服。
  3. 前記丸編みダブルニット生地の裏面及び/または中層に制電糸が編み込まれていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の学生服。
  4. 前記ポリエステル長繊維が表面微多孔を有することを特徴とする、請求項1からのいずれか1項に記載の学生服。
  5. 前記丸編みダブルニット生地に濃染加工が施され、黒色に染色されていることを特徴とする、請求項1からのいずれか1項に記載の学生服。
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