JP6796049B2 - ビジネスシャツ用編地及びビジネスシャツ - Google Patents

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本発明は、ハリ、コシがありながら、ストレッチ(伸縮)性、通気性、及び透け防止、並びに帯電防止性に優れたビジネスシャツ用編地に関するものである。
従来のワイシャツ、ドレスシャツ、オフィスシャツ、ユニフォームシャツ、襟付きカジュアルシャツ、ブラウス等のように、主にオフィスや工場現場等の仕事場で着用されるシャツは、糸を経方向に真っ直ぐに配列させたものに、緯糸を経糸に直交させて織り上げる織物が用いられている。この理由として、織物は、織目が緻密で、ハリがあり、かつ、コシが強いことから、シルエット性に優れていることが挙げられる。しかし、経糸と緯糸が緻密に交差して互いに強く拘束しているために通気性が悪く、柔軟性・伸縮性に劣ることが着用時の快適性を阻害する要因になっている。例えば、夏場の通勤途中や外勤、更にはハードな動きを伴う動作を行ったとき等では、発汗した汗が容易に外部に放散されず蒸れたりべたついたりしやすくなったり、また柔軟性がないため、織物が肌に張り付きやすくなって快適性が劣りやすいという問題がある。
かかる問題を解決するために、本出願人は、ビジネスシャツ用の布帛を編地で作ることを試みて、紡績糸とフィラメントとの交編編地であり、タテ及びヨコ方向の目付当りの曲げ剛性(B/M)が1.7×10−4以上、伸長率(EMT)が10%以上、曲げ戻り性(2HB)が0.060gf・cm/cm以下であるビジネスシャツ用編地を提案した(特許文献1参照)。この方法では、適度なハリ、コシがあり、吸水速乾性、肌離れ性に優れたビジネスシャツ用編地を提供することができるが、毛羽の全くないフィラメントと、表面毛羽が多い紡績糸を交編する必要があり、またタックを多用したりして、編地表面の凹凸感のある目面になりやすかった。
引き続き本発明者らは、かかる問題を克服するために鋭意検討して、目付が80〜180g/mであり、コース密度が40〜100個/2.54cmであるシングル丸編地からなり、丸編地がヨコボーダー柄を有し、繊度50〜180dtexの糸条を用いたウエルト天竺組織が全体面積の50%以上を構成し、タテ方向の伸長率(EMT)が15〜40%、ヨコ方向の伸長率(EMT)が10〜25%であることを特徴とするビジネスシャツ用編地を提案した(特許文献2)。この編地は、編物でありながら伸びすぎず、ビジネスシャツとして適度な伸度と柔らかさ、通気性、形態安定性を兼ね備えており非常に好評であったが、更にハリコシが高く意匠性の高いビジネスシャツ地が求められてきた。
一方、ポリエステル繊維からなる衣料品は、静電気が起きやすく、着用時或いは着用中に物に触れたときに静電気が瞬時に放電すると不快であるし、着用中に人体が帯電することは健康上好ましくはない。また、ガソリンスタンドや有機溶剤を使う作業場で着用されるシャツには防爆性のため静電気が溜まり難いものが要望されている。例えば、丸編地を使った学生服の例として、着心地が良くて耐久性に優れることを目的に、撚糸したポリエステル長繊維を用いて編成された高度な抗スナッグ性能を特徴とする丸編みダブルニットが提案されているが、この中で制電糸を使ってほこり付着や帯電防止性を改善することが記載されている。しかし、学生服は、黒又は紺色が主体であり、またダブルニットの内側に着色した制電糸を用いるため、もともと黒く着色している制電糸は目立たないが、シャツ等の薄地の生地では、着色した制電糸は目立つので審美性が悪化する問題があった。
特開2001−303403号公報 特許第5994036号公報
本発明は、上記のような従来技術の問題に鑑みてなされたものであり、ビジネスシャツとして必要とされるハリコシと柔らかさ、通気性、保形性を兼ね備えたビジネスシャツ用編地及びそれを使用したビジネスシャツを提供することにある。また、静電気が発生しないように編地中に制電糸を編み込みながら、その制電糸が目立たないものを提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するための薄いビジネスシャツ用編地について鋭意検討した結果、白色金属酸化物を0.6〜5.0重量%含むポリエステル繊維糸条を25重量%以上含み、さらに単糸繊度が太いポリエステルフィラメントを混用された編物により、太繊度糸が表面の見え方に影響されず、編地の持つ柔軟性を保持しながらも、高い保形性と適度なハリ、コシを持ったビジネスシャツ用編地を提供することができることを見出した。また、太繊度糸に制電糸を用いた場合も着色した制電糸が表面から目立たないことをも見出し、本発明の完成に至った。
即ち、本発明は、以下の(1)〜()の構成を有するものである。
(1)ポリエステル繊維を75重量%以上含むビジネスシャツ用編地において、白色金属酸化物を0.6〜5.0重量%含むポリエステル繊維を25〜97重量%含み、かつ単糸繊度が3〜17dtexの生糸のポリエステルフィラメントを3〜25重量%含むこと、並びにタテ方向及びヨコ方向の平均値として曲げ剛性B値及び曲げ戻り性(2HB)がそれぞれ0.017〜0.060gf・cm/cm、0.001〜0.045gf・cm/cmであることを特徴とするビジネスシャツ用編地。
)コース密度が40〜100個/2.54cm、ウェール密度が30〜80個/2.54cmのシングル丸編からなり、ニットループ数に対するウエルト数の比率を0.2〜1.1とした柄組織からなる丸編地であることを特徴とする(1)に記載のビジネスシャツ用編地。
)裏のコース密度が40〜100個/2.54cm、ウェール密度が30〜80個/2.54cmのダブル丸編からなり、ニットループ数に対するウエルト数の比率を0.2〜1.1とした柄組織からなることを特徴とする(1)に記載のビジネスシャツ用編地。
)(1)〜()のいずれかに記載のビジネスシャツ用編地を身頃に使用していることを特徴とするビジネスシャツ。
本発明によれば、ビジネスシャツとして重要なタテ方向の保形性と優れた透け防止性、及び編柄の審美性を有しながら、織物には無い柔軟性、高通気性を有するビジネスシャツ用編地を提供することができる。また、帯電し易いポリエステル繊維でできた編地であっても、審美性を悪くせずに洗濯耐久性のある制電性を付与することができる。
図1は、編物の表組織、裏組織におけるニット、タック、ウエルト数え方の説明に使用する図である。 図2は、実施例1で使用したストライプの編組織図を示す。 図3は、実施例2で使用したウエルト天竺ボーダーの編組織図を示す。 図4は、実施例3で使用したビザルノカノコの編組織図を示す。 図5は、実施例4で使用したピンヘッドの編組織図を示す。 図6は、実施例5で使用したブライトスクエアの編組織図を示す。 図7は、比較例1で使用した天竺の編組織図を示す。 図8は、比較例2で使用したインターロックの編組織図を示す。
従来から、編地は、通気性が良く柔軟性が高いことに特徴があり、特に丸編地は、経緯の伸度が大き過ぎて着用したときのシルエットが綺麗にならず、保形性が低くなり易い性質がある。本発明者は、ビジネスシャツに用いる柄物の編地において、経緯の伸長率、特にタテ方向の伸長率を特定の範囲に調整できる特定の編構造を採用することによってビジネスシャツのシルエットや保形性、着用快適性を満足するビジネスシャツに好適な編地を見出している。ここでいうビジネスシャツとは、一般のビジネスシーンでも違和感のないシャツであり、例えば会社間の面談においても失礼のないレベルに許容される装いのシャツをいう。シャツの形態としては、例えば衿や前立てがある仕様のものが含まれる。
編地では、身体を大きく動かしたときの皮膚の伸縮性や関節の曲げ伸ばしに追随することが着用快適性に大きく影響する。従来から編地が好んで用いられるポロシャツやスポーツシャツでは、経緯の伸度が高いと身体の動きに追随しやすく快適になる。しかし、織物が従来使われているビジネスシャツでは、逆に経緯の伸度、特にタテ方向の伸度を少なくすることが、ドレスシャツのハリ、コシ感、シルエット、保形性を得るために重要である。本発明者は、タテ方向及びヨコ方向の曲げ剛性(B)を高めて、曲げ戻り性(2HB)を低下させることで、ビジネスシャツに好適なハリ感とシルエット、保形性が得られることを見出した。
本発明の編地は、ポリエステル繊維が主体として用いられる。ポリエステル繊維の混率は少なくとも75重量%含まれていればよい。ポリエステル繊維が75重量%以上であると速乾性、肌離れ性に優れた編地になる。ポリエステル繊維の好ましい形態としては、フィラメント、又は少なくともフィラメントを含んだ複合糸を用いることが好ましい。ポリエステルフィラメントを用いることで、編地の柔軟性と保形性をより向上させることができる。ポリエステルフィラメントには、フラットヤーン(生糸)や、仮撚加工糸、エアー交絡糸等の糸加工された糸を用いることができる。編地の風合いの柔らかさや透け防止の観点から仮撚加工糸がより好ましい。ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系繊維、ポリ乳酸繊維等の生分解性繊維を用いることができ、これらを混用しても構わない。製造コストが低く、染色性、物性が強い点でポリエチレンテレフタレート繊維が好ましい。本発明の編地を構成しうるポリエステル繊維以外の繊維としては、特に限定されないが、例えば、綿、麻、毛、絹等の天然繊維;レーヨン、ポリノジック、キュプラ、レヨセル(例えば、「テンセル(登録商標)」)等の再生繊維(溶剤紡糸繊維も含む);アセテート繊維、トリアセテート繊維等の半合成繊維;ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド繊維;ポリアクリロニトリル繊維、ポリアクリロニトリル−塩化ビニル共重合体繊維等のアクリル繊維;ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維等のポリオレフィン繊維;ビニロン繊維、ポリビニルアルコール繊維等のポリビニルアルコール系繊維;ポリ塩化ビニル繊維、ビニリデン繊維、ポリクラール繊維等のポリ塩化ビニル系繊維;ポリウレタン繊維等の合成繊維;ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド等のポリエーテル系繊維;等を挙げることができる。尚、本発明の編地の糸条を構成する単繊維の断面形状は、限定されるものではなく、丸形、三角形、八葉形、扁平形、Y字形などに代表される様々な異形断面糸を使用したり、カチオン染料可染等の各種官能基を持った共重合成分を含んだり、機能材を練り込んでも構わない。
編ループを形成するポリエステル繊維の繊度は、好ましくは20〜180dtex、より好ましくは50〜120dtexである。上記範囲内で繊度の違う糸同士を交編しても構わない。また、細い糸を合わせたり、引き揃えて編み込むことでこの繊度にしてもよい。編ループを作る糸条の繊維繊度が上述の範囲より細い場合は、編地の透け感が大きくなるとともに、ハリ、コシが弱くなり、上述の範囲より太い場合は、厚ぼったい編地となり、いずれの場合もビジネスシャツとして望ましくないものになりうる。
本発明の編地では、保形性やハリ、コシをより高めるために、前述の方策に加えて、単糸繊度が3〜17dtexの太いフィラメントを混用する。より好ましくは5〜12dtexである。更に好ましくは5〜10dtexである。単糸繊度が上記範囲より太いと繊維が切れたときに生地表面に飛び出した毛羽が硬くて肌を傷つけやすくなる。単糸繊度が上記範囲未満であるとハリ、コシを向上させる効果が低くなる。混用の手段としては、他の糸と別の給糸にて交編してもよいし、他の糸と引き揃えて一緒に編こんでもよい。また、他の糸と混繊、混紡して複合糸にして編み込んでもよい。上述の太いフィラメントは、3〜25重量%の割合で編地に混用することが好ましい。この太い繊維は、非常に曲げ硬いので25重量%を超えると、風合いが硬くなりすぎてゴアゴア感が出て不快になりやすくなる。3重量%未満では、ハリコシを高める効果が少なくなる。この単繊維繊度が太い繊維は、生糸を用いるのが好ましい。この長繊維の総繊度は、30〜120dtexであることが好ましい。より好ましくは30〜115dtexである。更に好ましくは20〜85dtexである。上記範囲未満では、ハリ、コシを高める効果が少なく、上記範囲を超えると、風合いが硬くなりすぎるおそれがある。このフィラメントは、好ましくは生糸である。生糸を用いることにより、織物に近いハリコシに高められるとともに、編地の伸度を抑えて、織物の手持ち感に近づけることができる。
本発明の編地のポリエステル繊維には、酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸亜鉛、酸化マグネシウム、硫酸バリウム等の白色金属酸化物を0.6〜5.0重量%含んだフルダルのポリエステル繊維を用いることが好ましい。本発明の編地は、薄地であり、透け感を防止するために有効である。このフルダル糸の混用率は25〜97重量%が好ましい。より好ましくは30〜90重量%である。混用率が少ないと、透け感が強まって下着や肌が見えやすくなり見栄えが悪くなる。本発明の編地は、柄物が主体となるので、柄部を異色染めにしたり、柄部及び又は地部に白色金属酸化物の含有量が低い繊維や異形繊維を使用して、光沢感や透け感の違いで柄部を形成することができる。このため使用する柄に応じて上記混用率の範囲内で適宜フルダル糸を使用することが好ましい。
本発明の編地では、主たる糸条に仮撚糸又は撚糸を用いる場合に、シングルニット編地では仮撚方向としてS撚とZ撚の両方を用いることが好ましい。SZ糸を交編してもよいし、SZ糸を合撚したり引き揃えて編み込んでもよい。S,Z撚糸を混用することでW&W性や保形性がより向上する。また、本発明は、薄地高密度の編地を意図しているため、染色加工中に斜行が起こり易くなるが、主たる糸条をSZ交編で用いることで斜行を軽減する利点もある。
本発明の編地では、白色金属酸化物を0.6〜5.0重量%含んだポリエステル繊維以外で編地に用いる糸については、例えば白色金属酸化物の含有量が0.5重量%以下のブライト又はセミダルと言われるポリエステル繊維であったり、カチオン染料可染性ポリエステル繊維を用いることが好ましいが、地部又は柄部に白色金属酸化物を0.6〜5.0重量%含んだフルダル糸を用いて、その反対の柄部又は地部にカチオン染料可染性ポリエステル繊維を用いると,編立て後の染色加工で柄部又は地部を先染め調の異色染めにして、柄を強調したり、柄を作ることができる。また、上記の反対の柄部又は地部に白色金属酸化物の含有量が0.5重量%以下のポリエステルフィラメントを用いると、編地を単一色で染めても、或いは染めなくても、それぞれの糸で光沢や光の透過性が違うために、柄を綺麗に浮き立たせることができる。但し、この場合は、透け感が強くならないために白色金属酸化物の含有量が0.5重量%以下のポリエステルフィラメントは、1〜70重量%の範囲で用いるのが好ましい。より好ましくは10〜40重量%である。
本発明の編地では、前述した単糸繊度が太いフィラメントの少なくとも一部に制電糸を用いることが好ましい。この制電糸としては、カーボンや金属粒子等の導電素材を練り込んだ繊維や金属を蒸着やスパッタリング、化学メッキ等の手段で表面に付着させて導電性を向上させたものが挙げられる。特に、導電素材として白色系金属化合物を使用したものや、白色金属酸化物を繊維に練り込むことでカーボンの黒色を軽減した繊維は、繊維の明度が高く、より目立ちにくいため好ましい。白色金属酸化物を繊維に練り込んだものの場合、白色金属酸化物は繊維中に3〜10重量%含むことが好ましい。また、白色系金属化合物の例としては、酸化アンチモンドープ酸化錫や酸化亜鉛粒子の表面を導電処理したもの、酸化錫で被覆したルチル型酸化チタン等が挙げられる。
本発明の編地では、制電糸として、抵抗値が1011Ω/cm以下であり、かつ単糸繊度が太いフィラメントを編地に混用するのがよい。抵抗値は、好ましくは10〜1011Ω/cm、より好ましくは10〜10Ω/cmである。抵抗値が上記範囲を越えると、求める制電性が得られにくくなり、上記範囲より低いものは、非常に高価であったり一般衣料品への使用には制限があるので使い難い。
この制電糸を編地に用いる方法としては、白色金属酸化物を0.6〜5.0重量%含んだポリエステル繊維以外の繊維と引き揃えたり、隣接して交編したり、或いは混繊、混紡、又は交撚して複合糸として用いるのがよい。本来、制電糸は、若干なりとも黒く着色していたり、金属色を持つものであり、かつ単糸繊度が太いフィラメントがシャツ中に交編すると目立つものであるが、白色金属酸化物を0.6〜5.0重量%含んだポリエステル繊維以外の繊維と引き揃えたり、隣接して交編したり、或いは混繊、混紡、又は交撚して複合糸として用いることで、着色した制電糸の存在を目立たなくすることができる。これは、白色金属酸化物を0.6〜5.0重量%含んだポリエステル繊維がより白く隠蔽力があるため、白色金属酸化物の含有量が少ない繊維の透明感が増して暗く見えるため、その部分に着色した制電糸を含んでいても気づきにくくなるためである。
織物のビジネスシャツ地では、織柄物が多用されており、本発明の編地でもダブル編機を使って織柄を再現することができるが、このとき前述のタテ方向及びヨコ方向の伸長率を実現するために、編地を構成する基本組織において全ニットループ数と全ウエルト数の比率を調整するのがよい。例えばシングルニットでもダブルニットにおいても、全ニットループ数に対する全ウエルト数の比率は、好ましくは0.2〜1.1、より好ましくは0.3〜1.0であり、更に好ましくは0.4〜1.0である。編地基本組織においてニットループに対してウエルトを特定の割合で構成することで、伸縮性を抑えてビジネスシャツに適度なハリ、コシを発現することが可能である。更には組織におけるニットループ及びウエルトの使い方としては、ニットとウエルトが交互に繋がったニット−ウエルト単位構造を一定割合以上含めることがよい。
ニット−ウエルト単位構造とは、編地の片面でニットループとウエルトが隣り合った構造をいう。例えば、図1のaの編組織図では、(1)と(2)のニット−ウエルト、又は(2)と(3)のウエルト−ニットの一対をニット−ウエルト構造という。図1のaでは、糸が片面のダイヤル針のみで編成されており、ニット−ウエルト構造が(1)(2)、(3)(4)、(5)(6)の3対(6個)連なっている。なお、組織図において、ダブルニット編機の片面のみで編まれており、もう片面の針は全く使われていない場合、編まれていない方の針数は数えないものとする。すなわち、図1のaでは、シリンダー針はないものとして計算する。また、両面出会いの場合は編んだ針の相対する針は使えないので数えないものとする。図1のbは、ダブルニットの組織図の例である。これは、編糸が表裏両面にループを形成する組織であるが、(1),(2),(3),(5)及び(6)がニットループである。(4)がウエルト、(7)がタックである。図1のbは、ニットループが5個、ウエルトが1個、タックが1個の合計7個のループとウエルトからなる。この組織には、ニット−ウエルト構造(3),(4)の一対(ループ数2個と数える)が含まれる。糸がシリンダーからダイヤル、又はダイヤル側からシリンダー側に移動する領域における針に糸が掛かっていないシリンダー針とダイヤル針は数えない。例えば図1のbにおける(2)と(3)の間にある一つのダイヤル針と一つのシリンダー針は数えない。編機のシリンダー側(図で上側の針)を編地の裏面とする場合、裏面のニットループに対するウエルトの比率は1:3(0.25)となる。
編構造において、ニット−ウエルト構造の比率を高めると、編地の伸度を低下させて、ビジネスシャツに必要な保形性やハリコシを編地に与えることができる。但し、本発明の編地は、編柄を多用するため、表面にニット−ウエルト構造を多用すると柄の形成が困難になりそうな場合は、ダブルニットにして、裏組織にニット−ウエルト構造を一定割合以上含めることでも本発明の効果を達成することができる。本発明の編地では、全編組織に対するニット−ウエルト単位構造の占める比率が0.25〜1.0であることが好ましい。但しダブルニットの場合は裏面の編組織に対して、裏組織に含まれるニット−ウエルト単位構造が上記の範囲であればよい。好ましくはこの比率が0.35〜1.0であり、より好ましくは0.4〜1.0、さらに好ましくは0.5〜1.0である。裏組織においてニット−ウエルト構造の比率が上記範囲を下回ると、編地の伸度が高まり保形性やハリコシが得られにくくなり易い。
本発明の編地は、できる限りニットループとウエルトで組織を作ることが好ましく、メッシュ部を作ったり、表裏の接結する以外ではできるだけタックループを組織に含めないことが好ましい。タックループの比率は、組織全体に対して0.2以下の比率にすることが好ましい。より好ましくは0.1以下である。更に好ましくは、基本組織(完全組織)にタックループを含まないことが好ましい。タックループが入ると、組織が緻密になりにくく、伸びやすくなる傾向があるためである。
本発明の編地の編組織としては、例えば、ストライプ柄、ボーダー柄、チェック柄、千鳥柄、ダイヤ柄、ドット、その他の模様にすることができる。実際の柄を形成する際にニットループとウエルトを上記比率にしたうえで、目的の柄を形成する例として、組織図でニット−ウエルトの編構造とウエルト比率を示す。図2にストライプ(ウエルト/ニットループ比率=1.0)、図3にヨコボーダー(ウエルト/ニットループ比率=1.0)、図4にビザルノカノコ(ウエルト/ニットループ比率=0.8)、図5にピンヘッド柄(ウエルト/ニットループ比率=0.5(裏面のみ0.5)、図6にブライトスクエア柄(裏面のウエルト/ニットループ比率=0.29(裏面のみ0.5)を示す。尚、図1にニット組織におけるニット、タック、ウエルトの数え方を示す。
ビジネスシャツには薄地織物が好ましく使用されてきたこともあり、本発明の編地もビジネスシャツとして使用するために軽くて薄いものが要求される。本発明の編地の目付は、80〜180g/mが好ましく、より好ましくは90〜160g/m、さらに好ましくは95〜155g/mである。目付が上記範囲を超えると、厚み寸法が大きくなりすぎて厚ぼったくなり、ビジネスシャツの要件である薄さおよび軽さを達成することができない可能性がある。また、目付が上記範囲未満であると、ハリ、コシが弱くなり、ビジネスシャツとしての適正なシルエットを生み出すことができない可能性がある。本発明の編地の厚みは、0.2〜0.8mmとするのが好ましい。より好ましくは0.3〜0.6mmであり、さらに好ましくは0.3〜0.5mmである。上記範囲より薄い編地では、透け感が強くなりすぎる傾向になり、上記範囲を外れると、肉感が付き過ぎてカジュアルシャツの外観や着用感になりやすく、ビジネスシャツに使い難くなる。
本発明の編地の密度は、コース密度が好ましくは40〜100個/2.54cmが好ましく、より好ましくは41〜75個/2.54cmである。ウェール密度が好ましくは30〜80個/2.54cmが好ましく、35〜75個/2.54cmがより好ましい。尚、密度のコース/ウエール比率としては、0.5〜2.0にするのがよく、より好ましくは0.75〜1.8である。上記範囲を超えると、生地の折れ曲がりやすさに方向性がでやすくなったり、カールしやすくなったりしやすい。
本発明の編地を染色加工する場合、一般的なポリエステルフィラメント編地の加工方法で行えばよいが、タテ方向の伸度を抑えて、タテヨコ伸度バランスを調整するために、ヨコ方向に比べてタテ方向は若干引っ張り気味にして、編地ニットループを縦長にするように仕上げるのが好ましい。また、本発明の編地には、所定の吸水加工や各種の機能加工を施してもよい。このような特化加工を施された編地を使用すると、吸水速乾性や快適性が一層改善されたビジネスシャツを得ることができる。また、仕上げ加工でアクリル樹脂やウレタン樹脂、メラミン樹脂等の硬仕上加工を行うことでハリ、コシをより高めることもできる。
本発明の編地の力学特性(曲げ剛性B値及び曲げ戻り性(2HB))は、KES(Kawabata’s Evaluation System for Fabrics)に従ったものである。本発明の編地は、ハリ、コシがあることが特徴であるが、その代用メジャーとしてKES−FB2で測定することができる。本発明の編地は、タテ方向及びヨコ方向の平均値として曲げ剛性B値が0.017〜0.060gf・cm/cmである。この範囲であると、編物でありながら織物に近いハリ感を得られやすくなる。また、本発明の編地は、曲げ戻り性(2HB)が0.001〜0.045gf・cm/cmである。この範囲であると、織物に近いコシ感になりやすい。
タテ方向及びヨコ方向の平均値としての曲げ剛性(B値)が0.060gf・cm/cmを越えると、シャツとしては風合いが硬すぎて着心地が悪くなり易い。また、0.017未満になると、張りおよび腰が弱く、またビジネスシャツのシルエット性が低下する傾向にある。好ましくは、この曲げ剛性B値は0.018〜0.050gf・cm/cmであり、更に好ましくは0.018〜0.040gf・cm/cmである。
また、タテ方向及びヨコ方向の曲げ戻り性(2HB)が0.001未満になると編地にコシが低下して柔らかくなり過ぎる傾向があり、0.060gf・cm/cmを越えてもビジネスシャツのシルエット性が低下しやすい傾向がある。好ましくは、この曲げ戻り性(2HB)は0.02〜0.050gf・cm/cm以下である。
本発明の編地の伸長率(EMT)は、KES−FB1で測定される。伸長率(EMT)の測定は、20cm×20cmの試料を間隔5cmのチャックに把持し、4.00×10−3/secの歪み速度で最大荷重250gf/cmまで引っ張って行なう。本発明の編地は、比較的伸度が低く、ビジネスシャツに最適である。縦方向の伸長率(EMT)は3〜25%、横方向の伸長率(EMT)は8〜40%と適正な値を示す。EMTの縦横の平均値は、好ましくは7〜25%である。
本発明の編地は、洗濯20回後の帯電電荷量が6.5μC以下であり、好ましくは5.0μC以下である。本発明の編地のこの低い帯電電荷量は、太繊度糸に制電糸を用いることによって得られ、これにより本発明の編地は、制電糸を目立たせずに、人体に感じる静電気が起こりにくい。
本発明の編地は、透け感を抑えながらも50cc/cm・sec以上、さらには65cc/cm・sec以上の通気性を達成することができる。この数値は、従来のビジネスシャツに使用されている一般的にいうブロード織物の通気性が20cc/cm・sec程度であることを考えると、高い値である。
本発明の編地は、透け難いので、ビジネスシャツに、特にその身頃に好適に用いることができる。本発明の編地は、丸編地でありながら、透け防止度は70以上である。更に柄部を淡色に染めることで、柄が目立ち視覚的にシャツの内側を見えにくくする効果も得られる。
本発明の編地に使用されるビジネスシャツは、ビジネスシーンで使用できる衿付のシャツである。例えば、オフィスシャツ、事業所等で使用されるユニフォームシャツ、ドレスシャツ、カッターシャツ、ブラウス、ボタンダウンシャツ等が挙げられる。前立ては必ずしもある必要はないが、前立てがある仕様である方がよりフォーマルとなりビジネスシーンに使用しやすい。
以下に実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例における各性能評価は、以下の方法により行った。
(編地密度)
JIS−L1096 8.6.2 編物の密度に準拠して、編地のコース密度(個/2.54cm)、ウェール密度(個/2.54cm)を測定した。目視で測定する際、ウエール方向(又はコース方向)に組織図上で最もニットループが多いところを選んで、そのニットループ数を測定して密度とした。
(編地の目付)
JIS−L1096 8.3.2A法の標準状態における単位面積当たりの質量に準拠して編地の目付を測定した。
(編地の厚み)
JIS−L1096 8.4A法の厚さに準拠して編地の厚みを測定した。なお、測定条件における一定圧力は、23.5kPaに設定した。
(通気度)
JIS−L−1096 8.26.1に規定されている通気度(フラジール形法 A法)に準拠して編地の通気度を測定した。
(力学特性)
編地の力学特性は、KES(Kawabata’s Evaluation System for Fabrics)に従った。編地の伸長率(EMT)は、カトーテック社製KES−FB1で測定された。伸長率(EMT)の測定は、20cm×20cmの試料を間隔5cmのチャックに把持し、4.00×10−3/secの歪み速度で最大荷重250gf/cmまで引っ張って行った。伸びにくい生地はEMT値が低くなる。
曲げ特性は、カトーテック株式会社製KES−FB2を用いて、各サンプルの所定領域の1cm幅を試料として1cm間隔のチャック間に固定し、最大曲率+2.5cm−1まで表側に曲げ、次に、最大曲率−2.5cm−1まで裏側に曲げた後に元に戻すことによって測定した。曲げ剛性(B)[gf・cm/cm]は、表側に曲げはじめて曲率に対する曲げモーメントの傾きがほぼ一定になったときの傾きから算出した。また、曲げ回復性(2HB)[gf・cm/cm]は、そのヒステリシス幅から求めた。B値が大きい程曲げ硬く、ハリが高い傾向がある。2HB値が大きい程曲げ戻り性が悪く、コシが少ない傾向を示す。
(ハリ及びコシの官能評価)
手で生地を触ったときのハリ・コシの風合い評価として、綿ブロードを「ハリ・コシ」の最高ランク5とし、最低ランクを1として、1〜5の表示で5段階評価を行った。判定は、風合の熟練者1名にて行った。
(透け感)
一般財団法人ボーケン品質評価機構のボーケン規格BQE A038透け防止性試験を用いて評価した。試験片の肌側に白色板を重ね、外側面の可視光線(380nm〜780nm)の反射率(RS−white)を測定する。同様に黒色板を重ね、反射率(Rs−black)を測定し、透け防止度を算出する。透け防止度が74以上であればドレスシャツとして透け感を気にせず使用できる。
透け防止度=Rs−black/Rs−white×100
(編地のW&W性)
アパレル製品等品質性能対策協議会法に従ってドレスシャツの形態安定性(W&W性)を評価した。判定は、AATCC 124−1984に規定する判定標準立体レプリカを用いて行った。判定は、5級(良好)〜1級(不良)で表示した。
(製品の保形性)
JIS−L1060:2012の編物のプリーツ性試験方法を用いて、洗濯後のプリーツの形状の立体感にて保形性の代用評価とした。洗濯前のプリーツ形状、及び洗濯操作、乾燥操作を5回繰り返した後のプリーツ形状を判定基準によって等級を判定した。プリーツ判定用標準は、AATCC TestMethod 88Cに規定する5段階の判定標準立体レプリカを用いた。判定は、5級(良好)〜1級(不良)で表示した。
(ドレスシャツを着用したときの上半身の動きやすさ)
生地を首回り41cmと裄丈84cmの長袖ドレスシャツに縫製した後、中肉中背の30才男性が着用して、両手を横に拡げて、背骨を軸に両手/両肩を水平に回旋したときの動きやすさ(動きに対する生地の抵抗)を感覚値として、動きやすい:○>△>×:動きにくいの順で三段階評価を行った。
(洗濯後の帯電電荷量)
JIS L1094−5.2 摩擦帯電電荷法に準拠して測定した。測定環境は、20℃40%RHとした。洗濯は、JIS L0217 103法に準拠して洗濯20回行ない、最後に吊り干し乾燥した。
(実施例1)
30インチ,36ゲージのシングル丸編機(福原精機製作所製 VXC−3FA)を用いて図2に示す完全組織F1からF24の24給糸からなるウエルトニット組織100%のストライプ編地になる生機を製編した。その際、給糸口F3,4,7,8,11,12,15,16,19、20,23,24に酸化チタン微粒子を1.5重量%練りこんだ丸断面糸である84dtex(T),48filament(f)のポリエチレンテレフタレート仮撚糸(Z撚)(糸1)を用いた。ストライプ部として、給糸口F2,6,10,14,18,22にはカチオン染料可染性の丸断面糸である84T36fの仮撚加工糸(S撚)(糸2)を用いた。また、給糸口F1,5,9,13,17には、酸化チタン微粒子を0.1重量%含有したポリエチレンテレフタレート生糸56T6f(糸3)を用い、F21には22T3fの制電糸生糸(KBセーレン製ベルトロンB68タイプ 抵抗値10〜1010Ω/cm)(糸4)と酸化チタン微粒子を0.1重量%含有したポリエチレンテレフタレート生糸56T6f(糸3)を引き揃えて用いた。このとき、糸1の混率は54.2重量%、糸2の混率は27.1重量%、糸3の混率は17.5%、そして糸4の混率は1.2重量%であった。太繊度糸の混率は18.7重量%、制電糸の混率は1.2重量%であった。
出来上がった生機に対してヒラノテクシード製ピンテンターを用いて160℃×2分のプリセットを行い、その後、下記の処方で精練、染色、仕上げ加工を行なった。
精練処方:日阪製作所製液流染色機NSタイプを用いて里田加工 ノニゾールN 1g/l、日華化学 ネオクリスタル CG1000 0.5g/l、ソーダ灰0.5g/l、浴比1:15、95℃×30分。
染色処方:日阪製作所製液流染色機NSタイプ、浴比1:15 130℃×45分で酢酸0.2g/l pH=4、明成化学 ディスパーN 700 0.5g/l、日華化学 ネオクリスタル GC1000 0.5g/l、高松油脂 SR1800 1.5%owf、分散型カチオン染料Kayacryl Ligt Blue4GSL−ED 1.0%omf染色後、遠心脱水、乾燥(120℃×3分)を行ない、以下の条件で仕上げ剤を付与した。仕上げ剤のピックアップは70%であった。
サンスタット ES−11(三洋化成工業製 帯電防止剤)1% ows(on the weight of solution)
その後、最終セットをピンテンター160℃×2分の条件で行ない、性量調整し、最終生地を得た。その際にもテンター幅は編地の皺を取る程度の幅として、仕上げた編地を縦横に極力引っ張らないように注意した。出来上がった仕上編地の詳細な構成と評価結果を表1に示す。
(実施例2)
30インチ,36ゲージのシングル丸編機(福原精機製作所製3FA)を用いて図3に示す完全組織F1からF14からなるウエルトニットをベースとした異色染めでヨコボーダー柄になる生機を製編した。その際、地部となる糸として給糸口F6,8,10,12,14に酸化チタン微粒子を1.5重量%練りこんだ丸断面糸である84T48fのポリエチレンテレフタレート仮撚糸(Z撚)(糸1)を、F7,9,11,13に酸化チタン微粒子を1.5重量%練りこんだ丸断面糸である84T48fのポリエチレンテレフタレート仮撚糸(S撚)(糸5)を用いた。また、ボーダー部として、給糸口F2,3,4、5にはカチオン染料可染性の丸断面糸の84T36fの仮撚加工糸(S撚)(糸2)を用いた。F1には単糸繊度が太いフルダル丸断面のポリエステル長繊維の生糸56T6と22T3fの制電糸生糸(KBセーレン製ベルトロンB68タイプ 抵抗値10〜1010Ω/cm)をS撚200t/mで合撚した糸(糸6)を用いた。このとき、糸1の混率は35.7重量%、糸5の混率は28.6重量%、糸2の混率は28.6重量%、太繊度糸として糸6の混率は7.1重量%であった。制電糸の混率は2.0重量%であった。
出来上がった生機に対し、実施例1と同様の染色加工を行い、最終編地を得た。出来上がった仕上編地の詳細な構成と評価結果を表1に示す。
(実施例3)
30インチ,28ゲージのシングル丸編機(福原精機製作所製 VXC−3FA)を用いて図4に示す完全組織F1からF20からなるビザルカノコ柄の生機を製編した。その際、給糸口F4,5,F9,10,14,15,19,20に酸化チタン微粒子を1.5重量%練りこんだ丸断面糸である110T48fのポリエチレンテレフタレート仮撚糸(糸8)を用いた。次に給糸口F2,3,F7,8,12,13,17,18には、高圧カチオン可染ポリエステルの丸断面糸である84T36fの仮撚加工糸(糸2)を用いた。そして、給糸口F1,6,11には酸化チタン微粒子を0.4重量%含有した扁平横断面(経緯比1:5)のセミダル糸である56T6fの太繊度糸(糸7)を用いた。更にF16には上記56T6fの太繊度糸(糸7)とポリエステル制電糸28T2f(クラカーボKC−220 抵抗値10〜10Ω/cm)(糸9)を引き揃えて編み立てた。編地中の糸8の混率は56.6重量%、糸2の混率は35.4重量%、糸7の混率は7.6重量%、そして糸9の混率は0.4重量%であった。
出来上がった生機を開反し、下記の処方で精練、染色を行なった。
精練処方:日阪製作所製液流染色機NSタイプを用いて里田加工 ノニゾールN 1g/l、日華化学 ネオクリスタル CG1000 0.5g/l、ソーダ灰0.5g/l、浴比1:15、95℃×30分。
染色処方:日阪製作所製液流染色機NSタイプ、浴比1:15 130℃×45分で酢酸0.2g/l pH=4、明成化学 ディスパーN 700 0.5g/l、日華化学 ネオクリスタル GC1000 0.5g/l、高松油脂 SR1800 1.5%owf、分散型カチオン染料Kayacryl Ligt Blue4GSL−ED 1.0%omf染色後、遠心脱水、乾燥(120℃×3分)を行ない、以下の条件で仕上げ剤を付与して乾燥した。仕上げ剤のピックアップ率は90%であった。
サンスタット ES−11(三洋化成工業製 帯電防止剤)1% ows(on the weight of solution)
その後、最終セットをピンテンター160℃×2分の条件で行ない、性量調整し、最終生地を得た。仕上げでは縦に若干引っ張って仕上げた。出来上がった仕上編地の詳細な構成と評価結果を表1に示す。
(実施例4)
33インチ,28ゲージのダブル丸編機(福原精機製作所製 V−4AL)を用いて、インターロックゲージングで図5に示す完全組織F1からF18からなるピンヘッド柄の生機を製編した。その際、給糸口F1、3,4,5,7,9,10,11,13,15,16及び17に酸化チタン微粒子を1.5重量%練りこんだ丸断面糸である84T48fのポリエチレンテレフタレート仮撚糸(FD)(糸1)を用いた。次に給糸口F6,12,18には、高圧カチオン可染ポリエステルの丸断面糸である84T36fの仮撚加工糸(CD)(糸2)を用いた。更にF2,8には太繊度糸56T24f(糸10)、及び生糸56T6fのSD生糸(糸7)を引き揃えて用いた。そしてF14には太繊度糸56T24f(糸10)と制電糸22T3f(糸4)を引き揃えて用いた。編地中の糸1の混率は58.5重量%、糸2の混率は13.5重量%、糸10の混率は14.8重量%、糸7の混率は11.0重量%、そして糸4の混率は2.2重量%であった。この編地の太繊度糸の混率は13.2重量%である。
出来上がった生機を開反し、ヒラノテクシード製ピンテンターを用いて160℃×2分のプリセットを行い、その後、下記の処方で精練、染色、仕上げ加工を行なった。
精練処方:日阪製作所製液流染色機NSタイプを用いて里田加工 ノニゾールN 1g/l、日華化学 ネオクリスタル CG1000 0.5g/l、ソーダ灰0.5g/l、浴比1:15、95℃×30分。
染色処方:日阪製作所製液流染色機NSタイプ、浴比1:15 130℃×45分で酢酸0.2g/l pH=4、明成化学 ディスパーN 700 0.5g/l、日華化学 ネオクリスタル GC1000 0.5g/l、高松油脂 SR1800 1.5%owf、分散型カチオン染料Kayacryl Ligt Blue4GSL−ED 0.5%owfで染色後、遠心脱水、乾燥(120℃×3分)を行ない、以下の条件で仕上げ剤を付与した。仕上げ剤のピックアップは70%であった。
サンスタット ES−11(三洋化成工業製 帯電防止剤)1% ows(on the weight of solution)
その後、最終セットをピンテンター160℃×2分の条件で行ない、性量調整し、最終生地を得た。仕上げでは縦に若干引っ張って仕上げた。出来上がった仕上編地の詳細な構成と評価結果を表1に示す。
(実施例5)
33インチ,28ゲージのダブル丸編機(福原精機製作所製 V−4AL)を用いて、リブゲージングにて図6に示す完全組織F1〜F28からなるブライトスクエア柄の生機を製編した。その際、給糸口F1,4,7,10,13,15,18,21,24,27に酸化チタン微粒子を1.5重量%練りこんだ丸断面糸である84T48fのポリエチレンテレフタレート仮撚糸(FD)(糸1)を用いた。次に給糸口F3,6,9,12、17、20,23及び26には、酸化チタン微粒子を0.1重量%練り混んだ丸断面糸である84T36fの仮撚加工糸(BR)(糸11)を用いた。また、給糸口F2及び16には、酸化チタン微粒子を0.1重量%練り混んだ丸断面糸である56T24fのポリエチレンテレフタレート仮撚加工糸(SD)(糸10)を用いた。更に給糸口F5,8,11,14,19,22及び25には、酸化チタン微粒子を0.5重量%練り混んだ丸断面糸である56T6fのポリエチレンテレフタレート生糸の太繊度糸(SD)(糸7)を用いた。そして給糸口F28には生糸56T6fとポリエステル制電糸22T3fの合撚糸(糸6)を用いた。編地中の糸1の混率は43.8重量%、糸11の混率は36.4重量%、糸7の混率は12.1重量%、糸10の混率は5.7重量%、そして糸6の混率は2.0%であった。このうち制電糸の混率は0.6重量%であった。
出来上がった生機に対し、実施例1と同様に染色加工して仕上げた。出来上がった仕上編地の詳細な構成と評価結果を表1に示す。
(実施例6)
33インチ,28ゲージのダブル丸編機(福原精機製作所製 V−4AL)を用いて、リブゲージングにて、実施例5と同様にして図6に示す完全組織からなるブライトスクエア柄の生機を製編した。但し、給糸口F2,5,8,11,14,16,19,22,25及び28には、酸化チタン微粒子を0.5重量%練り混んだ丸断面糸である56T6fのポリエチレンテレフタレート生糸の太繊度糸(SD)(糸7)を用いた。また、この編地に制電糸は使わなかった。
(比較例1)
実施例1と同様の編機を用いて図7に示す天竺の生機を製編した。使用した糸は、酸化チタン微粒子を0.4重量%練りこんだセミダル丸断面糸である84T48fのポリエチレンテレフタレート仮撚糸(Z撚)(糸12)を用いた。
出来上がった生機に対し、実施例2と同様に加工を行って仕上編地を得た。出来上がった仕上編地の詳細な構成と評価結果を表1に示す。
(比較例2)
実施例4と同じ編機を用いて、図8に示すインターロックの生機を製編した。使用した糸は、酸化チタン微粒子を1.5重量%練りこんだ丸断面フルダル糸である84T48fのポリエチレンテレフタレート仮撚糸(FD)(糸1)を用いた。
出来上がった生機に対し、実施例2と同様に加工を行って仕上編地を得た。出来上がった仕上編地の詳細な構成と評価結果を表1に示す。
(比較例3)
オーストラリア綿(マイクロネアー:4.0〜4.6、平均繊維長:1.12〜1.21インチ、強度:30〜34g/tex)と、ポリエステル短繊維(繊度1.5dtex、繊維長38mm)を各50重量%の割合で混綿して、一般的な紡績の前紡工程(混綿−梳綿−練条−粗紡)を経て120ゲレン/15ydロービングを作成、豊田紡織株式会社製リング紡績装置RX−240(リンクコーナー)により、撚係数k=3.7でトータルドラフト38.4、ブレーキドラフト1.40で40Ne(英式綿番手)の紡績糸(糸13)を製造した。経糸及び緯糸にこの紡績糸を用い、経密度127本/2.54cm、緯密度70本/2.54cmの平織物を製織し、通常の方法により、毛焼、糊抜き、連続精練・漂白、シルケットを行い、更に分散染料と反応染料にて連続精練染色してサックス色に染めたのち、テンターにて柔軟剤を付与して仕上げた。仕上密度は経129本/2.54cm、緯72本/2.54cmであった。出来上がった仕上織物の詳細な構成と評価結果を表1に示す。
Figure 0006796049
本発明によれば、通常の織地布帛からなるビジネスシャツに匹敵するハリ、コシなどの風合いを確保しつつ、透け難く、かつ耐久性の制電機能に優れたビジネスシャツ用編地を提供することが可能であり、当業界における寄与が大である。

Claims (4)

  1. ポリエステル繊維を75重量%以上含むビジネスシャツ用編地において、白色金属酸化物を0.6〜5.0重量%含むポリエステル繊維を25〜97重量%含み、かつ単糸繊度が3〜17dtexの生糸のポリエステルフィラメントを3〜25重量%含むこと、並びにタテ方向及びヨコ方向の平均値として曲げ剛性B値及び曲げ戻り性(2HB)がそれぞれ0.017〜0.060gf・cm/cm、0.001〜0.045gf・cm/cmであることを特徴とするビジネスシャツ用編地。
  2. コース密度が40〜100個/2.54cm、ウェール密度が30〜80個/2.54cmのシングル丸編からなり、ニットループ数に対するウエルト数の比率を0.2〜1.1とした柄組織からなる丸編地であることを特徴とする請求項1に記載のビジネスシャツ用編地。
  3. 裏のコース密度が40〜100個/2.54cm、ウェール密度が30〜80個/2.54cmのダブル丸編からなり、ニットループ数に対するウエルト数の比率を0.2〜1.1とした柄組織からなることを特徴とする請求項1に記載のビジネスシャツ用編地。
  4. 請求項1〜のいずれかに記載のビジネスシャツ用編地を身頃に使用していることを特徴とするビジネスシャツ。
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