JP6188808B2 - 車両用中空シール構造 - Google Patents
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Description
この車両用中空シール構造のなかには、中空シールの取付部に取付用の開口部が形成され、この開口部にクリップの頭部が収納されることにより、クリップが中空シールに取り付けられるものが知られている。中空シールにクリップが取り付けられた状態で、クリップの係止部がドアの係止孔に係止されることにより、ドアにクリップを介して中空シールが取り付けられる(例えば、特許文献1参照。)。
クリップの頭部に対して係止部をオフセットさせることにより、係止部が取り付けられるドアの取付部を頭部に対してオフセットさせることが可能になる。よって、ドアの取付部の形状を決める際に設計の自由度を高めることができる。
クリップが頭部を軸に回転すると、クリップの係止部が正規の位置から移動してしまい、ドアの係止孔からずれてしまう。このため、クリップを元の位置に戻す必要があり、係止部をドアの係止孔に係止される作業に手間がかかる。
しかし、クリップの頭部に取付用の開口部(すなわち、開口部の表面)を密着させるためには、頭部の全体を開口部で覆う必要があり、開口部が大きくなる。
この開口部が中空シールの内部に設けられるため中空シールが大きくなり、その観点から改良の余地が残されていた。
よって、クリップが中空シールに対して回転しようとする場合、廻止部をシール壁部や突出部に当接させて、中空シールに対してクリップが回転することを防止できる。これにより、中空シールに対してクリップの係止部を正規の位置に保持でき、クリップの係止部を係止孔に手間をかけないで係止できる。
また、請求項1に係る発明では、リブ形状部を廻止部の挿入方向に傾斜状に延ばすことにより、廻止部の厚さ寸法をクリップ取付孔から離れるに従って小さくなるようにした。
これにより、リブ形状部で段差部の段差を傾斜状にならすことができ、廻止部をクリップ取付孔に円滑に差し込むことができる。
また、リブ形状部に隣接して段差部を形成した。よって、廻止部をクリップ取付孔に差し込む際に、クリップ取付孔の壁面に対する廻止部の接触面積を少なく抑えることができる。これにより、廻止部をクリップ取付孔に一層円滑に差し込むことができる。
これにより、従来技術のように、クリップが回転することを抑えるために中空シールに開口部を形成する必要がなく、中空シールの形状を小さく抑えることができる。
よって、廻止部の先端部をクリップ取付孔の形状に合わせることが可能になり、廻止部を先端部からクリップ取付孔に容易に差し込むことができる。これにより、廻止部を内部空間に手間をかけることなく収納させることができる。
さらに、廻止部の幅寸法を基端部から先端部に向けて徐々に小さくすることにより、中空シールの突出部に当接する部位を基端部のみとすることができる。基端部は、クリップ取付孔に隣接する部位である。
これにより、突出部の突出幅寸法を小さく抑えることができ、中空シールを簡素な形状にできる。
よって、廻止部の基端部の厚さ寸法を大きくできる。これにより、クリップが中空シールに対して回転しようとする場合に、廻止部を突出部に当接し易くでき、中空シールに対するクリップの回転を一層確実に防止できる。
さらに、廻止部の先端部の厚さ寸法を小さくできる。これにより、廻止部を先端部からクリップ取付孔に一層容易に差し込むことができる。
図1に示すように、車両10は、車体11の前側部11aに設けられたフロントコーナガラス13と、フロントコーナガラス13の車体後方に設けられたドア開口部14と、ドア開口部14に開閉自在に設けられてドア開口部14を覆うサイドドア16と、サイドドア16の前部16aに設けられた車両用中空シール構造(以下、「中空シール構造」と略記する)20とを備えている。
インナパネル17は、中空シール21をクリップ22を介して取り付ける取付部18を有する。取付部18は、係止孔19が形成された鉛直壁18aと、鉛直壁18aから水平方向に曲げられた水平壁18bとを有する。係止孔19はクリップ22が係止される孔である。
中空シール21は、取付基部25、シール壁部26およびシール部28で内部空間29(すなわち、中空部)が形成される。
廻止部36は、通常のクリップの頭部に相当する部位である。
この突出部27は、シール壁部26に対して距離寸法L1だけ離れた位置に形成されている。すなわち、シール壁部26および突出部27間の距離が距離寸法L1に設定されている。
すなわち、クリップ22は、廻止部36に対して係止部35がオフセットされた状態に設けられたクリップである。廻止部36に対して係止部35をオフセットさせることにより、インナパネル17(すなわち、サイドドア16)の取付部18の形状を決める際に設計の自由度を高めることができる。
これにより、係止部35が係止孔19の周縁19aに係止される。すなわち、係止部35は、車両などに使用される通常のクリップに備えた係止部と同様に構成されている。
基端部45、先端部47および一対の傾斜部46で廻止部36が平面視略台形状に形成されている。
よって、廻止部36の先端部47をクリップ取付孔32の形状に合わせることが可能になり、廻止部36を先端部47からクリップ取付孔32に容易に差し込むことができる。これにより、廻止部36を内部空間29に手間をかけることなく収納させることができる。
リブ形状部48は、一対の段差部49間に各段差部49に隣接して設けられ、基端部45から先端部47まで廻止部36の挿入方向(矢印A方向)に向けて下り勾配の傾斜状に延出されている。
廻止部36は、リブ形状部48が傾斜状に延出されることにより、厚さ方向の厚さ寸法T1が基端部45から先端部47に向けて徐々に小さくなるように形成されている。
換言すれば、廻止部36は、内部空間29に収納された状態において、厚さ寸法T1がクリップ取付孔32から離れるに従い小さくなるように形成されている。
さらに、廻止部36の先端部47の厚さ寸法を小さくできる。これにより、廻止部36を先端部47からクリップ取付孔32に一層容易に差し込むことができる。
これにより、リブ形状部48で段差部49の段差を傾斜状にならすことができ、廻止部36をクリップ取付孔32に円滑に差し込むことができる。
これにより、廻止部36をクリップ取付孔32に一層円滑に差し込むことができる。
なお、中空シール21が取付部18に取り付けられていない状態において、廻止部36がシール壁部26に当接する理由については後で詳しく説明する。
挿通部52がクリップ取付孔32に挿通されて取付基部25に支持された状態で、シール壁部26および突出部27間に廻止部36が配置される。
これにより、突出部27の突出幅寸法W1を小さく抑えることができ、中空シール21を簡素な形状にできる。
これにより、従来技術のように、クリップ22が回転することを抑えるために中空シール21に開口部を形成する必要がなく、中空シール21の形状を小さく抑えることができる。
これにより、シール壁部26を廻止部36で取付部18に押し付けることができ、中空シール21を取付部18に安定させた状態に取り付けることができる。
中空シール21がクリップ22で取付部18に取り付けられていない状態において、廻止部36の底部36aがシール壁部26に当接される。
これにより、中空シール構造20を車両10(図1参照)の組立ラインまで搬送する際に、中空シール21に対してクリップ22の係止部35を正規の位置に保持できる。
図11(a)に示すように、中空シール21のクリップ取付孔32にクリップ22(廻止部36)の先端部47を矢印Dの如く挿入する。
ここで、廻止部36は、幅方向の幅寸法W2が基端部45から先端部47に向けて徐々に小さくなるように形成されている。よって、廻止部36を先端部47からクリップ取付孔32に容易に差し込むことができる。
このように、廻止部36の幅寸法W2や厚さ寸法T1を徐々に小さく形成することにより、廻止部36を内部空間29に手間をかけることなく収納できる。
よって、廻止部36をクリップ取付孔32を経て中空シール21の内部空間29に容易に挿入して内部空間29に収納できる。
すなわち、中空シール21に対してクリップ22の係止部35を正規の位置に保持できる。これにより、クリップ22の係止部35を係止孔19に矢印Eの如く手間をかけないで係止できる。
例えば、前記実施例では、中空シール構造20をサイドドア16に取り付けた例について説明したが、これに限らないで、リヤドアなどの他のドアに取り付けることも可能である。さらに、中空シール構造20をドアに限らないで車体11に取り付けることも可能である。
Claims (5)
- 車体のドア開口部と、該ドア開口部を覆うドアとの間に中空シールがクリップで設けられ、前記中空シールで前記ドア開口部および前記ドア間の隙間を密閉する車両用中空シール構造において、
前記クリップは、
前記車体および前記ドアの一方の取付部に設けられた係止孔に係止可能な係止部と、
前記中空シールの内部空間に挿入されることにより収納され、前記中空シールの長手方向に沿って延在する廻止部と、
前記廻止部および前記係止部をオフセット状態に連結する連結部と、を有し、
前記中空シールは、
前記中空シールの一部を形成し、前記廻止部の挿入方向に延在するシール壁部と、
前記シール壁部に対向するように前記廻止部の挿入方向に突出する突出部と、
前記突出部および前記シール壁部間に設けられ、前記廻止部が前記内部空間に収納された状態で前記連結部を取り付けるクリップ取付孔と、を有し、
前記クリップ取付孔に前記連結部が取り付けられた状態で前記シール壁部および前記突出部間に前記廻止部が配置され、
前記シール壁部および前記突出部間の距離寸法は、前記長手方向に延在する前記廻止部の幅寸法より小さく、
前記廻止部は、前記シール壁部に当接した状態において、前記突出部から離間しており、
前記突出部、前記クリップ取付孔および前記シール壁部の並び方向の厚さ寸法が前記クリップ取付孔に隣接する部位より前記クリップ取付孔から離れた部位で小さく形成された段差部と、
前記段差部に隣接して設けられ、前記廻止部の挿入方向に傾斜状に延びることにより、前記廻止部の厚さ寸法を前記クリップ取付孔から離れるに従い小さくするリブ形状部と、を有する、ことを特徴とする車両用中空シール構造。 - 前記中空シールが前記取付部に取り付けられていない状態において、
前記廻止部が前記シール壁部に当接する請求項1記載の車両用中空シール構造。 - 前記シール壁部は、前記廻止部および前記取付部間に挟持される請求項2記載の車両用中空シール構造。
- 前記廻止部は、
前記廻止部の幅寸法が前記クリップ取付孔から離れるに従い小さくなるように形成されている請求項1から3のいずれか1記載の車両用中空シール構造。 - 前記廻止部は、
前記突出部、前記クリップ取付孔および前記シール壁部の並び方向の厚さ寸法が前記クリップ取付孔から離れるに従い小さくなるように形成されている請求項1から4のいずれか1項記載の車両用中空シール構造。
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