JP6536154B2 - ガラスランの固定構造 - Google Patents

ガラスランの固定構造 Download PDF

Info

Publication number
JP6536154B2
JP6536154B2 JP2015090389A JP2015090389A JP6536154B2 JP 6536154 B2 JP6536154 B2 JP 6536154B2 JP 2015090389 A JP2015090389 A JP 2015090389A JP 2015090389 A JP2015090389 A JP 2015090389A JP 6536154 B2 JP6536154 B2 JP 6536154B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
door
glass run
glass
fixing
sash
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015090389A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016203892A (ja
Inventor
紗佑里 山田
紗佑里 山田
健夫 須賀
健夫 須賀
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Motors Corp
Original Assignee
Mitsubishi Motors Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Motors Corp filed Critical Mitsubishi Motors Corp
Priority to JP2015090389A priority Critical patent/JP6536154B2/ja
Publication of JP2016203892A publication Critical patent/JP2016203892A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6536154B2 publication Critical patent/JP6536154B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、車両のドアサッシュと昇降自在なドアガラスとの間をシールするガラスランの固定構造に関する。
車両のドアサッシュには、ドアガラスとドアサッシュとの間をシールするガラスランが設けられる。一般にガラスランには、ドアガラスに当接する複数のシールリップが設けられたチャンネル部と、ドアサッシュに固定される断面U字状の固定部とが形成される。一方、ドアサッシュには、先端が車室外側に向かう姿勢で配置されたフランジ部が設けられる。ガラスランは、上述の固定部が上述のフランジ部を挟み込むように配置されることで、ドアサッシュに固定される。
従来、ドアサッシュのフランジ部に対するガラスランの固定強度を確保すべく、固定部に芯金を埋設したガラスランが知られている。このようなガラスランでは、芯金によって固定部の変形が抑制されるため、固定部がフランジ部から外れ難くなるというメリットがある一方で、芯金の分だけガラスランの質量が増加するというデメリットがある。
これに対し、芯金を省略して軽量化を図りつつ固定部の変形をも抑制したガラスランが提案されている。例えば特許文献1に記載のガラスランは、シールリップよりも高硬度に形成されたトリム部(固定部)を有し、このトリム部がフランジ部に固定されることでドアサッシュに固定されている。つまり、トリム部の硬度を高めることで、芯金を省略しながらトリム部の変形を抑制している。さらに特許文献1のガラスランは、トリム部に形成された係止リップとフランジ部に形成されたフックとが係合することによって、ガラスランがドアサッシュから外れ難くされている。
特開2014-196053号公報
ところで、特許文献1のドアサッシュのフランジ部は、アウタパネルの先端部(外周側の端部)が車室外側へ張り出すように配置されるとともに、インナパネルがこの先端部の上面に当接しつつ先端部側で屈曲形成されたのち先端部の下面にも当接した状態で溶接により接合されて構成される。また、係止リップが係合するフックは、このインナパネルの先端部が下方へ折り曲げられることで形成される。一方、係止リップは、断面U字状のトリム部の下側の室内端部が上方へ突設されることで形成される。
しかしながら、ドアサッシュのフランジ部がインナパネルとアウタパネルとから構成される場合には、これらを接合するための接合代が必要となることから、インナパネルの先端部でフックを形成しようとすると、フックの位置が制限されるという課題がある。例えば、特許文献1のフランジ部の場合、アウタパネルとこの下面側のインナパネルとの接合代を確保するためには、インナパネルの先端部をアウタパネルの先端部の基端側(フランジ部の根元部)に配置する必要があることから、フックの位置がフランジ部の根元部に限定される。
すなわち、インナパネルの先端部でフックを形成する場合、フックの位置とこれに係合する係止リップの位置とが制限されることになり、設計自由度が低いという課題がある。また、フックの位置が車室内側(フランジ部の根元部側)であるほど、係止リップを配置できるスペースが小さくなることから、係止リップの肉厚を確保し難くなり、これによりガラスランが外れやすくなるというおそれがある。他方で、フックの位置を車室外側(フランジ部の先端部側)にした場合には、ドアガラスとの干渉を回避するためにドアガラスとフランジ部との間の隙間が大きくなりやすく、見栄えの低下を招くおそれがある。
本件は、上述のような課題に鑑み創案されたものであり、ガラスランの固定構造に関し、ガラスランの外れを防止しながら、フランジ部にパネルの接合代を確保することを目的の一つとする。なお、この目的に限らず、後述する「発明を実施するための形態」に示す各構成から導き出される作用効果であって、従来の技術によっては得られない作用効果を奏することも、本件の他の目的として位置づけることができる。
(1)ここで開示するガラスランの固定構造は、車両のドアサッシュと昇降自在なドアガラスとの間をシールするガラスランの固定構造である。本固定構造は、アウタパネルの車室内側にインナパネルを配して形成された前記ドアサッシュと、前記ドアサッシュに沿って設けられる前記ガラスランと、を具備する。前記ドアサッシュは、前記アウタパネルの外周側の端部と前記インナパネルの外周側の端部とが接合され車室外側へ向かう姿勢で配置され、前記ドアガラスの周縁部から離隔して前記周縁部に沿って延在する外側フランジ部と、前記外側フランジ部の長手方向に沿って互いに間隔をあけて設けられ、前記アウタパネルの前記端部の一部を前記ドアガラス側へ切り起こした複数の爪部と、を備える。また、前記ガラスランは、前記周縁部から離隔して前記周縁部に沿って延在する面部と前記ドアガラスに当接する複数のリップとを有し、前記ドアガラスと前記ドアサッシュとの間をシールするチャンネル部と、車室内側に開放した断面コ字状に形成され、前記外側フランジ部を車室外側から挟み込む第一固定部と、を備える。さらに、前記第一固定部は、対向する二面のうちの前記ドアガラス側の一方が前記面部で構成されて前記リップよりも高硬度に形成されるとともに、前記面部に凹設されて前記爪部と係合する溝部を有する。前記爪部は、その基端部が前記ドアガラスの面内方向において前記ドアガラスと重なる位置に設けられる。
(2)前記ドアサッシュは、前記アウタパネルの内周側の端部と前記インナパネルの内周側の端部とが接合されて形成されるとともに前記ドアガラスの車室内側に配置される内側フランジ部を備えることが好ましい。この場合、前記ガラスランは、前記チャンネル部に対し前記第一固定部とは逆側において断面U字状に形成され、前記内側フランジ部を前記ドアサッシュの内周側から挟み込む第二固定部を備えることが好ましい。
(3)前記ガラスランは、オレフィン系熱可塑性エラストマーを押出し成形することによって形成されることが好ましい。
(4)前記爪部は、前記外側フランジ部の長手方向の曲率が大きいほど小さい前記間隔で設けられることが好ましい
開示のガラスランの固定構造によれば、ガラスランに設けられた第一固定部の溝部と、ドアサッシュに形成された爪部とが係合することでガラスランがドアサッシュに固定されることから、ガラスランの固定を強化することができる。これにより、ガラスランの外れを防止することができる。
また、複数の爪部が、ドアサッシュの外側フランジ部の長手方向に沿って互いに間隔をあけて設けられるため、爪部の相互間にアウタパネルの外周側の端部とインナパネルの外周側の端部とを接合するための接合代を確保することができる。
一実施形態に係るガラスランの固定構造が適用された車両ドアの側面図である。 一実施形態に係るガラスランの固定構造の断面図(図1のA−A矢視断面図)である。 図2の要部を拡大した図である。 一実施形態に係るガラスランの固定構造におけるアウタパネルの斜視図である。
図面を参照して、実施形態としてのガラスランの固定構造について説明する。なお、以下に示す実施形態はあくまでも例示に過ぎず、以下の実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。
以下の説明では、車両の進行方向を前方,その逆を後方とし、前方を基準に左右を定めるとともに、重力の方向を下方,その逆を上方として説明する。また、車両の左右方向(車幅方向ともいう)において、中央に向かう側を車室内側又は単に内側といい,その逆側を車室外側又は単に外側という。
[1.構成]
[1−1.全体構成]
本実施形態に係るガラスランの固定構造は、図1に示す車両のドア10に適用される。このドア10は、車両側面のサイドドアであり、アウタパネル12と、アウタパネル12の車室内側に配置されたインナパネル13(図2参照)とを備える。アウタパネル12及びインナパネル13は、例えば鋼板がプレス加工されることによって形成され、互いに対応した形状に形成される。アウタパネル12及びインナパネル13の上半部には、昇降自在なドアガラス11によって開閉される開口部が設けられる。
アウタパネル12は、上述の開口部よりも下側の部分を形成する本体部12Fと、本体部12Fの上側に本体部12Fと一体に設けられ、開口部の下枠を除いた窓枠を形成するサッシュ部12Sとを有する。また、インナパネル13は、アウタパネル12の本体部12Fとサッシュ部12Sとにそれぞれ対応する本体部(図示略)とサッシュ部13Sとを有する。
アウタパネル12のサッシュ部12Sとインナパネル13のサッシュ部13Sとは、互いに接合されてドアサッシュ2を形成する。本実施形態に係るガラスラン4は、ドアサッシュ2とドアガラス11の周縁部との間をシールするものであり、ドアサッシュ2に沿って設けられる。また、このガラスラン4には、ドア10を装飾するモール5が取り付けられる。
なお、本実施形態のドアサッシュ2は、車体のサイドルーフ部31に沿って前後方向に延びる横枠部21と、車両のピラー32に沿って上下方向に延びる縦枠部22とを有する。本実施形態では、ドアサッシュ2の横枠部21に沿って設けられるガラスラン4の固定構造について説明する。すなわち、本実施形態のガラスラン4は、ドアサッシュ2の横枠部21とドアガラス11の上縁部との間をシールする。
図1及び図2に示すように、ドアサッシュ2の横枠部21では、アウタパネル12及びインナパネル13の各サッシュ部12S,13Sの外周側が上側に位置し、これらのサッシュ部12S,13Sの各内周側(ドアガラス11側)が下側に位置する。以下の説明では、アウタパネル12及びインナパネル13の各サッシュ部12S,13Sの外周側をそれぞれ上側ともいい、これらのサッシュ部12S,13Sの各内周側をそれぞれ下側ともいう。
[1−2.ドアサッシュ]
図2に示すように、ドアサッシュ2は、アウタパネル12のサッシュ部12Sの車室内側にインナパネル13のサッシュ部13Sを配して形成される。以下、アウタパネル12のサッシュ部12Sをアウタサッシュ部12Sといい、インナパネル13のサッシュ部13Sをインナサッシュ部13Sという。アウタサッシュ部12S,インナサッシュ部13Sは、それぞれアウタパネル12,インナパネル13の一部である。
アウタサッシュ部12Sは、その上端部12a(外周側の端部)が車室外側へ向かう姿勢で配置されるとともに、その下端部12b(内周側の端部)が上端部12aよりも車室内側で上側に開放した断面U字状に屈曲形成される。アウタサッシュ部12Sの上端部12aと下端部12bとの間は、上端部12aの基端から下方に向かって略直角方向へ屈曲形成された縦面部12dと、縦面部12dの下端から内側に向かって略直角方向へ屈曲形成されて下端部12bの基端へ繋がる横面部12eとで接続される。
インナサッシュ部13Sは、その上端部13a(外周側の端部)が車室外側へ向かう姿勢で配置されるとともに、その下端部13b(内周側の端部)が上端部13aよりも車室内側において下側へ向かう姿勢で配置される。インナサッシュ部13Sの上端部13aと下端部13bとの間は、車室内側に向かった膨出部13cで接続される。
インナサッシュ部13Sの上端部13aは、アウタサッシュ部12Sの上端部12aの上方に重ねられて接合される。これにより、ドアサッシュ2の外側フランジ部2Aが形成される。すなわち、外側フランジ部2Aは、アウタサッシュ部12S及びインナサッシュ部13Sの各上端部12a,13aが接合されたものであり、車室外側へ向かう姿勢で配置される。
外側フランジ部2Aは、その車幅方向の長さ寸法(縦面部12dからの突出長さ)がドアガラス11の厚みよりも大きく形成される。外側フランジ部2Aは、ドアガラス11が閉まった状態でドアガラス11の上縁部よりも上方に位置し(上縁部と離隔して配置され)、この上縁部に沿うように延在する。外側フランジ部2Aの先端は、ドアガラス11が閉まった状態でドアガラス11の上縁部よりも外側に位置する。
また、インナサッシュ部13Sの下端部13bは、アウタサッシュ部12Sの断面U字状の対向する二面に挟まれて接合される。これにより、ドアサッシュ2の内側フランジ部2Bが形成される。すなわち、内側フランジ部2Bは、アウタサッシュ部12S及びインナサッシュ部13Sの各下端部12b,13bが接合されたものであり、下側へ向かう姿勢で配置される。内側フランジ部2Bは、ドアガラス11の車室内側に配置される。このように、ドアサッシュ2は、閉断面の中空筒状に形成される。
ドアサッシュ2は、外側フランジ部2Aにおいてドアガラス11側に突設された複数の爪部12cを備える。これらの爪部12cは、ドアサッシュ2に対してガラスラン4を固定するためのものである。爪部12cは、アウタサッシュ部12Sの上端部12aの一部を下方(ドアガラス11側)へ切り起こし曲げ加工することによって形成される。すなわち、爪部12cは、アウタサッシュ部12Sの上端部12aの一部分を他の部位に対して所定角度(切り起こし角度)だけ傾斜させたものである。
本実施形態の爪部12cは、平面視で外側フランジ部2Aの長手方向に長い矩形状に形成される。爪部12cは、車室外側で長手方向に延びる一辺を除いた三辺に切り込みが入れられ、この三辺で囲まれた平面が車室外側の一辺を曲げ線としてドアガラス11側(すなわち下方)へ曲げられる。これにより、爪部12cは、車室内側に向かって下り勾配となるように形成される。以下、爪部12cの曲げ線となる車室外側の一辺側の部分を基端部という。爪部12cは、この基端部がドアガラス11の面内方向(図2に示す矢印D参照)においてドアガラス11と重なる位置に設けられる。言い換えると、ドアガラス11の面内方向の延長線上に爪部12cの基端部が位置するように、爪部12cが配置される。
図4に示すように、複数の爪部12cは、外側フランジ部2Aの長手方向(すなわちアウタサッシュ部12Sの上端部12aの長手方向)に沿って互いに間隔をあけて設けられる。本実施形態では、複数の爪部12cが外側フランジ部2Aの長手方向に沿って等間隔に配置される。なお、隣り合う爪部12cの間の距離(爪部12cの配置間隔)は、爪部12cの長さ寸法(外側フランジ部2Aの長手方向に沿う長さ寸法)に対して十分大きくされる。アウタサッシュ部12Sの上端部12aのうち、隣り合う爪部12cの間の部分は、インナサッシュ部13Sの上端部13aに対する接合代とされる。
[1−3.ガラスラン]
ガラスラン4は、ドアサッシュ2の外側に設けられることで、ドアサッシュ2とドアガラス11の上縁部との間に介在する。本実施形態のガラスラン4は、その横断面(ドアサッシュ2の長手方向に対して垂直な断面)が一様な形状に形成される。ガラスラン4は、シール機能を有するチャンネル部43と、ガラスラン4をドアサッシュ2に固定するための第一固定部41及び第二固定部42と、モール5の取付部となるモール固定部45と、トリム14の取付部となるトリム固定部44とを備える。なお、図2では、ガラスラン4の断面を示すハッチングを省略する。
図2及び図3に示すように、チャンネル部43は、外側フランジ部2Aの下方に配置され、ドアガラス11とドアサッシュ2との間をシールする部位である。チャンネル部43は、外側フランジ部2Aに沿って延在する第一面部43a(面部)と、第一面部43aから下方に延出される二つの延出部43b,43cと、ドアガラス11が閉じた状態でドアガラス11と接触する複数のリップ43d〜43fとを有する。
第一面部43aは、ドアガラス11の上縁部よりも上方において(上縁部から離隔して)ドアガラス11の上縁部に沿うように車両前後方向に延設される。第一面部43aは、その車幅方向の長さ寸法がドアガラス11の厚みよりも大きく形成されて、ドアガラス11の上縁部を車幅方向に亘って覆うように配置される。すなわち、第一面部43aの外縁部は、ドアガラス11の上縁部よりも外側に配置され、第一面部43aの内縁部は、ドアガラス11の上縁部よりも内側に配置される。
二つの延出部43b,43cは、第一面部43aの外縁部及び内縁部の各下面から下方へ延び、互いに対向して設けられる。以下、二つの延出部43b,43cのうち外側の一方を第一延出部43bといい、他方を第二延出部43cという。第一延出部43bは第二延出部43cよりも上下方向長さが短く、その厚み(車幅方向長さ)も第二延出部43cよりも薄い。第二延出部43cは、第一面部43aの内縁部からアウタサッシュ部12Sの縦面部12dに沿って配置される。チャンネル部43は、第一面部43aと二つの延出部43b,43cとで、下側に開放した断面コ字状に形成される。ドアガラス11の上縁部は、チャンネル部43の断面コ字状の内部を出入りする。
複数のリップ43d〜43fは、チャンネル部43の断面コ字状の内面側でドアガラス11に向かって延設される。本実施形態のチャンネル部43は、第一延出部43bの下端と、第二延出部43cの下端と、第一面部43aの内縁部とにそれぞれ一つずつのリップを有する。これらのリップ43d〜43fは、ドアガラス11が閉じた状態(図2に仮想線で示す位置)で、ドアガラス11に当接して弾性変形することで、ドアガラス11とドアサッシュ2との間をシールする。
第一固定部41は、外側フランジ部2Aに固定されることでガラスラン4をドアサッシュ2に固定する部位であり、チャンネル部43の上方で車室内側に開放した断面コ字状に形成される。第一固定部41は、外側フランジ部2Aに対して車室外側から取り付けられて、外側フランジ部2Aを挟み込む。
本実施形態の第一固定部41は、対向する二面部とこれら二面部の外縁部を繋ぐ面部とからなり、対向する二面部のうちのドアガラス11側の一方が、チャンネル部43の第一面部43aで構成される。すなわち上述の第一面部4aは、チャンネル部43の一部であるとともに、第一固定部41の一部でもある。第一面部4aは、その上面が外側フランジ部2Aの下面に当接する。
第一固定部41の対向する二面部のうちの他方(以下、第二面部41aという)は、第一面部43aから上方に離隔して第一面部43aと略平行に設けられ、第一面部43aとの間に外側フランジ部2Aを挟み込む。また、これら二面部43a,41aを繋ぐ面部(以下、第一壁部41bという)は、外側フランジ部2Aの先端に当接するように設けられる。
また、第一固定部41は、第一面部43aの上面(第二面部41aに対向する面)であって内縁部寄りに凹設された溝部41cを有する。溝部41cは、外側フランジ部2Aに対する第一固定部41の固定を強化するためのものであり、上述の爪部12cと係合する。本実施形態の溝部41cは、断面V字状に形成され、V字状をなす二平面のうちの内側の一方と爪部12cの先端とが当接することで、溝部41cが爪部12cに係合する。溝部41cの内側の平面は、第一面部43aの上面に対して略直角に設けられ、爪部12cの先端の厚み以上の深さを有する。また、溝部41cのV字状をなす二平面のうちの外側の他方は、第一面部43cの上面に対して、爪部12cの切り起こし角度以上の角度で傾斜して設けられる。
第二固定部42は、内側フランジ部2Bに固定されることでガラスラン4をドアサッシュ2に固定する部位であり、チャンネル部43よりも下方で上方に開放した断面U字状に形成される。すなわち第二固定部42は、チャンネル部43に対して第一固定部41とは逆側(下側)に設けられ、内側フランジ部2Bに対して下方から取り付けられて、内側フランジ部2Bを挟み込む。これにより、ガラスラン4は、ドアサッシュ2に対して異なる二方向から取り付けられる。
モール固定部45は、モール5が外側から取り付けられて固定される部位であり、第一固定部41の上方で車室外側に開放した断面コ字状に形成される。本実施形態のモール固定部45は、対向する二面部とこれら二面部の内縁部を繋ぐ面部とからなり、対向する二面部のうちのドアガラス11側の一方が、第一固定部41の第二面部41aで構成される。すなわち上述の第二面部41aは、第一固定部41の一部であるとともに、モール固定部45の一部でもある。
ガラスラン4は、外側に開放した断面コ字状のモール固定部45と、内側に開放した断面コ字状の第一固定部41とによって、その上部が断面S字状に形成されている。
モール固定部45の対向する二面のうちの他方(以下、第三面部45aという)は、第二面部41aから上方に離隔して第二面部41aと略平行に設けられる。第三面部45aと第二面部41aとの間には、後述の差込部5Bが差し込まれる。また、これら二面部41a,45aを繋ぐ面部(以下、第二壁部45bという)は、チャンネル部43の第二延出部43cよりも車室内側に位置するように設けられる。
また、モール固定部45は、第二面部41aの上面(第三面部45aに対向する面)であって車幅方向略中央に上方へ突設された突起部45cを有する。突起部45cは、モール固定部45に対するモール5の固定を強化するためのものであり、後述の上側返し部51と係合する。本実施形態の突起部45cは、略三角形の断面形状に形成され、三角形状をなす二平面のうちの内側の一方と上側返し部51の先端とが当接することで、突起部45cが上側返し部51と係合する。突起部45cの内側の平面は、第二面部41aの上面に対して直角に近い角度で傾斜して設けられる。
突起部45cの三角形状をなす二平面のうちの外側の他方は、内側の平面よりも緩やかな傾斜角を有し、モール5の差込部5Bを内側へと案内するガイドとしての機能を有する。また、突起部45cは、その頂部と第三面部45aとの間にモール5の先端側を差し込める程度の隙間が形成され、かつ、モール5の板厚よりも大きな突出量を有する。
図2に示すように、トリム固定部44は、チャンネル部43と第二固定部42とを繋ぎ、ドア10の内装材であるトリム14が固定される部位である。トリム固定部44は、トリム14の先端が嵌み込まれる凹部44aを形成する膨出部44bを有する。膨出部44bは、断面U字状の第二固定部42の対向する二面部のうちの外側の一方(トリム固定部44側の部位)の外側に設けられ、下方に膨出形成された部位である。凹部44aは、この膨出部44bと第二固定部42のトリム固定部44側の部位とで、下方に開放した断面U字状に形成される。
本実施形態のガラスラン4には、図2及び図3に示すように、係止用の第一凸部46a及び第二凸部46bが設けられる。第一凸部46aは、ガラスラン4に対するモール5の固定を強化するためのものであり、チャンネル部43の第一延出部43bの外面に突設される。本実施形態の第一凸部46aは、略三角形の断面形状に形成され、三角形状をなす二平面のうちの下側の一方(下面)と後述する下側返し部58の先端とが当接することで、第一凸部46aが下側返し部58と係合する。第一凸部46aの下面は、第一延出部43bの外面に対して略直角に設けられ、モール5の板厚よりも大きな突出量を有する。
第二凸部46bは、ドアサッシュ2の爪部12cを確実に第一固定部41の溝部41cに係合させるために、外側フランジ部2Aに密着するように設けられるものであり、第一固定部41の第二面部41aから下方(第一面部43a側)へ向かって突設される。本実施形態のガラスラン4は、車幅方向に並んだ複数の第二凸部46bを有する。また、ガラスラン4は、モール固定部45の第三面部45aの内縁部から上方に延出されたリップ47を有する。リップ47は、ガラスラン4が取り付けられた状態でサイドルーフ部31に当接して弾性変形し、ドアサッシュ2とサイドルーフ部31との間をシールする。
本実施形態のガラスラン4は、オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)を押出し加工することによって一体に形成されている。つまり、ガラスラン4は、エチレン-プロピレン-ジエンゴム(EPDM)と、これよりも硬度の高いポリプロピレン樹脂(PP)とがブレンドされた材料で形成されたものであり、ゴムとプラスチックとの双方の性質を併せ持つ。ガラスラン4は、EPDMとPPとのブレンド比を変更することで、各部41〜47の性質が異なるものとされる。
本実施形態のガラスラン4は、第一固定部41及びモール固定部45におけるPPの比率が、他部42〜44,46a〜47におけるPPの比率よりも高く設定され、第一固定部41及びモール固定部45が他部42〜44,46a〜47に比べて高硬度に形成される。図3には、高硬度に形成された部位の断面と、低硬度に形成された部位の断面とを異なるハッチングで示す。
[1−4.モール]
モール5は、ガラスラン4の車室外側の表面を覆うように設けられ、ガラスラン4に沿って取り付けられる。本実施形態のモール5は、ステンレス鋼の平板をロール成形することによって形成されている。本実施形態のモール5は、その横断面(ドアサッシュ2の長手方向に対して垂直な断面)が一様なクランク形状に形成される。モール5は、ガラスラン4の第一固定部41を車室外側から覆う装飾部5Aと、モール5をガラスラン4に固定するための差込部5Bとを備える。
装飾部5Aは、ガラスラン4の上部側面を覆い、モール5の外表面を構成する本体部57と、この本体部57の上下に設けられた横当接部56及び下側返し部58とを有する。本体部57は、ガラスラン4の第三面部45aから第一延出部43bの下端近傍まで延在し、ガラスラン4との間に僅かな隙間をあけて配置される。本体部57の下端部は、下側に行くほど内側に向かうように弓なりに湾曲形成され、見栄えの向上が図られている。
下側返し部58は、モール5の下側の係止部を構成する部位であり、本体部57の下縁部から上方に向かって内側に屈曲形成される。下側返し部58は、モール5が取り付けられた状態で、下側返し部58の先端が第一凸部46aに当接するように形成される。
横当接部56は、本体部57の上縁部から内側へ略直角に屈曲形成されて、内縁部がガラスラン4の第三面部45aの先端に当接する。横当接部56は、その上面が第三面部45aの上面と同一面を形成するように同一の高さ位置に設けられる。これにより、見栄えの向上が図られている。
差込部5Bは、上述の装飾部5Aの上部において略直交方向に車室内側へ突設された部位であり、モール固定部45に差し込まれる。差込部5Bは、モール5の上側の係止部5Dの一部を構成する上側返し部51と、モール固定部45の対向する二面部にそれぞれ当接する上側当接部52(当接部)及び下側当接部54と、これらを繋ぐ第一接続部53と、下側当接部54と横当接部56とを繋ぐ第二接続部55とを有する。
上側返し部51は、上側当接部52の内縁部から下方に向かって車室外側に屈曲形成された部位である。上側返し部51は、モール5が取り付けられた状態で突起部45cの内側の平面に当接するように形成される。上側返し部51は、モール5を取り付ける場合に、差込部5Bがモール固定部45に差し込まれて突起部45cに当接すると、先端が上側当接部52に向かうように弾性変形する。この先端は、差込部5Bが差し込まれるほど弾性変形し、突起部45cを乗り越えることで元の形状に復帰する。そして、上側返し部51の先端が突起部45cの内側の平面に当接することで、モール5がガラスラン4に固定される。
言い換えると、モール5は、差込部5Bの先端に設けられた上側返し部51とこれに対向する上側当接部52とによって、先端側に行くほど先細りとなる楔状に形成された係止部5Dを構成する。係止部5Dは、差込部5Bの端部において上側当接部52から下方に突設された部位である。
[2.作用,効果]
(1)上述のガラスラン4は、第一固定部41がドアサッシュ2の外側フランジ部2Aを車室外側から挟み込むことによって、ドアサッシュ2に固定される。また、第一固定部41の溝部41cがドアサッシュ2の爪部12cに係合することによって、第一固定部41が外側フランジ部2Aに対して車室外側へ変位することが防止されることから、ドアサッシュ2に対するガラスラン4の固定が強化される。つまり、上述のガラスラン4の固定構造によれば、ガラスラン4がドアサッシュ2から外れることを防止することができる。
また、一様な断面をなすフランジを備えた従来のドアでは、アウタパネルとインナパネルとの接合代を確保するために爪部の車幅方向における位置が制限されてしまう。これに対し、上述のガラスラン4の固定構造では、外側フランジ部2Aの長手方向全体に亘って爪部が形成されるのではなく、複数の爪部12cが外側フランジ部2Aの長手方向に沿って互いに間隔をあけて設けられる。そのため、複数の爪部12cの相互間にアウタパネル12のサッシュ部12Sの上端部12aとインナパネル13のサッシュ部13Sの上端部13aとを接合するための接合代を確保することができる。つまり、上述のガラスラン4の固定構造では、複数の爪部12cの相互間に接合代が確保されることから、爪部12cの車幅方向における配置の自由度を高めることができる。
また、上述の爪部12cは、アウタパネル12の上端部12aの一部を切り起こすことによって形成されるため、製造コストを抑制することができる。
また、上述の第一固定部41は、チャンネル部43のリップ43d〜43fよりも高硬度に形成されるため、リップ43d〜43fの変形を許容しつつ、第一固定部41の変形を抑制することができる。つまり、上述の構造によれば、チャンネル部43のリップ43d〜43fによるシール性を確保しながら、第一固定部41を外側フランジ部2Aから外れ難くすることができる。また、第一固定部41が高硬度に形成されることにより第一固定部41の変形を抑制することができるため、第一固定部41の変形を抑制するための部品(例えば芯金)を設ける必要がなく、ガラスラン4の軽量化を図ることができる。
また、上述のガラスラン4の固定構造では、外側フランジ部2Aが車室外側に向かう姿勢で配置されるため、ドアサッシュ2の外観幅を縮小させることができる。さらに第一固定部41が、この外側フランジ部2Aを車室外側から挟み込むため、外側フランジ部2Aを車室外側から覆い隠すことができる。これらにより、ドア10の見栄えを向上させることができる。
(2)上述のガラスラン4は、第一固定部41による固定に加え、第二固定部42によってもドアサッシュ2に固定される。このように第一固定部41に加えて第二固定部42を設けることで、ガラスラン4をドアサッシュ2に対してより強固に固定することができる。また、第二固定部42は、ドアサッシュ2の内側フランジ部2Bをドアサッシュ2の内周側(すなわち下方)から挟み込むことから、ガラスラン4がドアサッシュ2に対して異なる二方向から取り付けられることになる。これにより、ガラスラン4を更に外れ難くすることができる。
(3)上述のガラスラン4は、オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)を押出し成形することによって形成される。そのため、ガラスラン4の各部41〜47におけるPPとEPDMとのブレンド比を変更することで、各部41〜47の硬度を容易に調節することができる。また、TPOを押出し成形することにより、ガラスラン4において互いに硬度の異なる複数の部位を一体に(一度の押出し作業で)形成することができる。
(4)上述の爪部12cは、その基端部(曲げ線となる車室外側の一辺側の部分)がドアガラス11の面内方向(図2に示す矢印D参照)においてドアガラス11と重なる位置に設けられる。これにより、ガラスラン4が爪部12cの先端側とドアガラス11の上縁部とに挟まれて損傷することを回避しながら、外側フランジ部2Aの車幅方向長さ(突出長さ)を縮小することができる。また、アウタサッシュ部12Sの縦面部12dをドアガラス11に接近させて板金袋構造の懐を拡大することにより、ドアサッシュ2の断面の剛性を高めることができる。
仮に、爪部12cとドアガラス11との干渉を回避するために爪部12cをドアガラス11の延長線上に配置しないようにすると、外側フランジ部2Aの車幅方向長さを長くする必要がある。一方で、外側フランジ部2Aの車幅方向長さを短くするために爪部12cの先端側をドアガラス11の延長線上に配置すると、爪部12cとドアガラス11とが干渉してガラスラン4が損傷するおそれがある。また、このガラスラン4の損傷を回避するために爪部12cとドアガラス11の上縁部との距離を長く確保すると、ガラスラン4の上下方向長さが長くなるという別の課題が生じる。これらに対し、上述のように、爪部12cの基端部がドアガラス11の面内方向Dにおいてドアガラス11と重なるように爪部12cを配置することで、このような課題が生じることもなく、上述の効果を得ることができる。
(5)上述のガラスラン4の固定構造では、ガラスラン4が内側フランジ部2Bの車室外側に隣接して設けられたトリム固定部44を備える。また、トリム14が、第二固定部42の下方に配置されてトリム固定部44に固定される。そのため、トリム14によって第二固定部42を覆い隠すことができる。また、トリム14によって第二固定部42を下方から支えることができるため、ガラスラン4をより外れ難くすることができる。
(6)上述のモール固定部45は、第一固定部41と同様に高硬度に形成され、モール5の差込部5Bを挟み込む。そのため、リップ43d〜43fの変形を許容しつつ、モール固定部45の変形を抑制することができる。つまり、上述の構造によれば、チャンネル部43のリップ43d〜43fによるシール性を確保しながら、モール5をモール固定部45から外れ難くすることができる。したがって、上述のガラスラン4の固定構造によれば、ドアサッシュ2に対するガラスラン4の固定だけでなく、ガラスラン4に対するモール5の固定をも強化することができる。
また、上述のモール5は、その差込部5Bがモール固定部45に差し込まれることでガラスラン4に固定されることから、モール5の取り付けに接着剤等を要しない。したがって、モール5をガラスラン4に接着剤等で貼り付ける場合と比べて、モール5の取り付け作業性を向上させることができる。また、接着剤等が不要なことから、コスト削減にも繋がる。
(7)上述のモール5の装飾部5Aには、本体部57の下端部に下側返し部58が設けられ、上述のガラスラン4の第一延出部43bには、この下側返し部58が係止される第一凸部46aが設けられる。そして、下側返し部58が第一凸部46aに係止されることにより、モール5の下端部がガラスラン4に固定される。これにより、モール5をガラスラン4から外れ難くすることができることから、ガラスラン4に対するモール5の固定を強化することができる。
(8)また、上述のモール5の差込部5Bの先端には、係止部5Dとしての上側返し部51が設けられ、上述のガラスラン4のモール固定部45には、この上側返し部51が係止される突起部45cが設けられる。そして、上側返し部51が突起部45cに係止されることにより、モール5の上部がガラスラン4に固定される。これにより、モール5をガラスラン4から外れ難くすることができることから、モール固定部45に対するモール5の固定を強化することができる。
また、係止部5Dが差込部5Bの先端側に行くほど先細りとなる楔状に形成されるため、差込部5Bをモール固定部45に挿入しやすくすることができ、モール5の取り付け性を向上させることができる。さらに上述の係止部5D(上側返し部51)は、弾性変形可能に設けられていることから、差込部5Bの装着時に突起部45cを容易に乗り越えることができ、突起部45cを乗り越えたのちは元の形状に復帰して突起部45cに係合する。このため、スムーズな差し込み動作を確保しつつ、差込部5Bの抜けを防止できる。
なお、上述のモール5は、上側返し部51と下側返し部58との二つが係止される。これにより、モール5の外れや上下方向の位置ずれを防止できる。
(9)上述の固定構造では、モール5の上側当接部52及び下側当接部54がそれぞれ第三面部45a及び第二面部41aに当接することから、モール5の差込部5Bの外れや上下方向の位置ずれを防止できる。
(10)上述のモール5では、装飾部5Aの下側返し部58がガラスラン4の第一延出部43bに当接して設けられる。そのため、装飾部5Aによって第一延出部43bを支えることができ、第一延出部43bが車室外側に振れることを防止することができる。これにより、リップ43dの位置が安定化するため、リップ43dのシール性を向上させることができる。
(11)上述のガラスラン4では、第一延出部43bが第一固定部41及びモール固定部45よりも低硬度に形成される。そのため、第一延出部43bが第一固定部41及びモール固定部45よりも弾性変形しやすい。しかしながら第一延出部43bは、モール5の下側返し部58によって支えられることで車室外側への変位が抑制され、ドアガラス11の上縁部の位置を適正化することができる。
(12)上述のモール5は、ステンレス鋼をロール成形することによって形成されるため、アルミを押出し成形することによって形成される場合と比べて、モール5を薄肉化することができ、モール5を軽量化することができる。
(13)上述のモール5は、モール固定部45に挟み込まれて固定されるため、モール5が外側フランジ部2Aに接触することが防止される。つまり、モール固定部45がモール5を挟み込むことにより、何れも金属である外側フランジ部2A及びモール5の接触を防止しながらモール5を固定することができる。
[3.変形例]
上述した実施形態に関わらず、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。上述した実施形態の各構成は、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせてもよい。
上述の実施形態では、爪部12cが外側フランジ部2Aの長手方向に沿って等間隔に配置される場合を例示したが、複数の爪部12cの配置は上述のものに限られない。例えば、複数の爪部12cが、外側フランジ部2Aの長手方向の曲率が大きいほど小さい間隔で設けられてもよい。すなわち、外側フランジ部2Aの長手方向のカーブが急な位置ほど、爪部12cの個数を増やしてガラスラン4の固定を強化するようにしてもよい。
外側フランジ部2Aの長手方向の曲率が大きいということは、ガラスラン4の長手方向の曲率も大きくなるため、ガラスラン4が外側フランジ部2Aから外れやすくなる虞がある。これに対し、上述のように外側フランジ部2Aの長手方向の曲率が大きいほど複数の爪部12cの配置間隔を小さくすることにより、ガラスラン4の外れを効果的に防止することができる。
また、上述の実施形態ではドアサッシュ2の横枠部21に沿って設けられるガラスラン4の固定構造を例示したが、本固定構造は、ドアサッシュ2の縦枠部22に沿って設けられるガラスランにも適用することができる。その場合であっても、本固定構造によれば上述の実施形態と同様にガラスランの外れを防止しながら、ドア10のフランジ部を構成するアウタパネルとインナパネルとの接合代を確保することができる。
上述の実施形態で示したガラスラン4の形状,材料,成形方法は一例であり、上述のものに限定されない。例えば、ガラスラン4にトリム14やモール5が取り付けられるものでない場合には、トリム固定部44及びモール固定部45を省略することができる。また、ガラスラン4の第二固定部42が第一固定部41と同様に高硬度に形成されたものであってもよい。また、第二凸部46bが省略され、第二面部41aが外側フランジ部2Aに直接当接するような構成であってもよい。また、車体のサイドルーフ部31とドアサッシュ2との間をシールするウェザストリップを配置し、リップ47を省略してもよい。
また、ガラスラン4がTPO製でなくてもよく、異なる材質で別体に形成された各部位41〜47を接着剤等で接合することでガラスラン4としてもよい。少なくともガラスラン4が、高硬度な第一固定部41でドアサッシュ2に固定されるものであり、チャンネル部43に設けられた複数のリップ43d〜43f等でドアガラス11とドアサッシュ2との間をシールするものであればよい。
なお、上述の実施形態ではガラスラン4の第一固定部41及びモール固定部45が、他部42〜44,46a〜47よりも高硬度に形成される場合を例示したが、ガラスラン4は更に細かい部位ごとに硬度が異なるものであってもよい。例えば、モール固定部45と第一固定部41とで硬度が異なっていてもよいし、第二固定部42とチャンネル部43とで硬度が異なっていてもよい。ガラスラン4は、少なくとも第一固定部41がチャンネル部43のリップ43d〜43fよりも高硬度に形成されればよい。
また、上述の実施形態で示した爪部12c及び溝部41cの形状は一例である。すなわち爪部12cは、上述のように車室内側に向かう姿勢で配置されるものに限らず、例えばアウタサッシュ部12Sの上端部12aの一部分を他の部位に対して略直角に切り起こしたものであってもよい。この場合、溝部41cの車室内側の平面が爪部12cの内側の平面と当接することで、溝部41cが爪部12cに係合する。また、溝部41cは、例えば断面U字状や断面矩形状に形成されてもよい。この場合も、対向する二平面のうちの内側の一方が爪部12cと当接することで、溝部41cが爪部12cに係合する。
さらに上述の実施形態では、爪部12cの基端部がドアガラス11の面内方向においてドアガラス11と重なる位置に設けられる場合を例示したが、爪部12cの配置はこれに限らず、基端部がドアガラス11の面内方向においてドアガラス11と重ならない位置に設けられてもよい。爪部12cの車幅方向の位置が何れの位置であっても、本固定構造によれば上述のように爪部12cの相互間にアウタサッシュ部12Sの上端部12aとインナサッシュ部13Sの上端部13aとの接合代を確保することができる。
また、上述の実施形態で示したモール5の形状,材料,成形方法は一例であり、上述のものに限定されない。例えば、上側返し部51及び下側返し部58の代わりに、断面楔状の係止部を設けてモール5をガラスラン4に固定する構成としてもよい。また、接着剤等を用いて、モール5が差込部5Bをモール固定部45に挟み込むことによってガラスラン4に固定される構成の場合、モール5の上側返し部51や下側返し部58を省略してもよい。この場合、突起部45c及び第一凸部46aを省略することが可能である。
また、上述の実施形態ではモール5がステンレス鋼のロール成形により形成される場合を例示したが、モール5は例えばアルミや樹脂の押出し成形により形成されるものであってもよい。また、上述の実施形態では、モール5の本体部57が第一壁部41bとの間に隙間を介して配置される場合を例示したが、モール5の本体部57は第一壁部41bに当接した状態に配置されてもよい。また、例えば第一壁部41bから車室外側に突出する図示しない突出部を設け、本体部57がこの突出部に当接した状態で配置されるようにしてもよい。
2 ドアサッシュ
2A 外側フランジ部
2B 内側フランジ部
4 ガラスラン
41 第一固定部
41c 溝部
42 第二固定部
43 チャンネル部
43a 第一面部(面部)
43d〜43f リップ
11 ドアガラス
12 アウタパネル
12a 上端部(外周側の端部)
12b 下端部(内周側の端部)
12c 爪部
13 インナパネル
13a 上端部(外周側の端部)
13b 下端部(内周側の端部)

Claims (4)

  1. 車両のドアサッシュと昇降自在なドアガラスとの間をシールするガラスランの固定構造において、
    アウタパネルの車室内側にインナパネルを配して形成された前記ドアサッシュと、
    前記ドアサッシュに沿って設けられる前記ガラスランと、を具備し、
    前記ドアサッシュは、
    前記アウタパネルの外周側の端部と前記インナパネルの外周側の端部とが接合され車室外側へ向かう姿勢で配置され、前記ドアガラスの周縁部から離隔して前記周縁部に沿って延在する外側フランジ部と、
    前記外側フランジ部の長手方向に沿って互いに間隔をあけて設けられ、前記アウタパネルの前記端部の一部を前記ドアガラス側へ切り起こした複数の爪部と、を備え、
    前記ガラスランは、
    前記周縁部から離隔して前記周縁部に沿って延在する面部と前記ドアガラスに当接する複数のリップとを有し、前記ドアガラスと前記ドアサッシュとの間をシールするチャンネル部と、
    車室内側に開放した断面コ字状に形成され、前記外側フランジ部を車室外側から挟み込む第一固定部と、を備え、
    前記第一固定部は、対向する二面のうちの前記ドアガラス側の一方が前記面部で構成されて前記リップよりも高硬度に形成されるとともに、前記面部に凹設されて前記爪部と係合する溝部を有し、
    前記爪部は、その基端部が前記ドアガラスの面内方向において前記ドアガラスと重なる位置に設けられる
    ことを特徴とする、ガラスランの固定構造。
  2. 前記ドアサッシュは、前記アウタパネルの内周側の端部と前記インナパネルの内周側の端部とが接合されて形成されるとともに前記ドアガラスの車室内側に配置される内側フランジ部を備え、
    前記ガラスランは、前記チャンネル部に対し前記第一固定部とは逆側において断面U字状に形成され、前記内側フランジ部を前記ドアサッシュの内周側から挟み込む第二固定部を備える
    ことを特徴とする、請求項1記載のガラスランの固定構造。
  3. 前記ガラスランが、オレフィン系熱可塑性エラストマーを押出し成形することによって形成される
    ことを特徴とする、請求項1又は2記載のガラスランの固定構造。
  4. 前記爪部は、前記外側フランジ部の長手方向の曲率が大きいほど小さい前記間隔で設けられる
    ことを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載のガラスランの固定構造
JP2015090389A 2015-04-27 2015-04-27 ガラスランの固定構造 Active JP6536154B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015090389A JP6536154B2 (ja) 2015-04-27 2015-04-27 ガラスランの固定構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015090389A JP6536154B2 (ja) 2015-04-27 2015-04-27 ガラスランの固定構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016203892A JP2016203892A (ja) 2016-12-08
JP6536154B2 true JP6536154B2 (ja) 2019-07-03

Family

ID=57486741

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015090389A Active JP6536154B2 (ja) 2015-04-27 2015-04-27 ガラスランの固定構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6536154B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019001329A (ja) * 2017-06-16 2019-01-10 いすゞ自動車株式会社 シール部材保持構造
JP6979169B2 (ja) * 2017-09-06 2021-12-08 いすゞ自動車株式会社 ガラスラン
CN112297802B (zh) * 2020-11-04 2022-04-15 浙江吉利控股集团有限公司 一种汽车侧窗隐藏式外挡水条及具有其的车辆

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60110009U (ja) * 1983-12-28 1985-07-26 いすゞ自動車株式会社 自動車用ドアガラスランの取付構造
FR2956068B1 (fr) * 2010-02-08 2012-04-20 Hutchinson Enjoliveur exterieur pour cadre de porte de vehicule automobile, et module d'etancheite l'incorporant
JP5991692B2 (ja) * 2012-11-15 2016-09-14 トヨタ自動車株式会社 ガラスラン

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016203892A (ja) 2016-12-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6512966B2 (ja) モールの取付構造
JP6528526B2 (ja) ガラスランの固定構造
JP6566745B2 (ja) 自動車用ドアのシール材
JP5163795B2 (ja) ガラスランの取付構造
JP4612711B2 (ja) 車両のドアサッシュ部構造
JP5994646B2 (ja) 車両の内装部材の取付け構造
JP6536154B2 (ja) ガラスランの固定構造
JP5243104B2 (ja) 車両用ドアの窓枠に取り付けられるガーニッシュ及びこのガーニッシュを取り付けた車両用ドア
JP2011189880A (ja) オープニングトリムウエザストリップ
JP6401767B2 (ja) 車体構造
JP6760741B2 (ja) 自動車ドア用グラスラン
JP2009190639A (ja) 車両ドア用ガラスガイド構造
JP2007055516A (ja) パーティングシールの取付構造
JP7359717B2 (ja) 自動車用デビジョンバー及びその製造方法
JP2007314067A (ja) ピラーガーニッシュの上部合わせ構造
JP5991691B2 (ja) ガラスラン
JP2006015768A (ja) ドアウエザストリップ、その取付構造及びその製造方法
JP2010030445A (ja) オープニングトリムウエザストリップ
JP6352582B2 (ja) ドアサッシュ
JP4743761B2 (ja) 自動車の窓シール構造
JP2008114804A (ja) 自動車ドアのシール構造
JP6546025B2 (ja) 固定窓用シール構造
JP6597152B2 (ja) 車両のドア開口部構造
JP5513770B2 (ja) ウェザーストリップの取付構造
JP6032434B2 (ja) ウエザストリップ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180323

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190123

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190129

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190319

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190507

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190520

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6536154

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151