JP6187809B2 - ステアリング装置 - Google Patents
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Description
請求項3に記載の発明は、前記第1端部および前記第2端部は、前記板厚方向から見て円弧形状または多角形状であることを特徴とする、請求項1または2に記載のステアリング装置である。
また、第1端部が内側端部および外側端部の両側2箇所で板状部材を挟持しているため、カプセルは、安定してブラケットを支持することができる。
ここで言う内側とは、板状部材におけるステアリング軸側であり、外側とは、板状部材におけるステアリング軸側とは反対側である。2次衝突の衝撃によって板状部材が撓んだ場合において、内側と外側とで板状部材の撓み量が違っても、ここでの撓み量の差に応じて、内側被挟持部分と外側被挟持部分との大きさに差を持たせておけば、カプセルは、板状部材とこじることなく切り欠き溝から離脱できる。
請求項3に記載の発明のように、第1端部および第2端部は、板厚方向から見て円弧形状または多角形状であってもよい。
図1は、本発明の一実施形態のステアリング装置1の模式的な概略側面図である。ここで、図1において、紙面左側が車体2の前側であり、紙面右側が車体2の後側であり、紙面上側が車体2の上側であり、紙面下側が車体2の下側である。
図1を参照して、ステアリング装置1は、ステアリング軸3と、ステアリングコラム4と、アッパーブラケット5(ブラケット)と、ロアーブラケット6と、レバー7とを主に含んでいる。ステアリング装置1は、アッパーブラケット5およびロアーブラケット6によって車体2に取り付けられている。ステアリング軸3の一端(後端3A)には、ステアリングホイール等の操舵部材9が連結されている。ステアリング装置1は、レバー7を回動させることで、いわゆるテレスコ調整(ステアリングコラム4の伸縮量調整)とチルト調整(ステアリングコラム4の傾き調整)とが可能である(詳しくは、後述する)。
以下では、ステアリング軸3が延びる方向を軸方向Xとする。軸方向Xは、図1における紙面の左右方向と一致している。また、軸方向Xに直交する方向を左右方向Yと上下方向Zとする。左右方向Yは、図1において紙面に直交する方向であり、上下方向Zは、図1の紙面の上下方向である。
アッパーコラム12とアッパーシャフト10とは、図示しない軸受等を介して連結されており、ロアーコラム13とロアーシャフト11とは、図示しない軸受等を介して連結されている。そのため、アッパーコラム12およびアッパーシャフト10は、一体となって、ロアーコラム13およびロアーシャフト11に対して、軸方向Xに相対移動可能である。これにより、ステアリングコラム4およびステアリング軸3は、一度に伸縮できる。
以下では、図1に加えて図2も参照して説明する。
板状部材14は、アッパーブラケット5に設けられている。板状部材14は、上下方向Zから見て左右方向Yに長手の四角形をなす平板状であり、ステアリング軸3を挟んで対称である(図2参照)。板状部材14の板厚方向は、上下方向Zと一致している。
回転軸16は、左右方向Yに延びており、ステアリングコラム4よりも下側において一対の側板15を貫通している。図2では、回転軸16を説明の便宜上省略している。
天板部19は、上下方向Zから見て左右方向Yに長手の四角形をなす平板状であり、ステアリング軸3を挟んで対称である(図2参照)。天板部19は、その四隅において、ボルト22によって車体2に取り付けられている。
チルト中心軸21は、左右方向Yに延びており、一対の側板20を貫通して、ロアーコラム13に連結されている。ロアーブラケット6は、チルト中心軸21を介してロアーコラム13を支持している。このため、ロアーコラム13を含むステアリングコラム4の全体は、チルト中心軸21を中心に回動可能となっている。ステアリングコラム4の回動によって前述したチルト調整が可能となる。
図3は、本発明の一実施形態のカプセル8の斜視図である。図4は、図3とは異なる方向から見たカプセル8の斜視図である。ここで、図3における紙面の上下方向をカプセル8の板厚方向Tとする。板厚方向Tに対して直交する方向を、幅方向Wおよび奥行き方向Dとする。幅方向Wは、図3において紙面の右手前から左奥側に延びる方向であり、奥行き方向Dは、図3において紙面の左手前から右奥側に延びる方向である。図4は、図3のカプセル8を奥行き方向Dの右奥側から見た図である。
図3を参照して、カプセル8は、板厚方向Tに並んだ第1挟持部24、対向部25および第2挟持部26を一体的に含んでいる。
第1挟持部24は、板厚方向Tから見て略正方形の板である。ここで、第1挟持部24の幅方向Wの中央において、奥行き方向Dに延びる1本の基準線24Aを定義する。
図3の状態を基準として、第2挟持部26において奥行き方向Dにおける左手前側の端面26Dは、第1挟持部24の端面24Bと面一になっている。また、基端部26Aは、幅方向Wにおいて、第1挟持部24(厳密には、両側の端面24Dの間隔)と同じであり、対向部25において幅方向Wで同じ側にある側端面25Cから幅方向Wにおける外側へはみ出している。また、先端部26Bは、板厚方向Tから見て、第1挟持部24の端面24Cまで到達していて、対向部25の先端面25Bから端面24C側へはみ出している(図4も参照)。第2挟持部26の幅方向Wにおける端面(厳密には、奥行き方向Dにおいて基端部26Aと凸部26Cとの間の領域における端面)26Eは、対向部25の(幅方向Wで同じ側にある)側端面25Cと面一になっている。凸部26Cは、幅方向Wで同じ側にある側端面25Cから幅方向Wにおける外側へ少しだけはみ出している。また、板厚方向Tから見たときの第2挟持部26の輪郭は、いずれの角も、尖らないように丸められている。
一方、端面26Eにおいては、第2挟持部26は、対向部25と同じ位置にあり(幅方向Wに突出しておらず)、第1挟持部24とは対向していない。
また、図3に示すカプセル8において、奥行き方向Dの端面のうち左手前側の端面には、符号「8A」を付すことにする。また、カプセル8において、端面26Eおよび側端面25Cが成す側面と先端面25Bとには、符号「8B」を付すことにする。
図2および図5を参照して、板状部材14において、一対のカプセル8が設けられている位置には、一対の切り欠き溝23が形成されている。各切り欠き溝23は、板状部材14において軸方向Xと直交する端縁(左右方向Yに延びる端縁)のうち後側の端縁14Bを、前側へ向けて凹状に切り欠いている。詳しくは、各切り欠き溝23は、後側から前側へ向かって徐々に左右方向Yに小さくなる略台形状である。切り欠き溝23は、板状部材14を板厚方向(上下方向Z)に貫通している。切り欠き溝23を区画する板状部材14の端面のうち、切り欠き溝23の最深部において軸方向Xと直交する面を先端面14Cとし、左右方向Yにおける両側の端面を側端面14Dとする。
図6Cを参照して、各カプセル8を車体2に取り付けるには、各カプセル8の第1挟持部24が車体2の上側に向いた状態で、第2挟持部26側(下側)からボルト32をねじ孔8Cに挿通させる。ボルト32を車体2に対して締め付けていくと、ボルト32の頭部32Aがカプセル8の下面8Dに当接する。その状態から、さらにボルト32を車体2に対して締め付けてカプセル8を車体2に押し付けることでカプセル8を車体2に対して固定する。
2次衝突前では、各カプセル8は、ボルト32によって車体2に取り付けられており、アッパーブラケット5は、樹脂ピン33によってカプセル8に接続されている。つまり、カプセル8は、アッパーブラケット5を車体2に位置決めしている。
図1を参照して、2次衝突時に、ステアリング装置1が操舵部材9側から衝撃を受けると、アッパーブラケット5(板状部材14)は、車体2にカプセル8を残した状態(カプセル8の位置が固定された状態)で車体2の前側(所定の移動方向Aの下流側)へ移動しようとする。そのため、図5に示す各樹脂ピン33が破断し、アッパーブラケット5は、操舵部材9を伴って移動方向Aにおける下流側へ向けて移動する。
この状態で、板状部材14は、移動方向Aに沿っている。また、移動方向Aを基準とすると、切り欠き溝23は、板状部材14において移動方向Aにおける上流側端縁14Bを移動方向Aにおける下流側へ向けて凹状に切り欠いていることが分かる。また、第1端部27は、カプセル8において移動方向Aにおける上流側に設けられており、第2端部28は、移動方向Aにおける下流側に設けられていることも分かる。
これにより、2次衝突時にカプセル8からアッパーブラケット5が離脱するために必要な荷重(「離脱荷重」と呼ぶことにする)は、低く抑えられる(離脱荷重のばらつきを抑えられる)。なお、距離D1、距離D2および距離D3を調整することで、カプセル8がアッパーブラケット5を挟持する力や離脱荷重を微調整することが可能である。
以上のように、このステアリング装置1では、アッパーブラケット5の板状部材14とカプセル8との間におけるこじりを防止できる。
図7は、本発明の変形例における要部の拡大図である。ここで、図7の姿勢は、図2と一致している。なお、図7において、上記に説明した部材と同様の部材には、同一の参照符号を付し、その説明を省略する。
以下では、図1〜図6に加えて図7も参照して説明する。
図7では、左右方向Yにおいて内側端部30における第2挟持部26は、図5で領域S1にあった樹脂ピン33よりも外側に位置している。この状態においても内側端部30は、内側周縁部14Fを挟持しており、内側端部30における第2挟持部26は、内側周縁部14Fとひっかかる程度に左右方向Yに側端部29よりも突出していればよい。具体的には、内側端部30における第2挟持部26は、1mm程度突出していればよい。また、領域S1(正確には、領域S1の近傍)の樹脂ピン33は、カプセル8の第2挟持部26には挿通されておらず、板状部材14と第1挟持部24(挿通孔34)とに挿通されている。なお、領域S1の樹脂ピン33は、説明の便宜上、図示しただけであるので、実際には存在しなくてもよい。
2次衝突による衝撃が操舵部材9に対して斜め(軸方向Xに対して上下に交差する方向)から入力され、アッパーブラケット5が斜めに移動した場合を想定する。このとき、入力される衝撃によっては、板状部材14が上下方向Zに部分的に撓みながらカプセル8に押し当てられることがある。板状部材14は、一対のカプセル8によって挟持されているため、板状部材14において、一対のカプセル8よりも内側(ステアリング軸3側)の部分は特に撓みやすい。つまり、板状部材14の内側周縁部14Fにおいて内側端部30に挟持されている部分(領域S1)の方が、板状部材14の外側周縁部14Gにおいて外側端部31に挟持されている部分(領域S2)よりも撓みやすい。よって、内側端部30が外側端部31よりも左右方向Yに短い場合(領域S1が領域S2よりも小さい場合)は、2次衝突の衝撃によって、板状部材14において、内側の方が外側よりも撓んでも、カプセル8は板状部材14とこじることなく切り欠き溝23から離脱できる。
たとえば、外側端部31が内側端部30よりも左右方向Yに短い場合もあり得る。2次衝突によって受ける衝撃の入力方向によっては、板状部材14において、外側の方が内側よりも撓むことが想定される。また、アッパーブラケット5の形状によっては(たとえば板状部材14において外側よりも内側の剛性が高い場合など)、板状部材14において、一対のカプセル8よりも外側の方が内側よりも撓みやすいことも想定される。これらの場合、板状部材14の領域S2は、領域S1よりも撓みやすい。よって、外側端部31が左右方向Yに短い場合は、2次衝突の衝撃によって、板状部材14において、外側の方が内側よりも撓んでも、カプセル8は板状部材14とこじることなく切り欠き溝23から離脱できる。
また、カプセル8は、チルト調整およびテレスコ調整ができるステアリング装置1にのみ用いられるものではなく、チルト調整およびテレスコ調整のうちのどちらかのみが可能なステアリング装置などの全てのステアリング装置に適用可能である。
また、実施形態において、カプセル8は、樹脂ピン33によって板状部材14と連結されているが、必ずしも樹脂ピン33を用いる必要はない。たとえば、かしめによってカプセル8と板状部材14を連結していてもよいし、板状部材14を係止する構造をカプセル8に設けてもよいし、別部品を用いてもよい。
また、カプセル8は、必ずしも板状部材14において左右方向Yの両側に設けられている必要はなく、たとえば左右方向Yの中央に1つだけ設けられていてもよい。
Claims (3)
- 操舵部材が連結されたステアリング軸を保持し、2次衝突時には前記操舵部材を伴って所定の移動方向における下流側へ向けて移動可能なブラケットと、
前記ブラケットに設けられ、前記移動方向に沿う板状部材であって、前記板状部材において前記移動方向における上流側端縁を、前記板状部材の板厚方向に貫通しつつ、前記移動方向における下流側へ向けて凹状に切り欠く切り欠き溝が形成された板状部材と、
2次衝突前の状態では、前記切り欠き溝に嵌め込まれて前記ブラケットを車体に位置決めし、2次衝突時には、前記切り欠き溝から前記移動方向における上流側へ外れることによって、前記移動方向における下流側への前記ブラケットの移動を許可するカプセルとを含み、
前記カプセルは、
前記カプセルにおいて前記移動方向における上流側に設けられ、前記板状部材において前記切り欠き溝を縁取る周縁部を前記板厚方向から挟持する第1端部と、
前記カプセルにおいて前記移動方向における下流側に設けられ、前記周縁部を前記板厚方向から挟持する第2端部と、
前記カプセルにおいて前記第1端部と前記第2端部との間に設けられ、前記周縁部を前記板厚方向から挟持することなく、前記周縁部に対向する側端部とを含み、
前記第1端部は、前記周縁部において前記ステアリング軸側の内側周縁部を挟持する内側端部と、前記周縁部において前記ステアリング軸側とは反対側の外側周縁部を挟持する外側端部とを含み、
前記内側端部は、前記板厚方向に互いに対向する第1内側挟持部および第2内側挟持部を有し、
前記外側端部は、前記板厚方向に互いに対向する第1外側挟持部および第2外側挟持部を有し、
前記第1内側挟持部および前記第2内側挟持部が互いに対向する領域は、前記第1外側挟持部および前記第2外側挟持部が互いに対向する領域よりも前記板厚方向から見て小さいことを特徴とする、ステアリング装置。 - 前記内側周縁部において前記内側端部に挟持される部分は、前記外側周縁部において前記外側端部に挟持される部分よりも小さいことを特徴とする、請求項1に記載のステアリング装置。
- 前記第1端部および前記第2端部は、前記板厚方向から見て円弧形状または多角形状であることを特徴とする、請求項1または2に記載のステアリング装置。
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