JP2009298324A - ステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】チルト調整位置が変わってもクランプ力が安定するとともに、アンクランプ操作が容易で、クランプ時のステアリング装置の剛性が大きなステアリング装置を提供する。
【解決手段】操作レバー69をクランプ方向に回動すると、締付けロッド5を引っ張る。右側の側板24は、締付けロッド5によって左側に押され、右側の側板24の車体上方端と上板23との接続部には、車体前後方向の略全長に渡って、スリット27が形成されているため、右側の側板24は、右側の側板24と前板26との接続部を支点として容易に弾性変形する。右側の側板24と前板26との接続部は、チルト調整用長溝28に対して略平行なため、チルト調整位置が変わっても、右側の側板24が弾性変形する時の、支点と力点との間の距離が略一定で、操作レバー69を同じ締め付け力で締め付ければ、右側の側板24の弾性変形量が略一定となり、クランプ力が安定する。
【選択図】図5

Description

本発明はステアリング装置、特に、運転者の体格や運転姿勢に応じて、ステアリングホイールのチルト位置を調整することができるチルト位置調整式のステアリング装置に関する。
運転者の体格や運転姿勢に応じてステアリングホイールの上下方向位置を調整する為の装置として、チルト式ステアリング装置と呼ばれるステアリング装置がある。また、ステアリングホイールの上下方向位置と前後方向位置の両方の位置を調整する為の装置として、チルト・テレスコピック式ステアリング装置と呼ばれるステアリング装置がある。
このようなステアリング装置では、所望のチルト調整位置に調整したコラムを、車体取付けブラケットの側板に締め付けてクランプするクランプ装置が備えられている。このクランプ装置には、クランプ時のステアリング装置の剛性が大きく、クランプ力が安定し、アンクランプ操作が容易なことが要求される。
特許文献1、特許文献2のステアリング装置は、車体取付けブラケットの一方の側板の板厚を他方の側板の板厚よりも薄くしている。これによって、他方の側板の板厚が厚いことで、クランプ時のステアリング装置の剛性が大きく、クランプ装置のクランプ時、アンクランプ時に、板厚の薄い一方の側板が容易に弾性変形し、クランプ力が安定するとともに、アンクランプ操作を容易にしている。
しかし、特許文献1、特許文献2のステアリング装置は、側板の車体上方端が車体取付けブラケットの上板に接続されている。従って、チルト調整位置によって、板厚の薄い一方の側板が弾性変形する時の、支点と力点との間の距離が変化し、クランプ装置を同じ締め付け力で締め付けても、板厚の薄い一方の側板の弾性変形量が変動するため、クランプ力が安定しない。
特表2006−523565号公報 米国特許第7252019号明細書
本発明は、チルト調整位置が変わってもクランプ力が安定するとともに、アンクランプ操作が容易で、クランプ時のステアリング装置の剛性が大きなステアリング装置を提供することを課題とする。
上記課題は以下の手段によって解決される。すなわち、第1番目の発明は、車体後方側にステアリングホイールを装着したステアリングシャフトを回転可能に軸支するコラム、車体に取り付け可能な車体取付けブラケット、上記車体取付けブラケットに車体上下方向に形成され、チルト中心軸を支点とするチルト位置調整、または、チルト中心軸を支点とするチルト位置調整と、上記ステアリングシャフトの中心軸線に沿ったテレスコピック位置調整の両方が可能に上記コラムを車幅方向の左右両側から挟持する左右一対の側板、上記車体取付けブラケットに車体上下方向に形成され、上記左右一対の側板の車体前方端に接続された前板、上記車体取付けブラケットに車幅方向に形成され、上記前板の車体上方端と上記左右一対の側板の車体上方端に接続された上板、上記左右一対の側板のいずれか一方の側板の車体上方端と上記上板との接続部の車体前後方向に渡って形成されたスリット、上記左右一対の側板を弾性変形させて、左右一対の側板の内側面を上記コラムに押圧し、所定のチルト調整位置、または、所定のチルト調整位置とテレスコピック調整位置で、上記コラムを左右一対の側板に締め付けてクランプするクランプ装置を備えたことを特徴とするステアリング装置である。
第2番目の発明は、第1番目の発明のステアリング装置において、上記左右一対の側板の他方の側板には、他方の側板の剛性を大きくするための折り曲げ部、または、リブのうちの少なくともいずれか一方が形成されていることを特徴とするステアリング装置である。
第3番目の発明は、第2番目の発明のステアリング装置において、上記左右一対の側板の一方の側板に形成され、一方の側板の車体前方端と上記前板との接続部よりも車体後方側で、チルト位置調整方向に略平行な開口孔を備えたことを特徴とするステアリング装置である。
第4番目の発明は、第1番目から第3番目までのいずれかの発明のステアリング装置において、上記左右一対の側板の内側面と上記コラムとの間に介挿され、上記クランプ装置によるコラムクランプ時の摩擦力を大きくする複数の摩擦板を備えたことを特徴とするステアリング装置である。
本発明のステアリング装置では、車体取付けブラケットに車体上下方向に形成され、チルト中心軸を支点とするチルト位置調整、または、チルト中心軸を支点とするチルト位置調整と、ステアリングシャフトの中心軸線に沿ったテレスコピック位置調整の両方が可能にコラムを車幅方向の左右両側から挟持する左右一対の側板と、車体取付けブラケットに車体上下方向に形成され、左右一対の側板の車体前方端に接続された前板と、車体取付けブラケットに車幅方向に形成され、前板の車体上方端と左右一対の側板の車体上方端に接続された上板と、左右一対の側板のいずれか一方の側板の車体上方端と上板との接続部の車体前後方向に渡って形成されたスリットを備えている。
従って、一方の側板と前板との接続部がチルト調整方向に対して略平行で、この接続部が一方の側板が弾性変形する時の支点となるため、チルト調整位置が変わっても、支点と力点との間の距離が略一定となる。その結果、一方の側板を同じ締め付け力で締め付ければ、一方の側板の弾性変形量が略一定となり、クランプ力が安定するとともに、アンクランプ時には、一方の側板の弾性変形が円滑に元に戻るため、アンクランプ操作も容易となる。また、他方の側板の剛性は維持されるため、クランプ時のステアリング装置の剛性が確保される。
以下の実施例では、ステアリングホイールの上下方向位置と前後方向位置の両方の位置を調整する、チルト・テレスコピック式のステアリング装置に本発明を適用した例について説明する。
図1は本発明のステアリング装置101を車両に取り付けた状態を示す全体斜視図である。ステアリング装置101は、ステアリングシャフト102を回動自在に軸支している。ステアリングシャフト102には、その上端(車体後方側)にステアリングホイール103が装着され、ステアリングシャフト102の下端(車体前方側)には、ユニバーサルジョイント104を介して中間シャフト105が連結されている。
中間シャフト105にはその下端にユニバーサルジョイント106が連結され、ユニバーサルジョイント106には、ラックアンドピニオン機構等からなるステアリングギヤ107が連結されている。
運転者がステアリングホイール103を回転操作すると、ステアリングシャフト102、ユニバーサルジョイント104、中間シャフト105、ユニバーサルジョイント106を介して、その回転力がステアリングギヤ107に伝達され、ラックアンドピニオン機構を介して、タイロッド108を移動し、車輪の操舵角を変えることができる。
図2は本発明の実施例1のステアリング装置101を車体後方側から見た要部の斜視図である。図3は図2の車体取付けブラケット周辺を車体前方側から見た分解斜視図である。図4は図3の車体取付けブラケットを車体後方側から見た斜視図である。図5は図4の車体取付けブラケットの一方の側板側の摩擦板を車体下方側にずらした状態を示す斜視図である。
図2に示すように、本発明の実施例1のステアリング装置101は、車体取付けブラケット2、ロアーコラム(インナーコラム)3、操舵補助部31(電動アシスト機構)、アッパーコラム(アウターコラム)4等から構成されている。
ロアーコラム3の車体前方側(図2の左側)には、操舵補助部(電動アシスト機構)31の右端が圧入によって固定される。操舵補助部31は、電動モータ311、減速ギヤボックス部312、出力軸313等から構成されている。操舵補助部31は、操舵補助部31の車体前方端に一体的に形成されたブラケット314が、図示しない車体に、図示しないチルト中心軸を介して、チルト位置調整可能に支持されている。
ロアーコラム3の外周には、アッパーコラム4がテレスコピック位置調整(ロアーコラム3の中心軸線に平行に摺動)可能に嵌合している。アッパーコラム4には、上部ステアリングシャフト102Aが回動可能に軸支され、上部ステアリングシャフト102Aの車体後方側(図2の右側)端部には、ステアリングホイール103(図1参照)が固定されている。
ロアーコラム3には、図示しない下部ステアリングシャフトが回動可能に軸支され、下部ステアリングシャフトは上部ステアリングシャフト102Aとスプライン嵌合している。従って、アッパーコラム4のテレスコピック位置に関わらず、上部ステアリングシャフト102Aの回転が下部ステアリングシャフトに伝達される。
操舵補助部31は、下部ステアリングシャフトに作用するトルクを検出し、電動モータ311を駆動して、出力軸313を所要の操舵補助力で回転させる。この出力軸313の回転が、車体前方側に接続される中間シャフト105を経由して、ステアリングギヤ107に伝達され、車輪の操舵角を変えることができる。
アッパーコラム4の車体前方側(図2の左側)には、アッパーコラム4を車幅方向の左右両側から挟持する車体取付けブラケット2が取付けられている。図3から図5に示すように、車体取付けブラケット2は、車体取付部21とコラム締め付け部22の二個の部品を、溶接によって接合して一体化して形成されている。
車体取付けブラケット2の車体取付部21には、アッパーコラム4の軸心を挟んで、車幅方向の左右両側に水平方向に延在して、フランジ部211、211が形成されている。このフランジ部211、211には切欠き溝(車体後方側が開放されて形成されている)212、212が形成され、この切欠き溝212、212に嵌め込まれたカプセル213を介して、車体取付部21が車体に取付けられている。
車体取付けブラケット2、アッパーコラム4は、二次衝突時にステアリングホイール103に運転者が衝突して大きな衝撃力が作用すると、カプセル213から車体取付けブラケット2が車体前方側に離脱し、ロアーコラム3に案内されて車体前方側にコラプス移動し、衝突時の衝撃エネルギーを吸収する。
車体取付けブラケット2のコラム締め付け部22は、車幅方向に略水平に形成された上板23と、この上板23から車体下方側に延び、アッパーコラム4を車幅方向の左右両側から挟持する左右一対の側板24、25を有している。また、コラム締め付け部22は、上板23から車体下方側に延び、側板24、25の車体前方端に接続された前板26を有している。
図4、図5に示すように、車体後方側から見て左側の側板25には、側板25の車体前方端から車幅方向の左側に折り曲げられた折り曲げ部251と、側板25の車体下方端から車幅方向の左側に折り曲げられた折り曲げ部252が形成されている。また、折り曲げ部251と側板25との間には、折り曲げ部251と側板25とを接続するリブ253が形成されている。従って、左側の側板25は、折り曲げ部251、リブ253、折り曲げ部252によって、剛性が大きくなるように形成されている。
また、車体後方側から見て右側の側板24には、側板24の車体上方端と上板23との接続部の車体前後方向の略全長に渡って、スリット27が形成され、スリット27の車体後方側は開放されている。コラム締め付け部22は、折り曲げ部251の車幅方向の左端面と、上板23の車体後方側端面が、溶接部254、255によって、車体取付部21に接合されている。
図3に示すように、アッパーコラム4の車体前方側の車幅方向の左右の側面41、42には、アッパーコラム4の軸心方向に長く延びるテレスコ調整用長溝43、44が形成されている。また、図3から図5に示すように、車体取付けブラケット2の側板24、25には、チルト調整用長溝28、29が形成されている。チルト調整用長溝28、29は、チルト中心軸を中心とする円弧状に形成されている。
図3に示すように、丸棒状の締付けロッド5が、上記チルト調整用長溝28、29及びテレスコ調整用長溝43、44を通して挿入されている。
車体取付けブラケット2の側板24、25の内側面246、256には、アッパーコラム4の左右の側面41、42との間に、複数(本実施例では5枚ずつ)のチルト用摩擦板(摩擦板)61、61が、チルト方向(車体上下方向)に延在して配置されている。このチルト用摩擦板61、61には、前記締付けロッド5が貫通するチルト調整用長溝62が形成されている。
各チルト用摩擦板61、61は、その上端が、連結部材としてのボルト63、63によって、それぞれ車体取付けブラケット2の車体取付部21に固定されている。各チルト用摩擦板61、61は、その下方が自由端になっており、チルト締付時の締付ズレを許容するように構成されている。
また、同様に、アッパーコラム4の車幅方向の左右の側面41、42には、1枚のテレスコ用摩擦板(摩擦板)64、64が、前記チルト用摩擦板61、61に挟まれて、テレスコ方向(アッパーコラム4の軸心方向)に延在して配置されている。このテレスコ用摩擦板64、64には、前記締付けロッド5が貫通するテレスコ調整用長溝65が形成されている。
各テレスコ用摩擦板64、64は、その車体前方端が、連結部材としてのボルト66、66によって、それぞれ各側面41、42に固定されている。各テレスコ用摩擦板64、64は、その車体後方端が自由端になっており、テレスコ締付時の締付ズレを許容するように構成されている。
側板24、25のチルト調整用長溝28、29には、樹脂製の案内ブロック67、68がチルト方向に摺動可能に内嵌している。この案内ブロック67、68の円筒部671、681が、チルト用摩擦板61のチルト調整用長溝62、及び、テレスコ用摩擦板64のテレスコ調整用長溝65に内嵌している。丸棒状の締付けロッド5が、案内ブロック67、68を貫通して、チルト調整用長溝28、29及びテレスコ調整用長溝43、44に挿入されている。
操作レバー69(図2参照)をクランプ方向に回動すると、図示しない固定カムと可動カムによって、固定カムの傾斜カム面の山に可動カムの傾斜カム面の山が乗り上げ、締付けロッド5を引っ張る。上記したチルト用摩擦板61、テレスコ用摩擦板64、締付けロッド5、操作レバー69、固定カム、可動カム等によって、本発明の実施例のクランプ装置が構成されている。
右側の側板24は、締付けロッド5によって左側に押され、右側の側板24が内側に弾性変形して、側板24の内側面246で、チルト用摩擦板61、テレスコ用摩擦板64を左側に押し、アッパーコラム4の右側の側面41に強く押しつける。右側の側板24の車体上方端と上板23との接続部には、車体前後方向の略全長に渡って、スリット27が形成されているため、右側の側板24は、右側の側板24と前板26との接続部を支点として容易に弾性変形する。
右側の側板24と前板26との接続部は、チルト調整用長溝28に対して略平行なため、チルト調整位置が変わっても、右側の側板24が弾性変形する時の、支点と力点との間の距離が略一定となる。その結果、操作レバー69を同じ締め付け力で締め付ければ、右側の側板24の弾性変形量が略一定となり、クランプ力が安定する。
同時に、剛性の大きな左側の側板25は、固定カムによって右側に若干押され、左側の側板25が内側に若干弾性変形して、チルト用摩擦板61、テレスコ用摩擦板64を右側に若干押し、アッパーコラム4の左側の側面42に強く押しつける。
このようにして、チルト用摩擦板61とテレスコ用摩擦板64の両側面の間に働く大きな摩擦力によって、アッパーコラム4の左右の側面41、42を、車体取付けブラケット2に、所定のチルト調整位置とテレスコピック調整位置で、大きな保持力で締め付けてクランプすることができる。
左側の側板25は、折り曲げ部251、リブ253、折り曲げ部252によって、剛性が大きく形成されているため、クランプ時のステアリング装置の剛性が大きくなり、操舵感が向上する。本発明の実施例では、チルト用摩擦板61、テレスコ用摩擦板64が、車体取付けブラケット2の側板24、25の内側面246、256側に配置されているため、側板24、25の外側面側に配置した場合と比較して、車室内への突出部が少なくなり、好ましい。
次に、運転者が操作レバー69を締付解除方向に回動すると、フリーな状態における間隔がアッパーコラム4の左右の側面41、42の外側の幅より広く設定された車体取付けブラケット2の側板24、25が、挟持方向と反対の方向へそれぞれ弾性復帰する。右側の側板24は、右側の側板24と前板26との接続部を支点として、弾性変形が円滑に元に戻るため、アンクランプ操作が容易である。これによって、テレスコ用摩擦板64及びチルト用摩擦板61との間の摩擦力も解除される。
そのため、アッパーコラム4は、車体取付けブラケット2の側板24、25に対してフリーな状態となる。この状態で、締付けロッド5をチルト用摩擦板61のチルト調整用長溝62に案内させつつチルト方向に変位させて、ステアリングホイール103のチルト方向の調整を任意に行うことができる。
また、締付けロッド5に沿って、テレスコ用摩擦板64のテレスコ調整用長溝65、及び、アッパーコラム4のテレスコ調整用長溝43、44を案内させつつ、アッパーコラム4をテレスコ方向に変位させることで、ステアリングホイール103のテレスコ方向の調整を任意に行うことができる。
二次衝突時にステアリングホイール103に運転者が衝突し、車体前方側への衝撃荷重がアッパーコラム4に作用すると、アッパーコラム4から締付けロッド5を介して、車体取付けブラケット2に車体前方側への衝撃荷重が作用する。
すると、車体取付けブラケット2には、車体取付けブラケット2の車体への取付位置を支点とする回転モーメントが作用する。この状態で、車体取付けブラケット2に更に車体前方側への荷重が作用すると、車体取付けブラケット2は車体への取付部に対してこじられた状態で車体前方側に押されるため、車体取付けブラケット2は車体から円滑に離脱しにくくなる。
本発明の実施例では、締付けロッド5が、車体取付けブラケット2の車体への取付位置とアッパーコラム4の上面との間に配置されていて、車体取付けブラケット2の車体への取付位置と締付けロッド5との間の距離が接近して配置されている。従って、車体取付けブラケット2の車体への取付位置を支点とする回転モーメントが小さくなり、車体取付けブラケット2は車体から円滑に離脱することができる。
図6は本発明の実施例2の車体取付けブラケット2を示す図5相当図である。以下の説明では、上記実施例と異なる構造部分についてのみ説明し、重複する説明は省略する。
実施例2は、実施例1の右側の側板24の弾性変形をより容易にした例である。すなわち、図6に示すように、実施例2では、右側の側板24の車体前方端と前板26との接続部よりも車体後方側に、チルト調整用長溝(チルト位置調整方向)28に対して略平行で、車体上下方向に長い矩形の開口孔70を形成している。
本発明の実施例2では、開口孔70がチルト調整用長溝(チルト位置調整方向)28に対して略平行に形成されている。そのため、車体取付けブラケット2の車体上下方向の剛性を維持しながら、右側の側板24の弾性変形が実施例1よりも容易となる。また、チルト調整位置が変わっても、操作レバー69を同じ締め付け力で締め付けた時の、右側の側板24の弾性変形量が略一定で、クランプ力も安定する。
実施例2では、開口孔70が車体上下方向に長い矩形に形成されているが、車体上下方向の寸法が短い複数の開口孔を、チルト調整用長溝(チルト位置調整方向)28に対して略平行に、車体上下方向に飛び飛びに配置しても、同様の効果が期待できる。
図7は本発明の実施例3の車体取付けブラケット周辺を車体前方側から見た分解斜視図である。以下の説明では、上記実施例と異なる構造部分についてのみ説明し、重複する説明は省略する。
実施例3は、実施例1のスリット27の形状を変更し、コラムクランプ時のステアリング装置の剛性を大きくした例である。すなわち、図7に示すように、実施例3では、右側の側板24と上板23を車体後方側に寸法Lだけ延長し、チルト調整用長溝28よりも車体後方側で、右側の側板24と上板23を結合している。
側板24の車体上方端と上板23との接続部に形成したスリット27Aも、チルト調整用長溝28よりも車体後方側に延長して、スリット27Aの車体後方端は閉じた形状に形成している。従って、コラムクランプ時に、右側の側板24は、右側の側板24と前板26との接続部を支点として容易に弾性変形する。すなわち、本発明のスリットは、実施例1のように一端が開放した形状でも、実施例3のように一端が閉じた形状でもよい。
また、実施例3では、チルト調整用長溝28よりも車体後方側で、右側の側板24と上板23を結合しているため、右側の側板24と上板23の剛性が向上し、コラムクランプ時のステアリング装置の剛性が実施例1よりも大きくなり、操舵感がより一層向上する。
上記実施例では、ロアーコラム3がインナーコラム、アッパーコラム4がアウターコラムで構成されているが、ロアーコラム3をアウターコラム、アッパーコラム4をインナ−コラムにしてもよい。
また、本発明の実施例では、チルト位置調整とテレスコピック位置調整の両方が可能なチルト・テレスコピック式のステアリング装置に本発明を適用した場合について説明したが、チルト位置調整だけが可能なチルト式のステアリング装置に本発明を適用してもよい。
さらに、本発明の実施例では、チルト用摩擦板61、テレスコ用摩擦板64が、車体取付けブラケット2の側板24、25の内側面246、256側に配置されているが、側板24、25の外側面側に配置してもよい。
本発明のステアリング装置101を車両に取り付けた状態を示す全体斜視図である。 本発明の実施例1のステアリング装置101を車体後方側から見た要部の斜視図である。 図2の車体取付けブラケット周辺を車体前方側から見た分解斜視図である。 図3の車体取付けブラケットを車体後方側から見た斜視図である。 図4の車体取付けブラケットの一方の側板側の摩擦板を車体下方側にずらした状態を示す斜視図である。 本発明の実施例2の車体取付けブラケットを示す図5相当図である。 本発明の実施例3の車体取付けブラケット周辺を車体前方側から見た分解斜視図である。
符号の説明
101 ステアリング装置
102 ステアリングシャフト
102A 上部ステアリングシャフト
103 ステアリングホイール
104 ユニバーサルジョイント
105 中間シャフト
106 ユニバーサルジョイント
107 ステアリングギヤ
108 タイロッド
2 車体取付けブラケット
21 車体取付部
211 フランジ部
212 切欠き溝
213 カプセル
22 コラム締め付け部
23 上板
24 側板
246 内側面
25 側板
251、252 折り曲げ部
253 リブ
254、255 溶接部
256 内側面
26 前板
27 スリット
27A スリット
28、29 チルト調整用長溝
3 ロアーコラム
31 操舵補助部
311 電動モータ
312 減速ギヤボックス部
313 出力軸
314 ブラケット
4 アッパーコラム
41、42 側面
43、44 テレスコ調整用長溝
5 締付けロッド
61 チルト用摩擦板
62 チルト調整用長溝
63 ボルト
64 テレスコ用摩擦板
65 テレスコ調整用長溝
66 ボルト
67 案内ブロック
671 円筒部
68 案内ブロック
681 円筒部
69 操作レバー
70 開口孔

Claims (4)

  1. 車体後方側にステアリングホイールを装着したステアリングシャフトを回転可能に軸支するコラム、
    車体に取り付け可能な車体取付けブラケット、
    上記車体取付けブラケットに車体上下方向に形成され、チルト中心軸を支点とするチルト位置調整、または、チルト中心軸を支点とするチルト位置調整と、上記ステアリングシャフトの中心軸線に沿ったテレスコピック位置調整の両方が可能に上記コラムを車幅方向の左右両側から挟持する左右一対の側板、
    上記車体取付けブラケットに車体上下方向に形成され、上記左右一対の側板の車体前方端に接続された前板、
    上記車体取付けブラケットに車幅方向に形成され、上記前板の車体上方端と上記左右一対の側板の車体上方端に接続された上板、
    上記左右一対の側板のいずれか一方の側板の車体上方端と上記上板との接続部の車体前後方向に渡って形成されたスリット、
    上記左右一対の側板を弾性変形させて、左右一対の側板の内側面を上記コラムに押圧し、所定のチルト調整位置、または、所定のチルト調整位置とテレスコピック調整位置で、上記コラムを左右一対の側板に締め付けてクランプするクランプ装置を備えたこと
    を特徴とするステアリング装置。
  2. 請求項1に記載されたステアリング装置において、
    上記左右一対の側板の他方の側板には、
    他方の側板の剛性を大きくするための折り曲げ部、または、リブのうちの少なくともいずれか一方が形成されていること
    を特徴とするステアリング装置。
  3. 請求項2に記載されたステアリング装置において、
    上記左右一対の側板の一方の側板に形成され、
    一方の側板の車体前方端と上記前板との接続部よりも車体後方側で、チルト位置調整方向に略平行な開口孔を備えたこと
    を特徴とするステアリング装置。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれかに記載されたステアリング装置において、
    上記左右一対の側板の内側面と上記コラムとの間に介挿され、
    上記クランプ装置によるコラムクランプ時の摩擦力を大きくする複数の摩擦板を備えたこと
    を特徴とするステアリング装置。
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