JP2016182847A - ステアリング装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ステアリング装置1は、一対の被締付部19を含むロアージャケット8と、ロアージャケット8に嵌合されたアッパージャケット7とを含むコラムジャケット6と、二次衝突時の衝撃を吸収する衝撃吸収機構40とを備える。衝撃吸収機構40は、アッパージャケット7によって軸方向Xに一体移動可能に支持された第1摩擦板41と、ロアージャケット8によって軸方向移動不能に支持され、第1摩擦板41と対向する第2摩擦板42とを含む。また、衝撃吸収機構40は、テレスコロック状態で第1摩擦板41と第2摩擦板42との重合領域Lを一対の被締付部19の間におけるアッパージャケット7の外面7aに押圧する押圧部材43を含む。二次衝突時に第1摩擦板41と第2摩擦板42との摺動摩擦によって衝撃吸収荷重を発生する。
【選択図】図5
Description
請求項3に記載の発明は、請求項2において、前記衝撃吸収機構は、前記第1摩擦板に設けられた挿通孔(41a)を挿通して前記アッパージャケットに固定された固定軸(50)と、前記固定軸の外周と前記挿通孔の内周との間に介在するがた取り用の弾性部材(51)と、を含む、ステアリング装置である。
請求項5に記載の発明は、請求項4において、前記第2摩擦板の各端部には、対応する凹溝に沿うフランジ(53)が設けられている、ステアリング装置である。
請求項4記載の発明によれば、第2摩擦板は、凹溝によって押圧方向に案内されるので、ロアージャケットに対する第2摩擦板の位置ずれの発生を抑制することができる。
請求項5記載の発明によれば、第2摩擦板の各端部には、対応する凹溝に沿うフランジが設けられているので、ロアージャケットに対する第2摩擦板の位置ずれの発生を一層抑制することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係るステアリング装置1の概略側面図である。
図1を参照して、ステアリング装置1は、ステアリングホイール等の操舵部材2が一端(軸方向上端)に連結されたステアリングシャフト3と、インターミディエイトシャフト4等を介してステアリングシャフト3と連結された転舵機構5とを備える。
ステアリング装置1は、ステアリングシャフト3を回転可能に支持する中空のコラムジャケット6を備える。コラムジャケット6は、筒状のアッパージャケット7と、アッパージャケット7に嵌合したロアージャケット8とを備える。
ステアリング装置1は、車体13に固定される取付板24を含むブラケット17と、ロアージャケット8の軸方向Xの上部に一体に設けられた一対の被締付部19を締め付けることによりチルトロックおよびテレスコロックを達成する締付機構18とを備える。
図2に示すように、ロアージャケット8は、軸方向Xの上端から下方に延びるスリット26を含む。一対の被締付部19は、スリット26の両側に配置されている。一対の被締付部19をクランプすることにより、ロアージャケット8は、弾性的に縮径可能である。
ロアージャケット8は、軸方向Xに延びる案内溝27を形成している。案内溝27には、アッパージャケット7に固定された被案内突起28が嵌合している。案内溝27は、被案内突起28を介してアッパージャケット7の軸方向移動を案内しつつ、ロアージャケット8に対するアッパージャケット7の回転を規制する。また、案内溝27の軸方向Xの端部(図示せず)が被案内突起28と当接することにより、ロアージャケット8からのアッパージャケット7の抜けが防止されている。
ロアージャケット8の各被締付部19には、締付軸21が挿通される円孔からなる締付軸挿通孔29が形成されている。締付軸21と、ロアージャケット8と、アッパージャケット7と、ステアリングシャフト3とは、チルト調整時に、チルト方向Yに一体に移動する。
締付機構18は、締付軸21の他端のねじ部21bに螺合したナット33と、他方の側板22を締め付ける他方の締付部材34と、他方の締付部材34とナット33との間に介在する介在部材35とをさらに備える。介在部材35は、ワッシャ36と針状ころ軸受37とを含む。
一方の締付部材32(非回転カム)および他方の締付部材34は、それぞれ対応する側板22を締め付ける締付板部32a,34aと、それぞれ対応するチルト用長孔23に嵌合したボス部32b,34bとを有している。各ボス部32b,34bと対応するチルト用長孔23との嵌合によって、各締付部材32,34の回転が規制されている。
操作レバー20のロック方向への回転に伴って、回転カム31が一方の締付部材32(非回転カム)の間で、ブラケット17の一対の側板22がクランプされて締め付けられる。
図4は、衝撃吸収機構40周辺の分解斜視図である。図5は、図3のV−V線に沿った断面図である。図5では、説明の便宜上、ブラケット17の図示を省略している。
図4を参照して、衝撃吸収機構40は、アッパージャケット7によって軸方向Xに一体移動可能に支持された複数の第1摩擦板41と、ロアージャケット8によって軸方向移動不能に支持された複数の第2摩擦板42とを含む。各第1摩擦板41は、軸方向Xに平行に設けられている。各第2摩擦板42は、対応する第1摩擦板41と対向している。
第1摩擦板41および第2摩擦板42の表面には、第1摩擦板41と第2摩擦板42との摺動摩擦を調整するための摩擦調整部材44が設けられている。
アッパージャケット7の外面7aにおいて押圧部材43に押圧される部分は、押圧方向Aに垂直な平面を構成していることが好ましい(図3参照)。外面7aにおいて押圧部材43に押圧される部分は、円弧状の面であってもよい。この場合、複数の第1摩擦板41および複数の第2摩擦板42は、外面7aに沿った円弧状に形成されていることが好ましい。
被支持部45は、締付軸21と嵌合する嵌合孔47を有する。嵌合孔47は、締付軸21に形成された雄スプライン21cとスプライン嵌合する雌スプライン47aを内周に有する。押圧部46は、締付軸21の周方向の一部において締付軸21の径方向外方へ向けて被支持部45から突出している。
図4を参照して、衝撃吸収機構40は、各第1摩擦板41に設けられた挿通孔41aを挿通してアッパージャケット7に固定された固定軸50と、固定軸50の外周と挿通孔41aの内周との間に介在するがた取り用の弾性部材51とを含む。固定軸50は、押圧部材43の押圧方向Aの前後に複数の第1摩擦板41を浮動支持するように設けられている。
固定軸50は、複数の第1摩擦板41の挿通孔41aが挿通され、押圧方向Aに延びる軸部50aと、軸部50aの端部に設けられ、軸部50aよりも大径な大径部50bとを含む。固定軸50は、例えば、軸部50aがアッパージャケット7の固定孔7bに圧入されることによってアッパージャケット7に固定されている。
図6は、図5のVI−VI線に沿った断面図である。
第2摩擦板42の端部42aの周辺の斜視図である図7を参照して、凹溝52は、押圧方向Aに延びる一対の内壁面としての一対の案内面52aを有している。一対の案内面52aは、複数の第2摩擦板42の押圧方向Aへの移動を案内する。また、一対の案内面52aは、第2摩擦板42の軸方向Xへの移動を規制する。
図3に示す締付機構18が両ジャケット7,8間の摩擦によってテレスコロックを達成した状態(ステアリング装置1のロック状態)では、図5に示すように、押圧部材43は、複数の第1摩擦板41および複数の第2摩擦板42の重合領域Lをアッパージャケット7の外面7aに押圧している。
操作レバー20のロック解除方向への回転操作によって、締付軸21は、複数の第1摩擦板41および複数の第2摩擦板42に対する押圧部材43の押圧が解除されるまで回転される。
図8に示すロック解除状態から、操作レバー20をロック方向へ回転操作すると、締付軸21が中心軸線C1回りに回転する。締付軸21の回転は、雄スプライン21cおよび雌スプライン47aを介して押圧部材43に伝達される。これにより、押圧部材43は、締付軸21の中心軸線C1回りに回転する。操作レバー20のロック方向への回転操作によって、締付軸21は、図5に示す状態まで回転される。
図5を参照して、二次衝突時には、操舵部材2からの荷重がアッパージャケット7に伝達されるので、コラムジャケット6が軸方向Xに縮むようにアッパージャケット7とロアージャケット8とが軸方向Xに相対移動する。アッパージャケット7と一体移動可能な複数の第1摩擦板41と、ロアージャケット8によって軸方向移動不能に支持された複数の第2摩擦板42とが軸方向Xに相対移動する。
本実施形態によれば、二次衝突時には、軸方向Xに平行な複数の第1摩擦板41がアッパージャケット7と一体移動して対応する第2摩擦板42と摺動することによって衝撃吸収荷重が発生する。そのため、衝撃吸収機構40を二次衝突後に収容するためにコラムジャケット6の外側に必要なスペースは、複数の第1摩擦板41を収容できる程度の僅かなもので十分である。したがって、衝撃吸収機構40を二次衝突後に収容するためのスペースを低減することができるので、ステアリング装置1全体の設計の自由度の向上を図ることができる。
また、ロック状態では、押圧部材43が第1摩擦板41と第2摩擦板42との重合領域Lを押圧しているため、二次衝突時には、ロアージャケット8に対するアッパージャケット7の移動と同時に摺動摩擦および衝撃吸収荷重が発生する。これにより、二次衝突時の衝撃を吸収するためにアッパージャケット7が移動する距離を短くすることができるので、二次衝突後に衝撃吸収機構40を収容するためのスペースを一層低減することができる。
また、第1摩擦板41および第2摩擦板42は、押圧部材43の押圧方向Aの前後に浮動支持されている。そのため、第1摩擦板41と第2摩擦板42との重合領域Lが押圧部材43によって押圧されていない状態、すなわちテレスコロックが解除された状態では、第1摩擦板41と第2摩擦板42との摺動摩擦が低減される。したがって、テレスコ調整を円滑に行うことができる。
また、第2摩擦板42は、凹溝52によって押圧方向Aに案内されるので、ロアージャケット8に対する第2摩擦板42の位置ずれの発生を抑制することができる。
また、第2摩擦板42の各端部42aには、対応する凹溝52に沿うフランジ53が設けられているので、ロアージャケット8に対する第2摩擦板42の位置ずれの発生を一層抑制することができる。
この発明は、以上に説明した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の範囲内において種々の変更が可能である。
例えば、第1摩擦板41および第2摩擦板42は、複数設けられている必要はなく、それぞれ一枚ずつ以上設けられていればよい。また、第1摩擦板41および第2摩擦板42は、同数設けられている必要はなく、第1摩擦板41および第2摩擦板42のいずれか一方の枚数が他方の枚数よりも多くてもよい。
また、複数の第1摩擦板41および複数の第2摩擦板42の表面の粗さ(面粗さ)を調整することで各第1摩擦板41と対応する第2摩擦板42との摺動摩擦を調整することができる。また、複数の第1摩擦板41および複数の第2摩擦板42の枚数を調整することによっても各第1摩擦板41と対応する第2摩擦板42との摺動摩擦を調整することができる。
また、押圧部材43は、第1摩擦板41または第2摩擦板42に接触して重合領域Lを押圧してもよいし、他部材を介して重合領域Lを押圧してもよい。
Claims (5)
- 軸方向に伸縮可能なステアリングシャフトと、
スリットと前記スリットの両側に配置された一対の被締付部とを含むロアージャケットと、前記ロアージャケットに嵌合されたアッパージャケットとを含み、前記ステアリングシャフトを回転可能に支持する前記軸方向に伸縮可能なコラムジャケットと、
前記一対の被締付部を締め付ける締付軸と前記締付軸を回転操作する操作レバーとを含み、両ジャケット間の摩擦によってテレスコロックを達成する締付機構と、
二次衝突時の衝撃を吸収する衝撃吸収機構と、を備え、
前記衝撃吸収機構は、
前記アッパージャケットによって前記軸方向に一体移動可能に支持された前記軸方向に平行な第1摩擦板と、
前記ロアージャケットによって軸方向移動不能に支持され、前記第1摩擦板と対向する第2摩擦板と、
前記一対の被締付部の間で前記締付軸に一体回転可能に支持され、テレスコロック状態で前記第1摩擦板と前記第2摩擦板との重合領域を前記一対の被締付部の間において前記アッパージャケットの外面側に押圧する押圧部材と、を含み、
二次衝突時に前記第1摩擦板と前記第2摩擦板との摺動摩擦によって衝撃吸収荷重を発生するように構成されている、ステアリング装置。 - 請求項1において、前記第1摩擦板および前記第2摩擦板は、前記押圧部材の押圧方向の前後に浮動支持されている、ステアリング装置。
- 請求項2において、前記衝撃吸収機構は、前記第1摩擦板に設けられた挿通孔を挿通して前記アッパージャケットに固定された固定軸と、前記固定軸の外周と前記挿通孔の内周との間に介在するがた取り用の弾性部材と、を含む、ステアリング装置。
- 請求項2または3において、前記一対の被締付部の内側面のそれぞれは、前記第2摩擦板の対応する端部を前記押圧方向の前後に案内する凹溝を含む、ステアリング装置。
- 請求項4において、前記第2摩擦板の各端部には、対応する凹溝に沿うフランジが設けられている、ステアリング装置。
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