JP6186383B2

JP6186383B2 - 原子炉格納容器内ポーラクレーンへの補助トロリの据付方法

Info

Publication number: JP6186383B2
Application number: JP2015011454A
Authority: JP
Inventors: 茂佳大森
Original assignee: Taihei Dengyo Kaisha Ltd
Current assignee: Taihei Dengyo Kaisha Ltd
Priority date: 2015-01-23
Filing date: 2015-01-23
Publication date: 2017-08-23
Anticipated expiration: 2035-01-23
Also published as: JP2016136113A

Description

この発明は、原子炉格納容器内ポーラクレーンへの補助トロリの据付方法、特に、原子炉格納容器内ポーラクレーンに補助トロリを容易に据え付けることができる、原子炉格納容器内ポーラクレーンへの補助トロリの据付方法に関するものである。

原子炉格納容器内に重量物としての蒸気発生器を据え付ける方法の一例が特許文献１に開示されている。この蒸気発生器の既存の据付方法を、図面を参照しながら説明する。

図１７は、蒸気発生器の既存の据付方法を示す断面図である。

図１７に示すように、この既存の据付方法は、原子炉格納容器２１内に設置されたポーラクレーン２２のクレーンガーダ２３上に、ワイヤ巻取機２４が搭載された既設トロリ２５以外に、ワイヤジャッキング装置２６およびストランド巻取機２７とが搭載された補助トロリ２８を新たに設置し、既設トロリ２５と補助トロリ２８とを使用して蒸気発生器２９を据え付ける方法である（特許文献１参照）。

上記既存の据付方法により蒸気発生器２９を据え付けるには、先ず、図中、一点鎖線で示すように、補助トロリ２８のワイヤジャッキング装置２６に取り付けた吊ビーム３０を、原子炉格納容器２１内の蒸気発生器２９の上部のトラニオン３１に連結するとともに、既設トロリ２５の吊りフック３２を蒸気発生器２９の下部の吊り金具３３に連結する。蒸気発生器２９は、原子炉格納容器２１の作業床３４上に搬入された台車３５上に横倒しされている。

次いで、補助トロリ２８のワイヤジャッキング装置２６と既設トロリ２５のワイヤ巻取機２４とにより、台車３５上に横倒しされた蒸気発生器２９を水平状態で吊り上げ、この後、台車３５を原子炉格納容器２１外に退出させる。

次いで、蒸気発生器２９をそのまま立て起こしても、蒸気発生器２９の最下部が作業床３４に触れない高さになるまで、補助トロリ２８のワイヤジャッキング装置２６と既設トロリ２５のワイヤ巻取機２４とを操作する。

次いで、既設トロリ２５を補助トロリ２８側に、吊りフック３２がほぼ鉛直になるまで移動させ、補助トロリ２８のワイヤジャッキング装置２６を操作して、蒸気発生器２９を立て起こす。

次いで、吊りフック３２を吊り金具３３から切り離し、蒸気発生器２９を鉛直に吊り下げた状態でクレーンガータ２３の旋回と補助トロリ２８の横行とによって蒸気発生器２９を据え付け位置の真上まで移動させる。

そして、補助トロリ２８のワイヤジャッキング装置２６により蒸気発生器２９を吊り下ろして、図中、一点鎖線で示すように蒸気発生器２９を原子炉格納容器２１内に据え付ける。

特開平８−２７１６７０号公報特開２００９−１０２９７２号公報特開平１０−５９６９１号公報特開２０１４−２１４０２５号公報

上述した既存の据付方法によれば、原子炉格納容器２１内に重量物としての蒸気発生器を確実に据え付けることはできるが、以下のような問題があった。

補助トロリ２８をクレーンガーダ２３上に設置するには、油圧クレーンを原子炉格納容器２１内に搬入し、前記油圧クレーンにより補助トロリ２８を上架し、設置していた。その際、原子炉格納容器２１外では前記油圧クレーンを原子炉格納容器２１内に搬入するするための大型クレーンが必要となる。

また、一度、油圧クレーンを原子炉格納容器２１内に搬入すると、原子炉格納容器２１内の作業エリアが狭くなり、原子炉格納容器２１内での作業能率が低下する。

さらに、油圧クレーンが排出する排気ガスを原子炉格納容器２１外に排出するための仮設ダクトを設置する必要がある。

従って、この発明の目的は、大型クレーンにより油圧クレーンを原子炉格納容器内に搬入する必要がなく、ポーラクレーンへの補助トロリの据え付けが容易に行える、原子炉格納容器内ポーラクレーンへの補助トロリの据付方法を提供することにある。

この発明は、上記目的を達成するためになされたものであり、下記を特徴とするものである。

請求項１に記載の発明は、原子炉格納容器内ポーラクレーンに補助トロリを据え付けるための方法において、前記原子炉格納容器内の作業床上に、昇降可能な複数本の支柱が入れ子式に組み立てられた、４基の伸縮式重量物昇降装置を対向させて組み立て、隣接する前記重量物昇降装置の頂部間にジャッキ受け梁を張り渡し、前記ジャッキ受け梁に、ワイヤジャッキング装置からなるジャッキを介して昇降ステージを設置し、前記ポーラクレーンにより旋回台を有するリフターを前記昇降ステージ上に設置し、前記ジャッキにより前記昇降ステージを前記リフターと共に上昇させ、前記ポーラクレーンにより前記補助トロリを前記旋回台上に設置し、前記重量物昇降装置により前記昇降ステージを前記ジャッキと共に上昇させ、前記リフターにより前記補助トロリを前記旋回台と共に前記ポーラクレーンの上方に上昇させ、前記旋回台により前記補助トロリを水平回転させた後、前記リフターにより前記補助トロリを前記ポーラクレーン上に下降させ、かくして、前記補助トロリを前記ポーラクレーンに据え付けることに特徴を有するものである。

この発明によれば、油圧クレーンを原子炉格納容器内に搬入する必要がないので、油圧クレーン搬入用の大型クレーンを原子炉格納容器外に設置する必要がない。

また、この発明によれば、油圧クレーンを原子炉格納容器内に搬入する必要がないので、原子炉格納容器内のポーラクレーンによる設置が可能となり、また、原子炉格納容器内の作業エリアが狭くなることがない。従って、原子炉格納容器内での作業能率が低下するおそれはない。

また、この発明によれば、油圧クレーンを原子炉格納容器内に搬入する必要がないので、油圧クレーンが排出する排気ガスを原子炉格納容器外に排出するための仮設ダクトを設置する必要がない。

この発明により、旋回台を有するリフターを昇降ステージ上に設置した状態を示す正面図である。この発明により、旋回台を有するリフターを昇降ステージ上に設置した状態を示す側面図である。この発明により、ワイヤジャッキング装置により昇降ステージをリフターと共に上昇させた状態を示す正面図である。この発明により、ワイヤジャッキング装置により昇降ステージをリフターと共に上昇させた状態を示す側面図である。この発明により、ポーラクレーンにより補助トロリを旋回台上に設置した状態を示す正面図である。この発明により、ポーラクレーンにより補助トロリを旋回台上に設置した状態を示す側面図である。この発明により、重量物昇降装置により昇降ステージをワイヤジャッキング装置と共に上昇させた状態を示す正面図である。この発明により、重量物昇降装置により昇降ステージをワイヤジャッキング装置と共に上昇させた状態を示す側面図である。この発明により、リフターにより補助トロリを旋回台と共にポーラクレーンの上方に上昇させ、水平回転させた状態を示す正面図である。この発明により、リフターにより補助トロリを旋回台と共にポーラクレーンの上方に上昇させ、水平回転させた状態を示す側面図である。この発明により、リフターにより補助トロリをポーラクレーン上に下降させた状態を示す正面図である。この発明により、リフターにより補助トロリをポーラクレーン上に下降させた状態を示す側面図である。この発明により、補助トロリをポーラクレーンに据え付けた状態を示す正面図である。この発明により、補助トロリをポーラクレーンに据え付けた状態を示す側面図である。重量物昇降装置を示す正面図である。重量物昇降装置を示す平面図である。蒸気発生器の既存の据付方法を示す断面図である。

この発明の、原子炉格納容器内ポーラクレーンへの補助トロリの据付方法の一実施態様を、図面を参照しながら説明する。

図１は、この発明により、旋回台を有するリフターを昇降ステージ上に設置した状態を示す正面図、図２は、この発明により、旋回台を有するリフターを昇降ステージ上に設置した状態を示す側面図、図３は、この発明により、ワイヤジャッキング装置により昇降ステージをリフターと共に上昇させた状態を示す正面図、図４は、この発明により、ワイヤジャッキング装置により昇降ステージをリフターと共に上昇させた状態を示す側面図、図５は、この発明により、ポーラクレーンにより補助トロリを旋回台上に設置した状態を示す正面図、図６は、この発明により、ポーラクレーンにより補助トロリを旋回台上に設置した状態を示す側面図、図７は、この発明により、重量物昇降装置により昇降ステージをワイヤジャッキング装置と共に上昇させた状態を示す正面図、図８は、この発明により、重量物昇降装置により昇降ステージをワイヤジャッキング装置と共に上昇させた状態を示す側面図、図９は、この発明により、リフターにより補助トロリを旋回台と共にポーラクレーンの上方に上昇させ、水平回転させた状態を示す正面図、図１０は、この発明により、リフターにより補助トロリを旋回台と共にポーラクレーンの上方に上昇させ、水平回転させた状態を示す側面図、図１１は、この発明により、リフターにより補助トロリをポーラクレーン上に下降させた状態を示す正面図、図１２は、この発明により、リフターにより補助トロリをポーラクレーン上に下降させた状態を示す側面図、図１３は、この発明により、補助トロリをポーラクレーンに据え付けた状態を示す正面図、図１４は、この発明により、補助トロリをポーラクレーンに据え付けた状態を示す側面図である。

図１から図１２において、１は、原子炉格納容器、２は、原子炉格納容器１内に設置されたポーラクレーン、３は、ポーラクレーン２の下方部に設置された作業床、４は、作業床３上に対向させて組み立てられた４基の伸縮式重量物昇降装置である。重量物昇降装置４については、後述する。５は、重量物昇降装置４の頂部間に張り渡された一対のジャッキ受け梁、６は、ジャッキ受け梁５に設置されたワイヤジャッキング装置である。ワイヤジャッキング装置６は、各ジャッキ受け梁５の内側に２台、計４台設置されている。ワイヤジャッキング装置６については、後述する。７は、ワイヤジャッキング装置６により間欠的に昇降する昇降ステージ、８は、昇降ステージ７上に設置された、旋回台１４を有するリフター、１５は、リフター８の旋回台１４上に設置された補助トロリである。補助トロリ１５については、後述する。

重量物昇降装置４は、例えば、特許文献２に開示されている重量物昇降装置を使用する。以下、重量物昇降装置４を、図面を参照しながら説明する。

図１５は、重量物昇降装置を示す正面図、図１６は、重量物昇降装置を示す平面図である。

図１５および図１６に示すように、重量物昇降装置４は、外側支柱９Ａ、中間支柱９Ｂ、内側支柱９Ｃが入れ子式に且つそれぞれ複数台の外側昇降手段１０Ａ、内側昇降手段１０Ｂにより昇降可能に組み立てられ、内側支柱９Ｃの頂部間に上述したジャッキ受梁５が張り渡されている。

外側昇降手段１０Ａおよび内側昇降手段１０Ｂは、例えば、特許文献３に開示されたワイヤジャッキング装置からなっている。ワイヤジャッキング装置については、後述する。

外側昇降手段１０Ａは、中間支柱９Ｂの上下端間に張り渡された外側ストランド１１Ａと、外側支柱９Ａに固定された、油圧ポンプにより伸縮可能な外側ジャッキ本体１２Ａとからなっている。外側ジャッキ本体１２Ａは、可動側に設けられる第１把持手段と、外側ジャッキ本体１２Ａの固定側に取り付けられる第２把持手段とを備え、外側ジャッキ本体１２Ａの伸張時に、前記第１把持手段は、外側ストランド１１Ａを把持し、これと同時に前記第２把持手段は、外側ストランド１１Ａの把持を解放し、一方、外側ジャッキ本体１２Ａの縮小時に、前記第１把持手段は、外側ストランド１１Ａの把持を解放し、これと同時に前記第２把持手段は、外側ストランド１１Ａを把持し、かくして、外側ジャッキ本体１２Ａの伸縮によって内側支柱９Ｂは、外側支柱９Ａに対して内側支柱９Ｃと共に間歇的に昇降する。

内側昇降手段１０Ｂは、内側支柱９Ｃの上下端間に張り渡された内側ストランド１１Ｂと、中間支柱９Ｂに固定された、油圧ポンプにより伸縮可能な内側ジャッキ本体１２Ｂとからなっている。内側ジャッキ本体１２Ｂは、可動側に設けられる第１把持手段と、内側ジャッキ本体１２Ｂの固定側に取り付けられる第２把持手段とを備え、内側ジャッキ本体１２Ｂの伸張時に、前記第１把持手段は、内側ストランド１１Ｂを把持し、これと同時に前記第２把持手段は、内側ストランド１１Ｂの把持を解放し、一方、内側ジャッキ本体１２Ｂの縮小時に、前記第１把持手段は、内側ストランド１１Ｂの把持を解放し、これと同時に前記第２把持手段は、内側ストランド１１Ｂを把持し、かくして、内側ジャッキ本体１２Ｂの伸縮によって内側支柱９Ｃは、中間支柱９Ｂに対して間歇的に昇降する。これらの昇降は、各支柱８Ａ、８Ｂ、８Ｃ間に取り付けられたチルタンク等からなるガイド部材１３によって円滑に行われる。

このようにして、中間支柱９Ｂは、外側支柱９Ａに対して内側支柱９Ｃと共に昇降し、内側支柱９Ｃは、中間支柱９Ｂに対して昇降する。

ワイヤジャッキング装置６は、上述した外側昇降手段１０Ａおよび内側昇降手段１０Ｂと同様な構造のものである。すなわち、ジャッキ受梁５の下面に上端を固定したストランド１６と、ストランド１６に沿って間欠的に昇降するジャッキ本体１７とからなり、ジャッキ本体１７に昇降ステージ７が取り付けられている。これにより、４台のワイヤジャッキング装置６を同期させて操作することによって、昇降ステージ７は、水平状態を維持しながら昇降する。

補助トロリ１５は、ポーラクレーン２に沿って走行する台車１８と、台車１８に設置されたジャッキ１９とからなっている。ジャッキ１９は、例えば、特許文献４に開示されたジャッキである。

次に、この発明の、原子炉格納容器内ポーラクレーンへの補助トロリの据付方法について、図面を参照しながら説明する。

先ず、図１および図２に示すように、原子炉格納容器１内の作業床３上に、４基の伸縮式重量物昇降装置４を対向させて組み立てる。次いで、同図に示すように、隣接する重量物昇降装置４の頂部間、すなわち、重量物昇降装置４の内側支柱９Ｃの頂部間にジャッキ受け梁５を張り渡す。次いで、同図に示すように、ジャッキ受け梁５にワイヤジャッキング装置６を設置し、ワイヤジャッキング装置６のジャッキ本体１７に昇降ステージ７を設置する。そして、同図に示すように、ポーラクレーン２により旋回台１４を有するリフター８を昇降ステージ７上に設置する。

次いで、図３および図４に示すように、ワイヤジャッキング装置６により昇降ステージ７をリフター８と共に上昇させる。

次いで、図５および図６に示すように、ポーラクレーン２により補助トロリ１５を旋回台１４上に設置する。

次いで、図７および図８に示すように、重量物昇降装置４により昇降ステージ７をワイヤジャッキング装置６と共に上昇させる。

次いで、図９および図１０に示すように、リフター８により補助トロリ１５を旋回台１４と共にポーラクレーン２の上方に上昇させ、旋回台１４により補助トロリ１５を水平方向に９０°旋回させる。

次いで、図１１および図１２に示すように、リフター８により補助トロリ１５をポーラクレーン２上に下降させる。

このようにして、リフター８により補助トロリ１５をポーラクレーン２上に下降させることにより、図１３および図１４に示すように、補助トロリ１５をポーラクレーン２に据え付けることができる。

補助トロリ１５を撤去するには、上記据付工程と逆の工程を行えば良い。

以上説明したように、この発明によれば、油圧クレーンを原子炉格納容器１内に搬入する必要がないので、油圧クレーン搬入用の大型クレーンを原子炉格納容器１外に設置する必要がない。

また、この発明によれば、油圧クレーンを原子炉格納容器１内に搬入する必要がないので、原子炉格納容器１内の作業エリアが狭くなることがない。従って、原子炉格納容器１内での作業能率が低下するおそれはない。

また、この発明によれば、油圧クレーンを原子炉格納容器１内に搬入する必要がないので、油圧クレーンが排出する排気ガスを原子炉格納容器１外に排出するための仮設ダクトを設置する必要がない。

１：原子炉格納容器
２：ポーラクレーン
３：作業床
４：重量物昇降装置
５：ジャッキ受け梁
６：ワイヤジャッキング装置
７：昇降ステージ
８：リフター
９Ａ：外側支柱
９Ｂ：中間支柱
９Ｃ：内側支柱
１０Ａ：外側昇降手段
１０Ｂ：内側昇降手段
１１Ａ：外側ストランド
１１Ｂ：内側ストランド
１２Ａ：外側ジャッキ本体
１２Ｂ：内側ジャッキ本体
１３：ガイド部材
１４：旋回台
１５：補助トロリ
１６：ストランド
１７：ジャッキ本体
１８：台車
１９：ジャッキ
２１：原子炉格納容器
２２：ポーラクレーン
２３：クレーンガータ
２４：ワイヤ巻取機
２５：既設トロリ
２６：ワイヤジャッキング装置
２７：ストランド巻取機
２８：補助トロリ
２９：蒸気発生器
３０：吊りビーム
３１：トラニオン
３２：吊りフック
３３：吊り金具
３４：作業床
３５：台車

Claims

原子炉格納容器内ポーラクレーンに補助トロリを据え付けるための方法において、
前記原子炉格納容器内の作業床上に、昇降可能な複数本の支柱が入れ子式に組み立てられた、４基の伸縮式重量物昇降装置を対向させて組み立て、隣接する前記重量物昇降装置の頂部間にジャッキ受け梁を張り渡し、前記ジャッキ受け梁に、ワイヤジャッキング装置からなるジャッキを介して昇降ステージを設置し、前記ポーラクレーンにより旋回台を有するリフターを前記昇降ステージ上に設置し、前記ジャッキにより前記昇降ステージを前記リフターと共に上昇させ、前記ポーラクレーンにより前記補助トロリを前記旋回台上に設置し、前記重量物昇降装置により前記昇降ステージを前記ジャッキと共に上昇させ、前記リフターにより前記補助トロリを前記旋回台と共に前記ポーラクレーンの上方に上昇させ、前記旋回台により前記補助トロリを水平回転させた後、前記リフターにより前記補助トロリを前記ポーラクレーン上に下降させ、かくして、前記補助トロリを前記ポーラクレーンに据え付けることを特徴とする、原子炉格納容器内ポーラクレーンへの補助トロリの据付方法。