JP6624429B2 - 水平ジブクレーン及びこれを用いた施工方法 - Google Patents

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本発明は、水平ジブクレーン及びこれを用いた施工方法に関する。
従来、超高層ビルのような高層建物の解体においては、例えば、特許文献1や特許文献2に示されるように、解体材の飛来落下防止や解体中の粉塵拡散防止、騒音の抑制等のために、解体作業階の外周及び上部を覆う仮設養生体が設けられる。そして、その仮設養生体内には、クレーンが配置されて生成された解体物を排出するようにしている。この解体物を排出するクレーンとしては、建屋の両側の壁に沿って設けられた走行軌道を走行するとともに、巻上げ、横行の動作が可能な天井クレーンが利用されている。
上記天井クレーンは、クレーン重量を屋根で支えるために屋根構造が重厚で自重が増加すること、屋根自体は解体する建物躯体で支える構造になるため、必要に応じて建物躯体の補強を必要とすること、クレーンのレイアウトは、解体対象の建物形状により異なるので汎用性に欠け、その結果、解体工事のたびに新しいクレーンを新設しなければならないこと等により、仮設コストが増加し、解体工事費がアップするという課題があった。
上述の課題解決のために、特許文献3には、天井クレーンに代わるフロアクライミング型のタワークレーンを用いた建物解体方法が提案されている。
特許文献3における建物解体方法は、クレーン本体を建物屋上に設置するとともに、クレーン本体は二層支持方式で支持され、すなわちマストの下部を第2支持階の躯体に水平支持させた下部支持機構と、マストの上下方向中間部を第1支持階の躯体に垂直支持及び水平支持させた上部支持機構と、を有する二層支持方式で支持されている。そして、クレーン本体を二層支持方式によりクライミングダウンさせながら建物の中高層階を解体し、下部支持機構および上部支持機構を撤去するとともに、建物の基礎階に設置したベース架台上にマストを自立させた自立支持方式を形成してクライミングダウンさせながら建物の低層階を解体するようにしている。
この特許文献3における建物解体方法は、タワークレーンを建物内部に配置して効率よく解体作業が行え、解体作業にかかる工期と費用の低減を図ることができる特徴を有している。
特開2011−69117号公報 特開2014−227651号公報 特開2010−265727号公報
しかしながら、従来のタワークレーンを用いた建物解体では、小作業半径で荷を吊るとき、或いは旋回中に仮設養生体との干渉を回避するときに、タワークレーンのジブを起こす必要がある。このため、仮設養生体による屋根を従来よりも高くして高さ方向の空間を確保する必要があり、屋根資材が増加するという欠点があった。
また、仮設養生体による屋根が大型化すると、重量が増加することから、これを支持す建物の躯体の補強量が増大するという問題があった。
このような欠点を除去するために、タワークレーンのジブを油圧により伸縮する油圧クレーンにすることも考えられる。しかし、ジブが縮みきった状態の小作業半径で揚重作業を行う場合は、ジブを起状させる必要があることから、養生体の屋根を低くすることができず、上述の欠点を解決することはできなかった。
また、タワークレーンをジブが水平状に設けられるトンボクレーンとし、養生体の屋根を低くできるようにすることも考えられる。しかし、揚重作業を大作業半径から小作業半径まで行わせようとすると、水平状に設けられるジブの長さが長くなり、旋回中に仮設養生体との干渉が避けられないという新たな問題点が発生してしまう。
さらに、クレーンのジブをテレスコピック式の伸縮ジブにすることも考えられるが、ジブ自体の重量が重くなるという新たな問題点が発生してしまう。
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、クレーンジブの起状動作がなく、揚重作業半径を拡大することが可能となる水平ジブクレーン及びこれを用いた施工方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る水平ジブクレーンは、建物の建設時・解体時に最上層に配置される水平ジブクレーンであって、前記建物に昇降自在に支持されるマストと、前記マストの上部に対して回転自在に設けられ、かつ水平方向に向けて延在される固定ジブと、前記固定ジブの上面に沿ってスライド可能に設けられ、前記固定ジブの長手方向に沿って案内され、かつ前記長手方向の少なくとも一端から張り出し可能に設けられるスライドジブと、前記スライドジブに設けられる吊フックと、を備え、前記スライドジブの両側面には、前記固定ジブの側面に重なるように延びるアーム部材が設けられ、前記アーム部材には、前記固定ジブに設けられるラックに噛合するピニオンと、前記固定ジブの上面及び下面に沿って転動するガイドローラーと、が備えられ、前記スライドジブは、前記ピニオンの回転によって前記固定ジブで長手方向に沿って進退移動することを特徴としている。
また、本発明に係る水平ジブクレーンを用いる施工法は、上述した水平ジブクレーンを用いた施工方法であって、前記固定ジブ及び前記スライドジブを前記マストの上部に設置するとともに、前記固定ジブ及び前記スライドジブを前記建物の最上層に配置する工程と、前記固定ジブ及び前記スライドジブを使用して前記最上層を建設・解体する工程と、前記マストを前記建物に対して上下方向に移動させて、前記固定ジブ及び前記スライドジブを次の施工フロアとなる最上層に配置する工程と、を有することを特徴としている。
本発明では、マストの上部に固定された固定ジブに対してスライドジブが水平方向にスライド可能に設けられ、このスライドジブを固定ジブから張り出してジブの長さ寸法を長くすることができる。つまり、水平ジブクレーンの作業半径を大きく取ることが可能となるうえ、吊荷の作業半径に合わせてスライドジブを伸縮させて吊フックの位置を調整することができる。
さらに、とくに建物の解体時において、建物を覆う仮設養生体に対してジブ先端が干渉する場合であっても、スライドジブを縮小させることで前記干渉を回避することができる。そのため、従来のようにジブの起状動作を行う必要がなくなることから、屋根空間の高さを抑えることが可能となるので、仮設養生体の資材コストを低減することができる。さらに仮設養生体の重量も小さくすることができるので、仮設養生体を支持する躯体の補強を抑制することができる。
また、水平ジブクレーンの設置数等を選択することで建物の種々の形態に合わせることができるので、汎用性に優れたクレーンを用いて、建物の新築又は解体を行うことができる。
また、本発明に係る水平ジブクレーンは、前記吊フックは、前記スライドジブの長手方向に沿って移動自在に設けられていることが好ましい。
この場合には、吊フックはスライドジブの長手方向に移動できるので、スライドジブを固定ジブに対してスライドさせずに吊フックの移動のみで吊り作業範囲を容易に広げることができる。
また、本発明に係る水平ジブクレーンは、前記マストの支持は、前記マストの上下方向の中間部に対して着脱可能に支持する上部支持部と、該上部支持部の下方に位置して前記マストに対して着脱可能に支持する下部支持部と、からなる二層支持構造であることが好ましい。
本発明では、マストが二層支持であるから、従来式のタワークレーンより低設置反力で、小さい設置開口で建物内に設置でき、水平ジブクレーンの上下動を容易に行うことができる。
本発明の水平ジブクレーン及びこれを用いた施工方法によれば、クレーンジブの起状動作がなく、揚重作業半径を拡大することが可能となる。
本発明の実施の形態による水平ジブクレーンを用いて建物の解体工事を施工している概略構成図である。 図1に示す水平ジブクレーンの側面図である。 水平ジブクレーンの正面図である。 スライドジブが縮小位置にある状態を示す側面図である。 図3に示す水平ジブクレーンの構成を示す要部拡大図である。 図4に示すように示す水平ジブクレーンの要部拡大図である。 吊フックの移動状態を説明するための示す側面図であって、(a)はスライドジブを張り出した状態を示す図、(b)はスライドジブを縮小した状態を示す図である。 水平ジブクレーンの設置例を示す説明図である。 水平ジブクレーンの他の設置例を示す説明図である。 水平ジブクレーンの他の設置例を示す説明図である。
以下、本発明の実施の形態による水平ジブクレーン及びこれを用いた施工方法について、図面に基づいて説明する。
図1に示すように、本実施の形態による水平ジブクレーン1は、高層の建物(以下、単に建物Bという)の解体に用いられ、建物Bの最上層Fに設置されて上から順に各階層を解体するためのものである。
建物Bの解体にあたっては、建物Bに設置される図示しない昇降設備を使用して2基の水平ジブクレーン1、1が建物Bの最上層Fに持ち上げられる。このとき、水平ジブクレーン1は、前記昇降設備に搬入可能な重量、大きさに適宜分解されて最上層Fに持ち込まれる。
なお、本実施の形態では、最上層Fは、解体時における建物高さのうち最上層をいい、地上階をF0で示している。
建物Bの最上層Fに持ち上げられる2基の水平ジブクレーン1、1は、建物Bに設けられたマスト用開口部H1を利用して設置されている。建物Bの最上層Fに設置された水平ジブクレーン1を用いて解体用の重機(図示省略)が建物Bの最上層Fに吊り上げられるとともに、最上層Fの解体部分を囲う仮設養生体3用の資材が荷揚げされる。そして、その資材を用いて建物Bの解体階(最上層F)の外周が覆われて仮設養生体3が設置される。なお、図示の例では、仮設養生体3(図1に示す二点鎖線)に屋根が設けられた構成としているが、必要に応じて屋根を省略してもよい。
仮設養生体3の完成後、重機によって建物Bの解体が開始される。そして、その解体によって生じた躯体の一部である解体物は、建物Bの平面視で略中央部に設けられている中央開口部H2に設置されている荷降ろしクレーン4を用いて地上層F0へ搬出される。
なお、中央開口部H2は、最上層Fから地上層F0まで上下方向に連続し、各フロアの床スラブを貫通して設けられている。例えば、中央開口部H2は、建物Bに設けられているエレベーターシャフトを利用することもできる。
水平ジブクレーン1は、図1に示すように、解体する建物Bに支持されて最上層Fから上方に向けて突出するように設けられるマスト10と、マスト10の上部に設けられる固定ジブ20と、固定ジブ20に沿って水平方向にスライド可能に設けられるスライドジブ30と、を備えて構成されている。
マスト10は、図2及び図3に示すように、上述したマスト用開口部H1(図1参照)を貫通して設けられ、二層支持方式により水平ジブクレーン1のクレーン本体(固定ジブ20及びスライドジブ30)の水平荷重及び垂直荷重を支持できるように構成されている。
マスト10は、平面から見たときに矩形を呈する柱状のマストピースを継ぎ足して所定長さに形成されているマスト本体11を有している。そして、このマスト本体11には、上部から下部にかけて、順に、旋回機構12、昇降装置13、クライミング構台14、上部支持部15、及び下部支持部16が設けられている。
旋回機構12は、マスト本体11の頂部に設けられていて、図示しないピニオンを備えたモータにより歯車を回転させて、旋回機構12の上部部分をマスト本体11の軸心O(図9及び図10参照)を中心にして時計方向、又は反時計方向に回転できるように構成されている。旋回機構12の上端には、固定ジブ20の長さ方向の中央部分が固定されている。
昇降装置13は、図示しないロックピン機構、及び昇降油圧ジャッキ等を含んで構成され、この昇降装置13の下側に配置されるクライミング構台14と合わせて、マスト本体11を上昇又は降下できるように構成されている。
上部支持部15は、クライミング構台14から所定の距離を保って設けられていて、建物Bの躯体(例えば、所定階層の床スラブ)に一部が着脱自在に固定されてマスト本体11に作用する水平荷重及び垂直荷重を支持できるように構成されている。
下部支持部16は、マスト本体11の下部に設けられるとともに、上部支持部15に対して所定の距離を保って設けられている。そして、下部支持部16は、建物Bの躯体(例えば、所定階層の床スラブ)に一部が着脱自在に固定されてマスト本体11に作用する水平荷重を支持できるように構成されている。
このように構成されるマスト10は、二層支持方式により固定ジブ20及びスライドジブ30を昇降(クライミング)させることで建物Bを建設することができ、又は降下(クライミングダウン)させることで建物Bを解体することができる。
次に、図4及び図5に示すように、固定ジブ20は、断面が横長の矩形で、内部が中空に形成された所定長さの鋼製の長尺状をなす固定ジブ本体21からなり、その長手方向Xの中央部がマスト本体11の頂部に設けられている旋回機構12の上部に固定されている。つまり、固定ジブ20とマスト10との関係は、略T状に形成されている。
そして、図6に示すように、固定ジブ本体21の両側面21a、21aには、固定ジブ本体21の長手方向Xに沿ってラック22が設けられている。ラック22は、長さ方向を長手方向Xに平行に、かつ凹凸状の歯面22aを上向きにして固定ジブ本体21の側面21aに固定されている。ラック22の長さ寸法は、後述するスライドジブ30の固定ジブ20に対するスライド長(図2に示す張出し長L)によって設定される。
また、この固定ジブ本体21の長手方向Xの一方側(図4においては左側)の端部21bの下側には、後述する吊フック34にかかる重量に対してバランスを取るためのカウンターウエイト23が設けられている。
スライドジブ30は、長手方向Xの長さ寸法が固定ジブ本体21より少し長く形成されたトラス構造の鋼製の長尺状のスライドジブ本体31からなり、その断面横長の長さがほぼ固定ジブ本体21と等しく形成され、スライドジブ本体31が固定ジブ本体21の上面に沿ってスライドするように設けられている。そして、図5に示すように、スライドジブ本体31の両側面31a、31aには、固定ジブ本体21の側面21aに重なるように垂下して延びるアーム部材32が設けられている。アーム部材32は、スライドジブ本体31の一方の側面31aにおいて、長手方向Xに間隔をあけて複数箇所(ここでは4箇所)に設けられている。
アーム部材32の一部(図2、図4において左側から2番目)には、図5及び図6に示すように、固定ジブ本体21に設けられるラック22に噛合するピニオン33が備えられている。また、アーム部材32には、固定ジブ本体21の上面21c及び下面21dに沿ってそれぞれ転動するガイドローラー37A、37Bと、が設けられている。ピニオン33は、図示しない駆動モータによって正逆に回転される。ピニオン33の回転によって、スライドジブ30が固定ジブ20上で長手方向Xに沿って進退移動できる構成となっている。つまり、スライドジブ30の張出し長Lは、スライドジブ30が固定ジブ20上に重なる図4に示す縮小位置P1から、スライドジブ本体31の長手方向Xの一端31bが固定ジブ20から所定の長さ寸法で張り出した位置(図2に示す張出位置P2)となる張り出し長さに設定されている。
スライドジブ本体31の長手方向Xの一端31b側(図2、図4で右側)には、吊フック34が設けられている。吊フック34は、スライドジブ本体31の下端に沿って長手方向Xに移動可能なトロリー35に支持され、かつスライドジブ本体31の他端31c(図2、図4で左側)に設けられている巻上ウインチ36によって上下動できるように構成されている。
吊フック34は、トロリー35によってスライドジブ本体31の先端部(一端31b)から所定距離だけ他端31c側(図2、図4においては左側)に移動可能に設けられている。トロリー35は、スライドジブ本体31の両側面31a、31aのそれぞれの下端に配置されるビーム31d(図6参照)に案内されて移動する構成である。そして、一対のトロリー35、35によって一つの吊フック34がワイヤーを介して吊り下げられている。
図7には、吊フック34の移動範囲と、水平ジブクレーン1の回転範囲とが示されている。すなわち図7(a)には、スライドジブ本体31を伸張させたときの状態が示され、図7(b)には、スライドジブ本体31を縮小させたときの状態が示されている。ここで、マスト本体11の軸心位置をマスト軸Oとし、吊フック34の移動距離を符号r1で示し、スライドジブ本体31の先端(一端31b)位置の移動距離をr2とし、吊フック34の全体の移動距離をr3とし、水平ジブクレーン1の最大作業半径をR1とし、水平ジブクレーン1の後端制限半径をR2とする。以下、図8〜図10においても同様である。
図8〜図10は、上記構成からなる水平ジブクレーン1を用いて建物Bを解体するときの水平ジブクレーン1の配置例を示している。ここで、図8及び図9は、上述した図1に示されるように、2基の水平ジブクレーン1を配置して解体作業を行っている例を示している。また、図10は、図7及び図8で使用される水平ジブクレーン1よりも小型の水平ジブクレーン1を4基配置して解体作業を行っている例を示している。
このように、大型、中型あるいは小型等の少ない形態の水平ジブクレーン1を予め用意しておくことにより、そして、これらを適宜選択・配置することにより、あらゆる形態の建物Bの解体工事、又は新築工事に対応することができる。
次に、図1に示すように、上述した水平ジブクレーン1を用いて建物Bを解体する際には、先ず、マスト10をマスト用開口部H1に配置させて躯体に支持させた後、固定ジブ20及びスライドジブ30をマスト10の上部に設置するとともに、固定ジブ20及びスライドジブ30を建物Bの最上層Fに配置する。そして、最上層Fには、建物Bの外周部に沿って仮設養生体3を設置する。このときの仮設養生体3は、水平ジブクレーン1の上部と同等の高さ、或いは上部よりやや高い位置となる高さに設定される。
次に、固定ジブ20及びスライドジブ30を使用して最上層Fの躯体の解体作業を行う。具体的には、予め最上層Fに持ち上げておいた各種重機(図示省略)を使用して解体し、解体した躯体の一部を水平ジブクレーン1の吊フック34で吊り上げて、荷降ろしクレーン4に受け渡し、この荷降ろしクレーン4を用いて中央開口部H2から地上階F0へ吊り下ろす。
そして、図2に示すように、最上層Fの解体が完了した後、昇降装置13と支持部(上部支持部15、下部支持部16)を使用してマスト本体11を建物Bに対して下方に移動させて盛り替え作業を行い、固定ジブ20及びスライドジブ30を次の施工フロアとなる最上層Fに配置する。そして、この最上層Fにおいて、上述したように固定ジブ20及びスライドジブ30を使用して最上層Fの躯体の解体作業を行う。そして、これらの作業工程を複数層で繰り返し行うことにより、建物Bの解体を行うことができる。
次に、上述した水平ジブクレーン及びこれを用いた施工方法の作用について、詳細に説明する。
本実施の形態では、図2に示すように、マスト10の上部に固定された固定ジブ20に対してスライドジブ30が水平方向にスライド可能に設けられ、このスライドジブ30を固定ジブ20から張り出してジブの長さ寸法を長くすることができる。つまり、水平ジブクレーン1の作業半径を大きく取ることが可能となるうえ、吊荷の作業半径に合わせてスライドジブ30を伸縮させて吊フック34の位置を調整することができる。
さらに、本実施の形態のように建物Bの解体時において、建物Bを覆う仮設養生体3(図1参照)に対してジブ先端が干渉する場合であっても、スライドジブ30を縮小させることで前記干渉を回避することができる。そのため、従来のようにジブの起状動作を行う必要がなくなることから、屋根空間の高さを抑えることが可能となるので、仮設養生体3の資材コストを低減することができる。さらに仮設養生体3の重量も小さくすることができるので、仮設養生体3を支持する躯体の補強を抑制することができる。
また、本実施の形態では、水平ジブクレーン1の設置数等を選択することで建物の種々の形態に合わせることができるので、汎用性に優れたクレーンを用いて、建物の新築又は解体を行うことができる。
また、本実施の形態では、吊フック34はスライドジブ本体31の長手方向Xに移動できるので、スライドジブ本体31を固定ジブ本体21に対してスライドさせずに吊フック34の移動のみで吊り作業範囲を容易に広げることができる。
また、本実施の形態では、マスト10が上部支持部15と下部支持部16による二層支持であるから、従来式のタワークレーンよりも低設置反力で、かつ小さい設置開口で建物内に設置でき、水平ジブクレーン1の上下動を容易に行うことができる。
以上、本発明による水平ジブクレーン及びこれを用いた施工方法の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本実施の形態では、水平ジブクレーン1を適用する事例として、建物Bの解体工事に用いられる例で説明したが、建物Bの新築工事に適用することも可能である。新築に適用する場合には、水平ジブクレーン1が階の完成にしたがって上方に移動するクライミングクレーンとされる。
また、本実施の形態では、吊フック34がトロリー35によってスライドジブ本体31に沿って移動する構成としているが、これに限定されることはなく、吊フック34がスライドジブ本体31の先端(一端31b)に固定されていてもよい。
さらに、吊フック34の数量は、本実施の形態のように1個であることに限らず、2個以上設けられていてもかまわない。
また、本実施の形態では、スライドジブ本体31の固定ジブ本体21に対するスライド機構として、ラック22とピニオン33を用いているが、これに限定されず、他のスライド機構を採用することも可能である。
また、本実施の形態では、マスト10が建物Bに対して上下2箇所の支持部(上部支持部15、下部支持部16)を備えた二層支持構造によって支持されているが、これに制限されることはなく、他の支持方式であってもよい。
さらに、上述した支持部以外のマスト10の構成、すなわちマスト本体11、旋回機構12、および昇降装置13についても、上述した実施の形態に限定されず、他の構成とすることが可能である。
さらに、本実施の形態では、2基の水平ジブクレーン1を配置する事例で説明したが、水平ジブクレーン1の設置基数は、建物Bの大きさ、最上層の形状等の条件に応じて適宜設定することができ、1基でもよいし、3基以上の水平ジブクレーン1を配置するようにしてもよい。
さらにまた、本実施の形態では、水平ジブクレーン1とは別で荷降ろし専用の荷降ろしクレーン4を建物Bに設けているが、この荷降ろしクレーン4を省略することは可能であるし、荷降ろしクレーン4に代えて別の荷降ろし用の揚重設備を設けるようにしてもよい。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。
1 水平ジブクレーン
3 仮設養生体
4 荷降ろしクレーン
10 マスト
11 マスト本体
12 旋回機構
13 昇降装置
14 クライミング構台
15 上部支持部
16 下部支持部
20 固定ジブ
21 固定ジブ本体
22 ラック
23 カウンターウエイト
30 スライドジブ
31 スライドジブ本体
32 アーム部材
33 ピニオン
34 吊フック
35 トロリー
36 巻上ウインチ
37A、37B ガイドローラー
B 建物
H1 マスト用開口部
H2 中央開口部
P1 縮小位置
P2 張出位置
X 長手方向

Claims (4)

  1. 建物の建設時・解体時に最上層に配置される水平ジブクレーンであって、
    前記建物に昇降自在に支持されるマストと、
    前記マストの上部に対して回転自在に設けられ、かつ水平方向に向けて延在される固定ジブと、
    前記固定ジブの上面に沿ってスライド可能に設けられ、前記固定ジブの長手方向に沿って案内され、かつ前記長手方向の少なくとも一端から張り出し可能に設けられるスライドジブと、
    前記スライドジブに設けられる吊フックと、
    を備え
    前記スライドジブの両側面には、前記固定ジブの側面に重なるように延びるアーム部材が設けられ、
    前記アーム部材には、前記固定ジブに設けられるラックに噛合するピニオンと、前記固定ジブの上面及び下面に沿って転動するガイドローラーと、が備えられ、
    前記スライドジブは、前記ピニオンの回転によって前記固定ジブで長手方向に沿って進退移動することを特徴とする水平ジブクレーン。
  2. 前記吊フックは、前記スライドジブの長手方向に沿って移動自在に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の水平ジブクレーン。
  3. 前記マストの支持は、前記マストの上下方向の中間部に対して着脱可能に支持する上部支持部と、該上部支持部の下方に位置して前記マストに対して着脱可能に支持する下部支持部と、からなる二層支持構造であることを特徴とする請求項1又は2に記載の水平ジブクレーン。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の水平ジブクレーンを用いた施工方法であって、
    前記固定ジブ及び前記スライドジブを前記マストの上部に設置するとともに、前記固定ジブ及び前記スライドジブを前記建物の最上層に配置する工程と、
    前記固定ジブ及び前記スライドジブを使用して前記最上層を建設・解体する工程と、
    前記マストを前記建物に対して上下方向に移動させて、前記固定ジブ及び前記スライドジブを次の施工フロアとなる最上層に配置する工程と、
    を有することを特徴とする水平ジブクレーンを用いた施工方法。
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