JP2012076924A - ジブクレーン - Google Patents
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Abstract
【解決手段】環状のベースフレーム12上に旋回フレーム2を旋回自在に搭載し、旋回フレーム2上にクレーン構成部材を取付けたジブレクーンであって、旋回フレーム2が、中央フレーム2Aと第1フレーム2Bと第2フレーム2Cとからなり、中央フレーム2Aと第1フレーム2Bが着脱自在なピン連結機構75とステー支持機構81で連結され、中央フレーム2Aと第2フレーム2Cも着脱自在なピン連結機構75とステー支持機構81で連結されている。旋回フレーム2が中央フレーム2Aと第1フレーム2Bと第2フレーム2Cに分離できるので、設置現場への搬入や撤去が容易であり、かつ使用のための組立ても容易に行える。
【選択図】図1
Description
ジブクレーンのうち旋回式のものは、原子炉や港湾設備等の大型構造物の組立てに利用されるが、荷役対象物が数百トンから約千トンに達する超重量物であることもあり、クレーン自体が相当の重量をもつ大型構造物である。
したがって、そのままで設置現場に搬送することはできないので、設置現場に分解した状態で搬送してきて組立て、使用に供し、工事の終了と共に分解して撤去される。
しかしながら、ジブクレーンの全体を分解したとしても、旋回フレームが大型のままであると、設置現場への搬入や撤去が依然として困難であるという問題があった。
第2発明のジブクレーンは、第1発明において、前記第1フレームは、互いに連結分離可能な左フレームと右フレームとからなり、前記第2フレームも、互いに連結分離可能な左フレームと右フレームとからなることを特徴とする。
第3発明のジブクレーンは、第1または第2発明において、前記稼働支持体が、中心筒とそのまわりに配置された環状のベースフレームを備えており、前記中央フレームは、前記中心筒まわりに旋回自在に保持され、前記第1フレームおよび前記第2フレームは、前記ベースフレーム上を移動する走行部を、その下面に備えていることを特徴とする。
第4発明のジブクレーンは、第3発明において、前記第1フレームには、クレーンジブが設置され、前記第2フレームには、カウンタウエイトが設置されていることを特徴とする。
第5発明のジブクレーンは、第3発明および第4発明において、前記第1フレームと前記第2フレームは前記中央フレームに対してピン連結機構とステー支持機構とで連結されており、前記ピン連結機構は、前記第1フレームおよび前記第2フレームの垂直面内での回動を許容し、水平面内での回動を不能に拘束するピンを具備し、かつ着脱自在であり、前記ステー支持機構は、前記第1フレームおよび前記第2フレームを垂直面内および水平面内で揺動不能に拘束するステーを具備し、かつ着脱自在であることを特徴とする。
第6発明のジブクレーンは、第5発明において、前記ステー支持機構は、前記第1フレームの外端部下面と前記中央フレームの第1フレーム側下部との間に連結され、かつ第1フレームから中央フレームに向って下傾しているステーと、前記第2フレームの外端部下面と前記中央フレームの第2フレーム側下部との間に連結され、かつ第2フレームから中央フレームに向って下傾しているステーとを具備することを特徴とする。
第2発明によれば、第1フレームと第2フレームも左右のフレームに分割でき、搬送がより容易に行える。
第3発明によれば、第1フレームと第2フレームとにかかる荷重は走行部を介してベースフレームに直接作用させることができるので、クレーンと吊荷との重量の大部分を第1フレームと第2フレームとにかかるようにしておけば、荷重の大部分をベースフレームで支持して、他の部位に不要な荷重をかけないようにできる。また、第1フレームと第2フレームとは走行部を有しているので、旋回動作も円滑に行える。
第4発明によれば、吊荷重量が作用するクレーンジブを第1フレームにのせて、その重量をベースフレームに垂直荷重として伝えるようにしているので、重量が重くても支持しやすい。また、クレーン部のうち重量の重いカウンタウエイトを第2フレームにのせて、その重量をベースフレームに垂直荷重として伝えるようにしているので、重量が重くても支持しやすい。そして、クレーン部および吊荷からなる総重量を2分して第1フレームと第2フレームに分担させているので、安定性が良くなり転倒しにくく、クレーン能力が向上する。
第5発明によれば、ピン連結機構とステー支持機構がいずれも着脱自在であるので、分解組立てが容易であり、ピン連結機構とステー連結機構とは第1、第2フレームの水平面内での回動を不能に拘束しているので、旋回フレームの旋回時に連結部で曲がりが生じない。そして、ステー支持機構は第1、第2フレームの垂直面内での揺動を不能に拘束するのでクレーン作業時の負荷が働いていても、旋回フレームが垂直面内で曲がりが生じず、クレーン負荷に充分耐えて安全なクレーン作業を可能にする。
第6発明によれば、第1フレームと第2フレームとに作用するクレーン部と吊荷からなる負荷重量は、走行部とステー支持機構とで分担して支えられるが、ステー支持機構のステーは中央フレームに向って下傾しているのでステー支持機構に加わる負荷重量は圧縮荷重として作用する。このため、ステーには主として耐座屈強度を付与すれば良いので軽量でシンプルな構成にできる。また、旋回フレームの下面の走行部をベースフレームから離間しないように保持できるので、旋回動作の円滑性が保たれる。
(基本構造)
図4および図5に基づき、本発明に係るジブクレーンAの基本構造を説明する。
ジブクレーンAは、上部構造物であるクレーン部1とそれを支え地面に設置するための下部構造物である稼働支持体10とからなる。
3はジブで、その基部がピンで旋回フレーム2に枢支され、起伏自在となっている。4は補助ジブで、ジブ3の先端に取付けられている。5はガイドマストで、その上端部にはガイドシーブが取付けられている。6は起伏用ウインチで、このウインチから繰り出されたワイヤロープ(起伏ロープ)を繰り出し巻き戻しすることで、ジブ3を起伏させることができる。
8は補巻きウインチで、このウインチから繰り出されたワイヤロープ(補巻きロープ)を繰り出し巻き戻しすることで、ジブ3の先端から吊り降ろした補フック8fを上げ下げすることができる。
9はジブ3と吊荷からなる転倒モーメントをバランスさせるために設置したカウンタウエイトである。
旋回レール11は環状のレールであって、その上面を旋回フレーム2の走行車輪が走行する。
ベースフレーム12の中心には、中心筒40が配置され、この中心筒40の上端には、中心軸41が立設され、中心軸41には球面軸受42が嵌められている。
51は上スポークで、中心筒40の上端部と上分割ブロック21の上端部との間で連結されている。52は斜めスポークで、中心筒40の下端部と上分割ブロック21の上端部との間で連結されている。53は下スポークで、中心筒40の下端部と下分割ブロック31の下端部との間で連結されている。
旋回フレーム2は、中央フレーム2Aと第1フレーム2Bと第2フレーム2Cの3分割構造のフレームで構成されている。なお、各フレーム2A,2B,2Cとそれらの連結構造は後で詳述する。
中央フレーム2Aの中心部には、嵌合凹部が構成されており、前記中心軸41の球面軸受42に外挿されている。この構造により、旋回フレーム2の中心がベースフレーム12の中心と一致した位置に保持され、かつベースフレーム12の中心と旋回フレーム2の中心が一致した状態で、旋回フレーム2が旋回動作するようになっている。
図8は上フレーム20を構成する上分割ブロック21を示している。
上分割ブロック21は、側面視で略四角形のリブ22を円周方向に多数枚並べて、底板25と側板26,27と天板28を接合して箱状に構成したものである。
リブ22は主リブ23と補リブ24とからなる。主リブ23は、側リブ23a,23bで基本形状が二等辺三角形となるように形成されている。このため、垂直に作用した荷重を2枚の側リブ23a,23bに分散して下方に伝えることができる。また、中央部分は肉抜きされているので軽量である。
主リブ23の頂面、つまり天板28に沿う位置には、旋回レール11が固定されている。
なお、旋回レール11はベースフレーム12と同様に6分割された分割レールを環状に連結したものである。
下分割ブロック31は、側面視で台形のリブ32を円周方向に多数並べて、底板35と側板36(図8参照)および側板37と天板38を接合して箱状に構成したものである。
リブ32は、左右両側の二等辺三角形の側リブ32a,33bと、それを上下でつなぐ上辺32c、下片32dからなる。なお、中央部分は肉抜きされ、軽量化されている。
内側の側リブ32aの内側下端部には取付ブラケット32pが形成され、下スポーク53を結合するためのピン孔が形成されている。
そして、上分割ブロック21の底板25と下分割ブロック31の天板38とは、ボルト・ナット等で強固に結合される。
そして、上ブロック21の両端部21eは、下ブロック31の中央に位置し、かつ下ブロック31の両端部31eは上ブロック21の中央に位置するように取付けられている。
図1および図2に基づき、第1実施形態に係る旋回フレーム2の構造を詳述する。
旋回フレーム2は既述のごとく、中央フレーム2Aと第1フレーム2Bと第2フレーム2Cに分離された構造となっている。
そして、各2A,2B,2Cには、つぎのクレーン構成部材が搭載されている。
中央フレーム2Aには、主巻きウインチ7が2台と補巻きウインチ8が1台と呼込みウインチ8eが搭載されている。
第1フレーム2Bのフレーム外端部上面には支持ブラケット71が左右両側(図3では上下両側)に設置されていて、この支持ブラケット71に、ジブ3の根本がピンで枢支され、またガイドマスト5の一方の根本もピンで枢支されている。
また、第2フレーム2Cの最外端部上面には保持ブラケット73が設置されており、複数枚のウエイトを積み重ねたカウンタウエイト9が保持されている。
中央フレーム2Aの上端部と第1フレーム2Bの内側上端部との間、および中央フレーム2Aの上端部と第2フレーム2Cの内側上端部との間は、いずれもピン連結機構75で互いに連結されている。
このピン連結機構75は中央フレーム2A側のブラケット76と第1・第2フレーム2B・2C側のブラケット77を嵌合させ、水平方向にピン78を差し込んで連結したものである。
このステー連結機構81は、ステー82の両端をピン連結で第1、第2フレーム2B,2Cの下面と中央フレーム2Aの下部に結合したものであり、ステー82は、第1、第2フレーム2B,2Cの外端部下面から中央フレーム2Aに向けて下傾するように取付けられている。なお、このステー82は第1、第2フレーム2B,2Cの下面において2本が幅方向に平行になるように配置されている。なお、この本数は2本に限らず、3本以上であってもよい。
また、ステー82の両端はピン連結しているので、ピン83を挿脱することにより着脱は容易である。
図3に基づき、第2実施形態に係る旋回フレーム2の構造を詳述する。
第2実施形態の旋回フレーム2は、第1フレーム2Bと第2フレーム2Cを更に2分割できるようにしたものである。
第1フレーム2Bは、左フレーム2Baと右フレーム2Bbからなり、第2フレーム2Cは、左フレーム2Caと右フレーム2Cbからなる。左右フレームの連結は公知のピン連結機構などを用い連結分離可能にできればよく、とくに制限されない。
上記以外の構成は、第1実施形態と実質同一でよい。
本実施形態によれば、旋回フレーム2を5個のパーツに分離できるので、搬送がより容易となる。
上記に第1、第2実施形態を説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。
第1、第2フレーム2B,2Cは、単体(第1実施形態)および2分割タイプ(第2実施形態)以外に、3分割以上に分離できるものであってもよい。
上分割ブロック21の端部21eは、下分割ブロック31の中央ではなく、ある程度中央よりも下分割ブロック31の端部31e寄りに位置してもよい。
また、上分割ブロック21および下分割ブロック31は6分割構造に限らず、6分割よりも少ない3分割や4分割でもよく、6分割よりも多い7分割から10分割にしてもよい。
さらに、分割するとき等角度に分割するほか不等角に分割してもよい。
さらに、ベースフレーム12は、上フレーム20と下フレーム30との2段構造に限らず、3段以上の積層構造としてもよい。
2 旋回フレーム
12 ベースフレーム
21 上分割ブロック
31 下分割ブロック
2A 中央フレーム
2B 第1フレーム
2C 第2フレーム
51 上スポーク
52 斜めスポーク
53 下スポーク
Claims (6)
- 稼働支持体上に旋回フレームを稼働自在に搭載し、該旋回フレーム上にクレーン構成部材を取付けたジブレクーンであって、
前記旋回フレームが、中央フレームとその両側に連結される第1フレームおよび第2フレームとからなり、
互いに連結分離自在な連結機構で連結されている
ことを特徴とするジブクレーン。 - 前記第1フレームは、互いに連結分離可能な左フレームと右フレームとからなり、
前記第2フレームも、互いに連結分離可能な左フレームと右フレームとからなる
ことを特徴とする請求項1記載のジブクレーン。 - 前記稼働支持体が、中心筒とそのまわりに配置された環状のベースフレームを備えており、
前記中央フレームは、前記中心筒まわりに旋回自在に保持され、
前記第1フレームおよび前記第2フレームは、前記ベースフレーム上を移動する走行部を、その下面に備えている
ことを特徴とする請求項1または2記載のジブクレーン。 - 前記第1フレームには、クレーンジブが設置され、
前記第2フレームには、カウンタウエイトが設置されている
ことを特徴とする請求項3記載のジブクレーン。 - 前記第1フレームと前記第2フレームは前記中央フレームに対してピン連結機構とステー支持機構とで連結されており、
前記ピン連結機構は、前記第1フレームおよび前記第2フレームの垂直面内での回動を許容し、水平面内での回動を不能に拘束するピンを具備し、かつ着脱自在であり、
前記ステー支持機構は、前記第1フレームおよび前記第2フレームを垂直面内および水平面内で揺動不能に拘束するステーを具備し、かつ着脱自在である
ことを特徴とする請求項3または4記載のジブクレーン。 - 前記ステー支持機構は、前記第1フレームの外端部下面と前記中央フレームの第1フレーム側下部との間に連結され、かつ第1フレームから中央フレームに向って下傾しているステーと、
前記第2フレームの外端部下面と前記中央フレームの第2フレーム側下部との間に連結され、かつ第2フレームから中央フレームに向って下傾しているステーとを具備する
ことを特徴とする請求項5記載のジブクレーン。
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