JP5959151B2 - ジブクレーン - Google Patents
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Description
ジブクレーンのうち旋回式のものは、原子炉や港湾設備等の大型構造物の組立てに利用されるが、荷役対象物が数百トンから約千トンに達する超重量物であることもあり、クレーン自体が相当の重量をもつ大型構造物である。
したがって、そのままで設置現場に搬送することはできないので、設置現場に分解した状態で搬送してきて組立て、使用に供し、工事の終了と共に分解して撤去される。
(1)旋回フレーム120のローラ121が一方の分割レール111に載り、隣接する分割レール111に載っていないとき、数100トンの重量が一方の分割レール111と分割ブロック101のみにかかって沈もうとし、他方の分割レール111と分割ブロック101が沈まないので、互いの連結部に無理な力が作用し破損が生じる。
(2)旋回フレーム120のローラ121が隣接する分割レール111の端部付近に同時に載ったとき、数100トンの重量が双方の分割レール111と分割ブロック101の端部付近にのみかかるので、共に沈もうとし、載置面Gがコンクリート等の低強度材料の場合、破損してしまう。
(3)また、分割レール111や分割ブロック101の端部の変形が進むし、旋回レール101に円周方向に湾曲した波打ち変形が生じる。このため、クレーンの旋回動作が不安定となって荷振れが生じやすくなり、重量物の荷役作業が制約されたり、強風等の外力があるときには荷役が制限されることが多くなる。
第2発明のジブクレーンは、第1発明において、前記旋回レールが、円周方向に分割された複数の分割レールから構成され、該分割レールの端部は前記上フレームの分割ブロックの端部から周方向に離れた位置に位置していることを特徴とする。
第2発明によれば、クレーン部の重量が分割レールの端部に作用したときでも、その重量は上クレームの分割ブロックの端部から離れた部位に伝わるので、荷重が端部に集中せず、上フレームの分割ブロック全体に分散され、さらに下フレームの各分割ブロックにも分散される。このため、分割レールと上下分割ブロックの端部連結部に破損が生じず、載置面にも局部荷重が作用しないので破損せず、旋回レールにも波打ち変形が生じないのでクレーン作業が安定する。
(基本構造)
図4および図5に基づき、本発明に係るジブクレーンAの基本構造を説明する。
ジブクレーンAは、上部構造物であるクレーン部1とそれを支え地面に設置するための下部構造物である稼働支持体10とからなる。
3はジブで、その基部がピンで旋回フレーム2に枢支され、起伏自在となっている。4は補助ジブで、ジブ3の先端に取付けられている。5はガイドマストで、その上端部にはガイドシーブが取付けられている。6は起伏用ウインチで、このウインチから繰り出されたワイヤロープ(起伏ロープ)を繰り出し巻き戻しすることで、ジブ3を起伏させることができる。
8は補巻きウインチで、このウインチから繰り出されたワイヤロープ(補巻きロープ)を繰り出し巻き戻しすることで、ジブ3の先端から吊り降ろした補フック8fを上げ下げすることができる。
9はジブ3と吊荷からなる転倒モーメントをバランスさせるために設置したカウンタウエイトである。
旋回レール11は環状のレールであって、その上面を旋回フレーム2の走行車輪が走行する。
ベースフレーム12の中心には、中心筒40が配置され、この中心筒40の上端には、中心軸41が立設され、中心軸41には球面軸受42が嵌められている。
51は上スポークで、中心筒40の上端部と上分割ブロック21の上端部との間で連結されている。52は斜めスポークで、中心筒40の下端部と上分割ブロック21の上端部との間で連結されている。53は下スポークで、中心筒40の下端部と下分割ブロック31の下端部との間で連結されている。
旋回フレーム2は、中央フレーム2Aと第1フレーム2Bと第2フレーム2Cの3分割構造のフレームで構成されている。なお、各フレーム2A,2B,2Cは、互いに連結ピンと連結ステーを介して結合分離が可能となっている。
中央フレーム2Aの中心部には、嵌合凹部が構成されており、前記中心軸41の球面軸受42に外挿されている。この構造により、旋回フレーム2の中心がベースフレーム12の中心と一致した位置に保持され、かつベースフレーム12の中心と旋回フレーム2の中心が一致した状態で、旋回フレーム2が旋回動作するようになっている。
図8は上フレーム20を構成する上分割ブロック21を示している。
上分割ブロック21は、側面視で略四角形のリブ22を円周方向に多数枚並べて、底板25と側板26,27と天板28を接合して箱状に構成したものである。
リブ22は主リブ23と補リブ24とからなる。主リブ23は、側リブ23a,23bで基本形状が二等辺三角形となるように形成されている。このため、垂直に作用した荷重を2枚の側リブ23a,23bに分散して下方に伝えることができる。また、中央部分は肉抜きされているので軽量である。
主リブ23の頂面、つまり天板28に沿う位置には、旋回レール11が固定されている。
なお、旋回レール11はベースフレーム12と同様に6分割された分割レールを環状に連結したものである。
下分割ブロック31は、側面視で台形のリブ32を円周方向に多数並べて、底板35と側板36(図8参照)および側板37と天板38を接合して箱状に構成したものである。
リブ32は、左右両側の二等辺三角形の側リブ32a,33bと、それを上下でつなぐ上辺32c、下片32dからなる。なお、中央部分は肉抜きされ、軽量化されている。
内側の側リブ32aの内側下端部には取付ブラケット32pが形成され、下スポーク53を結合するためのピン孔が形成されている。
そして、上分割ブロック21の底板25と下分割ブロック31の天板38とは、ボルト・ナット等で強固に結合される。
(第1実施形態)
図6に示すように、本実施形態の上下分割ブロック21,31はいずれも円周方向の角度が60°の分割ブロックである。
そして、図6および図1に示すように、上分割ブロック21の端部21eは、下分割ブロック31の中央に対向した位置に位置し、かつ下分割ブロック31の端部31eは上分割ブロック21の中央に対向した位置に位置するように取付けられている。本実施形態では、上分割ブロック21が請求項1の上側部材に相当し、下分割ブロック31が請求項1の下側部材に相当している。なお、図1に示すように、旋回レール11の各分割レール14の端部14eは上分割ブロック21の端部21eと同じ位置に位置している。
このため、上下分割ブロック21,31の端部連結部に破損が生じない。また、載置面Gにも局部荷重が作用しないので破損が生じない。さらに、ベースフレーム12も円周方向において湾曲するような波打ち変形が生じないのでジブクレーンを旋回させても揺れ動くことがなくクレーン作業が安定する。
第2実施形態は、前記第1実施形態において更に旋回レール11を上分割ブロック21に対し互いの端部を離して設置したものである。
すなわち、図2に示すように、旋回レール11の各分割レール14の端部14eは、その直下に位置する上分割ブロック21の端部21eから離れて位置しており、たとえば上分割ブロック21の中央に対向する位置に配置されている。なお、上分割ブロック21の端部21eが下分割ブロック31の中央に対向する位置に位置する点は前記第1実施形態と同様である。
このため、分割レール14および上下分割ブロック21,31の端部連結部に破損が生じず、載置面Gにも局部荷重が作用しないので破損が生じず、ベースフレーム12にも波打ち変形が生じないのでクレーン作業が安定する。
第3実施形態は、旋回レール11を請求項1の上側部材とし、ベースフレーム12を下側部材としたものである。旋回レール11は複数個の分割レール14からなり、ベースフレーム12は複数個の分割ブロック21からなるが、ベースフレーム12は、1段構造であり、第2実施形態のような2段構造ではない。
そして、分割レール14の端部14eは、その直下の分割ブロック21の端部21eから離れた位置、たとえば分割ブロック21の中央に対向する位置に位置している。
したがって、分割ブロック21から載置面Gに荷重が伝えられるときは、分割ブロック21の両端部21eが載置面Gに伝える荷重は小さくなっている。
このため、分割レール14と分割ブロック21の端部連結部に破損が生じず、載置面Gにも局部荷重が作用しないので破損が生じず、ベースフレーム12にも波打ち変形が生じないのでクレーン作業が安定する。
上記に第1〜第3実施形態を説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。
上分割ブロック21の端部21eは、下分割ブロック31の中央ではなく、ある程度中央よりも下分割ブロック31の端部31e寄りに位置してもよい。
また、上分割ブロック21および下分割ブロック31は6分割構造に限らず、6分割よりも少ない3分割や4分割でもよく、6分割よりも多い7分割から10分割にしてもよい。
さらに、分割するとき等角度に分割するほか不等角に分割してもよい。
さらに、ベースフレーム12は、上フレーム20と下フレーム30との2段構造に限らず、3段以上の積層構造としてもよい。
また、本発明はベースフレーム12およびレール11は円形に限らず、直線状のベースフレーム12およびレール11の上を走行するジブクレーンに適用してもよい。
2 旋回フレーム
12 ベースフレーム
21 上分割ブロック
31 下分割ブロック
2A 中央フレーム
2B 第1フレーム
2C 第2フレーム
51 上スポーク
52 斜めスポーク
53 下スポーク
Claims (2)
- ジブを備えたクレーン部と、該クレーン部を稼働自在に支持すると共に地上に設置される稼働支持体を備えており、
該稼働支持体は上側部材と下側部材とからなり、いずれも長さ方向に分割された複数の分割体から構成されており、
前記上側部材の分割体の端部が前記下側部材の端部から離れた位置に位置しており、
前記稼働支持体が、環状の旋回レールと、該旋回レールを支持する環状のベースフレームとからなり、
該ベースフレームは、上側部材である上フレームと、下側部材である下フレームとを有し、
前記上フレームは周方向に分割された複数の分割ブロックから構成され、
前記下フレームは周方向に分割された複数の分割ブロックから構成され、
前記上フレームは、該上フレームの分割ブロックの端部が、前記下フレームの分割ブロックの円周方向における中央に位置するように配置されている
ことを特徴とするジブクレーン。 - 前記旋回レールが、円周方向に分割された複数の分割レールから構成され、
該分割レールの端部が前記上フレームの分割ブロックの端部から周方向に離れた位置に位置している
ことを特徴とする請求項1記載のジブクレーン。
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JP2010198439 | 2010-09-06 | ||
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2011
- 2011-02-15 JP JP2011029504A patent/JP5959151B2/ja active Active
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