JP6159197B2 - 鉄塔の解体方法および解体装置 - Google Patents

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Description

本発明は、鉄塔の解体方法および解体装置に関する。
例えば煙突などの塔状構造物は、しばしばトラス構造を有する鉄塔で支持される場合がある。鉄塔は、鉄骨等の組立部材を複数連結することにより構成され、塔状構造物の周囲を取り囲むように建設される。
また、塔状構造物を解体する際には、例えばクレーン吊り上げ法およびジャッキダウン法などが提案され、実施されている。
例えば、クレーン吊り上げ法では、まず、鉄塔に隣接する位置にクレーンが配置される。次に、クレーンのフックと塔状構造物の上部とを連結させた状態で、この塔状構造物の上部が切断される。切断後に切断された上部は、クレーンで吊り上げられ、搬出される。この手順を繰り返すことにより、塔状構造物が解体される。また、ジャッキアップ法では、いわゆる「だるま落とし」の要領で、塔状構造物を底部から少しずつ切断、搬出し、ジャッキアップされた残留部分を少しずつ下降させながら、塔状構造物が解体される。
ところで、塔状構造物を解体した後には、残された鉄塔を解体する必要がある。一般に、そのような鉄塔を解体する場合、クレーンが使用される。
すなわち、まず、鉄塔に隣接する位置にクレーンが配置され、クレーンのフックと鉄塔の上部が連結される。この状態で、鉄塔に設けられた最上部またはその直下の作業ステージ上で、作業員が鉄塔の上部部分(第1の部分)を切断、解体し、この第1の部分を鉄塔から切り離す。
その後、切り離された第1の部分は、クレーンにより上方に引き上げられ、鉄塔と接触しないようにして、鉄塔の外部に運搬された後、地上に降ろされる。このような作業を順次繰り返すことにより、鉄塔が解体される。
前述のように、通常、鉄塔を解体する際にはクレーンが使用される。
しかしながら、クレーンを使用する解体方法では、例えば鉄塔の高さが100mを超える場合など、鉄塔が高層になった場合、これに対応し得る大型で特殊なクレーンが必要になる。このため、解体費用が著しく上昇してしまうという問題が生じる。
また、そのような大型のクレーンでは、クレーン配置位置を中心として、大きな作業半径が必要となってしまう。このため、鉄塔の解体に十分な作業領域が確保できない場合、このような方法は、適用することが難しいという問題がある。
本発明は、このような問題に鑑みなされたものであり、本発明では、比較的狭小の作業領域でも、比較的低コストで鉄塔を解体することが可能な解体方法を提供することを目的とする。また、本発明では、比較的狭小の作業領域でも、比較的低コストで鉄塔を解体することが可能な解体装置を提供することを目的とする。
本発明では、頂上から順に、第1の部分、第2の部分、…、および第nの部分(ここで、nは2以上の整数)を有する鉄塔の解体方法であって、
(1)鉄塔の内側に、支持マスト高さ調節装置を設置する工程と、
(2)前記支持マスト高さ調節装置を利用して、該支持マスト高さ調節装置の上方に、上部に頂上台を有する支持マストを延伸させる工程であって、前記支持マストは、前記頂上台の高さが前記鉄塔の高さを超えるまで、または前記頂上台の高さが前記鉄塔の高さと実質的に等しくなるまで、延伸される工程と、
(3)連結部材を用いて、前記鉄塔の第1の部分のいずれかの箇所で、前記頂上台と前記鉄塔とを連結する工程と、
(4)前記鉄塔の第1の部分を前記鉄塔の残りの部分から切り離す工程と、
(5)切り離された前記第1の部分の下側の部材を除去し、前記第1の部分と前記第2の部分の間に第1の空間を形成する工程と、
(6)前記支持マスト高さ調節装置により、前記支持マストを所定の高さだけ下降させる工程と、
(7)前記(5)〜(6)の工程を複数回実施して、前記鉄塔から、前記第1の部分を撤去する工程と、
(8)連結部材により、前記鉄塔の第2の部分のいずれかの箇所で、前記頂上台と前記鉄塔とを連結する工程と、
(9)前記鉄塔の第2の部分を前記鉄塔の残りの部分から切り離す工程と、
(10)切り離された前記第2の部分の下側の部材を除去し、前記第2の部分と前記第3の部分の間に第2の空間を形成する工程と、
(11)前記支持マスト高さ調節装置により、前記支持マストを所定の高さだけ下降させる工程と、
(12)前記(10)〜(11)の工程を複数回実施して、前記鉄塔から、前記第2の部分を撤去する工程と、
(13)以下、同様に、前記鉄塔の第nの部分まで、前記工程(8)〜(12)を繰り返す工程と、
を有することを特徴とする解体方法が提供される。
ここで、本発明による解体方法において、前記(6)および/または(11)の工程における、前記支持マストの下降距離は、0.5m〜2.5mの範囲であっても良い。
また、本発明による解体方法において、前記支持マストは、複数のマストブロックを全長方向に連結することにより構成されても良い。
また、本発明による解体方法において、前記(4)の工程は、前記鉄塔に設けられた作業ステージ上で実施されても良い。
また、本発明による解体方法において、前記鉄塔には、複数の作業ステージが設けられており、
前記(3)の工程と前記(4)の工程は、異なる高さの作業ステージ上で実施されても良い。
また、本発明による解体方法において、前記(4)の工程と前記(5)の工程は、同じ作業ステージ上で実施されても良い。
また、本発明による解体方法において、前記(4)の工程と前記(8)の工程は、同じ作業ステージ上で実施されても良い。
また、本発明による解体方法において、前記支持マストには、前記支持マストの水平方向の揺れを抑制し、および/または前記支持マストの転倒を防止するマストステイが設けられても良い。
この場合、前記マストステイは、上面視、前記支持マストの周囲を取り囲むパイプと、該パイプに設置され、前記支持マストのコーナー部と対向する複数のコーナー部材とを備え、
前記コーナー部材には、結合部材の一端が連結され、該結合部材の他端は、前記鉄塔を構成する組立部材に連結されても良い。
また、本発明による解体方法において、前記マストステイの各コーナー部材には滑車が設置され、
前記支持マストは、昇降の際に、前記滑車により誘導されても良い。
また、本発明による解体方法において、前記マストステイは、前記鉄塔の高さ方向に沿って、複数設置されても良い。
また、本発明による解体方法において、前記鉄塔は、塔状構造物のトラス構造体、または送電線用の鉄塔であっても良い。
さらに、本発明では、頂上を含む第1の部分を有する鉄塔の解体装置であって、
鉄塔の内側に設置された支持マスト高さ調節装置と、
前記支持マスト高さ調節装置の上部に組み立てられ、前記支持マスト高さ調節装置により昇降可能な支持マストであって、上部に頂上台を有し、前記頂上台の高さが前記鉄塔の高さを超えるまで、または前記頂上台の高さが前記鉄塔の高さと実質的に等しくなる高さまで、上方に延伸する支持マストと、
一部が前記頂上台に連結され、別の一部が前記鉄塔の第1の部分のいずれかの箇所に連結され、前記鉄塔の第1の部分が前記鉄塔の他の部分から切り離された際に、前記第1の部分を吊り下げることが可能な連結部材と、
前記支持マストの水平方向の揺れを抑制し、および/または前記支持マストの転倒を防止するマストステイと、
を有することを特徴とする解体装置が提供される。
ここで、本発明の解体装置において、前記マストステイは、上面視、前記支持マストの周囲を取り囲むパイプと、該パイプに設置され、前記支持マストのコーナー部と対向する複数のコーナー部材とを備え、
前記コーナー部材には、結合部材の一端が連結され、該結合部材の他端は、前記鉄塔を構成する組立部材に連結されても良い。
また、本発明の解体装置において、前記マストステイの各コーナー部材には滑車が設置され、
前記支持マストは、昇降の際に、前記滑車により誘導されても良い。
さらに、本発明では、頂上から順に、第1の部分、第2の部分、…、および第nの部分(ここで、nは2以上の整数)を有する鉄塔の解体方法であって、
(a)鉄塔の内側に、支持マスト高さ調節装置を設置する工程と、
(b)前記支持マスト高さ調節装置を利用して、該支持マスト高さ調節装置の上方に、上部に頂上台を有する支持マストを延伸させる工程であって、前記支持マストは、前記頂上台の高さが前記鉄塔の高さを超えるまで、または前記頂上台の高さが前記鉄塔の高さと実質的に等しくなるまで、延伸される工程と、
(c)前記頂上台に支持され、巻き上げ/巻き下げ装置からのワイヤにより上下方向の移動が可能な移動滑車と、前記鉄塔の第1の部分のいずれかの箇所とを、連結部材を用いて連結する工程と、
(d)前記鉄塔の第1の部分を前記鉄塔の残りの部分から切り離す工程と、
(e)切り離された前記第1の部分の下側の部材を除去し、前記第1の部分と前記第2の部分の間に第1の空間を形成する工程と、
(f)前記巻き上げ/巻き下げ装置により、前記移動滑車を所定の高さだけ下降させる工程と、
(g)前記(e)〜(f)の工程を複数回実施して、前記鉄塔から、前記第1の部分を撤去する工程と、
(h)連結部材により、前記鉄塔の第2の部分のいずれかの箇所で、前記移動滑車と前記鉄塔とを連結する工程と、
(i)前記鉄塔の第2の部分を前記鉄塔の残りの部分から切り離す工程と、
(j)切り離された前記第2の部分の下側の部材を除去し、前記第2の部分と前記第3の部分の間に第2の空間を形成する工程と、
(k)前記巻き上げ/巻き下げ装置により、前記移動滑車を所定の高さだけ下降させる工程と、
(l)前記(j)〜(k)の工程を複数回実施して、前記鉄塔から、前記第2の部分を撤去する工程と、
(m)以下、同様に、前記鉄塔の第nの部分まで、前記工程(h)〜(l)を繰り返す工程と、
を有することを特徴とする解体方法が提供される。
さらに、本発明では、頂上を含む第1の部分を有する鉄塔の解体装置であって、
鉄塔の内側に設置された支持マスト高さ調節装置と、
前記支持マスト高さ調節装置の上部に組み立てられ、前記支持マスト高さ調節装置により昇降可能な支持マストであって、上部に頂上台を有し、前記頂上台の高さが前記鉄塔の高さを超えるまで、または前記頂上台の高さが前記鉄塔の高さと実質的に等しくなる高さまで、上方に延伸する支持マストと、
前記頂上台に支持された移動滑車を有し、ワイヤにより前記移動滑車を上下方向に移動させることができる巻き上げ/巻き下げ装置と、
一部が前記移動滑車に連結され、別の一部が前記鉄塔の第1の部分のいずれかの箇所に連結され、前記鉄塔の第1の部分が前記鉄塔の他の部分から切り離された際に、前記第1の部分を吊り下げることが可能な連結部材と、
前記支持マストの水平方向の揺れを抑制し、および/または前記支持マストの転倒を防止するマストステイと、
を有することを特徴とする解体装置が提供される。
本発明では、比較的狭小の作業領域でも、比較的低コストで鉄塔を解体することが可能な解体方法を提供することができる。また、本発明では、比較的狭小の作業領域でも、比較的低コストで鉄塔を解体することが可能な解体装置を提供することができる。
従来の鉄塔の解体方法を実施する前の状態を模式的に示した図である。 従来の鉄塔の解体方法を用いて鉄塔を解体する際の様子を模式的に示した図である。 本発明の一実施例による鉄塔の解体方法のフローを模式的に示した図である。 本発明の一実施例による鉄塔の解体方法の一工程を模式的に示した図である。 本発明の一実施例による鉄塔の解体方法の一工程を模式的に示した図である。 支持マストの基本単位となるマストブロックの一例を模式的に示した図である。 支持マスト高さ調節装置を利用して、支持マストの全長を延伸する方法の一例を模式的に示した図である。 本発明の一実施例による鉄塔の解体方法の一工程を模式的に示した図である。 マストステイの一例を概略的に示した上面図である。 本発明の一実施例による鉄塔の解体方法の一工程を模式的に示した図である。 本発明の一実施例による鉄塔の解体方法の一工程を模式的に示した図である。 本発明の一実施例による鉄塔の解体方法の一工程を模式的に示した図である。 本発明の一実施例による鉄塔の解体装置を概略的に示した図である。 本発明の一実施例による鉄塔の別の解体方法のフローを模式的に示した図である。 第2の解体方法に使用される巻き上げ/巻き下げ装置の一例を概略的に示した図である。 本発明による第2の解体方法の工程S330における態様を模式的に示した図である。 本発明の一実施例による鉄塔の別の解体装置を概略的に示した図である。
以下、図面を参照して、本発明について説明する。
まず、本発明の特徴をより良く理解するため、図1および図2を参照して、従来の鉄塔の解体方法について簡単に説明する。
図1は、従来の鉄塔の解体方法を実施する前の状態を示しており、図2は、従来の鉄塔の解体方法を用いて鉄塔を解体する際の様子を示している。
図1に示すように、解体対象となる鉄塔10は、複数の組立部材(鉄骨)20をトラス構造で3次元的に連結することにより構成される。鉄塔10は、頂上部12を有する塔状の形状を有し、この頂上部12から底面に向かって「末広がり」の形状を有する。
鉄塔10には、所定の高さ位置に、作業ステージ30a〜30iが設けられている。
なお、以降の説明では、最上部の作業ステージ30aを第1の(最上部の)作業ステージ30aと称し、以降、上から順番に、第2の作業ステージ30b、第3の作業ステージ30c、…および第9の(最底部の)作業ステージ30iと称する。
このような鉄塔10を解体する際には、図1に示すように、まず、鉄塔10に近接して、先端にフック82を有するクレーン80が配置される。
次に、第1の作業ステージ30a上の作業員によって、クレーン80のフック82が、玉掛けワイヤ等の吊り部材84を介して、鉄塔10の頂上部12の一部(例えば、第1の作業ステージ30aを構成する鉄骨等)に連結される。
次に、図2に示すように、作業員86が鉄塔10の第2の作業ステージ30b上に立ち、該第2の作業ステージ30bの近傍にある鉄塔10の組立部材20を切断する。組立部材20の切断は、鉄塔10の周囲にわたって実施される。これにより、切断箇所25において、鉄塔10が頂上部12とその他の部分に分離される。分離された鉄塔10の頂上部12は、吊り部材84を介して、クレーン80のフック82によって吊り上げられ、その後、地上に降ろされる。
次に、作業員86は、第3の作業ステージ30c上に立ち、同様の作業を実施する。このような作業を繰り返すことにより、鉄塔10を解体することができる。
このような従来の鉄塔10の解体方法では、鉄塔10の解体にクレーン80が使用される。しかしながら、この場合、鉄塔10の高さが高くなればなるほど、それに応じて、大型のクレーン80が必要となる。従って、高層の鉄塔10を解体する際には、解体費用が著しく上昇してしまうという問題が生じる。
また、そのような大型のクレーン80では、クレーン80の配置位置を中心として、大きな作業半径が必要となってしまう。このため、鉄塔10の解体の際に十分な作業領域が確保できない場合、このような解体方法は、適用することが難しいという問題が生じる。
これに対して、本発明では、
頂上から順に、第1の部分、第2の部分、…、および第nの部分(ここで、nは2以上の整数)を有する鉄塔の解体方法であって、
(1)鉄塔の内側に、支持マスト高さ調節装置を設置する工程と、
(2)前記支持マスト高さ調節装置を利用して、該支持マスト高さ調節装置の上方に、上部に頂上台を有する支持マストを延伸させる工程であって、前記支持マストは、前記頂上台の高さが前記鉄塔の高さを超えるまで、または前記頂上台の高さが前記鉄塔の高さと実質的に等しくなるまで、延伸される工程と、
(3)連結部材を用いて、前記鉄塔の第1の部分のいずれかの箇所で、前記頂上台と前記鉄塔とを連結する工程と、
(4)前記鉄塔の第1の部分を前記鉄塔の残りの部分から切り離す工程と、
(5)切り離された前記第1の部分の下側の部材を除去し、前記第1の部分と前記第2の部分の間に第1の空間を形成する工程と、
(6)前記支持マスト高さ調節装置により、前記支持マストを所定の高さだけ下降させる工程と、
(7)前記(5)〜(6)の工程を複数回実施して、前記鉄塔から、前記第1の部分を撤去する工程と、
(8)連結部材により、前記鉄塔の第2の部分のいずれかの箇所で、前記頂上台と前記鉄塔とを連結する工程と、
(9)前記鉄塔の第2の部分を前記鉄塔の残りの部分から切り離す工程と、
(10)切り離された前記第2の部分の下側の部材を除去し、前記第2の部分と前記第3の部分の間に第2の空間を形成する工程と、
(11)前記支持マスト高さ調節装置により、前記支持マストを所定の高さだけ下降させる工程と、
(12)前記(10)〜(11)の工程を複数回実施して、前記鉄塔から、前記第2の部分を撤去する工程と、
(13)以下、同様に、前記鉄塔の第nの部分まで、前記工程(8)〜(12)を繰り返す工程と、
を有することを特徴とする解体方法が提供される。
このような本発明による解体方法では、以降に詳しく説明するように、高層の鉄塔に対しても、大型のクレーンを使用せずに、鉄塔を解体することができる。このため、本発明による解体方法では、解体コストを有意に抑制することができる。また、本発明による解体方法を使用した場合、比較的狭小の作業領域でも、鉄塔の解体作業を実施することができる。
(本発明の一実施例による鉄塔の解体方法)
次に、図3〜図12を参照して、本発明の一実施例による鉄塔の解体方法について、詳しく説明する。
なお、以降の説明では、解体される鉄塔は、頂上から順に、第1の部分、第2の部分、…、および第nの部分(ここで、nは2以上の整数)を有する塔状の構造物であると仮定する。
また、本願において、「第1の部分」、「第2の部分」、および「第nの部分」という用語は、鉄塔の場所を説明することを容易にするために、鉄塔の頂上から順に、便宜的に名付けたものである(ここで、nは2以上の整数)。従って、各部分の全長(高さ)は、特に定められておらず、また、隣接する2つの部分の間の境界は、必ずしも明確ではない。
図3には、本発明の一実施例による鉄塔の解体方法(以下、「第1の解体方法」と称する)のフロー図を模式的に示す。
また、図4〜図5、図8、および図10〜図12には、第1の解体方法の一工程の様子を模式的に示す。さらに、図6および図9には、それぞれ、支持マストの一構成単位となるマストブロック、および固定手段の一構成例を示す。
図3に示すように、第1の解体方法は、
(1)鉄塔の内側に、支持マスト高さ調節装置を設置する工程(工程S110)と、
(2)前記支持マスト高さ調節装置を利用して、該支持マスト高さ調節装置の上方に、上部に頂上台を有する支持マストを延伸させる工程であって、前記支持マストは、前記頂上台の高さが前記鉄塔の高さを超えるまで、または前記頂上台の高さが前記鉄塔の高さと実質的に等しくなるまで、延伸される工程(工程S120)と、
(3)連結部材を用いて、前記鉄塔の第1の部分のいずれかの箇所で、前記頂上台と前記鉄塔とを連結する工程(工程S130)と、
(4)前記鉄塔の第1の部分を前記鉄塔の残りの部分から切り離す工程(工程S140)と、
(5)切り離された前記第1の部分の下側の部材を除去し、前記第1の部分と前記第2の部分の間に第1の空間を形成する工程(工程S150)と、
(6)前記支持マスト高さ調節装置により、前記支持マストを所定の高さだけ下降させる工程(工程S160)と、
(7)前記(5)〜(6)の工程を複数回実施して、前記鉄塔から、前記第1の部分を撤去する工程(工程S170)と、
(8)連結部材により、前記鉄塔の第2の部分のいずれかの箇所で、前記頂上台と前記鉄塔とを連結する工程(工程S180)と、
(9)前記鉄塔の第2の部分を前記鉄塔の残りの部分から切り離す工程(工程S190)と、
(10)切り離された前記第2の部分の下側の部材を除去し、前記第2の部分と前記第3の部分の間に第2の空間を形成する工程(工程S200)と、
(11)前記支持マスト高さ調節装置により、前記支持マストを所定の高さだけ下降させる工程(工程S210)と、
(12)前記(10)〜(11)の工程を複数回実施して、前記鉄塔から、前記第2の部分を撤去する工程(工程S220)と、
(13)以下、同様に、前記鉄塔の第nの部分まで、前記工程(8)〜(12)を繰り返す工程(工程S230)と、
を有する。
以下、各工程について、詳しく説明する。
(工程S110)
まず、鉄塔の内側に、支持マスト高さ調節装置が設置される。
図4には、鉄塔110の内側に、支持マスト高さ調節装置140が設置された状態を模式的に示す。
鉄塔110は、頂上からに底部に向かって末広がりの形状を有する塔状構造を有する。そのような鉄塔110は、例えば煙突などの塔状構造物に併設される骨組構造体、あるいは発電所などからの送電用に設置された送電用鉄塔などであっても良い。
鉄塔110は、複数の組立部材(鉄骨)120をトラス構造で3次元的に連結することにより構成される。例えば、図4の例では、鉄塔110の組立部材120は、柱材121、斜材122、および水平材123をトラス構造で組み合わせることにより構成されている。
図4に示すように、鉄塔110は、所定の高さ位置に設置された複数の作業ステージ130(130a〜130f)を有する。作業ステージ130上では、作業員が安定に作業を実施することができる。
最上部の作業ステージを第1の作業ステージ130aと称し、以降の作業ステージを、高さ順に、第2の作業ステージ130b...第6の作業ステージ130fと称する。
また、鉄塔110は、頂上から順に、第1の部分113−1、第2の部分113−2...第6の部分113−6を有する。第1の部分113−1は、第1の作業ステージ130aを有し、第2の部分113−2は、第2の作業ステージ130bを有し、以下同様である。
なお、鉄塔110の種類によっては、解体作業の前に、鉄塔110に作業ステージ130が備えられていない場合がある(例えば、鉄塔110が送電用鉄塔などの場合)。そのような場合は、解体作業を行う前に、鉄塔110の所定の高さ位置に、作業ステージ130が設置される。
鉄塔110の高さは、特に限られない。ただし、本発明による第1の解体方法は、例えば100mを超えるような高層の鉄塔110に対しても、適正に適用できることに留意する必要がある。
支持マスト高さ調節装置140は、以降に詳しく説明するように、マストブロックを複数連結させて、上方に延伸する支持マストを構築したり、逆に支持マストからマストブロックを取り外して、支持マストを下方に降下させたりするために使用される。すなわち、支持マスト高さ調節装置140を利用することにより、支持マスト高さ調節装置140の上部で、支持マストを昇降させることができる。
支持マスト高さ調節装置140は、支持マストを昇降させることができる限り、いかなる構成、および駆動機構を有しても良い。
例えば、支持マスト高さ調節装置140は、上下方向に延伸可能なシリンダロッドを有する1または2以上のシリンダと、シリンダロッドに結合された昇降フレームとを備えても良い。なお、支持マスト高さ調節装置140の動作については後述する。
ここで、図4の例では、支持マスト高さ調節装置140は、一つしか設置されていないが、支持マスト高さ調節装置140の数は、特に限られない。支持マスト高さ調節装置140は、例えば、2本、または3本以上設置しても良い。
支持マスト高さ調節装置140は、鉄塔110の内部のいかなる場所に設置されても良いが、支持マスト高さ調節装置140が1本の場合、支持マスト高さ調節装置140は、上面視、鉄塔110の中央部分に設置されることが好ましい。ただし、過去に鉄塔110の内部に、例えば、煙突などの塔状構造物が建設されていた場合、そのような塔状構造物の解体後には、地上から所定の深さにわたって、整備された基礎(穴部)が残存している。そのような場合には、穴部を利用して、支持マスト高さ調節装置140を設置しても良い。
(工程S120)
次に、支持マスト高さ調節装置140を利用して、支持マスト高さ調節装置140の上方に、支持マストが組み立てられる。また、支持マスト高さ調節装置140を利用して、支持マストが高さ方向に延伸される。
図5には、支持マスト高さ調節装置140を利用して、支持マスト150を上方に延伸させていく際の様子の一例を模式的に示す。
支持マスト150は、多数のマストブロックを組み合わせることにより構成される。
図6(a)および図6(b)には、そのような支持マスト150の構成単位となるマストブロック152の側面図の一例を示す。
図6(a)および図6(b)から明らかなように、マストブロック152は、内部が空洞になっており、4つの側面を有する略直方体状の形状を有する。各側面は、複数の鉄骨153で構成される。マストブロック152の全長は、特に限られないが、例えば、0.9m〜4mの範囲である。
マストブロック152は、長手方向の一方の端部154aに第1の連結部分155aを有し、長手方向の他方の端部154bに第2の連結部分155bを有する。第1の連結部分155aおよび第2の連結部分155bは、それぞれ、端部154aおよび154bのコーナー部4箇所に設置されている。
マストブロック152は、第1の連結部分155aを、別のマストブロックの第2の連結部分155bと結合することにより、相互に連結することができる。従って、延伸軸方向に沿って、複数のマストブロック152を相互に連結させることにより、支持マスト150の全長を伸ばすことができ、例えば、全長が100mを超えるような支持マスト150を組み立てることができる。
ここで、図7を参照して、支持マスト高さ調節装置140を利用して、支持マスト150の全長を延伸する方法の一例について説明する。
図7には、支持マスト高さ調節装置140を利用して、支持マスト150の全長を延伸する際の様子を概略的に示す。
図7(a)に示すように、この例では、支持マスト高さ調節装置140は、支持部材(図示されていない)と、2つの油圧式シリンダ142と、昇降フレーム145とを備える。なお、油圧式シリンダ142の数は、特に限られず、この数は、例えば、一つであっても、3つ以上であっても良い。
各油圧式シリンダ142は、図示しない支持部材に支持されている。また、各油圧式シリンダ142は、上下に伸縮可能なシリンダロッド143を有し、該シリンダロッド143の先端は、昇降フレーム145に連結されている。
昇降フレーム145は、略額縁状の形状を有し、上面から見た際に、支持マスト150を取り囲むように配置される。
このような構成の支持マスト高さ調節装置140を使用して、支持マスト150を上方に延伸させる場合、まず、図7(a)に示すように、油圧式シリンダ142のシリンダロッド143が下方に延伸され、昇降フレーム145が最低部に配置される。なお、支持マスト150は、図示しない支持部材により、上方で支持されている。
次に、図7(b)に示すように、油圧式シリンダ142と昇降フレーム145の間の空間に、新たなマストブロック152aが配置される。配置されたマストブロック152aは、前述のような連結部分155aを利用して、上部に配置されている支持マスト150の最下部と連結される。
次に、固定部材より、支持マスト150と昇降フレーム145とが固定される。固定部材は、例えば、昇降フレーム145内を水平方向に延在する貫通孔に挿入されるカンヌキ146等であっても良い。この場合、図7(b)に示すように、支持マスト150の貫通孔にカンヌキ146を挿入することにより、支持マスト150の最下部のマストブロック152aが昇降フレーム145に固定される。
次に、図7(c)に示すように、シリンダロッド143が上方に収縮される。これに伴い、昇降フレーム145および支持マスト150が上方に引き上げられる。その後、カンヌキ146のような固体部材が取り外され、昇降フレーム145と支持マスト150との連結が解除される。
次に、図7(d)に示すように、シリンダロッド143が下方に延伸され、昇降フレーム145が再度、最低部に配置される。この操作によって、油圧式シリンダ142と昇降フレーム145の間に、再び空間が生じる。従って、以降同様の作業を繰り返すことにより、支持マスト高さ調節装置140上で、支持マスト150の全長を延伸させることができる。
一方、支持マスト150の高さを短くする場合は、上記順番とは逆の順番で、各作業が実施される。すなわち、固定部材を用いた昇降フレーム145と支持マスト150の連結、シリンダロッド143の下方延伸による昇降フレーム145の下降、およびマストブロック152aの取り外しの各作業を繰り返すことにより、支持マスト150の全長を低下させることができる。
なお、以上の説明は、単なる一例に過ぎないことに留意する必要がある。すなわち、支持マスト高さ調節装置140は、別の構成を有し、別の方法で、支持マスト150の全長を伸縮させても良い。
ところで、図5に示すように、支持マスト150の最上部には、頂上台160が設置される。頂上台160は、ワイヤ等の連結部材が連結され得る締結部を有する。締結部の設置位置は、特に限られない。また、頂上台160は、作業員が頂上台160に登って作業を行うことができるように、アプローチ手段(例えば、ステップ等)、および作業領域(例えば、作業ステージ)を有しても良い。
図8に示すように、支持マスト150は、頂上台160の高さが鉄塔110の高さを超えるまで、または頂上台160の高さが鉄塔110の高さと実質的に等しくなるまで、上方に延伸される(図5における頂上台160の上の矢印参照)。
(マストステイ)
支持マスト150の高さが高くなると、これに伴い、例えば、風などの影響により、支持マスト150に水平方向から加わる荷重が無視できなくなる。そのような場合、支持マスト150の水平方向の揺れを抑制したり、転倒を防止したりするため、支持マスト150に、1または2以上のマストステイが設けられても良い。
以下、そのようなマストステイの一例について説明する。
図9には、マストステイの上面図の一例を概略的に示す。
図9に示すように、この例では、マストステイ163は、支持マスト150を構成する一つのマストブロック152の周囲に設置される。
マストステイ163は、マストブロック152の周囲を取り囲むように配置されたパイプ164と、パイプ164の各コーナー部に設置されたコーナー部材165とを備える。
コーナー部材165は、マストブロック152の各コーナー部と対向するように配置される。また、コーナー部材165は、結合部材169の一端と連結されており、結合部材169の他端は、図示されていない鉄塔110を構成する組立部材120と結合される。結合部材169は、例えば、ワイヤまたはパイプ等であっても良い。
マストステイ163を側面から見た際に、結合部材169は、略水平に配置されることが好ましい。すなわち、コーナー部材165、結合部材169、および鉄塔110の結合部材169と連結された組立部材120部分を結ぶ領域は、水平であることが好ましい。
このようなマストステイ163を、支持マスト150の高さ方向に沿って、所定の間隔に設置することにより、支持マスト150の水平方向の揺れを抑制したり、転倒を防止したりすることができる。支持マスト150の高さ方向における、マストステイ163の設置間隔は、特に限られないが、例えば10m〜30mの範囲であっても良い。
なお、図8に示したマストステイ163は、さらに、滑車168を有する。滑車168は、マストブロック152のコーナー部とちょうど接触する位置(または近接する位置)に配置される。マストステイ163にこのような滑車168を設けた場合、支持マスト150を、滑車168で誘導して昇降させることが可能となる。従って、この場合、支持マスト150の昇降移動がスムーズに行えるようになるとともに、支持マスト150の昇降の際に生じ得る水平方向の振動も、有意に抑制することが可能となる。
(工程S130)
次に、支持マスト150の最上部に設けられた頂上台160と、鉄塔110の第1の部分113−1が、第1の連結部材を用いて連結される。
図10には、2本の連結部材170により、頂上台160と、鉄塔110の第1の部分113−1とが連結された状態を模式的に示す。
図10に示すように、この例では、連結部材170の一端は、頂上台160の下部に設けられた締結部(図示されていない)に結合され、連結部材170の他端は、鉄塔110の第1の作業ステージ130aに結合されている。
なお、連結部材170の取り付け位置は、鉄塔110の第1の部分113−1内のいかなる箇所であっても良い。ただし、通常の場合、この作業は、鉄塔110の第1の作業ステージ130a上にいる作業員によって実施される。従って、連結部材170の取り付け位置は、第1の作業ステージ130a上の作業員から手の届く範囲であることが好ましい。また、連結部材170を鉄塔110の第1の部分113−1の下方側に連結した場合、以降の工程で、連結部材170を、度々、第1の部分113−1内の他の領域に連結し直す必要が生じ、作業効率が悪くなる。
一方、連結部材170の他端は、頂上台160のいずれかの箇所、例えば締結部に固定される。また、頂上台160が作業領域を有する場合、作業員が頂上台160に登って、締結部に連結部材170の他端を連結しても良い。
なお、連結部材170は、例えば、ワイヤ等であっても良い。
(工程S140)
次に、鉄塔110の第1の部分113−1が、鉄塔110の残りの部分から切り離される。
図11には、この工程の様子を模式的に示す。
この工程は、鉄塔110の第2の作業ステージ130b上にいる作業員186により実施される。例えば、作業員186は、第2の作業ステージ130b上で、手の届く範囲内で、鉄塔110の第1の部分113−1を構成する組立部材120の一部を切り離す。この際には、例えば、ガスバーナ等を使用して、鉄塔110の周囲にわたって、該当する位置にある組立部材120を切断しても良い。あるいは、組立部材120を機械的に分解することにより、第1の部分113−1を鉄塔110の残りの部分から切り離しても良い。
ここで、鉄塔110の第1の部分113−1を残りの部分から切り離しても、第1の部分113−1は、連結部材170を介して頂上台160に吊り下げられているため、第1の部分113−1が落下することはないことに留意する必要がある。
(工程S150)
次に、鉄塔110の第1の部分113−1を頂上台160に吊るした状態のまま、切り離された第1の部分113−1の下側の部材が除去される。例えば、第1の部分113−1の下側に位置する組立部材が、作業員によって切除されたり、分解されたりして、第1の部分113−1の下側の部材が、第1の部分113−1の残りの部分から切り離される。
これにより、鉄塔110の第1の部分113−1と第2の部分113−2の間に、空間が形成される。
なお、この作業は、第2の作業ステージ130b上にいる作業員186によって、作業員186の手の届く範囲で実施される。従って、1回の作業で生じる第1の部分113−1と第2の部分113−2の間の空間の高さは、通常、0.5m〜2.5mの範囲であり、例えば、1.0m〜2.0mの範囲である。
なお、取り外された第1の部分113−1の下側部分は、一旦第2の作業ステージ130b上に置載され、その後、ウインチまたは昇降リフトなどの各種手段を用いて、地上まで降ろされる。
(工程S160)
次に、鉄塔110の第1の部分113−1を頂上台160に吊るした状態のまま、支持マスト高さ調節装置140により、支持マスト150を所定の高さだけ下降させる。
下降距離は、工程S150によって形成された空間の高さに依存する。下降距離は、例えば、0.5m〜2.5mの範囲であり、例えば、1.0m〜2.0mの範囲である。
これにより、鉄塔110の第1の部分113−1が下降する。
(工程S170)
前述のように、工程S160において、鉄塔110の第1の部分113−1が下降されるため、第2の作業ステージ130b上にいる作業員186は、第1の部分113−1のより上側にアプローチすることが可能となる。
従って、同様の要領で、前述の工程S150〜S160を複数回繰り返すことにより、第1の部分113−1の全長を徐々に短くすることができる。
図12には、一例として、このような作業を複数回繰り返した後の鉄塔110の状態を模式的に示す。図11の状態と比較すると、第1の部分113−1の下側部分の取り外しにより、鉄塔110の高さが減少していることがわかる。
以下、同様に、支持マスト高さ調節装置140による支持マスト150および鉄塔110の第1の部分113−1の下降、ならびに第1の部分113−1の下側部分の切り離しの作業を繰り返すことにより、鉄塔110の第1の部分113−1を頂上台160に吊るした状態のまま、第1の部分113−1を完全に解体することができる。
(工程S180)
鉄塔110の第1の部分113−1が完全に撤去された後、連結部材170の、鉄塔110の第1の部分113−1に連結されていた先端が取り外され、この先端が、今度は鉄塔110の第2の部分113−2のいずれかの箇所に連結される。例えば、連結部材170の先端は、鉄塔110の第2の部分113−2の第2の作業ステージ130bに、連結されても良い。
なお、連結部材170の取り付け位置は、鉄塔110の第2の部分113−2内のいかなる箇所であっても良い。ただし、通常の場合、この作業は、鉄塔110の第2の作業ステージ130b上にいる作業員によって実施される。従って、連結部材170の取り付け位置は、第2の作業ステージ130b上の作業員から手の届く範囲であることが好ましい。また、連結部材170を鉄塔110の第2の部分113−2の下方側に連結した場合、以降の工程で、連結部材170を、度々、第2の部分113−2内の他の領域に連結し直す必要が生じ、作業効率が悪くなる。
(工程S190〜工程S220)
その後は、前述の工程S140〜工程170と同様の手順で、鉄塔110の第2の部分113−2が撤去される。
すなわち、まず、第3の作業ステージ130c上の作業員によって、鉄塔110の第2の部分113−2が、鉄塔110の残りの部分から切り離される(工程S190)。
この場合も、鉄塔110の第2の部分113−2を残りの部分から切り離しても、第2の部分113−2は、連結部材170を介して頂上台160に吊り下げられているため、第2の部分113−2が落下することはない。
次に、鉄塔110の第2の部分113−2を頂上台160に吊るした状態のまま、切り離された第2の部分113−2の下側の部材が除去される(工程S200)。これにより、鉄塔110の第2の部分113−2と第3の部分113−3の間に、空間が形成される。
この作業は、第3の作業ステージ130c上にいる作業員186によって、作業員186の手の届く範囲で実施される。従って、1回の作業で生じる第2の部分113−2と第3の部分113−3の間の空間の高さは、通常、0.5m〜2.5mの範囲であり、例えば、1.0m〜2.0mの範囲である。
次に、鉄塔110の第2の部分113−2を頂上台160に吊るした状態のまま、支持マスト高さ調節装置140により、支持マスト150を所定の高さだけ下降させる(工程S210)。これにより、鉄塔110の第2の部分113−2が下降する。
以下、同様の要領で、工程S200〜S210を複数回繰り返すことにより、第2の部分113−2を完全に解体することができる(工程S220)。
(工程230)
以下、鉄塔110の第3の部分113−3、第4の部分113−4、第5の部分113−5、および第6の部分113−6に対しても、同様の作業が実施され、鉄塔110の各部分が撤去される。
以上の工程により、鉄塔110を解体することができる。
このような本発明による第1の解体方法では、高層の鉄塔110に対しても、大型のクレーンのような特殊な装置を使用せずに、鉄塔110を解体することができる。このため、本発明による第1の解体方法では、鉄塔110の解体コストを有意に抑制することができる。
また、本発明による第1の解体方法では、クレーンを中心とした大きな作業半径を占める空間が必要ではないため、比較的狭小の作業領域でも、鉄塔110の解体作業を実施することができる。
さらに、本発明による第1の解体方法では、鉄塔110を構成する各部分(113−1〜113−6)の撤去作業は、基本的に作業ステージ130上で行うことができる上、作業員は、手が届く範囲で作業を実施すれば良い。このため、本発明による第1の解体方法では、作業員に無理な体勢や危険な体勢を強いることが有意に軽減され、作業安全性が向上する。
さらに、本発明による第1の解体方法では、鉄塔110を構成する各部分(113−1〜113−6)を撤去する作業は、基本的に作業ステージ130上で行うことができる。このため、組立部材120の切断および解体の際に生じ得る火花、アーク、および/または破片等が地上に落下する可能性を、有意に抑制することができる。
(本発明の一実施例による鉄塔の解体装置)
次に、図13を参照して、本発明の一実施例による鉄塔の解体装置(以下、「第1の解体装置」と称する)について説明する。
なお、図13では、明確化のため、第1の解体装置を構成する各部材を説明する際に、前述の図10において使用した参照符号を同様に使用する。
図13には、第1の解体装置の側面図を概略的に示す。
図13に示すように、第1の解体装置200は、鉄塔110の内部に設置される。
鉄塔110は、所定の高さ位置に設置された複数の作業ステージ130(130a〜130f)を有する。また、鉄塔110は、頂上から順に、第1の部分113−1、第2の部分113−2...第6の部分113−6を有する。第1の部分113−1は、第1の作業ステージ130aを有し、第2の部分113−2は、第2の作業ステージ130bを有し、以下同様である。
第1の解体装置200は、鉄塔110の内側に設置された支持マスト高さ調節装置140を有する。支持マスト高さ調節装置140の動作および機能は、前述の通りである。
また、第1の解体装置200は、支持マスト150を備える。この支持マスト150は、支持マスト高さ調節装置140の上部に組み立てられ、該支持マスト高さ調節装置140により昇降可能である。
支持マスト150の上部には、頂上台160が配置される。支持マスト150は、頂上台160の高さが鉄塔110の高さを超えるまで、または頂上台160の高さが鉄塔110の高さと実質的に等しくなる高さになるまで、上方に延伸される。なお、支持マスト150の構造および延伸方法については、前述の通りであり、ここでは、これ以上説明しない。
さらに、第1の解体装置200は、連結部材170を備える。連結部材170は、頂上台160と、鉄塔110の第1の部分113−1のいずれかの箇所(例えば第1の作業ステージ130a)とを連結する。
なお、第1の解体装置200は、さらに、前述の図9に示したようなマストステイ163を備えても良い。これにより、支持マスト150の水平方向の揺れを抑制したり、支持マスト150の転倒を防止したりすることが可能になる。
このような構成の第1の解体装置200を利用して鉄塔110を解体する際には、例えば、前述の図3に示したような工程S110〜工程S210が実施される。すなわち、鉄塔110の第1の部分113−1から順番に、第1の部分113−1と鉄塔110本体との切り離し、支持マスト150の下降、および第1の部分113−1の撤去の各工程を、第6の部分113−6まで繰り返すことにより、鉄塔110を解体することができる。
(本発明の一実施例による鉄塔の別の解体方法)
次に、図14〜図16を参照して、本発明の一実施例による鉄塔の別の解体方法について説明する。
図14には、本発明の一実施例による鉄塔の別の解体方法(以下、「第2の解体方法」と称する)のフロー図を模式的に示す。
図14に示すように、第2の解体方法は、
(a)鉄塔の内側に、支持マスト高さ調節装置を設置する工程(工程S310)と、
(b)前記支持マスト高さ調節装置を利用して、該支持マスト高さ調節装置の上方に、上部に頂上台を有する支持マストを延伸させる工程であって、前記支持マストは、前記頂上台の高さが前記鉄塔の高さを超えるまで、または前記頂上台の高さが前記鉄塔の高さと実質的に等しくなるまで、延伸される工程(工程S320)と、
(c)前記頂上台に支持され、ワイヤ巻き取り/巻き戻し手段から延伸するワイヤにより上下方向の移動が可能な移動滑車と、前記鉄塔の第1の部分のいずれかの箇所とを、連結部材を用いて連結する工程(工程S330)と、
(d)前記鉄塔の第1の部分を前記鉄塔の残りの部分から切り離す工程(工程S340)と、
(e)切り離された前記第1の部分の下側の部材を除去し、前記第1の部分と前記第2の部分の間に第1の空間を形成する工程(工程S350)と、
(f)前記ワイヤ巻き取り/巻き戻し手段により、前記移動滑車を所定の高さだけ下降させる工程(工程S360)と、
(g)前記(e)〜(f)の工程を複数回実施して、前記鉄塔から、前記第1の部分を撤去する工程(工程S370)と、
(h)連結部材により、前記鉄塔の第2の部分のいずれかの箇所で、前記移動滑車と前記鉄塔とを連結する工程(工程S380)と、
(i)前記鉄塔の第2の部分を前記鉄塔の残りの部分から切り離す工程(工程S390)と、
(j)切り離された前記第2の部分の下側の部材を除去し、前記第2の部分と前記第3の部分の間に第2の空間を形成する工程(工程S400)と、
(k)前記ワイヤ巻き取り/巻き戻し手段により、前記移動滑車を所定の高さだけ下降させる工程(工程S410)と、
(l)前記(j)〜(k)の工程を複数回実施して、前記鉄塔から、前記第2の部分を撤去する工程(工程S420)と、
(m)以下、同様に、前記鉄塔の第nの部分まで、前記工程(h)〜(l)を繰り返す工程(工程S430)と、
を有する。
なお、第2の解体方法においても、基本的な工程は、前述の第1の解体方法の各工程とほぼ同様である。そこで、ここでは、第1の解体方法とは異なる工程S330およびS360を中心に説明する。
(工程S330)
工程S330について説明する前に、この工程において使用される巻き上げ/巻き下げ装置について簡単に説明する。
図15には、巻き上げ/巻き下げ装置390の構成を概略的に示す。
図15に示すように、巻き上げ/巻き下げ装置390は、ワイヤ392と、ウインチのようなワイヤ巻き取り/巻き戻し手段394と、第1および第2の固定滑車396A、396Bと、移動滑車397とを備える。
ワイヤ392は、巻き取り/巻き戻し手段394から、第1および第2の固定滑車396A、396Bを介して、移動滑車397に接続される。
第1および第2の固定滑車396A、396Bは、いずれも、支持マストの頂上台160に固定されている。なお、第1の固定滑車396Aは、省略しても良い。
一方、移動滑車397は、巻き取り/巻き戻し手段394のワイヤ392からの巻き取り/巻き戻し操作に連動して、上下方向に移動可能である。
移動滑車397は、例えば吊り下げフックのような連結部分398を有し、この連結部分398には、連結部材(図示されていない)が取り付けられる。この連結部材を介して、移動滑車398と鉄塔110の所定の箇所とを連結することができる。
次に、図14に示した工程S330について説明する。
工程S320において、前述の図8に示すように、支持マスト150を十分に延伸させた後、前述のような巻き上げ/巻き下げ装置390が使用される。ここで、巻き上げ/巻き下げ装置390の固定滑車396A、396Bは、頂上台160に予め固定されていることに留意する必要がある。すなわち、支持マスト150の上昇による頂上台160の上昇に伴い、固定滑車396A、396B(およびワイヤ巻き取り/巻き戻し手段394からからのワイヤ392)も、ほぼ鉄塔110の高さ位置にまで上昇される。
一方、移動滑車397については、設置のタイミングは特に限られない。移動滑車397は、例えば、支持マスト150(および頂上台160)が所定の高さまで上昇してから、ワイヤ392と接続されても良い。あるいは、固定滑車396A、396Bと同様に、支持マスト150の上昇とともに、上昇させても良い。
次に、巻き上げ/巻き下げ装置390における移動滑車397の連結部分398と、鉄塔110の第1の部分113−1とが、連結部材を用いて連結される。
図16には、2本の連結部材370により、移動滑車397と、鉄塔110の第1の部分113−1とが連結された状態を模式的に示す。なお、この図では、移動滑車397以外の巻き上げ/巻き下げ装置390は、図の明確化のため、省略されている。
図16に示すように、この例では、連結部材370の一端は、移動滑車397の連結部分(図示されていない)に結合され、連結部材370の他端は、鉄塔110の第1の作業ステージ130aに結合されている。
なお、連結部材370の取り付け位置は、鉄塔110の第1の部分113−1内のいかなる箇所であっても良い。ただし、通常の場合、この作業は、鉄塔110の第1の作業ステージ130a上にいる作業員によって実施される。従って、連結部材370の取り付け位置は、第1の作業ステージ130a上の作業員から手の届く範囲であることが好ましい。
なお、連結部材170は、例えば、ワイヤ等であっても良い。
(工程S340〜工程S350)
その後は、前述の工程S140〜工程S150と同様、鉄塔110の第1の部分113−1が、鉄塔110の残りの部分から切り離される。また、鉄塔110の第1の部分113−1を移動滑車397に吊るした状態のまま、切り離された第1の部分113−1の下側の部材が除去される。
これにより、鉄塔110の第1の部分113−1と第2の部分113−2の間に、空間が形成される。
(工程S360)
次に、巻き上げ/巻き下げ装置390を用いて、地上側の巻き取り/巻き戻し手段394からのワイヤ392を延伸させて(図15参照)移動滑車397を下降させ、これにより鉄塔110の第1の部分113−1を所定の高さだけ下降させる。
前述のように、この際の下降距離は、工程S350によって形成された空間の高さに依存する。下降距離は、例えば、0.5m〜2.5mの範囲であり、例えば、1.0m〜2.0mの範囲である。
これにより、鉄塔110の第1の部分113−1が下降する。
その後、前述の第1の解体方法と同様の工程を実施し、鉄塔110の第1の部分113−1を撤去する。さらに、鉄塔110の第2の部分113−2以降についても、同様の操作により撤去する。
以上の工程により、鉄塔110を解体することができる。
このような第2の解体方法においても、前述の第1の解体方法と同様の効果が得られることは、当業者には明らかである。
なお、第2の解体方法の場合、第1の解体方法とは異なり、工程の途中で必ずしも支持マスト150を下降させる必要はなく、支持マスト150を下降させるタイミングも、特に限られない。ただし、支持マスト150の高さが、鉄塔110の残存部に比べてあまりに高い場合は、支持マスト150および巻き上げ/巻き下げ装置390の安定性が低下するおそれがある。従って、支持マスト150は、例えば一つの作業ステージ130が撤去されたタイミングなど、適当なタイミングで低下させることが好ましい。
(本発明の一実施例による鉄塔の別の解体装置)
次に、図17を参照して、本発明の一実施例による鉄塔の別の解体装置(以下、「第2の解体装置」と称する)について説明する。
なお、図17では、第2の解体装置を構成する各部材を説明する際に、前述の図15および図16において使用した参照符号を使用する。
図17には、第2の解体装置の側面図を概略的に示す。
図17に示すように、第2の解体装置300は、第1および第2の支持マスト高さ調節装置140−1、140−2を有する。第1の支持マスト高さ調節装置140−1は、第1の支持マスト150−1を有し、第2の支持マスト高さ調節装置140−2は、第2の支持マスト150−2を有する。また、両支持マスト150−1、150−2は、共通の頂上台160を有する。
また、この第2の解体装置300は、巻き上げ/巻き下げ装置390を有する。
ここで、巻き上げ/巻き下げ装置390は、ワイヤ392と、ワイヤ巻き取り/巻き戻し手段394と、第1および第2の固定滑車396A、396Bと、移動滑車397とを備える。これらの部材の機能は、前述の通りである。なお、第1および第2の固定滑車396A、396Bは、いずれも、頂上台160に固定される。
なお、図17には示されていないが、第2の解体装置300は、第1の解体装置200と同様、前述のようなマストステイ163(図9参照)または別の構成のマストステイを有しても良い。
このような構成の第2の解体装置300を利用して鉄塔110を解体する際には、例えば、前述の図14に示したような工程S310〜工程S430が実施される。すなわち、鉄塔110の第1の部分113−1から順番に、第1の部分113−1と鉄塔110本体との切り離し、移動滑車397の下降、および第1の部分113−1の撤去の各工程を、第6の部分113−6まで繰り返すことにより、鉄塔110を解体することができる。
以上、第1および第2の鉄塔の解体方法、ならびに第1および第2の鉄塔の解体装置を例に挙げ、本発明の一実施例について説明した。
しかしながら、本発明がこれらの態様に限定されるものではないことは明らかである。例えば、第1の解体装置200において、支持マスト高さ調節装置140は、2つ以上設けても良く、および/または第2の解体装置300において、支持マスト高さ調節装置140−1、140−2は、1つもしくは3つ以上設けても良い。
本発明は、例えば煙突解体用の鉄塔や発電所の鉄塔等、各種塔状構造物の解体に利用することができる。
10 鉄塔
12 頂上部
20 組立部材
25 切断箇所
30a〜30i 作業ステージ
80 クレーン
82 フック
84 吊り部材
86 作業員
110 鉄塔
113−1 第1の部分
113−2 第2の部分
113−6 第6の部分
120 組立部材
121 柱材
122 斜材
123 水平材
130(130a〜130f) 作業ステージ
140 支持マスト高さ調節装置
142 油圧式シリンダ
143 シリンダロッド
145 昇降フレーム
146 カンヌキ
150 支持マスト
152 マストブロック
152a マストブロック
153 鉄骨
154a、154b 端部
155a、155b 連結部分
160 頂上台
163 マストステイ
164 パイプ
165 コーナー部材
168 滑車
169 結合部材
170 連結部材
186 作業員
200 鉄塔の解体装置
300 鉄塔の別の解体装置
370 連結部材
390 巻き上げ/巻き下げ装置
392 ワイヤ
394 ワイヤ巻き取り/巻き戻し手段
396A、396B 固定滑車
397 移動滑車
398 連結部分

Claims (17)

  1. 頂上から順に、第1の部分、第2の部分、…、および第nの部分(ここで、nは2以上の整数)を有する鉄塔の解体方法であって、
    (1)鉄塔の内側に、支持マスト高さ調節装置を設置する工程と、
    (2)前記支持マスト高さ調節装置を利用して、該支持マスト高さ調節装置の上方に、上部に頂上台を有する支持マストを延伸させる工程であって、前記支持マストは、前記頂上台の高さが前記鉄塔の高さを超えるまで、または前記頂上台の高さが前記鉄塔の高さと実質的に等しくなるまで、延伸される工程と、
    (3)連結部材を用いて、前記鉄塔の第1の部分のいずれかの箇所で、前記頂上台と前記鉄塔とを連結する工程と、
    (4)前記鉄塔の第1の部分を前記鉄塔の残りの部分から切り離す工程と、
    (5)切り離された前記第1の部分の下側の部材を除去し、前記第1の部分と前記第2の部分の間に第1の空間を形成する工程と、
    (6)前記支持マスト高さ調節装置により、前記支持マストを所定の高さだけ下降させる工程と、
    (7)前記(5)〜(6)の工程を複数回実施して、前記鉄塔から、前記第1の部分を撤去する工程と、
    (8)連結部材により、前記鉄塔の第2の部分のいずれかの箇所で、前記頂上台と前記鉄塔とを連結する工程と、
    (9)前記鉄塔の第2の部分を前記鉄塔の残りの部分から切り離す工程と、
    (10)切り離された前記第2の部分の下側の部材を除去し、前記第2の部分と前記第3の部分の間に第2の空間を形成する工程と、
    (11)前記支持マスト高さ調節装置により、前記支持マストを所定の高さだけ下降させる工程と、
    (12)前記(10)〜(11)の工程を複数回実施して、前記鉄塔から、前記第2の部分を撤去する工程と、
    (13)以下、同様に、前記鉄塔の第nの部分まで、前記工程(8)〜(12)を繰り返す工程と、
    を有することを特徴とする解体方法。
  2. 前記(6)および/または(11)の工程における、前記支持マストの下降距離は、0.5m〜2.5mの範囲であることを特徴とする請求項1に記載の解体方法。
  3. 前記支持マストは、複数のマストブロックを全長方向に連結することにより構成されることを特徴とする請求項1または2に記載の解体方法。
  4. 前記(4)の工程は、前記鉄塔に設けられた作業ステージ上で実施されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一つに記載の解体方法。
  5. 前記鉄塔には、複数の作業ステージが設けられており、
    前記(3)の工程と前記(4)の工程は、異なる高さの作業ステージ上で実施されることを特徴とする請求項4に記載の解体方法。
  6. 前記(4)の工程と前記(5)の工程は、同じ作業ステージ上で実施されることを特徴とする請求項5に記載の解体方法。
  7. 前記(4)の工程と前記(8)の工程は、同じ作業ステージ上で実施されることを特徴とする請求項5または6に記載の解体方法。
  8. 前記支持マストには、前記支持マストの水平方向の揺れを抑制し、および/または前記支持マストの転倒を防止するマストステイが設けられることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一つに記載の解体方法。
  9. 前記マストステイは、上面視、前記支持マストの周囲を取り囲むパイプと、該パイプに設置され、前記支持マストのコーナー部と対向する複数のコーナー部材とを備え、
    前記コーナー部材には、結合部材の一端が連結され、該結合部材の他端は、前記鉄塔を構成する組立部材に連結されることを特徴とする請求項8に記載の解体方法。
  10. 前記マストステイの各コーナー部材には滑車が設置され、
    前記支持マストは、昇降の際に、前記滑車により誘導されることを特徴とする請求項9に記載の解体方法。
  11. 前記マストステイは、前記鉄塔の高さ方向に沿って、複数設置されることを特徴とする請求項8乃至10のいずれか一つに記載の解体方法。
  12. 前記鉄塔は、塔状構造物に併設されたトラス構造体、または送電線用の鉄塔であることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一つに記載の解体方法。
  13. 頂上を含む第1の部分を有する鉄塔の解体装置であって、
    鉄塔の内側に設置された支持マスト高さ調節装置と、
    前記支持マスト高さ調節装置の上部に組み立てられ、前記支持マスト高さ調節装置により昇降可能な支持マストであって、上部に頂上台を有し、前記頂上台の高さが前記鉄塔の高さを超えるまで、または前記頂上台の高さが前記鉄塔の高さと実質的に等しくなる高さまで、上方に延伸する支持マストと、
    一部が前記頂上台に連結され、別の一部が前記鉄塔の第1の部分のいずれかの箇所に連結され、前記鉄塔の第1の部分が前記鉄塔の他の部分から切り離された際に、前記第1の部分を吊り下げることが可能な連結部材と、
    前記支持マストの水平方向の揺れを抑制し、および/または前記支持マストの転倒を防止するマストステイと、
    を有することを特徴とする解体装置。
  14. 前記マストステイは、上面視、前記支持マストの周囲を取り囲むパイプと、該パイプに設置され、前記支持マストのコーナー部と対向する複数のコーナー部材とを備え、
    前記コーナー部材には、結合部材の一端が連結され、該結合部材の他端は、前記鉄塔を構成する組立部材に連結されることを特徴とする請求項13に記載の解体装置。
  15. 前記マストステイの各コーナー部材には滑車が設置され、
    前記支持マストは、昇降の際に、前記滑車により誘導されることを特徴とする請求項14に記載の解体装置。
  16. 頂上から順に、第1の部分、第2の部分、…、および第nの部分(ここで、nは2以上の整数)を有する鉄塔の解体方法であって、
    (a)鉄塔の内側に、支持マスト高さ調節装置を設置する工程と、
    (b)前記支持マスト高さ調節装置を利用して、該支持マスト高さ調節装置の上方に、上部に頂上台を有する支持マストを延伸させる工程であって、前記支持マストは、前記頂上台の高さが前記鉄塔の高さを超えるまで、または前記頂上台の高さが前記鉄塔の高さと実質的に等しくなるまで、延伸される工程と、
    (c)前記頂上台に支持され、巻き上げ/巻き下げ装置からのワイヤにより上下方向の移動が可能な移動滑車と、前記鉄塔の第1の部分のいずれかの箇所とを、連結部材を用いて連結する工程と、
    (d)前記鉄塔の第1の部分を前記鉄塔の残りの部分から切り離す工程と、
    (e)切り離された前記第1の部分の下側の部材を除去し、前記第1の部分と前記第2の部分の間に第1の空間を形成する工程と、
    (f)前記巻き上げ/巻き下げ装置により、前記移動滑車を所定の高さだけ下降させる工程と、
    (g)前記(e)〜(f)の工程を複数回実施して、前記鉄塔から、前記第1の部分を撤去する工程と、
    (h)連結部材により、前記鉄塔の第2の部分のいずれかの箇所で、前記移動滑車と前記鉄塔とを連結する工程と、
    (i)前記鉄塔の第2の部分を前記鉄塔の残りの部分から切り離す工程と、
    (j)切り離された前記第2の部分の下側の部材を除去し、前記第2の部分と前記第3の部分の間に第2の空間を形成する工程と、
    (k)前記巻き上げ/巻き下げ装置により、前記移動滑車を所定の高さだけ下降させる工程と、
    (l)前記(j)〜(k)の工程を複数回実施して、前記鉄塔から、前記第2の部分を撤去する工程と、
    (m)以下、同様に、前記鉄塔の第nの部分まで、前記工程(h)〜(l)を繰り返す工程と、
    を有することを特徴とする解体方法。
  17. 頂上を含む第1の部分を有する鉄塔の解体装置であって、
    鉄塔の内側に設置された支持マスト高さ調節装置と、
    前記支持マスト高さ調節装置の上部に組み立てられ、前記支持マスト高さ調節装置により昇降可能な支持マストであって、上部に頂上台を有し、前記頂上台の高さが前記鉄塔の高さを超えるまで、または前記頂上台の高さが前記鉄塔の高さと実質的に等しくなる高さまで、上方に延伸する支持マストと、
    前記頂上台に支持された移動滑車を有し、ワイヤにより前記移動滑車を上下方向に移動させることができる巻き上げ/巻き下げ装置と、
    一部が前記移動滑車に連結され、別の一部が前記鉄塔の第1の部分のいずれかの箇所に連結され、前記鉄塔の第1の部分が前記鉄塔の他の部分から切り離された際に、前記第1の部分を吊り下げることが可能な連結部材と、
    前記支持マストの水平方向の揺れを抑制し、および/または前記支持マストの転倒を防止するマストステイと、
    を有することを特徴とする解体装置。
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