JP6176771B2 - 静電チャック装置 - Google Patents

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Description

本発明は、静電チャック装置に関し、さらに詳しくは、半導体ウエハ等の板状試料を静電気力により吸着固定して行う半導体製造プロセス技術、特に、単結晶シリコンウエハ等の板状試料にイオンを注入するイオン注入プロセスに用いて好適な静電チャック装置に関するものである。
近年、LSI、VLSI等の半導体製造プロセス技術においては、単結晶のシリコンウエハ中に不純物を導入する方法としてイオン注入法が用いられている。
このイオン注入法は、シリコンウエハ中における不純物濃度及び不純物分布を制御することができるために、特にVLSI等の半導体製造プロセスにおいては、イオン注入法が主として用いられている。
このイオン注入法においては、イオン注入時にシリコンウエハを冷却することのできる冷却機構を備えたイオン注入装置が用いられている(例えば、特許文献1等参照)。
特開平5−28951号公報
ところで、上述した従来のイオン注入装置においては、高エネルギーの不純物イオンを単結晶のシリコンウエハ中にイオン注入するために、シリコンウエハ中に不純物を制御良くドープするという利点はあるものの、イオン注入の際に単結晶シリコンを非晶質化(アモルファス化)し、結晶格子が歪む等の問題が生じる虞がある。
このシリコンウエハの非晶質化は不均一に進行するために、イオン注入後の半導体製造プロセスにおいては、不均一に進行した非晶質化により、活性化のためのアニールを施した後も、シリコンウエハ中に結晶格子が歪んだり、あるいは格子欠陥が生じたり等、格子レベルでのダメージが生じ、この格子レベルでのダメージが最終製品時における異常な漏れ電流(リーク電流)等の原因となるという問題点があった。
一方、このシリコンウエハの非晶質化の不均一な進行を防止し、イオン注入時の格子レベルでのダメージを抑制するする方法として、イオン注入装置を液体窒素により冷却した状態でイオン注入プロセスを行う低温域イオン注入プロセスがある。
しかしながら、この方法は、確かに、イオン注入時のシリコンウエハにおけるダメージを抑制することができ、かつ、シリコンウエハの非晶質化をダメージ無く均一に進行させることにより、注入されたイオンの活性化と共にシリコンウエハの再結晶化を行うアニールの低温化が可能になるものの、イオン注入時にシリコンウエハを固定する静電チャック装置も液体窒素により冷却されることとなり、その結果、静電チャック装置の裏面を大気中に曝露した場合に、この裏面に結露が生じ、この結露を防止するために裏面側に大掛かりな結露対策を施す必要があるという問題点があった。
このように、低温域イオン注入プロセスによりイオン注入を実施すると有効な効果が得られるにも係わらず、未だに低温域イオン注入プロセスを実施することができる装置が提案されていないのが現状である。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、低温域イオン注入プロセスを行うにあたって、イオン注入時のシリコンウエハ等の板状試料におけるダメージを抑制することができ、かつ、板状試料の非晶質化をダメージ無く均一に進行させることができ、しかも、裏面を大気中に曝露した場合においても結露が生じる虞が無い静電チャック装置を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記の課題を解決するべく鋭意検討を行った結果、板状試料を載置する静電チャック部と、この静電チャック部の温度を調整する温度調整用ベース部との間に温度調整用基材を設け、この温度調整用基材に、冷却媒体を流動させる流路を形成したこととすれば、低温域イオン注入プロセスを行う場合に、イオン注入時のシリコンウエハ等の板状試料におけるダメージを抑制し、かつ、板状試料の非晶質化をダメージ無く均一に進行させることが可能であり、しかも、裏面を大気中に曝露した場合においても結露が生じる虞が無いことを知見し、本発明を完成するに到った。
すなわち、本発明の静電チャック装置は、一主面を板状試料を載置する載置面とするとともに静電吸着用内部電極を内蔵した静電チャック部と、前記静電チャック部の他の主面側に設けられた温度調整用ベース部と、前記静電チャック部と前記温度調整用ベース部との間に設けられた温度調整用基材と、を備え、前記温度調整用基材は、液状の冷却媒体を流動させる流路を有し、前記静電チャック部を前記冷却媒体の温度にまで冷却し、前記温度調整用ベース部は、内部に前記冷却媒体よりも高い温度の液体を流動させる流路を有し、前記温度調整用ベース部の前記静電チャック部とは反対側の面を前記液体の温度に調整し、前記温度調整用ベース部の前記温度調整用基材の側の面には凹部が設けられ、前記温度調整用基材は、前記凹部に嵌め込まれており、前記温度調整用基材の前記流路に前記冷却媒体を流動させながら、前記温度調整用ベース部の前記流路に前記液体を流動させることを特徴とする。
この静電チャック装置では、静電チャック部と温度調整用ベース部との間に、冷却媒体を流動させる流路が形成された温度調整用基材を設けたことにより、静電チャック部は、温度調整用基材により冷却媒体の温度まで冷却されることとなり、また、温度調整用ベース部は、温度調整用基材を介して静電チャック部に接着、固定されていることにより、静電チャック部から断熱され、その裏面の温度は室温(25℃〜20℃)程度に保持されることとなる。
これにより、静電チャック部が温度調整用基材により冷却媒体の温度まで冷却された場合においても、この静電チャック装置の裏面の温度は、温度調整用ベース部により室温(25℃〜20℃)程度の温度に保持される。よって、大気中に曝露した場合においても、この裏面に結露が生じる虞は無い。
本発明の静電チャック装置において、前記流路は、前記温度調整用基材の前記静電チャック部側の主面に形成された溝であることを特徴とする。
この静電チャック装置では、冷却媒体を流動させる流路を、温度調整用基材の静電チャック部側の主面に形成された溝としたことにより、静電チャック部は、温度調整用基材の主面に形成された溝を流動する冷却媒体により効率よく冷却されることとなる。
本発明の静電チャック装置において、前記静電チャック部と前記温度調整用基材とを、低温対応有機系接着剤を介して接着、固定してなることを特徴とする。
この静電チャック装置では、静電チャック部と温度調整用基材とを、低温対応有機系接着剤を介して接着、固定したことにより、静電チャック部を温度調整用基材により冷却媒体の温度まで冷却した場合においても、静電チャック部と温度調整用基材との間の接着強度が保持され、剥離等の虞が無い。
本発明の静電チャック装置において、前記低温対応有機系接着剤は、エポキシ系接着剤であることを特徴とする。
この静電チャック装置では、低温対応有機系接着剤をエポキシ系接着剤としたことにより、静電チャック部を温度調整用基材により冷却媒体の温度まで冷却した場合においても、静電チャック部と温度調整用基材との間の接着強度が充分に保持され、剥離等が無い。
本発明の静電チャック装置において、前記静電チャック部は、酸化アルミニウム−炭化ケイ素複合焼結体、酸化アルミニウム焼結体、窒化アルミニウム焼結体、酸化イットリウム焼結体のいずれか1つ以上からなり、前記温度調整用基材は、酸化アルミニウム焼結体、窒化アルミニウム焼結体、酸化イットリウム焼結体のいずれか1つからなることを特徴とする。
この静電チャック装置では、静電チャック部を、酸化アルミニウム−炭化ケイ素複合焼結体、酸化アルミニウム焼結体、窒化アルミニウム焼結体、酸化イットリウム焼結体のいずれか1つ以上からなることとし、温度調整用基材を、酸化アルミニウム焼結体、窒化アルミニウム焼結体、酸化イットリウム焼結体のいずれか1つからなることとしたことにより、イオン注入等の半導体製造プロセスにおける耐久性が向上し、機械的強度も保持される。
本発明の静電チャック装置によれば、静電チャック部と温度調整用ベース部との間に、冷却媒体を流動させる流路が形成された温度調整用基材を設けたので、静電チャック部を冷却媒体の温度まで冷却した場合においても、温度調整用ベース部を温度調整用基材により静電チャック部から断熱することで、温度調整用ベース部の裏面の温度を室温(25℃〜20℃)程度に保持することができる。
したがって、静電チャック部が温度調整用基材により冷却媒体の温度まで冷却された場合においても、この静電チャック装置の裏面の温度を、温度調整用ベース部により室温(25℃〜20℃)程度の温度に保持することができ、大気中に曝露した場合においても、この裏面に結露が生じる虞は無い。
また、温度調整用基材の静電チャック部側の主面に形成された溝を冷却媒体を流動させる流路としたので、この溝に冷却媒体を流動させることにより、静電チャック部を冷却媒体により効率よく冷却することができる。
また、静電チャック部と温度調整用基材とを、低温対応有機系接着剤を介して接着、固定したので、静電チャック部を温度調整用基材により冷却媒体の温度まで冷却した場合においても、静電チャック部と温度調整用基材との間の接着強度を保持することができ、剥離等の虞も無い。
また、低温対応有機系接着剤をエポキシ系接着剤としたので、静電チャック部を温度調整用基材により冷却媒体の温度まで冷却した場合においても、静電チャック部と温度調整用基材との間の接着強度を充分に保持することができ、剥離等の虞も無い。
また、静電チャック部を、酸化アルミニウム−炭化ケイ素複合焼結体、酸化アルミニウム焼結体、窒化アルミニウム焼結体、酸化イットリウム焼結体のいずれか1つ以上とし、温度調整用基材を、酸化アルミニウム焼結体、窒化アルミニウム焼結体、酸化イットリウム焼結体のいずれか1つとしたので、イオン注入等の半導体製造プロセスにおける耐久性を向上させることができ、機械的強度も保持することができる。
本発明の第1の実施形態の静電チャック装置を示す断面図である。 本発明の第2の実施形態の静電チャック装置を示す断面図である。
本発明の静電チャック装置を実施するための形態について、図面に基づき説明する。
なお、この形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態の静電チャック装置を示す断面図であり、この静電チャック装置1は、円板状の静電チャック部2と、この静電チャック部2の他の主面側に設けられた厚みのある円板状の温度調整用ベース部3と、静電チャック部2と温度調整用ベース部3との間に設けられた温度調整用基材4と、静電チャック部2と温度調整用基材4とを接着固定する低温対応有機系接着剤層5と、温度調整用ベース部3と温度調整用基材4とを接着固定する接着剤層6とにより主として構成されている。
静電チャック部2は、上面が半導体ウエハ等の板状試料Wを載置する載置面11aとされた載置板11と、この載置板11と一体化され該載置板11を支持する支持板12と、これら載置板11と支持板12との間に設けられた静電吸着用内部電極13及び静電吸着用内部電極13の周囲を絶縁する絶縁材層14と、支持板12を貫通するようにして設けられ静電吸着用内部電極13に直流電圧を印加する給電用端子15とにより構成されている。
この載置板11の載置面には多数の突起部16が形成され、これらの突起部16が板状試料Wを支える構成になっている。
これら載置板11および支持板12は、重ね合わせた面の形状を同じくする円板状のもので、酸化アルミニウム−炭化ケイ素(Al−SiC)複合焼結体、酸化アルミニウム(Al)焼結体、窒化アルミニウム(AlN)焼結体、酸化イットリウム(Y)焼結体等の機械的な強度を有し、かつイオン注入プロセス等の半導体製造プロセスにおける耐久性を有する絶縁性のセラミックス焼結体からなるものである。
載置板11および支持板12の材料としては、各々の機能が充分に発揮できるものであればよく、特には制限しないが、例えば、載置板11を酸化アルミニウム−炭化ケイ素(Al−SiC)複合焼結体、支持板12を酸化アルミニウム(Al)焼結体とした組み合わせ等が好適である。
これら載置板11、支持板12、静電吸着用内部電極13及び絶縁材層14の合計の厚み、即ち、静電チャック部2の厚みは1.0mm以上かつ10mm以下が好ましく、3.0mm以上かつ4.0mm以下がより好ましい。
その理由は、静電チャック部2の厚みが1.0mmを下回ると、静電チャック部2の機械的強度を確保することができず、一方、静電チャック部2の厚みが10mmを上回ると、静電チャック部2の熱容量が大きくなり過ぎて、載置される板状試料Wの熱応答性が劣化し、さらには、静電チャック部の横方向の熱伝達の増加により、板状試料Wの面内温度を所望の温度パターンに維持することが困難になるからである。
特に、載置板11の厚みは、1.0mm以上かつ4.0mm以下が好ましい。その理由は、載置板11の厚みが1.0mmを下回ると、静電吸着用内部電極13に印加された電圧により放電する危険性が高まり、一方、4.0mmを超えると、板状試料Wを十分に吸着固定することができないからである。
静電吸着用内部電極13は、電荷を発生させて静電吸着力で板状試料Wを固定するための静電チャック用電極として用いられるもので、その用途によって、その形状や、大きさが適宜調整される。
この静電吸着用内部電極13は、酸化アルミニウム−炭化タンタル(Al−Ta)導電性複合焼結体、酸化アルミニウム−タングステン(Al−W)導電性複合焼結体、酸化アルミニウム−炭化ケイ素(Al−SiC)導電性複合焼結体、窒化アルミニウム−タングステン(AlN−W)導電性複合焼結体、窒化アルミニウム−タンタル(AlN−Ta)導電性複合焼結体、酸化イットリウム−モリブデン(Y−Mo)導電性複合焼結体等の導電性セラミックス、あるいは、タングステン(W)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)等の高融点金属により形成されている。
この静電吸着用内部電極13の厚みは、特に限定されるものではないが、5μm以上かつ50μm以下が好ましく、特に好ましくは20μm以上かつ40μm以下である。その理由は、厚みが5μmを下回ると、充分な導電性を確保することができず、一方、厚みが50μmを越えると、この静電吸着用内部電極13と載置板11及び支持板12との間の熱膨張率差に起因して、この静電吸着用内部電極13と載置板11及び支持板12との接合界面にクラックが入り易くなるからである。
このような厚みの静電吸着用内部電極13は、スパッタ法や蒸着法等の成膜法、あるいはスクリーン印刷法等の塗工法により容易に形成することができる。
絶縁材層14は、静電吸着用内部電極13を囲繞してイオン注入等の際の雰囲気から静電吸着用内部電極13を保護するとともに、載置板11と支持板12との境界部、すなわち静電吸着用内部電極13以外の外周部領域を接合一体化するものであり、載置板11及び支持板12を構成する材料と同一組成または主成分が同一の絶縁材料により構成されている。
給電用端子15は、静電吸着用内部電極13に直流電圧を印加するために設けられた棒状のもので、この給電用端子15の材料としては、耐熱性に優れた導電性材料であれば特に制限されるものではないが、熱膨張係数が静電吸着用内部電極13及び支持板12の熱膨張係数に近似したものが好ましく、例えば、静電吸着用内部電極13を構成している導電性セラミックス、あるいは、タングステン(W)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、ニオブ(Nb)、コバール合金等の金属材料が好適に用いられる。
この給電用端子15は、絶縁性を有する碍子17により温度調整用ベース部3及び温度調整用基材4に対して絶縁されている。
そして、この給電用端子15は支持板12に接合一体化され、さらに、載置板11と支持板12とは、静電吸着用内部電極13及び絶縁材層14により接合一体化されて静電チャック部2を構成している。
温度調整用ベース部3は、静電チャック部2の他の主面側に設けられたもので、厚みのある円板状のものである。
この温度調整用ベース部3としては、例えば、その内部に水を循環させる流路21が形成された水冷ベース等が好適である。
この温度調整用ベース部3の上面には、温度調整用基材4を嵌め込むための凹部22が形成されている。
この温度調整用ベース部3を構成する材料としては、熱伝導性、導電性、加工性に優れた金属、またはこれらの金属を含む複合材であれば特に制限はなく、例えば、アルミニウム(Al)、アルミニウム合金、銅(Cu)、銅合金、ステンレス鋼(SUS) 等が好適に用いられる。この温度調整用ベース部3の少なくともイオン注入等の際の雰囲気に曝される面は、アルマイト処理が施されているか、あるいはアルミナ等の絶縁膜が成膜されていることが好ましい。
温度調整用基材4は、静電チャック部2を液体窒素等の冷却媒体を用いて所望の温度に冷却するもので、静電チャック部2より大径の円板状のもので、酸化アルミニウム(Al)焼結体、窒化アルミニウム(AlN)焼結体、酸化イットリウム(Y)焼結体等の機械的な強度を有し、かつイオン注入プロセス等の半導体製造プロセスにおける耐久性を有する絶縁性のセラミックス焼結体からなるものである。
この温度調整用基材4の上面(主面)には、静電チャック部2を嵌め込むための凹部31が形成され、この凹部31の底面には液体窒素等の冷却媒体を流動させる溝32が形成されている。
この溝32のパターン形状は、静電チャック部2を液体窒素等の冷却媒体を用いて所望の温度に冷却することができればよく、特に制限はないが、静電チャック部2の下面を均一に冷却することができる点で、渦巻き状または蛇行状が好ましい。
この温度調整用基材4の厚みは5mm以上かつ30mm以下が好ましく、10mm以上かつ20mm以下がより好ましい。
その理由は、温度調整用基材4の厚みが5mmを下回ると、温度調整用基材4の機械的強度が低下するとともに、静電チャック部2と温度調整用ベース部3との間の断熱が不十分なものとなり、その結果、静電チャック部2における温度の制御性が低下し、板状試料Wの面内温度を所望の温度パターンに維持することが困難になる。
一方、温度調整用基材4の厚みが30mmを超えると、温度調整用基材4の機械的強度は確保されるものの、静電チャック部2と温度調整用ベース部3との間の熱伝達が不十分なものとなり、その結果、静電チャック部2における温度の制御性が低下し、板状試料Wの面内温度を所望の温度パターンに維持することが困難になる。
低温対応有機系接着剤層5は、液体窒素等の冷却媒体を用いて冷却される静電チャック部2と温度調整用基材4とを接着、固定する絶縁性を有するもので、耐熱温度が−270℃以上かつ120℃以下の接着剤からなるものである。この低温対応有機系接着剤層5の材質としては、上記の温度範囲で耐熱性を有するエポキシ系接着剤が好適に用いられる。
この低温対応有機系接着剤層5の厚みは、静電チャック部2と温度調整用基材4との間の熱伝達の迅速性を考慮すると、50μm以上かつ300μm以下が好ましく、より好ましくは75μm以上かつ125μm以下である。
この低温対応有機系接着剤層5の面内の厚みのバラツキは10μm以内が好ましい。
ここで、低温対応有機系接着剤層5の面内の厚みのバラツキが10μmを超えると、静電チャック部2と温度調整用基材4との面内間隔に10μmを超えるバラツキが生じ、その結果、温度調整用基材4から静電チャック部2に伝達される冷熱の面内均一性が低下し、静電チャック部2の載置面における面内温度が不均一となるので、好ましくない。
接着剤層6は、温度調整用基材4と温度調整用ベース部3とを接着固定する絶縁性を有するもので、耐熱温度が−100℃以上かつ120℃以下の接着剤からなるものである。
この接着剤層6の材質としては、上記の温度範囲で耐熱性を有するシリコーン系接着剤、ポリイミド系接着剤、エポキシ系接着剤等が好適であり、中でもシロキサン結合(Si−O−Si)を有する耐熱温度が−50℃以上かつ100℃以下のシリコーン系接着剤が好ましい。
このシリコーン系接着剤は、耐熱性、弾性に優れた接着剤であり、例えば、下記の式(1)または式(2)の化学式で表すことができる。
Figure 0006176771
但し、Rは、Hまたはアルキル基(C2n+1−:nは整数)である。
Figure 0006176771
但し、Rは、Hまたはアルキル基(C2n+1−:nは整数)である。
このようなシリコーン系接着剤としては、硬化後のヤング率が8MPa以下の接着剤が好ましい。ここで、硬化後のヤング率が8MPaを超えると、接着剤層6に昇温、降温の熱サイクルが負荷された際に、温度調整用基材4と温度調整用ベース部3との熱膨張差を吸収することができず、接着剤層6の耐久性が低下するので、好ましくない。
この接着剤層6の厚みは、温度調整用ベース部3と温度調整用基材4との間の断熱・応力緩和を考慮すると、50μm以上かつ300μm以下が好ましく、より好ましくは100μm以上かつ200μm以下である。
次に、この静電チャック装置1の製造方法について説明する。
まず、酸化アルミニウム−炭化ケイ素(Al−SiC)複合焼結体、酸化アルミニウム(Al)焼結体、窒化アルミニウム(AlN)焼結体、または酸化イットリウム(Y)焼結体を用いて、所望の形状の載置板11及び支持板12を作製する。この場合、炭化ケイ素粉体及び酸化アルミニウム粉体を含む混合粉体、酸化アルミニウム粉体、窒化アルミニウム粉体、または酸化イットリウム粉体を所望の形状に成形し、その後、粉体に好ましい雰囲気下、例えば1400℃〜2000℃の温度にて所定時間、焼成することにより、載置板11及び支持板12を得ることができる。
次いで、支持板12に、給電用端子15及び碍子17を嵌め込み保持するための固定孔を複数個形成する。この固定孔は、粉体を成形する際に形成することとしてもよい。
次いで、上記の導電性セラミックス粉体等の導電材料を有機溶媒に分散した静電吸着用内部電極形成用塗布液を用意し、この静電吸着用内部電極形成用塗布液を載置板11の裏面の所定領域に塗布し、乾燥して、静電吸着用内部電極形成層とする。
この塗布法としては、均一な厚さに塗布する必要があることから、スクリーン印刷法等を用いることが望ましい。また、上記の塗布法以外の方法としては、上記の導電性セラミックスからなる薄板を配設して静電吸着用内部電極形成層とする方法等がある。
また、この静電吸着用内部電極形成層にタングステン(W)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、ニオブ(Nb)、コバール合金等の高融点金属を用いる場合には、蒸着法あるいはスパッタリング法により高融点金属の薄膜を成膜する方法、あるいは、高融点金属からなる薄板を配設して静電吸着用内部電極形成層とする方法等がある。
また、載置板11上の静電吸着用内部電極形成層を形成した領域以外の領域に、載置板11及び支持板12と同一組成または主成分が同一の粉体材料を含む絶縁材形成層を形成する。この絶縁材形成層は、例えば、載置板11及び支持板12と同一組成または主成分が同一の絶縁材料からなる粉体を有機溶媒に分散した塗布液を、上記所定領域にスクリーン印刷等で塗布し、乾燥することにより形成することができる。
次いで、載置板11上の静電吸着用内部電極形成層及び絶縁材形成層の上に支持板12上を重ね合わせ、次いで、これらを高温、高圧下にてホットプレスし、一体化する。このホットプレスにおける雰囲気は、真空、あるいはAr、He、N等の不活性雰囲気が好ましい。また、ホットプレスにおける一軸加圧の際の圧力は5〜10MPaが好ましく、温度は1400℃〜1850℃が好ましい。
このホットプレスにより、静電吸着用内部電極形成層は焼成されて導電性複合焼結体からなる静電吸着用内部電極13となる。同時に、絶縁材形成層も焼成されて絶縁材層14となり、この絶縁材層14により支持板12及び載置板11は接合一体化される。
そして、これら接合体の上下面、外周およびガス穴(図示せず)等を機械加工し、静電チャック部2とする。このガス穴は、後述するヘリウム等の冷却ガスを載置板11と板状試料Wとの間に流すために静電チャック部2に形成する穴である。
一方、給電用端子15を、支持板12の固定孔に密着固定し得る大きさ、形状となるように作製する。この給電用端子15の作製方法としては、例えば、給電用端子15を導電性複合焼結体とした場合、導電性セラミックス粉体を所望の形状に成形して加圧焼成する方法等が挙げられる。
このとき、給電用端子15に用いられる導電性セラミックス粉体としては、静電吸着用内部電極13と同様の材質からなる導電性セラミックス粉体が好ましい。
また、給電用端子15を金属とした場合、高融点金属を用い、研削法、粉末治金等の金属加工法等により形成する方法等が挙げられる。
一方、アルミニウム(Al)、アルミニウム合金、銅(Cu)、銅合金、ステンレス鋼(SUS) 等からなる金属材料に機械加工を施し、必要に応じて、この金属材料の内部に水を循環させる流路等を形成し、さらに、給電用端子15及び碍子17を嵌め込み保持するための固定孔を形成し、温度調整用ベース部3とする。
この温度調整用ベース部3の少なくともイオン注入時の雰囲気に曝される面には、アルマイト処理を施すか、あるいはアルミナ等の絶縁膜を成膜することが好ましい。
次いで、温度調整用ベース部3に、給電用端子15及び碍子17を嵌め込み保持するための固定孔を複数個形成する。
さらに、酸化アルミニウム(Al)焼結体、窒化アルミニウム(AlN)焼結体、または酸化イットリウム(Y)焼結体を用いて、所望の形状の温度調整用基材4を作製する。この場合、酸化アルミニウム(Al)粉体、窒化アルミニウム粉体、または酸化イットリウム粉体を所望の形状に成形し、その後、粉体に好ましい雰囲気下、例えば1400℃〜2000℃の温度にて所定時間、焼成し、温度調整用基材4とする。
次いで、この温度調整用基材4に、給電用端子15及び碍子17を嵌め込み保持するための固定孔を複数個形成する。この固定孔は、粉体を成形する際に形成することとしてもよい。
次いで、静電チャック部2の支持板12の下面、すなわち温度調整用基材4を接着する面を、例えばアセトンを用いて脱脂、洗浄し、この面上の所定領域に、スクリーン印刷法等の塗布法を用いて耐熱温度が−270℃以上かつ120℃以下のエポキシ系接着剤を、100μm以上かつ200μm以下の厚みとなるように塗布する。
さらに、温度調整用基材4の下面、すなわち温度調整用ベース部3を接着する面を、例えばアセトンを用いて脱脂、洗浄し、この面上の所定領域に、スクリーン印刷法等の塗布法を用いて耐熱温度が−100℃以上かつ120℃以下のシリコーン系接着剤、ポリイミド系接着剤、またはエポキシ系接着剤を、200μm以上かつ300μm以下の厚みとなるように塗布する。
次いで、静電チャック部2、温度調整用基材4及び温度調整用ベース部3をこの順に重ね合わせる。この際、給電用端子15及び碍子17を、温度調整用ベース部3及び温度調整用基材4中に穿孔された給電用端子収容孔(図示略)に挿入し嵌め込む。
次いで、これら静電チャック部2、温度調整用基材4、温度調整用ベース部3、給電用端子15及び碍子17を、大気中、80℃以上かつ100℃以下にて加圧保持し、これらを接着し、一体化する。この加圧保持により、支持板12の下面に塗布されたエポキシ系接着剤は硬化して低温対応有機系接着剤層5となり、温度調整用基材4の下面に塗布されたシリコーン系接着剤、ポリイミド系接着剤、またはエポキシ系接着剤は硬化して接着剤層6となる。
以上により、静電チャック部2、温度調整用基材4、温度調整用ベース部3、給電用端子15及び碍子17は、低温対応有機系接着剤層5及び接着剤層6を介して接合一体化され、本実施形態の静電チャック装置1が得られることとなる。
この静電チャック装置1によれば、静電チャック部2と温度調整用ベース部3との間に、静電チャック部2側の凹部31に冷却媒体を流動させる溝32を形成した温度調整用基材4を設けたので、静電チャック部2を冷却媒体の温度まで冷却した場合においても、温度調整用ベース部3を温度調整用基材4により静電チャック部2から断熱することができ、温度調整用ベース部3の下面の温度を室温(25℃〜20℃)程度に保持することができる。
したがって、静電チャック部2が温度調整用基材4により冷却媒体の温度まで冷却された場合においても、この静電チャック装置1の裏面の温度を、温度調整用ベース部3により室温(25℃〜20℃)程度の温度に保持することができ、大気中に曝露した場合においても、この裏面に結露が生じる虞は無い。
また、静電チャック部2と温度調整用基材4とを、低温対応有機系接着剤層5を介して接着、固定したので、静電チャック部2を温度調整用基材4により冷却媒体の温度まで冷却した場合においても、静電チャック部2と温度調整用基材4との間の接着強度を保持することができ、剥離等の虞も無い。
[第2の実施形態]
図2は、本発明の第2の実施形態の静電チャック装置を示す断面図であり、この静電チャック装置41が、第1の実施形態の静電チャック装置1と異なる点は、第1の実施形態の静電チャック装置1では、温度調整用基材4の上面に静電チャック部2を嵌め込むための凹部31を形成し、この凹部31の底面に液体窒素等の冷却媒体を流動させる溝32を形成したのに対し、本実施形態の静電チャック装置41では、上面に静電チャック部2を嵌め込むための凹部31が形成された温度調整用基材42の内部に、液体窒素等の冷却媒体を流動させる流路43を形成した点であり、その他の点については第1の実施形態の静電チャック装置1と同様である。
この流路43のパターン形状は、静電チャック部2を液体窒素等の冷却媒体を用いて所望の温度に冷却することができればよく、特に制限はないが、静電チャック部2の下面を均一に冷却することができる点で、渦巻き状または蛇行状が好ましい。
この静電チャック装置41においても、第1の実施形態の静電チャック装置1と同様の作用・効果を奏することができる。
しかも、上面に静電チャック部2を嵌め込むための凹部31が形成された温度調整用基材42の内部に、液体窒素等の冷却媒体を流動させる流路43を形成したので、この流路43に冷却媒体を流動させることにより、静電チャック部2を冷却媒体により効率よく冷却することができる。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
「実施例1」
(静電チャック装置の作製)
公知の方法により、内部に厚み30μmの静電吸着用内部電極13が埋設された静電チャック部2を作製した。
この静電チャック部2の載置板11は、炭化ケイ素を8質量%含有する酸化アルミニウム−炭化ケイ素複合焼結体であり、直径は200mm、厚みは2mmの円板状であった。また、この載置板11の静電吸着面を、高さが30μmの多数の突起部16を形成することで凹凸面とし、これらの突起部16の頂面を板状試料Wの保持面とし、凹部と静電吸着された板状試料Wとの間に形成される溝に冷却ガスを流すことができるようにした。
また、支持板12も載置板11と同様、炭化ケイ素を8質量%含有する酸化アルミニウム−炭化ケイ素複合焼結体であり、直径は200mm、厚みは2mmの円板状であった。
これら載置板11及び支持板12を接合一体化することにより、静電チャック部2の全体の厚みは4mmとなっていた。
一方、直径250mm、高さ20mmのアルミニウム製の温度調整用ベース部3を、機械加工により作製した。この温度調整用ベース部3の内部には冷媒を循環させる流路(図示略)を形成した。
さらに、酸化アルミニウム(Al)焼結体を用いて、温度調整用基材4を作製した。この温度調整用基材4の直径は220mm、厚みは15mmの円板状であった。また、この温度調整用基材4の上面の凹部31には、深さ25mm、幅12mmの渦巻き状の溝32を形成し、液体窒素等の冷却媒体を流すことができるようにした。
次いで、この静電チャック部2の支持板12の下面をアセトンを用いて脱脂、洗浄し、この下面の所定領域に、スクリーン印刷法により、低温対応有機系接着剤であるエポキシ系接着剤 SK−229(日東電工社製)を200μmの厚みとなるように塗布した。
次いで、温度調整用基材4の下面をアセトンを用いて脱脂、洗浄し、この下面の所定領域に、スクリーン印刷法により、シリコーン系接着剤 TSE3221(モメンティブ社製)を300μmの厚みとなるように塗布した。
次いで、静電チャック部2、温度調整用基材4及び温度調整用ベース部3をこの順に重ね合わせ、給電用端子15及び碍子17を、温度調整用ベース部3及び温度調整用基材4中に穿孔された給電用端子収容孔に挿入し、嵌め込んだ。
次いで、これら静電チャック部2、温度調整用基材4、温度調整用ベース部3、給電用端子15及び碍子17を、大気中、25℃にて加圧保持し、これらを接着し、一体化して、実施例1の静電チャック装置を作製した。
これにより、支持板12の下面に塗布されたエポキシ系接着剤は硬化して低温対応有機系接着剤層5となり、温度調整用基材4の下面に塗布されたシリコーン系接着剤は硬化して接着剤層6となった。
(評価)
この静電チャック装置の熱サイクル試験を行い、接着剤の剥離の有無について評価した。
熱サイクル試験の方法は次のとおりである。
温度調整用ベース部3の流路21に20℃の水を流しながら、温度調整用基材4の溝32に−100℃の液体窒素を流し、静電チャック部2を−100℃にまで冷却し、静電チャック部2が−100℃になった時点で液体窒素の導入を停止した。その後、静電チャック部2が20℃になるまで放置し、静電チャック部2が20℃になった時点で、再度、温度調整用ベース部3の流路21に20℃の水を流しながら、温度調整用基材4の溝32に−100℃の液体窒素を流し、静電チャック部2を−100℃にまで冷却した。
この「−100℃にまで冷却」及び「20℃にまで放置」という熱サイクルを合計10回繰り返し行った。
また、同時に、この熱サイクル中における静電チャック装置の裏面の結露の有無も確認した。
上記の熱サイクル試験の評価結果によれば、次のことが分かった。
静電チャック部2を温度調整用基材4により液体窒素の温度まで冷却したが、静電チャック部2と温度調整用基材4との間の接着強度が高く、剥離も認められなかった。
また、この熱サイクル中、静電チャック装置の裏面には結露が認められなかった。
「実施例2」
(静電チャック装置の作製)
静電チャック部2の載置板11及び支持板12を酸化イットリウム焼結体とし、温度調整用基材4も酸化イットリウム焼結体とした他は、実施例1に準じて、実施例2の静電チャック装置を作製した。
(評価)
実施例2の静電チャック装置を、実施例1に準じて評価した。その結果、次のことが分かった。
静電チャック部2を温度調整用基材4により液体窒素の温度まで冷却したが、静電チャック部2と温度調整用基材4との間の接着強度が高く、剥離も認められなかった。
また、この熱サイクル中、静電チャック装置の裏面には結露が認められなかった。
「比較例1」
(静電チャック装置の作製)
静電チャック部2と温度調整用基材4とを、低温対応有機系接着剤の替わりに耐熱温度が−50℃のエポキシ系接着剤を用いて接着固定した他は、実施例1に準じて、比較例1の静電チャック装置を作製した。
(評価)
比較例1の静電チャック装置を、実施例1に準じて評価した。その結果、次のことが分かった。
静電チャック部2を温度調整用基材4により液体窒素の温度まで冷却したところ、静電チャック部2と温度調整用基材4とが剥離してしまった。
また、大気中に暴露したところ、静電チャック装置の裏面に結露が生じていた。
「比較例2」
(静電チャック装置の作製)
静電チャック部2と温度調整用ベース部3とを、直接、低温対応有機系接着剤であるエポキシ系接着剤 SK−229(日東電工社製)を用いて接着固定した他は、実施例1に準じて、比較例2の静電チャック装置を作製した。
(評価)
比較例2の静電チャック装置の温度調整用ベース部3の流路21に−100℃の液体窒素を流して、静電チャック装置全体を−100℃にまで冷却したところ、静電チャック部2と温度調整用ベース部3との間に剥離は認められなかった。
しかしながら、この静電チャック装置を用いてイオン注入プロセスを実施したところ、静電チャック装置の裏面に結露が生じていた。
1 静電チャック装置
2 静電チャック部
3 温度調整用ベース部
4 温度調整用基材
5 低温対応有機系接着剤層
6 接着剤層
11 載置板
11a 載置面
12 支持板
13 静電吸着用内部電極
14 絶縁材層
15 給電用端子
16 突起部
17 碍子
21 流路
22 凹部
31 凹部
32 溝
41 静電チャック装置
42 温度調整用基材
43 流路
W 板状試料

Claims (5)

  1. 一主面を板状試料を載置する載置面とするとともに静電吸着用内部電極を内蔵した静電チャック部と、
    前記静電チャック部の他の主面側に設けられた温度調整用ベース部と、
    前記静電チャック部と前記温度調整用ベース部との間に設けられた温度調整用基材と、を備え、
    前記温度調整用基材は、液状の冷却媒体を流動させる流路を有し、前記静電チャック部を前記冷却媒体の温度にまで冷却し、
    前記温度調整用ベース部は、内部に前記冷却媒体よりも高い温度の液体を流動させる流路を有し、前記温度調整用ベース部の前記静電チャック部とは反対側の面を前記液体の温度に調整し、
    前記温度調整用ベース部の前記温度調整用基材の側の面には凹部が設けられ、
    前記温度調整用基材は、前記凹部に嵌め込まれており、
    前記温度調整用基材の前記流路に前記冷却媒体を流動させながら、前記温度調整用ベース部の前記流路に前記液体を流動させることを特徴とする静電チャック装置。
  2. 前記流路は、前記温度調整用基材の前記静電チャック部側の主面に形成された溝であることを特徴とする請求項1記載の静電チャック装置。
  3. 前記静電チャック部と前記温度調整用基材とを、低温対応有機系接着剤を介して接着、固定してなることを特徴とする請求項1または2記載の静電チャック装置。
  4. 前記低温対応有機系接着剤は、エポキシ系接着剤であることを特徴とする請求項3記載の静電チャック装置。
  5. 前記静電チャック部は、酸化アルミニウム−炭化ケイ素複合焼結体、酸化アルミニウム焼結体、窒化アルミニウム焼結体、酸化イットリウム焼結体のいずれか1つ以上からなり、前記温度調整用基材は、酸化アルミニウム焼結体、窒化アルミニウム焼結体、酸化イットリウム焼結体のいずれか1つからなることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項記載の静電チャック装置。
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