JP3188057B2 - 静電チャック - Google Patents

静電チャック

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JP3188057B2
JP3188057B2 JP18186993A JP18186993A JP3188057B2 JP 3188057 B2 JP3188057 B2 JP 3188057B2 JP 18186993 A JP18186993 A JP 18186993A JP 18186993 A JP18186993 A JP 18186993A JP 3188057 B2 JP3188057 B2 JP 3188057B2
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susceptor
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、静電チャックシートを
有する静電チャックに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、半導体製造工程の一部にあって
は、被処理体としての半導体ウエハに対して各種の処
理、例えばプラズマエッチング等を施すために例えばプ
ラズマ処理装置が用いられている。そして、この種の処
理装置にあっては、処理すべき半導体ウエハが処理中に
動かないようにするためにこれを保持固定する保持手
段、例えば機械式のクランプや静電力を用いた静電チャ
ックが設けられている。
【0003】ここで図7乃至図9に基づいて従来の静電
チャックの構造を説明すると、この静電チャック2は絶
縁性を有する例えばポリイミド樹脂製の静電チャックシ
ート4と例えばアルミニウム製の円柱状のサセプタ6と
により構成されている。この静電チャックシート4はそ
の内部に銅箔などの薄い導電膜8が略全面に渡って封入
されて全体として円形シート状に形成され、サセプタ6
の上部である載置面に接着剤等で取り付け固定されてお
り、この導電膜8に直流高電圧を付与することにより、
発生する静電力によりシート上面に半導体ウエハWを吸
着保持するようになっている。
【0004】この静電チャックシート4の導電膜8に直
流高電圧を印加するために、アルミニウム製のサセプタ
6の厚さ方向に長さ1cm程度の給電用スリット10を
貫通させて形成し、このスリット10に、上記静電チャ
ックシート4と同様に内部に銅箔などの給電膜12を絶
縁状態で封入した給電シート14を挿通させている。そ
して、この給電シート14の上下端をサセプタの面方向
に折り曲げて全体としてコ字状に形成し、静電チャック
シート4の絶縁膜とこれに対向する給電シート14の絶
縁膜とを一部除去して、ここに例えば導電ペーストより
なる接続導体16を介在させ、チャックシート4の導電
膜8と給電シート14の給電膜12とを電気的に接続し
ている(図8参照)。
【0005】また、給電シート14の下部は、同じく絶
縁膜の一部が除去されてここに導電ペーストよりなる接
続導体18を埋め込み、この接続導体18に対してサセ
プタ支持台20側よりスプリング等の弾発部材22によ
り上方へ付勢された給電ピン24が接触されており、図
示しない直流高圧源からの電力を供給するようになって
いる。
【0006】ところで、ウエハの処理温度は処理内容に
応じて−150℃もの低温から+100℃程度の高温ま
で変化され、そのための冷熱或いは温熱の供給はサセプ
タ支持台20側から行われるが、この時、サセプタ支持
台20とサセプタ6との間或いはサセプタ6と静電チャ
ックシート4との間に所定の圧力、例えば大気圧或いは
10Torr程度の熱伝導性ガスを供給して冷却或いは
温熱の伝達が効率的に行われるようになっている。
【0007】そして、特に図示例における構造にあって
は、1〜2KVの高い電圧の給電ポイントとなる給電ピ
ン24と給電シート14の接続導体18との接触部の雰
囲気が真空或いは低圧状態になると接触部での接触抵抗
の状態によっては放電が生ずる場合があるので、これを
防ぐためにこの部分、すなわちサセプタ支持台20とサ
セプタ6との間には大気が導入されて大気圧状態になさ
れており、この大気が真空の処理室側へ洩れないように
支持台20とサセプタ6との間にはOリング26が介在
されている。尚、ウエハWとチャックとの熱伝達性を良
好にするためにこの界面に10Torr程度のHeガス
を供給することも行われている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
従来のチャック構造にあっては、上述のように給電ピン
24と給電シート14との給電ポイントにて異常な放電
現象が発生するのを防止するためにサセプタ支持台20
とサセプタ6との間に大気圧を導入しているために、こ
の大気が給電シート14を挿通させるために形成した給
電用スリット孔10の間隙を通って上方へ至るので、こ
のスリット孔10の上方の静電チャックシート4は、処
理室内側が略真空であることから図9に示すようにその
下方より約1気圧の差圧P1を受け、長期間の使用によ
り可撓性のある高分子よりなるシート4はサセプタ6の
載置台より剥がれて上方へ部分的に膨れ上がり、突部2
8が形成されてしまうという問題点があった。
【0009】通常、静電チャックの機能を十分に発揮さ
せるためにはシート表面の平坦度はある程度以上確保さ
れてウエハとの密着度が良好な状態となっていなければ
ならないが、上述した突部28の高さH1は、良好な密
着度を確保するための限界値、例えば23μmよりも大
きくなってしまい、その結果、静電チャックの機能を十
分に発揮しなくなってしまうという問題点も発生してい
た。本発明は、以上のような問題点に着目し、これを有
効に解決すべく創案されたものである。本発明の目的
は、静電チャックシートに対して差圧を付与させないよ
うにした静電チャックを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記問題点を
解決するために、サセプタ支持台上に、熱伝達性を良好
にするガスを導入する間隙を介してサセプタを設け、前
サセプタの載置面に被処理体を静電力で吸着保持する
ために、樹脂フィルム間に薄い導電膜を封入してなる可
撓性のある静電チャックシートを設けると共に前記サセ
プタにこの厚さ方向に貫通させた給電用スリットを形成
し、このスリットに前記静電チャックシートに給電を行
うための可撓性の給電シートを挿通させてなる静電チャ
ックにおいて、前記給電用スリットを閉塞して前記サセ
プタの載置面側とこれの反対面側との連通を遮断するた
めの閉塞部材を形成するように構成したものである。
【0011】
【作用】本発明によれば、以上のように構成されたの
で、サセプタに形成した給電用スリットに給電シートを
挿通させ、このスリットに閉塞部材を設けることにより
サセプタの載置面側とこの反対面側との連通を遮断す
る。この結果、静電チャックシートにはその表裏面に差
圧が付与されなくなり、これが部分的に膨れ上がること
がない。
【0012】請求項2の実施例によれば、サセプタに形
成した給電用スリットに給電シートを挿通させ、更に、
このスリット内にはスリットシール部材が充填形成され
るので、サセプタの載置面側とこの反対側、すなわち大
気側との連通が遮断されてしまう。この結果、静電チャ
ックシートにはその表裏面に差圧がかからず、これが部
分的に膨れ上がることがなくなる。
【0013】請求項3の実施例によれば、前記給電シー
トは、2枚の絶縁性フィルム間に給電膜を封入して貼り
合わせることにより形成された可撓性のあるシートであ
る。 請求項4の実施例によれば、前記間隙には、熱伝達
性を良好にするガスとして、前記サセプタが収容される
処理室内の圧力より十分大きい圧力の大気、或いはH
e、Arなどの不活性ガスが導入される。請求項の実
施例によれば、サセプタに形成した給電用スリットに給
電シートを挿通させ、このスリットの載置面とは反対側
面の開口部を被って閉塞用シート部材を設け、しかもス
リットに対応する静電チャックシートにはスリットに連
通する連通孔が形成されたので、サセプタ下方の空間と
スリット内とは遮断されてサセプタ下方の大気圧はスリ
ット内に侵入せず、しかも、スリット内の圧力は連通孔
を通じて処理室内側と同圧になるので、この静電チャッ
クシートにはその表裏面に差圧がかからず、これが部分
的に膨れ上がることはなくなる。
【0014】
【実施例】以下に、本発明に係る静電チャックの一実施
例を添付図面に基づいて詳述する。図1は本発明に係る
静電チャックを適用したプラズマ処理装置を示す断面
図、図2は本発明に係る静電チャックの主要部を示す断
面図、図3は図2に示す静電チャックの静電チャックシ
ートを設ける前のサセプタの平面図である。尚、図7乃
至図9に示す部分と同一部分については同一符号を付
す。本実施例においては、本発明に係る静電チャックを
プラズマエッチング装置に適用した場合について説明す
る。
【0015】このプラズマエッチング装置30は、アル
ミニウム等の材料からなる内側枠32と外側枠34とか
ら構成される処理室36を備えている。内側枠32は、
円筒壁部32A、その円筒壁部32Aの下端から上方に
若干の間隔を空けて設けられた底部32B、及びその円
筒壁部32Aの下端外周に設けられた外方フランジ部3
2Cとから構成されている。他方、外側枠34は、円筒
壁部34A及び天井部34Bとから構成されており、上
記内側枠32を気密に覆うように上記外方フランジ部3
2Cの上に載置される。
【0016】上記外側枠34の上記円筒壁部34Aの上
方には、図示しない処理ガス源より、処理ガス、例えば
HFガスなどを図示しないマスフローコントローラを介
して上記処理室36内に導入可能なガス供給管路38が
設けられている。また、上記円筒壁部34Aの他方側下
方には、ガス排気管路40が設けられており、図示しな
い真空ポンプにより真空引きが可能な如く構成されてい
る。
【0017】上記外側枠34の上記天井部34Bの上方
には、被処理体、例えば半導体ウエハWの表面に水平磁
界を形成するための磁界発生装置、例えば永久磁石42
が回転自在に設けられており、この磁石による水平磁界
と、これに直交する電界を形成することにより、マグネ
トロン放電を発生させることができるように構成されて
いる。
【0018】処理室36内には、被処理体、例えば上記
半導体ウエハWを載置固定するためのサセプタアセンブ
リ44が配置される。このサセプタアセンブリ44は、
複数の絶縁部材46を介して上記内側枠32の底部32
B上に載置されており、同時に、上記サセプタアセンブ
リ44の側面と上記内側枠32の円筒壁部32との間
には、絶縁部材として例えばOリング48が介装されて
いるので、上記サセプタアセンブリ44は、外部で接地
されている上記内側枠32及び上記外側枠34から絶縁
状態に保持されるように構成されている。
【0019】上記サセプタアセンブリ44は、例えばア
ルミニウム等により形成され、図示の例では、3層構造
を有しており、サセプタ6と、これを支持するサセプタ
支持台20と、この下に設けられる冷却ジャケット収容
台50により構成される。そして、このサセプタ6の上
面の載置面に静電チャックシート4を接着剤等により貼
り付けて静電チャック52を構成している。そして、こ
の静電チャックシート4上に被処理体としての半導体ウ
エハWを吸着保持するようになっている。
【0020】上記サセプタ支持台20には、半導体ウエ
ハWの温度を調節するための温度調節装置、例えばヒー
タ54が設けられている。このヒータ54は、図示しな
いヒータコントローラに接続されており、上記サセプタ
6の温度を監視する図示しない温度モニタからの信号に
応じて、温度制御を行うように構成されている。
【0021】上記サセプタ6は、上記サセプタ支持台2
0に対して、ボルト56などの連結部材を用いて、着脱
自在に固定される。かかる構成により、高周波電源58
に接続されている上記サセプタ支持台20とは別個に、
上記サセプタ6部分のみを交換することが可能となり、
装置の保守が容易となる。
【0022】前述のように、上記サセプタ6の側壁と上
記内側枠32の円筒壁部32A内面との間にはOリング
48が介装されているので、処理室内に導入された処理
ガスは上記サセプタ支持台20よりも下方には到達せ
ず、これらの部分の汚染が防止される。
【0023】上記冷却ジャケット収容台50の内部に
は、例えば液体窒素などの冷媒60を溜めるための冷却
ジャケット62が設置されている。この冷却ジャケット
62は、パイプ64によりバルブ66を介して液体窒素
源68に連通している。上記冷却ジャケット62内に
は、図示しない液面モニタが配置されており、その液面
モニタからの信号に応答して上記バルブ66を開閉する
ことにより、上記冷却ジャケット62内の冷媒60、例
えば液体窒素の供給量を制御するように構成されてい
る。更に、上記冷却ジャケット62内の内壁底面は、例
えばポーラスに形成され、核沸騰を起こすことができる
ようになっており、その内部の液体窒素を所定温度、例
えば−196℃に維持することができる。
【0024】このように、構成された上記サセプタアセ
ンブリ44は、上記絶縁部材46及び48により、上記
処理室36を構成する上記内側枠32及び外側枠34か
ら絶縁されて、電気的には同一極性のカソードカップリ
ングを構成し、上記サセプタ支持台20には、マッチン
グ装置100を介して上記高周波電源58が接続されて
いる。かくして、上記サセプタアセンブリ44と接地さ
れている外側枠34の天井部34Bとにより対向電極が
構成され、高周波電力の印加により、電極間すなわち処
理室36にプラズマ放電を発生させることが可能であ
る。
【0025】更に、本実施例に基づくサセプタアセンブ
リ44の上層のサセプタ6及び上記ヒータ54を備えた
中層の上記サセプタ支持台20との間、及びこのサセプ
タ支持台20と下層の冷却ジャケット収容部50との間
には、それぞれ間隙70、72が形成されており、これ
らの間隙は、例えばOリングのような封止部材74及び
76により、それぞれ気密に構成されており、ガス供給
管路78を介して例えば大気開放されている。この大気
開放に代えてHeガスやArガスなどの不活性ガスを所
定圧、例えば1気圧にして供給してもよい。
【0026】上記間隙7及び7は、1〜100μm
であり、好ましくは、50μm程度に形成される。これ
らの間隙7及び7に封入される媒体は、冷却ジャケ
ット62からの冷却熱を最小限の熱損失で伝達可能であ
り、しかも、後述するように給電ポイントにおける放電
を防止する。
【0027】一方、本発明に係る静電チャック52は、
前述の如く例えば絶縁性を有するポリイミド製の静電チ
ャックシート4と例えばアルミニウム製の円柱状のサセ
プタ6とにより構成されている。この静電チャックシー
ト4は、一対のポリイミド樹脂フィルム4A、4Bを貼
り合わせたもので、その中には銅箔などの薄い導電膜8
が絶縁状態で封入されている。この導電膜8には、アル
ミニウム製のサセプタ6を貫通して設けた給電シート1
4を介して直流電圧が印加される。
【0028】すなわちサセプタ6の厚さL1は約20m
m程度あり、この厚さ方向には、図3にも示すように断
面略矩形状の給電用スリット10が貫通させて形成され
ている。このスリット10の断面積は上記給電シート1
4が十分に挿通できる大きさ、図3において縦の長さL
2及び横の長さL3はそれぞれ例えば12mm及び2m
mに設定されている。
【0029】この給電用スリット10に、上記静電チャ
ックシート4と同様に内部に銅箔などの給電膜12を、
2枚の絶縁性フィルム14A、14Bを貼り合わせるこ
とにより封入した給電シート14を挿通させて、その上
下端をサセプタ6の面方向に折り曲げて全体としてコ字
状に成形される。この給電シート14は、前述の如くポ
リイミド樹脂等の可撓性材料より構成されるので、屈曲
により破損等することはない。
【0030】この時、給電シート14の上側屈曲部80
A(サセプタの載置面側)及び下側屈曲部80B(載置
面側の反対面側)の長さL4はそれぞれ同じ長さ、例え
ば10mm程度に設定されており、この載置面側の屈曲
部80Aと静電チャックシート4が対向している部分の
絶縁フィルム14A及び樹脂フィルム4Aの一部をそれ
ぞれ直径L5が2mm程度の円形の大きさだけ導電膜8
まで届くように取り除き、この部分に例えば銀導電ペー
ストよりなる接続導体16を介在させて、チャックシー
ト4の導電膜8と給電シート14の給電膜12とを電気
的に接続している。
【0031】また、給電シート14の下部屈曲部80B
における絶縁フィルム14Aの一部も直径2mm程度の
円形の大きさだけ給電膜12に届くように除去され、こ
の部分に同様な銀導電ペーストよりなる接続導体18が
埋め込まれている。
【0032】そして、この接続導体18には、この下方
に位置するサセプタ支持台20に形成したピン穴80内
にスプリング等の弾発部材22により上方、すなわちサ
セプタ6側へ付勢された給電ピン24の先端が当接して
おり、このピン24と給電シート14の給電膜12が電
気的に接続されている。この給電ピン24は、図1に示
すように導電線82を介して高電圧直流源84に接続さ
れ、上記静電チャックシート4の導電膜8に例えば2.
0KVの直流電圧を印加し得るように構成されている。
【0033】上記静電チャックシート4は、例えばエポ
キシ系の接着剤によりサセプタの載置面に強固に接合さ
れ、また、給電シート14も上側屈曲部80A及び下側
屈曲部80Bにおいてサセプタ側と同様に例えばエポキ
シ系の接着剤により接合される。また、前述のようにサ
セプタ6の下面とサセプタ支持台20の上面との間に形
成される間隙70には、この部分の熱伝達性を良好にす
るため、及び給電ピン24の給電ポイントP2における
放電を抑制するために1気圧の大気が導入されている。
そのため、この大気が、サセプタ6に形成した給電用ス
リット10に流入して静電チャックフィルム4に悪影響
を及ぼす恐れが生ずる。しかしながら、本実施例にあっ
ては、これを防止するために給電シート14が挿通され
た給電用スリット10内に例えば接着剤のようなスリッ
トシール部材86を全体に渡って注入してこれを閉塞し
ている。このスリットシール部材86としては、−15
0℃から常温或いは+100℃の温度範囲に渡って安定
しているものならばどのような接着剤でもよく、例えば
エポキシ系の接着剤、有機或いは無機系の接着剤が使用
され、特に本実施例においてはアームストロングエポキ
シA−12(商標)を用いた。また、接着剤に代えて或
いはこれらと共にエンジニアリングプラスチックやセラ
ミックス等を用いてもよい。
【0034】このようなシール部材86を構成する接着
剤は、サセプタ6の給電用スリット10に給電シート1
4を挿通して貼り付け、そしてサセプタの載置面に静電
チャックシート4を接着剤により貼り付けた後に、給電
用スリット10の下側、すなわちサセプタ支持台20側
の開口部10Aより注射器等の注入器具を用いて注入さ
れることになる。尚、このエッチング装置の側壁には、
図示しないゲート弁が設けられ、これを介してロードロ
ック室に連結されている。
【0035】次に、以上のように構成された本実施例の
動作について説明する。まず、図示しないゲート弁を介
して半導体ウエハWを、図示しない搬送アームにより処
理室36に収容し、これをサセプタ6の載置面に設けた
静電チャックシート52上に載置する。この静電チャッ
クシート52の導電膜8には、高圧直流源84より例え
ば2.0KVの直流電圧が印加され、分極によるクーロ
ン力によりウエハWを吸着保持する。
【0036】この処理室36内は、ガス排気管路40に
接続される真空ポンプ(図示せず)により予め真空状態
になされており、ガス供給管路38を介して、処理ガ
ス、例えばHFガス等を流量を制御しつつ供給してこの
処理室36内をプロセス圧、例えば10-1Torr程度
に維持し、同時に高周波電源58より、例えば13.5
6MHzの高周波を下部電極であるサセプタ支持台20
及びサセプタ6に印加する。これにより、サセプタ6と
上部電極である外側枠34の天井部34Bとの間にプラ
ズマが発生し、これと同時に天井部34Bの上方に設け
た永久磁石42を回転させることによりウエハWの近傍
にこの面と平行な磁場を形成し、ウエハWに対して異方
性の高いエッチングを施す。
【0037】ここでウエハWのエッチング処理時にあっ
ては、冷却ジャケット収容台50に設けた冷却ジャケッ
ト62からの冷熱がサセプタ支持台20、サセプタ6及
びウエハWの順に伝わって低温エッチングを行うもので
あるが、この時、サセプタ支持台20に設けたヒータ5
4の発熱量を制御することによりウエハWの処理温度を
制御する。この場合、冷却ジャケット収容台50とサセ
プタ支持台20との間隙72及びサセプタ支持台20と
サセプタ6との間隙70には熱伝達性を良好にするた
め、特に間隙70にあってはそれに加えて給電ポイント
P2における放電を防止するために例えば1気圧の大気
が導入されており、ウエハWに対する熱伝達効率を維持
している。
【0038】一方、高圧直流源84からの直流電圧は、
導電路82、給電ピン24、接続導体18、給電シート
14の給電膜12及び接続導体16を介して静電チャッ
クシート4の導電膜8へ印加されることとなり、給電ピ
ン24の上部と接続導体18との接点である給電ポイン
トP2の位置する間隙70には上述のように1気圧の大
気が導入されているのでこの部分の接触抵抗が大きくな
っても放電が発生することは阻止される。
【0039】また、サセプタ6に形成した給電用スリッ
ト10には可撓性の給電シート14が挿通されている
が、この部分に僅かな隙間が発生するのは避けられず、
この隙間を通って静電チャックシート4にウエハ処理時
に1気圧の差圧が付与される恐れがある。しかしなが
ら、本実施例においては給電用スリット10内の隙間全
体に閉塞部材として例えばエポキシ系の接着剤よりなる
スリットシール部材86を略完全注入して固化させてあ
るのでこの内部は完全に遮断されており、静電チャック
シート4の裏面に大気圧が付与されることはない。
【0040】従って、従来構造と異なりウエハ処理中の
ために処理室36内が減圧状態になってもチャックシー
ト4には1気圧の差圧がかかる部分がなくなり、チャッ
クシート4が差圧のために部分的に膨れ上がったりする
ことを阻止することができる。そのため、静電チャック
シート4の平坦度は高く維持され、この吸着保持機能を
劣化させることはない。また、静電チャックシート4の
裏面に例えば10Torr程度の熱伝達用のHeガスを
供給している場合には、この分の差圧が静電チャックシ
ート4にかかることになるが、この差圧は大気圧の場合
と比較して遥かに小さいので問題は生じない。
【0041】尚、上記実施例にあっては、給電用スリッ
ト10内全体に渡ってスリットシール部材86を充填し
て大気との遮断を確実なものとしたが、これに限定され
ず、例えば図4に示すように給電用スリット10の下側
開口部10Aのみをスリットシール部材86により閉塞
するように構成してもよい。この場合には、給電用スリ
ット10内の残った隙間88に製造過程において1気圧
の大気が閉じ込められる恐れがあるが、給電用スリット
10の上側開口部10Bに対応する静電チャックシート
4に処理室36内側に連通する連通孔90を形成するの
が好ましい。これにより、処理室36と給電用スリット
10内は連通孔90を介して連通されるので同じ圧力と
なり、ウエハ処理時においても静電チャックシート4に
差圧が発生することはない。
【0042】また、前記実施例においては閉塞部材とし
て接着剤よりなるスリットシール部材86を用い、これ
を給電用スリット10内に設けるようにしたが、これに
限定されず、図5及び図6に示すように閉塞部材として
閉塞用シート部材92を用いるようにしてもよい。
【0043】すなわちサセプタ6に形成した給電用スリ
ット10の下側開口部10A全体を完全に被うように例
えば円形の閉塞用シート部材92が形成されている。こ
の閉塞用シート部材92は、例えばポリイミド系の絶縁
性のフィルムよりなり、この表面全体に渡って接着剤を
塗布し、サセプタ6の下面に下側開口部10Aを略中心
として気密に貼り付けている。シート部材92はポリイ
ミド系のフィルムに限定されず、絶縁性フィルムで1気
圧程度の差圧に耐え得るものであるならばどのようなも
のでもよく、また、可撓性を有していない板状のシート
部材でもよい。
【0044】また、閉塞用シート部材92の形状も円形
に限定されず、下側開口部10Aを被うことができれば
その形状は問わない。また、給電ピン24の先端に対応
する閉塞用シート部材部分には導電ペーストを埋め込む
ために直径2mm程度の貫通孔が形成されており、この
部分に導電ペーストを埋め込むことにより接続導体18
を構成している。そして、この接続導体18にその下方
より付勢される給電ピン24を接触させることにより給
電シート14を介して静電チャックシート4側へ直流高
電圧を印加する。
【0045】この場合、給電用スリット10内に残った
僅かな間隙88には1気圧程度の気体が封入される恐れ
があるので、これを抜くために図4において示したと同
様に給電用スリット10の上側開口部10Bに対応する
静電チャックシート4に処理室36内側に連通する連通
孔90を形成し、処理室36内とスリット10内が常に
同圧になるように構成する。
【0046】このように構成した場合、処理中にあって
は処理室36及びこれに連通する給電用スリット10の
間隙88は圧力の低いプロセス圧力になるが、サセプタ
6とサセプタ支持台20との間隙70は給電ポイントP
2における放電を阻止するために1気圧程度のガスが導
入されている。しかしながら、給電スリット10の下側
開口部10Aは閉塞用シート部材92により被われて閉
塞されているので、1気圧のガスが間隙88内へ侵入す
ることはなく、従って、静電チャックシート4にはその
表裏間において差圧がかからず、これが上方へ膨れ上が
ることを防止することができる。
【0047】この場合、ウエハ処理中にあっては給電ス
リット10の間隙88内はプロセス圧になり、閉塞用シ
ート部材92の下方の間隙70内は略大気圧になること
から閉塞用シート部材92には略1気圧の圧力がかかっ
てスリットの下側開口部10Aに位置するシート部材9
2が仮想線に示すように上方へ僅かに膨れ上がる傾向と
なるが、静電チャックシート4へは何ら影響を及ぼさな
いので問題はない。
【0048】また、サセプタ6の載置面、すなわち静電
チャックシートの裏面に例えば10Torr程度の熱伝
達ガスを供給するための複数の溝等が形成されている場
合には、この溝に給電用スリットの上側開口部を連通さ
せるようにしてもよく、この場合には静電チャックシー
ト4に連通孔90を設けなくてもよい。尚、以上の実施
例にあっては本発明の静電チャックをプラズマエッチン
グ装置に適用した場合を例にとって説明したが、これに
限定されず、被処理体を吸着する必要のある処理装置に
は全て適用し得るのは勿論である。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の静電チャ
ックによれば次のように優れた作用効果を発揮すること
ができる。給電スリットに閉塞部材を設けてサセプタの
載置面側とこれの反対面側との連通を遮断するようにし
たので、載置面側に形成した静電チャックシートに給電
スリットを介して部分的に大きな差圧が付与されること
を防止することができる。従って、静電チャックシート
が部分的に膨み上がることを阻止することができ、チャ
ックシートの平坦度を維持してチャックシートの吸着保
持機能を高く維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る静電チャックを適用したプラズマ
処理装置を示す断面図である。
【図2】本発明に係る静電チャックの主要部を示す断面
図である。
【図3】図2に示す静電チャックの静電チャックシート
を設ける前のサセプタの平面図である。
【図4】図2に示す本発明の静電チャックの変形例を示
す断面図である。
【図5】本発明の静電チャックの他の変形例を示す断面
図である。
【図6】図5に示す静電チャックの静電チャックシート
を設ける前のサセプタと給電用スリットと閉塞用シート
部材との位置関係を示す平面図である。
【図7】従来の静電チャックを示す断面図である。
【図8】図7に示す静電チャックの要部を示す拡大図で
ある。
【図9】図8に示す静電チャックの静電チャックシート
が膨れ上がった状態を示す図である。
【符号の説明】
4 静電チャックシート 6 サセプタ 8 導電膜 10 給電用スリット 12 給電膜 14 給電シート 16,18 接続導体 20 サセプタ支持台 24 給電ピン 30 プラズマエッチング装置 36 処理室 44 サセプタアセンブリ 52 静電チャック 58 高周波電源 84 高電圧直流源 86 スリットシート部材(閉塞部材) 90 連通孔 92 閉塞用シート部材(閉塞部材) W 半導体ウエハ(被処理体)
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/68 H02N 13/00 B23Q 3/15

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 サセプタ支持台上に、熱伝達性を良好に
    するガスを導入する間隙を介してサセプタを設け、前記
    サセプタの載置面に被処理体を静電力で吸着保持するた
    めに、樹脂フィルム間に薄い導電膜を封入してなる可撓
    性のある静電チャックシートを設けると共に前記サセプ
    タにこの厚さ方向に貫通させた給電用スリットを形成
    し、このスリットに前記静電チャックシートに給電を行
    うための可撓性の給電シートを挿通させてなる静電チャ
    ックにおいて、前記給電用スリットを閉塞して前記サセ
    プタの載置面側とこれの反対面側との連通を遮断するた
    めの閉塞部材を形成するように構成したことを特徴とす
    る静電チャック。
  2. 【請求項2】 前記閉塞部材は、前記スリット内に注入
    された接着剤よりなるスリットシール部材よりなること
    を特徴とする請求項1記載の静電チャック。
  3. 【請求項3】 前記給電シートは、2枚の絶縁性フィル
    ム間に給電膜を封入して貼り合わせることにより形成さ
    れた可撓性のあるシートであることを特徴とする請求項
    1又は2記載の静電チャック。
  4. 【請求項4】 前記間隙には、熱伝達性を良好にするガ
    スとして、前記サセプタが収容される処理室内の圧力よ
    り大きい圧力の大気、或いはHe、Arなどの不活性ガ
    スが導入されることを特徴とする請求項1乃至3のいず
    れかに記載の静電チャック。
  5. 【請求項5】 サセプタの載置面に被処理体を静電力で
    吸着保持するための静電チャックシートを設けると共に
    前記サセプタにこの厚さ方向に貫通させた給電用スリッ
    トを形成し、このスリットに前記静電チャックシートに
    給電を行うための給電シートを挿通させてなる静電チャ
    ックにおいて、前記給電用スリットを閉塞して前記サセ
    プタの載置面側とこれの反対面側との連通を遮断するた
    めの閉塞部材を形成し、前記閉塞部材は、前記反対側に
    形成された前記スリットの開口部を被って形成された、
    絶縁性材料よりなる閉塞用シート部材よりなり、前記静
    電チャックシートに前記給電用スリット内に連通する連
    通孔を形成するように構成したことを特徴とする静電チ
    ャック。
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