JP4346877B2 - 静電吸着装置および処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、静電吸着装置および処理装置に関し、特にたとえば、プラズマ雰囲気の処理空間において、半導体処理基板を吸着保持し、その半導体処理基板にエッチング処理を施すプラズマ処理装置用の静電吸着装置およびプラズマ処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
エッチング処理やCVD処理等を含む真空処理技術は、半導体装置の製造や液晶表示装置の製造等において広く使用されている。そして、これらの技術を含む典型的な処理装置は、処理容器内に対向配置された上部電極と下部電極とを備え、上部電極及び下部電極の少なくともいずれか一方に高周波電力を印加して処理容器内の処理ガスをプラズマ化することにより、下部電極上に載置された被処理体にプラズマ処理が施される。この下部電極は載置台として機能し、被処理体を載置固定する載置台の構成として、静電気力を用いた静電吸着装置(静電チャック)が知られている。静電チャックは、クーロン力またはジョンセン・ラーベック力を用いて被処理体を電気的に吸着保持することができるものであり、その力の作用は、誘電体の体積固有抵抗値に依存することが知られている。
【0003】
図5に、従来の処理装置の下部電極の構成を概略的に示す。図5において、参照符号1は被処理体Wの載置台を示す。この載置台1は、載置台本体部11の上面に静電チャック12と、この静電チャック12の側方を囲むように設けられるリング体13と、を設けた構成とされている。この静電チャック12は、導電性を有するシート状のチャック電極14を誘電体15にて挟持した構成とされ、たとえばエポキシ樹脂系またはシリコーン樹脂系の接着剤により、載置台本体部11の上面(載置面)に強固に取り付けられる。
【0004】
そして、直流電源16からチャック電極14に直流電圧(チャック電圧)を印加することで生じる静電気力により、被処理体Wを静電チャック12のチャック面に吸着保持できるようになっている。そして、誘電体15の体積固有抵抗値が約1014Ω・cm以上のとき、クーロン力による静電吸着力が生じ、体積固有抵抗値が約1012Ω・cm〜1014Ω・cmになると、クーロン力とジョンセン・ラーベック力とが混在した状態となり、そして、体積固有抵抗値が約1012Ω・cm未満になると、ジョンセン・ラーベック力による静電吸着力が支配的となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このような静電チャック12を、プラズマエッチング処理装置などの腐食性の高いプロセスガスを用いる環境下で使用した場合、静電チャック12を固定している接着剤が、プロセスガス(プラズマ)に曝されることによって侵食される恐れがある。そして、静電チャック12と被処理体Wとの間に供給されて、載置台1と被処理体Wとの間の熱交換を促進する熱伝達ガスが、接着剤が侵食した部分でリークして、被処理体Wの裏面に充分な熱伝達ガスが供給されない、あるいは、接着剤を介した熱伝達が充分に行われないなどして、被処理体Wの処理面を安定的に所望の温度に制御することができないといった問題がある。
【0006】
本発明は、従来の技術が有する上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、被処理体の処理面温度を安定的に制御可能な、新規かつ改良された静電吸着装置および処理装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、所定の処理が施される被処理体を載置する載置台の載置台本体の載置面に設けられ、被処理体を静電気力により吸着保持する静電吸着装置であって、前記被処理体を吸着する第1の吸着面を構成する第1の誘電体層と、前記載置台本体の載置面に吸着する第2の吸着面を構成する第2の誘電体層と、前記第1の吸着面に吸着力を発生させるための第1のチャック電極と、前記第2の吸着面に吸着力を発生させるための第2のチャック電極と、前記第1のチャック電極と前記第2のチャック電極との間に設けられた第3の誘電体層と、前記第1および前記第2のチャック電極に印加する電圧を制御する制御手段と、を備え、前記第1の誘電体層の体積固有抵抗値は前記第2の誘電体層の体積固有抵抗値よりも大きく設定され、前記第1の誘電体層の体積固有抵抗値は10 Ω・cm〜10 15 Ω・cmであり、前記第3の誘電体層の体積固有抵抗値は10 15 Ω・cm以上であり、前記第2の誘電体層により前記載置台にジョンセン・ラーベック力が作用することを特徴とする静電吸着装置を提供する。
【0010】
上記いずれの静電吸着装置においても、前記第2の誘電体層の体積固有抵抗値は10 12 Ω・cm未満であることが好ましい。
【0011】
さらに、本発明は、以上のような静電吸着装置を有し、被処理体をその静電吸着装置に吸着した状態で前記被処理体に所定の処理を施すことを特徴とする処理装置を提供する。
【0012】
このように、静電チャックの裏面側に静電吸着力を発生させ、静電チャックを載置台本体(載置面)に吸着保持させるようにしたので、従来のように、静電チャックを固定している接着剤が劣化して、載置台と被処理体との間で期待する熱伝達が得られず、被処理体の処理面を安定的に所望の温度に制御することができないといった問題が生じない。また、接着による接合部がないので、熱容量や線膨張の差による影響を受けることなく、載置台の高温化や被処理体の大径化を図ることが可能となる。この場合に、吸着面を構成する誘電体層の体積固有抵抗値をそれぞれ制御することにより、所望の吸着力を得ることができる。
【0013】
また、第1の吸着面に吸着力を発生させるための第1のチャック電極と、前記第2の吸着面に吸着力を発生させるための第2のチャック電極とを設け、各々のチャック電極に印加する電圧を独立して制御することによって、被処理体側と載置台側の吸着力を個別制御して、吸着面のそれぞれに目的に応じた吸着力を作用させることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に係る処理装置を、図面を参照しつつ詳細に説明する。図1は本発明の実施の形態に係る処理装置であるマグネトロン型のプラズマエッチング装置の全体構造を示す縦断面図である。
【0015】
図1において、参照符号2は処理容器をなす真空チャンバを示す。この真空チャンバ2は、アルミニウムなどの導電性材料により気密構造をなすように形成されており、保安接地されている。真空チャンバ2内には、上部電極を兼用するガスシャワーヘッド3と、下部電極を兼用する載置台4と、が対向して設けられており、真空チャンバ2の底面には、たとえばターボ分子ポンプやドライポンプなどからなる真空排気手段21と連通する真空排気路としての排気管22が接続される。
【0016】
また、真空チャンバ2の側壁部には、被処理体たとえばウエハWを搬入出するための開口部23が形成され、ゲートバルブGにより開閉自在とされている。この側壁部の外方には、開口部23を上下に挟む位置に、それぞれリング状をなす永久磁石24,25が設けられている。この永久磁石24,25は、例えばダイポールリング磁石として構成される。ガスシャワーヘッド3は、載置台4上の被処理体Wに対向する位置に多数の孔部31が形成され、上部のガス供給管32から送られる流量制御または圧力制御された処理ガスを、当該孔部31を介して被処理体Wの表面へ均一に供給するように構成されている。
【0017】
ガスシャワーヘッド3の下方に約5mm〜150mmの間隔で離間して設けられる載置台4は、たとえば表面をアルマイト処理されたアルミニウムなどからなり、真空チャンバ2に対して絶縁部材41aにより絶縁された円柱状の本体部41と、この本体部41の上面、すなわち載置面に設けられた静電チャック(静電吸着装置)42と、この静電チャック42の周囲を囲む環状のフォーカスリング43と、を備えた構成とされている。なお、フォーカスリング43は、プロセスに応じて絶縁性または導電性の材料が選択され、反応性イオンを閉じ込めるまたは拡散させるように作用する。
【0018】
静電チャック42は、後述するように、第1および第2の吸着面を有し、第1の吸着面と被処理体Wとの間において静電吸着力を発生し、第2の吸着面と載置台4の本体部41(載置面)との間においても静電吸着力を発生する。すなわち、この静電チャック42は、その表裏で吸着力の異なる静電吸着力をそれぞれ発生し、一方の面で被処理体Wを吸着保持し、他方の面が載置台4の本体部41(載置面)に吸着する。つまり、静電チャック42は、接着剤を用いることなく、載置台4の本体部41に取り付けられる。
【0019】
載置台4のたとえば本体部41には、コンデンサC1及びコイルL1を介して高周波電源40が接続され、たとえば13.56MHz〜100MHzの高周波電力が印加される。これにより、上部電極として機能するガスシャワーヘッド3と下部電極として機能する載置台4との間の空間に高周波電界が形成される。また、上記永久磁石24および25により上記空間に水平方向の磁界が形成されるから、電子のドリフトによりマグネトロン放電が生じ、それによって処理ガスのプラズマが生じる。さらに、載置台4の内部には、冷却ジャケット等の温度調整手段55aと、たとえばHeガスを被処理体Wの裏面に供給する熱伝達ガス供給手段55bと、がそれぞれ設けられ、これら温度調整手段55aと熱伝達ガス供給手段55bとを能動化することによって、載置台4上に保持された被処理体Wの処理面温度を所望の値に設定することができる。温度調整手段55aは、冷媒を冷却ジャケットを介して循環させるための導入管56および排出管57を有し、適当な温度に調整された冷媒が、導入管56によって冷却ジャケット内に供給され、熱交換後の冷媒が、排出管57によって外部に排出される。なお、図示の冷却ジャケットの代わりに、加熱ヒータやペルチェ素子などを載置台4中に設けるよう構成してもよい。
【0020】
載置台4と真空チャンバ2との間であって、載置台4表面(載置面)よりも下側には、複数の排気孔が穿設された排気リング44が、載置台4を囲むように配置される。この排気リング44により、排気流の流れが整えられるとともに、載置台4とガスシャワーヘッド3との間にプラズマが最適に閉じ込められる。さらに、載置台4の内部には、外部の図示しない搬送アームとの間で被処理体Wの受け渡しを行うための昇降部材である昇降ピン51が複数たとえば3本(2本のみ図示)突没自在に設けられ、この昇降ピン51は連結部材52を介して駆動機構53により昇降できるように構成されている。なお、参照符号54は昇降ピン51の貫通孔と大気側との間の気密を保持するベローズである。
【0021】
次に、図2を参照して、本実施の形態の要部をなす静電チャック42について詳述する。
【0022】
静電チャック42は、焼結または溶射成形したセラミックスからなる誘電体層45の間に、たとえばタングステンなどからなる箔状のチャック電極46を挟持させた構成とされ、チャック電極46は、スイッチ部SWを介して直流電源47とアースとの間で切り替え接続できるように構成されている。このスイッチ部SWの切り替えはスイッチ制御部8により制御される。そして、静電チャック42は、上述したように、第1の吸着面58および第2の吸着面60を有し、第1の吸着面58と被処理体Wとの間、および第2の吸着面60と載置台4の本体部41(載置面)との間のそれぞれにおいて静電吸着力を発生する。
【0023】
そして、第1の吸着面58の静電吸着力と、第2の吸着面60の静電吸着力とは、個別に制御可能に構成し、好ましくは、第1の吸着面58の静電吸着力が、第2の吸着面60の静電吸着力と等しいかそれよりも弱くなるように構成される。
【0024】
すなわち、図2に示すように、誘電体層45は、チャック電極46の上面側に配置される第1の誘電体層45aと、チャック電極46の下面側に配置される第2の誘電体層45bとを有し、第1の誘電体層45aは、たとえば酸化アルミニウム(Al)などから、体積固有抵抗値がたとえば1015Ω・cmとされ、他方、第2の誘電体層45bは、たとえば、酸化アルミニウム(Al)または窒化アルミニウム(AlN)に、二酸化チタン(TiO),炭化珪素(SiC)などの添加材を混合してなり、体積固有抵抗値がたとえば1011Ω・cmとなるように構成されている。
【0025】
つまり、被処理体W側の第1の誘電体層45aは、体積固有抵抗値が、10Ω・cm〜1015Ω・cmの誘電体で構成し、第2の吸着面60の静電吸着力と等しいかまたはそれよりも弱い吸着力を第1の吸着面58に作用させて、被処理体Wを吸着保持する。第1の吸着面58には、第2の吸着面60に必要とされるほどの高い吸着力を期待する必要もなく、被処理体Wの種類に応じて吸着力を選択することが好ましい。
【0026】
他方、本体部41側の第2の誘電体層45bは、体積固有抵抗値が、1012Ω・cm未満の低抵抗体で構成し、第2の吸着面60に高い吸着力が得られるジョンセン・ラーベック力を作用させて、載置台4の本体部41との密着性を強固なものとしている。したがって、被処理体Wの裏面に供給される熱伝達ガスを確実にその裏面側に封止でき、被処理体Wと載置台4との間の熱伝達を良好に維持して、被処理体Wを高精度に温度制御することが可能となる。なお、両吸着面58および60の少なくともいずれか一方の吸着力をモニタし、そのモニタ結果に基づいて、チャック電極46に印加する電圧を可変するように構成すれば、期待する吸着力を安定的に得ることが可能である。
【0027】
次に、このように構成されるプラズマエッチング装置における処理動作について説明する。
【0028】
まず、ゲートバルブG及び開口部23を介して被処理体Wを真空チャンバ2内に搬入し、静電チャック42上に載置し、ゲートバルブGを閉じた後、真空排気手段21により排気管22を介して真空チャンバ2内を所定の真空度に排気する。そして、真空チャンバ2内に処理ガスを供給するとともに、直流電源47からチャック電極46に直流電圧を印加して、被処理体Wを静電チャック42によって静電吸着させる。
【0029】
そして、この状態で高周波電源40から載置台4の本体部41に所定周波数の高周波電力を印加し、これにより、ガスシャワーヘッド3と載置台4との間の空間に高周波電界を発生させ、これと永久磁石24,25によりこの空間に形成されている水平磁界によって、電子のドリフトによるマグネトロン放電を生じさせ、それによって形成された処理ガスのプラズマにより静電チャック42上の被処理体Wにエッチング処理が施される。このとき、温度調整手段55aおよび熱伝達ガス供給手段55bをそれぞれ能動化して、載置台4内に冷媒を循環させるとともに、熱伝達ガスを被処理体Wの裏面に供給して、被処理体Wを所定温度に制御する。
【0030】
このようなエッチング処理は、腐食性ガスのプラズマにより行われるため、従来では、静電チャック42を載置台4の本体部41に固定している接着剤(層)が侵食され、充分な熱伝達が行われず、被処理体Wの温度制御が困難となるといった問題があったが、図1に示す実施の形態によれば、静電チャック42は、その表裏に静電吸着力をそれぞれ発生し、載置台4の本体部41(載置面)に吸着保持されるので、プラズマにより侵食される恐れがなく、静電チャック42上の被処理体Wを安定的に温度制御することが可能である。
【0031】
次に、図3および図4を参照して、他の実施の形態の処理装置であるプラズマエッチング装置について詳述する。なお、上述の実施の形態と同一または類似する部分については、同一または類似の符号を付することにより、その詳細な説明は省略する。
【0032】
被処理体Wを保持する載置台4は、真空チャンバ2に対して絶縁部材41aにより絶縁された円柱状の本体部41と、本体部41の上面に設けられた静電チャック62と、静電チャック62の周囲を囲む環状のフォーカスリング43と、を備えた構成とされている。
【0033】
静電チャック62は、焼結または溶射成形したセラミックスからなる誘電体層64の間に、たとえばタングステンなどからなる箔状のチャック電極66を挟持させた構成とされている。そして、静電チャック62は、図1に示す実施形態と同様、第1の吸着面58と第2の吸着面60とを有し、第1の吸着面58と被処理体Wとの間、第2の吸着面60と載置台4の本体部41(載置面)との間、のそれぞれにおいて静電吸着力を発生する。そして、第1の吸着面58の静電吸着力と、第2の吸着面60の静電吸着力とは、独立して制御可能に構成し、好ましくは、第1の吸着面58の静電吸着力が、第2の吸着面60の静電吸着力と等しいかそれよりも弱くなるように構成されている。
【0034】
図4を参照して詳述すると、静電チャック62の誘電体層64は、第1の誘電体層64a、第3の誘電体層64b、第2の誘電体層64cを有し、被処理体W側からこの順で配置される。そして、第1の誘電体層64aと第3の誘電体層64bとの間に第1のチャック電極66aが、第3の誘電体層64bと第2の誘電体層64cとの間に第2のチャック電極66bが、それぞれ設けられている。第1のチャック電極66aは、スイッチ部SW1を介して直流電源47aとアースとの間で切り替え接続できるように構成され、第2のチャック電極66bは、スイッチ部SW2を介して直流電源47bとアースとの間で切り替え接続できるように構成されている。これらスイッチ部SW1,SW2の切り替えは、スイッチ制御部8により行われる。
【0035】
そして、第1の誘電体層64aは、たとえば酸化アルミニウム(Al)などからなり、体積固有抵抗値がたとえば1014Ω・cmとされ、第3の誘電体層64bは、たとえば酸化アルミニウム(Al)などからなり、体積固有抵抗値がたとえば1015Ω・cmとされ、第2の誘電体層64cは、たとえば酸化アルミニウム(Al)または窒化アルミニウム(AlN)に、二酸化チタン(TiO),炭化珪素(SiC)などの添加材を混合してなり、体積固有抵抗値がたとえば1011Ω・cmとなるように構成されている。
【0036】
つまり、被処理体W側の第1の誘電体層64aは、体積固有抵抗値が10Ω・cm〜1015Ω・cmの誘電体で構成し、第2の吸着面60の静電吸着力と等しいかまたはそれよりも弱い吸着力を第1の吸着面58に作用させて、被処理体Wを吸着保持する。第1の吸着面58には、第2の吸着面60に必要とされるほど高い吸着力を期待する必要もなく、被処理体Wの種類に応じて吸着力を選択することが好ましい。
【0037】
他方、本体部41側の第2の誘電体層64cは、体積固有抵抗値が1012Ω・cm未満の低抵抗体で構成し、高い吸着力が得られるジョンセン・ラーベック力を第2の吸着面60に作用させて、載置台4の本体部41(載置面)との密着性を強固なものとしている。したがって、被処理体Wの裏面に供給される熱伝達ガスを確実にその裏面に封止でき、被処理体Wと載置台4との間の熱伝達を良好に維持して、被処理体Wを高精度に温度制御することが可能となる。
【0038】
そして、第1のチャック電極66aと第2のチャック電極66bとの間に配置されている第3の誘電体層64bは、体積固有抵抗値が1014Ω・cm以上、好ましくは1015Ω・cm以上の誘電体で構成される。したがって、第1のチャック電極66aと第2のチャック電極66bとは、電気的に隔絶されることになる。
【0039】
一方、直流電源47a,47bは可変電源となっており、これらの電圧の値は電圧制御部68により個別的に制御され、これにより第1の吸着面58の静電吸着力と、第2の吸着面60の静電吸着力とが独立して制御されるようになっている。すなわち、上述のように吸着面を構成する各誘電体層の体積固有抵抗値の調整によって吸着力を調整する他、直流電源47a,47bの電圧値を制御することにより、被処理体側と載置台側の吸着力を個別制御して、吸着面のそれぞれに目的に応じた吸着力を作用させることができる。
【0040】
なお、第1の吸着面58および第2の吸着面60の少なくともいずれか一方の吸着力をモニタし、そのモニタ結果に基づいて、第1のチャック電極66aまたは第2のチャック電極66bに印加する電圧を可変するように構成すれば、期待する吸着力を安定的に得ることが可能である。
【0041】
また、本実施形態において、第1の吸着面58と第1のチャック電極66aとの距離が250μm、第1のチャック電極66aと第2のチャック電極66bとの距離が450μm、第2のチャック電極66bと第2の吸着面60との距離が250μmにそれぞれ設定され、第1の誘電体層64aと第2の誘電体層64cは、絶縁破壊が生じない程度に薄く設定されることが好ましい。
【0042】
以上のように、本実施の形態によれば、静電チャックを接着剤を用いずに、静電吸着力により載置台の本体(載置面)に固定するように構成したので、プラズマにより接着剤が侵食されて期待する熱伝達が得られないなどの問題は解消することができる。また、接着による接合部が存在しないので、熱容量や線膨張の差による影響を受けることなく、載置台の高温化や被処理体の大径化を図ることが可能となる。
【0043】
また、吸着面を構成する誘電体層の体積固有抵抗値をそれぞれ制御し、チャック電極の各々に印加する電圧を独立に制御するように構成し、被処理体側と載置台側の吸着力を個別に制御するようにしているので、それぞれの吸着面に目的に応じた吸着力を作用させることができる。さらに、静電チャックを着脱可能に構成したので、低コスト化及びメンテナンス性の向上を図ることができる。
【0044】
なお、上記実施形態では、単極型の静電吸着装置について説明したが、チャック電極を略水平方向に複数配置し、それらの電極間に電圧を印加する双極型の静電吸着装置にも適用できることは言うまでもない。また、上記実施の形態において、チャック電極が箔状のものを例に挙げて説明したが、それに限定されるものでなく、たとえばリング状に形成して、熱伝達ガスの漏洩を積極的に防止するように構成されたチャック電極を用いてもよい。
【0045】
さらに、上記実施の形態においては、永久磁石を用いたマグネトロン型のプラズマエッチング装置を例示したが、永久磁石を省略した平行平板型のプラズマ処理装置であってもよい。また、被処理体Wを保持する下部電極と、それに対向する上部電極とが、上下方向に平行に配置されている場合を例に挙げて説明したが、それに限定されず、本発明は、たとえば、2つの電極が水平方向に離間して配置される処理装置にも適用することができる。また、下部電極に高周波電力を印加する構成の処理装置を例に挙げて説明したが、上部電極のみに高周波電力を印加する処理装置や、上部電極と下部電極の両方の電極に高周波電力を印加する処理装置に適用することもできる。
【0046】
さらにまた、上記実施の形態においては、平行平板型のプラズマエッチング装置を例に挙げて説明したが、本発明はかかる構成に限定されず、誘導結合型など他のプラズマ処理装置にも適用できる。また、本発明は、プラズマエッチング処理のみならず、アッシング処理や成膜処理などの各種処理装置にも適用できる。さらに、本発明は、被処理体として半導体基板やLCD用ガラス基板を用いる装置に対して好適であるが、本発明が適用可能な被処理体はこれらに限るものではない。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、静電チャックの裏面側に静電吸着力を発生させ、静電チャックを載置台本体(載置面)に吸着保持させるようにしたので、従来のように、静電チャックを固定している接着剤が劣化して、載置台と被処理体との間で期待する熱伝達が得られず、被処理体の処理面を安定的に所望の温度に制御することができないといった問題が生じない。また、接着による接合部がないので、熱容量や線膨張の差による影響を受けることなく、載置台の高温化や被処理体の大径化を図ることが可能となる。
【0048】
また、第1の吸着面に吸着力を発生させるための第1のチャック電極と、前記第2の吸着面に吸着力を発生させるための第2のチャック電極とを設け、各々のチャック電極に印加する電圧を独立して制御することによって、被処理体側と載置台側の吸着力を個別制御して、吸着面のそれぞれに目的に応じた吸着力を作用させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るプラズマエッチング装置の実施の形態を示す縦断面図である。
【図2】図1に示すプラズマエッチング装置の静電チャックを示す概略的な拡大断面図である。
【図3】プラズマエッチング装置の他の実施の形態を示す縦断面図である。
【図4】図3に示すプラズマエッチング装置の静電チャックを示す概略的な拡大断面図である。
【図5】従来技術に係る処理装置の静電チャックを示す縦断面図である。
【符号の説明】
W 被処理体
2 真空チャンバ
3 ガスシャワーヘッド
4 載置台
41 本体部
42 静電チャック
45 誘電体
45a 第1の誘電体層
45b 第2の誘電体層
46 チャック電極
47、47a、47b 直流電源
51 昇降ピン
58 第1の吸着面
60 第2の吸着面
62 静電チャック
64 誘電体
64a 第1の誘電体層
64b 第3の誘電体層
64c 第2の誘電体層
66 チャック電極
66a 第1のチャック電極
66b 第2のチャック電極
68 電圧制御部

Claims (4)

  1. 所定の処理が施される被処理体を載置する載置台の載置台本体の載置面に設けられ、被処理体を静電気力により吸着保持する静電吸着装置であって、
    前記被処理体を吸着する第1の吸着面を構成する第1の誘電体層と、
    前記載置台本体の載置面に吸着する第2の吸着面を構成する第2の誘電体層と、
    前記第1の吸着面に吸着力を発生させるための第1のチャック電極と、
    前記第2の吸着面に吸着力を発生させるための第2のチャック電極と、
    前記第1のチャック電極と前記第2のチャック電極との間に設けられた第3の誘電体層と、
    前記第1および前記第2のチャック電極に印加する電圧を制御する制御手段と、
    を備え、
    前記第1の誘電体層の体積固有抵抗値は前記第2の誘電体層の体積固有抵抗値よりも大きく設定され、前記第1の誘電体層の体積固有抵抗値は10 Ω・cm〜10 15 Ω・cmであり、前記第3の誘電体層の体積固有抵抗値は10 15 Ω・cm以上であり、前記第2の誘電体層により前記載置台にジョンセン・ラーベック力が作用することを特徴とする静電吸着装置。
  2. 前記第1の吸着面および前記第2の吸着面の少なくとも一方の吸着力をモニタし、そのモニタ結果に基づいて、前記制御手段が前記第1のチャック電極または前記第2のチャック電極に印加する電圧を可変にすることを特徴とする請求項1に記載の静電吸着装置。
  3. 前記第2の誘電体層の体積固有抵抗値は1012Ω・cm未満であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の静電吸着装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の静電吸着装置を有し、被処理体を前記静電吸着装置に吸着した状態で前記被処理体に所定の処理を施すことを特徴とする処理装置。
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