JP6250949B2 - 半導体製造装置用部品及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体製造装置用部品及びその製造方法に関し、例えば、半導体ウェハの固定、半導体ウェハの平面度の矯正などに用いられる静電チャック等に適用可能な半導体製造装置用部品及びその製造方法に関するものである。
従来より、半導体ウェハの製造に用いられる半導体製造装置では、半導体ウェハ(例えばシリコンウェハ)に対して、ドライエッチング(例えばプラズマエッチング)等の処理が行われている。このドライエッチングの精度を高めるためには、半導体ウェハを確実に固定しておく必要があるので、半導体ウェハを固定する固定手段として、静電引力によって半導体ウェハを固定する静電チャックが提案されている(例えば特許文献1参照)。
具体的には、特許文献1に記載の静電チャックでは、セラミック絶縁板の内部に吸着電極を有しており、その吸着電極に電圧を印加させた際に生じる静電引力を用いて、半導体ウェハをセラミック絶縁板の上面(吸着面)に吸着させるようになっている。
また、この種の静電チャックとしては、セラミック絶縁板の下面(接合面)に、例えば樹脂材料や金属材料からなる接着剤層(ボンディング層)を介して、クーリングプレートとして機能する金属ベースが接合されたものが知られている。
この接着剤層の材料の接着剤としては、例えば、エポキシ樹脂やポリイミド樹脂(特許文献2参照)が知られており、また、金属ボンディング(特許文献3参照)により接合する技術も開示されている。
特開2008−205510号公報 特開2010−129845号公報 特許第2694668号公報
しかしながら、上述した従来の接着剤を用いて接合(接着)する場合には、下記の様な問題があった。
静電チャックは、例えば半導体ウェハの加工の際のように、温度を変化させた環境の下で使用されることが多いが、セラミック絶縁板と金属ベースとの熱膨張係数の差が大きいため、静電チャックに大きな熱応力が加わった場合には、接着剤層が剥離したり、場合によっては、静電チャックが変形する(例えば湾曲する)という問題があった。
そのため、セラミック絶縁板と金属ベースとの間に配置される接着剤層は、応力緩和が可能な弾性を有する材料から構成されることが望ましいが、エポキシ樹脂やポリイミド樹脂は、弾性率が高いため、応力緩和は容易ではない。また、金属ボンディングの場合も、弾性率が高いため、同様に応力緩和が困難である。
本発明は、前記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、例えばセラミック絶縁板と金属ベースとを接合した静電チャックのように、セラミック部材と金属部材とを接着剤層で接合する半導体製造装置用部品において、応力緩和が可能でしかも密着性が良好な接着剤層を有する半導体製造装置用部品及びその製造方法を提供することにある。
(1)本発明(半導体製造装置用部品)は、第1態様として、セラミック部材と、金属部材と、前記セラミック部材及び前記金属部材の間に配置されて前記セラミック部材及び前記金属部材を接合する第1の接着剤層と、を備えた半導体製造装置用部品において、前記セラミック部材と前記金属部材とに対する水の接触角は90°以下であり、前記第1の接着剤層は、伸び率が100%以上で、ショアAの硬度が70以下であり、且つ、前記第1の接着剤層は、付加型シリコーン樹脂、白金系触媒、接着付与剤、無機粉末を含有し、且つ、前記セラミック部材と前記金属部材とに直接に接合されており、更に、前記セラミック部材にヒータが配置され、且つ、前記金属部材に前記セラミック部材を冷却する冷却用液体が充填される冷却用空間が設けられていることを特徴とする。
本第1態様の半導体製造装置用部品では、セラミック部材と金属部材とに対する水の接触角は90°以下であるので、セラミック部材及び金属部材に対する第1の接着剤層の密着性が高く、高い接合力を有する。
ここで、水の接触角が小さい場合(90°以下の場合)は、セラミック部材及び金属部材が極性の高い化合物に対して親和性が高いことを示している。これは、第1の接着剤層に含まれ極性基を有する例えば接着付与剤(後述)や接着補助剤(後述)が、セラミック部材及び金属部材と接着剤の界面に集まりやすく接着力の発現に大きく寄与するからである。なお、本発明者等は、後述する実験によって、水の接触角が90°以下の場合に、密着性が向上することを確認した。
ここで、水の接触角について説明すると、図9に例示するように、水の接触角θと水の表面張力γwと水/基質界面張力γWSと基質(基材)の表面張力γSとには、Youngの式である下記式(1)で示される関係がある。
γS=γWS+γW・cosθ ・・・(1)
ここで、γSとγWは物質ごとに固有の値なので一定である。前記γWSは、固体(基材)−液体(接着剤)間に作用する応力であり、小さいほど濡れが促進され接着力が発現しやすくなる。これを小さくするためには、cosθが大きく、すなわちθが小さい、つまりは接触角が小さい方がよいことが分かる。
また、本第1態様では、第1の接着剤層は、伸び率が100%以上で、ショアAの硬度が70以下であるので、伸縮性及び柔軟性に優れている。従って、セラミック部材と金属部材との熱膨張係数の差が大きく、温度変化が繰り返される状況で使用されても、第1の接着剤層が剥離しにくく(即ち界面剥離が生じ難く)、また、熱応力によって半導体製造装置用部品が変形し難いという利点がある。
なお、本発明者等は、後述する実験によって、伸び率が100%以上で、ショアAの硬度が70以下の場合に、剥離を抑制でき、優れた効果が得られることを確認した。
ここで、伸び率とは、ゴムの伸びの性能を示したものであり、破断限界まで伸ばしたときのゴムの伸びの割合((破断時の長さ/伸び前の長さ)×100[%])で示している。また、ショアAとは、ゴムの硬さ示す規格であり、JIS K6253で規定されている。
さらに、本第1態様では、第1の接着剤層は、付加型シリコーン樹脂、白金系触媒、接着付与剤、無機フィラーを含有している。
ここでは、第1の接着剤層の材料として好ましいものを示している。
なお、白金系触媒は、硬化を促進するために、接着付与剤は、接着力を発現させるために、無機フィラー(無機粉末)は、熱伝導率の向上のために添加される。
しかも、本第1態様では、第1の接着剤層は、セラミック部材と金属部材とに直接に接合されており、更に、セラミック部材にヒータが配置され、且つ、金属部材にセラミック部材を冷却する冷却用液体が充填される冷却用空間が設けられている。
(2)本発明は、第2態様として、前記第1の接着剤層の熱伝導率は、0.5W/m・K以上、2W/m・K以下であることを特徴とする。
本第2態様では、第1の接着剤層の熱伝導率は、0.5W/m・K以上、2W/m・K以下と熱伝導率が高いので、例えば半導体ウェハの加工の際に加熱された場合でも、冷却されやすく、第1の接着剤層への熱の負担が小さい。よって、接着剤の劣化を抑制でき長時間使用できるという効果が得られる。
ここで、熱伝導率を高くしすぎると、セラミック部材表面の温度ばらつきが大きくなったり、冷却されやすくなりヒータでセラミック絶縁板を加熱する時の効率が低下したりする。熱伝導率は適宜、各種の無機フィラーを添加することで調整できる。
(3)本発明は、第3態様として、前記第1の接着剤層の材料に、極性基を有する接着付与剤および接着補助剤が添加されていることを特徴とする。
本第3態様は、第1の接着剤層の材料として好ましいものを例示している。
4)本発明は、第4態様として、前記第1の接着剤層の平面方向における縁部(例えば外周部)に沿って、該第1の接着剤層とは異なる第2の接着剤層を備えたことを特徴とする。
本第4態様では、第1の接着剤層の平面方向(第1の接着剤層が広がる方向)において、第1の接着剤層と(それとは異なる)第2の接着剤層とが配置されている。
従って、半導体製造装置用部品の平面方向における特性(例えば熱的特性や機械的特性を任意に設定できる。これによって、各種の特性を有する部品が得られるという利点がある。
(5)本発明は、第5態様として、前記第1の接着剤層の熱伝導率と前記第2の接着剤層の熱伝導率とが異なることを特徴とする。
本第5態様では、第1の接着剤層の熱伝導率と第2の接着剤層の熱伝導率とが異なるので、半導体製造装置用部品の平面方向における熱的特性を任意に設定できる。これによって、例えばプラズマエッチング等の加工を行う際に、任意に所定の場所における加工速度を調節できるという利点がある。
(6)本発明は、第6態様として、前記半導体製造装置用部品は、前記セラミック部材が電気絶縁材性料からなるとともに、該セラミック部材に吸着電極を有し、前記吸着電極に電圧を印加させた際に生じる静電引力を用いて被吸着物を吸着させる静電チャックであることを特徴とする。
本第6態様は、半導体製造装置用部品として好ましい例を示したものである。
(7)本発明(半導体製造装置用部品の製造方法)は、第7態様として、前記水の接触角が90°以下のセラミック部材と金属部材とを用意する第1工程と、前記第1の接着剤層を形成するワニスとして、回転粘度計で得られる10s-1における粘度が60〜200Pa・s、ずり速度1s-1と10s-1での粘度比であるチクソトロピーインデックスが1〜3のワニスを用意する第2工程と、前記セラミック部材又は前記金属部材の表面の前記第1の接着剤層を形成する領域に、前記ワニスを塗布し、該ワニスを用いて前記セラミック部材と前記金属部材とを接着する第3工程と、を有することを特徴とする。
本第7態様では、セラミック部材及び金属部材として、水の接触角が90°以下のセラミック部材と金属部材とを用い、また、第1の接着剤層を形成するワニスとして、回転粘度計で得られる10s-1における粘度が60〜200Pa・s、ずり速度1s-1と10s-1での粘度比であるチクソトロピーインデックスが1〜3のワニス、即ち所定の粘度やチクソトロピーインデックスを有するワニスを用いる。そして、セラミック部材又は金属部材の表面の第1の接着剤層を形成する領域に、ワニスを塗布し、そのワニスを用いてセラミック部材と金属部材とを接着する。
このようにして、セラミック部材と金属部材とを接着することにより、ワニス(従ってそれが硬化した第1の接着剤層)がセラミック部材及び金属部材に密着し、強固に接着するという効果がある。
また、ワニスの粘度やチクソトロピーインデックスが適度であるので、ワニスをセラミック部材や金属部材に塗布した場合に、塗布の作業が容易であり、しかも、ワニスが前記領域外に流出し難いという利点がある。特に、チクソトロピーインデックスが適度であるので、基材であるセラミック部材と金属部材との濡れ性が良く、密着性が良く、よって、接着性が向上するという利点がある。
なお、ここで、ワニスとは、流動性を有し塗布することができる物質である。
また、前記チクソトロピーインデックスとは、低いずり速度での粘度と高いずり速度での粘度との比を示し、ここでは、ずり速度1s-1の粘度とずり速度10s-1の粘度との比を示している。
(8)本発明は、第8態様として、前記第1工程において、前記セラミック部材に対して、疎水処理および親水処理の少なくともいずれか一方を行うことを特徴とする。
本第8態様は、第1工程における処理を例示している。
)本発明は、第態様として、前記第3工程の前に、前記第1の接着剤層を形成する領域の周囲に、前記ワニスの流出を防止するダムを設け、該ダムに囲まれた領域に、前記ワニスを塗布することを特徴とする。
本第態様では、第1の接着剤層を形成する領域の周囲に、ワニスの流出を防止するダムを設け、その後、ダムに囲まれた領域に(第1の接着剤層用の)ワニスを塗布するので、ワニスが所定の領域外に流出することを防止できる。
10)本発明は、第10態様として、前記ダムを形成するワニスの粘度は、前記第1の接着剤層のワニスの粘度より大であることを特徴とする。
本第10態様では、ダムを形成するワニスの粘度は、第1の接着剤層のワニスの粘度より大であるので、ダム用のワニスを塗布した場合に、その塗布部分の形状を容易に保持することができる。よって、ダムを精度良く形成することができる。
なお、チクソトロピーインデックスの低い材料は流動性が高く外部に流出し易いので、ダムを形成するワニスは、第1の接着剤層用のワニスと比べて、同等以上のチクソトロピーインデックスを有することが好ましい。
このチクソトロピーインデックス高める方法としては、例えば粒径20nm以下のナノサイズの粒子(無機フィラー)を添加する方法などがある。
ここで、小さいサイズの無機フィラーを入れるとチクソトロピーインデックスが増大し、流れにくくなるので、チクソトロピーインデックスを調節することによって、各接着層の厚みを制御できる。
実施例の静電チャックを一部破断して示す斜視図である。 実施例の静電チャックを厚み方向に破断した一部を拡大して示す説明図である。 実施例の静電チャックを厚み方向に破断し、静電チャックを駆動するための電力の供給状態を示す説明図である。 実施例の静電チャックを厚み方向に破断し、静電チャックの一部の電極やヒータに対する電気的接続部分を示す説明図である。 (a) セラミック絶縁板の接合面側を示す平面図、(b)金属ベースの接合面側を示す平面図である。 金属ベースの接合面におけるダムや接着剤層の配置を示す説明図である。 静電チャックの製造方法における接合工程を模式的に示す説明図である。 (a)金属ベースの接合面におけるダム形成材料の塗布部のパターンを示す説明図、(b)はダムの間に塗布された接着剤を示す説明図である。 接触角を説明する説明図である。
以下に、本発明を実施するための形態について説明する。
[実施形態]
・セラミック部材の材料としては、アルミナ、窒化アルミニウム、イットリアが挙げられる。このうち、アルミナは、強度、耐摩耗性の点で優れている。また、窒化アルミニウムは、熱伝導率の面で優れている。更に、イットリアは、耐プラズマ性に優れている。
・金属部材の材料としては、アルミ、チタン、または、それらの合金が挙げられる。このうち、アルミ及びその合金は、加工性、コスト面で優れている。また、チタン及びその合金は、熱膨張係数が小さく、セラミックとの熱膨張差による応力を抑えられる。
・第1の接着剤層の材料としては、耐熱性を考慮すると、(熱硬化型樹脂等の)シリコーン樹脂が好ましい。接着剤組成物の硬化後の伸び率が大きくなるためには、少なくとも分子量3万以上の付加型官能基を有するシリコーン樹脂を含有するとよい。シリコーンの硬化反応には、縮合型、過酸化物架橋型、付加型などがあるが、副生成物がない点で付加型が好ましい。触媒は、ロジウム、白金などあるが、反応性の高い白金が好ましい。無機粉末としては、シリカ、アルミナ、酸化イットリウム、フッ化イットリウム、窒化アルミニウム、炭化珪素及び窒化珪素等があげられる。
・前記シリコーン樹脂例(付加型)としては、例えば、信越化学製KE-1820、KE-1823、KE-1825、KE-1862、KE-1831、KE-1884、KE-1885、東レダウコーニング製SE1700、SE1720CV、SE4402、SE1714、モメンティブ製XE13-B3208、TSE322S、TSE3380、XE14-A0425、TSE3331Kを用いることができる。
・なお、前記シリコーン樹脂例(付加型)として、公知の熱硬化性付加型シリコーン系接着剤を使用することができる。具体的には、熱硬化性付加型シリコーン系接着剤は、例えば、分子中に官能基として、アルケニル基を含有するポリオルガノシロキサン(アルケニル基含有シリコーン)及び分子中に官能基としてヒドロシリル基を含有するポリオルガノシロキサンを必須の構成成分とする。
前記分子中に官能基としてアルケニル基を含有するポリオルガノシロキサンとしては、分子中にアルケニル基を2個以上有しているポリオルガノシロキサンが好ましい。アルケニル基としては、例えば、ビニル基(エテニル基)、アリル基(2−プロペニル基)、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基などが挙げられる。特に、ビニル基、ヘキセニル基が好ましい。なお、アルケニル基は、通常、主鎖又は骨格を形成しているポリオルガノシロキサンのケイ素原子(例えば、末端のケイ素原子や、主鎖内部のケイ素原子など)に結合している。
また、前記主鎖又は骨格を形成しているポリオルガノシロキサンとしては、例えば、ポリジメチルシロキサン、ポリジエチルシロキサン、ポリメチルエチルシロキサン等のポリアルキルアルキルシロキサン(ポリジアルキルシロキサン)や、ポリアルキルアリールシロキサンの他、ケイ素原子含有モノマー成分が複数種用いられている共重合体[例えば、ポリ(ジメチルシロキサン−ジエチルシロキサン)等]などが挙げられる。なかでも、ポリジメチルシロキサンが好適である。即ち、分子中に官能基としてアルケニル基を含有するポリオルガノシロキサンとしては、例えば、ビニル基を官能基として有するポリジメチルシロキサン、ヘキセニル基を官能基として有するポリジメチルシロキサン及びこれらの混合物が挙げられる。
前記分子中に官能基としてヒドロシリル基を含有するポリオルガノシロキサン架橋剤は、分子中にケイ素原子に結合している水素原子(特に、Si−H結合を有するケイ素原子)を有しているポリオルガノシロキサンであり、特に、分子中にSi−H結合を有するケイ素原子を2個以上有しているポリオルガノシロキサンが好ましい。
前記Si−H結合を有するケイ素原子としては、主鎖中のケイ素原子、側鎖中のケイ素原子のいずれであってもよく、すなわち、主鎖の構成単位として含まれていてもよく、あるいは、側鎖の構成単位として含まれていてもよい。なお、Si−H結合のケイ素原子の数は、1分子中に2個以上であれば特に制限されない。
前記分子中に官能基としてヒドロシリル基を含有するポリオルガノシロキサン架橋剤としては、例えば、ポリメチルハイドロジェンシロキサンやポリ(ジメチルシロキサン−メチルハイドロジェンシロキサン)等が好適である。
・また、前記シリコーン樹脂例(縮合型)としては、例えば、信越化学製KE-3490、KE-3498、KE-3490、KE-3494、東レダウコーニング製SE9168、SE9185、SE9186、SE9188を用いることができる。なお、縮合型シリコーン樹脂の場合、耐熱性の面から脱アセトン型が好ましい。
・第1の接着剤層の材料に無機フィラー(例えば無機粉末)を添加する場合には、無機フィラーとして、シリカ、アルミナ、アルミ、酸化イットリウム、フッ化イットリウム、窒化アルミニウム、炭化珪素、窒化珪素、酸化鉄、硫酸バリウム、炭酸カルシウムを用いることができる。
・なお、第1の接着剤層の材料に接着付与剤を添加する場合には、接着付与剤として、シランカップリング剤(ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリスメトキシエトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン 、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン 、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン 、3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン 、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン 、p-スチリルトリメトキシシラン 、3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン 、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン 、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-イソシアネートプロピルトリエトキシシランなどを用いることができる。
・更に、第1の接着剤層の材料に接着補助剤を添加する場合には、接着補助剤として、信越化学製プライマーAQ-1、プライマーC、プライマーA-10、東レダウコーニング製プライマーD、プライマーD-3、モメンティブ製トスプライムD、トスプライムニューFなどを用いることができる。
・第2の接着剤層の材料としては、上述した第1の接着剤層の材料と同様なものを採用できる。また、第1の接着剤層と第2の接着剤層とを異なる材料から構成することにより、第1の接着剤層と第2の接着剤層との特性(例えば熱伝導性)を異なるように設定することができる。
・第1、第2の接着剤層を塗布する際の特性(即ちワニスの特性)は、具体的には、粘度やチクソトロピーインデックスは、例えば無機フィラーの添加量や添加する無機フィラーのサイズ(粒径)などを調節することにより設定することができる。例えば無機フィラーのサイズを小さくすることにより、粘度やチクソトロピーインデックスを増加させることができる。また、無機フィラーに表面処理を施すことによっても、粘度やチクソトロピーインデックスを調節できる。表面処理剤には、上記のシランカップリング剤などを用いることができる。なお、上述した特性を有する市販の材料を選択して使用することができる。
以下に、本発明を実施するための実施例について説明する。
ここでは、半導体製造装置用部品として、例えば半導体ウェハを吸着保持できる静電チャックを例に挙げる。
a)まず、本実施例の静電チャックの構造について説明する。
図1に示す様に、本実施例の静電チャック1は、図1の上側にて半導体ウェハ3を吸着する装置であり、第1主面(吸着面)5及び第2主面(接合面)7を有する(例えば直径300mm×厚み3mmの)円盤状のセラミック絶縁板9と、第1主面(接合面)11及び第2主面(裏面)13を有する(例えば直径340mm×厚み20mmの)円盤状の金属ベース(クーリングプレート)15とを、熱硬化型接着剤からなる複合接着剤層17を介して接合したものである。
以下、各構成について説明する。
前記セラミック絶縁板9は、後述するように複数のセラミック層が積層されたものであり、アルミナを主成分とするアルミナ質焼結体である。なお、このセラミック絶縁板9の水の接触角は、90°以下(例えば90°)である。
このセラミック絶縁板9の内部には、半導体ウェハ3を冷却するヘリウム等の冷却用ガスを供給するトンネルである冷却用ガス供給路19が設けられ、吸着面5には、冷却用ガス供給路19が開口する複数の冷却用開口部21や、冷却用開口部21から供給された冷却用ガスが吸着面5全体に広がるように設けられた環状の冷却用溝23が設けられている。
なお、冷却用ガス供給路19は、静電チャック1を厚み方向に貫いて、冷却用開口部21に開口するガス用貫通孔20を有している。
一方、前記金属ベース15は、例えばアルミニウム又はアルミニウム合金からなり、その内部には、セラミック絶縁板9を冷却する冷却用液体(例えばフッ素化液又は純水)が充填される冷却用空間25が設けられている。なお、この金属ベース15の水の接触角は、90°以下(例えば70°)である。
更に、図2に詳細に示すように、前記セラミック絶縁板9においては、複数層(例えば6層)第1〜第6セラミック層27、29、31、33、35、37が積層されている。なお、ここでは、6層のセラミック層27〜37を示しているが、各セラミック層27〜37が、更に複数のセラミック層から構成されていてもよい。
前記セラミック絶縁板9の構成は、基本的に従来とほぼ同様であり、その内部において、吸着面5の(図2)下方には、例えば平面形状が半円状の一対の吸着電極41、43(図1参照)が形成されている。
この吸着電極41、43とは、静電チャック1を使用する場合には、両吸着電極41、43の間に、直流高電圧を印加し、これにより、半導体ウェハ3を吸着する静電引力(吸着力)を発生させ、この吸着力を用いて半導体ウェハ3を吸着して固定するものである。
また、吸着電極41、43の(図2)下方には、従来と同様に、例えば同一平面にて軸中心を回るように螺旋状に巻き回されたヒータ(発熱体)45が形成されている。
そして、後に詳述する様に、セラミック絶縁板9と金属ベース15とは、互いの接合面7、11の間に配置された2重構造の複合接着剤層17により接合されている。
b)次に、本実施例の静電チャック1の電気的な構成について説明する。
図3に示すように、静電チャック1の吸着電極41、43やヒータ45には、それぞれを作動させるために電源回路が接続されている。
具体的には、吸着電極41、43には第1電源回路51が接続され、ヒータ45には第2電源回路53が接続されており、それらの動作は、マイコンを含む電子制御装置55によって制御される。
また、図4に一部を示すように、吸着電極41、43やヒータ45と、各電源回路51、55との接続は、接続端子(端子ピン)61、63、65、67(図5(a)参照)を利用して行うことができる。なお、図4では、接続端子61〜67の一部のみを例示している。
つまり、吸着電極41、43やヒータ45は、ビア69、71や内部導電層73などを介して、同図下方に開口する内部孔75、77のメタライズ層79、81に導通しており、このメタライズ層79、81にそれぞれ端子金具83、85が接合され、この端子金具83、85にそれぞれ接続端子61〜67が取り付けられている。
従って、接続端子61〜67を介して、吸着電極41、43やヒータ45に電力を供給することができる。
c)次に、本実施例の静電チャック1の要部について説明する。
図5(a)にセラミック絶縁板9の接合面7を示すように、セラミック絶縁板9には、その厚み方向に貫くように、冷却用ガス供給路19(詳しくはガス用貫通孔20の上部側を構成する上貫通孔86)が設けられている。
ここでは6個のガス用貫通孔20を例示しているが、通常は、このガス用貫通孔20には、吸着された半導体ウェハ3を吸着面5から分離するために、リフトピン(図示せず)が挿通される。
また、セラミック絶縁板9の接合面7には、上述した接続端子61〜67が、同図の手前に向かって立設されている。
同様に、図5(b)に金属ベース15の接合面11を示すように、金属ベース15にも、その厚み方向に貫くように、冷却用ガス供給路19(詳しくガス用貫通孔20の下部側を構成する下貫通孔87)が設けられている。
また、金属ベース15には、厚み方向に貫くように、接続端子61〜67が挿通される端子用貫通孔88が、4箇所に設けられている。
特に本実施例では、図6に金属ベース15の接合面11側を示すように、セラミック絶縁板9が重ね合わされる外周円89に沿って、その内側に、全周にわたって所定幅(例えば2mm)で所定厚み(例えば250μm)の円環状の外部ダム91が形成されている。
また、下貫通孔87の開口部87aを囲むように、所定幅(例えば2mm)で所定厚み(例えば250μm)の円環状の第1内部ダム93が形成され、更に、端子用貫通孔88の開口部88aを囲むように、所定幅(例えば2mm)で所定厚み(例えば250μm)の円環状の第2内部ダム95が形成されている。なお、各ダム91〜95によって、第2の接着剤層が構成されている。
そして、これらの各ダム91〜95は、熱硬化型接着剤である例えばシリコーン接着剤(例えば信越化学製KE−1820やその粘度調整品)よって構成されている。
なお、各ダム91〜95の熱伝導率は、0.5W/m・K以上、2W/m・K以下(例えば1.0W/m・K)であるが、この範囲以外のものを採用してよい。
更に、外部ダム91と第1、第2内部ダム93、95とで囲まれた領域S、すなわち、(接合面11の平面方向において)外部ダム91の内側と第1、第2内部ダム93、95の外側との間の閉鎖された領域Sには、各ダム91〜95と同様な例えばシリコーン接着剤である熱硬化型接着剤からなる接着剤層(第1の接着剤層)97が構成されている。
つまり、セラミック絶縁板9と金属ベース15との間の複合接着剤層17は、外部ダム91及び第1、第2内部ダム93、95と、第1の接着剤層97とから構成されている。即ち、複合接着剤層17は、環状の第1の接着剤層である各ダム91〜95とそれらの間の領域Sの第1の接着剤層97との2重構造となっている。
なお、第1の接着剤層97は、伸び率が100%以上(例えば200%)で、ショアAの硬度が70以下(例えば45)である。また、第1の接着剤層97の熱伝導率は、例えば0.5W/m・K以上、2W/m・K以下(例えば1.0W/m・K)である。ここで、第1の接着剤層97の熱伝導率は、各ダム91〜95の熱伝導率と同じとしてもよいが、異なるようにしてもよい。
d)次に、本実施例の静電チャック1の製造方法について説明する。
<セラミック絶縁板9の製造方法>
(1)図示しないが、原料としては、主成分であるAl23:92重量%、MgO:1重量%、CaO:1重量%、SiO2:6重量%の各粉末を混合して、ボールミルで、50〜80時間湿式粉砕した後、脱水乾燥する。
(2)次に、この粉末に、メタクリル酸イソブチルエステル:3重量%、ブチルエステル:3重量%、ニトロセルロース:1重量%、ジオクチルフタレート:0.5重量%を加え、更に溶剤として、トリクロール−エチレン、n−ブタノールを加え、ボールミルで混合して、流動性のあるスラリーとする。
(3)次に、このスラリーを、減圧脱泡後平板状に流し出して徐冷し、溶剤を発散させて、(第1〜第6セラミック層27〜37に対応する)第1〜第6アルミナグリーンシートを形成する。
そして、この第1〜第6アルミナグリーンシートに対して、冷却用ガス供給路19など冷却ガスの流路となる空間や貫通孔、内部孔75、77となる空間、更にはビア69、71となるスルーホールを、必要箇所に開ける。
(4)また、前記アルミナグリーンシート用の原料粉末中にタングステン粉末を混ぜて、前記と同様な方法によりスラリー状にして、メタライズインクとする。
(5)そして、吸着電極41、43、ヒータ45、内部導電層73を形成するために、前記メタライズインクを用いて、それぞれの電極やヒータの形成箇所に対応したアルミナグリーンシート上に、通常のスクリーン印刷法により、各パターンを印刷する。なお、ビア69、71を形成するために、スルーホールに対して、メタライズインクを充填する。
(6)次に、前記第1〜第6アルミナグリーンシートを、冷却ガスの流路などが形成されるように位置合わせして、熱圧着し、積層シートを形成する。
(7)次に、熱圧着した積層シートを、所定の円板形状(例えば8インチサイズの円板形状)にカットする。
(8)次に、カットしたシートを、還元雰囲気にて、1400〜1600℃の範囲(例えば1590℃)にて5時間焼成し、アルミナ質焼結体(セラミック絶縁板9)を作製する。
(9)次に、セラミック絶縁板9に、メタライズ層79、81を形成し、このメタライズ層79、81上に端子金具83、85を接合する。
(10)次に、端子金具83、85に接続端子61〜67を嵌め込んで接続し、接続端子61〜67付きセラミック絶縁板9を完成する。
<セラミック絶縁板9と金属ベース15との接合方法>
(1)図7(a)に模式的に示すように、上述した各ダム(外部ダム91、第1、第2内部ダム93、95)の平面形状(ダムパターン)に対応した開口部87a、88aを有するスクリーンマスクを用い、金属ベース15の接合面11に、所定の粘度を有する(即ち塗布後に自身の形状を保持することができる程度の粘度を有する)ペースト状の前記熱硬化型接着剤(ワニス)をスクリーン印刷する。
この熱硬化型接着剤としては、例えば後述する実験例1〜3等にて使用する第2の接着剤層用の各種のシリコーン接着剤として使用できる。なお、この熱硬化型接着剤のワニスは、所定の粘度とチクソトロピーインデックスを有するので、塗布後に自身の形状を維持することができる。
これにより、外部ダム91、第1、第2内部ダム93、95の形成位置に、複数の環状のダムパターンの塗布部91a、93a、95a(図8(a)の濃いグレー部分参照)が形成される。即ち、外部ダム91、第1、第2内部ダム93、95の形成位置に、塗布部91a、93a、95aが形成される。
(2)次に、図7(b)に示す様に、この塗布部91a、93a、95aを、所定温度(例えば100℃〜150℃程度、高くても200℃程度まで)で乾燥させて硬化させる。これにより、外部ダム91、第1、第2内部ダム93、95(図8(b)参照)が形成される。
(3)次に、図7(c)に示すように、外部ダム91、第1、第2内部ダム93、95で囲まれた領域Sに、その領域Sに対応した開口部を有するスクリーンマスクを用いて、前記各ダム91〜95の形成に用いた材料と同様なペースト状の熱硬化型接着剤(ワニス)をスクリーン印刷する。
この熱硬化型接着剤としては、例えば後述する実験例1〜3等にて使用する第1の接着剤層用の各種のシリコーン接着剤などを使用できる。なお、この熱硬化型接着剤のワニスは、所定の粘度とチクソトロピーインデックスを有するので、塗布後には流動により厚さの変動を抑制しつつ、レベリングによりマスク跡をなくすことができる。
具体的には、第1の接着剤層97を形成するワニスとして、回転粘度計で得られる10s-1における粘度が60〜200Pa・s、ずり速度1s-1と10s-1での粘度比であるチクソトロピーインデックスが1〜3のワニスを用いる。
ここで、第2の接着剤層用の熱硬化型接着剤のワニスの粘度及びチクソトロピーインデックスとしては、第1の接着剤層用の熱硬化型接着剤のワニスの粘度及びチクソトロピーインデックスよりも大きなものを用いるが、同じものを用いてもよい。
これにより、領域Sに、領域用塗布部Sa(図8(b)の薄いグレー部分参照)が形成される。
(4)次に、図7(d)に示すように、金属ベース15の接合面11側(同図上方)から、セラミック絶縁板9を押し当てるようにする。
具体的には、セラミック絶縁板9の接合面7側(同図下方)から下方に延びる接続端子61〜67を、金属ベース15の各端子用貫通孔88に嵌めるようにして、セラミック絶縁板9を下方に移動させる。
(5)次に、図7(e)に示すように、セラミック絶縁板9の接合面7にて、熱硬化型接着剤を上方より押圧する。
具体的には、セラミック絶縁板9に例えば錘をのせることにより荷重をかけて、大気雰囲気にて所定温度(例えば140℃程度、高くても200℃程度まで)に加熱し、熱硬化型接着剤を乾燥硬化させて、第1の接着剤層97を形成する。
これによって、セラミック絶縁板9と金属ベース15とが熱硬化型接着剤によって接合されて、静電チャック1が完成する。
e)次に、本実施例の効果について説明する。
・本実施例の静電チャック1では、セラミック絶縁板9と金属ベース15とに対する水の接触角は90°以下であるので、セラミック絶縁板9と金属ベース15とに対する第1の接着剤層97の密着性が高く、高い接合力を有する。
また、本実施例では、第1の接着剤層97は、伸び率が100%以上で、ショアAの硬度が70以下であるので、伸縮性及び柔軟性に優れている。従って、セラミック絶縁板9と金属ベース15との熱膨張係数の差が大きく、温度変化が繰り返される状況で使用されても、第1の接着剤層97が剥離しにくく(即ち界面剥離が生じ難く)、また、熱応力によって静電チャック1が変形し難いという利点がある。
・更に、本実施例では、第1の接着剤層97の熱伝導率は、0.5W/m・K以上、2W/m・K以下と熱伝導率が高いので、半導体ウェハ3の加工の際に加熱された場合でも、冷却されやすく、第1の接着剤層97への熱の負担が小さい。よって、接着剤の劣化を抑制でき長時間使用できるという効果が得られる。
・しかも、本実施例では、各ダム91〜95と第1の接着剤層97の材料として、例えばシリコーン樹脂からなる熱硬化型接着剤を使用するので、耐熱性に優れているという利点がある。
・また、本実施例では、第1の接着剤層97を形成するワニスとして、回転粘度計で得られる10s-1における粘度が60〜200Pa・s、ずり速度1s-1と10s-1での粘度比であるチクソトロピーインデックスが1〜3のワニスを用いるので、塗布作業が容易であり、密着性にも優れている。
・更に、本実施例では、第1の接着剤層97を形成する領域Sの周囲に、ワニスの流出を防止する各ダム91〜95を設け、その後、各ダム91〜95に囲まれた領域Sに(第1の接着剤層用の)ワニスを塗布するので、ワニスが所定の領域S外に流出することを防止できる。
・しかも、各ダム91〜95を形成するワニスの粘度及びチクソトロピーインデックスは、第1の接着剤層97のワニスの粘度及びチクソトロピーインデックスより大であるので、各ダム91〜95のワニスを塗布した場合に、その塗布部分の形状を容易に保持することができる。よって、各ダム91〜95を精度良く形成することができる。
[特許請求の範囲と実施例との関係]
セラミック絶縁板9がセラミック部材に、金属ベース15が金属部材に、外部ダム91、第1、第2内部ダム93、95が第2の接着剤層に、第1の接着剤層97が第1の接着剤層に該当する。
<実験例>
次に、本発明の効果を確認するために行った実験例について説明する。
(実験例1)
この実験例1では、後述するように、各種の材料を使用して、前記実施例などに示す方法にて、実験に用いる静電チャックや試料を製造し、第1の接着剤層における剥離等の接合状態を調べたものである。なお、以下に記載されていない内容は、前記[実施例]と同様であるので、その説明は省略する。
以下の実験では、接触角は、協和界面化学(株)製DM−501を使用して測定した。
なお、付加型シリコーン接着剤には、極性基を有する接着付与剤が含まれており、極性基が基材と結合し接着性が得られるため、基材表面と接着剤の濡れ性の評価には、極性溶媒である水を使用している。
アルミナ製のセラミック絶縁板の接触角は、以下の疎水処理と親水処理により変更した。疎水処理では、オクタデシルトリメトキシシラン4%トルエン溶液に、75℃、30分浸漬した。親水処理では、水酸化カリウム0.2mol/l のエタノール溶液に1夜浸漬した。水との接触角は、疎水処理により増加し、親水処理により減少し、長時間浸漬することでそれぞれの処理の効果が増加する。
また、粘度は、東機産業(株)製コーンプレート型粘度計TVE−22H型を使用して測定した。伸び率は、島津製作所製オートグラフ(AG−IS)を使用して測定した。硬度は、(株)テクロック製ゴム硬度計GS−706を使用して測定した。熱伝導率は、京都電子工業(株)製QTM−500を使用して測定した。
なお、表1のダムの有無で有りと記載のサンプル(サンプル1〜4、10、11)では、回転粘度計の10s-1における粘度が70Pa・s、チクソトロピーインデックスが3.0の付加型シリコーン接着剤を、接触角70°、φ300mmのアルミ製の金属ベースの接合面の外周縁部及び開口部の周囲に印刷し、厚み250umの各ダム(スペーサー部)を作製した。
[サンプル1]
金属ベースの接合面上にて各ダムで囲まれた領域S(第1の接着剤層の形成領域S)に、硬化物の伸び率200%、ショアA硬度45の付加型シリコーン接着剤を印刷し、その上に、接触角70°のアルミナ製のセラミック絶縁板を設置し、140℃で熱硬化させることで静電チャックを作製した。
[サンプル2]
金属ベースの接合面上にて各ダムで囲まれた領域Sに、硬化物の伸び率200%、ショアA硬度45の付加型シリコーン接着剤を印刷し、その上に、接触角80°のアルミナ製のセラミック絶縁板を設置し、140℃で熱硬化させることで静電チャックを作製した。
[サンプル3]
金属ベースの接合面上にて各ダムで囲まれた領域Sに、硬化物の伸び率200%、ショアA硬度45の付加型シリコーン接着剤を印刷し、その上に、接触角90°のアルミナ製のセラミック絶縁板を設置し、140℃で熱硬化させることで静電チャックを作製した。
[サンプル4]
金属ベースの接合面上にて各ダムで囲まれた領域Sに、硬化物の伸び率100%、ショアA硬度70の付加型シリコーン接着剤を印刷し、その上に、接触角90°のアルミナ製のセラミック絶縁板を設置し、140℃で熱硬化させることで静電チャックを作製した。
[サンプル5]
硬化物の伸び100%、ショアA硬度60の縮合型(水分硬化型)シリコーン接着剤を、接触角70°、φ300mmのアルミ製の金属ベース全面に印刷した。
更に、その上に接触角90°のアルミナ製のセラミック絶縁板を設置後、加湿雰囲気下50℃にて48時間で硬化させることで静電チャックを作製した。
なお、本サンプル5では、ダムを形成していない。
[サンプル6]
サンプル6および7は、静電チャック接着試験を行わず、後述する簡易接着試験を行った。接触角120°のアルミナ製のセラミック絶縁板と接触角70°のアルミ板とを用いて、前記サンプル1と同じ特性の第1の接着剤層用の接着剤を用いて接着し、試料を作製した。
[サンプル7]
接触角100°のアルミナ製のセラミック絶縁板と接触角70°のアルミ板とを用いて、前記サンプル1と同じ特性の第1の接着剤層用の接着剤を用いて接着し、試料を作製した。
[サンプル8]
硬化物の伸び50%、ショアA硬度75の付加型シリコーン硬化型接着剤を、接触角70°、φ300mmのアルミ製の金属ベース全面に印刷した。
更に、その上に、接触角90°のアルミナ製のセラミック絶縁板を設置後、120℃で熱硬化させることで静電チャックを作製した。
なお、本サンプル8では、ダムを形成していない。
[サンプル9]
硬化物の伸び30%、ショアA硬度85の付加型シリコーン硬化型接着剤を、接触角70°、φ300mmのアルミ製の金属ベース全面に印刷した。
更に、その上に、接触角90°のアルミナ製のセラミック絶縁板を設置後、120℃で熱硬化させることで静電チャックを作製した。
なお、本サンプル9では、ダムを形成していない。
[サンプル10]
金属ベースの接合面上にて各ダムで囲まれた領域Sに、硬化物の伸び率110%、ショアA硬度77の付加型シリコーン接着剤を印刷し、その上に、接触角90°のアルミナ製のセラミック絶縁板を設置し、120℃で熱硬化させることで静電チャックを作製した。
[サンプル11]
金属ベースの接合面上にて各ダムで囲まれた領域Sに、硬化物の伸び率90%、ショアA硬度45の加型シリコーン接着剤を印刷し、その上に、接触角90°のアルミナ製のセラミック絶縁板を設置し、120℃で熱硬化させることで静電チャックを作製した。
(実験内容)
そして、上述した各試料(サンプル1〜11)を用いて、下記の内容の実験を行った。
なお、サンプル1〜5が、本発明例である。
a)簡易接着試験
この簡易接着試験では、表1記載のそれぞれの接触角になるよう調製したセラミック絶縁板(但し寸法は、縦12.5mm×横25×厚み0.3mm)と、接触角70°のアルミ板(但し寸法は、縦12.5mm×横25×厚0.3mm)とを、12.5mm×25mmの面積で、サンプルごとに所定の第1の接着剤層の接着剤を用いて接着し、接着体の試料を作製した。そして、この試料に対して、アルミ板の引き剥がしを行った。その結果を、下記表1に記す。
b-1)静電チャック接着試験(接着後剥がれ試験)
前記サンプル1〜5、サンプル8〜11の静電チャックに対して、超音波にて静電チャックの剥がれ(第1の接着剤層における剥がれ)の有無を調べた。その結果を、同じく下記表1に記す。
b-2)静電チャック接着試験(耐久後剥がれ試験)
前記サンプル1〜3、5の静電チャックに対して、0℃〜150℃の間の昇降温を繰り返す耐久試験を行った。その後、超音波にて静電チャックの剥がれ(第1の接着剤層における剥がれ)の有無を調べた。同様に、前記サンプル11の試料に対して耐久後剥がれ試験を行った。その結果を、同じく下記表1に記す。
この表1から明らかなように、簡易接着試験では、接触角が70〜90°のサンプル1〜5では、界面剥離(第1の接着剤層の表面における剥離)ではなく、接着剤自体が破断して剥離する凝集剥離が発生した。これは接着剤自体の強度よりも界面の接着強度の方が高く、十分な接着強度が得られていることを示している。接触角が120°、100°と大きなサンプル6、7では、界面剥離が発生した。これは、接着剤自体の強度よりも界面の接着強度の方が低く、十分な接着強度が得られていないことを示している。つまり、サンプル1〜5は、サンプル6、7に比べて接着性が高いので好適である。
また、接着後剥がれ試験では、サンプル1〜5では、剥がれが見られなかったが、サンプル8〜10では剥がれが見られた。
なお、サンプル8、9は、伸びが小さく且つ硬度が高いため、応力緩和が不十分で外周部に剥がれが見られた。また、サンプル10は、伸びが大きいが、硬度が高いため、応力緩和が不十分で外周部に剥がれが見られた。
更に、耐久後剥がれ試験では、サンプル1〜3では剥がれが見られなかったが、サンプル5では剥がれが見られた。これは、接着剤が縮合型(水分硬化型)の場合、静電チャックの中心部への水分供給が困難で、内部硬化が不十分であったり、反応時にアウトガスがあること等が影響していると考えられる。従って、付加型がより好ましいと考えられる。
なお、サンプル11は、伸びがやや小さいため、初期の接着は可能であるが、耐久後剥がれ試験では応力緩和ができず、剥がれが生じたと考えられる。
この実験例1から、請求項1に記載の接触角が90°以下、伸び率が100%以上、ショアAの硬度が70以下の接着剤が好ましいことが明らかになった。
(実験例2)
ここでは、下記サンプル12〜17の試料を用い、(第1の接着剤層用の)接着剤とその塗布後の状態について調べた。なお、以下に記載されていない内容は、前記[実施例]と同様であるので、その説明は省略する。
以下のサンプル12〜17では、第1の接着剤層用の接着剤として、前記サンプル1と同じ樹脂組成に、前記シリカフィラー(平均粒子径0.6um)をそれぞれ下記所定量添加し、熱伝導率が異なる付加型シリコーン接着剤を作製した。そして、各付加型シリコーン接着剤を用いて、下記の評価を行った。その結果を下記表2に記載した。
[サンプル12]
前記シリカフィラーを15vol%添加し、熱伝導率0.5W/m・Kにした付加型シリコーン接着剤を用いた。
[サンプル13]
前記シリカフィラーを30vol%添加し、熱伝導率1.0W/m・Kにした付加型シリコーン接着剤を用いた。
[サンプル14]
前記シリカフィラーを45vol%添加し、熱伝導率1.5W/m・Kにした付加型シリコーン接着剤を用いた。
[サンプル15]
前記シリカフィラーを60vol%添加し、熱伝導率2.0W/m・Kにした付加型シリコーン接着剤を用いた。
[サンプル16]
前記シリカフィラーを添加せず、熱伝導率0.3W/m・Kにした付加型シリコーン接着剤を用いた。
[サンプル17]
前記シリカフィラーを75vol%添加し、熱伝導率2.5W/m・Kにした付加型シリコーン接着剤を用いた。
(実験内容)
そして、上述した各試料(サンプル12〜17)を用いて、下記の内容の評価を行った。
ヒータの熱効率の評価は、セラミック絶縁板が120℃になるようヒータに電流を印加した時の消費電力を測定することで行った。所定の消費電力5000W以下で120℃に達した場合を○で、達しなかった場合を×で示している。接着剤の耐久性は、120℃で加熱しつつけた場合に剥離が生じるか否かで評価を行った。剥離を生じなかった場合を良好として○で、生じた場合を不良として×で示している。
この表2に示すとおり、サンプル12〜15のように、熱伝導率が0.5〜2.0W・mKの場合に、二つの評価において良好であった。なお、総合評価とは、二つの評価が共に良いことを示している。
(実験例3)
ここでは、下記サンプル18〜23の試料を用い、(第1の接着剤層用の)接着剤とその塗布後の状態について調べた。
具体的には、以下のサンプル18〜23として、第1の接着剤層用の接着剤として、前記サンプル1と同じ樹脂組成に、前記アルミナフィラー(平均粒子径20nmのアルミナ粒子)をそれぞれ所定量添加することで、回転粘度計の10s-1における粘度及びチクソトロピーインデックスを変更した付加型シリコーン接着剤を作製した。
そして、各付加型シリコーン接着剤をそれぞれ各金属ベース上に塗布し、その塗布状態を平坦性とレベリング性の二つの点から評価し、その結果を下記表3に記載した。
なお、以下に記載されていない内容は、前記実験例1と同様であるので、その説明は省略する。
[サンプル18]
前記アルミナフィラーを5wt%添加することで、回転粘度計の10s-1における粘度を70Pa・s、チクソトロピーインデックスを2.0にした付加型シリコーン接着剤を用いた。
[サンプル19]
前記アルミナフィラーを9wt%添加することで、回転粘度計の10s-1における粘度を180Pa・s、チクソトロピーインデックスを3.0にした付加型シリコーン接着剤を用いた。
[サンプル20]
前記アルミナフィラーを添加せず、回転粘度計の10s-1における粘度が10Pa・s、チクソトロピーインデックスが1.0の付加型シリコーン接着剤を用いた。
[サンプル21]
前記アルミナフィラーを4wt%添加することで、回転粘度計の10s-1における粘度を50Pa・s、チクソトロピーインデックスを1.0にした付加型シリコーン接着剤を用いた。
[サンプル22]
前記アルミナフィラーを10wt%添加することで、回転粘度計の10s-1における粘度を210Pa・s、チクソトロピーインデックスを3.0にした付加型シリコーン接着剤を用いた。
[サンプル23]
前記アルミナフィラーを15wt%添加することで、回転粘度計の10s-1における粘度を610Pa・s、チクソトロピーインデックスを5.0にした付加型シリコーン接着剤を用いた。
表3において、平坦性が○とは、作製工程において流動が少なく面内の厚さのばらつきが許容範囲内で良好だったことを示し、平坦性が×とは、作製工程中での流動が大きく面内の厚さばらつきが許容範囲外だったことを示している。また、レべリング性は平坦性とは異なり、表面の凹凸が時間の経過とともに緩和されて凹凸がなくなる度合いを表している。レベリング性が○とは、凹凸が緩和されることにより接着剤層の表面のマスク跡が消え、良好な表面が得られた場合を示している。レベリング性が×とは、凹凸が緩和されず表面にマスク跡が残り、良好な平面が得られなかった場合を示している。
この表3から明らかな様に、サンプル23は、粘度およびチクソトロピーインデックスが高くため、平坦性やレベリング性が悪く、印刷後にマスク跡が残り、厚みにばらつきが生じた。
また、サンプル20、21、22は、粘度が適切な範囲から外れているので、平坦性が悪いことが分かる。
それに対して、サンプル18、19は、粘度が60〜200Pa・s、及びチクソトロピーインデックスが1〜3と、いずれも適度であるので、平坦性やレベリング性が良好であった。
尚、本発明は前記実施形態や実施例になんら限定されるものではなく、本発明を逸脱しない範囲において種々の態様で実施しうることはいうまでもない。
(1)例えば、前記実施例では、ダム(第2の接着剤層)を構成する接着剤として、シリコーン樹脂を例に挙げたが、シリコーン樹脂に限らず、塗布によってダムを形成できる各種の熱硬化型接着剤等の接着剤を使用できる。また、熱硬化型樹脂に限らず、塗布によってダムを形成できる材料であればよく、例えば光硬化型接着剤などの接着剤を利用できる。
同様に、前記実施例では、第1の接着剤層を構成する接着剤として、シリコーン樹脂を例に挙げたが、シリコーン樹脂に限らず、各種の熱硬化型接着剤等の接着剤を使用できる。
(2)前記ダムや接着剤層を構成する接着剤としては、同じ熱的特性(例えば熱伝導性)や機械的特性(例えばヤング率)などの特性を有する同種の接着剤を使用できるが、それらの特性が異なる別種の接着剤を使用してもよい。
具体的には、例えばダムの材料として、信越化学製KE-1867を用い、第1の接着剤層の材料として信越化学製KE-1820を用いてもよい。
また、ダムの熱伝導率と接着剤層の熱伝導率とが異なるように、異なる材料(接着剤)を用いてよい。つまり、ダムと第1の接着剤層の熱伝導率が異なるようにすることによって、吸着面における熱的特性を任意に変更することができる。
(3)前記実施例では、金属ベース側にダムや第1の接着剤層を設けたが、セラミック絶縁板側に接着剤を設けてよく、或いは、金属ベースとセラミック絶縁板側の両方に設けてよい。
(4)前記実施例では、半導体製造装置用部品として静電チャックを挙げたが、本発明は、それ以外に、CVD用ヒータ、PVD用ヒータ、シャワーヘッドなどに適用できる。
(5)また、第1の接着剤層用のワニスが流出することを防止する方法として、接合面の外周縁部や開口部の周囲に、Oリング等のスペーサを配置する方法がある。このとき、Oリングがフッ素系ゴムであれば、応力緩和性とともに耐エッチング性が高いので好適である。
1…静電チャック
3…半導体ウェハ
5…吸着面
7、11…接合面
9…セラミック絶縁板
15…金属ベース
17…複合接着剤層
87a、88a…開口部
91、93、95…ダム(第2の接着剤層)
91a、93a、95a…塗布部
97…第1の接着剤層

Claims (10)

  1. セラミック部材と、金属部材と、前記セラミック部材及び前記金属部材の間に配置されて前記セラミック部材及び前記金属部材を接合する第1の接着剤層と、を備えた半導体製造装置用部品において、
    前記セラミック部材と前記金属部材とに対する水の接触角は90°以下であり
    記第1の接着剤層は、伸び率が100%以上で、ショアAの硬度が70以下であり、
    且つ、前記第1の接着剤層は、付加型シリコーン樹脂、白金系触媒、接着付与剤、無機粉末を含有し、
    且つ、前記第1の接着剤層は、前記セラミック部材と前記金属部材とに直接に接合されており、
    更に、前記セラミック部材にヒータが配置され、且つ、前記金属部材に前記セラミック部材を冷却する冷却用液体が充填される冷却用空間が設けられていることを特徴とする半導体製造装置用部品。
  2. 前記第1の接着剤層の熱伝導率は、0.5W/m・K以上、2W/m・K以下であることを特徴とする請求項1に半導体製造装置用部品。
  3. 前記第1の接着剤層の材料に、極性基を有する接着付与剤および接着補助剤が添加されていることを特徴とする請求項1又は2に半導体製造装置用部品。
  4. 前記第1の接着剤層の平面方向における縁部に沿って、該第1の接着剤層とは異なる第2の接着剤層を備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体製造装置用部品。
  5. 前記第1の接着剤層の熱伝導率と前記第2の接着剤層の熱伝導率とが異なることを特徴とする請求項4に記載の半導体製造装置用部品。
  6. 前記半導体製造装置用部品は、前記セラミック部材が電気絶縁材性料からなるとともに、該セラミック部材に吸着電極を有し、前記吸着電極に電圧を印加させた際に生じる静電引力を用いて被吸着物を吸着させる静電チャックであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の半導体製造装置用部品。
  7. 前記請求項1〜6のいずれか1項に記載の半導体製造装置用部品の製造方法であって、
    前記水の接触角が90°以下のセラミック部材と金属部材とを用意する第1工程と、
    前記第1の接着剤層を形成するワニスとして、回転粘度計で得られる10s−1における粘度が60〜200Pa・s、ずり速度1s−1と10s−1での粘度比であるチクソトロピーインデックスが1〜3のワニスを用意する第2工程と、
    前記セラミック部材又は前記金属部材の表面の前記第1の接着剤層を形成する領域に、前記ワニスを塗布し、該ワニスを用いて前記セラミック部材と前記金属部材とを接着する第3工程と、
    を有することを特徴とする半導体製造装置用部品の製造方法。
  8. 前記第1工程において、
    前記セラミック部材に対して、疎水処理および親水処理の少なくともいずれか一方を行うことを特徴とする請求項7に記載の半導体製造装置用部品の製造方法。
  9. 前記第3工程の前に、
    前記第1の接着剤層を形成する領域の周囲に、前記ワニスの流出を防止するダムを設け、該ダムに囲まれた領域に、前記ワニスを塗布することを特徴とする請求項7又は8に記載の半導体製造装置用部品の製造方法。
  10. 前記ダムを形成するワニスの粘度は、前記第1の接着剤層のワニスの粘度より大であることを特徴とする請求項に記載の半導体製造装置用部品の製造方法。
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