JP2011228336A - 半導体装置および半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置および半導体装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高温動作しても信頼性の高い半導体装置を得ることを目的とする。
【解決手段】半導体素子1が実装された回路面4fを有する回路基板4と、半導体素子1に接合された配線部材6または9と、線膨張係数が半導体素子1よりも配線部材の線膨張係数に近い材料(エポキシ樹脂やフィラ等)により構成され、半導体素子1と少なくとも配線部材の一部とを含んで回路面4fを封止する封止体12と、封止体12を構成する材料の弾性率よりも低い弾性率を有する材料(ポリイミド樹脂等)で構成され、半導体素子1と封止体12との間で、かつ、半導体素子1の少なくとも配線部材が接合された面1fを被覆する被覆膜13と、被覆膜13と封止体12との界面Ifをまたいで被覆膜13と封止体12との間に介在するフィラ14と、を備えるようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、家電用、産業用、自動車用、電車用等に広く用いられる半導体装置の構成とその製造方法に関する。
半導体装置は、回路基板の回路面にIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)やMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)などのスイッチング素子や整流素子として機能する半導体素子を実装し、実装した半導体素子を外部端子リードやワイヤ等の配線部材を接合後、回路面全体を絶縁性の封止体で封止したものである。近年、インバーターなどの電力用半導体装置に使用される半導体素子では、電力損失を低減する必要があり、例えば、炭化ケイ素(SiC)、窒化ガリウムのようなワイドバンドギャップ半導体の電力用半導体装置が開発されている。ワイドギャップ半導体の場合、素子自身の耐熱性が高く、大電流による高温動作が可能であるが、封止体内の半導体素子や配線部材に熱応力がかかるため、従来の半導体素子を使用した時よりも、接合部分の耐熱性や信頼性を向上させる必要がある。
そこで、動作時に半導体素子に生じる熱応力を低減するため、回路面全面にシリコーンゲルなどのゲル状物をバッファーコート材として封入し、さらにその上からエポキシ樹脂を注入する半導体装置や、封止する樹脂の線膨張係数を所定範囲に調整する半導体装置の構成が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。さらに、封止体と半導体素子との間に、被覆膜を介在させる半導体装置も提案されている(例えば、特許文献2ないし4参照。)。
特開平6−5742号公報(段落0006、0012〜0014、図1、図2) 特開平11−163023号公報(段落0017〜0018、図1) 特開2001−15682号公報(段落0016、図2) 特開2006−351737号公報(段落0020、図1)
しかしながら、バッファーコートに用いるシリコーンゲルは高温にさらされると溶解することから、高温動作させる半導体装置には適さない。また、線膨張係数を調整した樹脂で電子部品を直接封止すると、樹脂の硬化時点から電子部品に応力がかかり、半導体装置の反りや、ひどい場合はモジュール内部の剥離、クラックなども生じる。また、半導体素子の表面に封止体と異なる樹脂を被覆した場合は、被覆膜と封止体の界面で亀裂や剥離が生じる恐れがあり、信頼性の高い半導体装置を得ることができなかった。
この発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、高温動作しても信頼性の高い半導体装置を得ることを目的とする。
本発明にかかる半導体装置は、半導体素子が実装された回路面を有する回路基板と、前記半導体素子に接合された配線部材と、線膨張係数が前記半導体素子よりも前記配線部材の線膨張係数に近い材料により構成され、前記半導体素子と少なくとも前記配線部材の一部とを含んで前記回路面を封止する封止体と、前記封止体を構成する材料の弾性率よりも低い弾性率を有する材料で構成され、前記半導体素子と前記封止体との間で、かつ、前記半導体素子の少なくとも前記配線部材が接合された面を被覆する被覆膜と、前記被覆膜と前記封止体との界面をまたいで前記被覆膜と前記封止体との間に介在するフィラと、を備えたものである。
本発明にかかる半導体装置の製造方法は、所定領域をマスクで保護した半導体ウェハに樹脂材料とフィラとを分散させた溶液を塗布する工程と、塗布した膜中の溶媒を蒸発させて、前記フィラの一部が膜の表面から露出する被覆膜を形成する工程と、前記被覆膜が形成された半導体ウェハをダイシングして半導体素子を形成する工程と、形成した半導体素子を前記回路面上に実装する工程と、実装された半導体素子に前記配線部材を接合する工程と、線膨張係数が前記半導体素子よりも前記配線部材の線膨張係数に近い材料により、前記半導体素子と少なくとも前記配線部材の一部とを含んで前記回路面を封止する工程と、を含むものである。
この発明によれば、配線部材に線膨張係数が近い封止体と半導体素子との間の応力を被覆膜により緩和できるとともに、被覆膜と封止体との間に介在するフィラにより封止体と被覆膜との密着性が保たれるので、高温動作しても信頼性の高い半導体装置を得ることができる。
本発明の実施の形態1にかかる半導体装置の構成を示す図である。 本発明の実施の形態1にかかる半導体装置の製造方法を説明するためのフローチャートである。 本発明の実施の形態1の製造工程における被覆膜を形成する樹脂材料中のフィラの状態を説明するための図である。 本発明の実施の形態1の実施例2で用いるフィラの構成を説明するための図である。 本発明の実施の形態1の実施例3にかかる半導体装置の構成を示す図である。 本発明の実施の形態1の実施例3にかかる半導体装置の製造方法を説明するためのフローチャートである。 本発明の実施の形態1の実施例4にかかる半導体装置の構成を示す図である。
実施の形態1.
図1〜図3は、本発明の実施の形態1にかかる半導体装置の構成および半導体装置の製造方法を説明するための図である。図1は半導体装置の構成を説明するための一部分を示すものであり、図1(a)は封止体を透過した場合の平面図、図1(b)は封止体を含めた図1(a)におけるB−B線の断面図、図1(c)は封止体と被覆膜の界面部分の状態を説明するための断面図である。また、図2は半導体装置の製造方法を説明するためのフローチャート、図3は製造工程における被覆膜を形成する樹脂材料中のフィラの状態を説明するための図である。以下、詳細に説明する。
図1に示すように、本発明の実施の形態1にかかる電力用半導体装置100は、ヒートスプレッダ5にはんだ2dで接合された絶縁材料をベースとする回路基板4の回路面4上に複数の銅の回路パターン3a〜3cが形成され、そのうちのひとつの回路パターン3cにフェイスアップでドレイン電極側をはんだ2cにより接合したSiCからなる半導体素子1が配置されている。そして、上記のように回路基板4に実装された半導体素子1に対して、例えば、半導体素子1の電極面1fに設けられた電極(図示せず)と回路パターン3a間をワイヤボンディングにより配線部材である銅のワイヤ6aによって電気的に接続し、回路パターン3aにはんだ2aによって接続された外部端子7aを介して外部への給電経路が形成される。同様にして、半導体素子1のもう一方の電極と回路パターン3b間を銅のワイヤ6bによって電気的に接続し、回路パターン3bにはんだ2bによって接続された外部端子7bを介して外部への給電経路が形成される。こういった接続を繰り返し、電気接続された半導体モジュール(封止前の半導体装置)は、樹脂のケース11の中にあり、ケース11の中に液状のエポキシ樹脂を用いてポッティングで封止して半導体装置100が形成される。
なお、半導体素子1の上面には厳密にはゲートパッドやソース電極等が区分けされて形成されているが、図では簡略化して上面全体に電極が形成されているものとして記載している。また、半導体素子1の電極の表面には、接続を良くするための図示しない厚さ数μmの薄いアルミニウムの下地(電極)が形成されている。そして、半導体素子の電極面1fは、ワイヤボンドとの接続部1fをマスキングし、マスキングした部分1f以外の表面をポリイミド系の被覆膜13で被覆して硬化している。そして、ボンディング等の配線工程の後、モジュール全体をエポキシ系の封止体12で封止している。なお、図ではマスキング部分の存在を明確にするためにワイヤボンドとの接続部1fを大きく描いており、接合部周りの隙間が大きくなっているが、実際には隙間が極めて小さくなるように形成している。
なお、半導体素子1のドレイン電極側(回路基板4側)の接合面にも図示しない金属層が設けられており、例えばNi(7μm厚)/Au(0.02μm厚)を施している。半導体素子1は、上述した炭化ケイ素以外にも、シリコンやいわゆるワイドバンドギャップ半導体である、窒化ガリウム、ダイヤモンドなどが用いられる。また、半導体素子1と対向する回路パターン3cは銅からなり、その接合面にも1μm厚程度の金、銀、パラジウム、白金などの貴金属めっき層を形成している。
金属製のヒートスプレッダ5は、銅やアルミなどの金属が用いられ、回路基板4を搭載する面以外は、封止体12との接着性を強化するため、ディンプルが施されている。回路基板4はAl、AlN、SiNなどの絶縁性のセラミクス基板などで、所定の回路パターン3a〜3c(まとめて3)が配置されている。裏面はNiメッキなど薄膜メタライズ8が施されており、金属製のヒートスプレッダ5にはんだ2dで接合される。はんだ2a〜2d(まとめて2)には、Sn−3Ag−0.5Cuなどのいわゆる鉛フリーはんだを使用し、還元雰囲気下で回路基板4上の所定の回路パターン3a〜3d(まとめて3)と半導体素子1や外部端子7a,7b(まとめて7)、薄膜メタライズ8とヒートスプレッダ5との接合が行われる。ワイヤ6a、6b(まとめて6)はアルミ、銅、金などの金属が用いられ、超音波ボールボンドまたは熱圧着方式、あるいは両方式を併用するなどして、半導体素子1の電極部から回路基板4上の回路パターン3や図示しないインナーリードへとボンディングされ、図示しない外部回路に電気接続される。
ケース11の材料はPPS(ポリフェニレンサルファイド)などの熱可塑性樹脂が用いられているが、これに限るものではない。封止体12は、液状のエポキシ樹脂やフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂が用いられ、エポキシ主剤、酸無水物系やアミン系、フェノール系などの硬化剤の他、必要に応じて、硬化触媒、カップリング剤、低応力化剤、レベリング剤などを添加してもよい。封止体12の線膨張係数は、配線部材であるアルミや銅、金などの金属に合わせるため、それに応じた量のフィラを充填する。通常よく用いられるのは球状シリカであるが、粘度調整など必要に応じて、フィラ粒径分布や粒形などを調整する。
被覆膜13には、ポリイミド系やポリアミドイミド系の樹脂が適しているが、封止体12よりも弾性率が低く(軟らかく)、半導体装置内で耐熱性を有する樹脂であれば熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂もしくはエラストマーも使用可能である。弾性率の範囲としては、500MPa〜7GPaの範囲が好適である。被覆厚みt13は後述するフィラ粒径D14にもよるが、1μm〜300μmの範囲が好適である。被覆膜13には絶縁性の無機もしくは有機のフィラ14が充填されており、その粒径分布は、被覆厚みt13よりも粒径D14が大きなフィラを含むように、1μm〜1mmの範囲のものを用いた。有機フィラとしては、シリコーンゴム、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂などの粒子があり、無機フィラとしては溶融シリカ、結晶シリカ、ガラス、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、天然鉱物系などがある。着色用、粘度調整用、潤滑用など必要な用途により、粒径範囲、形状を選択でき、1種類だけでなく、複数の種類を組み合わせて使用してもよい。本実施の形態1の場合、フィラ14は、被覆膜13と封止体12との界面IFをまたいで被覆膜13と封止体12間に介在させ、両樹脂のアンカー効果の役割を果たすために用いている。そのため、少なくとも1種類は、球状、多角形状、あるいは微細な粒形の凝集体であり、両樹脂にまたがって存在する。また添加量は、樹脂に対して1〜70vol%であり、また樹脂の粘度調整など必要に応じてナノフィラを加えてもよい。
このとき、被覆膜13や封止体12に対するフィラ14の密着性を上げるため、あらかじめフィラ14に直接カップリング処理する場合と、フィラ14と一緒に樹脂にカップリング材を混合する場合とがある。カップリング剤は、通常シランカップリング剤が用いられるが、被着体に応じて種類が豊富にあり、シランカップリング剤に限るものではない。また複数のカップリング剤を組み合わせて使用してもよい。カップリング剤の配合量は、混合する樹脂の種類やフィラの形状、粒径範囲(分布)などに伴わせて適宜設定すればよく、一般的には、樹脂100重量部に対して5重量%以下となる。
つぎに、本発明の実施の形態1にかかる半導体装置の信頼性を評価するために、条件を変えた実施例により半導体装置を作成し、比較試験を実施した。
<実施例1〜実施例2の製造方法>
実施例1および2においては、被覆膜13を半導体素子毎に被覆するようにしたので、その方法について説明する。
半導体素子1の表面への被覆膜13の被覆は、大まかにはウェハ製造工程においてマスクを用いて1f部分を除く領域に印刷された後、硬化し、ダイシングされる。このとき、被覆膜13と封止体12との界面Ifにまたがってフィラ14を介在する構造の半導体装置を得る方法を図2のフローチャートおよび図3の製造工程における被覆膜を形成する樹脂材料中のフィラの状態を説明するため模式図を用いて説明する。
製造工程を開始する(ステップS10)と、ワイヤ接合する部分に被覆膜が付着しないようにウェハ1wの所定領域をマスクで保護する(ステップS20)。例えばポリイミド樹脂溶液13s中に、平均粒径20μm、最大粒径100μmの無機のシリカフィラ14を50wt%混合して均一分散したものを、ウェハ1w上に塗布し、スピンコーターを用いてウェハ1w上の膜厚が均一になるようにする(ステップS30)。このときフィラ14が遠心力でウェハ1wの外周方向に飛ばされないように、溶液の粘度は調整されているので、図3(a)に示すように、フィラ14はポリイミド樹脂溶液13s中に均一に分散している。100℃以下の低温で真空乾燥し(ステップS40)、ポリイミドの流動がない程度に硬化したら(ステップS50で「Y」)、マスクをはずし(ステップS60)、250℃に昇温して2時間加熱する(ステップS70)。ポリイミドの硬化とともに溶液中の溶剤が完全に蒸発し、膜厚は塗布直後より薄く5〜10μmになり、図3(b)に示すようにフィラ14が膜面f13から突出する構造の被覆膜13になる(ステップS80で「Y」)。次にウェハ1wをダイシング(ステップS100)し、回路基板4上にはんだ付けして実装し(ステップS200)、さらにワイヤ6を接合(ステップS210)し、モジュールを組み立てた(ステップS220で「Y」)後、封止体の材料として、例えば液状のエポキシ樹脂12を注入して封止(ステップS400)する。以上の工程を終了(ステップS410)すると、実施例1または2にかかる半導体装置100、100V2が完成する。
このようにして製造した半導体装置100では、半導体素子1の表面を封止体12よりも弾性率の低い(軟らかい)被覆膜13であらかじめ被覆し、その上から、ワイヤ6や外部端子7等の配線部材の熱膨張係数に合わせた封止体12で封止している。被覆膜13は弾性率が低いので、半導体素子1への応力集中を低減できるとともに、封止体12の熱膨張係数を配線部材の線膨張係数に合わせたことから、封止体12と配線部材の熱膨張係数差に起因する熱応力を低減できる。さらに、封止体12との界面Ifをまたぐように両樹脂間には、絶縁性の無機または有機フィラ14が介在するので、両樹脂層に対してのアンカー効果により、接着性が向上して封止体12と被覆膜13が剥離を起こすこともない。つまり、半導体装置のヒートサイクル耐性、パワーサイクル耐性を向上させ、半導体装置の長寿命化を実現することができる。
<実施例1>
本実施例1では、半導体素子1の表面1fを被覆する被覆膜13として、ポリイミドやポリアミドイミド系のほか、シリコン系のエラストマーを用い、材料種ごとに、安定した結果が得られる弾性率を500MPa〜3GPaの範囲に調整したものを用いた。そして、封止体12として、エポキシ樹脂とフェノール樹脂の2種類の熱硬化樹脂を用い、材料種ごとに、安定した結果が得られる弾性率を4〜20GPa、熱膨張係数を7〜40ppm/Kに調整したものを用い、被覆膜13の方が封止体12よりも弾性率が低くなるように組合せた。そして、図2、図3に示した製造方法により、半導体素子1のみを被覆膜13で被覆して半導体装置100V1を製造した。なお、封止体12や被覆膜13の弾性率は、界面をまたぐためのフィラ14とは別に、フィラの含有量を変化させて調整した。
半導体素子1の物性は、弾性率数100〜1500GPa、熱膨張係数3〜5ppm/Kの範囲であるが、パワーサイクル、ヒートサイクルにおいて、被覆膜13の弾性率が低いので、半導体素子1との界面における、熱膨張係数差に起因する熱応力は緩和・低減され、樹脂の剥離、クラックを抑制できる。また被覆膜13と、封止体12との界面If部分には、無機もしくは有機フィラ14が両樹脂間に介在しているので、被覆膜13と封止体12との間でアンカー効果を持たせて密着性、接着性を向上させ、樹脂間の剥離、クラックを抑制することができると考えられる。
<実施例2>
本実施例2の半導体装置では、被覆膜13と封止体12の間に介在させるフィラの種類を変えた。他の構成については実施例1と同様である。図4は本実施例2で用いたフィラの形状を説明するためのもので、図4(a)は微粒子フィラの凝集体を、図4(b)は多孔質フィラの断面構造を模式的に示す。本実施例2では、被覆膜13と封止体12との界面Ifにまたがって存在するフィラ14V2が、図4(a)に示すような微粒子フィラの凝集体、または図4(b)に示すように内部に空隙Spを有する多孔質体である。その1例は、BN(Boron Nitride)粉体の凝集体である。凝集体の場合、個々の微粒子は密であっても凝集体としては内部に空隙を有することになるので多孔質フィラということができる。このような微粒子の凝集体や多孔質体といった内部に空隙を有するフィラ14V2に用いることにより、被覆膜13を形成する樹脂および封止体12を形成する樹脂の液状のバインダー部が多孔質体の空隙Sp中または凝集体の隙間に含浸され、被覆膜13と封止体12とをより強固に接着することができる。つまり、フィラが多孔質体であると、被覆膜13の樹脂および封止体12の樹脂がフィラ中の空隙に含浸されることから、両方の樹脂に対してのアンカー効果による接着性を向上させることができる。
<実施例3〜実施例7の製造方法>
実施例3ないし実施例7においては、被覆膜13を図5に示すように配線部材の接合が完了した半導体モジュールに対してまとめて被覆するようにしたので、その方法について図6のフローチャートを用いて説明する。
製造工程を開始する(ステップS10)と、実施例1の説明で用いた図2の工程におけるステップS20〜S100を飛ばしてステップS200から始め、回路基板4上に半導体素子1をはんだ付けして実装し(ステップS200)、さらにワイヤ6等の配線部材を接合して(ステップS210)モジュールを組み立てる(ステップS220で「Y」)。組みあがった半導体モジュール(封止前の半導体装置)に対して、樹脂溶液13s中に、平均粒径20μm、最大粒径100μmの無機のシリカフィラ14を50wt%混合して均一分散したものを、ポッティングにより膜厚が均一になるように塗布する(ステップS330)。つぎに、100℃以下の低温で真空乾燥し(ステップS340)、樹脂が流動せず、ワイヤ6の下部についた樹脂が垂れない程度に硬化したら(ステップS350で「Y」)、250℃に昇温して2時間加熱する(ステップS370)。樹脂の硬化とともに溶液中の溶剤が完全に蒸発し、膜厚は塗布直後より薄く5〜10μmになり、フィラ14が膜面f13から突出する構造の被覆膜13になる(ステップS380で「Y」)。最後に、封止体を形成する樹脂として例えば液状のエポキシ樹脂12を注入して封止(ステップS400)する。以上の工程を終了(ステップS410)すると、実施例3ないし7にかかる半導体装置100V3〜100V7が完成する。
<実施例3>
本実施例3の半導体装置では、封止体および被覆膜の材料の組合せは実施例1と同じものを用いた。そして、図6のフローチャートで示したように、半導体素子1だけではなく、半導体モジュールを構成する接続部材も含めて被覆膜13により被覆した。それ以外の構成については実施例1と同様である。図5は、本実施例3にかかる半導体装置の構成を示す断面図である。図において、半導体素子1本体や配線部材6、7等のモジュール構成は、実施例1と同様となっているが、被覆膜13は半導体素子表面1fのみでなく、モジュールを構成する部材全てを被覆している。すなわち、半導体素子1を回路基板4の回路パターン上にはんだを用いて搭載し、回路基板4をヒートスプレッダ5上にはんだで接合し、ワイヤ6や配線部材7等により外部への給電経路を形成して半導体モジュールを形成した後、被覆膜13でモジュールを構成する各部材の表面を被覆し、封止体12により封止した。
このようにして製造した半導体装置100では、半導体素子1の表面、回路基板4の実装面(回路面4f)全体、ワイヤ6、接続部材7といった配線部材表面も封止体12よりも弾性率の低い(軟らかい)被覆膜13であらかじめ被覆し、その上から、ワイヤ6や外部端子7等の配線部材の熱膨張係数に合わせた封止体12で封止している。被覆膜13は弾性率が低いので、半導体素子1や回路基板4への応力集中を低減できるとともに、封止体12の熱膨張係数を配線部材の線膨張係数に合わせたことから、封止体12と配線部材の熱膨張係数差に起因する熱応力を低減できる。さらに、封止体12との界面Ifをまたぐように両樹脂間には、絶縁性の無機または有機フィラ14が介在するので、両樹脂層に対してのアンカー効果により、接着性が向上して封止体12と被覆膜13が剥離を起こすこともない。つまり、半導体装置のヒートサイクル耐性、パワーサイクル耐性を向上させ、半導体装置の長寿命化を実現することができる。
<実施例4>
本実施例4の半導体装置では、実施例3で使用した半導体モジュールと構成の異なる半導体モジュールに対して被覆膜13を被覆した。樹脂による被覆の方法については、実施例3と同様である。本実施例4では、図7に示すように、回路基板4V4の回路面4fの全面にヒートスプレッダ5V4を接合して回路パターン3cの代わりとし、さらに、半導体素子1からの給電経路を、ワイヤボンディングの代わりに、銅のリード9を直接半導体素子1の電極にはんだ2eで接合するDLB(Direct Lead Bonding)方式で形成したものである。この場合も、モジュール構成部材とともに、リード9の表面や実質的な回路面となるヒートスプレッダの表面5fを被覆膜13で被覆し、その後、封止体12をポッティングで封止した。
<実施例5>
以降の実施例5〜7では、被覆対象は実施例3と同様に、図5で示したように配線部材も含めた半導体モジュール全面とし、被覆膜や封止体の材料の種類や特性範囲を限定して製作した。本実施例5では、実施例1や実施例3、4における特性試験においてばらつきの少なかった樹脂種に限定してさらに性能評価をおこなうための試作を実施した。被覆膜13にはポリイミド系樹脂またはポリアミドイミド系樹脂のみを用い、封止体12にはエポキシ樹脂のみを用いた。ただし、ポリイミド系またはポリアミドイミド系樹脂の弾性率の範囲は、封止体12よりも低いが、他の樹脂を用いた時より上限を引き上げて(範囲を広げて)500MPa〜7GPaとした。本実施例5で限定したポリイミド系やポリアミドイミド系の樹脂のTgは260℃以上と他の樹脂類よりも高い。従って、ヒートサイクル温度領域あるいはパワーサイクル温度領域においても、特性変化が少なく、モジュール構成部材に被覆すると、その端部および表面の熱応力を低減、緩和できる上、封止体12を構成するエポキシ樹脂との密着性もよく、また封止体12からの熱応力も低減、緩和するため、弾性率の範囲を広げても、モジュールの信頼性を向上させることができる。
<実施例6>
本実施例6では、実施例5の樹脂の組合せのうち、封止体12の線膨張係数を15〜30ppm/Kの範囲に調整した。その他の構成については実施例5と同様である。線膨張係数を調整するために、本実施例では、例えばシリカフィラをエポキシ樹脂に対して40〜70wt%充填した。線熱膨張係数を15ppm/K未満にすると、樹脂の弾性率が高くなるため、相対的に封止後のモジュールの反りが大きくなり、モジュール内に剥離、クラックが発生しやすくなり、信頼性が低下する。一方、線膨張係数が30ppm/Kを超える場合は、逆に弾性率が低くなりすぎ、はんだやワイヤの接合部などのクラック防止効果が低くなり、モジュールの信頼性と低下させる。そのため、線膨張係数を上記範囲内にすることで、信頼性をさらに高められると考えられる。
<実施例7>
本実施例7では、実施例5の樹脂の組合せのうち、封止体12の室温での弾性率を1〜15GPaの範囲に調整した。その他の構成については実施例5と同様である。弾性率を調整するために、例えばシリカフィラをエポキシ樹脂に対して40〜70wt%充填した。弾性率を1GPaより低くすると、モジュールの反りは低減するが、はんだやワイヤの接合部のクラック抑制効果が低くなり、モジュールの信頼性を低下させる。一方、弾性率を15Gpaより高くすると、モジュールの反りが大きくなると同時に、封止体とモジュール部材間の熱応力も高くなり、剥離、クラックが発生しやすくなり、モジュールの信頼性と低下させる。
<比較例>
なお、本実施の形態の各実施例に対する比較例として3種の構成を用意した。
3種の比較例とも、実施例1と同様に被覆対象は半導体素子1のみとし、被覆膜にはポリイミド系の樹脂、封止体にはエポキシ樹脂を用いた。比較例1は被覆膜を用いずに直接封止体により半導体素子を含むモジュール全体を封止した構成、比較例2は半導体素子1に被覆膜を被覆するが、封止体との界面にフィラを介在させない構成。比較例3は半導体素子1に被覆膜を被覆するが、封止体との界面に介在させるフィラの粒径D14を3μm以下にした構成である。
<比較試験評価結果>
上記実施例毎、比較例毎に複数のサンプルを試作し、ヒートサイクル評価、パワーサイクル評価を実施した。ヒートサイクル試験は、−40℃で30分保持/125℃で30分保持を1サイクルとして300サイクル繰返す試験をヒートサイクルA、同様に−40℃で30分保持/150℃で30分保持を1サイクルとして300サイクル繰返す試験をヒートサイクルB、また、同様に−40℃で30分保持/175℃で30分保持を1サイクルとして300サイクル繰返す試験をヒートサイクルCとし、それぞれのサイクル後に導通試験を行い、オープンとなるか否かで信頼性を評価した。パワーサイクル試験は、モジュールの発熱による最高温度でそれぞれ150℃、175℃になるように設定し、1000サイクル毎に導通試験を行い、オープンとなるまでのサイクル数を評価した。
評価結果を表1に示す。表中、実施例1〜7は、それぞれ実−1〜実−7、比較例1〜3は、比−1〜比−3として表記しており、評価結果はそれぞれの実施例や比較例毎の複数のサンプルの評価結果の平均値を示す。
Figure 2011228336
表1に示すように、本発明の実施例の半導体装置のように少なくとも半導体素子上に封止体12より弾性率の低い被覆膜13を被覆し、被覆膜13と封止体12の両層にフィラ14を介在させるようにする(実−1、2)ことで、ヒートサイクル試験Bまではクリヤできることがわかった。なお、ヒートサイクル試験において、比較例(比−1〜3)では、モジュール端からの全面剥離が起こっていた。一方、被覆膜13と封止体12の両層にフィラ14を介在させるようにすると、素子のみに被覆した場合(実−1、2)でも、一部において最も過酷なヒートサイクルCにおいてオープンとなるサンプルがあったが、その場合でも剥離はモジュール端部のみであり、剥離を抑制する効果が高いことが分かった。
パワーサイクル試験においても、フィラ14がない構成と較べて数万回以上のサイクル寿命を延ばすことができている。この場合も、比較例(比−1〜3)においては、素子上剥離や素子下または基板下のはんだクラックが生じていたが、被覆膜13と封止体12の両層にフィラ14を介在させるようにすると、素子のみに被覆した場合(実−1、2)でも、素子上剥離は生じなくなり、素子下または基板下のはんだクラックが生じるまで、あるいはワイヤ切れが生じるまで持ちこたえることができるようになった、さらに、全体を被覆した場合(実−4〜7)には、はんだクラックが生じることもなくなり、ワイヤ切れ(実−4の場合はDLB接合クラック)が生じるまで持ちこたえることができるようになった。なお、比較例3の結果から、フィラの最大粒径が小さいと、界面をまたぐことができないか、できたとしてもアンカー効果を発揮することができないと考えられ、3μmより大きな粒径のフィラを含むように粒径範囲を調整する必要があることが分かる。
また、実施例1、2と実施例3、4を比較すると、同様の被覆膜と封止体の材料の組合せでも、半導体素子だけの被覆よりも配線部材を含めたモジュール全体を被覆すれば、ヒートサイクルにおける半導体素子と封止体の界面剥離がなくなり、ヒートサイクル、パワーサイクルともに明らかに寿命が延びていることが分かる。
さらに、被覆膜にはポリイミド系かポリイミドアミド系を、封止体にエポキシ樹脂の組合せで構成すれば、さらに寿命を延ばせることが分かった。また、エポキシ樹脂の物性を室温での弾性率の範囲か線膨張率の範囲で調整することでより寿命を延ばせることが明らかになった。
なお、実施例5〜7では、図5に示すようにモジュール全体に被覆膜を施した場合の結果を示したが、実施例5〜7のように限定した樹脂を図1に示すように半導体素子毎に被覆した場合でも、信頼性を向上させることができる。
ここで、たとえば、スイッチング素子や整流素子として機能する半導体素子1に、炭化ケイ素や、窒化ガリウム系材料又はダイヤモンドを用いた場合、従来から用いられてきたケイ素で形成された素子よりも電力損失が低いため、電力用半導体装置の高効率化が可能となる。また、耐電圧性が高く、許容電流密度も高いため、電力用半導体装置の小型化が可能となる。さらにワイドバンドギャップ半導体素子は、耐熱性が高いので、高温動作が可能であり、ヒートシンクの放熱フィンの小型化や、水冷部の空冷化も可能となるので、電力用半導体装置の一層の小型化が可能になる。
一方、上記のように高温動作する場合は停止・駆動時の温度差が大きくなり、さらに、高効率・小型化によって、単位体積当たりに扱う電流量が大きくなる。そのため経時的な温度変化や空間的な温度勾配が大きくなり、半導体素子や端子間にかかる熱応力が大きくなる可能性がある。しかし、本発明のように、半導体素子1の表面、回路基板4、ヒートスプレッダ5の実装面全体、ワイヤ6、接続部材7といった電気接続部材表面を被覆した被覆膜13は弾性率が封止体12よりも低いので、半導体素子1や回路基板4への応力集中を低減できるとともに、封止体12の熱膨張係数を配線部材の線膨張係数に合わせたことから、封止体12と配線部材の熱膨張係数差に起因する熱応力を低減できる。さらに、封止体12との界面Ifをまたぐように両樹脂間には、絶縁性の無機または有機フィラ14が介在するので、両樹脂層に対してのアンカー効果により、接着性が向上して封止体12と被覆膜13が剥離を起こすこともない。つまり、ワイドバンドギャップ半導体の特性を活かして、小型化や高効率化を進めても半導体装置のヒートサイクル耐性、パワーサイクル耐性を向上させ、半導体装置の長寿命化を実現することができる。つまり、本発明による効果を発揮することで、ワイドバンドギャップ半導体の特性を活かすことができるようになる。
なお、上記各実施例のサンプル作製において説明した製造方法(図2または図6)では、被覆膜13の厚みt13よりも粒径D14の大きなフィラ14を用いることで容易にフィラ14が界面IfRをまたぐ構成を得ることができる。さらに、フィラ14の粒径D14が膜厚D13よりも大きいと、膜自体の弾性率への影響が少なくなり、界面IfRをまたがせるために最適な充填量に調整することが可能となる。一方、上記のように容易に構成することはできないが、被覆膜13の厚みt13よりも粒径D14の小さなフィラ14を用いても、フィラ14どうしが積み重なることで上層付近のフィラが界面IfRをまたぐように構成することもできる。あるいは、被覆膜より比重の軽いフィラを用い、フィラ14の一部が被覆膜の表面から飛び出た状態で硬化させるようにしてもよい。また、被覆膜で被覆した後にフィラ14のみ硬化前の被覆膜上に塗布して、その上から、封止体をポッティングで注入してもよい。
また、被覆膜を形成するための樹脂(溶液)の塗布方法としても、半導体素子ごとに被覆する場合でも、被覆前の半導体素子をダイシングして個片化し、回路基板上に搭載して、ワイヤ接合した後にポッティング等で半導体素子全面を被覆してもよい。また、モジュール全面に被覆する場合でも、ワイヤ接合等の組み立てを終えた後、フィラを混合したポリイミド溶液をモジュールの上から噴射して、チップ、ワイヤ、回路基板、ヒートスプレッダ等の部材に付着させ、低温硬化または真空乾燥により、ポリイミド溶液中の溶剤を蒸発させてフィラを突出させて被覆膜を形成した後、液状ポッティング樹脂で封止することもできる。
以上のように、本発明の実施の形態1にかかる半導体装置によれば、半導体素子1が実装された回路面4fを有する回路基板4と、半導体素子1に接合された配線部材6または9と、線膨張係数が半導体素子1よりも配線部材の線膨張係数に近い材料(エポキシ樹脂やフィラ等)により構成され、半導体素子1と少なくとも配線部材の一部とを含んで回路面4fを封止する封止体12と、封止体12を構成する材料の弾性率よりも低い弾性率を有する材料(ポリイミド樹脂等)で構成され、半導体素子1と封止体12との間で、かつ、半導体素子1の少なくとも配線部材が接合された面1fを被覆する被覆膜13と、被覆膜13と封止体12との界面Ifをまたいで被覆膜13と封止体12との間に介在するフィラ14と、を備えるように構成したので、配線部材への応力が緩和できるとともに、半導体素子1と封止体12の界面剥離が抑えられ、寿命を大幅にのばすことができる。
さらに、フィラ14には、被覆膜13の膜厚みt13よりも大きな粒径D14を有するフィラが含まれているようにしたので、フィラ14が被覆膜13と封止体12との界面Ifをまたぐ構成を容易に得られる。
また、フィラ14には、多孔質なフィラ14V2が含まれているようにしたので、被覆膜13の樹脂材料や封止体12の樹脂材料がフィラ14V2中の空隙Spに含浸され、アンカー効果が増大し、信頼性が向上する。
とくに、被覆膜13がポリイミド系またはポリイミドアミド系樹脂材料を用いて形成され、封止体12がエポキシ樹脂材料を用いて形成されるようにした材料を組み合わせたので、半導体素子1と被覆膜13との密着性、被覆膜13と封止体12との密着性が良好で、半導体素子1からの被覆膜13の剥離や、被覆膜13と封止体12との分離が抑えられ寿命を大幅にのばすことができる。
また、封止体12の材料の線膨張係数を10〜30ppm/Kにすれば、封止後のモジュールの反りの発生の抑制と、クラック防止を両立させることができ、信頼性を向上させることができる。
あるいは、封止体12の材料の室温での弾性率を1〜15GPaにすれば、封止後のモジュールの反りの発生の抑制と、クラック防止を両立させることができ、信頼性を向上させることができる。
また、被覆膜13が、回路面4f(または5f)と封止体12との間にも形成されているように構成したので、半導体素子1だけでなく、回路面4f(または5f)と封止体12との界面剥離も低減できる。
また、本発明の実施の形態1の実施例1、2にかかる半導体装置の製造方法によれば、所定領域をマスクで保護した半導体ウェハ1wに(被覆膜13の)樹脂材料とフィラ14を分散させた溶液13sを塗布する工程(ステップS20〜30)、塗布した膜中の溶媒を蒸発させて、フィラ14の一部が膜表面から露出する塗布厚みよりも厚みの薄い被覆膜13を形成する工程(ステップS40〜80)、被覆膜13が形成された半導体ウェハ1wをダイシングして半導体素子1を形成する工程(ステップS100)、形成した半導体素子1を回路基板4の回路面4f上に実装する工程(ステップS200)、実装した半導体素子1に配線部材6、9を接合する工程(ステップS210〜220)、半導体素子1と少なくとも配線部材6、9の一部とを含んで封止体12の樹脂材料で回路面4fを封止して封止体12を形成する工程(ステップS400)、を含むようにしたので、半導体素子1と封止体12との間に被覆膜13を介在させ、両樹脂間にフィラ14を介在させた半導体装置を容易に製造できる。
また、本発明の実施の形態1の実施例3〜7にかかる半導体装置の製造方法によれば、回路基板4上の回路面4f(または5f)に半導体素子1を実装する工程(ステップS200)、実装した半導体素子にワイヤ6等の配線部材を接合する工程(ステップS210)モジュールを組み立てる(ステップS220で「Y」)。組みあがった半導体モジュール(封止前の半導体装置)に対して、つまり、半導体素子1と配線部材とを含んで回路面4f(または5f)に対して被覆膜13の樹脂材料とフィラ14を分散させた溶液13sを塗布する工程(ステップS330)、塗布した膜中の溶媒を蒸発させて、フィラ14の一部が膜表面から露出するように塗布厚みよりも厚みの薄い被覆膜13を形成する工程(ステップS340〜S380)、被覆膜13が形成された回路面に対して樹脂を注入して封止する工程(ステップS400)、を含むようにしたので、半導体素子1や回路面4f(または5f)と封止体12との間に被覆膜13を介在させ、両樹脂間にフィラ14を介在させた半導体装置を容易に製造できる。
1 半導体素子(1W 半導体ウェハ)、 2 導電性接合材(はんだまたは導電性接着材)、 3 回路基板上の電極部、 4 回路基板、 5 ヒートスプレッダ、 6 ワイヤ、 7 外部端子、 8 回路基板裏面メタライズ層、 9 DLB、 11 ケース、 12 封止体、 13 被覆膜、 14フィラ、 100 半導体装置。
14 フィラの粒径、 t13 被覆膜の膜厚み。
添え字 V:実施例ごとの違い、

Claims (11)

  1. 半導体素子が実装された回路面を有する回路基板と、
    前記半導体素子に接合された配線部材と、
    線膨張係数が前記半導体素子よりも前記配線部材の線膨張係数に近い材料により構成され、前記半導体素子と少なくとも前記配線部材の一部とを含んで前記回路面を封止する封止体と、
    前記封止体を構成する材料の弾性率よりも低い弾性率を有する材料で構成され、前記半導体素子と前記封止体との間で、かつ、前記半導体素子の少なくとも前記配線部材が接合された面を被覆する被覆膜と、
    前記被覆膜と前記封止体との界面をまたいで前記被覆膜と前記封止体との間に介在するフィラと、
    を備えたことを特徴とする半導体装置。
  2. 前記フィラには、前記被覆膜の膜厚みよりも大きな粒径を有するフィラが含まれていることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記フィラには多孔質のフィラが含まれていることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体装置。
  4. 前記被覆膜の材料には、ポリイミド系樹脂またはポリイミドアミド系樹脂が主材料として用いられ、
    前記封止体の材料には、エポキシ樹脂が主材料として用いられる、
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の半導体装置。
  5. 前記封止体の材料の線膨張係数が10〜30ppm/Kであることを特徴とする請求項4に記載の半導体装置。
  6. 前記封止体の材料の室温での弾性率が1〜15GPaであることを特徴とする請求項4に記載の半導体装置。
  7. 前記被覆膜が、前記回路面と前記封止体との間にも形成されていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の半導体装置。
  8. 前記半導体素子がワイドバンドギャップ半導体材料により形成されていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の半導体装置。
  9. 前記ワイドバンドギャップ半導体材料は、炭化ケイ素、窒化ガリウム、またはダイヤモンドのうちのいずれかであることを特徴とする請求項8に記載の半導体装置。
  10. 所定領域をマスクで保護した半導体ウェハに樹脂材料とフィラとを分散させた溶液を塗布する工程と、
    塗布した膜中の溶媒を蒸発させて、前記フィラの一部が膜の表面から露出する被覆膜を形成する工程と、
    前記被覆膜が形成された半導体ウェハをダイシングして半導体素子を形成する工程と、
    形成した半導体素子を前記回路面上に実装する工程と、
    実装された半導体素子に前記配線部材を接合する工程と、
    線膨張係数が前記半導体素子よりも前記配線部材の線膨張係数に近い材料により、前記半導体素子と少なくとも前記配線部材の一部とを含んで前記回路面を封止する工程と、を含む、
    ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  11. 回路基板上の回路面実装された半導体素子に接合部材を接合する工程と、
    前記半導体素子を含む前記回路面に対して樹脂材料とフィラとを分散させた溶液を塗布する工程と、
    塗布した膜中の溶媒を蒸発させて、前記フィラの一部が膜の表面から露出する被覆膜を形成する工程と、
    線膨張係数が前記半導体素子よりも前記配線部材の線膨張係数に近い材料により、前記半導体素子と少なくとも前記配線部材の一部とを含んで前記回路面を封止する工程と、を含む、
    ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
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