JP2011199110A - パワー半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】Si半導体素子を搭載し、小型化・大容量化したパワー半導体や、高温動作可能なSiC半導体素子を搭載したパワー半導体装置等の高温動作対応の半導体素子を用いたパワー半導体装置の厳しいヒートサイクル環境下における熱応力の発生を抑制した構造のパワー半導体装置を得ることを目的としている。
【解決手段】半導体素子2と、半導体素子2が搭載されたリードフレーム3と、リードフレーム3に絶縁シート5を介して配置された金属材料6、9とが、封止樹脂7で封止さる。金属材料6、9は露出しており、半導体素子2に対して金属材料6、9の位置とは反対側である封止樹脂7の面に、樹脂組成物層8が設けられ、樹脂組成物層8の無機充填材の充填率が封止樹脂7の無機充填材の充填率以下である。
【選択図】図1

Description

本発明は、パワー半導体素子が搭載されたリードフレームや、放熱部材としてのヒートシンクなどをトランスファーモールドによって封止されたモールド型パワー半導体装置に関するものである。
パワー半導体装置は、小型化・大容量化を達成する方法として放熱性を向上させるために半導体装置内部に、例えば銅などの熱伝導性に優れた金属からなるヒートシンクを設けている。
従来のパワー半導体装置では、一方の面側を露出させつつヒートシンク、回路基板、リードフレームを包み込むように封止する封止用樹脂を供える樹脂封止型半導体装置において、ヒートシンクの端部から所定の長さの周縁部を持ち、周縁部と回路基板との間に封止樹脂との剥離やクラックの広がりを防止する進展防止手段として、いわゆるディンプルと呼ばれる凹部を形成している。(例えば特許文献1)
特開2008−311366公報(図2、図3)
ケイ素(Si)半導体素子を搭載したパワー半導体装置は、小型化・大容量化が進むにつれ封止樹脂やヒートシンク等にかかる熱応力は増大する。また、炭化ケイ素(SiC)半導体素子を搭載したパワー半導体装置となることで、Si半導体素子を搭載したパワー半導体装置よりも高温動作が可能となる。このように、小型化・大容量化の進行や、SiC半導体素子の搭載により、パワー半導体装置に求められる使用環境は厳しくなる。
特許文献1で示されるパワー半導体装置にあっては、実際に実施したヒートサイクル環境下(−40℃から150℃の温度範囲)での熱応力による封止樹脂の剥離やクラックの進展を抑制する構造であり、その温度範囲を超えたヒートサイクル環境下における熱応力による封止樹脂の剥離やクラックの発生を抑制する構造ではない。このため、小型化・大容量化の進行による150℃を超えた高温環境下のパワー半導体装置や、高温動作を想定したSiC半導体素子を搭載したパワー半導体装置では、ヒートサイクル環境がより厳しくなり、熱応力によって発生した剥離の進展を、ヒートシンクへの凹部構造によって抑制することは困難であるという問題があった。封止樹脂の剥離進展によって、パワー半導体装置の電気特性の低下を招いたり、半導体素子の接合部分にクラックが入ることでパワー半導体装置の熱抵抗が増大したりする問題につながっていた。
本発明は、Si半導体素子を搭載し、小型化・大容量化したパワー半導体や、高温動作可能なSiC半導体素子を搭載したパワー半導体装置等の高温動作対応の半導体素子を用いたパワー半導体装置の厳しいヒートサイクル環境下における熱応力の発生を抑制した構造のパワー半導体装置を得ることを目的としている。
本発明に係るパワー半導体装置は、半導体素子と、半導体素子が搭載されたリードフレームと、リードフレームに絶縁シートを介して配置された金属材料とが、無機充填材が充填された封止樹脂で封止さる。金属材料は露出しており、半導体素子に対して金属材料の位置とは反対側である封止樹脂の面に、樹脂組成物層が設けられ、樹脂組成物層の無機充填材の充填率が封止樹脂の無機充填材の充填率以下である。
本発明によれば、樹脂組成物層に用いられる無機充填材の量が、封止樹脂に充填されている量よりも少ないことによって、ヒートサイクル環境下の温度差による樹脂組成物層の変化量が封止樹脂の変化量より大きくなることで、より厳しいヒートサイクル環境下においても半導体装置全体の反りが低減され、発生する応力が小さくすることができる。これによって、封止樹脂とリードフレームとの界面剥離の発生が抑制される。
本発明の実施の形態1によるパワー半導体装置を示す断面図である。 図1のパワー半導体装置の要部を示す上面からの透視図である。 本発明の実施の形態1によるパワー半導体装置の製造方法例を示す図である。 本発明の実施の形態2によるパワー半導体装置を示す断面図である。 本発明の実施の形態4によるパワー半導体装置の要部を示す上面からの透視図である。 本発明の実施の形態5によるパワー半導体装置の要部を示す上面からの透視図である。 従来構造のパワー半導体装置における剥離発生箇所を示す図である。 本発明の実施例1乃至4の作成条件及び結果を一覧にして示した図である。 比較例1乃至4の作成条件及び結果を一覧にして示した図である。 本発明の実施例5乃至8の作成条件及び結果を一覧にして示した図である。 比較例5乃至8の作成条件及び結果を一覧にして示した図である。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1によるパワー半導体装置を示す断面図であり、図2は、実施の形態1によるパワー半導体装置の要部を示す上面からの透視図である。パワー半導体装置1は、トランスファーモールド型パワー半導体装置である。半導体素子2がリードフレーム3と接合されたヒートシンク4に、例えば、はんだ付け(はんだは図示せず)によって搭載されており、半導体素子2が搭載されている面と反対側の面には、外部と電気的に絶縁することを目的とした片面金属箔6付き絶縁シート5が密着している。トランスファーモールド型のパワー半導体装置1は、これらの半導体素子2やリードフレーム3、ヒートシンク4全体を封止するように封止樹脂7で封止された構造を有する。パワー半導体装置1において、金属箔6が露出した面(図において下側、下面)とは反対側の封止樹脂7で封止している側の面(図において上側、上面)には、樹脂組成物の層(樹脂組成物層8)を設ける。
この樹脂組成物層8は、封止樹脂7に充填されている無機粉末充填材(例えばシリカ等)の充填量よりも少ない量の無機充填材が充填されている。これにより、樹脂組成物層8の熱膨張率αは、封止樹脂7の熱膨張率αに対してα≧αという関係が成り立つ。また、放熱性を高めるためのヒートシンク4として銅やアルミなどの熱伝導率の高い金属材料を用いる場合、または、実施の形態2の図4に示した金属基板のように銅やアルミなどの金属ベース板9に絶縁シート5を貼りつけて用いる場合、その金属材料の熱膨張率αに対して、α≧α≧αという関係であることが望ましい。
ここで、ヒートサイクル環境下において、温度差ΔTに対して樹脂や金属の伸び量はα×ΔTとなる。パワー半導体装置1の各部材の熱膨張係数の関係をα≧α≧αにすることによって、ヒートサイクル環境下において、パワー半導体装置1の両面(上面、下面に対抗して位置する樹脂組成物層8とヒートシンク4などの金属材料の伸び量を近づけることが可能となり、半導体装置全体の反りを抑えることによって封止樹脂7とヒートシンク4界面に発生する応力を抑えることができる。また、この効果によって、特許文献1で用いられている剥離進展防止となるヒートシンクへの凹部加工構造を不要にでき、低コスト化にもつながる。
パワー半導体装置1の製造方法は、これから述べる方法に限られることはないが、例えば、トランスファーモールドによる樹脂封止を行う成形用の金型10表面(内側)に凸部12(図3参照)を作製しておくことによって、樹脂組成物層8を形成するための封止樹脂7の凹部13が形成できる。成形後の封止樹脂7の凹部13に無機充填材の充填量を制御した硬化前の液状樹脂組成物を、例えばポッティングによって流し込み、封止樹脂7のポストキュア工程と同時に硬化することが可能である。
図3は本発明の実施の形態1によるパワー半導体装置の製造方法例を示す図である。図3(a)に示すように、パワー半導体装置1を成形するための金型10における下側金型11bに絶縁シート5付きの銅箔6を設置する(下部層設置工程)。なお、金型10における上側金型11aは、パワー半導体装置1が成形された後に、下側金型11bとでパワー半導体装置1を挟み込み、図3(b)に示すように、あらかじめ半導体素子2やワイヤ14などを搭載したヒートシンク4と接合したリードフレーム3を絶縁シート5に接するように設置する(リードフレーム設置工程)。図3(c)、(d)、(e)に示すように、下側金型11bとでパワー半導体装置1を挟み込んだ後に、封止樹脂7を流し込む(封止樹脂注入工程)。図3(f)に示すように、パワー半導体装置1の凹部13に、樹脂組成物層8を形成する樹脂組成物を、ポッティングで流し込む(ポッティング工程)。封止樹脂7とポッティングした樹脂組成物を同時に硬化する(樹脂硬化工程)。ポッティング工程と樹脂硬化工程は、樹脂組成物層形成工程である。これらの工程を経て、図3(g)に示すように、トランスファーモールド型のパワー半導体装置1が得られる。
また、成形用の金型10表面の凸部12の形状を工夫しておくことによって、液状樹脂を流し込む空間の形状は平面に限らず自由に空間を設けることが可能となる。リードフレーム3やヒートシンク4、金属ベース板9の形状などによって発生応力が抑えられるように様々な形状で成形することが可能となる。
一般に、パワー半導体装置に用いられる絶縁シートは、無機充填材を高充填する。無機充填材を高充填した絶縁シートは脆くなるので、絶縁シート5に金属箔6を密着させることで、絶縁シート5を保護することができる。
実施の形態1のパワー半導体装置によれば、樹脂組成物層8に用いられる充填材の量が、封止樹脂7に充填されている量よりも少ないことによって、ヒートサイクル環境下の温度差ΔTでの伸び量(変化量)が、樹脂組成物層8>封止樹脂7となることで、パワー半導体装置全体1の反り変化量が抑制され、封止樹脂7とヒートシンク4やリードフレーム3などの界面に発生する応力が低減される。この結果、長期信頼性の向上したパワー半導体装置が得られる。
また、各部材の熱膨張係数αとして、ヒートシンク4や金属ベース板9などの金属材料4(α)≧樹脂組成物層8(α)≧封止樹脂7(α)とすることによって、パワー半導体装置1のほぼ両面に位置する樹脂組成物層8とヒートシンク4や金属ベース板9などの金属材料の温度差ΔTでの変化量が近く、封止樹脂7と金属材料の接着界面の応力発
生が抑えられる。
実施の形態1のパワー半導体装置の製造方法によれば、成形後の封止樹脂7の凹部13に無機充填材の充填量を制御した硬化前の液状樹脂組成物を、ポッティングによって流し込んで樹脂組成物層8を形成する工程(樹脂組成物層形成工程)を有するパワー半導体装置1の製造方法は、一見プロセスが多いように見えるが、パワー半導体装置1の製造を容易にすることができ、歩留まりを高めることができる。硬化した樹脂組成物層をあらかじめ作製しておき、トランスファー成形により封止樹脂で封止する製造方法は、樹脂組成物層の硬化物の位置決めや設置が容易ではない。これに対して、ポッティングによって流し込んで樹脂組成物層8を形成する工程(樹脂組成物層形成工程)を有するパワー半導体装置1の製造方法は、硬化物の位置決めや設置は、封止樹脂7の凹部13にポッティングによって流し込んで、硬化させればよいので、容易に、すなわち手間をかけずに、設計通りの位置に樹脂組成物層8を配置することができる。
なお、樹脂組成物層8に充填される無機充填材の平均粒径を、封止樹脂7に充填される無機充填材の平均粒径よりも大きくしてもよい。樹脂組成物8をポッティングによって形成する製造方法にて製造する際、ポッティングするためには低粘度であることが作業性を容易にする。この樹脂粘度を大きく決定する要因として樹脂に充填される充填材の形状や粒径であり、樹脂が低粘度になる条件は、球状がより好ましく、粒径はより大きいことが好ましい。これによって、樹脂が低粘度となり、製造プロセスにおける作業がより容易となる。
実施の形態2.
また、図4に示すように、ヒートシンク4を有するパワー半導体装置1ばかりではなく、絶縁層5の片面に設けられた金属箔6が厚い金属ベース板9となった金属基板を用いて全体を封止樹脂7によってトランスファーモールドされたパワー半導体装置15にも適用できる。図4は本発明の実施の形態2によるパワー半導体装置を示す断面図である。金属箔6でなく、厚い金属ベース板9とすることによって放熱性をさらに高めることが可能となる。金属ベース板9は、銅やアルミニウムなど特に限定されることはないが、実施の形態1と同様に、封止樹脂7の片面(図において上側)に設ける無機充填材の充填量を少なくした樹脂組成物層8の熱膨張率αは金属ベース板9の熱膨張率αによって範囲を決める(α≧α≧α)ことでヒートサイクル環境下での発生応力を抑えることができる。これにより、これまでモールド型で製造することが難しかった大容量タイプのケース型パワー半導体装置15をトランスファーモールド型で製造することも可能となり、大容量のパワー半導体装置も安価に製造することが可能となる。
実施の形態3.
また、樹脂組成物層8に用いる無機充填材の材料は、シリカだけでなく、例えばアルミナや窒化ホウ素、ガラス繊維などを用いることも可能である。例えば、パワー半導体装置全体から放熱性を高めるために封止樹脂7に充填している溶融シリカの一部をアルミナなどに置き換えることで熱伝導率を向上させた場合、樹脂組成物層8の熱伝導率も高めることで、パワー半導体装置1、15の放熱性が相乗効果となる。また、実施の形態5や実施の形態6に示すパワー半導体装置20、25にも適用できる。
樹脂組成物層8の熱伝導率を高めるための手段として、樹脂組成物層8に用いる無機充填材にアルミナ、窒化ホウ素や窒化アルミニウムの少なくともひとつを溶融シリカと混合して、または単独で用いることが可能である。このとき、樹脂組成物層8の熱膨張率は、用いた無機充填材の熱膨張係数と充填量によって決まるため、熱膨張係数を小さくするためには、非常に熱膨張係数の小さい溶融シリカを混ぜておくことが好ましい。
また、半導体装置の面内方向の強度を高めるための手段として、無機充填材の一部にガラス繊維を混合してもよい。パワー半導体装置1、15、20、25の用いられ方として、部品に固定して使う場合など、パワー半導体表面が高強度であることが求められる場合にはガラス繊維を一部充填することが好ましい。また、内蔵する部材の形状やサイズなどによって、パワー半導体装置全体として熱膨張率に異方性がある場合は、充填材として用いるガラス繊維を面内の一定方向に配向させることで応力を抑制することが好ましい。ガラス繊維を配向させる方法は、例えば、ポッティングによってエポキシ樹脂を流し込む方向を一定とすることで可能となる。
実施の形態3のパワー半導体装置によれば、樹脂組成物層8に用いる無機充填材を選択することによって、熱膨張係数以外にも特性を付与できる。放熱性を付与するためにはアルミナや窒化ホウ素、窒化アルミニウムを充填材として用いることもでき、高弾性を求める場合には、アルミナや窒化アルミニウムを用いることもでき、高強度を求める場合には、ガラス繊維を用いることも可能である。
実施の形態4.
図5は、本発明の実施の形態4によるパワー半導体装置の要部を示す上面からの透視図である。放熱性を担う2つのヒートシンク4a、4bが図5のように半導体装置20の内部に島状に配置されている場合、ヒートシンク4a、4bの形状に合わせて、無機充填材の充填量が少ない樹脂組成物層8a、8bの形状を決めることも可能である。ヒートシンク4a、4bのように厚い金属板がパワー半導体装置の内部で複数存在する場合や、ヒートシンク4が偏在する場合など、図2のようにパワー半導体装置1の表面に全体的に広く樹脂組成物層8を配置するのではなく、図5のように、ヒートシンク4a、4bが存在する部分の投影面を含むように樹脂組成物層8a、8bを配置することが好ましい。このように配置することによって実施の形態4のパワー半導体装置20は、パワー半導体装置の表面に全体的に広く配置することに比べ、ヒートサイクル環境下でのヒートシンク4a、4bが存在する部分に発生する局所的な応力を緩和することが可能となる。
実施の形態5.
図6は、本発明の実施の形態5によるパワー半導体装置の要部を示す上面からの透視図である。縦横の比が大きくなったパワー半導体装置25は、1つのヒートシンク4と、ヒートシンク4の長手方向の端部を覆うように2つの樹脂組成物層8a、8bを有する。パワー半導体装置の形状が図6に示すように、縦横の比が大きくなった場合は長手方向の反りが非常に大きくなる。この場合、図6示すように、無機充填材の充填量が少ない樹脂組成物層8a、8bを図6のように配置することで長手方向の反り低減・応力抑制効果を狙うことが可能である。実験で得られた結果から、ヒートシンクの縦横の比が3対10以下であれば、パワー半導体装置全体1の反り変化量が抑制され、封止樹脂7とヒートシンク4やリードフレーム3などの界面に発生する応力が低減される。また、このような反りを制御したい方向性のあるパワー半導体装置25の場合は、無機充填材としてガラス繊維を用いて樹脂組成物層8a、8bの熱膨張率に異方性を付与してもよい。
実施の形態5のパワー半導体装置25によれば、上面から見たときに、樹脂組成物層8がヒートシンク4の長さよりも長い場合に、その方向の反りが抑えられる。縦横の比が大きく異なり、長手方向に反りやすい場合には、図6に示したような長方形の樹脂組成物を配置することも可能となる。
ここで、高温動作対応の半導体素子は、炭化ケイ素(SiC)以外に、窒化ガリウム系材料又はダイヤモンドを用いることができる。たとえば、スイッチング素子や整流素子として機能する半導体素子2に、炭化ケイ素(SiC)や、窒化ガリウム系材料又はダイヤモンドを用いた場合、従来から用いられてきたケイ素(Si)で形成された素子よりも電
力損失が低いため、電力用半導体装置の高効率化が可能となる。また、耐電圧性が高く、許容電流密度も高いため、電力用半導体装置の小型化が可能となる。さらにワイドバンドギャップ半導体素子は、耐熱性が高いので、高温動作が可能であり、ヒートシンクの放熱フィンの小型化や、水冷部の空冷化も可能となるので、電力用半導体装置の一層の小型化が可能になる。
ワイドバンドギャップ半導体素子の性能を発揮するには、半導体素子2で発生した熱を効率よく放熱する必要がある。そのため、本発明の実施の形態に記載した構造のパワー半導体装置は、放熱特性が優れるとともに、製造時や駆動時の熱サイクル下でも封止樹脂とヒートシンクやリードフレームとの界面剥離の発生が抑制されるので、信頼性の高い半導体装置や半導体モジュールを得ることができる。
以下、実施例により本発明の詳細を説明するが、これらによって本発明が限定されるものではない。図7は樹脂組成物層8を有しない従来構造のパワー半導体装置51における剥離発生箇所を示す図である。図8は、本発明の実施例1乃至4の作成条件及び結果を一覧にして示した図であり、図9は比較例1乃至4の作成条件及び結果を一覧にして示した図である。図10は、本発明の実施例5乃至8の作成条件及び結果を一覧にして示した図であり、図11は比較例5乃至8の作成条件及び結果を一覧にして示した図である。
[実施例1]
実施例を図3のプロセス図に沿って説明する。図3(a)に示すように、パワー半導体装置1を成形するための金型10における下側金型11bに絶縁シート5付きの銅箔6を設置する(下部層設置工程)。絶縁シート5は、例えば、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂に熱伝導性が良好な無機粉末充填材が充填されたものを用いることができる。半導体素子2の発熱をパワー半導体装置1外部に放熱するためには、この絶縁シート5の放熱性が重要となり、放熱性を高めるためには、例えば無機粉末充填材としては、シリカ、アルミナ、窒化ホウ素、窒化アルミニウムなどの熱伝導性の高い充填材を用いることができる。また、ここで設置する絶縁シート5は後のリードフレーム3やヒートシンク4と接着させるため、Bステージ状態と言われる半硬化状態であることが望ましい。絶縁シート5の厚さは、使用環境に必要な絶縁耐圧を確保できる厚さであればよいが、例えば200μm、銅箔6は外装として絶縁シート5の保護ができれば特に厚さを限定することはないが、例えば105μmの電解銅箔を用いることができる。なお、金型10における上側金型11aは便宜上記載しているが、この金型10における上側金型11aは、パワー半導体装置1が成形された後に、下側金型11bとでパワー半導体装置1を挟み込み。
図3(b)に示すように、あらかじめ半導体素子2やワイヤ14などを搭載した厚さ3mmのヒートシンク4と接合したリードフレーム3を絶縁シート5に接するように設置する(リードフレーム設置工程)。ヒートシンク4のサイズは、約15mm×約40mm×約3mm厚である。ヒートシンク4の熱膨張係数αは17ppmであるのを用いた。金型10を型締めし、トランスファーモールド用の封止樹脂7を用いて180℃でトランスファーモールド成形を実施する。トランスファーモールド用の封止樹脂7は、エポキシ樹脂に79.8重量%の溶融シリカを充填したものであり、ガラス転移点(Tg)が170℃、ガラス転移点以下の温度の熱膨張係数α1が14ppmであるものを用いた。
このとき、金型10の構造を工夫しておくことによって、成形後のパワー半導体装置1に封止樹脂7を流し込む空間を設けることが可能となる。金型10の形状によっては形状や深さなど様々に成形することが可能となるが、例えば、上側金型11aに凸部12を設けることで、パワー半導体装置1の銅箔6と反対側の面に深さ1mm深さの凹部13を持ったパワー半導体装置1を成形することができる。図3(c)に示すように、金型10の左側から、封止樹脂7を流し込む(封止樹脂注入工程)。封止樹脂7は、図3(d)を経て、図3(e)のように、金型10の内部に充填される。
樹脂封止され、図3(f)のように凹部成形後のパワー半導体装置1の1mm深さの凹部13の部分に、エポキシ樹脂に溶融シリカが73.4重量%充填され、熱膨張率α1が17ppmであり、室温粘度が20,000mPa・sの液状エポキシ樹脂を約60℃に加温して樹脂粘度を2,300mPa・sとした状態でポッティング成形を実施する。凹部13の部分にポッティングで流し込んだ後、180℃で7時間のポストキュアを実施する(樹脂組成物層形成工程)。図3(g)のように、トランスファーモールド型のパワー半導体装置1が得られる。樹脂組成物層8のサイズは、約18mm×約43mm×約1mm厚である。上からの透視図において、樹脂組成物層8はヒートシンク4の外形から+3mmの外形とした。
これによって得られたパワー半導体装置1は、約42mm×約50mm×約9mm厚のサイズで、銅箔6側に凸となる方向をプラスとして、+10μmの反りであった。また、このパワー半導体装置1を長期信頼性試験のひとつとして、ヒートサイクル試験に投入し、−40℃〜175℃、1000サイクル行った後に、封止樹脂7とヒートシンク4の剥離がないことを超音波探傷装置にて確認を行った。図8に作成条件及び結果を示した。図7に示すような剥離発生箇所59にも他の部分においても剥離がなかった。図7において、52は半導体素子、53はリードフレーム、54はヒートシンク、55は絶縁シート、56は金属箔、57は封止樹脂、58はワイヤである。なお、作成条件及び結果を示した図において、重量%をw%と記載した。
[実施例2]
凹部成形後のパワー半導体装置1の凹部13にポッティングを行う液状エポキシ樹脂の無機充填材として溶融シリカの充填率を77.7重量%にして、熱膨張係数α1を15ppmとしたこと以外は実施例1と同様のプロセスにてパワー半導体装置1を製造した。
図8に示すように、これによって得られたパワー半導体装置1は、実施例1と同サイズで、+70μmの反りであった。また、ヒートサイクル試験も同条件にて1000サイクルで封止樹脂7とヒートシンク4の界面で剥離がないことを確認した。
[比較例1]
凹部成形後のパワー半導体装置1の凹部13にポッティングを行う液状エポキシ樹脂の無機充填材として溶融シリカの充填率を82.0重量%にして、熱膨張係数α1を13ppmとしたこと以外は実施例1と同様のプロセスにてパワー半導体装置1を製造した。ここで、液状樹脂に無機充填材を高充填することで熱膨張係数は小さくすることが可能であるが、高充填とすることで樹脂の粘度も非常に高くなり、流動性が悪くなる。溶融シリカを充填材として用いた場合、85重量%以上の液状エポキシ樹脂は、ポッティング用途としては適していない。
図9に示すように、これによって得られたパワー半導体装置1は、実施例1と同サイズで+230μmの反りであった。反りが100μm以上であると、銅箔6にグリースを塗布してフィンを加圧で接触させた場合、グリースの厚さ分布が発生しやすく、半導体装置としての放熱性が損なわれる可能性がある。また、ヒートサイクル試験は、実施例1と同条件にて100サイクルで封止樹脂7とヒートシンク4の界面で剥離が発生することを確認し、反りが大きいことからもこの構成では応力が大きく剥離に繋がったと考えられる。
[比較例2]
凹部成形後のパワー半導体装置1の凹部13にポッティングを行う液状エポキシ樹脂の
無機充填材として溶融シリカの充填率を69.1重量%にして、熱膨張係数α1を19ppmとしたこと以外は実施例1と同様のプロセスにてパワー半導体装置1を製造した。
図9に示すように、これによって得られたパワー半導体装置1は、実施例1と同サイズで−100μmの反りであり、銅箔面側が凹状に反った形状となった。反りがマイナス側となった結果、銅箔6にグリースを塗布してフィンを加圧で接触させた場合、放熱性が一番重要である半導体装置の中央部でグリース厚が厚い状態となってしまい、半導体装置としての放熱性は好ましい状態ではない。また、ヒートサイクル試験は、実施例1と同条件にて500サイクルで封止樹脂7とヒートシンク4の界面で剥離が発生することを確認した。
[実施例3]
半導体素子2やワイヤ14などは厚さ0.7mm厚のリードフレーム3上に搭載し、ヒートシンク4を用いず、銅箔6の変わりに厚さ4mmの金属アルミベース板を用いて実施例1と同様にパワー半導体装置15を製造した。このとき、アルミニウムの熱膨張係数が24ppmであることから、凹部成形後のパワー半導体装置15の凹部13にポッティングを行う液状エポキシ樹脂の無機充填材として溶融シリカの充填率を60.4重量%にして、熱膨張係数α1を23ppmとした。
これによって得られたパワー半導体装置15は、約42mm×約50mm×約10mm厚のサイズで+5μmの反りであった。また、このパワー半導体装置15を長期信頼性試験のひとつとして、ヒートサイクル試験に投入し、−40℃〜175℃、1000サイクル行った後に、封止樹脂7とヒートシンク4の剥離がないことを超音波探傷装置にて確認を行った。図8に作成条件及び結果を示した。
[実施例4]
凹部成形後のパワー半導体装置15の凹部13にポッティングを行う液状エポキシ樹脂の無機充填材として溶融シリカの充填率を77.7重量%にして、熱膨張係数α1を15ppmとしたこと以外は実施例3と同様のプロセスにてパワー半導体装置15を製造した。
図8に示すように、これによって得られたパワー半導体装置15は、約42mm×約50mm×約10mm厚のサイズで+80μmの反りであった。また、このパワー半導体装置15を長期信頼性試験のひとつとして、ヒートサイクル試験に投入し、−40℃〜175℃、1000サイクル行った後に、封止樹脂7とヒートシンク4の剥離がないことを超音波探傷装置にて確認を行った。
[比較例3]
凹部成形後のパワー半導体装置15の凹部13にポッティングを行う液状エポキシ樹脂の無機充填材として溶融シリカの充填率を82.0重量%にして、熱膨張係数α1を13ppmとしたこと以外は実施例3と同様のプロセスにてパワー半導体装置15を製造した。
図9に示すように、これによって得られたパワー半導体装置15は、実施例3と同サイズで+150μmの反りであった。また、ヒートサイクル試験は、同条件にて100サイクルで封止樹脂7とヒートシンク4の界面で剥離が発生することを確認し、反りが大きいことからもこの構成では応力が大きく剥離に繋がったと考えられる。
[比較例4]
凹部成形後のパワー半導体装置15の凹部13にポッティングを行う液状エポキシ樹脂
の無機充填材として溶融シリカの充填率を49.6重量%にして、熱膨張係数α1を28ppmとしたこと以外は実施例3と同様のプロセスにてパワー半導体装置1を製造した。
図9に示すように、これによって得られたパワー半導体装置15は、実施例3と同サイズで−90μmの反りであり、銅箔面側が凹状に反った形状となった。また、ヒートサイクル試験は、同条件にて500サイクルで封止樹脂7とヒートシンク4の界面で剥離が発生することを確認した。
[実施例5]
図5に示すように、パワー半導体装置20の外形が約42mm×約50mm×約9mm厚に対して、中に約15mm×約40mm×約3mm厚のヒートシンク4a、4bが2箇所に内蔵されており、樹脂組成物層8が熱膨張係数17ppmで上からの透視図において、ヒートシンク4a、4bの外形から+2mmの外形となる約17mm×約42mmで厚さが1mmとしたパワー半導体装置1を製造した。その結果、パッケージの反りは約+15μmであった。また、このパワー半導体装置1を長期信頼性試験のひとつとして、ヒートサイクル試験に投入し、−40℃〜175℃、1000サイクル行った後に、封止樹脂7とヒートシンク4の剥離がないことを超音波探傷装置にて確認を行った。図10に作成条件及び結果を示した。
[実施例6]
樹脂組成物層8の外形をヒートシンク4a、4bの外形から+4mmとなる約19mm×約44としたこと以外は実施例5と同様である。このとき、図10に示すように、パワー半導体装置20の反りは約+5μmであり、ヒートサイクル試験では1000サイクルまで剥離は発生しなかった。
[実施例7]
樹脂組成物層8の外形をヒートシンク4a、4bの外形と同等にしたこと以外は実施例5と同様である。このとき、図10に示すように、パワー半導体装置20の反りは+30μmであり、ヒートサイクルでは1000サイクルまで剥離は発生しなかった。
[比較例5]
樹脂組成物層8の外形をヒートシンク4a、4bの外形から−2mmとなる約13mm×約38としたこと以外は実施例5と同様である。このとき、図11に示すように、パワー半導体装置20の反りは約+120μmであり、100μm以上の反りは前述したように、パワー半導体装置とフィンをグリースにて接触させた場合、グリースの厚さムラが発生しやすく、好ましくない。また、ヒートサイクル試験では100サイクルでは剥離が発生しなかったが、500サイクルの時点で剥離が発生した。
[比較例6]
樹脂組成物層8の外形をヒートシンク4a、4bの外形から−6mmとなる約9mm×約34としたこと以外は実施例5と同様である。このとき、図11に示すように、パワー半導体装置20の反りは約+180μmであった。ヒートサイクル試験では100サイクルの時点で剥離が発生した。
[比較例7]
樹脂組成物層8の外形をヒートシンク4a、4bの外形から−10mmとなる約5mm×約30としたこと以外は実施例5と同様である。このとき、図11に示すように、パワー半導体装置20の反りは約+200μmであった。ヒートサイクル試験では100サイクルの時点で剥離が発生した。
[実施例8]
図6に示すように、長辺と短辺の比が大きいパワー半導体装置25は、厳しいヒートサイクル環境下において、長辺方向での反りが大きくなり、長手方向の熱応力が大きくなる。パワー半導体装置25の外形が約20mm×約50mm×約9mm厚に対して、中に約12mm×40mm×約3mm厚のヒートシンク4が中央に内蔵されており、樹脂組成物8a、8bが熱膨張係数17ppmで外形が、上からの透視図において図5のように2本の細長い形状でそれぞれ約3mm×約44mmで厚さが1mmとしたパワー半導体装置25を製造した。ヒートシンクの縦横の比は3対10である。なお、図10の実施例の表の中には短辺が3mm×2と考え、−6mmと記載している。その結果、パワー半導体装置25の反りは約+40μmであった。また、このパワー半導体装置25を長期信頼性試験のひとつとして、ヒートサイクル試験に投入し、−40℃〜175℃、1000サイクル行った後に、封止樹脂7とヒートシンク4の剥離がないことを超音波探傷装置にて確認を行った。
[比較例8]
樹脂組成物層8a、8bの外形をヒートシンク4の外形から合計で−6mmとなるように、約3mm×約34を図6のように2本配置したこと以外は実施例8と同様である。このとき、図10に示すように、パワー半導体装置25の反りは約180μmであった。ヒートサイクル試験では100サイクルの時点で剥離が発生した。
[実施例9]
パワー半導体装置1の放熱性を高めるために、実施例1の構造をもつパワー半導体装置1において、トランスファーモールド用の封止樹脂7の充填材として溶融シリカの一部をアルミナに置き換えることで、封止樹脂7の熱伝導率が約0.6W/(m・K)から約1.0W/(m・K)とし、パワー半導体装置1を図3のように作製した。これによって、半導体素子2からの放熱性が向上し、動作時の半導体素子2の接合温度(ジャンクション温度)が、120℃から113℃まで低減することを確認した。また、樹脂組成物層8の無機充填材を溶融シリカの一部をアルミナに置き換え、約1.0W/(m・K)とした結果、ジャンクション温度は、113℃から111℃に、約2.0W/(m・K)とした結果、ジャンクション温度は113℃から110℃まで低減することを確認した。
1、15、20、25…パワー半導体装置、2…半導体素子、3…リードフレーム、4、4a、4b…ヒートシンク、5…絶縁シート、6…金属箔、7…封止樹脂、8、8a、8b…樹脂組成物層、9…金属ベース板、13…凹部。

Claims (14)

  1. 半導体素子と、前記半導体素子が搭載されたリードフレームと、前記リードフレームに絶縁シートを介して配置された金属材料とが、無機充填材が充填された封止樹脂で封止されたパワー半導体装置であって、
    前記金属材料は露出しており、前記半導体素子に対して前記金属材料の位置とは反対側である前記封止樹脂の面に、樹脂組成物層が設けられ、前記樹脂組成物層の無機充填材の充填率が封止樹脂の無機充填材の充填率以下であることを特徴とするパワー半導体装置。
  2. 半導体素子と、前記半導体素子が搭載されたリードフレームと、前記リードフレームに絶縁シートを介して配置された金属材料とが、無機充填材が充填された封止樹脂で封止されたパワー半導体装置であって、
    前記リードフレームに接合されたヒートシンクを有し、
    前記半導体素子に対して前記金属材料の位置とは反対側である前記封止樹脂の面に、樹脂組成物層が設けられ、前記樹脂組成物層の無機充填材の充填率が封止樹脂の無機充填材の充填率以下であり、
    前記樹脂組成物層は上面からみた場合、少なくとも1辺が前記ヒートシンクの1辺の長さ以上であることを特徴とするパワー半導体装置。
  3. 前記樹脂組成物層の熱膨張率が、前記封止樹脂の熱膨張率以上、かつ前記ヒートシンクの金属材料の熱膨張率以下であることを特徴とする請求項2記載のパワー半導体装置。
  4. 前記リードフレームに接合されたヒートシンクを有し、
    前記樹脂組成物層の熱膨張率が、前記封止樹脂の熱膨張率以上、かつ前記ヒートシンクの金属材料の熱膨張率以下であることを特徴とする請求項1記載のパワー半導体装置。
  5. 前記樹脂組成物層は上面からみた場合、少なくとも1辺が前記ヒートシンクの1辺の長さ以上であることを特徴とする請求項4記載のパワー半導体装置。
  6. 前記ヒートシンクの縦横の比は上面からみた場合、3対10以下であって、
    前記ヒートシンクの長手方向の端部を覆うように前記樹脂組成物層が2つ配置されたことを特徴とする請求項2乃至5のいずれか1項に記載のパワー半導体装置。
  7. 前記金属材料は金属ベース板であり、
    前記樹脂組成物層の熱膨張率が、前記封止樹脂の熱膨張率以上、かつ前記金属ベース板の金属材料の熱膨張率以下であることを特徴とする請求項1記載のパワー半導体装置。
  8. 前記ヒートシンクは複数個有し、前記樹脂組成物層は前記複数個有することを特徴とした請求項2乃至5のいずれか1項に記載のパワー半導体装置。
  9. 前記樹脂組成物層に充填する無機充填材としてシリカ、アルミナ、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、ガラス繊維の少なくともひとつを用いることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のパワー半導体装置。
  10. 前記樹脂組成物層に充填される前記樹脂組成物層の無機充填材の平均粒径が前記封止樹脂に充填される前記封止樹脂の無機充填材の平均粒径よりも大きいことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載のパワー半導体装置。
  11. 前記樹脂組成物層は、前記半導体素子に対して前記金属材料の位置とは反対側である前記封止樹脂の面に設けられた凹部に形成されたことを特徴とする請求項1乃至10のいずれ
    か1項に記載のパワー半導体装置。
  12. 前記半導体素子がワイドバンドギャップ半導体材料により形成されていることを特徴とする請求項11に記載のパワー半導体装置。
  13. 前記ワイドバンドギャップ半導体材料は、炭化ケイ素、窒化ガリウム、またはダイヤモンドのうちのいずれかであることを特徴とする請求項12に記載のパワー半導体装置。
  14. 一方の面に金属材料が貼り付けられた絶縁シートを配置する下部層設置工程と、前記絶縁シートに半導体素子が搭載されたリードフレームを配置するリードフレーム設置工程と、前記半導体素子と前記リードフレームと前記絶縁シートを封止樹脂で封止する封止樹脂注入工程と、前記半導体素子に対して前記金属材料の位置とは反対側である前記封止樹脂の面に、硬化前の樹脂組成物をポッティングするポッティング工程と、前記封止樹脂とポッティングした前記樹脂組成物を同時に硬化する樹脂硬化工程と、を含むパワー半導体装置の製造方法。
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