JP2015170690A - Ledチップ圧着用熱伝導性複合シート及びその製造方法 - Google Patents

Ledチップ圧着用熱伝導性複合シート及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】効率よく熱を伝えると共に均一に圧力をかけることができるLEDチップ圧着用の熱伝導性複合シートを提供する。
【解決手段】耐熱性樹脂フィルム層12の両面にそれぞれシリコーン層11が積層されてなるLEDチップ圧着用熱伝導性複合シート10であって、該複合シート全体の厚みが100μm以下であり、かつ、シリコーン層11が、(A)式(I)で示されるオルガノポリシロキサン、R1 aSiO(4-a)/2(I)(R1は一価炭化水素基でかつ1分子中の少なくとも2個は脂肪族不飽和基。aは1.95〜2.05の正数)、(B)シリカ、亜鉛華、マグネシア、アルミナ、チタニアから選択される少なくとも1種の金属酸化物、(C−1)白金系触媒、(C−2)オルガノハイドロジェンポリシロキサンを含有するシリコーンゴム組成物の硬化物、である。
【選択図】図1

Description

本発明は、微小なLEDチップを基板に圧着させるときに、熱を伝えると共に均一に圧力をかけることができ、精度よく圧着させることのできるLEDチップ圧着用熱伝導性複合シートに関する。
LEDチップは、ガラスやサファイア(Al23)基板等の上にp型半導体とn型半導体とが接合状態に設けられ、p側電極とn側電極との間を通電することにより、両半導体の間のpn接合面で発光を生じさせるものであり、液晶のバックライト、オーディオ機器のインジケータ、信号機、電光掲示板、自動車等のランプ、電球や蛍光灯に代わる各種照明器具など、光源として用途が広まっている。
このようなLEDチップとして、LEDチップをリードフレームに接続したものがある(特許文献1、特許文献2)。この方法はワイヤボンディングといわれる。
一方、LEDフリップチップ実装といわれる方法がある。チップ表面(回路面)又は回路基板にバンプと呼ばれる突起電極(接続用金属)を設け、バンプを間に介在させてチップを回路基板に対向配置し、チップに超音波振動を印加しつつ熱圧着し、バンプを塑性変形して、チップを回路基板に電気接続させる方法である(特許文献3、特許文献4)。
フリップチップ実装は、ワイヤボンディングに比べて実装面積を小さく出来るためパッケージの小型化が可能になる。また配線が短いために電気的特性が良くなり、高周波回路に向く。更にはチップと基板との間にアンダーフィル材と呼ばれる接着剤(異方性導電ペースト=ACP等)を充填し、バンプ接続部とチップの回路面を保護するため、ワイヤボンディングの場合のようなチップ全体のモールド封止が不要で、パッケージの薄型化と製造工程の簡略化が可能になる、といった特徴がある。
この場合、熱圧着用シートには、効率よく熱を伝えると共に均一に圧力をかけるために、シリコーンゴムに熱伝導性充填材を添加したものを100〜500μmの厚さのシート状に硬化させたものが使用されている(特許文献5)。通常の熱圧着工程では非常に有用であるが、微小なLEDチップ等を圧着させるためには、熱圧着時に引張り方向に対してシートが変形してしまうのに伴い、目的とする箇所とずれて圧着されてしまう場合があった。
一方、引張り方向の変形に強いポリテトラフルオロエチレン(PTFE)や芳香族ポリイミドなどの樹脂フィルムを単独で用いると、圧着時に圧着用ヒートツールから受ける圧力を吸収しきれずに、均一に圧着できない箇所が生じたり、圧着前にチップに当たり、位置がずれてしまうので、目的とする場所とずれて圧着されてしまったりする場合があった。また、樹脂フィルムを単独で用いると、圧着後にフィルムに痕が残ってしまい、同じ箇所を繰返して使用することができない。
熱圧着用シートを複合タイプにすること(特許文献6、特許文献7、特許文献8、特許文献9)も検討されてきた。例えば、ガラスクロスとの積層により、圧着時の引張り方向に対する変形は大きく抑えることができる。しかし、LEDチップの場合、圧着対象部が微小であるが故に、ガラスクロスの網目部分に圧着対象物が入り込んでしまい、均一に圧着できない。またシート自体がカールすると微小な圧着対象部の圧着に適さない(特許文献10)。
また、ポリイミドとの積層においては、ポリイミドフィルムが平滑であるため、両面にシリコーン層を積層させた複合シートを使用すると、圧着対象物を均一に圧着できる。しかしながら、積層するシリコーン層に従来の熱圧着用シートの原料である、熱伝導用充填材にカーボン等が添加されたものを用いると、LEDチップのような微小な圧着対象物の表面或いはその周辺に、付着物が観察されることがある。付着物は、熱圧着用シートの成分、特に充填材や有機過酸化物の分解残渣がシートから脱離して、圧着対象物の表面或いはその周辺に付着することがある。LEDチップに付着物があると、LEDの輝度が低下し、品質低下の直接的原因となり得る。
特開2008−192929号公報 特許第4876426号公報 特開2004−356129号公報 特許第4423166号公報 特許第3078155号公報 特許第4301468号公報 特許第3902558号公報 特許第3244187号公報 特許第3041213号公報 特開2013−256068号公報
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、微小なLEDチップを圧着させるときに、目的とする圧着箇所とのずれが無く、圧着対象物に対する付着物等の汚れも無く、効率よく熱を伝えると共に均一に圧力をかけることができるLEDチップ圧着用の熱伝導性複合シートを提供することを目的とするものである。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、耐熱性樹脂フィルムの両面にそれぞれ後述するシリコーンゴム組成物の硬化物からなるシリコーン層を積層すると共に、全体の厚さを100μm以下にすることが必要であることを知見した。
即ち、特許文献6では、耐熱熱伝導性シリコーンゴム複合シートについて言及されているが、複合シートとしての全体の厚さが0.1〜100mmの範囲を想定している。本発明の実施例等で具体的に例示するが、微小チップ等を圧着させるためには、特に圧着精度が向上することから、複合シートとしての全体の厚さが0.1mm(=100μm)より薄い方が好ましいことが、本発明により明確にされたものである。
従って、本発明は下記の複合シート及びその製造方法を提供する。
〔1〕
耐熱性樹脂フィルムの両面にそれぞれシリコーン層が積層されてなるLEDチップ圧着用熱伝導性複合シートであって、該複合シート全体の厚みが100μm以下であり、かつ、シリコーン層が、
(A)下記平均組成式(I)で示される、平均重合度が100以上のオルガノポリシロキサン:100質量部、
1 aSiO(4-a)/2 (I)
(式中、R1は同一又は異種の非置換又は置換一価炭化水素基であり、かつ1分子中の少なくとも2個は脂肪族不飽和基である。aは1.95〜2.05の正数である。)
(B)シリカ、亜鉛華、マグネシア、アルミナ、チタニアから選択される少なくとも1種の金属酸化物:10〜1,000質量部、
(C−1)白金系触媒:有効量、
(C−2)1分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合した水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:0.1〜20質量部
を含有するシリコーンゴム組成物の硬化物であることを特徴とするLEDチップ圧着用熱伝導性複合シート。
〔2〕
前記耐熱性樹脂フィルムが、芳香族ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルイミド、ポリエチレンナフタレート、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体から選ばれる少なくとも1種からなり、厚さが50μm以下であることを特徴とする〔1〕記載のLEDチップ圧着用熱伝導性複合シート。
〔3〕
耐熱性樹脂フィルムの厚さが5〜50μmであり、両面のシリコーン層の厚さがそれぞれ10〜40μmである〔1〕又は〔2〕記載のLEDチップ圧着用熱伝導性複合シート。
〔4〕
耐熱性樹脂フィルムに、溶剤で希釈した〔1〕記載のシリコーンゴム組成物を、溶剤が揮発した時の厚さが各々10〜40μm、両面のシリコーン層の厚さの差が10μm以下になるようにコーティングすることを特徴とする〔1〕又は〔2〕記載のLEDチップ圧着用熱伝導性複合シートの製造方法。
〔5〕
前記シリコーンゴム組成物を希釈する溶媒がトルエン又はキシレンであり、その希釈量は、シリコーンゴム組成物を100質量部とした時に50〜500質量部である〔4〕記載のLEDチップ圧着用熱伝導性複合シートの製造方法。
〔6〕
シリコーンゴム組成物の溶媒希釈液の粘度が25℃において3〜30Pa・sである〔4〕又は〔5〕記載のLEDチップ圧着用熱伝導性複合シートの製造方法。
本発明のLEDチップ圧着用熱伝導性複合シートは、熱を伝えると共に均一に圧力をかけることができ、微小なLEDチップを基板に圧着させるときに、LEDチップ本体及びチップ周辺を汚染することなく、精度よく圧着させることができる。
本発明の熱圧着用熱伝導性複合シートの概略断面図である。 LEDチップの概略断面図である。 LEDチップを熱圧着用複合シートを用いて圧着する工程の概略断面図である。 LEDチップを熱圧着用複合シートを用いて圧着する工程において、良好に熱圧着出来ている場合のモデル図である。 LEDチップを熱圧着用複合シートを用いて圧着する工程において、良好に熱圧着出来ていない場合のモデル図である。
以下、本発明について、詳細に説明する。
本発明のLEDチップ圧着用熱伝導性複合シートは、耐熱性樹脂フィルムの両面にシリコーン層が積層されてなる複合シートである。
積層するシリコーン層は、下記の(A),(B),(C)成分を必須の成分とするシリコーンゴム組成物の硬化物である。
(A)下記平均組成式(I)で示される、平均重合度が100以上のオルガノポリシロキサン、
1 aSiO(4-a)/2 (I)
(式中、R1は同一又は異種の非置換又は置換一価炭化水素基であり、かつ1分子中の少なくとも2個は脂肪族不飽和基であり、aは1.95〜2.05の正数である。)
(B)ケイ素、亜鉛、マグネシウム、アルミニウム、チタンから選択される少なくとも1種の金属酸化物、
(C)硬化剤。
(A)成分のオルガノポリシロキサンは、1種単独でも、粘度や平均重合度や組成が異なる2種以上を組み合わせても使用することができる。
本発明におけるオルガノポリシロキサンとしては、平均重合度100以上のビニル基を2個以上有するジオルガノポリシロキサンが好ましく、平均組成式(I)において、R1は同一又は異種の非置換又は置換一価炭化水素基を表し、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基等のシクロアルキル基、ビニル基、アリル基等のアルケニル基、フェニル基、トリル基等のアリール基或いはこれらの水素原子が部分的に塩素原子、フッ素原子等で置換されたハロゲン化炭化水素基等が例示される。R1の0.001〜5モル%、特に0.01〜1モル%がアルケニル基であることが好ましい。
一般的には、オルガノポリシロキサンの主鎖が、ジメチルポリシロキサン単位からなるもの或いはこのオルガノポリシロキサンの主鎖にビニル基、フェニル基、トリフルオロプロピル基等を導入したものが好ましい。また、分子鎖末端はトリオルガノシリル基又は水酸基で封鎖されたものであればよい。トリオルガノシリル基としては、トリメチルシリル基、ジメチルビニルシリル基、トリビニルシリル基等が例示される。平均重合度は100以上であり、好ましくは200〜6,000、更に好ましくは1,000〜6,000である。平均重合度が100未満の場合、硬化後の機械的強度が劣り、脆くなる。なお、平均重合度はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算値である。
(B)成分は、具体的には酸化ケイ素(シリカ)、酸化亜鉛(亜鉛華)、酸化マグネシウム(マグネシア)、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化チタン(チタニア)から選択される少なくとも1種であり、補強性或いは熱伝導性付与を目的として添加される。
特にシリカは、他の合成ゴムに比べて非常に強度が弱いオルガノポリシロキサンに添加することによって、機械的強度を向上させることができる。シリカはBET法比表面積が50m2/g以上、特に100〜400m2/gであることが好ましい。煙霧質シリカ(乾式シリカ)、沈降シリカ(湿式シリカ)等が例示され、特に不純物の少ない煙霧質シリカ(乾式シリカ)が好ましい。また、シリカ表面をオルガノポリシロキサン、オルガノシラン、クロロシラン、アルコキシシラン等で疎水化処理を行なってもよい。市販品としては、アエロジル200、アエロジル300、アエロジルR972(いずれも日本アエロジル(株)製)等が例示される。
このシリカの添加量は特に制限されるものではないが、オルガノポリシロキサン100質量部に対して、5〜80質量部が好ましく、更に好ましくは5〜50質量部である。5質量部未満では充分な補強効果が得られないおそれがあり、80質量部より多くすると成形加工性が悪くなる場合がある。
また、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化チタンは、熱伝導性付与を目的として添加される。本発明では、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化アルミニウムの粉末を添加することによって複合シート表面にタック感が生じにくくなり、微小チップを精度よく圧着できる効果が発現することを見出した。タックの有無はシート表面同士を重ね合わせ、シートが横方向にスムーズにずれるかどうかで確認した。
酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化チタンの添加は、(A)成分のオルガノポリシロキサンに添加してコンパウンド或いはマスターバッチにしてもよいし、粉状のまま直接シリコーンゴム組成物に添加してもよい。平均粒径は1〜50μmが好ましく、1〜30μmがより好ましい。平均粒径が50μmを超えるとシートの平滑性が損なわれ、熱圧着に均一に圧力を伝達できなくなるおそれがある。1μm未満では、添加後のゴム組成物の粘度或いは可塑度が上昇しやすく、成形加工性が悪くなる場合がある。なお、平均粒径はレーザー光回折法による粒度分布測定における質量平均値D50として測定した値である。
(B)成分の全添加量は、(A)成分のオルガノポリシロキサン100質量部に対して、10〜1,000質量部であり、より好ましくは15〜800質量部、更に好ましくは20〜700質量部である。10質量部未満では、熱伝導性付与やシート表面のタック感の低減に対して充分な効果が得られないおそれがあり、1,000質量部より多くすると成形加工性が悪くなる場合がある。
金属酸化物の市販品として、導電性亜鉛華(本荘ケミカル(株)製酸化亜鉛)、AL−24(昭和電工(株)製酸化アルミニウム)、LS−210BS(日本軽金属(株)製酸化アルミニウム)、AX10−32R((株)マイクロン製酸化アルミニウム)、MSRシリーズ((株)龍森製シリカ)、P−25(日本アエロジル(株)製酸化チタン)、タイペークR−820(石原産業(株)製酸化チタン)等が例示される。
(C)成分の硬化剤は、ヒドロシリル化反応による付加反応硬化剤である。付加反応硬化剤としては、(C−1)白金系触媒及び(C−2)1分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合した水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンからなる、ヒドロシリル化反応によって硬化させることのできる組み合わせが用いられる。
これらの添加量は、通常のシリコーンゴムの場合と同様にすればよいが、(A)成分の少なくとも2個のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン100質量部に対して、(C−1)成分は1〜2,000ppmとなる量、より好ましくは1〜100ppmとなる量が好ましい。なお、白金系触媒を更に難燃性付与のために用いる場合は、多く配合してもよい。また、(C−2)成分の量は0.1〜20質量部であるが、SiH基の量が、(A)成分のアルケニル基の量に対して、0.5〜5モル%となる量、より好ましくは0.5〜2モル%となる量が好ましい。
本発明においては、このシリコーンゴム組成物に酸化セリウム粉末或いは酸化鉄粉末を添加することにより、更に耐熱性を向上させることができる。この添加量は(A)成分100質量部に対して、0.1〜5質量部の範囲が好ましい。5質量部を超えて添加しても、耐熱性は向上しない。
本発明で使用されるシリコーンゴム組成物には、必要に応じてクレイ、炭酸カルシウム、珪藻土等の充填材、低分子シロキサンエステル、シラノール基含有低分子シロキサン等の分散剤、シランカップリング剤、チタンカップリング剤等の接着付与剤、ゴムコンパウンドのグリーン強度を上げるテトラフルオロポリエチレン粒子等を添加してもよい。なお、本発明に用いるシリコーンゴム組成物の配合は、上記成分を2本ロール、ニーダー、バンバリーミキサー、プラネタリーミキサー等の混合機を用いて混練りすればよい。硬化剤は使用する直前が好ましいが、少なくとも溶剤分散を行なう前に添加するのが好ましい。
耐熱性樹脂フィルムは、本発明の熱伝導性複合シートが、300℃付近或いはそれ以上の温度で使用されるため、高温において機械的強度及び離型性等に優れている必要がある。従って、ガラス転移点が200℃以上である、芳香族ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアミド(特に芳香族ポリアミド)、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルイミド、ポリエチレンナフタレート等の樹脂フィルム、融点が300℃以上のポリテトラフルオロエチレン(PTFE)或いはテトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)等のフッ素樹脂フィルムが利用できる。
これらの市販品としては、芳香族ポリイミドとして市販されているカプトン(東レデュポン(株)製)、アピカル((株)カネカ製)、ユーピレックス(宇部興産(株)製)、芳香族ポリアミドとして市販されているアラミカ(旭化成(株)製)、フッ素樹脂として市販されているテフロン(登録商標)(デュポン製)、ニトフロン(日東電工(株)製)等がある。
更に、カーボンブラックを配合することにより電気伝導性を付与した耐熱性樹脂フィルムを使用したり、或いは酸化アルミニウムや酸化マグネシウム等の熱伝導性粉末を配合することにより熱伝導性を付与した耐熱性樹脂フィルムを利用したりすることもできる。熱伝導性を付与した耐熱性樹脂フィルムとしては、カプトンMT(商品名、東レデュポン(株)製)が市販されている。
本発明で使用する耐熱性フィルムの厚さは5〜50μmの範囲であることが好ましく、15〜50μmの範囲であることがより好ましい。厚さが薄すぎるとフィルム自体の機械的強度が小さいため、シート成形時或いは圧着シートとしての使用中に破断したり、フィルム自体の取扱い性が悪く、シート成形時にシワがよってしまい、きれいに成形できなかったりすることがある。また厚すぎると、熱の伝わり方が悪くなり熱圧着が不十分になったり、圧着後にシートに圧着痕が残り、繰返し使用できなくなったりする。
本発明のLEDチップ圧着用熱伝導性複合シート10の形態は、図1で示すように、耐熱性樹脂フィルム層12の両面にそれぞれシリコーン層11,11が積層された複合シートである。複合シートではなく、シリコーンゴム単層による熱圧着シートの場合、圧着時の応力に追従して伸びてしまうため、微小チップも伸びた状態に合わせて位置がずれてしまい、好ましくない。複合シートは耐熱性樹脂フィルムが伸びないので、全体として伸びないため、圧着時に位置がずれることが非常に少なくなる。
また、耐熱性樹脂フィルムの片面にシリコーン層を積層する場合、成形時に加熱することから、カールが発生してしまい、微小なチップを精度よく圧着させるのに適さない。
複合シート全体の厚さは100μm以下であり、好ましくは50〜90μmである。耐熱性フィルムの厚さが厚すぎる場合、複合シート全体の厚さを100μm以下に成形することが困難になることからも、耐熱性フィルムの厚さの上限は50μmが好ましい。
複合シート全体の厚さが100μmを超える場合の問題点について、図2〜図4を用いて示す。図2は本発明の圧着シートを用いて圧着される微小チップの一例である。ガラスやサファイアを素材としてなる基板21の上に異方性導電ペースト23を介在させてLEDチップ22を接合させる。このときLEDチップ22の高さHは100μm程度である。また、LEDチップ22の1辺の長さLは100〜300μm程度である。LEDチップ同士の間隔SとLEDチップ22の1辺の長さLとは、発光効率やコストの面から通常S>Lの関係がある。基板21の上に接合されるLEDチップは100個程度搭載され、LEDチップ基板小ユニット20を形成する。
更に図3に示すように、LEDチップ基板大ユニット30の上にLEDチップ基板小ユニット20が複数個、具体的には6〜16個程度が搭載される。圧着装置の接合ステージ40の上で、ヒートツール50からの熱(通常250〜400℃の範囲)を、熱圧着用複合シート(LEDチップ圧着用熱伝導性複合シート)10を介在させることで伝えると共に、熱圧着用シリコーン複合シート10は圧力をチップ側に均一に伝達する役目も担う。図2、図3に示すように、LEDチップ22は600〜1,600個程度が同時に圧着されることになるため、圧着位置に対して厳しい精度が要求される。
LEDチップを、熱圧着用複合シートを用いて圧着する工程において、良好に熱圧着出来ている場合のモデル図を図4に示す。一方、図5は良好に熱圧着出来ていない場合である。熱圧着用複合シート10が微小チップの基板からの高さHより厚いと、熱圧着用基板の圧着時にシート10が基板21に接触してしまい、圧力の伝達が不十分になり圧着がうまくいかなかったり、ヒートツール50からの熱が、チップを介さずに直接基板21に伝わるため、基板21が過熱されて破損したりするおそれがある。また、熱圧着がうまくいかなかった時に、熱圧着後に微小なLEDチップ22がシート表面に一時的に貼り付き、圧着直後に目的とする位置からμオーダーでのズレを生じてしまう場合もある。これに対し、複合シート10の厚さ100μm以下であれば、図4に示したように、チップの基板からの高さHよりも小さいため、基板に複合シートが接触する可能性は大幅に低減する。
前記シリコーンゴム組成物を有機溶媒で希釈したのち、耐熱性樹脂フィルムにコーティングすることによって複合シートとすることが好ましい。溶媒としては、オルガノポリシロキサンを溶解させる有機溶媒であれば特に限定されないが、トルエン又はキシレンが好ましい。その希釈量はシリコーンゴム組成物を100質量部としたときに30〜500質量部の範囲が好ましい。濃度を決める要因は溶液の粘度であり、その粘度範囲はコーティング装置に依存する。粘度範囲を決定する要因は、積層させたときのシリコーン層(=塗膜)の厚さである。例えば、コンマコーター((株)ヒラノテクシード製)でコーティングを行なう時に3〜30Pa・sに調整した場合、10〜40μmの範囲で塗膜の厚さを管理できる。
従って、シリコーンゴム組成物の有機溶媒希釈液の粘度は、回転粘度計で測定した25℃の粘度を3〜30Pa・sとすることが好ましい。
塗膜の厚さが厚すぎると、本発明においては、微小なLEDチップを圧着させるため、基板の圧着時にシートが基板に接触してしまい、圧力の伝達が不十分になり圧着がうまくいかなかったり、ヒートツールからの熱が、チップを介さずに直接基板に伝わるため、基板が過熱されて破損したりするおそれがあり、また、塗膜の厚さが薄すぎると、シートによる圧力の緩衝効果が減少してしまい、ヒートツールからの圧力によって基板が破損してしまうおそれがある。
耐熱性樹脂フィルムの両面に、それぞれシリコーン層を10〜40μmの範囲で塗膜させるが、両面のシリコーン層の厚さの差は10μm以下であることが好ましい。厚さの差が10μmを超えると、複合シートがカールしやすくなり、熱圧着シートとして、均一に圧着出来なくなる等の不都合が生じる。
複合シートを成形する方法としては、硬化剤までを配合したシリコーンゴム組成物をカレンダー或いは押出し機で所定の厚さに分出ししてから加熱硬化させる方法、液状のシリコーンゴム組成物或いはトルエン、キシレン等の有機溶剤に溶解して液状化したシリコーンゴム組成物を、キャリアフィルム上にコーティングしてから硬化させ、次いでフィルムから剥離する方法等が挙げられるが、本発明では、複合シート全体の厚さは100μm以下であるため、シリコーン層片面の厚さの上限が40μm以下に制限されてしまい、カレンダー或いは押出し機で所定の厚さに分出しする方法は適さない。液状のシリコーンゴム組成物をコーティングする方法は、シリコーン層に所望の強度を持たせようとすると、粘度が高くなり、結果的に塗膜が厚くなってしまうので望ましくない。したがって、トルエン、キシレン等の有機溶剤に溶解して液状化したシリコーンゴム組成物(塗工液)をコーティングする方法が好ましい。なお、ここでの所望の強度とは、コーティングされた層が、指で擦って剥がれたり、圧着時に破壊したりしないことを示す。
耐熱性樹脂フィルムにシリコーン組成物溶液をコーティングさせる方法は、ブレードコーター、ナイフコーター、リバースロールコーター、グラビアコーター、スプレーコーター等がある。本発明には、ブレードコーター、ナイフコーター等が好ましい。
コーティングには、耐熱性樹脂フィルムとシリコーン層とが接着しやすいように、耐熱性樹脂フィルムに接着剤処理やプラズマ処理を予め実施したものを用いるのが好ましい。
このように、シリコーンゴム組成物を塗工した後は、塗膜を乾燥し、100〜150℃で10〜30分間加熱硬化することにより、複合シートを得ることができる。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
(シリコーンゴムコンパウンドの製造)
ジメチルシロキサン単位((CH32SiO2/2)99.675モル%、メチルビニルシロキサン単位((CH2=CH)(CH3)SiO2/2)0.30モル%、ジメチルビニルシロキシ単位((CH2=CH)(CH3)SiO1/2)0.025モル%からなり、平均重合度が約6,000であるオルガノポリシロキサン100質量部、BET比表面積200m2/gの乾式シリカ37質量部、分散剤としてケイ素原子に水酸基が結合した平均重合度が約10であるオルガノポリシロキサン7質量部を添加し、ニーダーにて混練りし、170℃にて2時間加熱処理をしてコンパウンドAを得た。
また、ジメチルシロキサン単位((CH32SiO2/2)99.975モル%、ジメチルビニルシロキシ単位((CH2=CH)(CH3)SiO1/2)0.025モル%からなり、平均重合度が約6,000であるオルガノポリシロキサン80質量部、ジメチルシロキサン単位((CH32SiO2/2)99.875モル%、ジメチルビニルシロキシ単位((CH2=CH)(CH3)SiO1/2)0.125モル%からなり、平均重合度が約1,000であるオルガノポリシロキサン20質量部、平均粒径3μmのアルミナ(商品名AL−24、昭和電工(株)製)600質量部、水酸化アルミニウム(商品名ハイジライト、昭和電工(株)製)60質量部、酸化チタン(商品名P−25、日本アエロジル(株)製)12質量部を添加し、ニーダーにて混練りしてコンパウンドBを得た。
[実施例1]
上記製造方法により得たコンパウンドAに加硫剤としてC−19A(白金系触媒)(信越化学工業(株)製)3.0質量部、耐熱助剤としてKE−P−12(酸化セリウム)(信越化学工業(株)製)2.0質量部を添加した組成物をトルエン200質量部に溶解させて組成物1Aを得た。また、コンパウンドAに加硫剤としてC−19B(オルガノハイドロジェンシロキサン)(信越化学工業(株)製)5.0質量部を添加した組成物をトルエン200質量部に溶解させて組成物1Bを得た。
得られた組成物1A及び1Bを等量ずつ加えて、均一に分散させて塗工液1を得た。塗工液1を基材として260mm幅のポリイミドフィルム(商品名カプトン100V、25μm厚(東レデュポン(株)製))の上にコンマコーター(前出)を用いて塗工した。ドライの塗膜厚が27μmになるようにギャップを調整し、最初に片面に線速0.2m/min.,加硫ラインの設定温度を最大130℃とした。続いて、塗工しなかった片面に、最初の片面と同条件で塗工して、全体の厚さが80μmの複合シリコーンシート1を得た。
[実施例2]
コンパウンドA70質量部とコンパウンドB30質量部をブレンドさせたものを用いて、実施例1と同様の方法で塗工液2を得た。塗工液2を基材として260mm幅のポリイミドフィルム(商品名カプトン100V、25μm厚(東レデュポン(株)製))の上に実施例1と同様に塗工を行い、全体の厚さが80μmの複合シリコーンシート2を得た。
[実施例3]
コンパウンドA50質量部とコンパウンドB50質量部をブレンドさせたものを用いて、実施例1と同様の方法で塗工液3を得た。塗工液3を基材として260mm幅のポリイミドフィルム(商品名カプトン100V、25μm厚(東レデュポン(株)製))の上に実施例1と同様に塗工を行い、全体の厚さが80μmの複合シリコーンシート3を得た。
[実施例4]
コンパウンドA70質量部とコンパウンドB30質量部をブレンドさせたものを用いて、実施例2と同様の方法で塗工液2を得た。塗工液2を基材として260mm幅のポリイミドフィルム(商品名カプトン100V、25μm厚(東レデュポン(株)製))の上に塗膜の調整を行なった以外は実施例1と同様に塗工を行い、全体の厚さが60μmの複合シリコーンシート4を得た。
[比較例1]
コンパウンドAに加硫剤C−23N(過酸化物系加硫剤)(信越化学工業(株)製)1.5質量部を添加した組成物をトルエン200質量部に溶解させて塗工液4を得た。塗工液4を基材として260mm幅のポリイミドフィルム(商品名カプトン100V、25μm厚(東レデュポン(株)製))の上に塗膜の調整を行なった以外は実施例1と同様に塗工を行い、全体の厚さが110μmの複合シリコーンシート5を得た。
[比較例2]
コンパウンドBに加硫剤C−23N(過酸化物系加硫剤)(信越化学工業(株)製)1.5質量部を添加した組成物をトルエン50質量部に溶解させて塗工液5を得た。塗工液5を基材として260mm幅のポリイミドフィルム(商品名カプトン100V、25μm厚(東レデュポン(株)製))の上に比較例1と同様に塗工を行い、全体の厚さが110μmの複合シリコーンシート6を得た。
[比較例3]
上記製造方法により得たコンパウンドBに加硫剤としてC−19A(白金系触媒)(信越化学工業(株)製)3.0質量部、耐熱助剤としてKE−P−12(酸化セリウム)(信越化学工業(株)製)2.0質量部を添加した組成物をトルエン50質量部に溶解させて組成物6Aを得た。また、コンパウンドBに加硫剤としてC−19B(オルガノハイドロジェンシロキサン)(信越化学工業(株)製)5.0質量部を添加した組成物をトルエン50質量部に溶解させて組成物6Bを得た。
得られた組成物6A及び6Bを等量ずつ加えて、均一に分散させて塗工液6を得た。塗工液6を、基材として260mm幅のポリイミドフィルム(商品名カプトン100V、25μm厚(東レデュポン(株)製))の上に比較例1と同様に塗工を行い、全体の厚さが110μmの複合シリコーンシート7を得た。
[比較例4]
PTFE(=ポリテトラフルオロエチレン)フィルム(商品名テフロン(登録商標)、80μm厚)を複合シリコーンシートの代わりに用いた。
[評価方法]
耐熱熱伝導性複合シートとしての評価は以下の試験機を用いて行なった。
試験機A:大崎エンジニアリング(株)製の熱圧評価試験機。用いた加圧用の鋼製ヒートツールの圧着部形状は10mm×30mmであった。
試験機B:(株)大橋製作所製の本圧着装置CBM−16を用いた加圧用の鋼製ヒートツールの圧着部形状は1mm×40mmであった。
設定温度、圧着時間、圧着部にかかる圧力、圧着回数は、それぞれの試験ごとに設定した。
(伝熱性)
熱圧着用シートとして、効率よく熱を伝えることができるかどうかを判定する。試験機Aのヒートツールの設定温度を300℃、圧着時間を20秒間、圧着部にかかる圧力を4MPa、圧着回数1回とした。熱電対を用いてシートを通して伝わる温度を測定し、5秒後に200〜240℃の範囲に到達するものを○、前記範囲外のものを×とした。
(圧着後のシートへの圧着痕の有無)
熱圧着用シートとして、均一に圧力を伝えることができるかどうか、また繰返し使用の可否を判定する。試験機Bのヒートツールの設定温度を350℃、圧着時間を10秒間、圧着部にかかる圧力を4MPaとした。圧着回数は0回、1回、2回、3回とした。
上記シート圧着部を、感圧紙を下に置いて、シートの圧着痕が感圧紙に転写されるかどうかで、繰返し使用可能かどうかを判定する。試験機Aのヒートツールの設定温度を30℃、圧着時間を10秒間、圧着部にかかる圧力を3MPa、圧着回数を1回とした。
圧着痕が感圧紙に転写されていなければ○、転写されていれば×とした。
(厚さ変化)
熱圧着用シートが繰返し使用可能かどうかの目安として、シートを繰返し圧着した後の厚さ変化を測定した。試験機Aのヒートツールの設定温度を300℃、圧着時間を10秒間、圧着部にかかる圧力を3MPa、圧着回数10回とした。
(厚さ変化の計算式)
(厚さ変化)(%)=[((初期厚さ)−(試験後の厚さ))/(初期厚さ)]×100
(付着物の有無)
シートの下に未使用のガラスを置き、シート成分に由来する汚れがガラス表面に移行するかどうかを観察して、付着物の有無の判定とする。試験機Aのヒートツールの設定温度を300℃、圧着時間を10秒間、圧着部にかかる圧力を3MPaとした。圧着回数は1回、10回、30回とした。ガラス表面への移行が目視で確認できないものを○、部分的に汚れが観察されるものを△、圧着部全体に汚れが観察されるものを×とした。
また、(株)大橋製作所にて、LEDフリップチップ基板での圧着試験を実施し、チップ1個に目立った付着物が観察されなかったか、或いは小さな付着物があってもその割合が10%未満のものを○、小さな付着物が10%を超えたものを△、大きな付着物が観察されたものを×とした。
(チップ圧着性)
(株)大橋製作所にて、上記試験を行った際に、基板の圧着に不具合が生じなかったものを○、不具合が生じたものを×とした。本試験にて微小なチップ圧着の可否の判定とした。不具合の具体的事例としては、目標とする微小チップの圧着箇所において、圧着されるチップの平均位置を算出し、チップの大きさの10%以上位置がずれて圧着されなければ○、10%以上位置がずれていれば×とした。また、チップを圧着する基板に破損が生じる場合も×とした。
(判定)
上記試験の結果を表1及び表2に記した。本発明に適していると判断されるものをOK、不適と判断されるものをNGとした。
Figure 2015170690
Figure 2015170690
10 圧着用熱伝導性複合シート
11 シリコーン層
12 耐熱性樹脂フィルム層
20 LEDチップ基板小ユニット
21 LEDチップ基板
22 LEDチップ
H LEDチップの高さ
L LEDチップの1辺の長さ
23 異方性導電ペースト(ACP)
S LEDチップ同士の間隔
30 LEDチップ基板大ユニット
40 圧着装置の接合ステージ
50 ヒートツール
従って、本発明は下記の複合シート及びその製造方法を提供する。
〔1〕
耐熱性樹脂フィルムの両面にそれぞれシリコーン層が積層されてなるLEDチップ圧着用熱伝導性複合シートであって、該複合シート全体の厚みが100μm以下であり、かつ、シリコーン層が、
(A)下記平均組成式(I)で示される、平均重合度が100以上のオルガノポリシロキサン:100質量部、
1 aSiO(4-a)/2 (I)
(式中、R1は同一又は異種の非置換又は置換一価炭化水素基であり、かつ1分子中の少なくとも2個は脂肪族不飽和基である。aは1.95〜2.05の正数である。)
(B)シリカ、亜鉛華、マグネシア、アルミナ、チタニアから選択される少なくとも1種の金属酸化物:10〜1,000質量部、
(C−1)白金系触媒:有効量、
(C−2)1分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合した水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:0.1〜20質量部
を含有するシリコーンゴム組成物の硬化物であることを特徴とするLEDチップ圧着用熱伝導性複合シート。
〔2〕
(B)成分において、シリカの添加量が(A)成分のオルガノポリシロキサン100質量部に対して5〜80質量部である〔1〕記載のLEDチップ圧着用熱伝導性複合シート。
〔3〕
(B)成分が、シリカと、亜鉛華、マグネシア、アルミナ、チタニアから選択される少なくとも1種の金属酸化物との混合物である〔2〕記載のLEDチップ圧着用熱伝導性複合シート。

前記耐熱性樹脂フィルムが、芳香族ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルイミド、ポリエチレンナフタレート、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体から選ばれる少なくとも1種からなり、厚さが50μm以下であることを特徴とする〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載のLEDチップ圧着用熱伝導性複合シート。

耐熱性樹脂フィルムの厚さが5〜50μmであり、両面のシリコーン層の厚さがそれぞれ10〜40μmである〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載のLEDチップ圧着用熱伝導性複合シート。

耐熱性樹脂フィルムに、溶剤で希釈した〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載のシリコーンゴム組成物を、溶剤が揮発した時の厚さが各々10〜40μm、両面のシリコーン層の厚さの差が10μm以下になるようにコーティングすることを特徴とする〔1〕記載のLEDチップ圧着用熱伝導性複合シートの製造方法。

前記シリコーンゴム組成物を希釈する溶媒がトルエン又はキシレンであり、その希釈量は、シリコーンゴム組成物を100質量部とした時に50〜500質量部である〔〕記載のLEDチップ圧着用熱伝導性複合シートの製造方法。

シリコーンゴム組成物の溶媒希釈液の粘度が25℃において3〜30Pa・sである〔〕又は〔〕記載のLEDチップ圧着用熱伝導性複合シートの製造方法。

Claims (6)

  1. 耐熱性樹脂フィルムの両面にそれぞれシリコーン層が積層されてなるLEDチップ圧着用熱伝導性複合シートであって、該複合シート全体の厚みが100μm以下であり、かつ、シリコーン層が、
    (A)下記平均組成式(I)で示される、平均重合度が100以上のオルガノポリシロキサン:100質量部、
    1 aSiO(4-a)/2 (I)
    (式中、R1は同一又は異種の非置換又は置換一価炭化水素基であり、かつ1分子中の少なくとも2個は脂肪族不飽和基である。aは1.95〜2.05の正数である。)
    (B)シリカ、亜鉛華、マグネシア、アルミナ、チタニアから選択される少なくとも1種の金属酸化物:10〜1,000質量部、
    (C−1)白金系触媒:有効量、
    (C−2)1分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合した水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:0.1〜20質量部
    を含有するシリコーンゴム組成物の硬化物であることを特徴とするLEDチップ圧着用熱伝導性複合シート。
  2. 前記耐熱性樹脂フィルムが、芳香族ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルイミド、ポリエチレンナフタレート、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体から選ばれる少なくとも1種からなり、厚さが50μm以下であることを特徴とする請求項1記載のLEDチップ圧着用熱伝導性複合シート。
  3. 耐熱性樹脂フィルムの厚さが5〜50μmであり、両面のシリコーン層の厚さがそれぞれ10〜40μmである請求項1又は2記載のLEDチップ圧着用熱伝導性複合シート。
  4. 耐熱性樹脂フィルムに、溶剤で希釈した請求項1記載のシリコーンゴム組成物を、溶剤が揮発した時の厚さが各々10〜40μm、両面のシリコーン層の厚さの差が10μm以下になるようにコーティングすることを特徴とする請求項1又は2記載のLEDチップ圧着用熱伝導性複合シートの製造方法。
  5. 前記シリコーンゴム組成物を希釈する溶媒がトルエン又はキシレンであり、その希釈量は、シリコーンゴム組成物を100質量部とした時に50〜500質量部である請求項4記載のLEDチップ圧着用熱伝導性複合シートの製造方法。
  6. シリコーンゴム組成物の溶媒希釈液の粘度が25℃において3〜30Pa・sである請求項4又は5記載のLEDチップ圧着用熱伝導性複合シートの製造方法。
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