JP4727434B2 - 静電チャック装置 - Google Patents
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Description
例えば、この板状試料にプラズマ雰囲気下にてエッチング処理等を施す場合、プラズマの熱により板状試料の表面が高温になり、表面のレジスト膜が張り裂ける( バーストする)等の問題が生じる。
そこで、この板状試料の温度を所望の一定の温度に維持するために、上記の静電チャック部材の下面に、金属製の部材の内部に温度制御用の冷却媒体を循環させる流路が形成された温度調整用ベース部材をシリコーン系接着剤を介して接合・一体化した静電チャック装置が用いられている。
この静電チャック装置では、温度調整用ベース部材の流路に温度調整用の冷却媒体を循環させて熱交換を行い、静電チャック部材の上面に固定された板状試料の温度を望ましい一定の温度に維持しつつ静電吸着し、この板状試料に各種のプラズマ処理を施すようになっている。
そこで、シリコーン系接着剤に各種の高熱伝導性フィラー、例えば、アルミナ(Al2O3)、酸化珪素(SiO2)、窒化アルミニウム(AlN)等のセラミックス粉末や、アルミニウム(Al)等の金属粉末を混入することが行われている。
なかでも、窒化アルミニウム(AlN)粉末は、熱伝導性やハロゲン系腐食性ガス及びそのプラズマに対する耐久性に優れているので、高熱伝導性フィラーとして好適である(例えば特許文献1、2参照)。
(1)窒化アルミニウム(AlN)粉末の耐水性が充分でないために、この窒化アルミニウム(AlN)粉末を含むシリコーン系接着剤も耐水性が充分でなく、したがって、このシリコーン系接着剤からなる接合層の耐久性も充分でなく、静電チャック装置の耐久性も充分でない。
また、使用時の熱サイクル負荷に対する耐性が充分でないために、静電チャック装置の耐久性も不充分なものとなる。
また、表面被覆窒化アルミニウム(AlN)粒子の含有量を20vol%以上かつ40vol%以下としたことにより、この表面被覆窒化アルミニウム(AlN)粒子とシリコーン系樹脂組成物を含む接合層が熱伝導率、伸び性、接着強度に優れたものとなる。
この静電チャック装置では、酸化珪素(SiO2)からなる被覆層の厚みを0.005μm以上かつ0.05μm以下とすることにより、窒化アルミニウム(AlN)粒子が有する熱伝導率を損なうこと無く、シリコーン系樹脂組成物と強固に接合し、しかも酸素プラズマ等に対する化学的安定性も優れたものとなる。
この静電チャック装置では、表面被覆窒化アルミニウム(AlN)粒子の平均粒径を1μm以上かつ20μm以下とすることにより、この表面被覆窒化アルミニウム(AlN)粒子とシリコーン系樹脂組成物を含む接合層が熱伝導率、伸び性、接着強度に優れたものとなる。また、平均粒径を1μm以上かつ20μm以下とすることで、取扱上の作業性に適したものとなる。
この静電チャック装置では、接合層にセラミックスからなるスペーサを複数個配設したことにより、静電チャック部材と温度調整用ベース部材との間に形成される接合層の厚みを精度良く制御する。これにより、静電チャック部材と温度調整用ベースとを、精度良くかつ強固に接合することが可能になる。
この静電チャック装置では、接合層の厚みを50μm以上かつ180μm以下とすることにより、静電チャック部材と温度調整用ベース部材との間の熱伝導性が充分に確保され、熱応力緩和も充分となり、プラズマ透過性も充分となる。
したがって、静電チャック装置自体の耐久性を飛躍的に向上させることができ、しかも半導体ウエハ等の板状試料への汚染源となる虞もない。
なお、この形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
この載置板11及び支持板12の厚みは0.3mm〜3.0mmが好ましく、特に好ましくは0.5mm〜1.5mmである。その理由は、載置板11及び支持板12の厚みが0.3mm未満であると、充分な耐電圧を確保することができず、一方、3.0mmを超えると、静電吸着力が低下する他、載置板11の載置面11aに載置される板状試料と温度調整用ベース部材3との間の熱伝導性が低下し、処理中の板状試料の温度を好ましい一定の温度に保つことが困難となるからである。
この静電吸着用内部電極13の厚みは5μm〜200μmが好ましく、特に好ましくは10〜100μmである。その理由は、厚みが5μmを下回ると充分な導電性を確保することができず、一方、厚みが200μmを越えると、載置板11上に載置される板状試料と温度調整用ベース部材3との間の熱伝導性が低下し、処理中の板状試料の温度を望ましい一定の温度に保つことが困難となり、また、プラズマ透過性が低下し、プラズマの発生が不安定になるからである。
このような厚みの静電吸着用内部電極13は、スパッタ法や蒸着法等の成膜法、あるいはスクリーン印刷法等の塗工法により容易に形成することができる。
この温度調整用ベース部材3は、その躯体が外部の高周波電源22に接続され、また、固定孔15には、その外周が絶縁材料23により囲繞された給電端子16が絶縁材料23を介して固定され、この給電端子16は、外部の直流電源24に接続されている。
これらアルマイト処理または樹脂コーティングにより温度調整用ベース部材3の耐プラズマ性が向上する他、異常放電が防止され、したがって、耐プラズマ安定性が向上し、また、表面傷の発生も防止することができる。
図2では、最外周の同心円上に等間隔に8個、それより内側の同心円上に等間隔に8個、最内周の同心円上に等間隔に4個配置されている。これらのスペーサ31は、直線状に並ばない様に配置されている。
シリコーン系樹脂組成物としては、公知文献(特開平4−287344号公報)に記載されているシリコーン樹脂を用いることができる。
このシリコーン樹脂は、耐熱性、弾性に優れた樹脂であり、シロキサン結合(Si−O−Si)を有する珪素化合物重合体である。この樹脂は、例えば、下記の化学式で表すことができる。
AlN+3H2O→Al(OH)3+NH3
で示されるように、例えば、大気中の水により加水分解されて水酸化アルミニウム(Al(OH)3)とアンモニア(NH3)を生成し、この水酸化アルミニウム(Al(OH)3)により窒化アルミニウム(AlN)の熱伝導性が低下することとなる。
一方、表面被覆窒化アルミニウム(AlN)粒子は、窒化アルミニウム(AlN)粒子の表面が、優れた耐水性を有する酸化珪素(SiO2)からなる被覆層により被覆されているので、窒化アルミニウム(AlN)が大気中の水により加水分解される虞が無く、窒化アルミニウム(AlN)の熱伝導性が低下する虞もない。したがって、接合層4の耐久性が向上し、また、半導体ウエハ等の板状試料への汚染源となる虞もない。
この被覆層の厚みが0.005μmを下回ると、窒化アルミニウム(AlN)の耐水性(耐湿性)を充分に発現することができず、したがって、表面被覆が施されていない単なる窒化アルミニウム(AlN)粒子と同等の特性しか得られず、また化学的に不安定であるからであり、一方、被覆層の厚みが0.05μmを越えると、熱伝導性が低下し、ひいては載置板11の載置面11aに載置される板状試料と温度調整用ベース部材3との間の熱伝導性が低下し、処理中の板状試料の温度を好ましい一定の温度に保つことが困難となるからである。
この表面被覆窒化アルミニウム(AlN)粒子の平均粒径が1μmを下回ると、粒子同士の接触が不十分となり、結果的に熱伝導率が劣化する虞があり、また、粒径が細か過ぎると取扱等の作業性の低下を招くこととなり好ましくない。一方、平均粒径が20μmを越えると、局所的に見た場合、接合層内におけるシリコーン系樹脂組成物の占める割合が減少し、接合層の伸び性、接着強度の低下を招く虞があり、また、その場合、粒子の脱離が発生し易くなり、接合層に空孔(ポア)が生じることとなり、結果的に熱伝導性、伸び性、接着強度の劣化を招くので好ましくない。
この表面被覆窒化アルミニウム(AlN)粒子の含有量が20vol%を下回ると,接合層4の熱伝導性が低下し、ひいては載置板11の載置面11aに載置される板状試料と温度調整用ベース部材3との間の熱伝導性が低下し、処理中の板状試料の温度を好ましい一定の温度に保つことが困難なものとなるからであり、一方、含有量が40vol%を越えると、接合層4の伸び性が低下して熱応力緩和が不充分となり、載置板11の載置面11aの平坦度、平行度が劣化するのみならず、支持板12と温度調整用ベース部材3との間の接合力が低下し、両者間で剥離が生じる虞があるからである。
この接合層4の厚みが50μmを下回ると、静電チャック部材2と温度調整用ベース部材3との間の熱伝導性は良好となるものの、熱応力緩和が不充分となるからであり、一方、接合層4の厚みが180μmを超えると、静電チャック部材2と温度調整用ベース部材3との間の熱伝導性を十分確保することができず、またプラズマ透過性も低下するからである。
まず、公知の方法により、静電チャック部材2と、温度調整用ベース部材3とを作製する。
一方、シリコーン系樹脂組成物と、表面が酸化珪素(SiO2)で被覆された表面被覆窒化アルミニウム(AlN)粒子を、所定の比率で混合し、この混合物に攪拌脱泡処理を施し、シリコーン系樹脂組成物と表面被覆窒化アルミニウム(AlN)粒子との混合物を作製する。この場合、シリコーン系樹脂組成物の粘度を塗布に適するよう所定の粘度、例えば50〜300Pa・sとなるよう、トルエン、キシレン等の有機溶剤で調整してもよい。
このスペーサ31は、静電チャック部材2と温度調整用ベース部材3とを一定の間隔をおいて接合するためのものであり、スペーサ31の個数、配置する位置は適宜でよく、例えば、直径298mmの静電チャック部材2と直径298mmの温度調整用ベース部材3とを接合する場合には、温度調整用ベース部材3上に最外周の同心円状に8個、さらに適度に中心方向に寄った同心円状に8個、さらに中心方向に寄った同心円状に8個配置する。これらのスペーサ31は、直線状に並ばない様に配置する。さらに中心方向の同心円上に4個、最内周の同心円上に4個配置する。
例えば、直径298mmの静電チャック部材2と直径298mmの温度調整用ベース部材3とを接合する場合には、温度調整用ベース部材3の接合面に20〜22g、静電チャック部材2の接合面に15〜17g、それぞれ塗布する。
塗布後、静電チャック部材2と温度調整用ベース部材3とをシリコーン系樹脂組成物を介して重ね合わせ、静電チャック部材2と温度調整用ベース部材3との間隔がスペーサ31の厚みになるまで落し込み、余分なシリコーン樹脂組成物を除去する。落し込む際の温度は、シリコーン樹脂組成物の流動性が最も得られる温度下で行うのが好ましい。
その後、シリコーン樹脂組成物を硬化させる。硬化条件は、用いるシリコーン樹脂の最適硬化条件に従えばよく、また、硬化時に加圧してもよい。
このようにして接合された静電チャック部材2の支持板12と温度調整用プレート部材3とは、3MPa以上の実用的な接合強度を有している。また、この接合層4の熱伝導率は0.5W/mK以上、ヤング率は8MPa以下であり、熱伝導性、伸び性に優れている。
まず、実施例1〜3及び比較例1〜3に共通して用いる静電チャック部材を次のようにして作製した。
平均粒子径0.06μmの炭化珪素超微粉末をプラズマCVD法により気相合成し、この炭化珪素超微粉末5重量部と、平均粒子径0.15μmの酸化アルミニウム粉末95重量部とを均一に混合した。次いで、この混合粉末を円盤状に成形し、次いで、アルゴン雰囲気中、1800℃にて4時間、加圧焼成することにより、直径298mm、厚み1.5mmの円盤状のアルミナ基複合焼結体を作製した。加圧力は40MPaとした。次いで、この円盤状のアルミナ基焼結体に、給電用端子を組み込み固定するための固定孔(直径2.5mm)を、ダイヤモンドドリルによって孔あけ加工することによって穿設し、支持板を得た。
上記の支持板の作製方法に準じて、直径298mm、厚さ1.5mmの円盤状のアルミナ基焼結体を得た。次いで、この円盤状のアルミナ基焼結体の一面(板状試料の載置面)を平坦度が10μm以下となるように研磨し、アルミナ基焼結体製の載置板を得た。
アルミナ粉末(平均粒径0.15μm)40重量部、タンタルカーバイド(TaC)粉末(平均粒径1μm)60重量部からなる混合粉末を成形、焼成し、上記支持板の固定孔に固定可能な棒状のアルミナ−タンタルカーバイド複合導電性焼結体を得、これを給電用端子とした。焼結条件は、支持板の場合と同様とした。
支持板の固定孔に給電用端子を押し込み、組み込み固定した。次いで、この給電用端子が組み込まれ固定された支持板上に、アルミナ粉末(平均粒径0.15μm)40重量部とタンタルカーバイド粉末(平均粒径1μm)60重量部を含む塗布剤をスクリーン印刷法にて塗布し、乾燥して、静電吸着用内部電極形成層とした。
直径298mm、高さ20mmのAl製の温度調整用プレート部材を、砂型に鋳込んで作製した。この温度調整用プレート部材の内部には冷媒を循環させる流路が形成されている。
幅1mm、長さ1mm、厚み0.1mmの角形状スペーサを、アルミナ(Al2O3)焼結体にて作製した。
シリコーン樹脂 TSE3221(東芝シリコーン(株)社製)に、表面が酸化珪素(SiO2)により被覆された表面被覆窒化アルミニウム(AlN)粉末 TOYALNITE(東洋アルミニウム(株)社製)を、上記のシリコーン樹脂及び表面被覆窒化アルミニウム(AlN)粉末の体積の合計量に対して25vol%となるように混合し、この混合物に攪拌脱泡処理を施し、シリコーン系樹脂組成物を得た。このシリコーン系樹脂組成物の粘度は240Pa・Sであった。なお、窒化アルミニウム粉末は、粒径が平均7〜20μmのものを湿式篩により選別して用いた。この表面被覆窒化アルミニウム(AlN)粉末の被覆層である酸化珪素(SiO2)の厚みは0.008μmであった。
次いで、このプレート部材を大気中に5時間静置して常温硬化型シリコーン接着剤を十分硬化させ、その後、上記のシリコーン系樹脂組成物をヘラを用いて静電チャック部材の接合面に17g、温度調整用ベース部材の接合面に22g、それぞれ塗布した。
次いで、50℃、大気中にて、静電チャック部材と温度調整用ベース部材との間隔が120μmとなるまで落し込んだ。次いで、大気中、115℃にて12時間保持してシリコーン樹脂組成物を硬化させ、静電チャック部材と温度調整用ベース部材とを接合させ、実施例1の静電チャック装置を作製した。
また、接合層の接着強度を確認するために、上記のシリコーン系樹脂組成物を直径40mm、高さ20mmのアルミニウム(Al)板に所定量塗布し、その後、実施例1に準じて真空脱泡処理を施し、その後、これらを重ね合わせて再度真空脱泡処理及び硬化処理を施し、接着層の厚みが150μmの実施例1の接着強度試験用サンプルを作製した。
実施例1に準じて静電チャック装置を作製した。
ただし、表面被覆窒化アルミニウム(AlN)粉末の添加量を、シリコーン樹脂及び表面被覆窒化アルミニウム(AlN)粉末の体積の合計量に対して30vol%とした。
また、接合層の接着強度を確認するために、実施例2のシリコーン系樹脂組成物を直径40mm、高さ20mmのアルミニウム(Al)板に所定量塗布し、その後、実施例1に準じて真空脱泡処理を施し、その後、これらを重ね合わせて再度真空脱泡処理及び硬化処理を施し、接着層の厚みが150μmの実施例2の接着強度試験用サンプルを作製した。
実施例1に準じて静電チャック装置を作製した。
ただし、表面被覆窒化アルミニウム(AlN)粉末の添加量を、シリコーン樹脂及び表面被覆窒化アルミニウム(AlN)粉末の体積の合計量に対して35vol%とした。
また、接合層の接着強度を確認するために、実施例3のシリコーン系樹脂組成物を直径40mm、高さ20mmのアルミニウム(Al)板に所定量塗布し、その後、実施例1に準じて真空脱泡処理を施し、その後、これらを重ね合わせて再度真空脱泡処理及び硬化処理を施し、接着層の厚みが150μmの実施例3の接着強度試験用サンプルを作製した。
実施例1に準じて静電チャック装置を作製した。
ただし、表面被覆窒化アルミニウム(AlN)粉末を、表面が被覆されていない単なる窒化アルミニウム(AlN)粉末(三井化学(株)社製)に変更した。
また、接合層の接着強度を確認するために、比較例1のシリコーン系樹脂組成物を直径40mm、高さ20mmのアルミニウム(Al)板に所定量塗布し、その後、実施例1に準じて真空脱泡処理を施し、その後、これらを重ね合わせて再度真空脱泡処理及び硬化処理を施し、接着層の厚みが150μmの比較例1の接着強度試験用サンプルを作製した。
実施例1に準じて静電チャック装置を作製した。
ただし、表面被覆窒化アルミニウム(AlN)粉末を、表面が被覆されていない単なる窒化アルミニウム(AlN)粉末(三井化学(株)社製)に変更し、この窒化アルミニウム(AlN)粉末の添加量を、シリコーン樹脂及び窒化アルミニウム(AlN)粉末の体積の合計量に対して30vol%とした。
また、接合層の接着強度を確認するために、比較例2のシリコーン系樹脂組成物を直径40mm、高さ20mmのアルミニウム(Al)板に所定量塗布し、その後、実施例1に準じて真空脱泡処理を施し、その後、これらを重ね合わせて再度真空脱泡処理及び硬化処理を施し、接着層の厚みが150μmの比較例2の接着強度試験用サンプルを作製した。
実施例1に準じて静電チャック装置を作製した。
ただし、表面被覆窒化アルミニウム(AlN)粉末を、表面が被覆されていない単なる窒化アルミニウム(AlN)粉末(三井化学(株)社製)に変更し、この窒化アルミニウム(AlN)粉末の添加量を、シリコーン樹脂及び窒化アルミニウム(AlN)粉末の体積の合計量に対して35vol%とした。
また、接合層の接着強度を確認するために、比較例3のシリコーン系樹脂組成物を直径40mm、高さ20mmのアルミニウム(Al)板に所定量塗布し、その後、実施例1に準じて真空脱泡処理を施し、その後、これらを重ね合わせて再度真空脱泡処理及び硬化処理を施し、接着層の厚みが150μmの比較例3の接着強度試験用サンプルを作製した。
実施例1〜3及び比較例1〜3のシリコン系樹脂組成物からなるシート状硬化体を用いて熱伝導率、伸び性を評価した。
また、実施例1〜3及び比較例1〜3の接着強度試験用サンプルを用いて接着強度を評価した。
A.熱伝導率
シート状硬化体を用いて常温時のレーザーフラッシュ法により測定した。
B.伸び性(ヤング率)
シート状硬化体を用いて、有効長が幅20mm、長さ50mm、厚み1mmのサンプルを作製し、このサンプルに1.0Kg/cm2(0.098MPa)負荷にて引張り試験を行い、その時の伸び量よりヤング率(MPa)を算出した。
シート状硬化体を用いて、有効長が幅20mm、長さ50mm、厚み1mmのサンプルを作製し、このサンプルに1.0Kg/cm2(0.098MPa)負荷にて引張り試験を行い、その時のひずみ量より伸び率(%)を算出した。
D.接着強度
接着強度試験用サンプルを用いて破断強度より算出した。
これらの評価結果を表1に示す。
実施例2のシリコン系樹脂組成物を、長さ35mm、幅9mm、厚さ1.5mmのアルミナ(Al2O3)−炭化珪素(SiC)複合焼結体片に重ね合わせ、この重ね合わせの前後にて真空脱泡処理、硬化処理を施し、接合層の厚みが150μmの試験サンプルを3個作製した。
また、比較例2のシリコン系樹脂組成物についても、同様に、接合層の厚みが150μmの試験サンプルを3個作製した。
次いで、これら実施例2及び比較例2各々の試験サンプル3個を、真空容器内にそれぞれ配置し、常温〜100℃まで加熱し、残留ガス分析(RGA)評価を行った。
これにより、表面が酸化珪素(SiO2)により被覆された表面被覆窒化アルミニウム(AlN)粉末を用いると、表面被覆されていない単なる窒化アルミニウム(AlN)に起因するシリコーン樹脂硬化物の分解反応を抑制できることが分かった。
2 静電チャック部材
3 温度調整用ベース部材
4 接合層
11 載置板
11a 載置面
12 支持板
13 静電吸着用内部電極
14 環状の絶縁材
15 固定孔
16 給電端子
17 冷却ガス導入孔
21 流路
22 高周波電源
23 絶縁材料
24 直流電源
31 複合材料
32 スペーサ
Claims (5)
- セラミックスからなる静電チャック部材と、金属からなる温度調整用ベース部材とを、接合層を介して接合してなる静電チャック装置であって、
前記接合層は、シリコーン系樹脂組成物と、表面被覆窒化アルミニウム(AlN)粒子とを含有し、
前記接合層における前記表面被覆窒化アルミニウム(AlN)粒子の含有量は、20体積%以上かつ40体積%以下であり、
前記表面被覆窒化アルミニウム(AlN)粒子は、窒化アルミニウム(AlN)粒子の表面に酸化珪素(SiO2)からなる被覆層を形成してなることを特徴とする静電チャック装置。 - 前記被覆層の厚みは、0.005μm以上かつ0.05μm以下であることを特徴とする請求項1記載の静電チャック装置。
- 前記表面被覆窒化アルミニウム(AlN)粒子の平均粒径は、1μm以上かつ20μm以下であることを特徴とする請求項1または2記載の静電チャック装置。
- 前記接合層には、セラミックスからなるスペーサが複数個配設されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項記載の静電チャック装置。
- 前記接合層の厚みは、50μm以上かつ180μm以下であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項記載の静電チャック装置。
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